チケットぴあがお届けする新着記事一覧 (146/342)
9月15日(金)に開幕する、栗山千明、溝端淳平、浅田美代子、中村雅俊の4人芝居『ミッド・ナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』。NHK連続テレビ小説「ひよっこ」でも話題の脚本家・岡田惠和が脚本を手掛け、深川栄洋が舞台初演出に挑む本作は、バリ島のリゾートホテルの一室を舞台に、結婚式を翌日に控えた男女とその父、母の4人が織りなすハイスピード毒舌ラブコメディ。その公開稽古が行われた。舞台『ミッド・ナイト・イン・バリ』チケット情報稽古は、花嫁の幸子(栗山)が、結婚相手で小説家志望のフリーター・治(溝端)に不満をぶちまけ、敏子(浅田)が娘・幸子の加勢をしたりしなかったりしつつ治を問い詰める、という場面からスタート。テンポのいいピアノ生演奏の中、思いつくままに喋りながらどうにかこの場を切り抜けようとする治、治の間違いを高速で指摘する幸子、合いの手のようにふたりを煽る敏子、という息の合ったやり取りが痛快。そこにお調子者な治の父・久男(中村)が登場してさらなる混乱を引き起こし、カオス状態になったところで幸子を中心とした歌(オリジナル曲)が始まったので、思わず笑ってしまった。その後も、幸子が治を問い詰める言葉を発端に幸子と敏子が揉め始めたり、かと思えば敏子が幸子と結託して治を責めたり、久男はなにかと空気を止めたりと、個性派揃いの4人の会話が餅つきのように続いていく。次に披露されたのは、クライマックスの歌唱シーン。浅田と中村が中心となり、4人が歌って踊る楽曲だ。準備中に浅田が「歌まで歌わされるんですー。踊りまで踊らされるんですー」と大きな独りごとを言うと笑いが起き、稽古場の雰囲気のよさも伝わってきた。稽古後の囲み取材で、溝端が「観るほうは楽しいけど、やるほうは大変な芝居です!」と笑ったように、「ひとり4ページくらいの長ゼリフがそれぞれある」(栗山)、「脚本は読みやすくて面白いけど、日常会話すぎて逆に覚えるのが大変」(溝端)、「しかもハイスピードを要求される」(栗山)という俳優の苦労がそのまま面白さにつながる作品。そこに歌とダンスも加わり、浅田は「現役のときからリズム感があまりないから振り付けがなかったんですけどね。まさか踊らされるとは!」とぼやくも、中村が「美代子ちゃんと踊りながら歌うっていうのは幸せな時間です」とニッコリ。溝端も舞台で歌うのは初となり、他にはない4人の姿が見られる作品になりそうだ。栗山が「その回、その回でお客様と一緒の空気を味わいながら楽しんでいけたら」と話す本作は、9月15日(金)から29日(金)まで東京・シアタークリエにて。その後、静岡・愛知・大阪・福岡など全国12か所を巡演。取材・文:中川實穗
2017年08月30日民族舞劇や歌舞、器楽などを融合してオリジナル作品を上演する総合芸術団体・上海歌舞団が、2年前の日本ツアーで大好評を博した『朱鷺』で待望の再来日中だ。『羽衣伝説』や『白鳥の湖』などの伝承・民話をモチーフに、村の青年ジュンと朱鷺の精ジエの時空を超えた愛を描いた物語。8月29日、東京・Bunkamuraオーチャードホールで全国公演の幕が開いた。舞劇『朱鷺』チケット情報一幕は、淡いグラデーションで水墨画のように描かれた山々を背景に、古代の農村の様子が綴られる。村の青年ジュン(王佳俊)が薪を拾いに山の奥深くに入ると、湖のほとりで仲間たちと無邪気に集う朱鷺の精ジエ(朱潔静)がいた。朱を含めて朱鷺を演じるダンサーたちは細くしなやかで、羽衣とも朱鷺の羽根とも見える布をなびかせながら踊る姿は、まさに『羽衣伝説』に登場する天女のイメージだ。ジュンとジエはひと目で恋に落ち、夕陽が落ちるまでのひと時を睦まじく過ごす。だがジュンがふと目を覚ますと、ひとひらの羽根を残してジエの姿はなく……。ジュン役の王は、薪を村人に分け与えるほどの誠実さをもった青年が、初めて出会ったジエにもまっすぐ惹かれていくさまを好演。一方、「佐渡島で朱鷺の様子を観察しました」という朱は、朱鷺らしい動きを巧みに取り入れつつ、ジュンへの想いを優美に表現している。それは儚い女性性の表れのようでもあり、疲れて眠るジュンを包み込む、母なる大地の象徴のようでもある。壮大でドラマチックな楽曲に乗せて、朱鷺の精たちが一糸乱れぬアンサンブルを繰り広げるシーンも必見だ。一幕のラスト、消えたジエを探してさまようジュンの後ろを、朱鷺たちが滑るように次々と横切って消えてゆく場面は神秘的ですらある。物語は二幕で、産業革命を迎えて朱鷺が絶滅の危機に瀕した近代、さらに21世紀の現代へと続く。ジュンとジエの魂が時を越えて出会い、別れてゆく中で、次第に浮かび上がってくるものとは。観終わった後、観客それぞれの胸にその答えが残るだろう。初日公演を前に行われた囲み会見では、オフィシャルサポーターとして谷村新司と草刈民代が登壇。「初めてDVD(で舞台映像)を観た時、アンサンブルの凄さにビックリしました」というのは谷村だ。「朱さんの踊りは素晴らしいし、王さんはチャーミングなので、日本でもファンがとりこになりそう(笑)。この後、ナマで観られるのでワクワクしています」と話した。草刈は「『白鳥の湖』の群舞は有名ですが、『朱鷺』の群舞はそれとは全く別の凄さがあり、心が奪われます。なかなかこういう出合いはないと思うので、ぜひ堪能してください」と、元ダンサーならではの視点で魅力を語ってくれた。オーチャードホール公演は本日8月30日(水)まで。その後、9月2日(土)・3日(日)愛知県芸術劇場 大ホール、9月6日(水)から10日(日)まで東京国際フォーラム ホールC、9月13日(水)・14日(木)大阪・オリックス劇場を巡演。取材・文佐藤さくら
2017年08月30日9月9日(土)・10日(日)に東京・新木場・若洲公園で開催される、ぴあ株式会社の45周年を記念した野外フェス「PIA 45th ANNIVERSARY MUSIC COMPLEX 2017」。同フェスのタイムテーブルが発表された。【チケット情報はこちら】初日、9月9日(土)のトリはthe brilliant green、2日目、9月10日(日)のトリは、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが飾る。チケットは発売中。■PIA 45th ANNIVERSARY MUSIC COMPLEX 2017日時:9月9日(土)・10日(日)開場 9:30 / 開演 11:30会場:新木場・若洲公園(東京都)料金:【1日券】 8,900円 / 【2日通し券】17,000円出演:【9月9日(土)】androp / indigo la End / 押尾コータロー / ゴールデンボンバー / 私立恵比寿中学 / BiSH / フジファブリック / the brilliant green / ベッド・イン / THE BAWDIES / THE RAMPAGE from EXILE TRIBE【9月10日(日)】ASIAN KUNG-FU GENERATION / KANA-BOON / キュウソネコカミ / クリープハイプ / GRAPEVINE / ゲスの極み乙女。 / DADARAY / TRICERATOPS / パスピエ / BRADIO / BLUE ENCOUNT / 森高千里 / WANIMA
2017年08月29日ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、チェーホフ四大戯曲を手がけるシリーズ【KERA meets CHEKHOV(ケラ・ミーツ・チェーホフ)】第3弾『ワーニャ伯父さん』が開幕した。舞台『ワーニャ伯父さん』チケット情報“最高のキャスティングとシチュエーションが揃ったときのみに実現”という不定期上演企画として、これまで2013年「かもめ」(生田斗真、蒼井優ほか)、15年「三人姉妹」(余貴美子、蒼井優ほか)を上演。真正面から100年以上前に書かれた戯曲に向き合いながらも、独自の言語感覚とリズムに彩られた“KERAワールド”が今回も展開される。演出家、キャスト陣の開幕直後のコメント。ケラリーノ・サンドロヴィッチ「3作目ともなると、付き合い方も自分なりに会得できたと思っています。前2作が“交響楽”の趣きとすると、ミニマムで閉塞感が強いワーニャは、いわば“室内楽”。今回は小さな空間で、ポップさを心掛け、細かい表現にもこだわりました。観客の皆さんが我を忘れて劇世界にのめり込める状況をつくることが自分に課した使命でした。今回が3作中、一番良い出来映えなのは間違いありません」段田安則「登場人物の皆がグチグチと不満ばかりを言っているので、最初は、“どこが面白いんだ?”と思っていたんです (笑)。でも、悲劇的な状況の中に喜劇的なニュアンスがある戯曲ですし、何よりも信頼する顔ぶれですからね、チェーホフ好きの方にも、初チェーホフの方にも、”おっ、いい感じのヒットを打ったんじゃない?”と思っていただけるものに仕上がったと思っています」宮沢りえ「チェーホフは、掘れば掘るほど底なしの深さがあって、演じていて楽しいですね。引き算も足し算もできる難しさがある分、役者として鍛えられます。私が演じるエレーナは多面的な要素をもつ女性。退廃的だけど魅惑的で、保守的だけど破滅的。劇中で「肉食獣」とも言われますし(笑)、自分の衝動に対して素直な、人間味あふれるエレーナにできればと思っています」黒木華「最初は暗い印象を受けた戯曲が、KERAさんの上演台本と演出、稽古場での先輩たちの魅力的な姿を通し、不平不満や不幸の裏側の滑稽な面が見えてきて、とても面白くなってきました。ソーニャは一番若いのですが、一番現実を見ているしっかりした人物。難しい役柄ですが、一番感情移入しやすい存在かもしれません。これは、チェーホフが苦手という方でも面白く見ていただける舞台です」とそれぞれに感じたところを来場者へ向けたメッセージとして語ってくれた。公演は9月26日(火)まで東京・新国立劇場 小劇場にて。
2017年08月29日20世紀後半のイギリスを代表する劇作家、ハロルド・ピンター。彼の代表作『管理人』を溝端淳平、忍成修吾、温水洋一の3人が演じる。職をなくしたばかりの老人と、たまたま老人と知り合いになったある兄弟。3人の関係が緊張感をもって描かれる今作。演出の森新太郎とキャストの初顔合わせの場で、話を聞いた。舞台『管理人』チケット情報「不条理演劇の旗手」とも呼ばれ、難解な印象もあるピンターの作品だが、演出の森は「笑えなくては意味がない」と意外な言葉を口にする。「初めてピンターを読んだときは、正直何が面白いんだかわからなかった。でも、たまたま気分が塞がっているときにこの『管理人』を読んだら、3人の無力な登場人物が身近に思えた。物語がとても自分に寄り添ってくれる感覚があったんです」。ピンターで“笑える”作品を目指す森だが、キャスティングに希望したのが今回の3人。「ピンターを演じるなんて、ふつうの俳優さんなら断りそうなもの。お三方が受けてくれただけでありがたい。しかも今3人が並んでいるところを見たら本当にイメージ通りで、テンションが上がっています」と嬉しそうに話す森。1959年に発表された戯曲は、今回の上演のために翻訳も新しくした。「現代の人の会話調になっていて実にスピーディです」と徐賀世子の新訳にも手ごたえを感じているようだ。人間同士のかけひきや争いをユーモアを交えて描く本作だが、演じる側はどう感じているのか?溝端は「演じるときにはどうしても過去の経験から役を考えて、形作ろうとしてしまう。でも今回はそれがまったく通じない作品という予感がして、大きな挑戦になると思います」と語ると、3人の中で唯一森演出を経験したことのある忍成が「森さんの演出は、大変だけれどくせになる。今回も稽古場で苦労するんだろうけれど、楽しみです」と話す。最年長の温水は「あまり哲学的に考えず、かといって無理に笑わせようとせずに、ふわふわとその場にいられたら。そこで笑いが生まれたらいちばんいいと思います」と自然体だ。森の話した“笑える”というキーワードに反応した溝端が「最初に読んだ時は難しいと思っていたけど、そういえばこの気まずい空気、アンガールズさんの『ジャンガジャンガ』がずっと続いているようなもんですね」と言うと全員から納得の笑いがもれた。「こんな優れた作品があまり日本で上演されていなくてラッキーだった」という森。「そもそも『管理人』という全く劇的な匂いのしないこのタイトルからして大好き(笑)。この地味なタイトルに少しでも惹かれる人は見にきてほしい。そして笑っていただいて、その奥にある切なさを感じてもらえたらいちばんいいなと思います」と締めくくった。ピンターを敬遠しがちな人も知らない人も、純粋に3人の関係を面白く見られる作品になりそうだ。公演は11月26日(日)から12月17日(日)まで東京・シアタートラムにて、その後兵庫で上演。取材・文:釣木文恵
2017年08月29日小川絵梨子演出「CRIMES OF THE HEART -心の罪-」が9月2日(土)に開幕する。舞台「CRIMES OF THE HEART -心の罪-」チケット情報本作は、1981年にピュリツァー賞・ニューヨーク劇評家サークル賞を受賞したべス・ヘンリーの戯曲で、小川演出版の今作には、安田成美、那須佐代子、伊勢佳世、渚あき、斉藤直樹、岡本健一が出演する。開幕を約2週間後に控えた稽古場に潜入した。物語は、三人姉妹の末っ子・ベイブが上院議員の夫を銃で撃ち、朝刊の一面を飾ることから始まる。しかし実は、描かれるのは“事件”ではない。40歳の長女・レニー(那須)、37歳の次女・メグ(安田)、34歳の三女・ベイブ(伊勢)の、可笑しくて愛おしい三姉妹の“絆”だ。この日、稽古が行われたのは三姉妹のシーン。親代わりの祖父が危篤状態になったことを明かす場面だが、最初は病状について真剣に語り合っていたはずが、気付けば徹夜明けのテンションで笑いが止まらなくなったり、靴のかかとの修理を始めたり、姉の恋を応援したり…。いくつもの笑えない状況を抱えたまま気ままに過ごす3人の姿から、不思議なほどに互いへのいたわりや、深い諦めが感じられ、姉妹が歩いて来た険しい道のりを思わずにはいられないシーンとなっていた。暗い雰囲気になってもおかしくない物語だが、自然と笑いが存在し、テンポもよく、観やすいのは、俳優そして演出の成せる技。責任感が強い長女、奔放な次女、無邪気だが爆弾を抱える末っ子…その一見よくある三姉妹の、実はハードな生い立ちや孤独が滲む芝居は見事で、さらに渚や斉藤、岡本が、姉妹それぞれの内に秘めた感情を鮮やかに浮き立たせていた。稽古後、小川に話を聞くと、「稽古は楽しいです。メンバーがみんな素敵な方なのでありがたい」と笑顔。本作は、7月6日に急逝した中嶋しゅうの企画ということで「しゅうさんのおかげでつくらせてもらっている、という感じで。それが一番です。今回のメンバーはみんなしゅうさんと親しい方ばかりですし、しゅうさんの企画なので。そういう意味では本当にしゅうさんと一緒にっていう気持ちで。そしてこのメンバーで楽しくやらせていただけるのは、しゅうさんのプレゼントだなと思います」。「タイトルの印象で重い感じかなと思われるかもしれないですけど、基本的にはコメディなので。気軽に観に来ていただけると嬉しいです!」と小川も言うとおり、姉妹のタフでしなやかな姿に、笑わされ、励まされ、やさしく心を揺さぶられる本作。公演は9月2日(土)から19日(火)まで東京・シアタートラム、9月22日(金)に神奈川・やまと芸術文化ホール メインホールにて。取材・文:中川實穗
2017年08月28日8月24日、東京・全労済ホール/スペース・ゼロにおいて「マリアと緑のプリンセス」のゲネプロが行われた。“いのち”のミュージカルと銘打たれた本作は、主人公・マリアが通う劇団ボアベールで様々な夢を追いかける彼女たちの悩みや葛藤を描いた作品となっている。舞台「マリアと緑のプリンセス」チケット情報現実の生活と将来の夢の狭間で悩みを抱えるマリアの葛藤を、劇団ハーベストで活躍中の加藤梨里香が2年ぶりに好演。2年前に「花より男子 The Musical」で3000人を超えるオーディションを勝ち抜き、ヒロイン・牧野つくし役を射止めた加藤の実力は本物で、今作でも繊細な思春期の女性の心の移り変わりを、歌で、演技で、細やかに演じきっていた。劇団で子ども達に演技を教えるビリーを演じるのは小野田龍之介。大舞台での座長も経験し、益々磨きのかかったその圧巻の歌唱力とダンスは必見である。演出家を目指し、劇団では演出見習い兼掃除係として働くトニーは、演劇集団D-BOYSの山田悠介が演じる。山田はミュージカル初挑戦とのことだが、とても初挑戦とは思えない仕上がりとなっている。最大の目玉は、今作よりの出演となる歌舞伎俳優の中村鴈治郎である。鴈治郎が演じるマシューは、陽気な日系ハワイ人で、かつてラスベガスでショーのプロデューサーを務めていたという人物。父親を早くに失くしたマリア親子を公私共に支えるマシューを、おおらかな包容力で演じていた。座組全体の活力を体現するような力強い歌声と演技は圧巻のひと言。こちらもミュージカル初挑戦とは到底思えないパフォーマンスを披露していた。物語のテーマとしては、とても分かりやすく「命のあり方」や「人を思う気持ち」がとても丁寧に描かれている。単純なテーマこそ見えにくくなってしまうのが常だが、本作では狭き門をオーディションで勝ち抜いたジュニアキャストが素晴らしい才能を披露し、作品の一部として、「子役」ではなく“プリンシパル”をしっかりと演じているからこそ明確に見えてくる。鴈治郎と山田の“新たなる挑戦”と、子ども達が体現する無限の可能性。加藤や小野田、吉川らのハイレベルなパフォーマンスに包まれ、確かな実力を持ったキャストが結集し、良質なエンタメとしてはもちろんだが、夏休み最後の思い出として、是非とも家族揃っての観劇をお奨めしたい。東京公演はすでに終了。8月29日(火)・30日(水)大阪・サンケイホールブリーゼ、9月2日(土)KAAT 神奈川芸術劇場 ホールで上演。
2017年08月28日8月22日、ミュージカル『屋根の上のヴァイオリン弾き』の製作発表記者会見が都内で開かれた。物語では帝政ロシア時代、アナテフカという寒村で酪農業を営むテヴィエと妻、3人の娘の旅立ちを通して夫婦愛、親子愛が描かれる。主演のテヴィエ役の市村正親と妻ゴールデ役の鳳蘭が、まず『サンライズ・サンセット』をデュエット。娘3人とその相手役のキャストを迎え入れて、最後は全員で美しいハーモニーを響かせた。ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」チケット情報挨拶では、市村正親「まだ髭を生やしていませんが、1か月かけて伸ばします。今回は新しいメンバーと古いメンバー、僕ら夫婦も一線を超えていますから(笑)、皆さんに家族のミュージカルをお見せしたいです」、鳳蘭「前回、前々回より皆様に感動していただけるよう、心を込めて演じます」、一家の長女、しっかり者のツァイテル役実咲凜音「宝塚を退団して初めてのミュージカルとなります。少しでも吸収できるように頑張ります」、活発な次女ホーデル役、神田沙也加「歴史ある作品で決まった時は興奮しました。個人的にはひとりっ子なので、家族でワイワイ過ごせるのを楽しみにしています」、好奇心旺盛な三女チャヴァ役の唯月ふうか「私もひとりっ子で姉妹の役は初めて。仲良く楽しく、精一杯頑張ります」、ツァイテルと相思相愛、仕立て屋モーテル役の入野自由「前回はパーチック役でしたが、新たな気持ちで取り組みます」、ホーデルと恋に落ち、革命を志してシベリアへ行くパーチック役の広瀬友祐「責任を自信に変えて、精一杯自分らしく演じたいと思います」、ロシア人フョートカ役の神田恭兵「50年続いたミュージカルを続けて行く使命を担い、身が引き締まる想いです」と語った。質疑応答では、名曲『伝統の歌』にかけて、家の“しきたり”や自身のジンクスを問われると、市村「楽屋に父母や蜷川幸雄さんなど僕に影響を与えた故人の写真を飾る」、鳳「しきたりではないんですけど、自分に子供ができたら誰を連れてきてもOKする。それで上手くいっています」、実咲「実家の父がフルーツが大好きで、帰ると必ずいろんなフルーツを出して待っていてくれる」、神田「大小の犬を2匹飼っていて、同じぐらい撫でたり『愛してるよ』と言う」、唯月「公演前に鏡の前で笑顔で『行ってきます』と言ってから舞台袖へ向かう」、入野「両親とニックネームで呼び合っている」、広瀬「毎公演、作品ごとに新しい験担ぎを見つける」、神田「本番が始まる前に手を合わせて、身近な人のことを考える」と、ユニークな答えが揃った。最後に実咲、神田、唯月が結婚仲介の歌『マッチメイカー』を披露。愛らしい3人の掛け合いに手拍子が起こった。新キャストによる新たな『屋根の上のヴァイオリン弾き』、期待大だ。12月5日(火)から29日(金)まで東京・日生劇場、2018年1月3日(水)から8日(月・祝)まで大阪・梅田芸術劇場メインホール、1月13日(土)・14日(日)静岡・静岡市清水文化会館(マリナート)、1月19日(金)から21日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場大ホールの他、福岡、埼玉にて上演。取材・文:三浦真紀
2017年08月25日10月に開幕する高畑淳子主演の舞台『土佐堀川近代ニッポン―女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯』。その製作発表が行われ、出演者の高畑淳子、赤井英和、南野陽子、田山涼成、葛山信吾、三倉茉奈、紫とも、篠田光亮、越智静香、演出の田村孝裕が登壇した。舞台『土佐堀川』チケット情報本作は、NHK連続テレビ小説「あさが来た」(15~16年)でもお馴染みの女性実業家・広岡浅子のドラマチックな人生を描く舞台。「あさが来た」の原案でもある古川智映子の小説が原作で、主人公の浅子を高畑が演じる。製作発表は、浅子が「女性にも学問を」という思いから設立に貢献した日本女子大学が会場となり、冒頭では同大学の講師による“広岡浅子ミニ講義”も開かれた。浅子の波乱万丈の人生を、17歳から亡くなるまで演じる高畑は「最初(十代の頃)はお客さんに特殊眼鏡を渡したいくらいですが(笑)、晩年のほうのシーンはすごくよくて。(脚本を読んでいると)涙でぐしょぐしょになります」と明かし、浅子について「“女性はこう生きなければいけない”という時代に、“なぜ?”と思える人だったんでしょうね。商売に長けた三井家の中で、自分も(男性と)同等に商いをしたい気持ちもあったんだと思います」と印象を語る。演出の田村は「淳子さんは走りだしたら止まらないというか、止まれないというか(笑)。広岡浅子さんと重なる部分がすごく多くて。前を向いたら突き進んでいく印象があるので、僕はすごく(浅子と)重ねやすいです。新しい淳子さんというかそのままの淳子さんというかが見られるんじゃないかと思います」。浅子の旦那・広岡信五郎役の赤井は「大阪の商売人の役なので、それならピッタリやな!と脚本を読ませてもらいました。『涙は悲しいときに出すんやなく、嬉しいときに出すんや』という小藤の台詞に胸を打たれましたね」と劇中の印象的な台詞を披露。広岡家の女中・小藤役の南野は「小藤は浅子の幼いころから晩年までずっとそばで支え続けた、いや逆に支えられた…そのくらい密で、近くにいた人間です。(同じように)高畑さんにいろいろ教えていただきながら、支えていきたいです」と高畑との共演を心待ちにしている様子。広岡正秋役の田山は、実年齢は8歳下である赤井の弟役を演じることに「どう料理しよう」と笑いつつ「浅子さんのような人の影には、その人の気持ちを受け、支える人が必ずいるんだなと感じました」と、今作で描かれる浅子と正秋の関係に思いを馳せた。高畑が「メランコリックにならないで、目の前にあるものを追いかけていきたい」と語る本作は、10月4日(水)から28日(土)まで東京・シアタークリエにて上演後、全国7か所を巡演。取材・文:中川實穂
2017年08月25日ビクターエンタテインメントとMBS毎日放送が共催するロックフェスティバル『ビクターロック祭り2017大阪×MBS音祭~supported by uP!!!』が、10月8日(日)大阪城ホールにて開催される。出演者は第1弾として、家入レオ、大原櫻子、藤原さくらの3アーティストが発表されていたが、新たにLOVE PSYCHEDELICO(Premium Acoustic Set)、竹原ピストルの出演が決定した。LOVE PSYCHEDELICOは7月に約4年ぶりとなるオリジナルアルバム『LOVE YOUR LOVE』をリリースしたばかりで、9月より全国ツアーをスタートさせる。竹原ピストルは、4月にアルバム『PEACE OUT』を、7月には配信限定作品『Amazing Grace ep』をリリースし、現在全国弾き語りツアー中だ。なお、LOVE PSYCHEDELICOは9月の全国ツアーの編成とは異なり、プレミアム・アコースティックセットでの出演となるので、こちらも期待していただきたい。尚、本公演に関する情報は今後も随時公開されていくので、オフィシャルサイトに注目して欲しい。チケットは8月25日(金)12:00より「uP !!!」先行2次受付がスタートする。■『ビクターロック祭り2017大阪×MBS音祭 ~supported by uP!!!』日時:2017年10月8日(日) 14:00開場 / 15:00開演 (予定)会場:大阪城ホール出演:家入レオ/大原櫻子/竹原ピストル/藤原さくら/LOVE PSYCHEDELICO(PremiumAcoustic Set)問合せ:キョードーインフォメーション[TEL] 0570-200-888(毎日10:00~18:00)[HP]
2017年08月25日9月7日(木)に初日を迎える「松竹新喜劇新秋公演」。この度、浅草公会堂前スターの広場にて公演PRイベントが行なわれ、『新・親バカ子バカ』に出演する渋谷天外、藤山扇治郎、久本雅美、梅垣義明の4人が出席。それぞれが公演への意気込みを語った。松竹新喜劇新秋公演 チケット情報「松竹新喜劇新秋公演」の目玉は、昭和34年にテレビドラマとして放映、最高視聴率は58%を記録した伝説の作品『親バカ子バカ』に、現代の風潮を取り入れ、新たに復活させた『新・親バカ子バカ』。5月の巡業でも好評を博した同作は、今回が松竹新喜劇への5回目の参加となるワハハ本舗・久本雅美、そして初出演となる梅垣義明も参加し、益々パワーアップしてのお披露目となる。今イベントではそれぞれが『新・親バカ子バカ』の衣装で登場し、色紙に書いた意気込みを紹介した。ワンマン社長を演じる渋谷が書いたのは『ぼちぼちいこか』。「このぼちぼち行こか、は『ゆっくり行こうか』ではなく、大阪弁で『準備はできた、ぼちぼち行こかぁ!』という意味になります。公演に向けて、勢いづいていけたら(渋谷)」と話す。続いてその息子を演じる藤山の色紙には『今年も演舞場で(藤山)炎舞場します』。「この炎舞場は燃えたぎるように、お客様に喜んでいただけるように一生懸命やれたらと。あと滝沢演舞場と藤山炎舞場をかけてみました(笑)負けないくらい藤山炎舞場したいなと、がんばりたいと思います!(藤山)」と、話した。また松竹新喜劇では下ネタを封印していると話した久本は、色紙では『やる気元気歯ぐき!!よろチクビー』と、らしさ全開。「本当に大好きな松竹新喜劇にまた出られるので嬉しいです。元気いっぱい頑張りたいと、心をこめて書かせていただきました。下ネタは言わないといいましたが、ここだけは言わせてください!(久本)」と笑わせた。梅垣は、達筆な『一生懸命』を見せ、「みんな真面目に書くって言っていたのに、こんなに笑いを取ると思わなかった」と呆れ顔。「真面目に、一生懸命、と書きました。がんばりますのでどうぞよろしくお願いいたします(梅垣)」と話した。またフォトセッションでは、藤山扇治郎が、祖父であり喜劇王・藤山寛美の手形と、自身の手を比べてみる場面も。『親バカ子バカ』で一躍有名となった祖父の手形を見て、「おじいさんの手が意外と小さいなと思いました。久本さん、梅垣さんとの共演も嬉しいですし、自分も楽しみながら、お客さんを楽しませられるようがんばります」と意気込みを語った。「松竹新喜劇新秋公演」は9月7日(木)から9月24日(日)まで、東京・新橋演舞場にて上演。チケットは現在発売中。
2017年08月24日9月24日(日)に山梨・山中湖交流プラザきららで行われる音楽フェス「ONE+NATION music circus in山中湖」の追加出演者が発表された。【チケット情報はこちら】出演が決定したのは、BOYS AND MEN(田中俊介、辻本達規、小林豊、平松賢人、吉原雅斗)、THE BEAT GARDEN、JEY-J、電波少女の4組。また、前日に同会場にて前夜祭の開催が決定。24日(日)に出演するSOLIDEMOが本編とは異なるスペシャルバージョンのライブを披露する。「ONE+NATION music circus」は、地方創生をテーマに、「フェスで訪れた場所の豊かさ、美しさをもっと知ってほしい」「開催地の若者が生まれ育った地元に誇りを持ってほしい」という想いから開催。昨年は宮崎県都城市と愛知県犬山市で実施され、2年目となる今年は山中湖交流プラザきららで行われる。チケットは発売中。 オフィシャルバスツアー(新宿・横浜・大月発)は下記公式HPよりご確認を。■「ONE+NATION music circus in山中湖」日時:9月24日(日)開場11:30 / 開演13:00会場: 山中湖交流プラザきらら (山梨県)出演: ファンキー加藤 / Hilcrhyme / MACO / SOLIDEMO / BiSH / THE HOOPERS / Mary’s Blood / BOYS AND MEN / THE BEAT GARDEN / JEY-J / 電波少女※BOYS AND MEN出演者:田中俊介 / 小林豊 / 辻本達規 / 平松賢人 / 吉原雅人■「ONE+NATION MUSIC CIRCUS IN 山中湖 」~青空ミュージック~前夜祭日時:9月23日(土)開場15:00 / 開演16:00(予定)会場: 山中湖交流プラザきらら (山梨県)出演: SOLIDEMO / sherbet / ヤンチャン学園 / 木村結香
2017年08月24日昨年、人気声優と俳優が勢ぞろいしたキャストと美しい舞台装置、豪華な衣裳という、朗読劇の枠を超えたステージで話題を呼んだ『VOICARION(ヴォイサリオン)』。第2弾となる今回は、サブタイトルに『GHOST CLUB(ゴーストクラブ)』と銘打ち、作家のコナン・ドイル卿が奇術師ハリー・フーディーニと共に事件を解決していくさまを描く。原作・脚本・演出を担当する藤沢文翁と、日替わりキャストの中から宝塚OGの紫吹淳と春野寿美礼、妃海風に話を聞いた。朗読劇「VOICARIONII~ヴォイサリオン~」チケット情報19世紀のロンドン。小説『シャーロック・ホームズ』で人気作家となったコナン・ドイル卿(春野)は、最終巻でホームズを死なせたことで世間の批判にさらされていた。しかもホームズ(朴ロ美 ※ロは王偏に路)までもが妄想の中に現れ、ドイル卿をからかう始末。そんな中、天才奇術師ハリー・フーディーニ(紫吹)と出会ったドイル卿は、霊媒師のインチキを見抜いた彼にホームズの面影を見る。ロンドン中にあふれる幽霊事件を解決するべく“ゴーストクラブ”を結成したふたりの前に、貴族の当主で15歳のデズモンド(妃海)が現れて……。「藤沢さんの世界観が大好き」と言う紫吹は、「男性の役とはいえ、藤沢作品でのメイクや芝居は宝塚の“男役”とは別。声や仕草で男に見せ、ドラマチックな空間に仕上げるのが“藤沢マジック”だなぁと思います」と全幅の信頼を寄せる。一方、「宝塚OGのイベントなどで“男役”をすると、いまだに気持ちが盛り上がっちゃう」と笑うのは春野だ。「ただ、今回は初めての朗読劇。ドイル卿を演じるにあたって今まで培ってきたものがどう出るのか、自分でも楽しみです」と話す。また、大先輩の紫吹と春野を前に「同じ舞台でご一緒できるなんて夢みたいです」と緊張の面もちの妃海。「宝塚では元気な役が多かったので、謎めいた少年の役なんて初めて。新たな挑戦だなと思っています」と初々しく語った。気になる衣裳については、「フーディーニはアメリカ人のマジシャンなので、優男の遊び心が入った衣裳。ドイル卿は英国紳士らしく、スーツのイメージですね」という藤沢。「東宝の衣裳部さんがやけに力を入れてくださっているおかげで(笑)、キャストはシリーズのアイコンである、王冠を模したチャームを衣裳のどこかに付けています。ぜひ客席から探してみてください」と、観劇のヒントも教えてくれた。さて、紫吹と春野は意外にも、今回が退団後初共演。だが「“同じ釜の飯を食った仲間”の安心感」(紫吹)、「ずっと勝手に親近感を持ってました」(春野)と、早くも息はぴったり。彼女たちによるめくるめく舞台を、今から期待して待ちたい。公演は8月31日(木)から9月7日(木)まで東京・シアタークリエにて。取材・文佐藤さくら
2017年08月24日劇団た組。の第15回目公演 三越劇場版「壁蝨」が8月30日(水)に上演される。本作は、三越劇場とシアタートラムというふたつの劇場で上演され、それぞれ違うキャスト(※一部同キャスト)が出演する。三越劇場版で音楽を担当する谷川正憲(UNCHAIN)と、劇団の代表で脚本・演出を手掛ける加藤拓也に話を聞いた。劇団た組。「壁蝨」チケット情報人生の選択における“では一体どうしたらよかったのかというのか”という、誰にでもある『どうしようもないこと』にフォーカスを当てた物語で、女性器を持たずに生まれてくるロキタンスキー症候群の主人公を中心とした人間関係が描かれる本作。一日だけの上演となる三越劇場版には、南乃彩希、岡本あずさ、宮田早苗らが出演する。その中で歌・演奏を担当するのが、今年4月に上演された第13回目公演「まゆをひそめて、僕を笑って」でも同様に出演した谷川。「もう!?と思いました(笑)」と笑う谷川は、普段はUNCHAINのヴォーカル&ギターとして活動するミュージシャンだ。前作の経験を「すごく楽しかったです。初めての経験で。舞台の生演奏って、僕らがやってるライブよりもライブ感があったんですよね。すごく燃えますし、燃え尽きるし、精神力も削られるし」と語る谷川。前作の谷川を加藤は「最高のひと言に尽きます。お客さんにも『音楽がとにかくよかった』って絶対に言ってもらえていたし。音楽って演劇をつくるうえで超大事なので」と絶賛する。劇団た組。の作品において生歌と生演奏は魅力のひとつだが役割は独特だ。「最初、場面のバックグラウンドの音楽をやるのかなって思ってたら、そうじゃなくて、主人公の心の中を音楽で表してほしいって言われたんですよ。やったことなくて。もちろん自分の曲では自分の感情を歌うんですけど、人の感情だから」(谷川)。「(登場人物が)気持ちを歌うミュージカルとはまた別で、(本作における)歌はどの立場にも立てるなと思っていて。登場人物の立場にもなれるし、お客さんの立場にもなれるしっていう。それが強みなのかなって思います」(加藤)。一日だけの公演。谷川は「絶対緊張するけど、死ぬほど大変ってことは死ぬほど楽しいかもしれない」と笑顔。劇団た組。は今作のシアタートラム版で年内の公演はラストとなり、加藤は「自分の中での集大成というと変ですけど、すごく慎重に書いた作品です。丁寧に積み上げるところを観てほしい。三越劇場版はワンデイならではのよさを出せるようにしたいです」。三越劇場版「壁蝨」は8月30日(水)に上演。シアタートラム版は9月29日(金)から10月1日(日)まで上演される。シアタートラム版の音楽は橋詰遼。谷川一押しのミュージシャンだ。
2017年08月23日宙組トップスター・朝夏(あさか)まなとの退団公演『神々の土地~ロマノフたちの黄昏~』『クラシカル・ビジュー』が、8月18日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。宝塚歌劇宙組ミュージカル・プレイ『神々の土地』~ロマノフたちの黄昏~/レヴューロマン『クラシカル ビジュー』チケット情報第一幕の『神々の土地』は、帝政末期のロシアが舞台。ロシア最後の皇帝・ニコライ二世の従兄弟で有能な軍人ドミトリー・パブロヴィチ・ロマノフが主人公で、王朝を救う道を模索する男の葛藤と生き様を描いた物語だ。革命活動家が皇帝ニコライ二世に向けて銃を向けるプロローグ。皇帝をかばったセルゲイ大公が命を落とし、幕開きからピンと張り詰めた空気が流れる。ドミトリーは、伯父であるセルゲイ大公の屋敷に身を寄せ、大公亡き後も大公妃イリナのもとで過ごしてきたが、皇帝一家を護るべく帝都ペトログラードへと転任。そこでは怪僧ラスプーチンが皇帝一家を操っていた…。歴史上の人物やラスプーチン暗殺の史実などに架空のエピソードを加えて、重厚な物語を紡ぎ出している。朝夏が演じるのは、皇帝一家と民衆の間に立ち、平和的な解決策を探るドミトリー。気品があり、真っすぐで、国のことを第一に考えて行動する様はトップとして組を率いてきた朝夏の姿にも重なる。男役の集大成にぴったりの役柄だ。次期トップが発表された真風涼帆(まかぜ・すずほ)は、青年貴族でドミトリーの旧友フェリックス・ユスポフ役。貴族として高いプライドと理想を持つ人物を、クールに表現している。皇帝一家を操るラスプーチンを演じるのは、愛月(あいづき)ひかる。登場するだけで空気が一変するような不気味さを漂わせながら演じている。暗殺シーンも見どころの一つだ。また、冷たい空気が流れるような描写は、ロシアを舞台にした物語ならでは。寒々しい雪原の中、ドミトリーと伶美(れいみ)うらら演じるイリナが踊る場面はため息が漏れるほど美しい。第二幕の『クラシカル・ビジュー』は、宝石をテーマにしたレヴュー。稲葉太地演出によるエネルギッシュなステージだ。宇宙をイメージしたプロローグで、色とりどりの星が浮かぶ。そしてダイヤモンドのように煌めくシルバーの衣裳をまとった朝夏を中心に、総踊りで宙組の圧倒的なパワーを見せつけ、観客をグイグイと惹き込んでいく。朝夏と真風のリフト、朝夏と同時退団する伶美とのデュエット、組子が朝夏を囲むシーン、黒燕尾姿の朝夏がソロで踊るシーンなど、見せ場が満載。朝夏をはじめ、宙組の多彩な色を感じられるステージとなっている。公演は、9月25日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、10月13日(金)から11月19日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは発売中。取材・文:黒石悦子
2017年08月23日マキノノゾミ上演台本・演出、細貝圭、佐藤祐基、加藤虎ノ介出演の三人芝居『オーファンズ』が10月に上演される。舞台『オーファンズ』チケット情報本作は、蝕まれた心が愛によって癒されていく、というテーマで書かれたライル・ケスラーの脚本で、1983年のロサンゼルス初演以降、世界各国で上演されてきた作品。日本でも1986年に劇団四季で初演されて以来、椎名桔平や根津甚八ほか、そうそうたる俳優たちが上演を重ねてきた名作だ。3人の“オーファン(孤児)”の姿を描く本作。ひとりで弟を支えてきた凶暴な性格の兄・トリート役の細貝は「すごく難しい役だなとは思うんですけど、でも多分みんなどこかしらトリートの気持ちは経験したことあると思うんです。すごく愛情を注いでいたフィリップ(弟)の愛情がハロルドにいってしまう切なさ。そういうところを繊細に大事に演じていきたいです」。兄弟の家に迷い込んでくる男・ハロルド役の加藤は約3年ぶりの舞台出演。「やってみたい役だなって感じました。ハロルド役を高橋和也さんが演じられていたことがあるのですが、年齢的にも違うので、僕はどうしようかなって感じで。非常に魅力的な役だと思います」。細貝が「海外戯曲だと構えてしまうお客さんもきっと感情移入できる作品」と評した本作。がしかし、そもそも海外戯曲に構えがある人は多いもの。加藤が「日本人なのに海外の名前とか、そういう部分に照れがある」と明かすと、マキノも「それ、僕もある」。「そこをどう突破して着地できるのかっていうのは、僕にとっても長いことテーマであり続けました。身体の使い方から違うんだと思うんですよ。ト書き読んでても思うもん。『肩を抱いてやる』ってなかなか言わんよねって。だからまず血から入れ替えるような、背負ってる日本的なものをどれだけ切り捨てられるかがスタート地点になる。でもそういう作業って演劇のスリリングで面白いことではありますよね。“こんなに違う人に化ける”ってこと自体。だから海外戯曲をやるのは好きです」と語るマキノの演出で本作がどうなるのか楽しみだ。上演台本もマキノが手掛けるが「英語でやると20分の話が日本語に訳すと30分になったりするんだけど、そうなるともう身体に起こってることが違う。できるだけそこに齟齬がないようにやっていったら何が立ち上がっていくのか、どんな気持ちが起きるのか、そういう部分を楽しみにつくりたい」。「今までの公演を観た人は必見です!見逃してる人ももちろん必見だけど(笑)」(マキノ)という本作は、10月14日(土)・15日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、10月18日(水)から22日(日)まで東京・草月ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2017年08月23日10月13日(金)に東京・サントリーホールにて「独奏35周年メモリアル・コンサート あしたの太鼓打ちへ」のステージに立つ林英哲。太鼓奏者としての新たな門出を迎えるにあたって、林はソロ活動を開始した1982年当時を振り返り、その足跡を懐かしく紹介しつつ、ピアニストの新垣隆をゲストに迎えて行う今回のコンサートについて語った。【チケット情報はこちら】創設に携わった「鼓童」をはじめ、アンサンブルでの演奏が一般的だった当時の和太鼓。前例のなかった独奏にひとり立ち向かった過去を、林は「チャレンジのしがいがあると思いました」と力強く振り返る。和太鼓を伝統工芸の世界になぞらえ、「古来の技術を活用ながら、現代社会に受け入れられる新作をつくるのと一緒。和太鼓を使って、新しい音楽も可能だということを示してみたかった」とも。たったひとりで2時間近く観客を魅了し続けるには、大音量で打ち鳴らす必要があったのでは? という問いかけには、手のひらを広げた。激しい練習の勲章をイメージさせる“マメ”が見当たらない。感心の言葉を伝えると、林は笑って「手抜きを覚えただけ」と謙遜。「若い時はパワフルさを見せないと、観客の方がついてこないような気がして。でも今は演奏の幅が広がったことでペース配分がうまくいき、無駄な力を使わずに済むようになりました」と柔らかな手のひらの秘密を明かした。ソロプレイヤーとしての新たな試みは、演奏技術やスタイルだけではなかった。和太鼓の演奏に、動きやパフォーマンス、照明デザイン(海藤春樹)といった、全体としての“魅せる” 舞台の要素を加えたのもそのひとつ。特に「打ち手の全身を見せる、というのは僕が特化してやったこと」と紹介する。やがて林の思いに共鳴する若手ユニット「英哲風雲の会」を率いることになり、演出・振付・作曲を手がけるように。今では国境や音楽ジャンルの垣根を超えた活躍を果たし、その功績を認められ、今年3月には松尾芸能賞の大賞にも選ばれた。今回のコンサートについて、林は「僕がひとりでやる曲と、ゲストを迎えて演奏する曲、若手(英哲風雲の会)を交えた曲の3種類を聞いていただく会にしようと思っています」とその構想を語る。ゲストの新垣とは、2016年にNBAバレエ団の新作プログラムに採用された『死と乙女』を披露。英哲風雲の会メンバーとは、林が現代音楽に取り組むきっかけとなった、石井眞木作曲の「モノクローム」を演奏する。ラストは林が作曲した『七星』を披露する。「全員で“これぞ太鼓!”って曲をやります。響きの良いサントリーホールの中で、他で体験できないような音の体験をしていただけたら」と語り、インタビューの時間を結んだ。チケット発売中。またコンサート会場では、25年前、未来の太鼓打ちに向けての“英哲メソッド”を記した名著『あしたの太鼓打ちへ』の増補新装版(自筆画や秘蔵写真、この25年間のエッセイや書き下ろし原稿も収録)も先行販売される。取材・文:岡山朋代
2017年08月22日パリ・オペラ座の元エトワールの中でも、特に名演の数々が記憶に残る大スター、マニュエル・ルグリ。そんな彼がオペラ座引退後、ウィーン国立歌劇場の芸術監督に就任して早8年、その間にウィーンは、彼の手腕で格段に良いバレエカンパニーに成長したように見える。芸術監督としても素晴らしい彼が、信頼を置くダンサーたちをセレクトし、彼自身も新作を含め踊るというこのガラ、期待に胸を膨らませながら大阪・フェスティバルホールに向かった。ルグリ・ガラ チケット情報まず実感したのは、美しい脚のダンサー達ばかり、ということ。ベテランから新人まで男女ともに脚の甲が美しい、小さなパでもポーズでも惚れ惚れするライン。そこにそれぞれの魅力、表現が加わる。ルグリが選ぶダンサーは、まず、そうでないと、ということなのだろう。演目は、クラシックから現代作品までバランスの取れた構成。大阪で上演されたのはAプロで、幕開けは、昨年ルグリが全幕振付を手掛けた『海賊』よりオダリスク。ウィーンの若手、ニキーシャ・フォゴ、ナターシャ・マイヤー、芝本梨花子の3人が踊った。肌の色が違う3人がメソッドに正確に、揃った魅力を伸びやかに見せたのに、世界の平和を願うヨーロッパの知性を感じるような気がしたのは私だけだろうか。同じルグリの『海賊』から第2幕のアダージョを英国ロイヤル・バレエのマリアネラ・ヌニェスとワディム・ムンタギロフが。恋人たちの幸せが劇場じゅうにフワーッと広がるようだった。『グラン・パ・クラシック』は、ボリショイ・バレエのオルガ・スミルノワとセミョーン・チュージン。余裕を持った高テクニックに、優雅なたたずまい。今回、出演者達は早めに大阪入りしてルグリとともにリハーサルを重ねたと聞くが、パリ・オペラ座の香りが伝えられているように感じられた。そして、ルグリ。イザベル・ゲランとの『フェアウェル・ワルツ』は、終わりを意識した男女の切ない感情を深みを持って。また、ローラン・プティの『アルルの女』より、もゲランと。心を病んだ男性と献身的に寄り添う女性──言葉がないからこその、静かな感情の起伏がじみじみと客席に伝わった。最後は、世界初演のルグリのソロ『Moment』。J.S.バッハの曲(F.ブゾーニ編曲のものも)に、ナタリア・ホレツナが振り付け、滝澤志野の生ピアノ演奏で。まるで、今の彼そのものを踊るような……確かなバレエのメソッドで作られた身体だからこその動き、それが途中、それを捨てて自由に、そしてまた……。身につけたものは、脱ぎ捨てても、また着ることができる衣服のよう。踊り重ねたからこそ表現できる境地、そんな風に思えるルグリの踊った3演目だった。東京だけのBプロでは、ルグリはローラン・プティの『アルルの女』にかわって『ランデヴー』を、豪華ゲスト達の演目も変わり、そちらも期待出来る。東京公演は8月22日(火)から25日(金)まで東京文化会館 大ホールにて。チケット発売中。当日券は各開演1時間前から会場にて販売。取材・文:菘(すずな)あつこ(舞踊評論家)
2017年08月22日高学歴お笑いコンビ「ロザン」が、道に迷っている人の手助けをするMBS「ちちんぷいぷい」火曜日の人気コーナー「ロザンの道案内しよッ!」から、外国人相手のコミュニケーションに特化したスピンアウト本『菅ちゃん英語で道案内しよッ!』(ぴあ)が、9月13日(水)に発売される。「菅ちゃん英語」とは、累計20万部を超える大ベストセラー「京大芸人」シリーズの著者でもある“京大卒じゃないほう”菅広文さんが、10年に及ぶ外国人観光客への体当たりロケで生み出したコミュニケーション方法のひとつ。本人曰く、普通の英会話との違いは「省略」で「笑顔4ジェスチャー4英語2」の割合で成立するため、「文法が苦手」と英語に自信の無い人でも、この「菅ちゃん英語」に触れれば、英会話、そして外国人の方とのコミュニケーション・スキルが格段に上がることは間違いなさそうだ。本書では、番組内で通じた実証済みの「菅ちゃん英語」のみを厳選しており、どのフレーズも笑えて通じて、しかもカンタン。インバウンドで多くの外国人観光客が来日される昨今、 何かと英語でのコミュニケーションが求められる機会が増える今の時代に、まさに勇気を与えてくれる英会話本となっている。■『菅ちゃん英語で道案内しよッ!』発売日:2017年9月13日(水)定価:本体1,000円+税判型:B6版頁数:184P発行:ぴあ株式会社
2017年08月22日11月28日(火)に東京・UNITで、ニューヨーク出身のR&B、ネオソウル・アーティスト、Gabriel Garzon-Montano(ガブリエル・ガルゾン・モンターノ)が初の単独来日公演を開催する事が決定した。【チケット情報はこちら】ドレイクの楽曲「If You’re Reading This, It’s Too Late」でガブリエルの楽曲「6 8」がサンプリング、レニー・クラヴィッツのヨーロッパ公演サポート・アクトを務めるなど、新たな才能が魅せる注目のパフォーマンス!チケットの一般発売に先がけて、Live Nation Japan先行を実施。受付は8月23日(水)昼12時から25日(金)午後11時59分まで。■Gabriel Garzon-Montano来日公演11月28日(火)UNIT(東京都) 開場18:15 / 開演19:00
2017年08月22日人気急上昇中の新人女優・唐田えりかが、10月14日(土)に神奈川・横浜みなとみらいホール大ホールで行われる、武満徹《系図―若い人たちのための音楽詩―》の朗読者を務める(神奈川フィルハーモニー管弦楽団定期演奏会みなとみらいシリーズ)。来年公開予定の映画『寝ても覚めても』(原作=柴崎友香)では主演の東出昌大の相手役ヒロインに抜擢されるなど、さらなるブレイクも必至の清純派。神奈川フィル常任指揮者・川瀬賢太郎の熱烈オファーで、オーケストラとの初共演となった。7月、川瀬との初ミーティングを終えた直後の彼女に話を聞いた。【チケット情報はこちら】「楽譜を見ながら、朗読のタイミングなど細かく教えていただきました。詩が難しくて不安もあったんですけど、川瀬さんから、ありのまま、素直にストレートにやってくださいと言ってもらえたので安心しました。“わからなくていい。わかろうとすることが大事なんです”って」武満徹《系図》(1992)は、谷川俊太郎の詩集『はだか』(1988)からの6篇の詩による、朗読とオーケストラのための作品。詩に描かれているのは、どこにでもありそうな家族の、でも少し苦い日常であり、親から子へ、太古から脈々と連鎖してきた生命への大らかな讃歌でもある。その主役が唐田の朗読だ。オーケストラは彼女の言葉に呼応するように音楽を紡いでゆく。実は彼女、この《系図》を、昨年4月のNHK交響楽団の定期演奏会で聴いているのだそう。もちろん、まだ今回のオファーが届く前の話だ。「同じ事務所の山口まゆちゃんが朗読したので聴きに行きました。余分なものがないというか、いろんな音が混ざってひとつになっていて、鳥肌が立ちました。詩と音楽の一体感もすごくて、まっすぐに伝わってくるものがあって。今度は自分があれをやると聞いて、音感に自信がないし、最初は率直に“マジか”と思っちゃいました(笑)」その心配は杞憂だろう。なぜなら、「わたしもコンサートやフェスに行くと、必ず何かを持ち帰ってくるので、今回も誰かに何かを届けられたらいいなと思っています。たとえばこの詩を通して自分の家族を見つめ直してもらえたりとか、これからのことや過去のことを感じたり考えてもらったりとか」という彼女の作品との向き合い方は、武満が日本初演時のプログラムに寄せた、「人間社会の核になるべき家族の中から外の世界と自由に対話することが可能な、真の自己というものの存在について少しでも考えてもらえたら」というメッセージと、本質的なところで共鳴している。そして武満は言う。「それを可能にするものは愛でしかない」と。オーケストラを通じて、詩人の谷川俊太郎から彼女へのアドヴァイスも届いた。「芝居にならないように淡々と。言葉を大切に美しい日本語で」彼女の名前が広く知られるきっかけになったキーワードのひとつが「TMK(透明感)」。まさにその透明なキャラクターと声とは、詩人の助言にもぴったりだ。わくわく。取材・文:宮本明
2017年08月22日高橋陽一の名作漫画「キャプテン翼」の舞台、超体感ステージ「キャプテン翼」が8月18日に開幕。ゲネプロと会見が行われた。【チケット情報はこちら】大空翼(元木聖也)たち全日本メンバーがフランス国際Jr.ユースに優勝した瞬間から物語は始まる。ドイツへ向かう若林源三(中村龍介)と別れ、帰国する翼たちは途中、立ち寄ったドバイでふたりの少年、エイブ・レオン(松永一哉)とノエル・ポポロ(斉藤准一郎)からサッカーの勝負を挑まれる──実は彼らこそ打倒・大空翼のため集められた「RED STORM」のメンバーだった。チームにはカール・ハインツ・シュナイダー(北村悠)やデューター・ミューラー(伊阪達也)、エル・シド・ピエール(西馬るい)、カルロス・サンターナ(AKI)といった強豪も参加。果たして彼らに勝つことはできるのか?完全オリジナルストーリーだが翼のオーバードライブシュートはもちろん、日向小次郎(松井勇歩)の雷獣シュート、松山光(反橋宗一郎)のイーグルショットになんと次藤洋(皇希)と立花兄弟(大曽根敬大・廣野凌大)のスカイラブタイフーン、さらには翼と日向のツインシュートと心躍る大技が続々登場。ゴールを守る若島津健(渡辺和貴)の三角飛びも再現。実際のボールを使うだけでなく、ダンスやアクロバティックな動きで熾烈な試合が表現され、映像と音楽が舞台上を彩る。さらに今回、設けられた「プレミアム体感シート」ではSONYの最先端インタラクション・テクノロジー「ハプティクス技術」を導入。特注のハブティックウェアをはおり、両手、両腿、両足に機器を装着することでキャストの動きと連動し振動が送られ、シュートを受けた衝撃やキックを放つ感覚を文字通り「体感」できるというもの。さらに世界初のフレグランス演出システムと数多の挑戦が盛り込まれ、五感を刺激する空間となっている。ゲネプロ後は主演の元木聖也を始めとする15名が登壇。元木は「とても新しい試みがたくさんあって、お客さまとどんな化学反応が起こるか楽しみです」と期待を語り、中村は「舞台上のスタジアムへ皆さんを連れていけるかどうかは僕達の熱量にかかっていると思うので、全員を連れていきたいです」と決意を見せた。また、松井は日向の役作りとして日焼けするために稽古場にサンオイルを持ち込んだことを明かして笑いを誘い、終始、にぎやかに会見は終了。彼らが集う、本作は9月3日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木にて上演。取材・文/おーちようこ
2017年08月22日今年は読売演劇大賞最優秀男優賞と菊田一夫演劇賞という、ふたつの権威ある演劇のタイトルを受賞した中川晃教。いまや日本ミュージカル界に欠かせない存在になっている彼だが、元はといえばシンガー・ソングライターとしてデビューし、今も自身の音楽を届けるコンサートは精力的に行っている。その切り口も、バンドスタイルやオーケストラとのコラボなど多様だが、この秋に行うのは『中川晃教コンサート2017 ~Seasons of love~』とタイトルを冠したLIVE ACT。新たな試みに挑む中川に、話を訊いた。チケットはこちら名古屋は中日劇場、大阪は新歌舞伎座、そして東京は明治座。いわゆる演劇の劇場を会場にするところが興味深い。「明治座でコンサートをやりませんか、というお話を頂いたことが始まりです。明治座さんといえば、日本の芸能・芸事を作ってきた場所。そこでコンサートをやるということが新鮮ですよね」と中川。明治座という場所については「まず、厳かで緊張感のあるイメージ。歴史も由緒もあるところで、そこに立つのはひとつのステータスです。でも古臭さは感じないんです。伝統芸能から幅広いエンタテインメントまで、その時代ごとのニーズに応えている。今回、僕に声をかけていただいたというのも、新しい何かに可能性を感じ、それを届けたいと考えているんだと感じます」と語り、「あの空間でどんなことが出来るだろうとワクワクしました!」と楽しそうに話す。その内容は、やはり“この会場ならではのもの”を考えているようで「通常の、立って盛り上がるライブとは違う、シアトリカルなものを考えています」。和風な要素も取り入れるそうで「オープニングはダンスと篠笛、そこにシンセサイザーが絡んで“和”の世界を表現し、さらに朗読と僕の音楽がコラボするシークエンスもちょっとお見せしようかと」。今までの中川のコンサートとも違う新たな世界が広がりそうだが、「もちろんミュージカルの楽曲もやります! 実在のボーカルグループ「ザ・フォー・シーズンズ」を描いた『ジャージー・ボーイズ』という作品で、今回ふたつの賞を頂きましたが、音楽でデビューした僕がミュージシャンの役で演劇の賞を頂いたことに不思議な縁を感じています。ですのでその『ジャージー・ボーイズ』から2曲、そして今出演している舞台『ビューティフル』からも2曲歌いたいなと思っています」。ちなみにタイトルの『Seasons of love』の意味は……? 「先ほどの“和の要素”とも絡みますが、日本人だからこそ感じる四季の楽しみ方が、芸事の世界には息づいていると思うんです。なので、全部観終わったあとにきっと、このタイトルを感じて頂けるものになるんじゃないかな。あとは今しか出来ないものを見せたいという気持ちを込めて「旬・今・時期」という意味のSeason。それからもちろん、ザ・フォー・シーズンズにもかかってます! あれ、そこ、気付きませんでした(笑)?」。東京公演は10月1日(日)に明治座にて開催。チケットは8月27日(日)に一般発売開始する。
2017年08月21日吹越満によるソロパフォーマンス「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ2017『夜』- la nuit -」が、8月24日(木)から27日(日)まで上演される。公演初日を約1週間後に控えた稽古場を訪れると、自ら演出を手がける吹越のもと、映像や音響をはじめとするスタッフ達と緻密な稽古を繰り広げていた。フキコシ・ソロ・アクト・ライブ 2017 チケット情報1989年よりスタートした「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」シリーズは、吹越のライフワーク。今回、サブタイトルに「~俳優・吹越満の演芸 終わりの始まりを飾るシリーズ、1~」と銘打たれた本作は、2009年に発表された「スペシャル」から8年ぶりの上演となる。毎回、吹越が構成・演出・美術を手がけ、身体表現と映像に笑いが融合した独自のステージを展開している。この日は体育館並みの広さがある稽古場に移って3日目。レポート用紙57枚にまとめられた吹越自筆の構成案に添って、各シーンの精度を上げていく作業が繰り返された。吹越は映像の寄り引きやタイミングを何度も調整。鈴木羊(SEX FREE)が手がける音楽も緻密に絡み、細部にまでこだわる指示を飛ばしていた。演出補として稽古に参加していたのは、山内ケンジが主宰する城山羊の会をはじめとする舞台作品や映像など幅広いジャンルで活動する俳優・岩谷健司だ。吹越にとってはWAHAHA本舗在籍時の後輩にあたり、退団前から彼のブレーンとして「フキコシ・ソロ・アクト・ライブ」シリーズに参加。この日の稽古でも、岩谷は常に吹越に付き添い、パフォーマンスに対する意見を述べ、指示をメモに書き留めるなど精力的に現場を支える。吹越の脳内にあるイメージを具現化すべく、スタッフ一丸となって作品づくりに励む一方で、舞台セットである机の引き出しが突然壊れてしまい、思わず全員が笑ってしまうひと幕も。稽古場には集中とリラックスの瞬間がバランスよく訪れていた。2時間ほど序盤を合わせた吹越らは小休憩に。「仕上がりが楽しみになりました」と伝えて稽古場をあとにした取材チームの言葉に、吹越は少しだけはにかんでみせた。ぜひ劇場で、吹越のパフォーマンスと繊細なスタッフワークを見届けてほしい。公演は東京・東京グローブ座にて。チケット発売中。チケットは前日23:59まで受付、当日券も全公演販売。取材・文:岡山朋代
2017年08月21日日本の映画黄金期より、第一線で活躍を続けてきた女優・岸惠子。パリ生活を綴ったエッセイや中東へのハードなルポ、近年では小説『わりなき恋』のヒットで作家としても知られる岸が、秘蔵写真と共にトークを繰り広げるのが本作だ。1932年に横浜で生まれた岸は、映画『君の名は』の真知子役で国民的スターとなりながらも、その進取の気性としなやかな感性によって、自らの人生を選び取ってきた。8月9日、全国ツアーの幕開けとなった東京・なかのZERO大ホールに足を運んだ。岸惠子スペシャルトークショー~夢のあとさき~ チケット情報スクリーンに懐かしい写真が次々と映し出され、岸のナレーションが重なってトークショーがスタート。ほどなくして登場した岸は、「50年前にあつらえた」というゴールドのドレスで登場。“スター岸惠子”の変わらぬあでやかさに、満員の客席からはため息が漏れる。第1部は、岸が12歳の時に被災した横浜大空襲の話から。「この日、自分の意思で動くという意味で“大人”になったのだと思います」というエピソードが、聞く者の胸に迫る。続いて、出演作の中でも岸が大好きだという映画『雪国』(豊田四郎監督、1957年)と、『おとうと』(市川崑監督、1960年)の紹介と、監督や共演者との逸話を。それぞれ「(役作りに)苦労したから好きなんです」というのがいかにも気骨のある岸らしく、当時の映画界の裏話も興味深い。一方、当時のハリウッドで行われたという岸のお披露目パーティーには、ウィリアム・ホールデンやジョン・ウェインなど名だたる映画スターが登場。ケーリー・グラントの名前をゲイリー・クーパーと間違えるなど、岸自身が「そそっかしいの」と認めるエピソードには、客席からも笑いが起こった。休憩を挟んだ第2部では、鮮やかな赤いジャケットに衣装替え、トークは作家・岸惠子の本懐へと触れてゆく。「たくましさの中のお茶目なユーモアが素晴らしいと思った」というユダヤ人の友人との話。1980年代に、すんでのところで暗殺事件に遭遇しそうになり、「イスラムってなんだろう」と思うようになったという話。どれも過去の出来事ではなく、現在の世界と日本につながっていると語る岸の姿が印象的だ。初日の前に行われた囲み会見では、「来てくださった方に“こんな人生もあるんだ”と思っていただければ」と話していた岸。ちょうど初日直後の8月11日に85歳の誕生日を迎えるとあって、変わらぬ美しさとバイタリティについて問われると、岸は「元気に見えるとしたら“苦労が多いこと”ね。いろんな“事件”に対処するため、普通の優しいおばあさんにはなれないのかもしれません」と笑顔で語った。過去を振り返るだけでなく、そこから未来への眼差しも感じられた本作。公演地によって内容も変わるというから、今後の上演も楽しみに待ちたい。「岸惠子スペシャルトークショー~夢のあとさき~」は8月から11月まで日本全国全19会場にて開催。チケット発売中。取材・文佐藤さくら
2017年08月21日浜崎なおこのソウルフルなボーカルと、パワフルで躍動感あふれるバンド・サウンドが魅力の5人組、Replica。11月19日(日)に高円寺HIGHにて「Flowers never end 2017」と題されたワンマン・ライブが決定した。【チケット情報はこちら】1984年に広島で結成、1988年にメジャー・デビューを果たし、その激しくも切ないライブ・パフォーマンスで人気を集めるが、1996年に惜しまれつつも解散。2013年に復活を果たすと、ゆったりとしたペースで活動を展開している彼ら。現在のメンバーは、浜崎なおこ(vo)、田中龍也(g)、山中真一(b)、浅田昌也(key)、座間博喜(ds)という布陣。2016年10月30日に渋谷マウントレーニアホールで行われたライブは大盛況で、その模様を収録した映像作品も発表された。2017年7月2日に下北沢の風知空知で行われたDVD発売記念ライブでは、アコースティック編成で多彩なナンバーをひと味違ったアレンジで披露し、バンドの潜在能力を遺憾なく発揮してくれた。そして今回新たに決定したワンマンは、ここ最近の座席のある会場ではなくオール・スタンディングのライブハウスが舞台だ。曲のボルテージに合わせて、自由に体を揺らして楽しむことができる。そして昔からのファンにも朗報が到着。Replicaがデビューから1992年まで在籍した日本コロムビアから、ベスト・アルバム『Replica ゴールデン☆ベスト』が8月30日(水)にリリースされることが決定したのだ。至極の名曲が18曲、高音質CDで蘇る。じっくりアルバムを堪能して、11月のライブに駆けつけよう。チケットは8月22日(火)午前10時より発売開始。文:浅野保志(ぴあ)■アルバム『Replica ゴールデン☆ベスト』8月30日(水)発売2,376円COCP-40066日本コロムビア■ライブ「Flowers never end 2017」日時:11月19日(日)開場16:00 / 開演16:30会場:高円寺HIGH(東京都)スタンディング-5,000円(ドリンク代別途必要)
2017年08月21日ASIAN KUNG-FU GENERATIONと、イギリスのロックバンドFEEDERが12月にカップリングツアーを開催する事が決定した。【チケット情報はこちら】FEEDERは、2012年にASIAN KUNG-FU GENERATIONが主催するロック・フェスティバル『NANO-MUGEN FES.2012』に出演。同年、FEEDERが発表したアルバム『Generation Freakshow』の日本盤ボーナス・トラックには、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)によるFEEDERのカバー楽曲が収録されるなど、交流を続けてきた2バンド。カップリングツアーを行うのは今回が初めてとなる。ツアーは宮城、大阪、東京の3会場で6公演開催。各会場に出演するスペシャルゲストは後日発表される。チケットの一般発売は10月28日(土)より。なお、一般発売に先がけてオフィシャル先行を実施中。受付は8月27日(日)午後11時59分まで。■ASIAN KUNG-FU GENERATION × FEEDER Tour 2017 Supported by PIA12月1日(金)仙台GIGS(宮城県)12月2日(土)仙台GIGS(宮城県)12月4日(月)なんばHatch(大阪府)12月5日(火)なんばHatch(大阪府)12月7日(木)豊洲PIT(東京都)12月8日(金)豊洲PIT(東京都)
2017年08月18日ユーミン×帝劇 vol.3『朝陽の中で微笑んで』の製作発表が行われ、松任谷由実、寺脇康文、宮澤佐江、六平直政、斎藤洋介、脚本・演出の松任谷正隆が登壇した。【チケット情報はこちら】本作は、ユーミンの歌、俳優の演技、劇場空間が一体となる、コンサートでもミュージカルでもない舞台作品「ユーミン×帝劇」シリーズの第3弾。2012年の第1弾から脚本・演出はすべて松任谷正隆(以下、正隆)が手掛けており、今作では、500年先の未来の世界を舞台に、時を超えた純愛物語が描かれる。一万人の応募から選ばれた400人のオーディエンスが参加した製作発表では今作の予告編も初公開された。脚本・演出を手掛ける正隆は、SFとなる今作の舞台について「“500年”先がいいのは、“想像をちょっと超えた未来”だと思ったから。今、想像できることはこの数百年のうちに終わって、500年位先になるとまた別のサイクルが始まるんじゃないかというイメージを持ちました。でも、今と同じものも残っているんじゃないかと思う。変わるもの、変わらないもの、それをストーリーにして、由実さんの音楽で包んでみたいと思います」と今作の世界観を語る。また、脚本に関して「これまでの2作と大きく違うのは、出演者が決まってから書き始めたことです」と、かねてからの希望だった“当て書き”の実現を喜んだ。歌とストーリーテリングを担当するユーミンは、楽曲と作品の関わりついて「“長いときの流れの中でなぜ出会ったんだろう”というのは、『朝陽の中で微笑んで』に限らず私の歌の大きなテーマになっているもので。死があるから生が輝く…そのメメント・モリな感覚を(500年後でも)人は持ち続けるんじゃないかな。だから愛し合うことは素晴らしいと思える世界、“切ない”ということが認識できるような世界であってほしい。そうイメージしています」と語った。主人公を演じる寺脇は「脚本を読んで、なにか見抜かれてる、という感じがしました。正隆さんは俺のこっちの面を描こうとしてくれてるんだ、って。ダークな側面を見ていただけると思います」、ヒロイン役の宮澤は「出演が決まって、私と同じくらい母が喜んでくれました。一瞬一瞬をしっかりと噛みしめて、素敵な作品を届けられるようにがんばります」、六平は「由実さんは同世代で、我々世代のエポックメーカー。その由実さんと同じ板の上で芝居できるのは本当に幸せです」、斎藤は「僕らの年代が由実さんのメロディの中で演じることができるというのは、失われた青春がひょっとしたら蘇ってくるのかなという気がいたします」とそれぞれ、今回の出演を喜んだ。16もの楽曲が歌われる予定の本作は、11月27日(月)から12月20日(水)まで東京・帝国劇場にて。また、12月2日(土)19:00公演と12月6日(水)19:00公演にてチケットぴあ会員限定のぴあ半館貸切公演を開催。取材・文:中川實穂
2017年08月18日この秋、革新的な舞台が登場する。『この熱き私の激情~それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』と題されたそれは、センセーショナルな作家デビューを飾り、36歳の若さで自らの人生を閉じた小説家、ネリー・アルカンの小説とその人生をコラージュするように描き出したものだ。演じるのは6人の女優とひとりの女性ダンサー。その中から、松雪泰子が作品の魅力と意気込みを語ってくれた。【チケット情報はこちら】2013年にモントリオールで初演され、今年から来年にかけてカナダとヨーロッパの様々な都市でも上演が予定されているこの作品。翻案・演出を手がけているのは、女優・作家・演出家として世界で活躍しているマリー・ブラッサールだ。今回の日本での創作も彼女の手によるものとなるが、初演映像を目にし、すでにマリーと対面した松雪は、作品の印象をこう語る。「ひとりの人物の多面性を何人もの俳優で、それも、ひとりひとりが箱に閉じ込められた環境で独白で表現していくんです。まずその舞台美術の美しさに圧倒されました。観ていて不思議な感覚になりました、マリーさんが味わったことのない演技体験になるわよとおっしゃっていたので、楽しみですね」松雪が演じるのは、“死の魅力について”語る「影の部屋の女」だ。ほか全7部屋の女たちが、作家ネリー・アルカンが小説にぶつけた、女であることへの戸惑い、怒り、コンプレックス、生きていくことの辛さ、悲しみ、無力感と孤独を表現することになる。しかも、自身がコールガールだった時代のことを語った作品もあり、その精神性は複雑かつ激しい。それらすべてを引き受けて死に向かう部分を担うことになる松雪。「最終地点として、どのような時間を経て、どういう精神状態になっているのか、今は想像がつきません。でも、難易度が高いからこそ楽しめるかなと思っていますし。俳優って、そういう人間の深層心理や感情に向き合わざるを得ない仕事なので。苦しいでしょうけど逃げ出さずに、自分のことも含めて改めて見つめ直せたらとは思います。怖いですけどね(笑)」ネリー・アルカンについては、9月のデビュー作『Putain』の出版、10月公開の半生を描いた映画『ネリー・アルカン愛と孤独の淵で』でも感じることができる。舞台はその後に上演される。「ほかの共演者の声しか聞こえない中で、俳優同士が互いのバイブレーションをいかにつなげられるか。そしてそのバイブレーションをぜひ客席と共有できたらと思います」と松雪。まさにひとりの女性を体感し、ともに生きる舞台となるだろう。舞台『この熱き私の激情~それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌』は11月4日(土)より東京・天王洲銀河劇場にて上演。その後、広島、愛知を周る。東京、広島公演のチケットは発売中。取材・文:大内弓子
2017年08月18日今年、日本での公演が10周年を迎える『ドラムストラック』は、ジェンベというアフリカンドラムを叩きながら、ただ観る、聞くだけではなく、観客自ら参加をして楽しむことができる体感型ドラムエンターテインメントだ。南アメリカで生まれ、NYのオフブロードウェイで大ヒットを飛ばした本公演。夏にぴったりの、熱くて爽快な舞台が今年も天王洲アイル 銀河劇場で開幕した。【チケット情報はこちら】劇場に入ると座席ひとつひとつにジェンベが置かれており、早速叩いてみる人も多く、開演前から劇場のあちこちから楽しそうなドラムの音が。そして開演すると、ドラム、ダンス、歌で構成される圧巻のパフォーマンスに劇場のテンションは上がるばかり!自由に叩くのはもちろんOK、リズムがわからなくてもそれぞれの曲の間にパフォーマーたちがコミカルなジェスチャーで、ジェンベを叩くタイミングを教えてくれるので、初めての人も楽しく参加することができる。カーテンコールで披露された、2010年ワールドカップのテーマソング『Wavin’ Flag』まで、観客の興奮は冷めることなく、最後は観客総立ちの盛り上がりを見せた。囲み取材では、南アフリカ観光親善大使を務める高橋ひとみ、そしてパフォーマーのパトリック、タイニー、サベロの3人が登壇。鑑賞後の高橋は感想を聞かれると「一緒に踊りたくなっちゃいました。その興奮を発散できるのがジェンベ!思いっきり叩いて楽しみました。でも踊りたかった!」と大興奮。劇場にはファミリーが多く来場していたこともあり、「これだけ家族で楽しめる体感型というのは本当に素晴らしいですね。10年続いている理由がわかりました」と話した。パフォーマーの3人は東京公演初日について聞かれると、「毎年東京に来るのを楽しみにしています。オーディエンスのみなさんはとてもエネルギッシュ!今回少し難しいリズムもありますが、みなさん素晴らしかったです」(タイニー)、「観客のみなさんとジェンベでコミュニケーションを取りながら、楽しんでいる姿を見て、ステージにいる間とても幸せでした」(パトリック)、「日本公演への参加は今年で5年目になりますが、故郷を離れてドラムを叩いていること、とてもソウルフルで貴重な体験だと思っています」(サベロ)とコメント。会見中、ジェンベを持っていた高橋が「ジェンベを買えるのもいいですよね。でも家で叩いたらうるさいかな?」と言うと、タイニーが「どれだけ大きな音で叩いてもOKなのが劇場。ぜひ演奏しにきてください!」とアピールした。ドラムを叩いて、歌って、踊れる『ドラムストラック』、家族はもちろん、友達、恋人同士でも盛り上がること間違いなし。カーテンコール後はうれしい写真撮影タイムも。夏の思い出に、ドラムを思いっきり叩きに行ってみて。公演は8月27日(日)まで。チケットは現在発売中。
2017年08月17日