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ヴァイオリンの諏訪内晶子が芸術監督として取り組む「国際音楽祭NIPPON2022」が、2月11日(金・祝)から約1ヶ月にわたって、東京・名古屋・陸前高田で開催される。7日、諏訪内がオンライン会見に出席した。「国際音楽祭NIPPON2022」公演情報はこちら「国際音楽祭NIPPON」は2013年にスタートしてこれが7回目。「感動を紡ぐ(=トップ・クオリティの追求)」「心をつなぐ(演奏を通じた社会貢献)」「未来を創る(次世代への継承)」の3つのキーワードをコンセプトに掲げている。最注目のプログラムは諏訪内によるJ.S.バッハの無伴奏ソナタ&パルティータ全曲演奏会だろう。30年超のキャリアの彼女がまさに満を持して、1月にCDをリリースしたばかりの初の《無伴奏》全曲。長年連れ添ったストラディヴァリウスに代わる新たな愛器グァルネリ・デル・ジェズを携えての新境地が、早くもファンの話題を呼んでいる。「全6曲を弾くと、各曲それぞれに込められたメッセージがより明確に伝わる。それを弾き分けたい」(諏訪内)全6曲を2回に分けて、2月11日(金・祝)・13日(日)名古屋・三井住友海上しらかわホールと、2月16日(水)・18日(金)東京オペラシティ・コンサートホールで。このあと尾高忠明指揮NHK交響楽団とデュティユーとブラームスの協奏曲を弾く諏訪内。「古典と現代」という切り口は、3月の「Akiko Plays CLASSIC with Friends」「Akiko Plays MODERN with Friends」にも繋がる。前回から立ち上げた、若手奏者たちとの2公演の室内楽プロジェクトだ。ここでは望月京の委嘱作品初演を含めて、「女性作曲家」がサブテーマとなる。諏訪内は、「この10年ほど女性作曲家の作品を弾く機会が増えてきた。世の中の多様化の動きが活発になっているのを感じる」と語った。音楽祭の最後には、ブラームスの室内楽を「ほぼ全曲」演奏するという、なんと11時間に及ぶ「ブラームス 室内楽マラソンコンサート」も待っている。社会貢献として陸前高田市での復興応援プロジェクトを開催。また唯一この音楽祭だけで見ることができるのが、次世代を育てる恒例のマスタークラスでの、指導者としての諏訪内だ。また今回からはアートマネジメント業界を志す若者のためのインターン制度も立ち上げた。聴衆を育てるため、安価な設定の「U25」チケットも用意されている。各公演の詳細は「国際音楽祭NIPPON2022」特設サイトへ。(取材・文:宮本明)■国際音楽祭NIPPON2022
2022年02月09日アニメ放送50周年の2019年、10年後の磯野家を描き好評を得た舞台版『サザエさん』が、舞台版オリジナルストーリーで戻ってきた!初演の際には、原作者の長谷川町子(福岡出身)が“サザエさんを発案した地”といわれる福岡・西新商店街での人力車パレードも話題になった主演・藤原紀香が、時代を超えて色あせない原作の魅力、そして舞台ならではの見どころを語ってくれた。「当初は、『藤原紀香がサザエさん?』という声もあったのですが、実はおっちょこちょいでやらかしてしまうことも多く、家族や身近な人には『そのままやん』と言われていました(笑)。とはいえ、私をちゃんとサザエさんにしてくれたのは、すばらしい共演者の方々。父・波平役の松平健さん、母・フネ役の高橋惠子さん、まるでマンガから抜け出してきたような夫・マスオ役の葛山信吾さんなど、ひとりひとりが原作へのリスペクトを持って挑んだ舞台を観て、お客さまが『本当にサザエさんだった~』と言ってくれたときは涙が出ました」。前作から数年後という設定で、出世して多忙になったマスオ、子供たちの心配が尽きないフネ、定年退職した波平など主要キャストはそのままに、今回は中学生になったイクラちゃんも登場する。「いつも平和なサザエさん一家ですが、時がたてば環境も変わりますし、家族もいろいろな悩みを抱えています。そんな皆の悩みを、サザエさんが持ち前のおせっかいで解決し、家族の気持ちをひとつにしていくような作品になると思います」。また前回好評だった、藤原が『あかるいサザエさん』を歌うミュージカルのようなシーンにふれ、「本番10日前に急遽歌うことが決まったのですが、あそこで泣いたというお客さまが多くて驚きました。今回も台本にはありませんが、いつでも脚本・演出の田村(孝裕)さんのリクエストに応えられるよう、発声練習をしてコンディションを整えています(笑)」とやる気を覗かせた。TVアニメも毎週観ているという藤原。『サザエさん』の魅力について「いつ見ても面白いし、同じエピソードを何回見ても飽きない。テーマもメッセージも普遍的で、何年たっても古くならない。それに、サザエさんってすごくおしゃれ!今日の衣装やアクセサリーは、サザエさんをイメージして自分で選んだものです」と、白いビーズの付け襟がポイントのカラフルでキュートなファッションを披露。ちなみに、サザエさんヘアは地毛とパーツで再現しているとか。最後は、「元気と、楽しみと、癒し、そしてさらに進化したサザエさん一家の家族の絆をお届けします。ぜひ、劇場へお越しください」と、サザエさんポーズでメッセージ。藤原紀香のおおらかなコメディエンヌぶりも光る舞台「サザエさん」に注目だ。公演は2月13日(日)まで東京・明治座、2月22日(火)~27日(日)大阪・新歌舞伎座、3月3日(木)~6日(日)福岡・博多座にて。チケットは発売中。
2022年02月09日「スター・ウォーズ」をはじめ、「ジョーズ」「スーパーマン」「インディ・ジョーンズ」「E.T.」「ハリー・ポッター」など数え切れないほどの作品の音楽を生み出したジョン・ウィリアムズが、今年の2月8日、90歳の誕生日を迎えた。作品の代名詞となるような映画音楽を60年以上に渡って作り続けてきたジョン・ウィリアムズは、アカデミー作曲賞においては、今までに52度のノミネート、5度の受賞を誇り、グラミー賞は驚異の25回獲得。映画音楽以外でも、4つのオリンピック(1983夏ロサンゼルス、1988夏ソウル、1996夏アトランタ、2002冬ソルトレークシティ)のテーマ曲、2つの交響曲、協奏曲を作曲、ボストン・ポップス・オーケストラの音楽監督を14シーズン務め、ボストン・ポップス日本ツアーに際し、当時皇太子だった徳仁天皇陛下の結婚の儀(1993年)のために『雅の鐘』(Sound the Bells!) を作曲するなど、記憶にも記録にも残る数多くの功績を残している。その偉大なジョン・ウィリアムズの90歳を祝し、《「ジョン・ウィリアムズ」ウインド・オーケストラ・コンサート2022》を5月に兵庫、8月に東京で開催。「スター・ウォーズ」「ハリー・ポッター」「インディ・ジョーンズ」などジョン・ウィリアムズの代表曲を一気に楽しめるコンサート構成でお届けする。なお3月には東京と大阪にて『ジュラシック・パーク』 in コンサート、4月は東京にて『E.T.』inコンサートを開催。こちらは大スクリーンにて上映される映画本編にあわせてフルオーケストラの生演奏が付くシネマコンサート形式。名作映画を新たな形で体感できる機会をどうぞお見逃しなく。■「ジョン・ウィリアムズ」ウインド・オーケストラ・コンサート2022■日程:5/4(水・祝)14:00開演会場:兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール (兵庫県)日程:8/13(土)14:00開演会場:サントリーホール大ホール (東京都)[指揮] 西村友[演奏] 播磨国吹奏楽団(兵庫)/東京佼成ウインドオーケストラ(東京)<こちらもおすすめ>♪「ジュラシック・パーク」in コンサート3/6(日) フェスティバルホール (大阪府)3/20(日) 東京国際フォーラム ホールA (東京都)♪『E.T.』 in コンサート4/30(土) 東京国際フォーラム ホールA (東京都)
2022年02月09日東京オリンピック開会式にも出演した市川海老蔵と映画の鬼才・三池崇史がタッグを組み、公演ごとに豪華ゲストを迎える人気企画。今回は海老蔵主演、三池監修のもと、演出に日本舞踊の宗家藤間流 八世宗家の藤間勘十郎、ゲスト俳優にジャニーズグループのA.B.C-Z戸塚祥太を迎える。合同取材の席で戸塚は、初挑戦となる歌舞伎は「高いハードル」としながらも、馴染みのない世代にその良さを伝えるのが「最大の役目」ときっぱり。「歌舞伎のカッコよさを伝えるバトンになりたい」と意欲を見せる。「六本木歌舞伎2022」チケット情報物語は、現代社会を騒がせる強盗団と幕末の江戸で民衆の耳目を集める盗賊一味が、時空を超えて織りなすファンタジックなアクション活劇。題材は「知らざぁ言って聞かせやしょう」の名せりふでもお馴染み、古典の名作『青砥稿花紅彩画(あおとぞうしはなのにしきえ)』。弁天小僧菊之助ら5人の盗賊団の結成から捕縛までを描いた通称『白浪五人男』を、5人の名乗りや立ち廻りといった名場面を活かしながら、新解釈で上演する。本作で戸塚は、現代の強盗団の一員と江戸の呉服屋店主の2役を演じる。「知らざぁ言って聞かせやしょう」の名せりふを聞いた途端、「以前『滝沢歌舞伎』に出演した際、『白浪五人男』の場面があったのを思い出しました。当時は知らないなりにも舞台袖から引き込まれるように見る自分がいて、すごくかっこよかった。名せりふも音の響きが気持ちよく、今でも耳に残っています」と思わぬ巡り合わせを回想する。演じる現代版の弁天小僧菊之助は「オリジナルのように義を尽くすカッコよさや勧善懲悪の部分は足りてなくて、ポーズだけ」。その不完全さが、オリジナルのカッコよさや歌舞伎の魅力を知ることに繋がる糸口となりそうだ。「見せ場としては殺陣になるかなと。ゆっくり見せる歌舞伎の立廻りとリアルなスピードでやる現代版の殺陣も出てくると思うので、常に身体を動かせるようにスタンバイしています」とは頼もしい。海老蔵との共演は夢にも思わず、オファーには「ドッキリを通り越して夢かなと思った」と驚きを隠さない。「歌舞伎を知らない人でも知っている、歌舞伎界をリードしている方。きっと伝統を守るために新しい挑戦をし続けている方だと思うので、人間的な部分も含めて学びたい」と改めて意気込みを口にする。「ゼロから積み上げるつもりで、シンプルにその世界に染まりたい。そうすることで、見たこともない自分が見られると思う。ファンの方には応援してほしいですし、歌舞伎好きの方には、おもしろいヤツがいるなと思っていただけるよう日々精一杯務めたいと思います」。公演は2月18日(金)から3月6日(日)まで東京・EXシアター六本木、3月11日(金)から13日(日)まで福岡・福岡サンパレスホテル&ホール、3月18日(金)から21日(月・祝)まで大阪・フェスティバルホールにて。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2022年02月08日日本で16年ぶりに上演される、劇作家デヴィット・マメットの不朽の名作。俳優・高杉真宙が勝村政信の胸を借りて、90分間の2人芝居に初挑戦する。「いつだっていろんなことを吸収したい」と合同取材会で意気込みを語った。「ライフ・イン・ザ・シアター」チケット情報ふたりの俳優が劇場のあらゆる場面で何気ない会話を交わすオムニバス形式の人間ドラマ。看板俳優ロバート(勝村政信)は新人ジョン(高杉真宙)に演劇のいろはを伝え、ジョンも熱心に耳を傾ける。時が経ち成長の一途を辿るジョンに対し、ロバートは避けられない老いを感じていた。良くも悪くも信念を曲げないという高杉は、人との距離感を掴むのがうまく柔軟なジョンの言動が「絶妙に分からない」と漏らす。「でも台本を読んで役を具現化していく作業が好きですし、それが正解じゃなかったときの方が面白い。演出家らの要望にそういう解釈もあるのかと知れるのが楽しい」と笑う。劇中劇でさまざまな役を演じ分けるのも見ものだが、一番の楽しみはコメディ部分。「その要素が間だと思うのですが、台本にも『間』という漢字だけが何回か出てくるんですよね。間って何だろう?って」と、好奇心に目を輝かせる。一方で、世代交代や評価などシリアスな側面も描かれる。「結局はぐるぐる回っているのかなと。ジョンもいろんなことに向かっていくなかで、ロバートみたいに言われたり言ったりするようになる。例外もあると思うけど、そうなれたら最高だろうなと。結局評価もその人の見方でしかないですし、お芝居とか作品と呼ばれるものは評価の対象であり、娯楽でもあると思うので。何でもないのが正解というか、正解がないのが正解なのかなと今は思っています」。稽古期間が一番好きな高杉にとって、1か月以上役と向き合える舞台は「やっぱり特別」と話す。「やれるかやれないか分からない、ギリギリにキツイ現場が好きですね。壁にあたっている時こそ成長する瞬間だと思うので。本当に予測がつかないのは久しぶり」。相手役の勝村は「経験豊富で心強い。何から何まで学びたい」。初タッグとなる演出の千葉哲也は「いろんな人から、演出を受けるのが羨ましいと言われるので、すごく緊張しています。積み上げてきたものを出し切れる場所にしたいですし、それ以上に吸収したものを本番で見せたい」と意欲を燃やす。昨年、個人事務所を設けた。独立後も芝居と向き合える日々に「こんな幸せなことはない」と喜びを噛みしめる。10代は負けず嫌いからとがった時期もあったが、20歳を過ぎた頃から考えが変わった。「役を素敵に魅せるのが役目だと気付いてからは、自分のことよりどんな役が正解かを考えられるようになった。僕の名前なんか覚えなくていいですからね、本当に。『役者やってたんだ』で別にいいと思うし、そうなれたら最高だなと思います」。飄々と愚直に、でも楽しみながら、信じる道を邁進中だ。公演は3月3日(木)から13日(日)まで東京・新国立劇場小劇場、3月19日(土)から21日(月・祝)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて、ほか地方公演あり。チケット発売中。取材・文:石橋法子
2022年02月08日新国立劇場バレエ団の公演「吉田都セレクション」がまもなく開幕する。同団の珠玉のレパートリー、ビントレー振付『アラジン』、プティ振付『こうもり』の名場面とともに、バレエ団のダンサーが振付けた作品も登場、カンパニーの多彩な魅力が楽しめる特別な機会となる。どんな作品が登場するのか、自作を披露する木村優里、木下嘉人に、オンラインで話を聞いた。「まさかもう一度上演できるとは!」と明かすのは、バレエ『コッペリア』に着想した『Coppelia Spiritoso』を振り付けた木村。今回の公演では、昨年11月の公演「DANCE to the Future: 2021 Selection」で発表された作品の中から、ファン投票によって選ばれた3作品が上演される。自作が選ばれたことに、「感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔の木村。作品について、「モチーフは、バレエ『コッペリア』に出てくる人形。砂時計の砂が全て落ちて命が尽きるその時まで、人形は与えられた使命を果たす、というアイデアです。最後には、人形がまた次の人形を作り、同じことが繰り返されることをほのめかす──少し怖い感じもあるんです」。自身と木村優子が踊る、女性二人の愛らしくシュールなデュエットは、随所にドキッとさせられるようなユーモアが光り、人気を得た。いっぽう、2作品が選出された木下は、「異なる世界観をもつ2作品です。よりブラッシュアップしたものを観ていただきたい」と意気込む。ジアッチーノの情感溢れる音楽で紡ぐのは、『人魚姫』。「もともとこの音楽で創りたいという思いがあり、人魚姫の物語がパッと結びついた」という。米沢唯、渡邊峻郁による繊細かつ抒情的なデュエットは、ドラマ性の豊かさが大きな魅力。木下のもう1つの作品、小野絢子、福岡雄大、五月女遥と木下自身が踊る『Passacaglia』は、バロック時代の作曲家、ビーバーによる静謐な弦の音と2組のカップルが美しく響き合う、抽象的な作品だ。欧州のカンパニーに在籍していた時に振付に挑戦するようになったという木下は、「振付は難しいが、出来上がった時の喜びは大きい」と熱く語る。木村も、「その作業と工程の多さに驚きました。一日中そのことばかり考えて眠れないことも。今回も、お客さまにより楽しんでいただけるよう頑張ります」と意欲を見せた。公演は2月19日(土)~23日(水・祝)、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2022年02月07日2022年4月8日(金)~4月18日(月)日本青年館ホールにて上演する『銀河鉄道999 THE MUSICAL』のメーテル役に、花總まりの出演が決定した。今なお世界中で愛される松本零士原作の不朽の名作『銀河鉄道999』を、本格ミュージカル作品として上演。「ジャージー・ボーイズ」で第24回読売演劇大賞最優秀男優賞を受賞するなど数々の作品で主演をつとめる中川晃教が、2018年・2019年の舞台『銀河鉄道999』より星野鉄郎役を続投。花總まりは、「この度、『銀河鉄道999 THE MUSICAL』に神田沙也加さんの代役としてメーテル役で出演させていただく事となりました。お話を頂いた時、どうしたら良いのか判断がつかず、とても悩みました。けれども、もしこの公演が中止になってしまったらさーやの舞台への想いも一緒に消えてしまいそうな気がしました。また、このコロナ禍という状況の中で、公演ができなくなるという辛さは私も経験してきました。もし少しでも、誰かのため、何かのために自分が力になれるのであればと思い、とても悩みましたがこのお話をお受けする事にいたしました。沢山の方に愛されたさーや。大好きなさーや、いつも舞台に誠実に向き合っていたさーや。まだ現実として受け止めることが出来ない方も沢山いらっしゃると思います。私も同じです。でも前を向いて進んでいくために。さーやと一緒に、心を込めて精一杯メーテルを生きたいと思います。」とコメントを寄せている。脚本・作詞は高橋亜子、演出には小山ゆうなを迎えるほか、今作のエンディング曲にも決定している名曲「銀河鉄道999」の編曲を担当したゴダイゴのミッキー吉野が音楽監督を務める。ミュージカルオリジナルのエピソードも加えて、宇宙への旅立ちから別れまでを完全版として描く。
2022年02月07日関西のコンサートプロモーター清水音泉が主催する野外ライブイベント『OTODAMA’22~音泉魂~』が、5月5日(木・祝)・7日(土)・8日(日)に大阪・泉大津フェニックスにて開催決定。初の3日間開催となる本公演の出演者が発表された。今回出演がアナウンスされたのは、AJICO、打首獄門同好会、キュウソネコカミ、clammbon、The Birthday、四星球、ピーズ、羊文学、フラワーカンパニーズ、フレデリック、マキシマム ザ ホルモン、METAATEM(砂原良徳×LEO今井×白根賢一×永井聖一)、ヤバイTシャツ屋さん、ユニコーン、LITTLE CREATURESの15組。本イベントは、2005年から2019年まで大阪・泉大津フェニックスで毎年夏に開催(2006年は服部緑地野外音楽堂で開催、2011年と2018年は台風で中止)。新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより2020年と2021年は開催が見送られた。今年は2年半ぶり同会場での開催となる。出演日および追加出演者、チケット情報は2月26日(土)に発表予定。
2022年02月06日2年越しとなる「木暮“shake”武彦 還暦ライブ」が、4月9日(土)大阪・心斎橋somaにて開催される。「木暮“shake”武彦 還暦ライブ OSAKA」チケット情報REBECCAの土橋安騎夫と高橋教之、元PEARLの田村直美など、木暮と親交の深いメンバーが集結。レベッカでデビューしてから現在に至るまで、38年に渡って生み出して来た名曲の数々が、豪華な共演者とともに観られる貴重なライブだ。心斎橋somaの15周年記念企画でもある大阪限定のアンソロジーライブをお見逃しなく。チケットは2月26日(土)より一般発売開始。一般発売に先駆け、2月8日(火)23:59までチケット先行抽選プレリザーブを受付中。
2022年02月04日女優・藤原紀香が誰もが知る人気キャラクター「サザエさん」を演じる、舞台「サザエさん」が、東京・明治座にて1月29日(土)に開幕。上演に先駆けて、会見、ゲネプロが行われた。本作は「サザエさん」の舞台化第2弾。2019年の上演に続き、サザエ役には藤原紀香、マスオ役に葛山信吾、フネ役に高橋惠子、波平役に松平健、タラ役に大平峻也、そしてタマ役には酒井敏也と豪華キャストが続投。さらにカツオ役に和田琢磨(東京公演)、近藤頌利(大阪・福岡公演)、ワカメ役にNGT48本間日陽と新キャストを迎え、よく知る「サザエさん」の時代から10年後、のさらに数年後となる磯野家のオリジナルストーリーを描く。ゲネプロでは一幕「ワカメの帰国」を公開。デザイナーを目指してパリに留学していたワカメの帰国が決まり、磯野家一同心待ちにしているある日。定年退職した波平、出世し最近は毎晩帰りが遅いマスオ、高校生になったタラオ、そして大学卒業後に就職せずレストランでバイトするカツオと、それぞれの様子がコミカルに描かかれる。波平の提案で「母の日本食」でワカメを迎えようと、サザエ、フネが食事の準備をして帰りを待つが、ワカメはなかなか帰って来ない。さらにタイコから「イクラが家出した」と連絡が入るが、イクラは磯野家におり……と、おなじみの磯野家に様々な問題が出てくるが、決して暗くならずに「サザエさん」ならではの明るさで、3幕構成の物語は進んでいく。会見には、藤原、葛山、高橋、松平の4名が登壇。3年ぶりの新作での再演となることに対し、葛山は「初演が楽しかったので、お話を伺ったときはとても嬉しかった」とコメント。高橋、松平も同じように「初演では本当の家族のような、お父さんとは何十年も暮らしたような気持ちで演じさせていただきましたので、再演が決まったときは嬉しかったです(高橋)」、「初演も楽しい温かい作品だったので、こうして公演できるのは楽しみに思っていました(松平)」と話した。コロナ禍での上演となった今作だが、藤原は本作について「脚本をもらって読んでいたらすごくほっこりして、癒しがあって、とても元気で明るい気持ちになれた」と話す。「いまの世の中色々ある中で、幸せで明るい気持ち、元気になれる作品を上演できるのは意味があるなと思いました」と意気込んだ。公演は2月13日(日)まで、東京・明治座にて。チケットぴあでは各公演前日17時まで購入ができる当日引換券を発売中。また2月22日(火)からは大阪・新歌舞伎座、3月3日(木)からは福岡・博多座を巡演する。いずれもチケット発売中。
2022年02月04日「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2022」が6月4日(土)から19日(日)にかけて、ブルーローズ(小ホール)で開催される。「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン 2022」のチケット情報はこちら「チェンバーミュージック・ガーデン(CMG)」は、「クラシック音楽の原点ともいわれる室内楽を気軽に楽しんでいただきたい」というコンセプトで2011年から始まり、今年で12年目を迎える。ブルーローズ(小ホール)の親密な空間で演奏者の息遣いや表情を間近に体感できる国内最大規模の初夏の室内楽の祭典として育まれてきた。今年のオープニングとなる公演は「堤 剛プロデュース」。サントリーホール館長の堤剛(チェロ)と小菅優(ピアノ)、吉田誠(クラリネット)の三重奏だ。ブラームスとフォーレの最晩年の2作品や藤倉大の『Hop』で、この編成の歴史と現在形を堪能できるプログラムでの幕開けとなる。またCMG恒例企画でもある「ベートーヴェン・サイクル」には、20年超のキャリアを誇るロシアのアトリウム弦楽四重奏団が満を持して登場。アジアのアーティストたちを紹介する「アジアンサンブル@TOKYO」では韓国のソヌ・イェゴン(ピアノ)が、またホルンの世界的なスター奏者「ラデク・バボラークの個展」も、共に日本の演奏家たちとアンサンブルで深い対話を交わす予定だ。そしてサントリーホール室内楽アカデミーで学び、現在4年目を迎えるクァルテット・インテグラによるリサイタルを開催。各メンバーがサントリーホール室内楽アカデミー出身の葵トリオは、2年目となるベートーヴェンのピアノ三重奏曲を1曲ずつ披露する7年プロジェクト第2回目を迎え、細川俊夫の作品にも取り組む。「フォルテピアノ・カレイドスコープ」では、現代のモダンピアノとは異なる音色を持つフォルテピアノがサロン風のブルーローズに3台登場。また、現代のグランドピアノとフォルテピアノの音を聴き、弦楽器とのアンサンブルによる響きの違いをトーク付きで紹介する「室内楽のしおり」はCMG入門の新企画となる。そのほか、定番企画としては、室内楽アカデミー・フェローが名曲を抜粋して日頃の研鑽の成果を発表する公演や、平日昼間60分の出演者のトークを交えたコンサート「プレシャス1pm」が実施される。■公演情報「サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン2022」6月4日(土)~19日(日)開催会場:全てサントリーホール ブルーローズ(小ホール)
2022年02月03日オンド・マルトノ奏者の大矢素子が、注目の現代音楽シリーズ「Just Composed in Yokohama」に登場する[2月26日(土)神奈川県民ホール小ホール]。シリーズの軸は毎回の委嘱作品。現在ベルギー在住の1989年生まれの作曲家・山本哲也の《目に見えない天使達の囁き》が初演される。オンド、ヴィオラとピアノの三重奏で、室内楽の中でのオンドの可能性を探求した作品だ。大矢は言う。「かなり個性的な作品です。聴き終わって呆然としてしまうような。聴こえている音がオンドなのかピアノなのかヴィオラなのか、知覚が混ざって揺さぶられるんですね。同時に、スピーカーの音場の遠近感にも揺さぶられる。その音体験が室内楽のオンドの面白さの一つではないでしょうか。キーンという透明で硬質な高音が持続するのも印象的です。オンドは生の楽器と違って、ボタンの押し具合によって、かなり音を保つことができる、しかも人間的な表現ができるので、なかなか聴く機会のない独特の音響体験だと思います」シリーズのもう一つの特色が、過去の委嘱作の再演をすること。今回は薮田翔一(39)のバンドネオン、サクソフォン、ピアノのための美しい《祈りの情景》(2018)が、上述の山本作品と同じ三重奏に編み直された。「もともとすごくきれいな作品なのですが、オンドの持続する音やポルタメントを生かして、天国的な味わいが増しています」これら2曲の初演曲の他に、オリヴィエ・メシアン、池辺晋一郎、坂本龍一、トリスタン・ミュライユの作品を演奏する。共演はヴィオラ安達真理、ピアノ松本望。「パリ留学時代から交流のある松本さんと、初めてご一緒する安達さん。二人とも卓越した技能と勘の良さがあります。あねご肌で、どんと来い!でやってくださるので、すごく頼りにしています」オンド・マルトノは1928年に発明された電子楽器。発音の原理こそ電子的な発振によるものだけれど、表現の感覚は生の弦楽器に近い。昨年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で響いたサウンドも記憶に新しい(あれを演奏していたのも大矢)。他にも映画やCMなど、正体を知れば「なるほど。あれもオンドなのか!」と気づく、案外身近な楽器なのだ。公演には「魂の詩」のタイトルがある。「人間の表現のために新しいテクノロジーがどう使えるかという試みから生まれた楽器の一つ。その歴史は今も作られている途中です。電子を通した人の心の表現を感じていただけたらなと思います」「Just Composed 2022 Spring in Yokohama」の公演情報はこちら(取材・文:宮本明)
2022年02月03日東京芸術劇場の新しいリサイタル・シリーズ「VS」(ヴァーサス)に、ジャズ・ピアノの大御所・山下洋輔と鍵盤楽器奏者・指揮者の鈴木優人が登場する[3月4日(金)東京芸術劇場コンサートホール]。山下「僕が呼ばれているからには、きっかけさえあればどんどんアドリブになる。そこに鈴木さんを巻き込んでしまおうということです」鈴木「洋輔さんの胸を借りて、がっつりやらせていただきます」二人のピアニストが2台ピアノで競演するこのシリーズの中でも最も「VS」色の強い顔合わせだが、じつは二人とも麻布中学・高校の卒業生。そのOBオケで演奏した《ラプソディ・イン・ブルー》が最初の共演だった。鈴木「僕が中学生の時、創立百年史にCDが付いていて、そこに洋輔さんの演奏が入っていたんです。OBにこんなすごい人がいたのかと驚きました」山下「数年前にいきなり、麻布OBオケというのを作ったからお前はガーシュウィンを弾けと。僕は麻布から国立音大に行きましたけど、この人は東京藝大に行って、オランダに留学もして大活躍している。彼にしかない独特のものがあるミュージシャンで、それを楽しんでます」バッハからガーシュウィン、山下洋輔まで。クラシックのリングの上で戦うジャズ・ルールの他流試合といったところか。山下「ジャズマン同士でも一回一回が他流試合ですからね。相手が何をやってくるか、それに応じてこっちが何をやるか」鈴木「VSですし、事前の打ち合わせはほとんどないです」山下「最初のテーマだけ決まっているとかね。曲に寄りつつも勝手なことをする」鈴木「前に一度2台ピアノで手合わせしていただいたのが、僕にとっては革命的だったんです。お客さんを巻き込んで即興して、会場の空気を作品の色にしていく。目の前の正しい音符を弾くよりインパクトのほうが大事なんだという。すごい教えがありました」メインは《ラプソディ・イン・ブルー》を2台ピアノで。鈴木「洋輔さんのソロ・パートは独特です」山下「そうですね。オーケストラとやる時も、僕のパートはほとんどジャズのイディオムでやってしまいますので」鈴木「僕のほうはオケ・パートを軸にした、新しいヴァージョンです。本当に楽しみ。今年一番ドキドキする本番です」山下「どの曲でも、それぞれの個性がくっきりと出てくるはず。僕の立場から言えば、ジャズ・ピアニスト同士がやっているような聴き方ができると思いますよ」「芸劇リサイタル・シリーズ 「VS」 Vol.2 山下洋輔 × 鈴木優人」の公演情報はこちら(取材・文:宮本明)■芸劇リサイタル・シリーズ 「VS」 Vol.2 山下洋輔 × 鈴木優人日程:2022年3月4日(金) 19:0開演会場:東京芸術劇場 コンサートホール (東京都)
2022年02月03日心斎橋JANUSがお届けする初顔合わせツーマン企画「JANUS First meeting」が、3月19日(土)に開催。今回はマハラージャンとTENDOUJIが激突する!『JANUS First meeting presents 天童ジャン』チケット情報チケットは2月26日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、2月9日(水)11:00までオフィシャル先行(抽選)受付を実施中。『JANUS First meeting presents 天童ジャン』▼3月19日(土) 19:00心斎橋JANUS自由-4000円(整理番号付、ドリンク代別途要)[出演]マハラージャン/TENDOUJI※販売期間中は1人4枚まで。[問]JANUS■06-6214-7255
2022年02月02日舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』が2022年2月7日(月)から東京芸術劇場 プレイハウスほかで上演される。本作は、17世紀にフランスに実在した、詩人にして剣豪のシラノが主人公。大きな鼻のコンプレックスに悩みながらも、一人の女性を慕い続けたシラノの愛の物語だ。エドモン・ロスタン作の戯曲は1897年に初演されて以来、世界各地で上演が繰り返されてきたが、2019年秋〜20年までロンドンで上演された、マーティン・クリンプ脚色、ジェイミー・ロイド演出の公演は前代未聞の『シラノ・ド・ベルジュラック』と絶賛され、ローレンス・オリヴィエ賞でリバイバル賞を受賞。このマーティン・クリンプ脚色版の傑作が、谷賢一の翻訳・演出のもと、日本初演されるというわけだ。開幕まで2週間を切った1月某日、都内で行われている稽古場を取材した。この日の稽古は、ラップでセリフを言うシーンや殺陣のシーンの確認から始まった。ロンドン版をご覧になっていない方などは「ラップでセリフ!?」と驚くかもしれないが、本作で詠まれる詩の韻やリズムを最大限に楽しみ、味わうための一つの表現方法として採用している。どうしたら観客が聞きやすいか、俳優の言葉として馴染みやすいか。言葉のニュアンスを細かく丁寧に修正・変更していたのが印象的だった。ラップ監修の益田トッシュのアドバイスもありつつ、やはり谷が翻訳と演出を兼ねているからこそできるのだと思う。その後の通し稽古で、1幕だけ見学させてもらった。仮組みされた階段舞台の上には基本的にモノがない。シンプルに俳優の存在が大きく感じられ、観客に想像の余地がある。本作の特徴でもあるが、シラノの大きな鼻を付け鼻にするわけでもなく、17世紀当時の扮装をするわけでもない。17世紀の物語ながら、ジェンダーやポリティカルコレクトネスに触れ、現代を生きる我々にも響くような要素が散りばめられていて興味深かった。今回がおよそ10年ぶりのストレートプレイ主演という古川雄大。数々の話題のミュージカル作品や映画・ドラマに出演し、確実に俳優としての力をつけてきている古川だが、本作を通して、また一皮も二皮も剥ける予感がある。まだ通し稽古の段階とはいえ、圧倒的なセリフ量を身体の隅々まで馴染ませていて、シラノが言葉の天才と呼ばれた由縁を見事に体現していた。人物としても、表現としても難役だとしみじみ思うが、ストイックで芝居好きな古川ならば、初日が開ける頃までにきっと“完成形”に近づけてくるだろう。そのほか、馬場ふみか、浜中文一、大鶴佐助、章平、堀部圭亮、銀粉蝶ら実力派の俳優がそろう舞台。開幕が非常に楽しみだ。東京公演は2月20日(日)まで。大阪公演は2月25日 (金)〜27日(日)、COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて開催。チケット発売中。取材・文:五月女菜穂撮影:神ノ川智早
2022年02月02日太鼓音楽の第一人者・林英哲がソロ活動40周年を迎えた。オーケストラとの共演や多くの海外公演をはじめ高い評価を得、2020年にはNHK大河ドラマ『麒麟が来る』のテーマ曲に参加するなど精力的に活動を続けている。昨年は演奏活動50周年を記念し、東京・サントリーホールでのひとりきり、全編独奏のコンサートを開催し、絶賛された。今年、70歳の古希を迎える2月には、2年ぶりとなる関西公演「林英哲 和太鼓 特別演奏会『祝歳の響宴』 ~絶世の未来へ~」を行う。盟友でもある津軽三味線の第一人者・木乃下真市、そして弟子ユニット・英哲風雲の会から選抜メンバー4名と繰り広げる舞台。初上演となる東大阪市文化創造館では、太鼓の多彩な音色が劇場の空気を振動させ、津軽三味線とのコラボによって圧倒的な生音の迫力が体感できる。「林英哲 和太鼓 特別演奏会 『祝歳の響宴』 ~絶世の未来へ~」チケット情報舞台中央の大太鼓に真正面に向かい、左右の両腕をまっすぐ上に伸ばして打ち始める。この太鼓奏法を考案したのは林英哲。また、床に置いた太鼓を両足で挟み、両腕を振り上げ体をのけぞらせて打ち続ける通称“腹筋太鼓”も、先駆者は林だった。林が「何とか太鼓を舞台の上に上げられる芸にしたい」「太鼓をメインに鑑賞していただけるような舞台の芸に」と積み上げてきたもの。現代音楽ジャンルで国際的にも認められたオリジナルの太鼓表現。今回は、その素晴らしさを存分に楽しめるプログラムになっている。「今やベテランの域に達して来た風雲の会のメンバーとは、長年やってきて練り上げた完成度の高い作品を」と、第一部オープニングで初期作品の『三つ舞』と第二部のドラマチックな組曲『澪の蓮(みおのはす)2022』を披露する。また、ゲストにはコロナ禍を考え「最小単位で一番おもしろいことができるテッパン」と話す木乃下真市。「技術力、音のパワー、即興能力、そして自分と同じように生音を大事にされている。最強の津軽三味線奏者です」と5年ぶりの共演を楽しみにしている。木乃下の超絶技巧ソロ『津軽よされ節』に、木乃下作曲の2作品で林とセッション。大小さまざまな太鼓を使う『海流』と大太鼓だけで絡む『SHIBUKI』で「即興の妙を楽しんでください」。丁々発止の熱演が期待される。コロナ禍の2年間、「体調のレベルを落とさないように、人がいない時間のランニングと道場での練習」を続けていた林。その中で生まれたタイトル『絶世の未来へ』。「このデジタルの時代に僕らは超アナログ。でも、人間が自分の気持ちと体で誠心誠意何かに立ち向かっていけば、きっと『絶世の未来』が開けるよねって、皆さんに一瞬でも思っていただければ我々の役目は果たせるんじゃないかなと思っています」。公演は2月19日(土)東大阪市文化創造館 Dream House 大ホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年02月01日演歌歌手の市川由紀乃の特別公演が、2月5日(土)に大阪・新歌舞伎座で開幕する。自身2度目となる座長公演に向けて話を聞いた。市川由紀乃特別公演 チケット情報第一部『娘の夢は母の夢』は、大阪のとある商店街の定食屋を舞台に繰り広げられる人情喜劇。市川が定食屋で働きながら歌手を目指す京歌を演じるほか、吉本新喜劇の川畑泰史が定食屋の店主、吉田裕がクリーニング屋、浅香あき恵が京歌の母親役で出演する。幼少期から吉本新喜劇に親しんでいたという市川だが、デビュー後に大阪を訪れた際にテレビで流れる吉本新喜劇を観て、その魅力を再認識。今では「毎晩、必ず寝る前に観ている」ほどで、「まさか共演させていただけるとは、夢のようです。百戦錬磨の役者さんたちの中で、たくさん学ばせていただきます」と喜びを表す。本作で、娘が追いかける歌手の夢は、母の夢でもあった。演じる京歌は、市川自身にも重なる部分があるという。「私の母も昔、芸能の世界に憧れていたんですね。私がスカウトしていただいた後、いろんな大変な話を聞いて悩んでいたときに、“やると決めたらやりなさい!”と、叱咤して背中を押してくれたんです。母は自分が叶えられなかった夢を私に託してくれていたんだなと。その思いも胸に、今回また新歌舞伎座さんの舞台に立たせていただけることに感謝しています。ドタバタと二転三転しつつ、すごく心が温かくなるお芝居になると思います」。第二部『市川由紀乃オンステージ-如月に咲けよ、秘桜-』は、市川の歌の魅力を堪能できるステージ。自身のオリジナル曲はもちろん、昭和・平成のヒット曲の数々や、シャンソンの世界にも挑戦する。「せっかく新歌舞伎座さんでやらせていただくので、幅広いジャンルを歌わせていただきたいなと。シャンソンは越路吹雪さんの『愛の讃歌』に挑戦させていただきます。年齢を重ねることで表現が深まるジャンルではあると思いますが、今の自分が表現できる世界をお届けできたらと思います」。オリジナル曲では、2月2日(水)にリリースの新曲『都わすれ』や川畑とのデュエット曲『運命と呼ばせて』を関西で初披露する。「『都わすれ』は、私にとっては久しぶりの幸せな歌。悲恋ものであったり、道ならぬ恋の歌が続いていたので、作詞家の吉田旺先生からは“今回は微笑みながら歌ってほしい”と言われました(笑)。ステージには川畑さんにもご出演いただいて、お届けします。お客様に温かい心をお届けできればと思います」。公演は、2月5日(土)から14日(月)まで、大阪・新歌舞伎座にて。チケット発売中。取材・文:黒石悦子
2022年02月01日2020年、2021年と新型コロナウイルスの影響で開催が中止になっていた、cinema staff『前衛懐古主義 part3』が『前衛懐古主義 part3 Re:Respawn』として復活!5月1日(日)大阪・梅田クラブクアトロ、5月4日(水・祝)愛知・名古屋クラブクアトロ、5月7日(土)東京・LIQUIDROOMにて開催されることが決定した。cinema staff チケット情報本公演は、『小さな食卓』『西南西の虹』『望郷』『great escape』に収録された楽曲のみのセットリストで構成された、コンセプトライブ第三弾となる。チケットのオフィシャル抽選先行を、2月13日(日)23:59まで実施中。
2022年01月31日ミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stageが、1月28日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にて開幕した。許斐 剛のマンガ『テニスの王子様』の続編である『新テニスの王子様』を原作とした「ミュージカル『新テニスの王子様』」シリーズ。U-17(アンダーセブンティーン)日本代表合宿への参加を許された主人公・越前リョーマら中学生が強者揃いの高校生に立ち向かう様子が綴られる。2020年12月より上演された「The First Stage」に続く今回の「The Second Stage」では、U-17(アンダーセブンティーン)1軍上位の選抜メンバー“Genius10”との激闘が繰り広げられた。第1試合では、跡部景吾(高橋怜也)とイリュージョンによって手塚国光(山田健登)の姿と化した仁王雅治(蔵田尚樹)・跡部景吾(高橋怜也)ペアが、越知月光(楚南 慧)・毛利寿三郎(丸山龍星)ペアに挑んだ。その後、“波動球”を繰り出す石田 銀を“デュークホームラン”で圧倒するデューク渡邊(大久保圭介)の対決や、丸井ブン太(川本光貴)・木手永四郎(長塚拓海)ペアが、“コート上の交渉人”こと君島育斗(樫澤優太)・遠野篤京(輝馬)ペアに翻弄される姿も。また“天衣無縫の極み”を発動した遠山金太郎(平松來馬)と鬼 十次郎(岡本悠紀)によるシングルス、亜久津 仁(益永拓弥)・真田弦一郎(吉田共朗)ペアの必殺ショットを“無”にして返球する種ヶ島修二(秋沢健太朗)・ラケットを両手にした“二刀流”の大曲竜次(畠山 遼)ペアによるダブルスも展開された。超人級のゲームが次々と行われる中で一服の清涼剤となるのが、リョーマ(今牧輝琉)とその兄・越前リョーガ(井澤勇貴)の掛け合いだろう。幼い頃に別れ別れとなった二人が、「テニスを極め互いに強くなればまた会える」と歌うさまは、今牧自身も「井澤さんとのやり取りや歌をぜひ見て欲しいです」とコメントを寄せている通り、見どころのひとつだ。鬼や入江奏多(相葉裕樹)が見守る中で行われた、徳川カズヤ(小野健斗)と平等院鳳凰(佐々木 崇)による迫力の最終試合にも注目したい。なお、入江役は泰江和明とのWキャストだ。これら試合の行方を、三ツ矢雄二が作詞、兼松 衆が作曲を手がけた26曲の多様なナンバーが彩る。神奈川公演は2月6日(日)まで。その後、2月11日(金・祝)~20日(日)に東京・TOKYO DOME CITY HALL、2月25日(金)~27日(日)に大阪・メルパルク大阪 ホールと巡演する。取材・文:岡山朋代(c)許斐 剛/集英社・新テニミュ製作委員会
2022年01月31日絵画の隠された意味を解説した美術書シリーズを手掛けた中野京子が監修を務め、鈴木おさむの作・演出で舞台化する『怖い絵』。本作で共演する佐藤寛太と崎山つばさに、稽古前の想いを尋ねた。中野による同タイトルの著作で紹介された絵画がステージ上に登場し、劇中で描かれるドラマと連動していく本作。絵画に込められたメッセージを紐解きながら、とある事件の罪が暴かれていくという。謎多き絵画コレクターで、世の中の悪に罰を与える復讐執行人の主人公を尾上松也が演じ、佐藤・崎山のほかには比嘉愛未、寺脇康文がキャスティングされている。まだ台本の完成前で、プロットを一読してからインタビューに臨んだ佐藤と崎山。気になる役どころについて、佐藤は「尾上さん演じる復讐代行人と一緒にいる人物で、記憶喪失だけど絵画の知識は豊富」と紹介する。「ストーリーが進むにつれて明らかになる“裏”の顔をどう演じようか……悩ましいですね!」と稽古が待ち遠しい様子を見せた。崎山は託された役について「起こることすべてを把握し、楽しんでいるようなところがある刑事です」とコメント。プロット段階では「僕の演じる刑事目線でストーリーが進んでいく」らしく、「お客さんに寄り添いつつも、物語上では次第に裏切ることになるのでは……その“演じ分け”を実現したいですね」と含みを持たせる。互いに初対面だが、二人はそれぞれ作・演出の鈴木とは接点がある。劇団EXILEの佐藤はLDH所属アーティストによる朗読劇『BOOK ACT』内で鈴木が脚本・演出を務めた『芸人交換日記』に出演。崎山は同じく鈴木が手がけた舞台とドラマの連動プロジェクト『ワケあって火星に住みました~エラバレシ4ニン~』にキャスティングされていたが、新型コロナウイルスの影響で公演中止になっていた。鈴木に対して、佐藤と崎山が声を揃えるのは「おもしろい台本を書く人」──。佐藤は「去年拝見した『てれびのおばけ』が本当におかしくて、朗読劇だけでなくストレートプレイの演出を受けてみたいと思いました」と期待を寄せれば、崎山は企画段階でおもしろい鈴木の構想を「頭の中どうなってるんだろう、と感じさせるくらい変態だと思います(笑)」と続き、台本の到着を待ち望んだ。たった5人のキャストと鈴木だけで立ち上げられる、ミステリアスで濃密な劇世界に期待しよう。公演は、3月4日(金)~21日(月・祝)に東京・よみうり大手町ホールにて。その後、3月24日(木)~27日(日)に大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールと巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年01月28日日本フィルハーモニー交響楽団によるシリーズ「日本フィル&サントリーホールとっておき アフタヌーン」 2022~23シーズン(Vol. 19~21)が、2022年6月2日(木)、9月27日(火)、2023年2月1日(水)の3回、サントリーホール 大ホールにて開催される。本公演は、平日午後を優雅で豊かに彩る、魅力的な指揮者とソリストたちの気さくなトークを交えたオーケストラ名曲コンサート。ナビゲーターを俳優・高橋克典が務め、クラシック音楽を初めて聴く観客にも親しみやすく、奥深い音楽の世界を案内する。vol.19(6月2日公演)の指揮を鈴木優人、ヴァイオリンを石上真由子、Vol. 20(9月27日公演)の指揮を太田弦、ピアノを仲道郁代、Vol. 21(2月1日)の指揮を広上淳一、サクソフォーンを上野耕平がそれぞれ務める。vol.19指揮の鈴木は、「テーマは『心にエールを』。嬉しい時も悲しい時も、その気持ちに寄り添ってくれるのは音楽。こういう時期だからこそ聴きたい音楽を集めました」と今回のシリーズに込めた思いを述べる。Vol. 21指揮の広上は、「オーケストラが奏でる音楽は『心のレストラン』です。レストランにご馳走を食べに行くときのように心躍らせてサントリーホールに足を運んでください」と観客へメッセージを送った。また、好きな場所と時間で楽しめる「有料オンライン配信(ライブ&リピート配信)」が全公演実施される。■「日本フィル&サントリーホールとっておき アフタヌーン 2022~23シーズンVol. 19~21」Vol. 19:2022年6月2日(木) 14:00開演 (13:20開場)Vol. 20:2022年9月27日(火) 14:00開演 (13:20開場)Vol. 21:2023年2月1日(水) 14:00開演 (13:20開場)会場:サントリーホール 大ホール
2022年01月27日大阪のランドマーク、梅田スカイビル27階にある「絹谷幸二 天空美術館」。日本の現代画壇をリードし、2021年度文化勲章を受章した画家・絹谷幸二が名誉館長を務める美術館である。絹谷幸二 天空美術館 チケット情報大人だけでなく子どもにも開かれた美術館であることを目指し、絹谷幸二の代名詞ともいえる壁画の古典技法「アフレスコ」を体験できるワークショップを定期開催。100年後も世界に残る壁画を作るという体験は、子どもたちの創造性と未来を拓くデザインであると、2019年度「キッズデザイン賞」を受賞した。一人でも多くの子どもたちに美術・芸術の素晴らしさを伝えるとともに、百人百様の個性の中からきらめく才能を見出し、夢と希望を育む機会を作るべく、「第1回 絹谷幸二 天空美術館 キッズ絵画コンクール」を開催。「あなたの大切な人たち、自然、まち並み」をテーマに、全国の小学生から中学生の応募を募る。絹谷幸二らが応募作品を審査し、絹谷幸二キッズ賞のほか、約20名の受賞・入選者を表彰。4月29日(金・祝)から6月27日(月)にかけて絹谷幸二 天空美術館内で展示を行うほか、カタログにも掲載予定。応募締切は3月31日(木)必着。「第1回 絹谷幸二 天空美術館 キッズ絵画コンクール」■テーマ:あなたの大切な人たち、自然、まち並み■応募資格:小学生~中学生以下(全国より応募可)■出品料:無料■部門:小学生低学年の部(小学校1年生~3年生)/小学生高学年の部(小学校4年生~6年生)/中学校の部(中学校1年生~3年生)■作品出品受付期間:3月31日(木)必着・締切厳守■主催:絹谷幸二 天空美術館※出品規定や申込方法などは、絹谷幸二 天空美術館ホームページをご確認ください。■お問い合わせ先:絹谷幸二 天空美術館「キッズコンクール」事務局TEL:06-6440-3760(10:00~18:00/火曜休館)
2022年01月27日劇団☆新感線の新作、いのうえ歌舞伎『神州無頼街』がコロナ禍での延期を経て、約1年半ぶりの上演が決定した。幕末を舞台にヒロイックな2人組がヤクザな猛者らに立ち向かう伝奇時代劇。合同取材会で開口一番、前のめりでやる気を吐露した福士蒼汰と宮野真守。「歌ありダンスありのド派手な新感線を楽しんで貰いたい。全身全霊で挑みます!」(福士)、「皆の気合もマックス。絶対に面白くなるのは間違いない!」(宮野)。演出いのうえひでのりも「相当ガンガンに音が出てくる(音楽重視の)Rシリーズに近い」と宣言。掲げるテーマも「うるさい、やかましい、しつこい」の賑やかさだ。2022年劇団☆新感線 42周年興行 春公演 いのうえ歌舞伎『神州無頼街』チケット情報時は幕末。駿河国で名を馳せる侠客・清水次郎長が快気祝いの席で、無慈悲な新参者の身堂蛇蝎(高嶋政宏)とその妻の麗波(松雪泰子)らに襲撃されたことから物語が動き出す。瀕死の次郎長を救った評判の町医者、秋津永流(福士蒼汰)は謎めいた身堂一家を探るため、お調子者で“口出し屋”の草臥(宮野真守)を相棒に一家の牙城、富士裾野の無頼街を訪れるが…。※高嶋の「高」ははしごだか当て書きに近い役柄を得たふたり。「お節介に口八丁で銭を稼いでいく。生業である声優としての部分も込められた役だと思うので、声でどう表現するか。変幻自在な感じを出せたら」と宮野。かたや福士は実直だがどこか食えない役どころ。いのうえいわく「そうきたか!と半笑いで驚くような、大どんでん返しのきっかけとなる」存在だ。「多分僕は笑顔の印象が強いんだろうなと。真っすぐだけど裏がある役。でも僕自身に裏はありません」と福士は笑う。高嶋政宏&松雪泰子が担う敵キャラも強烈で、「大ボスの変態夫婦は相当変だし、相当強い。ふたりのシーンは濃厚です」といのうえ。他にも猥雑で妖しく、摩訶不思議な役柄や展開がてんこ盛り。「最初に言っておきますが、情報量が多すぎる(笑)。お客さんも全部は拾わなくていい。何となく楽しい部分だけを感じ取っていただいて。どうしても気になる方は戯曲で読むか、2度3度と観に来ていただければ」と、見応えは重量級なようだ。上演を待つ間、福士は早乙女太一、友貴兄弟と殺陣の自主練に励み、宮野はミュージカル俳優として着実にステップアップしてきた。そんなふたりの頑張りを「活かさない手はない」と、いのうえは福士の殺陣の難易度を上げ、宮野が歌う楽曲数を増やした。さらに、いのうえ演出による少人数の舞台にもそれぞれ主演した福士と宮野。いのうえは、図らずも濃密な稽古期間を経たことで「ふたりの芝居も相当変わってきている。自信にもなっただろうし、成長した彼らの実力を今回の舞台でお見せできるのが僕もすごく楽しみです」と手応えを口にする。最後に観客に向け「お祭りに参加するような思いっきり楽しめる舞台になると思う。頑張ります!」と改めて決意を語った。公演は3月17日(木)から29日(火)まで大阪・オリックス劇場にて。その後、静岡、東京で上演。大阪、静岡公演のチケットは1月30日(日)、東京公演のチケットは3月5日(土)一般発売。取材・文:石橋法子
2022年01月27日アーサー・ミラーの代表作『セールスマンの死』を、世界初演となった『FORTUNE』(20年)の衝撃も記憶に新しいショーン・ホームズが演出。4月に幕を開ける。そこで主人公のウィリー・ローマンを演じる段田安則と、ウィリーの息子ハッピー役の林遣都に話を訊いた。競争社会へと突入していったアメリカで、セールスマンとして懸命に働き、妻と自慢の息子ふたりという幸せな家庭を得た平凡なひとりの男。だが…というのが、段田演じるウィリー・ローマン。そんなウィリーにとって“家族”とは、“仕事”とはどんな存在だったのか、段田に聞くと…。「自慢の家族だったと思います。ただ自分の息子はこんなもんじゃないと、現実を見ようとせず、理想の方に傾いていないと生きていけない。それは自らの仕事にも同じことが言えて。誇りを持って働いてはいたけど…みたいな。だからこそ最後、ああいうことになってしまったのだと思います」かつては人気者だったが現在は定職にもついていない長男のビフと違い、女性にモテ、そこそこ器用に生きてきた次男のハッピー。そんなハッピーについて、「小さい時から父親がビフに寄せる期待や、ある種の甘さを一番間近に見てきたと思うんです。そこに対する劣等感は絶対にあっただろうな」と語るのは林。その一方、「父との関係はこじれていますが、その根底にはかつてのカッコいい姿、愛情を注いでくれていた姿が変わらずにあると思います。というのも僕自身、父の存在って特別で。どんなにカッコいい俳優さんに会っても、父には敵わない。そういう想いがこのふたりにもあるんじゃないかと感じます」と続ける。また林自身も次男ということで、これまで一度も林の舞台を観ていない兄に対し、「初めてこの作品は兄に観てもらいたいと思いました」と告白。その話に段田も、「遣都くんはハッピーをやるべくしてやる人なんだね」と驚いた表情を見せていた。ふたりは19年の『風博士』で共演済み。林が「いつかやってみたいと思っていた作品で、しかもウィリー役が段田さんなんて、こんな幸せなことはありません」と語ると、「本当?」と段田。続けて「作品自体のファン、遣都くんのファン、いろんな方が観に来てくださると思いますが、僕を見たいという方も3人くらいはいるかもしれません」とおどけて笑う。だが最後には、「これだけの名作をやるということで、ここは一発気合いを入れて、素晴らしい舞台にしたいと思います」と意気込んだ。公演は4月4日より東京・PARCO劇場にて開幕。その後、松本、京都、豊橋、兵庫、北九州の各地を巡る。取材・文:野上瑠美子
2022年01月26日日本初上演となるミュージカル『The View Upstairs -君が見た、あの日-』が2022年2月1日から日本青年館ホール(東京都新宿区)ほかで上演される。ニューオリンズに実在した「アップステアーズ・ラウンジ」という同性愛者クラブで1973年に実際に起きた放火事件を題材に、ブロードウェイ新進気鋭の若手作家、マックス・ヴァーノンが作・作詞・作曲を手掛けた本作。2017年に米オフブロードウェイで初演され、今回が日本初上演となる。開幕を前に、マックス・ヴァーノンにオンラインでインタビューを実施した。マックスは「日本での上演は、月にも昇るような気持ち」と喜ぶ。学生の時に4年近く日本語を学び、さらに日本でホームステイ経験があるというマックスは「(日本での上演は)自分にとって素晴らしいギフトのような出来事でした。海外でも本作は上演されていますが、日本のお客様はまた違った反応を示してくださるのではないかと思っています」。改めて『The View Upstairs』が誕生した経緯を尋ねた。マックスは大学時代にジェンダーとセクシュアリティを専攻し、「世界中からやってきた専門家たちのセオリーを聴いたり、自分たちも20ページにわたるエッセイを書いたり、深く学んでいました」。ある日、32名が亡くなったニューオリンズで起きたアップステアーズ・ラウンジ放火事件をインターネット上の情報で知ったマックス。教授らに事件のことを尋ねるも、誰も知らなかったという。「今アメリカではLGBTQが大きなムーブメントになっているけれど、この事件のことは誰も知らなかった。自分がそこに光を当ててみたいと思いました。悲劇的に描くのではなく、そこにいた人々にもそれぞれに背景があって、笑ったり、情熱を持ったり、人生に喜びを持って生きていたのだと思いながら、追悼の意味を込めて、作品化しました」。コロナ禍はまだ終息していない。マックスにブロードウェイの現状を尋ねると、「何も確実なことがない時代。プロデューサーたちがリスクをとることを恐れなくなっている」と話し、「自分も30代ですが、50歳以下の若い才能が次々と出てきているように感じます」。マックス自身、今年の秋にK-POPを題材にしたミュージカルを上演する予定で「今まで誰も観たことがない、聴いたことがない、そんな作品を手掛けていきたいです」と意気込んでいた。今回日本版で主演する平間壮一と小関裕太については「2人とも才能があるし、全く心配していないです。自分がこの作品を生み出しましたが、ぜひ彼ら自身には日本の観客に向けて、また新たな作品づくりをしてほしい。リスクを犯すことを恐れずに、目一杯楽しんで演じて欲しい」と語り、日本の観客に対しては「この作品を通して、いつも自分自身に正直に、本当の自分でいることを大切にしてほしいと伝えたい。そして、過去から学び直して、この世界をより美しいものにしてほしいと願っています」とメッセージを送った。取材・文:五月女菜穂
2022年01月26日「横浜18区コンサート」は、横浜みなとみらいホール休館期間中(~2022年10月)に、横浜市内各区のホールや公会堂等の文化施設を巡り、豪華ソリストとホールにゆかりあるオーケストラメンバーが演奏を行うクラシックコンサート。第II期は2022年4月から8月にかけて、全8公演が行われる。通常50名を超えるオーケストラをバックに演奏される協奏曲だが、本企画では会場の規模に合わせ、弦楽五重奏用に編曲された伴奏で聴く、という珍しいプログラム。平日の午後に、世界で活躍するソリストを小中規模のホールに迎えてその贅沢な響きを堪能することができる。ソリストは、過去の横浜市招待国際ピアノ演奏会出演者の広瀬悦子、河村尚子(以上、ピアノ)や横浜文化賞文化・芸術奨励賞受賞者の毛利文香、大江馨(以上、ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)。横浜から世界に羽ばたいた俊英たちがベートーヴェン、シューマン、モーツァルト、チャイコフスキーとそれぞれ渾身のプログラムを披露する。【横浜18区コンサート 第II期 ラインナップ】●広瀬悦子(ピアノ)×東京交響楽団メンバー(弦楽五重奏)4月26日(火)戸塚区民文化センターさくらプラザ・ホール(戸塚区)4月27日(水)はまぎんホールヴィアマーレ(西区)曲目/ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 Op.58(弦楽五重奏伴奏版)ほか●毛利文香(ヴァイオリン)田原綾子(ヴィオラ)×ハマのJACKメンバー(弦楽五重奏)6月21日(火)神奈川区民文化センターかなっくホール(神奈川区)6月22日(水)緑区民文化センターみどりアートパーク(緑区)曲目/モーツァルト:ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調K.364(弦楽五重奏伴奏版)ほか●大江馨(ヴァイオリン)×東京フィルハーモニー交響楽団メンバー(弦楽五重奏)7月20日(水)吉野町市民プラザ(南区)7月21日(木)藤原洋記念ホール【慶應義塾日吉キャンパス協生館】(港北区)曲目/チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.35(弦楽五重奏伴奏版)ほか●河村尚子(ピアノ)×読売日本交響楽団メンバー(弦楽五重奏)8月29日(月)都筑公会堂(都筑区)8月30日(火)神奈川県民ホール小ホール(中区)曲目/シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54(弦楽五重奏伴奏版)ほか※第I期:3月2日(水)まで開催中
2022年01月24日3月6日(日)、大阪・Shangri-Laにて、Keishi Tanakaと蔡忠浩(bonobos)の弾き語りツーマンライブ「Singin’ in the Shangri-La」が開催される。Shangri-Laの素敵な空間で、ゆったり音楽をお楽しみください。「Keishi Tanaka/蔡忠浩」チケット情報チケットは、2月5日(土)10:00より一般発売開始。一般発売に先駆け、1月27日(木)23:59までオフィシャル先行(抽選)を受付中。
2022年01月24日中村勘九郎、七之助を中心に中村屋一門が出演して、2005年から毎年全国を巡業してきた『春暁特別公演』『陽春特別公演』。2020年には一度中止になったものの、2021年の「春暁」には勘九郎の息子である勘太郎と長三郎が巡業公演に初参加、大きな話題を呼んだ。元々は、若いファンから“地方に住んでいると、交通費や宿泊費がかかってなかなか歌舞伎を観に行くことが出来ない”という手紙をもらったことから始まったという、兄弟ふたりが中心の巡業公演。今年も趣向を凝らした演目を用意し、「全国の皆様に楽しんでいただけるように」(勘九郎)と意気込んでいる。まずは勘九郎と七之助、さらに中村屋の部屋子で十八代目勘三郎から「第三の息子」と呼ばれた鶴松を中心に、3月6日から全国16ヶ所を回る『春暁特別公演 2022』。勘九郎と鶴松が出演する「高坏」は、コミカルなストーリーと、次郎冠者(勘九郎)が高下駄で軽快に“和製タップ”を踏むのが見どころだ。七之助が4役を演じる「隅田川千種濡事」も、わずか数秒の早替り(舞台上での早替りも!)で毎回盛り上がる人気の演目。勘九郎は「『高坏』は、父も祖父も踊ってきた中村屋を代表する作品。高下駄で踊る技術も必要ではあるのですが、まずは桜満開の下で踊る春の雰囲気を楽しんでいただけたら」と話す。そして3月30日から全国5カ所を巡る『陽春特別公演 2022』は、勘太郎・長三郎の「玉兎」と、勘九郎・七之助が出演する「色彩間苅豆」の2演目。「玉兎」は元々ひとりの舞踊で、勘太郎が歌舞伎座でも魅せてくれた演目だ。今回は長三郎が加わり二羽の兎に扮する珍しいバージョン。一方の「色彩~」は男女の因果因縁を描いた物語で、百姓与右衛門、実は浪人久保田金五郎を勘九郎が、悲しい運命に翻弄される腰元かさねを七之助が演じる。「親の怨念から顔が醜く変わってしまう哀しい女性ですが、与右衛門への気持ちを大切に」と七之助。勘九郎も「今の女性にも共感していただけるのでは」と語る。また、毎年オンエアされているテレビ番組でも微笑ましい成長ぶりが注目されている勘太郎と長三郎。今年11歳と9歳になるふたりながら、舞台上では芝居心あふれる姿をしっかりと見せてくれる。「最近はいっそう稽古事に身が入っていて、とても心強いですよ」と勘九郎も“共演者”として頼もしげだ。「春暁」「陽春」共にトークコーナーとミニ歌舞伎塾もあるので、歌舞伎ファンはもちろん、歌舞伎ビギナーも盛り上がり必至。楽しみな本番に期待したい。取材・文/佐藤さくら
2022年01月24日ピアニスト仲道祐子が、デビュー25周年の記念リサイタルを開く[3月25日(金)Hakuju Hall]。桐朋高校音楽科卒業後ミュンヘン音大に留学。大学院修了後ドイツでの活動を経て、1996年に国内デビュー公演を行なった。25年の節目に掲げたテーマは「原点回帰」だ。「デビューよりも前、桐朋高校やドイツで学んだ頃、音楽をより深く勉強したいと考えるきっかけとなった頃が原点だと思っています。そこを見つめ直し、今後も頑張るエネルギーの素にするための〝原点回帰〟です」ベートーヴェン《ワルトシュタイン》をメインに、メンデルスゾーン、シューマン、リストというドイツ音楽を軸にしたプログラム。巨匠にして名教師でもあった恩師クラウス・シルデの思い出が特に濃厚に詰まっているのがメンデルスゾーンの《厳格な変奏曲》だという。「細かい指づかいなどはあまりおっしゃらない先生が、とても詳しくレッスンしてくださいました。今でも楽譜にそれが残っていて、懐かしく思い出します。先生は普段、書き込みはさせないんです。次に弾く時にそれを違う意味でとらえてしまうかもしれないから。でもこの曲だけは珍しくご自身の楽譜にも書き込みがいっぱいありました。何度も弾き込んだ、お好きな曲だったのだと思います」ドイツもの以外に、田中カレン作曲《愛は風にのって》も聴き逃せない。桐朋出身の作曲者が師の故三善晃の思い出を綴った子供のための曲集。仲道が弾いたCDが2020年にリリースされ、専門誌でも絶賛されている。今回は21曲中6曲を抜粋して演奏する。「私が高校生、カレンさんが大学生だった1980年代、桐朋の学長が三善先生でした。その頃の思い出やノスタルジーが色濃く反映されている曲集です。子供のための作品なので音の数がとても少ないのに、表現している内容はものすごく大人なんです」そのCDを聴いてみると、どこか懐かしい記憶を、彼女たちと違う時間を生きたはずの私たち聴き手も共有できるような気がする不思議な感覚。「作品が生まれ演奏される時、人と人の歴史が擦れ合う」ということを、かつて三善晃その人が書いていたのを思い出した。プログラム全体にはもうひとつメッセージを込めた。「明るく前向きな気持ちになれる曲を選びました。閉塞感が漂う毎日、とても素敵なHakuju Hallの空間で非日常を堪能して、また日常に戻って元気に明日に向かっていただきたいと思います」(取材・文:宮本明)
2022年01月24日2017年上演の音楽劇『魔都夜曲』に続く“上海歴史劇”の第2弾として、『夜来香(イエライシャン)ラプソディ』の上演が決定。前作にも出演し、今回は主演する松下洸平と、新たに参加する白洲迅に話を訊いた。本作は松下と白洲が所属する、キューブの創立25周年記念作品でもある。同じ事務所の先輩後輩に当たるふたりだけに、「気心の知れた仲なので、どんなことでも話し合いながら進めていけると思います。迅との初共演でどんな化学変化が生まれるのか楽しみですし、すごく頼りにしています」と松下。白洲は「今や時の人になった洸平くんが、今どんな表現をするのかとても気になります。舞台経験は洸平くんの方が圧倒的に多いので、いろいろ勉強させてもらいたいです」と厚い信頼と期待を寄せる。演出を手がけるのは、こちらも続投の河原雅彦。松下とは3度目、白洲とは初顔合わせとなる。「『魔都夜曲』や河原さんのほかの作品を拝見していていつも感じるのが、そのエンターテインメント性の高さです。本作ではどう盛り込まれるのか、今から楽しみです!」と白洲。松下は「とにかく優しいです。すごく丁寧に指導してくださって、作品への愛が熱いですし、こちらも河原さんのために頑張らなければという想いにどんどんなってくる。あと河原さんの『ありがとう』っていう口癖が好き過ぎて、それを待ってしまっている自分もいたりします」と笑うと、白洲も「僕も言ってもらえるように頑張ります!」と意気込んだ。松下が演じるのは、日本を代表する音楽家の服部良一。「いつでも笑顔だったとか、明るかったとか、実在の方のエピソードというのは、役作りをする上でとてもいい道しるべになりますよね。やはりフィクションの人物を作るのとまた違い、ある種お手本のようなものがあるわけですから」と、役作りのイメージを膨らませる。一方の白洲は、タイトルにもなっている『夜来香』の作曲家・黎錦光を演じる。「役を掘り下げるのは史実自体を掘り下げてからですが、最初の手がかりになるのは、この『夜来香』という楽曲だと思います。いかにしてこの楽曲が出来上がったのか、そこに黎錦光さんを演じる上での手がかりがあるような気がします」。本作は歴史劇であると同時に、音楽で繋がったふたりの友情の物語でもある。松下はこう言う。「歴史の波にもまれながらも、音楽ファーストで生きた人たちだと思います。この作品を通して、自分の信念を貫くために奮起する勇気、みたいなものをお届け出来たらいいですね」。取材・文:野上瑠美子
2022年01月21日