チーム内でサッカーへの意識が高い子と低い子との差がある。意識の高い息子は毎日の練習から真剣で、練習でのゲームでもあれこれ提案するも「いやだ」「うるせーなー」と言われ、上手くいかないし試合でもフォローもない。意識の低い子たちに「なんでサッカーしないの!」と憤り、練習帰りに涙することも。親としては年齢的にも意識にバラツキがあるのは当たり前だと思っているが本気でやっている息子にどんな声をかければいい?というご相談をいただきました。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、15年以上の取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。お子さんを伸ばしたいなら参考にしてください。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<サッカーは楽しいが勉強できない中2の息子をどう支えればいいのか問題<サッカーママからのご相談>9歳の息子はサッカーを始めて2年なのですが、ここ一年程ますますサッカーが好きになり、意識が高くなっています。上手くなりたい、夢はプロサッカー選手と言って毎日練習に励みチームの練習も一回一回を大切に頑張っているようですしかし当然ながら、チームの中でもサッカーへの意識が高い子とまだそうではない子との差もでてきているようです。今回はその辺に関連するご相談です。最近練習でのゲームで、コーチがチーム分けをするのですが、息子にとっては「え?これはバランスがおかしい」と思うほど差をつけたチーム分けがあるようです。もちろんコーチのやり方があり、何らかの意図があってのことなのでそこに私も息子も何も言うことはないのですが、やはりゲームになると意識の差、というか考えてプレーしている子とボーッとしている子の差が出てきてしまっているようで。息子はどうやったら皆が動けてそして勝てるのか考え、「ああすればいいんじゃない」「次はこうやってみよう」と、ポジション等、みんなと話しあうのですが、当然「そこはやりたくない」など意見がでますよね。そんなときも息子はメンバーに「大丈夫、上手いしきっとできるよ」とも伝えるのですが、なかなか上手くいかず、試合でも誰もフォローに入らない、ボールがきても動かない、ということが多くて、練習帰りに「なんで!?」と涙を流すことが多くなってきました。ゲーム中でも指示を出したりしても、「うるせーなー」など文句を言われたりするようです。本人はただ「サッカーがうまくなりたい」、「練習のゲームでも手を抜かず勝ちたい!」そんな気持ちで指示を出したりポジションを考えたりしているのに、なんでもっとみんな真剣にサッカーしないの?と思っているようです。息子にはみんながあなたと同じ気持ちではないし、あなたがしたいサッカーをするのがゲームではないと思うよと伝えたりもしますが、それは本人もわかってはいるようです。息子本人も「うまい子だけのチームでやりたいわけではない」と言っています。「チームメイトの性格の問題ではなくて、なんで動かないの!?なんでサッカーしないの!」と、サッカーへの意識の高さと低さで悩み、辛い気持ちがあるようです。サッカーしないの!の部分が分かりづらいかもしれませんが、ボールが来ても動かない(動き方が分からない、良い場所で受けようとしたり攻撃につながるような受け方をしない)ことです。私はこんなにもサッカーが好きで本気でやっている息子を尊敬しますが、この本気度の違いはまだ小学3年生にはあって当たり前だとも思います。そんな息子にかけてあげる言葉や接し方がどうしたらいいかわかりません。こんな時どうすればいいでしょうか?<島沢さんのアドバイス>ご相談のメールをいただきありがとうございます。お母さんは、息子さんが大好きなのですね。懸命にサッカーに取り組んでいる息子さんを誇らしく感じるお気持ちが伝わってきます。さて、私からのアドバイスは三つです。■仲間とぶつかったり自分の思いを伝えるトレーニング期なので、ほっといて大丈夫この問題、基本的にほっとけばいいと私は思います。小学生から高校生、ティーンエイジャーの間は、仲間とぶつかったり、温度差が違う中で相手のことをわかろうとしたり、自分の思いを伝えるトレーニングをする時期です。とても大切な成長の機会を、サッカーというスポーツの中で得ているわけです。そういった意味では、お母さんがお書きになっている「考えてプレーしている子」も、「ボーッとしている子」も、息子さんが成長する糧になってくれる大切な存在です。私は以前、保育学が専門の大学教授に「子育ては、泥だらけのじゃがいもをバケツの水の中でごろごろと一緒に洗うようなもの」と聞きました。ぶつかったり、一緒にいることで互いの泥が取れてきれいになる、というわけです。■みんなの動きが良くなるように、自分はどんなプレーをしたらいい?と聞いてみるそう考えると、もし何か親として息子さんに伝えることがあるとすれば、それは「こうしてほしいと他者を変えようとするよりも、まずは自分がみんなのために何ができるかを考えよう」ということかと思います。もちろん、小学3年生にそういった正論をいきなり投げつけるのではなく、例えば、こんなふうに問いかけます。「だったらさ、動き方がわからないチームメートに、試合中にコーチングしたり、仲間が良い場所で受けられるようにするには自分はどんなプレーをしたらいいと思う?」お子さんが話し始めたら、聞き役に徹しましょう。そして「君のプレーやパスが親切になれば、きっと周りも変わってくるよ」とぜひ励ましてあげてください。それだけ利発で自分で物事を考えられる息子さんなのですから、お母さんが伝えようとする道理にすぐ気づくのではないでしょうか?■「だめなのは向こうなのに」と言ってきたときの返し方もし、そこで「なんで僕が......」とか「だめなのは向こうなのに」と抵抗したとしても、そこは叱らずに、「そうなの。お母さんは○○(息子さん)ならできると思うよ」と肯定してあげてください。他者を変えるより、自分が変わった方が早いといった道理に気づくのはずいぶん大人になってからでもいいとは思いますが、ベクトルを他者に向けるより自分に向けることを学ばせましょう。自分がどうすればみんなのためになるのか。どうすれば、自分も仲間も楽しくプレーできるのか。自分で考えたことをまずは実践してみる。そのうえで、コーチに相談してみたり、同じように一生懸命に取り組んでいる仲間と話し合ってみることを提案してみてください。本人が乗り気でなければ、それでいい。まだそこを学ぶ時期ではなかったということととらえてください。それでも、お母さんからのアドバイスはこころに残り、いつか「あのとき、お母さんが、他人よりも自分がどうするかを考えてみたら?って言ったなあ」と思い出すかもしれません。■「かわいそうに」と同情するのではなく話し相手になること二つめは、お母さん自身が、目の前の息子さんのありように一喜一憂しないことです。仲間から文句を言われる。練習帰りに、泣くこともある。さまざま嫌な思いをするときもあります。ですが、そこで「かわいそうに」「あなたが悪いんじゃないのに」と同情するのではなく、息子さんの話し相手になってあげればいいと思います。息子さんが「大丈夫だよ、できるよ」と勧めたポジション(もしくは役割)を「嫌だ」と拒否したチームメートには、その子なりの理由があるはずです。そのことを聞いてみたら?と勧めてもいいでしょう。もしくはすでに話しましたが、コーチがいるのですから、お子さんからコーチに相談することを勧めましょう。サッカーのことは、そこにいる選手と指導者で解決するのが一番です。なるべく問いかけて、自分で考えさせてください。もう春から4年生です。そんな力はついているはずです。■親はあまり感情を揺らさず、できれば離れてしまった方がいい相談文のなかに、お母さんが「みんながあなたと同じ気持ちではないし、あなたがしたいサッカーをするのがゲームではないと思うよ」と伝えたとありますが、そんなふうに答えを言ってしまうのは少し我慢してみましょう。お母さんご自身も「それは本人もわかっているようだ」と書かれていますが、わかりきっていることはきっと聞きたくないはずです。それよりも、どうしたら楽しくみんなでサッカーできるか、ということを考えさせましょう。チーム全体のことを考える経験は、リーダーシップ力を身につけることにもつながります。お母さんご自身が場面場面でなるべく感情を揺らさず、見守ってあげましょう。「こんなときどうすればいいか」「どんな言葉をかけてあげればいいか」とありますが、お母さんが操るわけにはいきません。その都度親が出てきて何でも解決してあげれば快適かもしれませんが、それでは子どもの成長の機会を奪うことになります。子どもの世界で起きていることなので、基本的には黙ってみている。できれば、もっと離れてしまったほうがいいくらいです。■子どもを伸ばしたいなら、期待をかけるより効果的なのは......(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)三つめは、子どもに期待をかけ過ぎないこと。「こんなにもサッカーが好きで本気でやっている息子を尊敬します」と書いているように、他の子どもに比べてサッカーへの意識が高い息子さんを誇りに思う気持ちが伝わってきます。ただし、高学年になるにつれて、子どもたちは大きく変化します。身体の大きさや、足の速さの順番が変わるように、サッカーに対する意識や知識や認知度も徐々に上がってきます。たくさんの親子、少年サッカーファミリーを見てきましたが、意識が高く早熟なお子さんの場合、ここに親御さんの過度な期待が乗っかってくると、本人はしんどいです。早熟なため小さいときから結果が出てしまうので、結果を出すことをずっと期待されがちです。そこで親御さんが「ふーん。もっとできるんじゃない?」と自尊心をくすぐったり、前述したようにサッカーがチームでやるスポーツなんだと理解できた子は歩みを止めることなく伸びるようです。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年03月24日サッカーは1年を通して行われるスポーツであり、雨の日や寒い日も練習や試合を行うケースも少なくありません。このような気候・季節での練習時には防寒対策としてピステの利用がおすすめです。この記事では、サッカーの練習着の種類の1つであるピステについて、その概要から利用するメリット、選ぶときのポイントなどについて解説します。寒い日にはどのような練習着を買えばいいのかわからない、という人はぜひ参考にしてみてください。ピステとはピステとは、プラクティスシャツの上から着用できる練習着の1つです。肌寒さを感じる時や雨の日などに防寒対策として活用できるウェアであり、素材はポリエステルを使用しているため動くとシャカシャカと音がする点が特徴です。ピステは、長袖タイプだけでなく夏場の利用におすすめの半袖タイプもあるほか、プラクティスパンツの上から履けるパンツタイプもあります。ピステのメリットピステには様々なメリットがあります。ここでは、具体的なメリットについて解説します。金具がついていないウェアの中にはウィンドブレーカーなどファスナーがついているものもありますがピステにはついていません。金具がついているウェアの場合、ボールが金具に当たると、痛いため練習時の邪魔になる可能性があります。一方で、ピステであれば、金具がついていないため、トラップをしたときなどにボールが金具に当たって痛い思いをする心配がありません。軽くて持ち運びに便利実際に手にとってみるとわかりますが、ピステは非常に軽くたたむと非常にコンパクトになるため、持ち運びやすい点が特徴です。そのため、「今日は雨が降るかも」「練習中に体温調整できるウェアを持っておきたい」といった時にカバンの中にピステを忍ばせておくことができます。ウィンドブレーカーなどの他のウェアだとピステよりもかさんでしまいます。ピステのデメリットメリットの一方で、デメリットも少なからず存在します。どういったものがあるのか解説します。破れやすいピステは生地が薄いため、他の練習着と比べると破れやすくなっています。パンツタイプの場合、スライディングで破れてしまう可能性もあるでしょう。また、キーパーが練習の際に着用するとすぐに破れてしまうかもしれません。そのため購入するときは、敗れる可能性があることを頭の片隅に置いておくといいでしょう。ピステを選ぶときのポイントここでは、ピステを選ぶときのポイントについて解説します。子ども用にピステを購入したいものの、選び方がわからないといった方はぜひ参考にしてみてください。ピステのサイズピステを選ぶときは、サイズに注意してください。ジュニアやキッズ用のピステを購入する場合、成長を考慮して大きいサイズを購入する人もいるかもしれませんが、大きすぎると動きにくくなるためプレーに影響してしまいます。また、ピステは他の練習着の上から重ねて着用する機会が多いため、ジャストサイズだと今度は窮屈に感じてしまいます。そこで、購入するときはジャストサイズよりも少し大きめのサイズを目安に選んでみてください。使用する季節ピステをどの季節に使用するのかによっても選び方が変わってきます。例えば、秋冬や春先、雨の日など寒い季節に使用する場合は、防風機能や保温性を備えているピステがおすすめです。また裏起毛のピステであれば高い保温性が期待できるでしょう。一方で、春や秋など比較的暖かい季節に使用するのであれば、裏地なしのピステがおすすめです。また、夏場など暑い季節ならメッシュ加工が施されているものや半袖タイプを選びましょう。上下セットで購入するピステを上下セットで購入するのも1つの選び方です。ピステは、上下別に購入することもできますが、上下セットで購入すれば、コーディネートが簡単になります。デザインが統一されたおしゃれなピステだと、練習時のモチベーションアップにもつながるかもしれません。まとめ今回は練習着の1つであるピステについて、その概要からメリット・デメリット、選ぶときのポイントについて解説しました。ピステを選ぶときはサイズに注意し、使用する季節を考慮するのがポイントです。今回の内容を参考に、お子さんに合ったピステを選んでみてください。
2021年03月24日保護者は少年団にさまざまな「お当番」という形で関わります。リーダーとなった人は当番を公平に割り振らなければならず、受ける方もできるだけ手伝いたいと思っていても、家庭の事情などでどうしても断らなければならないときもあります。そんな際に「無理です」「できません」と突っぱねてはチームの空気も悪くなってしまいます。できない時はできないとカドを立てずうまくお断りをする「スキル」を身につけておくことも大事です。前回に引き続き、元テレビ朝日のアナウンサーでコミュニケーションインストラクターの渡辺由佳さんに教えていただきました。「なんで私がそんな言い方をしないといけないの」と感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、お子さんがチームを気に入っていてサッカーを続けたいなら、親も上手く立ち回ることも大事です。あくまで「スキル」なので、ぜひ今度から使ってみてください。(取材・文:前田陽子)■お願いするときの基本はクッション言葉と「いただけませんか?」保護者同士だけでなく、人にお願いをするときはまず「もしできれば」「申し訳ありませんが」「もしよろしければ」といったクッション言葉をつけるものですよね。特に職場などではそういった指示を受けてきた方が多いと思います。そして「~ください」を言わないことが大事なのだとか。「~ください」という言葉には丁寧語であると同時に、軽い命令の意図を含むためだそうです。「次回のコーチのお弁当を用意してください」はNGです。渡辺さんは、「実は『~ください』はある雑誌のアンケートで上司が部下から言われたくない言葉のTOP5に入っています。会社で1日中『ハンコをください』『会議室にお越しください』『●時までに資料に目を通しておいてください』とずっとくださいと言われていると、命令されているようでイヤだと答える方が多いんです」と教えてくれました。渡辺さんが講師を務めるビジネスコミュニケーションの場でも、「~ください」は使わないようにと教えているそうです。さらに、絶対にやってほしいことでも「見守りのお当番をお願いできますか?」「車を出していただけますか?」と丁寧に。最も丁寧に相手の意思を確認できるのが「車を出していただけませんか?」になります。場面や相手によって使い分けてもいいでしょう。何かを頼むときは前述の3つを守れば、「どうして私が命令されなければならないの」と相手を不快にすることはないのです。同じチームの保護者同士に上下はありません。自分のことを大事に思ってもらっている(尊重されている)と感じられ、そういう思いを持っていることが伝えられる言葉遣いを心がけることが大事だと教えてくれました。全ての人に100%効果があるものではないかもしれませんが、押し付けない、命令しない、相手に選んでもらえる選択肢があると、相手に引き受けてもらいやすくなります。■断るときはお詫びの言葉から。具体的な理由と代案の提示をするまた、失礼のない断り方として、お詫びの言葉から始めるのが良いそうです。送迎係を頼まれて「車がないから無理です」といきなり言わず、「申し訳ございません」とまずは手伝いたい気持ちはあることを表現します。そして、「家に車がないので」というように具体的な理由を続け、可能な限り代案を提示しましょう、と渡辺さんは言います。打診された当番に対応できないとしても、「車は出せないけれど、お茶当番ならできます」など、やる気を見せることが大事です。自分の子はほかの保護者のサポートを受けるのに自分はまったく関わりたくない、関わらずにいたいというの、はボランティアで運営されている少年団では好ましくありません。それぞれ家庭の事情などもあり、できることとできないことがあるので、役員さんにはそのあたりを考慮する度量を持つことも求められます。また、一度引き受けた当番が急に都合が悪くなったときも同様の対応をしましょう。ただし、一度は受けたことなので、自分が対応できなくても他の家族(夫など)にお願いするなどまずは家庭内で調整を検討する姿勢が大切です。それでもどうしてもできない場合は、それ相応の努力をしたことを含め、周りの方が納得できる理由を伝え、「この日は無理だけど、○日なら大丈夫です」など前向きで積極的な代案を用意してお断りをし、ほかの方にお願いしてもらうなどの交渉をするとカドが立ちません。■LINEで連絡するときは絵文字を使って柔らかく最近はチーム内の連絡もスマートフォンでやり取りされることが多いと思いますが、プライベートのメールとは違うので、どこまで砕けて良いものか、絵文字使用などを迷うこともあるのでは。「ビジネスではNGとされていることが多いと思いますが、プライベートの連絡では絵文字やスタンプを使うのが当たり前の世代ですよね。きちんと連絡事項が伝われば、保護者同士なのでサッカーの連絡の際には絵文字を使っていいと思います。お詫びのマークや水滴マーク、意思の強さを見せるエクスクラメーションマークなどを使うと、気持ちが伝わるやすくなって効果的だと思います」と渡辺さん。スタンプは送る側、受け取る側の性格にもよるので、使うときはよく考えて送るようにしましょう。スタンプだけでは軽く感じるので、きちんとした言葉があって最後に絵文字を入れるなどの配慮も必要です。頼まれたことを受けられますという返事ならOKのスタンプだけでもいい時もあるでしょう。結局は相手とのコミュニケーションなので、相手がどう感じるかを考えられることが大事なのです。■お願いごとは1対1ではなく全体に対して話す保護者間のやり取りは、1対1にするとプライベートな話になりがちなので、対面でもLINEでも全体に対して行うのが良いのだそうです。1対1ではカドが立ちがちな内容でも、全員に周知するというスタンスにするともめ事にならないからなのだとか。例えば送迎の際に車内マナーの改善をお願いしたいとき、メールやチームのSNSで伝える際に「すごく汚されて迷惑だという意見があります」と書いてしまうと、言っているのは誰か、汚しているのはどの子なのかと犯人捜しが始まってしまいますよね。そんな時は、誰かが言い出したからではなく「いつも送迎してくださる方に迷惑が掛からないように、車内マナーを徹底しましょう」、「こういう経緯でこのルールができました」と説明をするのではなく、ルールだけをバンと提示したほうが収まりやすいのだそう。「ルール○か条」などとして「車に乗るときは靴の汚れをはらう」「乗車時はよろしくお願いします」「降車時はありがとうございます」など、送迎時のルールを決めて子どもたちに徹底してしまったほうが問題も起きにくくなるのだそうです。「コロナの自粛もそうですが、日本人は個別に言われるとイヤなのにルールには従う傾向にあります。気になることを個別に注意するのではなく、全体のルールとして提示するといいですね」と渡辺さんは言います。ルールは感情を乗せずに文書化して渡したり、無機質にルールだけをLINEで流すのも保護者間の付き合いをうまくやる方法なのだと教えてくれました。「子どものサッカー」という共通項で知り合った、年齢も育ってきた環境も違う人たちとのつきあいは、学校や職場のつきあいとも異なりストレスを感じることもあるかと思います。イラっとして返した言葉で雰囲気が悪くなったり、ご自分が嫌な思いをするより、今回ご紹介したような、カドの立たないお願い、お断りの「スキル」を身につけて、チームの保護者、指導者とうまく付き合っていくことも、保護者間のやり取りは、1対1にするとプライベートな話になりがちなので、対面でもLINEでも全体に対して行うのが良いのだそうです。1対1ではカドが立ちがちな内容でも、全員に周知するというスタンスにするともめ事にならないからなのだとか。例えば送迎の際に車内マナーの改善をお願いしたいとき、メールやチームのSNSで伝える際に「すごく汚されて迷惑だという意見があります」と書いてしまうと、言っているのは誰か、汚しているのはどの子なのかと犯人捜しが始まってしまいますよね。そんな時は、誰かが言い出したからではなく「いつも送迎してくださる方に迷惑が掛からないように、車内マナーを徹底しましょう」、「こういう経緯でこのルールができました」と説明をするのではなく、ルールだけをバンと提示したほうが収まりやすいのだそう。「ルール○か条」などとして「車に乗るときは靴の汚れをはらう」「乗車時はよろしくお願いします」「降車時はありがとうございます」など、送迎時のルールを決めて子どもたちに徹底してしまったほうが問題も起きにくくなるのだそうです。「コロナの自粛もそうですが、日本人は個別に言われるとイヤなのにルールには従う傾向にあります。気になることを個別に注意するのではなく、全体のルールとして提示するといいですね」と渡辺さんは言います。ルールは感情を乗せずに文書化して渡したり、無機質にルールだけをLINEで流すのも保護者間の付き合いをうまくやる方法なのだと教えてくれました。「子どものサッカー」という共通項で知り合った、年齢も育ってきた環境も違う人たちとのつきあいは、学校や職場のつきあいとも異なりストレスを感じることもあるかと思います。イラっとして返した言葉で雰囲気が悪くなったり、ご自分が嫌な思いをするより、今回ご紹介したような、カドの立たないお願い、お断りの「スキル」を身につけて、チームの保護者、指導者とうまく付き合っていくことも、子どものサッカーで親がストレスをためないための方法です。ための方法です。渡辺由佳(わたなべ・ゆか)フリーアナウンサー。慶應義塾大学卒業後、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。「こんにちは2時」「ザ・ニュースキャスター」など、報道から社会情報番組まで多数の人気番組を担当。1993年に同局を退社後、フリーアナウンサー、話し方講師としての活動を開始。テレビ朝日アナウンサースクールなどで話し方講座を担当するほか、大学や企業でも講師を務める。著書に、『会話力の基本』(日本実業出版社)、『スラスラ話せる敬語入門』『サクサク書けるビジネスメール入門』(以上、かんき出版)、『気の利いた「ひと言」辞典』(講談社)、『好かれる人が絶対しないモノの言い方』(日本実業出版社)などがある。
2021年03月23日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ドリブルで前を向けない、足元ばかり見てしまう」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。ボールを止める、蹴る、というサッカーの基本中の基本の一つ。ドリブルは最も基本的なスキルの一つですが、最初は足元のボールばかり見てしまってなかなか顔があげられないもの。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、前を向いてドリブルできるようになります。親は難しい動きは一切ありません。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.親子で離れて立ち、子供がボールを持つ2.子どもはビブスやタオルなどでしっぽをつける3.親は子どものしっぽを取ろうと追いかける4.子どもは親に背を向けないようにドリブルしながらしっぽを守る5.慣れて来たら目印を置いてゴールを作り、子どもはゴールを目指しドリブル、親はゴールを守るなど実際の試合に近づける【ポイント】・顔を上げて親をよく見る・相手に背中を見せないように体の向きを意識する・インサイド、アウトサイド、足の裏などいろんな場所を使う・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年03月23日スパイクは、サッカーをする際に欠かすことのできない大切な道具です。手入れが行き届いていれば足にしっかりと馴染むため、プレーもしやすくなるでしょう。今回は、スパイクの手入れの方法について解説します。基本的な手入れ方法から天然皮革、人工皮革のスパイクを手入れするときのポイントまで取り上げているのでぜひ参考にしてみてください。スパイクの基本的な手入れの手順ここでは、スパイクの基本的な手入れの仕方とその手順について解説します。手入れ方法がよくわからないという人は、ぜひ参考にしてみてください。手入れの事前準備スパイクを手入れする場合、スパイクから紐とインソール(中敷)を取り外しましょう。紐は汚れているため、洗濯機や手洗いなど綺麗にしてください。インソールは入れたままにしておくと、手入れをした際に乾きにくくなり、カビの原因にもなるため、忘れずに取り外すようにしましょう。汚れを落とす紐とインソールを取り外し事前準備が完了したら汚れを落としていきます。汚れは以下のような方法で落としましょう。ナイロンブラシを使って靴底部分の汚れを落とす固く絞った濡れタオルでスパイクの表面の汚れを落とす頑固汚れはクリーナーを使って落とすスパイクを手入れする場合、部位に応じて使用する道具を変更するのがポイントとなります。靴底は革ではないため、ブラシを使っても特に問題ありませんが、表面部分は革であるためブラシでゴシゴシと汚れを落とそうとすると傷つけてしまうため、タオルを使用してください。また、ブラシやタオルで落ちない頑固な汚れに対しては、クリーナーを使用するのですが、このとき両面起毛クロスを使用することでより効率よく汚れを落とすことができるでしょう。そのほかにも、スパイクには縫い目やベロなど汚れがたまりやすい部分もあります。このような箇所に関しては、汚れを指で押し上げて落とすようにしましょう。クリームをスパイクに塗り込む汚れを落としたら、クリームをスパイクに塗り込みます。クリームはスパイクに栄養を与える役割を担っており、スパイクを長持ちさせてくれます。また、クリームを塗ることで光沢が出るため、スパイクの見た目も綺麗になりプレー時のモチベーションアップにもつながるでしょう。なおクリームはスパイク用のものが販売されているため、そちらを利用してください。日陰干しをするここまでの手入れが完了したら、スパイクを日陰干しします。風通しの良い場所で、半日〜1日を目安に乾燥させましょう。このと、スパイクの型崩れ防止のためにも、シューキーパーを利用すれば、よりスパイクを長持ちさせることができます。皮革別手入れのポイントサッカーのスパイクには、大きく分けて天然皮革と人工皮革の2種類があります。そこでここでは、皮革別に手入れのポイントを解説します。天然皮革の場合天然皮革は動物の皮でできており、使い込めばどんどん自分の足にフィットしていきます。一方で、天然の革であるためカビに注意しなければいけません。汚れた状態で湿気のある場所に放置していると、あっという間にカビが生えてしまいます。そのため、手入れの際は湿気には特に注意が必要です。基本的には水洗いは避けてください。人工皮革の場合人工皮革は、その名の通り人工の革であり天然皮革と比べて手入れがしやすい点が特徴です。カビは生えにくく、ブラシや布を使って水拭きすれば汚れも簡単に落とすことができます。まとめ今回は、スパイクの手入れの方法について解説しました。スパイクはプレーの質にも大きく影響する重要なアイテムです。試合や練習で使用したらこまめに手入れするようにしましょう。手入れをする際は手入れセットなども販売されているため、そういったものを購入しておくと便利です。
2021年03月23日サッカールールの基本ともいえるのが「ハンドの反則」です。サッカーに詳しくない人でも手を使ってはいけないということは知っているのではないでしょうか。一方で、ハンドの反則の細かいルールまでは把握していない人は多いはずです。この記事では、ハンドの反則についてその概要や定義について解説します。ハンドとはハンドとは、正しくは「ハンドリング」といい、ボールを手や腕で扱うことを意味します。サッカーでは、ゴールキーパーやスローイン時など一部を除いて手を使用することは禁止されています。ちなみに、サッカーではハンドと似たような言葉に「ハンドオフ」というものがあります。こちらは、腕を使って相手との距離感を保つことであり、ハンドの反則とは関係ありません。ハンドの反則を犯すととどうなる?もしハンドの反則を犯してしまうと、相手に以下のいずれかがあたえられます。通常のハンド:直接フリーキック自陣ペナルティエリア内でのハンド:ペナルティキックゴールキーパーの自陣ペナルティエリア内でのハンド:間接フリーキック直接フリーキックとは、フリーキックで蹴ったボールが直接ゴールに入ると得点が認められるフリーキックです。また、間接フリーキックは、蹴ったボールが直接ゴールに入っても特典は認められません。ゴールに入る前に他の選手がボールに触れていれば得点となります。なお、ハンドの反則を犯すと、場合によっては退場を命じられることもあります。例えば、相手チームの得点や決定的なチャンスをハンドによって阻止した場合は、レッドカードが出され退場になります。ハンドの定義ハンドの定義は、これまでどこからどこまでをハンドとして扱うのかその基準が抽象的でしたが、2020/21の競技規則からその定義が明確になりました。日本サッカー協会の競技規則によると「脇の下の最も奥の位置までのところ」までが腕の範囲としてみなされる、つまりハンドとして扱われるということです。ハンドになるとき・ならないときここでは、ハンドの反則について、どういったときに反則として扱われるのか、逆にどういったときには反則にならないのか解説します。ハンドになるときハンドの反則になるのはボールを手や腕で扱ったときです。具体的には、以下のようなことを行うと反則となります。手や腕で意図的にボールに触れたとき手や腕を使って得点したとき(偶発的な場合を含む)手や腕に触れた直後に得点するもしくは得点のチャンスを作り出したとき(偶発的な場合を含む)手や腕を使って不自然に体を大きくしてボールに触れたとき手や腕が偏りも上の高さにある状態でボールに触れたときこれらの行為は、ハンドの反則が取られるため注意が必要です。ハンドにならないとき手や腕を使っていても、以下のような場合はハンドの反則は取られません。選手自身の頭もしくは体から直接触れる別の競技者の頭または体から直接触れる手や腕は体の近くにあるものの体を不自然に大きくしているわけではない倒れている選手が体を支えるために手や腕が体と地面の間にある「頭もしくは体から直接触れる」とは、例えば胸トラップをしたボールがそのまま腕に当たっても反則にはならないということです。ただし、攻撃側の選手がトラップしたボールがあたると反則を取られます。また、「手や腕が体と地面の間にある」とき、手や腕が体から縦方向や横方向に伸びている場合は、ハンドをとられる可能性があります。ゴールキーパーのハンドサッカーの中で唯一手が使えるポジションであるゴールキーパーですが、自陣ペナルティエリア外で手や腕を使うと他のフィールドプレイヤー同様ハンドをとられ、相手に直接フリーキックが与えられます。ただし、自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を犯した場合は、ペナルティキックではなく間接フリーキックが与えられます。自陣ペナルティエリア内でゴールキーパーが犯すハンドとしては、味方のバックパスを手で扱うといったことが挙げられます。まとめ今回は、サッカーのハンドの反則に関してその概要から、反則となる具体的な例などについて解説しました。ハンドの反則は、実は細かい部分まで競技規則によって規定されており、ハンドになるケースとならないケースがあります。ぜひ今回の内容を参考に、ハンドに対する理解を深めてみてください。
2021年03月22日サッカーの練習をする際は、練習着を着用するのが一般的です。一方で、練習着と一言で言ってもその種類は様々です。そこでこの記事では主なサッカーの練習着の種類と選び方について解説します。サッカーを始めたばかりのお子さんをお持ちの保護者など、練習着を探している方はぜひ参考にしてみてください。サッカーに欠かせない練習着サッカーの練習は、練習着を着用して行うのが一般的です。遊びや自主練などであればサッカーはどのような服装でも行えますが、チームで練習をする場合などは練習着を用意しましょう。チームによっては指定の練習着があったり、練習試合用のユニフォームの着用を指定していたりするケースもありますが、多くのチームでは、練習着は任意で選択できます。練習着の種類練習着と一言で言っても、その種類は様々です。ここでは、練習時に必要となる主な練習着の種類について解説します。プラクティスシャツプラクティスシャツは、練習の際に着用するトップスのことです。基本的にはユニフォームと同じような肌触りですが、ユニフォームとは違って背番号などは記載されておらずシンプルなデザインとなっています。夏に使用できる半袖タイプはもちろん秋冬などに使える長袖タイプのものもあります。チームの練習頻度にもよりますが、毎日練習があるような場合は3、4枚ほど用意しておくといいでしょう。プラクティスパンツプラクティスパンツは、練習用のハーフパンツのことです。伸縮性や耐久性に優れているものが多いため、下半身の動きを邪魔することなく高い強度のプレーが行えます。商品によってはプラクティスシャツと上下セットで販売しているものもあるため、セットで購入しておくと便利です。ソックスサッカーのソックスは、すね当てを着用する関係からロングタイプを着用するのが一般的です。プロ選手などの中にはショートソックスを履いて練習しているケースも見られますが、足元の安全を守るためにも、ロングソックスを購入してください。また近年では、滑り止め機能がついた高機能ソックスも販売されています。プレミアリーグなどをはじめとする欧州のプロサッカー選手が履いていることで知られるトゥルーソックスなど高機能ソックス着用すれば、スパイク内でソックスがずれにくくなるため、プレーの際にしっかりと踏ん張ることができます。滑り止め機能がついた高機能ソックスはいろんなメーカーから発売されています。スパイクの中でソックスがずれてしまう、と言った場合はこちらの購入を検討してみるといいでしょう。アンダーウェアアンダーウェアとは、プラクティスシャツの下に着用するインナーのことです。プラクティスシャツ自体は、体の上からそのまま着用しても構いませんが、アンダーウェアを着用することで、練習時の快適さがアップします。例えば、夏用のアンダーウェアなら吸汗速乾性能を備えているものが多いため、汗をかいてもすぐに乾き、不快感を感じることは少なくなるでしょう。また、冬用のアンダーウェアは、保温性能を備えているものが多く、温度低下を軽減してくれます。ピステピステは、プラクティスシャツやアンダーウェアの上から被って着用できるアウターのことです。寒い日の練習や雨の日などに着用するのが一般的です。ピステはウィンドブレーカーと似ていますが、ファスナーがついていないため、プレー中にボールがファスナーにあったって痛い思いをすることがありません。また、非常に軽くコンパクトにたためるため、持ち運びしやすいのも特徴です。サッカーの練習着の選び方練習着は自由に選んでも問題ありませんが、いくつかのポイントを押さえておくことで、より効率よく練習着が選べます。ここでは、具体的な選び方のポイントについて解説します。機能性から選ぶ練習着によっては、様々な機能を備えているため、機能性から選ぶことができます。例えば、吸湿性や速乾性、通気性などを備えている練習着であれば、快適な状態で練習に取り組めるでしょう。逆に特に機能を備えていない練習着を着用すると、汗を吸い込んだままなかなか乾かず、シャツが体にくっつき不快な状態で練習することになるでしょう。機能性は練習の質にも少なからず影響するため、ぜひチェックしてみてください。動きやすさ練習着を選ぶときは、動きやすさは重要なポイントとなります。ジュニア世代やキッズ世代の練習着を購入する場合、「すぐに成長するから少し大きめのものを!」と考えるかもしれませんが、大きすぎると動きにくくなるため、練習に支障が出る恐れがあります。そのため、練習着を選ぶときは動きやすさを考慮してジャストサイズを選ぶようにしましょう。ただし、ピステに関しては重ね着をすることになるため、少し大きめのサイズを選ぶことをお勧めします。デザインやブランド自分の好きなデザインやブランドの練習着を購入するのも1つの方法です。アディダスやナイキと言った定番ブランドから、近年ではスボルメやアスレタといった新興ブランドも人気を集めています。自分の好きな練習着を着れば練習時のモチベーションもアップするでしょう。まとめ今回は、サッカーの練習着の種類と選び方について解説しました。練習着の種類は様々ですが、プラクティスシャツ・パンツ、ソックスは最低限必要となります。また、冬場の練習はピステを用意するなど防寒対策も忘れてはいけません。ぜひ今回の内容を参考に練習着を選んでみてください。
2021年03月21日新型コロナウイルスの感染予防で、マスクや手洗い、手指消毒などが当たり前になっていますが、練習や試合などサッカーの場でどのように感染対策をすればいいのか悩んでいる方も多いのでは。そこで今回は、国立スポーツ科学センター(JISS)の医師・医学博士で、JFA医学委員会メンバーでもある土肥美智子先生に、新型コロナウイルスの予防についてうかがいました。「サッカー編」では、指導現場の状況に即した対処法を紹介します。(取材・文:鈴木智之)■プレー中のマスクは必要ありません新型コロナウイルスに関して、屋外でマスクをせず、距離をとった状態でクラスターが発生したという報告はありません。濃厚接触者の定義にも当てはまらないので、サッカーのプレー中にマスクをする必要はないと考えられます。気温が上がると熱中症になる恐れがあり、呼吸困難に陥ることもあり得るので、プレー中はマスクをしなくても良いでしょう。■個人のタオルと飲み物を用意しよう汗を拭くときは、どうしても手指が顔に触れやすくなります。その際に、手指にウイルスがついていたら感染してしまう可能性があります。タオルやペットボトルの飲み物を共有しないことは、新型コロナ対策に関わらず、インフルエンザなどの感染症対策において大切なことです。タオルにウイルスがついていた場合、それを触ると接触感染してしまうおそれがあるので、他人の持ち物にはなるべく触らないこと。触ってしまった場合は、顔などを触る前に手指消毒をすることを心がけましょう。飲み物は個人で水筒などを用意しましょう■ビブスは着回ししないようにビブスにウイルスがついていた場合ビブスを着回しすると、これによって感染する恐れがあります。そのことから、着回しはしないほうが良いでしょう。ビブスを着用した直後にスプレーなどを使い、消毒できれば良いですが、あまり現実的ではありません。そう考えると、ビブスを共有せずに、使い終わったら消毒、洗濯する方がいいでしょう。コーチがたくさんのビブスを回収するときは、使い捨ての手袋をつけることをおすすめします。■つばを吐くときは、水のある場所でサッカーのプレー中、口の中に砂や芝が入ると不快で、つばを吐きたくなることがあります。つばにはウイルスが含まれているので、吐き出すときは水場など、水が流れるところでするようにしましょう。ピッチ上につばを吐くと、飛沫が飛んだり、他の人が触れてしまう可能性があるので、つばの処理には気をつけましょう。■コーチはその都度、言って聞かせようマスク、手指消毒、食事中の会話を控えるといった対策は、時間の経過とともに忘れてしまうことがあります。口うるさく言うと、選手たちに嫌がられるかもしれませんが、マスク着用、手指消毒ができていないときは、その都度、言って聞かせるようにしましょう。合宿中の食堂でマスクをつけずに食べ物を取りに来た選手には「マスクをしよう」や、物に触る前は「手指消毒しよう」などと注意をうながすこと。習慣になるまで、言い続けると良いと思います。■保護者はマスクを着用し、距離をとって観戦しようサッカーを観戦する時は、保護者はマスクをして、他の人と距離をとって見ましょう。マスクをつけた状態であれば会話しても良いですが、大声で長時間話さないなど、普段の生活と同じように意識をしましょう。■選手は自分の身体を良く知ることが大事新型コロナウイルスの流行は、いつ終わりを迎えるか、わかりません。ネガティブにとらえることは簡単ですが、「自分の体調としっかり向き合う良い機会だ」などとポジティブに考えることもできます。これまでの人生で、ここまで体調や感染症に気をつけて暮らした経験はないと思います。自分の身体を知ることは、トップアスリートになるためにはとても大切なこと。体調管理は習慣なので、日々体温を測ったり、手指消毒をしたり、バランスの良い食事をとってよく眠ることなどに取り組んでおくと、大人になっても継続することができます。「どうすれば、元気で過ごすことができるか?に目を向けて、日々を過ごしてもらえたらいいのでは。そして将来、大人になったときに、常に良いコンディションで活躍できるサッカー選手になってほしいと思います」と土肥先生はアドバイスをくれました。良い選手になるだけでなく、サッカーを思い切り楽しむためにも、自分の身体を良く知りコンディションを整えることは大事なことです。みなさんもぜひ実践してみてください。土肥美智子(どひ・みちこ)国立スポーツ科学センタースポーツメディカルセンター副主任研究員。医学博士。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。千葉大学医学部卒業。医師国家試験合格後からスポーツドクターを目指す。放射線診断学専門医として大学病院に勤務するかたわら、スポーツドクターとして主にサッカーの仕事に携わる。2006年より国立スポーツ科学センターに籍を置き、スポーツドクターに専念。トップアスリートの健康管理、臨床研究およびオリンピック、アジア大会、男女サッカーワールドカップ等に帯同。日本オリンピック委員会(JOC)医学サポート部会員、日本サッカー協会(JFA)「医学委員会」委員、アンチ・ドーピング部会長、アジアサッカー連盟(AFC)「医学委員会」副委員長、国際サッカー連盟(FIFA)「医学委員会」委員、国際オリンピック委員会(IOC)「スポーツと活動的社会委員会」委員ほか
2021年03月19日サッカーは足を主に使用するスポーツであり、キックは非常に重要なものです。この記事では、サッカーのきっキュの種類について解説します。どのようなキックがあり、どういった特徴があるのか解説しているのでぜひ参考にしてみてください。サッカーのゲームで使用する主なキックの種類サッカーのゲームでは様々なキックを使用します。ここでは使用する機会の多い主なキックについて解説します。インステップキックインステップキックは、足の甲でボールを蹴るキックです。足の甲は足の中でも硬い部分であるため、強くて速いボールを蹴ることができます。そのため、シュートやゴールキック、ロングパスなどキック力が求められる場面で使用するのが一般的です。インステップキックは力強さこそありますが、細かいコントロールは難しいキックであるため、狙いすましたキックをしたいときなどには適していません。インサイドキックインサイドキックは土踏まず周辺を中心とした足の内側で蹴るキックです。主に近距離のパスを出す際に使用されるキックで、サッカーの基本とも言えるキックとなっています。インサイドキックはキックの際にボールに触れる面が大きいためコントロールしやすい点が特徴です。一方で、インステップのようにパワーやスピードのあるキックには適していません。インフロントキックインフロントキックは、足の親指の付け根付近で蹴るキックであり、インステップキックとインサイドキックの中間的なキックだと言えます。浮き玉を蹴る際などにも使用されるため、ロングキックはもちろんコーナーキックやフリーキックの際などにも使用されます。また、カーブをかけやすいのもインフロントキックの特徴です。アウトサイドキックアウトサイドキックはインサイドキックとは逆で、足の外側、薬指付近で蹴るキックです。走りながらそのままボールを蹴ることができるキックであり、外側に逃げていくようなボールが蹴れるため、相手にとっても対応しにくいキックだと言えます。インサイドとは違い、ボールに力を加えるのが難しいため、最初のうちは蹴りにくさを感じるかもしれませんが、慣れてくれば長距離のパスを出す際にも使用できるようになるはずです。トゥーキックトゥーキックとは、つま先で蹴るキックです。キックの際、ボールに触れるのはつま先のみであり、接地面が少ないことからコントロールは難しいと言えます。一方で、インサイドキックやインステップキックのように、足を大きく振らなくてもキックできるため、密集地でパスを出したいときなどに活用できます。また、モーションが小さい分相手は予測しにくいため、シュートの際にゴールキーパーの意表をつくこともできるでしょう。キックのポイントここでは、キックをする際のポイント、上達のためのポイントなどについて解説します。キックのフォームに注意サッカーを始めたばかりの小学校低学年の子どもなどは、キックの正しいフォームを把握していないため、間違った蹴り方を身につけてしまう恐れがあります。間違ったフォームは、ボールが思ったように飛んでいかなかったり、カーブがかかってしまったりすることもあるため注意が必要です。プロのキックを真似してみるなど、キックの上手い人を参考にしてみるのも1つの方法です。キックの上達は繰り返し行うことキックはいきなり上手くなることもなければ、急激にスキルがアップするような練習メニューもありません。上達するためには、日々の練習でコツコツと繰り返しキックを行うことが大切です。このとき、ただなんとなく蹴るのではなく、足を踏み込む位置やボールに触れる部分、力加減などを毎回意識しながら蹴るようにしましょう。まとめ今回は、サッカーのキックの主な種類について解説しました。キックと一言で言ってもその種類は様々であり、それぞれの特徴を理解してプレーすることが大切です。試合の状況に応じて適切なキックがいつでもできるように、日々キック練習に取り組んでみてください。
2021年03月19日子どもはチームを気にいっているけど、親の自分が面倒なお当番や古い習慣に付き合うのが嫌でサッカーをやめさせたい。または少年団に入ってほしくない、という保護者の声は少なくないもの。特にお当番制は保護者のストレスNo.1ともいわれています。地域の少年団などでは、保護者がボランティアで関わることが多々あります。試合会場への送迎や、練習の見守り、お昼の当番など団によってやることは様々ですが、当番を巡って親同士に亀裂が入り、子どもがサッカーを続けられなくなることもあるようです。子どもが大好きなサッカーを続けるために、普段の交友範囲にはいないタイプの親御さんとも表面上円滑に付き合うスキルを身につけるのも大人として大事なこと。あくまで「スキル」なので参考にして実践してみてください。会話における保護者同士の心がけなどについて、元テレビ朝日のアナウンサーでコミュニケーションインストラクターの渡辺由佳さんにお話をうかがいました。(取材・文:前田陽子)■保護者同士は礼儀を欠かず、深入りをしない。人の好き嫌いを口にしないが大前提少年団に関わらず、学校のPTAなど、子どもの学校生活に保護者のサポートは必要不可欠。何かあるごとに親たちが集まって話すことになります。現在は父親の参加も珍しくありませんが、まだまだ多くの場合、母親たちが参加することが多いかと思います。「子どもたちと同様、ママたちも自然とグループが出来上がります。そういったグループで誰かの悪口合戦になるのが一番良くないですね。組織社会でもグループでもそうですがどうしても声が大きな人になびいてしまいます。まずは人の好き嫌いを口にしないということを前提としましょう」と渡辺さん。「あの人の●●が気に入らない」「お当番をしてくれない」「気遣いが足りない」などということを話題にしないこと。グループでは自然発生的にリーダーが生まれますので、声の大きいリーダー格の方々には特に気を付けてほしいところです。■カドが立たない質問返し!「かわし術」を身に付けると気が楽になる「○○さんのことどう思う?」「ご主人何されているの?」「△△君はどこを受験するの?」など、答えにくいことや家庭の事情を詮索してくる人もいますよね。答えたくなくてもつい真面目に答えてしまうと、「□□だって」とあっという間にみんなに広まってしまい、不快な思いをしたことがある方も少なくないのでは?聞かれたことにすべて返事をするのではなく、かわす方法を身に付けることでそんなストレスがグッと減ると渡辺さんは教えてくれました。たとえばお子さんのことを聞かれた際は、「子どものことを外で話すとあの子に怒られちゃうの」と「言いたいけれど言えないんです」という意味を含んで言えばカドが立たないそう。上記のような言い方で「私が言いたくない訳ではないのだけど、言っちゃうと子どもがね......」というニュアンスが含まれると相手もそれ以上聞けなくなるのだとか。正論ではありますが、真正面から「そういうことを聞くのは失礼じゃない?」「どうして家庭の事を詮索なさるんですか?」などと言うと、人によっては亀裂が入って、関係性が悪くなり、時として自分が居心地悪くなってしまうことも。また、質問に質問で返すのも一案だそうです。「お子さんのテストの結果はどうだった?」との問いに「●●さんこそ、どうでしたか?」と返すような形式です。学生同士の会話の例になりますが、部活やサークルの春合宿に行きたくないと考えている時に「春合宿は来るの?」と聞かれて、相手が先輩だったりして「行きたくない」と素直に言えない状況なら「その前に追試が来そうで怖くて」などと「合宿に来る」と「追試が来る」というように、動詞にかけて主語を替えるという質問返しも有効なのだそうです。「かわす技は慣れないと難しいかもしれません。少年団のお母さん同士の会話では、聞かれる質問はだいたい想像がつくと思うので、事前にこう聞かれたらこう返そうと準備しておくといいのですね。かわし技とカドが立たない範囲の質問返しの術を考えておくと、気が楽になるのでは。会話の力があれば、多少の人間関係は乗り越えていけると考えています。人間関係を円滑にするにはのらりくらりとかわす術はどんな場面でも強いですよ」と渡辺さんはアドバイスを送ります。■話の中身と同時に顔の表情や声色が重要心理学の法則に「メラビアンの法則」というものがあります。話し手が相手に与える影響を数値化したもので、その伝達の割合は以下だと言われています。視覚情報:外見、しぐさ、表情など55%聴覚情報:話し方、声の大きさなど38%言語譲歩:言葉の意味、会話の内容7%それほど人の印象は外的なものが大きいとされています。自分が伝えたいことを的確に伝えるにはまず「お願いしたい」という顔の表情と、「あなたにお願いしたいんです」という音の調子が必要で、最後に言葉の中身が生きくるのだとか。「外見だけが大事ということではありませんが、人は外見から信頼を築いていきます。顔が見えなければ信頼もできず、話し方に自信がなさそうだったり発音が悪かったりすると説明が耳に入りません。伝えたいことが明確であればいいのではなく、表情や声色もメッセージを伝えるときには大切になります」と渡辺さん。これはスキルであり、顔の造形や服装は関係ありません。相手の目を見て、表情と声でお願いの気持ちを届けるのです。上手なお願いは後天的に身につけられるスキルなのです。ぜひ実践してみてください。■ママ同士、立場は平等であるべきだけれど年長者を敬うことも忘れずに「同じ年ごろの子どもを持つ親という立場は同じですが、若いお母さんが年上のお母さんと話すときは、最初は敬語にしましょう」と渡辺さんは言います。年上のお母さんから「同じママ同士だから敬語使わなくて良いよ」と言われて初めて言葉を崩すのが礼儀です。また若い人が最初から友達言葉で声をかけるのも、なかなか難しいものなので、年上のお母さんも若い人に寛容な心を持ちましょう。お母さんが他のお母さんの悪口を言うと、聞いていた子どもが悪口を言われている家庭を見下すようになります。子どものためにも悪口は言わない、上下関係を作らないこと。女性はついマウンティングをしがちです。子どもにマネをされないように自分の言動に注意しましょう。子どもたちがサッカーを楽しむためには、保護者同士がお互いを尊重し上手く関係性を築くことでチームの雰囲気をよくすることも大事です。よほど気が合う方は別として、ほとんどはプライベートまで深く付き合うことは無いのです。親御さんも疲れてしまわないよう、お願いの仕方やかわし術の「スキル」を使って楽しく子どものサッカーを応援しましょう。渡辺由佳(わたなべ・ゆか)フリーアナウンサー。慶應義塾大学卒業後、テレビ朝日にアナウンサーとして入社。「こんにちは2時」「ザ・ニュースキャスター」など、報道から社会情報番組まで多数の人気番組を担当。1993年に同局を退社後、フリーアナウンサー、話し方講師としての活動を開始。テレビ朝日アナウンサースクールなどで話し方講座を担当するほか、大学や企業でも講師を務める。著書に、『会話力の基本』(日本実業出版社)、『スラスラ話せる敬語入門』『サクサク書けるビジネスメール入門』(以上、かんき出版)、『気の利いた「ひと言」辞典』(講談社)、『好かれる人が絶対しないモノの言い方』(日本実業出版社)などがある。
2021年03月18日サッカーノートを書き始めようとしたものの、何を書けばいいのかわからない、という人は多いのではないでしょうか。この記事では、サッカーノートの書き方について解説します。どういった内容を書くのか具体的に解説しているのでぜひ参考にしてみてください。サッカーノートの概要サッカーノートとは、普段の練習や試合などの記録や自分のプレーの振り返り、課題や目標を書き込むノートのことです。その日のプレーはどうだったのか、どのようなアドバイスを受けたのか、自分で感じたことなどを書き込むのが一般的です。中村俊輔選手や本田圭佑選手といったプロ選手もサッカーノートを使用していたというエピソードもあるため、馴染みのある人も少なくないでしょう。ノートは特に決められたフォーマットがあるわけではなく、市販のノートやアプリなど、好みに応じたツールを使用して作成します。サッカーノートの書き方サッカーノートの書き方は特に決まっているわけではないため、自分の書きたいことを好きな形で書いても構いません。ここではサッカーノートに書かれることの多い内容とその書き方について解説します。参考にしてみてください。その日の練習内容を書くサッカーノートの主な使い方の一つが、練習内容の記録です。その日どのような練習を行ったのか、その練習はどういった目的をもって行われたのか、自分の出来はどうだったかと言ったことを記入します。また、練習中に受けたアドバイスも書き込んでおくと、次に同じ練習をした時に役立ちます。練習や試合の目標を書くサッカーノートは、普段の練習や試合の目標を立てる際にも利用できます。普段の練習や試合の記録をノートに書き込んでいれば、自分が今どのようなプレーを苦手としているのか、どのようなことをコーチやチームメイトから求められているのかが見えてくるはずです。そこで浮かび上がってきたことを目標として書いておき、練習の前や試合の前にチェックしておけば、課題に向き合いながら試合や練習に取り組むことができるでしょう。小学校低学年の場合小学生、特に低学年となると、自分の課題を的確に把握し目標を立てることは簡単ではありません。そのため、シンプルな目標を立ててください。目標は、後になって振り返りがしやすい形で設定するのがポイントです。例えば「今日の試合では1点取る」「今日の試合は無失点で抑える」などです。逆に「今日は頑張る」というような抽象的な目標だと、後になって振り返りが行いにくいため、注意してください。できたこと・できなかったことを書く練習や試合でできたこと、できなかったことを書くこともできます。できなかったことを書く場合は、なぜできなかったのか、次はどういった点に注意するのかなどについても書くことができれば、次回以降に自分がやるべきことが明確になるでしょう。また、自分のプレーを振り返っていると、どうしてもできなかったことばかりになってしまいますが、できたことも必ず書くようにしましょう。できなかったことばかり書き込むノートは、書いていて楽しいものではないため、ノートを書くことがネガティブなものになってしまいます。書くときの注意点サッカーノートは特に書き方にルールなどはありませんが、書く際にはいくつかの点に注意する必要があります。そこでここでは具体的な注意点を2つ紹介します。継続して書くサッカーノートは、練習や試合のたびに必ず書くようにしてください。継続して書くことで、自分の成長の過程がわかり、自分の課題や目標が明確になります。今日は面倒だから書かない、今週分は週末にまとめて書くといった形はとらず、必ずその日のうちに書くようにしましょう。書くことを保護者が強制しない小学校低学年の子どもだと、自分の意思ではなく保護者が半ば強制的にノートを書かせているケースも少なくありません。しかし、やらされる形でノートを書くと、熱心に書くわけではないため、あまり役に立たない形だけのサッカーノートになりかねません。サッカーノートは、子どもが自ら書くことが大切であるため、強制はしないようにしましょう。まとめ今回は、サッカーノートの書き方について解説しました。書き方にルールはありませんが、練習や試合の振り返りや自分の目標の確認、できたこと・できなかったことの確認などを書くのが一般的です。選手としてもっと成長したいとい人はぜひサッカーノートを取り入れてみてはいかがでしょうか。
2021年03月18日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ドリブルで相手をかわすことができない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。サッカーは相手チームの選手がボールを奪いに来るスポーツです。ゴールを目指すためには、味方にパスをする判断も大事ですが、1対1でボールを奪われないようドリブルでかわす技術を身につけることも重要です。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、ドリブルで相手をかわす動きを習得することができるようになります。コーチたちの体の動きをよく見て、フェイントをかけるときはどこをどんな風に動かしているか覚えましょう。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.ゴール代わりの目印を2つ用意し、親子で離れて立つ2.子どもはドリブルをして目印の近くでボールを止める(目印がある程度の高さがあればそれにタッチする)3.親は子供が目印に到着する前に子供にタッチしに行く4.子どもはドリブルしながら親をよけて目印を目指す5.子どもは親につかまらないように、上半身を使ってフェイントをかけたり、駆け引きをする6.慣れてきたら、親が子どもに近い位置からスタートし難易度を上げる【ポイント】・顔を上げて親をよく見る・空いている場所を見つけてドリブルする・インサイド、アウトサイド、足の裏などいろんな場所を使う・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年03月17日サッカー選手として成長するには、試合や練習だけでなく、日々の取り組みの振り返りをすることが大切です。その際に活用できるのがサッカーノートです。この記事では、サッカーノートの概要からノートに記載する内容まで解説します。ぜひ参考にしてみてください。サッカーノートとは?サッカーノートとは、日々の練習や試合の記録、プレーの振り返りや感じたこと、課題などを記録する日記のようなものです。練習内容やコーチからのアドバイス、個人的に感じたことなどを書き込むのが一般的となっています。チームによってはサッカーノートを書いて提出し、監督やコーチがコメントをするといったことを行っているケースもあります。また、プロとして活躍する選手たちの中でもサッカーノートを利用している人たちは少なくなく、中村俊輔選手や本田圭佑選手がサッカーノートを書いていたことは有名です。このようにプロも使用するなど、サッカーノートはサッカー選手にとって身近なものだと言えます。サッカーノートを書くメリットサッカーノートを書くと様々なメリットが得られます。ここでここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。その日の振り返りができるサッカーノートを活用すれば、その日の練習や試合の振り返りができます。練習内容や試合結果などはその日のうちは覚えているかもしれませんが、翌日になると記憶が曖昧になっているケースが少なくありません。また、コーチやチームメイトから受けたアドバイスを正確に覚えていない、というケースもあるでしょう。練習内容やアドバイスを覚えていないと、その次以降の練習や試合で同じミスをする可能性が出てきてしまいます。そのような時にサッカーノートがあれば、練習内容やアドバイスを書き残しておけるため、忘れることなく振り返ることが可能になります。アドバイスを踏まえて練習や試合に取り組めれば、選手としての成長スピードもアップするでしょう。良いプレーの再現性も高くなるはずです。課題が明確になるサッカーノートにその日の試合や練習でできなかったことを記録しておけば、自分の課題が明確になります。できなかったこと、もっとスキルアップしたいことを記録し、練習前にチェックしておけば、その日の練習で行うべきこともはっきりとするため、練習に対する意識も高まるでしょう。自分自身の成長記録になるサッカーノートを継続して書き続けていけば、自分の試合や課題が書き残されていくため、自分自身の成長記録になります。数年前のサッカーノートを見返したとき「あの時はこんなことに悩んでいたのか」「今ではこのプレーは得意なプレーになっている」など自分の成長を確認することもできるでしょう。サッカーノートを書くときのポイントサッカーノートを書く時にはいくつかのポイントを押さえておくことが大切です。ここでは、具体的なポイントを2つ紹介します。継続して書くサッカーノートはとにかく継続して書くことが大切です。「今日は眠いから書かなくていいや」となると、ノートを見返した時に前回の練習で何ができたのか、どういったアドバイスを受け、次の練習では何を意識してプレーするのかといったことがわからなくなります。何ページもびっしりと書く必要はありませんが、練習や試合のたびに必ずノートを書くようにしてください。ネガティブな内容ばかりにならないようにサッカーノートを書いていると、ネガティブな内容が多くなることが少なくありません。もちろんできなかったことや反省点は記録しておくべきですが、その日の試合や練習でうまくできたことも少なからずあるはずです。悪いことばかりを書き込むノートになると、書くモチベーションも上がりません。ネガティブな内容だけでなくポジティブなものも書きましょう。ノートは市販のものでOKサッカーノートは決まったフォーマットがあるわけではないため、市販のノートを使用しても問題ありません。書店などにはサッカーノート用のノートが販売されていますが、必ずしもそのノートでなければサッカーノートが書けないわけではないため安心してください。メモアプリなどに書き込んでも構いません。自分のやりやすい方法で行いましょう。まとめ今回はサッカーノートの概要から具体的なメリット、作成時のポイントなどについて解説しました。日々の記録を書いておくことで、プレーの振り返りが行えます。振り返りを行い、自分の課題を把握することは選手として成長するためには欠かせないことです。ぜひサッカーノートを書く習慣を取り入れてみてください。
2021年03月17日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ドリブル中に方向転換できない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。ボールを運ぶドリブルはサッカーの基本中の基本です。初心者のうちはどうしても足元のボールにばかり集中してまっすぐ前に進んでしまいますが、試合中は周囲を確認しながら状況に応じてドリブルしながら方向転換する必要が出てきます。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、ドリブルでよく使うインサイド(足の内側)、アウトサイド(足の外側)、足裏など、いろんなところを使いながらドリブルで方向転換することができるようになります。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.目印を4つ用意し、四方に置く2.子どもは目印の中心にボールを持って立つ3.親はどれかの目印を指定(例:「赤」「右手前」など)4.子どもはドリブルしながら指定された目印を回って中心に戻る5.慣れてきたら、「インサイド」「アウトサイド」などドリブルをする場所を指定するなどして難易度を上げる【ポイント】・顔を上げて親をよく見る・ボールは常に自分の近くに置きながらドリブルする・方向転換した後は素早く次のプレーをする・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年03月16日サッカーノートがいいことは知っているけれど、続かなかった...。というお子さんも多いと思います。新学期が始まるこの春から再チャレンジしてみませんか?ノートを渡したからと、誰でもがひとりで書けるものではありません。続けるために親ができるサポートを、サカイクサッカーノートの開発に携わったしつもんメンタルコーチの藤代圭一さんに話を聞きました。(取材・文:前田陽子)書くことが習慣化してくると自らたくさん書けるようになります。子どもの考えを知ったり、親子のコミュニケーションを深めるのにも役立ちますサカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>■自分の思考を整理するものだから自由に書いて楽しく続けるサッカーノートを自分から書きたいと思って、書くためにはノートの良さを実感できることが必要です。自分で立てた目標を振り返ると繰り返してきたことが、試合に生かせたと感じたり、本当に役になったという体験をすると、子どもたちは自分からノートを書こうという気持ちになれるのです。子どもの中には承認欲求が高く、最初のうちは、これを書くとほめてもらえる、見てもらえる、愛情をもらえるという感覚がモチベーションになる子も多いと藤代さんは教えてくれました。ですから、親御さんはノートを渡すだけでなく、声かけなどで関わってあげましょう。毎日10分間ノートを書く時間を決めて、その後5分間、親も一緒にノートを見ながら何を書いたのかを話し、その際「どうしてこう書いたの?」「どうしてそう思うの?」などと質問できると良いそうです。そして、5分たったら質問をスパッとやめるのだそう。時間を制限すれば親もストレスにならず、スケジューリングもしやすくなるからだと藤代さんは言います。習慣化するためには、サッカーノートを書く時間と場所を決めるのが良いそうです。練習に行く前に10分間、お風呂に入る前に10分間など、その時間になったらやると決め、そしてできれば親御さんも一緒にノートタイムにすると良いそうです。「私も今日の目標を考えよう」など、やりなさいではなく、一緒にやれば子どもも続けやすくなるそうなのでぜひ実践してみてください。■お友だちと一緒にやることで思考の幅がぐっと広がるノートを続けるためにはお友だちと一緒にノートを書くのもおすすめだそう。自分だけでも思考整理はある程度できますが、深く考え思考の幅を広げるためには他者の意見も欠かせないためだそうです。自分を知るためには振り返り+他者との関わりが大事なのです。他者との触れ合いの中で反射的に自分を知ることができます。「他の選手がうまくいかなかったと言っていることを聞いて、確かに自分も!と思うことがありますよね。そうすると、そういう視点で考えられるようになります」と藤代さん。そのベースとなるのが会話です。他者の意見を聞くことで多様性を知り、価値観が違う人と知り合うと、なぜこの選択をするんだろうと考えるようになりますよね。一度、自分で振り返った後は、他者の意見も取り入れやすくなるのだそうです。藤代さんからはこんなアドバイスも。「お友だちとはもちろん、チームみんなで一緒にノートを書けるといいですね。練習のプログラムに入れて練習前後にノートを書くことを習慣化できるとベストです。ノートで実現したいのは『自分で決断する』こと。サッカーはそういうスポーツです。ピッチの中で自分で決断できるように、ノートでたくさん練習をしてほしいと思っています」ノートで実現したいのは「自分で決断すること」だと開発に関わったしつもんメンタルコーチの藤代さんは言います。ピッチの中で決断することの練習になるのだそうです■自分で決断することで言動に責任が持てる大人になれる成長するにつれて、高校受験、大学受験など、子ども自身が決断しなければならないシチュエーションが増えていきます。その時に自分なりのベストな決断をするために、今から小さな決断をたくさんして決断の練習をしておくとよいそうです。自分で決断をすると、その決断について自分で責任が取れます。自分で選んだから失敗も引き受けることができますが、自分で選んでいないものは責任が負えません。練習試合、公式戦、セレクションなど、サッカーでもステージが上がれば上がるほど決断のレベルも上がって行きます。決断力はその過程で身に付けた自信があるから発揮できるもの。いきなり大舞台でいい判断はできません。子どもたちの決断は自分で選んでいるようで、大人が誘導したり、選ばせようしたりとしてしまうことが多いものです。「どうしてこっちを選ばないの!」とジャッジするのはNGです。親が決断して納得のいかない結果になった時、子どもは「お父さん/お母さんのせいだ」と他責になります。皆さんはお子さんを他責的な考えを持つ子にしたいですか?子どもの決断は子どもの責任です。失敗した時も「だから言ったじゃない」とダメ出しをするのではなく、子どもの決断を受け止め「じゃあどうすれば良かったと思う?」と声かけをしましょう、と藤代さんは言います。親は様々な選択肢を与えながらも、子どものどんな結論も受け止めるとい心構えで、子どもの決断を尊重してあげてください。子どもが自分で判断、行動をし、その責任を自分でとれるようになると、子育てがグッと楽になり、子どもとの関係もさらに強くなりますよ。これまでのサッカーノートでは続けることが難しかった子たちも、頭の中を整理して考えを書き出せる工夫が詰まったサカイクサッカーノートならきっと続けられるはず。そのためには前編でお伝えしたように、すべての項目に書けなくても良しとし、「10分だけやってみよう。よーい、はじめ!」などゲーム性を持たせたりして親御さんも楽しみながらサポートしてあげてください。これまではサッカーとが続かなかった子にも、サカイクサッカーノートのように自分の考えを整理して書きやすく工夫しているノートを用意して、ゲーム性を持たせたりしながら関わることで、毎日ガミガミ言い続けなくても、楽しみながら続けることで習慣になっていくはずです。サカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>藤代圭一(ふじしろ・けいいち)一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力を育む『しつもんメンタルトレーニング』を考案。全国優勝チームや日本代表選手など様々なジャンルのメンタルコーチをつとめる。2016年より全国各地に協会認定インストラクターを養成。その数は350名を超える。選手に「やらせる」のではなく「やりたくなる」動機付けを得意とする。新刊に「教えない指導」(東洋館出版)がある。「教えない指導」出版感謝企画 2つの特典紹介>>
2021年03月15日新型コロナウイルスの感染予防で、マスクや手洗い、手指消毒などが当たり前になっていますが、人に感染するウィルスは新型コロナウイルスだけではありません。今回は、国立スポーツ科学センター(JISS)の医師・医学博士で、JFA医学委員会メンバーでもある土肥美智子先生に、ウイルスの予防として日常で気を付けることを伺いました。正しい感染症対策を学ぶとともに、健やかなサッカーライフを送るための参考にしてみてください。(取材・文:鈴木智之)■感染症には常に注意を感染症は新型コロナウイルスだけではありません。インフルエンザや風邪なども、人から人へと感染していくものです。今回流行しているのはコロナウイルスですが、スポーツ医学では、感染症対策は常に行うものと考えています。 急性疾患、いわゆる感染症はコンディションに影響します。日々の生活や合宿、大会に行った時などに、ウイルスや細菌などを他人に感染させないことは、コロナに関わらず意識しておきたいことです。■マスクの着用を忘れずに新型コロナウイルスは飛沫感染すると考えられているので、マスクの着用がとても重要なものになります。人と話をした時に、口からの飛沫が相手の目や鼻、口に直接入ったり、手や指に飛沫がついた状態で目、口、鼻に触れることで、感染する可能性が高くなります。あるいは飛沫がテーブルの上に付着したり、パソコンのキーボードやスマートフォンなどにつき、それを他の人が触ってしまうケースも考えられます。飛沫を防ぐために、会話をするときは必ずマスクをしましょう。■手洗い、手指消毒をこまめにしよう新型コロナウイルスは目、口、鼻など、顔の粘膜部分から体内に侵入し、感染することが明らかになっています。そこで大切なのが手洗い、手指の消毒です。もし手にウイルスがついたとしても、その手を顔に持って行く前に消毒をし、ウイルスをなくすことができれば、感染する可能性は減少します。手洗いをすることで、汚れもウイルスも落ちます。ウイルスをやっつけるために、石鹸をつけて30秒ほどしっかりと洗いましょう。■食事中はなるべく話さず、食べ終えてから話そう新型コロナウイルスは、飲食の場面で感染しやすいことが明らかになっています。食事中は会話を控え、食べるときは黙って食べる。そして食べ終わったら、マスクをして距離をとり、控え目に会話をすることを心がけましょう。食事の際は、なるべく対面に座るのは止めて横並びにしたり、距離をとることで、飛沫感染を防ぎましょう。飛沫感染の予防には食事の際はおしゃべりしないことを心がけること■歯磨きは個別に。歯ブラシを置きっぱなしにしない新型コロナウイルスは飛沫で感染します。飛沫とは唾液(つば)のことです。寮や公共施設など、不特定多数が出入りする洗面所で歯磨きをする際に、ウイルスが放出され、それが蛇口周りに付着している可能性も考えられます。そのため、歯磨きの際も複数人で同時にするのではなく、ひとりずつ行い、終わったらしっかりと流す。それを徹底することをおすすめします。また、洗面所に歯ブラシを置きっぱなしにしないことも大事。合宿所などでは必ず、その都度持ち帰るようにしましょう。歯磨きを終えたら所定の場所に歯ブラシを戻す、合宿所などの場合は部屋に持ち帰るなど、置きっぱなしにしないように■よく寝て、よく食べよう新型コロナウイルスに限らず、インフルエンザなどの感染症を防ぐために重要なのが「免疫力」です。体の中に異物が入った時に、免疫が働くことによって、ウイルスなどをやっつけてくれます。いくらマスクをして、手指消毒をしたとしても、コロナに罹る人と罹らない人がいるのは、免疫力によるところが大きいと考えられます。免疫力を高めるためには、しっかり食べてよく寝ること。まずはこの2つを心がけて、日々の生活を楽しみましょう。不自由な生活で気持ちが落ち込んでしまうこともあると思いますが、心身ともに元気でいることが、感染症に打ち勝つために必要なことです。よく食べてよく眠り、健康を維持して免疫力を高めること新型コロナウイルスに限らず、人に感染するウイルスはたくさんあります。過剰に恐れず、手洗い、手指消毒など日常でできる予防をして、体調管理につとめることで多くの場合、重症化のリスクが防げるのです。今回ご紹介したのは毎日の生活の中でできることが多いので、ぜひ実践してみてください。土肥美智子(どひ・みちこ)国立スポーツ科学センタースポーツメディカルセンター副主任研究員。医学博士。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。千葉大学医学部卒業。医師国家試験合格後からスポーツドクターを目指す。放射線診断学専門医として大学病院に勤務するかたわら、スポーツドクターとして主にサッカーの仕事に携わる。2006年より国立スポーツ科学センターに籍を置き、スポーツドクターに専念。トップアスリートの健康管理、臨床研究およびオリンピック、アジア大会、男女サッカーワールドカップ等に帯同。日本オリンピック委員会(JOC)医学サポート部会員、日本サッカー協会(JFA)「医学委員会」委員、アンチ・ドーピング部会長、アジアサッカー連盟(AFC)「医学委員会」副委員長、国際サッカー連盟(FIFA)「医学委員会」委員、国際オリンピック委員会(IOC)「スポーツと活動的社会委員会」委員ほか
2021年03月12日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ドリブルしている時にすぐボールが足元から離れてしまう、足の近くでドリブルをすることができない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。ボールを運ぶドリブルはサッカーの基本中の基本です。初心者のうちはどうしてもボールが足から離れてしまい、難しいと感じるものですが、今回は、広いスペースがなくてもできて、遊んでいるうちに足元でのドリブルが上手になる方法を紹介します。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、足の色々な所でドリブルする感覚を楽しみながら上達させることができます。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.親は子どもに背を向けて立ち、子どもがボールを持つ2.「だるまさんが転んだ」の掛け声の間、ドリブルで近づく3.親にタッチしたら終了4.慣れて来たら、ボールを止める部位を指定するなど難易度を上げる【ポイント】・相手とボールをよく見る・優しいタッチを意識する・ボールはいつでも触れる場所に置く・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年03月10日今はサッカー部でレギュラーだけど、小学校の時はサブだったので親の方が力をいれてしまい過干渉だったからか、年齢の割に幼い息子。14歳まで家族と一緒の部屋で寝ていた。思春期だけど反抗もなく学校のこともよく話してくれる素直で真面目な子。自分で考えて試行錯誤してほしいけど、受験の年に失敗している時間はないと悩む。心配性で過干渉な母にアドバイスが欲しい、とのご相談をいただきました。思春期を迎えたサッカー少年へどう接するか、今から思案している保護者の方も少なくないですよね。今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、15年以上の取材で得た知見をもとにアドバイスを送ります。一つの参考にしてください。(文:島沢優子)(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<強豪チームに誘われたものの移籍をためらう息子の背中を押したい問題<サッカーママからのご相談>サカイクの対象年齢は小学生の子の保護者なので、対象年齢外ですみません。過保護かもしれませんが中学生の息子についてご相談させてください。息子は今中2(14歳)です。小学2年生からサッカーを始めて中学でもサッカーを続けています。部活ではレギュラーになり楽しくサッカーをしていますが小学校の時はサブでしたので、何とか息子の活躍する姿を見たくて親の方が力を入れてしまいました。今から考えると過干渉な親だったと思いますし、もっと楽しく自由にしてあげれば良かったと感じています。中学からはサッカーについても宿題や勉強についても一切口出しせず、本人に任せましたが、入学初めての定期テストは壊滅的で、私は夜も眠れないほどショックでした。それ以来、勉強についてはアドバイスしたり一緒に勉強したり、塾にも行っていますがなかなか成績はあがりません。その息子は、14歳の誕生日まで自室を持ちたがらず、寝るのもみんなで一緒で、勉強もダイニングテーブルでしていました。来年は受験なので、自立を願い自室で勉強してほしいと思い、無理やり冬休みに部屋を作りました。嬉しそうな様子に安心しましたが、私が部屋に行くと「来なくていい!」と強く言われてしまいました。少し寂しい気持ちもありましたが、まぁそう来るだろうなと予想してたので、その場を去り食事の用意をしてると、しばらくして「さっきは強い言い方してごめん」と言って来たので私も「今度からは勝手に入らないで声をかけるね」と言い、お母さんたちはあなたが勉強しているのか何をしているかは分からないけど、自分の行動には自分で責任をとってねと言いました。ただ、3年生になるまでは勉強については時々確認するよと言ったら、素直に分かったと言いました。思春期ですが、激しい反抗も今はありません。学校の事もよく話してくれるし、基本的に真面目で優しい性格です。今までは何もかも視野に入り把握出来てたことが出来なくなるのは当たり前の事ですが、勉強については心配でなりません。成績は下から数えた方が早いくらいで、勉強している割に結果に出てこないので、やり方を見直して計画した通りにやってほしいのですが、それをこれからどのように言っていけばいいのか悩んでいます。あまり言いすぎてはいけないし、でもキチンとやっているのか確認したいのです。出来る事なら、自分で考えて試行錯誤して勉強に取り組んでもらいたいのですが、もうすぐ3年生になるこの時期に、失敗している時間がないと焦っている私がいます。子どもの力を信じて見守る事が良いことは分かっていますがそこが難しい。サッカーに関しては口出しはしていないのですが、勉強となると人生に関わるという思いも強くて......。心配性で過干渉の親だと自覚しています。もっと強い母親になりたいです。こんな私にアドバス頂けたらありがたいです。サッカーの事ではなく子育ての悩みになってしまいましたが よろしくお願いします。<島沢さんのアドバイス>ご相談のメールをいただきありがとうございます。お母さんが冒頭に「サカイクの対象年齢は小学生の子の保護者なので、対象年齢外ですみません」と書かれているのを見て、私はサカイクが小学生年代の保護者に向けて配信しているメディアであることを思い出しました(笑)。でも、そんなことは気にしないでください。中学生のサッカー少年を持つ親御さんの悩みを知ることは、小学生のお母さんやお父さんにもためになるはずです。サッカーしかやらず、勉強や他の経験をしないことの弊害は小さくありません。逆にお礼を言いたいくらいです。■親が鉄を打てるのは中1まで。あとは本人に任せて見守りましょう結論から言うと、息子さんに任せましょう。「勉強のこともサッカーのことも、君に任せるよ。わからないことがあって相談したい時や、欲しい情報があったり、お母さんがサポートできることがあったら頼ってね」そんなふうに伝えて、あとは黙って見守ってください。時折「調子はどう?」と表情を見てあげれば十分です。なぜなら、学習習慣や段取り力がついていない中学生のお子さんに対して、親御さんが寄り添ったり、勉強方法を教えることがある程度可能なのは中学1年生までだと私は考えています。これと類似したことを、私が取材した中学教師や塾の講師の方がおっしゃっていたからです。いうなれば「鉄は熱いうちに打て。ただし、親が鉄を打てるのは中1まで」。■思春期は感情が揺れたり一気に自我が芽生える時期なぜ中1までか。それは、本格的な反抗期が始まるからです。13~14歳である中学2年生にもなれば、ほとんどの子どもが思春期真っ只中。ホルモンの関係で、感情が揺れたり、一気に自意識が芽生えて他者の目を気にするようにもなります。そう考えると、息子さんにお母さんが深くコミットするのは、申し訳ないのですがもう手遅れです。すでに中学2年生であり、高校受験を迎える3年生はすぐそこです。お母さんのおっしゃる通り、早く何とかしなくてはいけません。■「正論はAだとわかっているけれど、本音はB」という考え方を変えましょうまず、お母さんご自身が、今ある「思考癖」を変えましょう。ご相談文を読むと「正論はAだと私はわかっているけれど、私の本音はBです」というパターンの記述が多く見受けられます。(A)今までは何もかも視野に入り把握出来ていたことが出来なくなるのは当たり前の事ですが、(B)勉強については心配でなりません。(A)あまり言いすぎてはいけないし、(B)でもキチンとやっているのか確認したいのです。(A)出来る事なら、自分で考えて試行錯誤して勉強に取り組んでもらいたいのですが、(B)もうすぐ3年生になるこの時期に、失敗している時間がないと焦っている私がいます。(A)子どもの力を信じて見守る事が良いことは分かっていますが(B)そこが難しい。(A)サッカーに関しては口出しはしていないのですが、(B)勉強となると人生に関わるという思いも強くて......。前述した(A)と(B)をもう少し具体的に言い表すと、こうなります。(A)子どものためにこんなふうにふるまえばいいと私は理解している。(B)でも、実際の私はこうです。これは以前の私も含めて、多くの親御さんが子育てするなかで、通る道かもしれません。こうしたほうがいいとわかっているけどできない。お母さんはきっと、時折(A)の態度を見せたかと思えば、(B)になったりしています。ところが、子どもには、お母さんができない(B)の部分しか見えていません。例えば、「自分の行動には自分で責任をとってねと言いました」とありますが、「ただ、3年生になるまでは勉強については時々確認するよ」と告げています。自分で責任を持てと言いながら、確認するという。監視するのなら、監視側にも責任は生じますよね。子どもの性質によっては「どっちやねん?」と親に突っ込めますが、息子さんは違うようです。■親から離れるのが不安なのかも。その不安をもたらしているのは......「思春期ですが、激しい反抗も今はありません。学校の事もよく話してくれるし、基本的に真面目で優しい性格です」と書かれているように、とても"いい子"のようです。ただし、何のストレスもなく心からそうしているのかはわかりません。例えば、「14歳の誕生日まで自室を持ちたがらず、寝るのもみんなで一緒」との記述があります。14歳であれば、夢精があったり、さまざまな第二次性徴が現れるはずです。それでも「自分の部屋が欲しい」と言わなかったのは、どうしてなのか。もしかしたら、親から離れるのが不安なのかもしれません。そして、その不安をもたらしているのは、お母さんの(A)(B)の相反する態度かもしれない。子どもに対し二つの相反する価値観を提示するのは、心理的な「ダブルバインド(二重拘束)」と言います。AとB両方に引っ張られて、息子さんはとても不安な状態にあるのではないでしょうか?■叱ったりするのではなく、サポートする姿勢を見せること(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)加えて、私はお母さんの、この一言に注目しています。「今から考えると過干渉な親だったと思いますし、もっと楽しく自由にしてあげれば良かったと感じています」そこで、「中学からはサッカーについても宿題や勉強についても一切口出しせず、本人に任せた」ところが、入学初めての定期テストは壊滅的で、お母さんは夜も眠れないほどショックを受けた、とあります。ということは、ずっと過干渉で育ててきているので、自分で考えて段取りをつけて学ぶ方法を身につけたり、自ら考える力を養う機会を奪われてきたのではないでしょうか。こういったピンチのとき、お母さんひとりで「何とかしよう」と思ってはいけません。早々に白旗を掲げ、周囲に助けを求めるべきです。まず、パートナー、つまり息子さんのお父さんがいるのなら、彼にも一緒に考えてもらいましょう。ただし、叱ったり、恫喝してはいけません。こういう場合、お母さんがお父さんに「ちゃんと勉強するようにパパからも言ってよ」と、なぜか"お願い"するケースが多いのですが、お父さんが突然「ちゃんとやれ」みたいな怒り口調で接してしまうと、火に油を注ぐことになりかねません。息子さんからすれば「僕のこと、どれくらい知ってるの?」と不快に感じるかもしれません。日ごろお父さんがあまり子育てにコミットしていないご家庭ほど、気を付けなくてはいけません。ご両親は一緒に「見守っているよ」と話せばそれでOK。中学校の担任の先生や、塾の先生に相談して、一緒に見守ってもらいましょう。一緒にサポートしてくれる仲間を増やすことが重要です。お母さんが変われば、息子さんもいい方向へ必ず向かっていきますよ。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)。
2021年03月10日目がかゆい、鼻がムズムズする、くしゃみが止まらない...。これらは花粉症の症状です。今年の春は花粉が大量飛散していることもあり、つらい思いをしている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、医療法人つばさ会高座渋谷つばさクリニックの武井智昭院長に、花粉症対策について話をうかがいました。花粉症シーズンを乗り切るためにも、ぜひ参考にしてみてください。(取材・文:鈴木智之)■花粉の本格シーズンは2月末からGW頃まで花粉はいつ頃から飛び始めるのでしょうか?小児科・内科・アレルギー科の医師として勤務する、高座渋谷つばさクリニックの武井智昭院長によると、「スギやヒノキの花粉は、早いところでは1月下旬から飛び始め、2月下旬から本格化します」とのこと。5月のゴールデンウィーク頃まで、花粉シーズンは続くそうです。「花粉症の症状としてはくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ。鼻の粘膜が圧迫されることによる、頭部前方の頭痛などがあげられます。すでに花粉症シーズンですので、これらの症状に悩まれている方は多いかと思います」花粉症でつらいのが鼻づまり。頭がぼーっとし、集中力が途切れてしまいます。「なぜ花粉によって鼻がつまるのかというと、花粉が鼻の粘膜に付着することにより、炎症が起こるからです。炎症によって粘膜が鼻の中で押されるようになり、空気が通る空間を塞ぎます。これが鼻づまりのメカニズムです。鼻がつまると脳に酸素が行きにくくなるので、集中力の低下が起きます。鼻づまりがひどくなると、勉強などに集中することが難しくなるので、花粉症の薬を飲み、点鼻薬を使うようにしましょう」■目のかゆみは目薬でバリアを張ろう花粉症の症状には個人差がありますが、目のかゆみに悩まされる人も多いのではないでしょうか。かいてしまうと目が腫れたり、充血するので、注意が必要です。「目のかゆみには目薬が効果的です。1日に3回程度使うことで、目に目薬でバリアを張ることができ、花粉の侵入を防ぐことができます。アレルギー反応(かゆみ)を抑える効果があるので、目薬は必須と言えるでしょう。お子さんの場合、目をかきすぎて赤くただれてしまうこともあるので、かゆくなったら目薬をさすことを習慣にすると良いでしょう」■花粉症かな、と思ったら何科を診断すればいいの?近年は子どもの花粉症が増えていて、3、4歳の子が受診するケースも多いようです。「症状は大人と同じく、目のかゆみ、くしゃみ、鼻水といった、典型的な花粉症のものです。お子さんの場合、花粉症かな? と思ったら、小児科やアレルギー科、もしくは耳鼻咽喉科のいずれかを受診してください。花粉症の症状は鼻や喉に影響が出るので、耳鼻咽喉科でも大丈夫です」花粉症対策として、すぐにできるものにマスク、メガネ、手洗いなどがあります。花粉は目、鼻、喉の粘膜に付着するので、それらを防ぐことが重要です。感染症の対策とほぼ同じで、現代ではマスク着用は必須になっていますし、手洗い、手指の消毒も頻繁に行っていると思います。春はスギ花粉が飛散します「忘れやすいのが、衣服についた花粉を払うことです。外に長時間いると、衣服に花粉が付着しています。それを室内に持ってきてしまうと、花粉が滞留することになるので、家の玄関など、部屋に入る前に洋服についた花粉を手で払ったり、上着を脱いで振り落とすことで、室内に花粉を持ち込まずに済みます」これらの対策をすることで、外から体内に侵入する花粉を防ぎ、取り込む量を軽減することができます。■薬は一週間ぐらい前から飲み始めるしかし、それだけでは万全とは言えません。花粉症は、体内と体外の両方から防ぐことがポイントなのです。「体内から防ぐ方法は2つあります。もっとも重要なのが、薬を飲むことです。薬の飲み方としては、花粉シーズンが始まる1周間ほど前から飲むことをおすすめしています。なぜ早めに飲み始めるのが良いかというと、花粉の飛散量が増えるとともに、症状も悪化するからです」花粉症の薬は『抗ヒスタミン薬』と言って、飲んですぐ効くというよりはじわじわ効き始めて、一週間ぐらいで効果が出てくるとされています。そのため、花粉が飛びそうな一週間ほど前から飲み始めた方が良いそうです。「最近の薬は眠くならなくなってきていますし、小さなお子さんでも飲めるものもあります。鼻づまりや鼻水に効く点鼻薬は、子ども用でも、ステロイドが入ってるものをお出しすることができます。病院で処方する薬は、ドラッグストアなどで売っているものには含まれていない成分が含まれているものもあるので、医薬品を使うことをおすすめします」以上が基本的な花粉症対策です。次回の記事ではサッカーの場面での対策、日常生活でできる体質改善、近年注目されている、花粉症が治る治療法などについて、解説していきます。武井智昭(たけい・ともあき)医師。慶應義塾大学医学部卒業後、慶應義塾大学病院 にて小児科研修、2005年から平塚共済病院小児科医長として勤務、2020年に「高座渋谷つばさクリニック」院長就任。専門は小児科・内科・アレルギー科。
2021年03月09日勝ったり負けたりが当たり前の、普通の少年団。最近は楽しませることが大事だとよく目にするので、自分なりにメニューを組んで実施しており、子どもたちには好評だけど、保護者から「もっと厳しくしてほしい」と......。厳しくされている方が「指導されている」感が出るからだと思うけど、どうしたら楽しみながら成長することを理解いただけるのか。どんな伝え方がいい?とのご相談。保護者への伝え方など、指導者の悩みですよね。これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがご自身が実践していることを踏まえ、保護者の皆さんへの伝え方をアドバイスします。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<U-8世代にも効率よく理解させる練習メニューが知りたい!いい方法はある?<お父さんコーチからの質問>池上さんこんにちは。私は3年前から地域のスポーツ少年団で指導をしています。地方在住なので情報が都市部に比べると遅かったり少なかったりするのは否めませんが、自分なりに本やネットなども使って勉強しています。指導しているチームはもともと県大会に毎回進出するようなレベルではなく、勝ったり負けたりが当たり前なので、歴代指導者もいわゆる厳しい指導はしておらず、サッカーの基礎を教え、練習最後に行う試合や大会などを通して学んでいくという感じです。よくある地方のチームだと思うのですが、最新のトレンドを抑えたトレーニングや、今現在「良い」とされている指導、チーム運営ができているかというと自信はありません。最近では、楽しませることが何より大事だということをよく目にするので、自分なりにネットや本などで情報を収集し実践しています。子どもたちには楽しんでもらえているようですが、保護者の皆さんに「楽しいのもいいけど、もっと厳しく指導してほしい」と言われます。親御さんたちも楽しむことが大事だと言われていることはわかっているようですが、それが結果や成長につながるかという点で完全に腹落ちしていないようなのです。分かりやすく結果が出ないと親が納得しないということと、厳しく指導されているのが目に見えるほうが「指導されている感」があって満足するようです。厳しい指導の部活などを経験している世代だからこそなのはわかりますが、そんな保護者を納得させるような伝え方や、楽しみながら上手くなることが伝わるメニューの例などがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。今の親御さんたち自身が部活動などで厳しい指導を経験しているため、厳しく指導されているほうが「指導されている感」があって満足する。ご相談者様がおっしゃる通りだと思います。これは保護者のみならず指導者も同様です。皆さん、「スポーツは勝負事なのだから勝つチームがいい」「強いチームをつくるのが、いいコーチ」という評価になっています。■誰かと比べて上か下かではなく、以前よりどれだけ伸びたかを見てあげよう一方で、教育の現場は一足先に変わり始めています。例えば、子どもへの評価の考え方のひとつが「相対評価」です。誰かと比べて上か下か、そこを見ます。そうなると、わが子が、勉強にしろ、スポーツにしろ、属するグループで一番にならないと満足しません。対岸にあるのが「絶対評価」です。子どもが、以前よりどれだけ伸びたか。サッカーであれば、同じ大会で去年は1回戦負けだったのに、今年は1勝して2回戦に進んだ。それはひとつの成長としてとらえることができます。そのように「絶対評価」に慣れてくると、スポーツや少年サッカーの姿は変わってくるかもしれません。自分たちのチームがどれくらい伸びたか。コーチはそのことをよく知っているはずです。以前はあんな練習しかできなかったけど、いまはこんな練習ができるようになった。ここをもう少し鍛えて、こう変われば、もっとうまくなる――そんなイメージはできているはずです。それは、試合に勝つか負けるかではなく、個々とチーム全体が以前より上手くなる。前の年より進化する。そういうとらえ方の説明を、指導者が保護者に対し具体的な例を挙げて話せるようになるとよいかと思います。■コーチが子どもたちに話す姿を保護者にも見てもらう私は、私自身のサッカー観や指導観を保護者に伝えるために、練習や試合で子どもたちに話す姿を保護者にも見てもらいます。コーチ側がどんなことを大切にしているのか。そのことをどう伝えているのか。話を聴いている子どもたちは、そのことを理解しているのか。そういったことを親御さんに見てもらうのです。また、保護者とも可能な限り話します。私が最近新たに始めたチームで、フニーニョ(※ドイツで発祥したミニサッカー。ミニゴールを4つ使い3対3で行うミニゲーム。近年ドイツサッカー連盟が9歳以下の試合に導入を推奨した)の交流会を開催しました。試合のあと、私は保護者にこう言いました。「真剣に守っているように見えないですね。皆さん、どうですか?」すると皆さん、一斉にうなずいていらっしゃいました。「そうですね。次はもっとしっかり追いかけるようになるといいですね」と話しました。そんなふうに、次のステップが何なのかをしっかり親御さんにも伝えます。それを続けていくと、親御さんたちの姿勢は相当変わります。■楽しむことがモチベーションにつながる、という解説もしてあげるそれと同時に、サッカーを楽しむことが子どもたちのモチベーションにつながるという解説を、保護者にしてあげたほうがいいでしょう。昔から「好きこそものの上手なれ」と言われますね。サッカーが大好きだからこそ、真剣にやる。そうすることで、技術は身につきます。そのことは、スポーツ心理学の学びの中でも証明されています。とはいえ、物事に対する子どものモチベーション(動機付け)は、最初の段階では外発的なものが必要です。楽しくなるために、熱中できるために、コーチがどんな活動環境を提供してあげられるか。そこが問題です。楽しいからこそ真剣に取り組むのですが、そのうち気づけば誰も笑っていません。集中します。■「楽しい」はワイワイキャーキャーすることではない。真剣に楽しむことを教えて「子どもはサッカーを楽しみましょう」そんな価値観が広まってきたのは悪いわけではありませんが、私からすると「楽しい」がまだ甘いように感じます。ワイワイ、キャーキャーと歓声を上げるのが楽しい、というレベルで終わってないでしょうか?さらにもっと楽しくなると、笑うことはなくなります。まさしく集中し、ゾーンに入る。練習の中で白い歯を見せて笑っている子がいなくなります。そこをぜひ目指してほしいのです。徐々に真剣になっていく。そんな空気を作るために、常に勝ち負けのあるメニューを考え、子どもたちと対話し、要求を高めていきます。そこを、「笑っている子をなくす」「真剣に取り組む」といった、姿勢というか「かたち」から入ってしまうと、態度への注意が増えます。集中しよう。真剣にやろう。最後まで頑張ろう――そう指示命令されれば、子どもは真剣にやろうとするでしょう。でも、サッカーも、他のスポーツも、そうやって「真剣にやれ」と叱ってやらせるものではありません。そのような管理され作られた空気は長く続きませんし、委縮させられた子どもは自由にサッカーを考えられなくなります。池上正さんの指導を動画で見る>>次ページ:サッカーが俄然楽しくなるきっかけをつくる■「次は、今日負けたところに勝とう」と言ってはいけない理由(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)選手が勝ちたいと思うのは当然です。だから、試合に勝ったら「勝ってよかったね」でいい。それなのに大人たちが「次はあそこに勝って優勝しようぜ」と、次の「勝利」を目標に掲げていないでしょうか?負けて悔しい、でいい。そのあとに「次は、今日負けたところに勝とう」と大人は言ってははいけません。負けたら「残念だったね。また頑張ろう。うまくなろうね」でいいのです。そこで「次は勝とう、相手にリベンジしよう、とは私は言いませんよ」と保護者に説明してもいいですね。コーチがあくまでも「絶対評価」で子どもたちをとらえていることを伝えてください。私が最近地元にチームを作ったのは、絶対評価で子どもたちを育てていくとどうなるのか。子どもたちが大きく成長することを証明したいと考えているからです。ぜひ、そんなふうに考えて、保護者とたくさん話してください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年03月05日これからサッカーを始めようと思っている子には、シューズやウエアなどの道具の用意とともにサッカーノートも用意していただくことを勧めます。少しサッカーが上達してからでもいいのでは?低学年では早すぎない?と思っている方もいるかもしれませんが、サッカーノートは考える力をつけてくれるのでプレーの上達にもつながるのです。サッカーノートはサッカーの上達をサポートするもので、元日本代表の中村俊輔選手や本田圭佑選手なども子どものころから書いていました。サッカーノートをつけると、子どもにどんな変化があるのかを、サカイクサッカーノートの開発に携わったしつもんメンタルコーチの藤代圭一さんに話を聞いてみました。(取材・文:前田陽子)サッカーノートを書くことで思考が整理され上達につながるので、サッカーを始めた時からの習慣にしたいものサカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>■サカイクサッカーノートは質問に答えるだけで、自然とサッカーがうまくなるサッカーは自分でその場その場で考え、最善のプレイを選んでそれを実行するスポーツ。監督やコーチから「考えてプレイしろ」と言われることもたくさんあります。ですが、サッカーを始めたばかりで考える経験をしていない子どもにとって、ピッチで瞬時に考えてそれを表現するのは難しいものですよね。その練習のためにサッカーノートが役立ちます。「真新しいノートを一冊用意して、さあ書いてみよう!と思っても、何を書いていいかわからないですよね。サカイクサッカーノートには、質問という形式で書く項目が配置されているので、それに答えるだけ。サッカーを始めたばかりで初めてのノートという子どもにおすすめです」と藤代さんは言います。ノートは「どうしてサッカーをはじめましたか?」という質問から始まります。今の自分を書き出すページが用意されているのです。「サッカーを続けていくと好きで始めたのに、いろいろと評価をされることが増え、誰かから良く思われたい、うまくならなければだめだという感情が生まれ、サッカーをつまらなく感じる子が出てきます。サッカーを好きという気持ちを忘れてしまうんですね。振り返ったときにサッカーを始めた時の新鮮な気持ちを思い出してもらいたいという思いを込めて、最初にこの質問を用意しました」と藤代さんが開発の意図を教えてくれました。サッカーを続けていくと、先発に選ばれる、セレクションに受かるなど誰かに評価される場面も多くなり、サッカーが辛いと感じることも出てきます。ずっと続けるために"好き"は最強のモチベーション。その思いを忘れない工夫がされているのです。今日の「自分」を知るページ※拡大できます■振り返りと目標設定はセットで。練習の質が向上し、技術面でも上達するサッカーでは練習や試合ではたくさんの失敗と成功をします。練習や試合のたびにサッカーノートを使ってなぜ失敗したのか、どうして成功したのかを振り返ることを習慣化すると良いそうです。振り返りをしないと今日は運がなかった、たまたまうまくいっただけで終わってしまい、悪かったプレイを繰り返し、良かったプレイも再現できません。結果、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあるというムラのある選手になってしまうのだと藤代さんは教えてくれました。振り返りをすると、うまくいったことも含めて次に生かすことができます。また人は悪いことを指摘されると何もやりたくなくなりますが、うまくいったことを見つけられるとできなかったことにも目を向けることができるもの。「適切な振り返りをすると気持ちに余裕が生まれ、視野が広がります。サカイクサッカーノートは最初にうまくいったことを探すことを質問として用意しているので、自然とその後に改善点にも気づけるはずです」と藤代さん。練習や試合が終わったらサッカーノートを書いて、次の練習や試合の前にそのノートを見返す習慣が大事です。前回どんなチャレンジをしたのか、どこがうまくいって、何がダメだったのかを整理せずに練習や試合をしても、目的がないままになってしまいます。練習や試合の課題を決めると集中力も高まり、やる気も出て、練習の質も高まり、いいプレイが出来るというサイクルが出来ます。そのためにどんな時にどんなことを感じたのかをノートを見て確認し、課題や目標を考えましょう。サッカーノートを書くことで思考の整理ができ、サッカーにより深く取り組めるようになるのですサッカーノートを書くことで、思考の整理ができると同時に、自分のことがわかります。人は周りの人のことは知ろうとしますが、自分を知ろうとはなかなかしません。特に低学年の子どもでは、普段からご家庭でそのような習慣があればできるかもしれませんが、ほとんどの子はそういった意識はしていないでしょう。自分のことを客観的に振り返ることで頭の中が整理され、新たなチャレンジに向かうことができるようになるのです。■完璧に記入しなくても大丈夫。三日坊主でも継続できればOK練習や試合の後、毎回ノートに記入する習慣ができるのが理想です。そういう習慣になってほしいと願う親御さんも多いでしょう。サッカーノートを使うことで自分がなりたい姿と現在のギャップを感じられ、自分がなりたい姿になるためにどうすればいいか考えて、努力することができます。ですが、ノートを書くことが子どもにとってやらされている、やらなければいけない事(=義務)になると続けられません。「連続と継続は違います。親御さんは連続365日やってほしいと思っていると思いますが、1週間に3日しか書かないけれど、翌週また3日間と三日坊主を繰り返して、1年間続けられればそれでもいいと思います。子どもには日々新しい好奇心が芽生えていきます。その中でやるべき理由がよくわからないものを続けるのは無理なこと。完璧にやろうとせず、1日10分だけなどと時間を区切って、時間内に書けた分だけをやるのでも十分です」と藤代さんが続けるコツを教えてくれました。時間を区切るのは、そうすることで「ここまで書こう」と言うよりゲーム性が生まれるためだそうです。10分間で書けたところまでとして良いのだとか。1日目はたいして書けなくても、続けていくと書ける分量も増えていきます。時間を区切ると集中力もUPするそう。サカイクサッカーノートには、楽しく続けれるようにいろいろな工夫がされていますが、取り組み方にゲーム性を加えるとより継続しやすくなるということです。楽しくサッカーを続けることが何より大切ですが、「何となく」続けるのと常に自分の現在地を知り、思考しながら続けるのでは、取り組みの深さもコーチの指示の理解も変わってくるもの。いきなり真っ白いノートを渡しても、子どもたちが自ら書き出すのは難しいので、思考を引き出すガイドがたくさん仕掛けられたサカイクサッカーノートを使って、お子さんの上手くなりたいをサポートしてみませんか。サカイクサッカーノートお得な12冊セットを期間限定で販売中!【3月18日19時まで】>>藤代圭一(ふじしろ・けいいち)一般社団法人スポーツリレーションシップ協会代表理事。教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力を育む『しつもんメンタルトレーニング』を考案。全国優勝チームや日本代表選手など様々なジャンルのメンタルコーチをつとめる。2016年より全国各地に協会認定インストラクターを養成。その数は350名を超える。選手に「やらせる」のではなく「やりたくなる」動機付けを得意とする。新刊に「教えない指導」(東洋館出版)がある。「教えない指導」出版感謝企画 2つの特典紹介>>
2021年03月04日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「狙ったところに蹴ることができない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。広大なスペースがなくても公園などのちょっとした場所でできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。ボールを止める、蹴る、はサッカーの基本中の基本の一つ。ただ蹴るのではなく狙った方向に蹴ることは、初心者には難しいもの。今回は、広いスペースがなくてもできて、遊んでいるうちに狙った方向に蹴れるようになる方法を紹介。ボールのスピードを速くしたりゆっくり転がしたり、緩急をつけることでドリブルが上手くなっていきます。難しくないのでサッカー経験ゼロの親御さんでも「的当て」のようなゲームをして楽しむこともできます。親子で一緒にやるとボールコントロールの練習につながります。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.子どもがボールを持つ2.目印を親の前に置く3.子どもは目印を狙ってインサイドで蹴る4.当てられるようになったら、目印の距離を離して難易度を上げる5.慣れて来たらキックの種類を変えたり、どちらがたくさん当てられるか対戦してみるなどアレンジして楽しむ【ポイント】・狙う場所をよく見る・軸足のつま先をしっかり狙う場所に向ける・インサイド(足の内側)で蹴る時は、蹴る足のつま先を外側に向け、足首を固定する・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年03月04日子どもたちに「将来の夢は?」と聞いたら、多くの子どもたちが「プロサッカー選手!」と答えるでしょう。そしてそのためにサッカーの練習を一生懸命頑張ろうとします。でも残念ながらみんながみんなプロ選手になれるわけではありません。どんなに小さいころは将来を期待された選手であっても、そのまま順調に成長していくかは誰にもわかりません。ドイツではいつ、どのように夢との決別をするのでしょうか。そして健全に夢とともに生きるために育成年代で気をつけておくべきことはなんでしょうか。過去に岡崎慎司選手や武藤嘉紀選手が所属したブンデスリーガのFSVマインツ05(以下マインツ)でU‐23コーチを務めるジモン・ペッシュさんにお話を伺いました。(取材・文:中野吉之伴)「プロになりたい」という子たちにどのタイミングで現実を教えるか、マインツの場合はどうしているか教えていただきました(写真はサッカー少年のイメージ)■アカデミー生でもトップに上がれるのはほんのわずか中野:ペッシュさん。サッカーが大好きな子どもなら誰でも将来はプロ選手になりたいと夢を口にします。そしてそこから将来性があり、才能を認められた選手がブンデスリーガの育成アカデミーに集まってきますよね。でもそこまで来た選手たちでも、みんながプロ選手になれるわけではない。U‐23に残った選手のほとんどは、どこかで次のキャリアを探さなければならない。クラブとしてはどのように取り組んでいるのでしょうか?ペッシュ:選手には個々それぞれにアプローチするのがまず大事になります。我々は選手それぞれにとって最適な進路を探そうとしています。いま僕らのU‐23チームであればU‐19の段階でその年代トップレベルのプレーを見せ、将来性を高く評価されている選手がいます。パウロ・ネーベルとニコラス・タウアーといった選手たちですね。彼らの場合はプロになれる可能性が高いためすでにトップチームで一緒に練習をしながら、試合の時はU‐23でプレーをして、試合経験を積んでもらうようにしています。そのため彼らに対してはU‐23チームの指導者としてそこまで多く影響を及ぼせるわけではない。金曜日の試合前最後の練習に参加して、試合に出て、またトップチームの練習にもどるわけですからね。ではほかの選手はというと、多くは現時点ではトップチームでプレーする目星がついていないという選手たちなんです。そのうち2、3人は数年のうちにひょっとしたら2部か3部ブンデスリーガ、あるいはうまく成長すればブンデスリーガでプレーするチャンスもあるかもしれない。でも、それ以外はどうひいき目に見ても4部~5部が限界というふうになってしまうわけです。■選手に現実を突きつけるのもコーチの役目中野:選手は自分で気づいていくんでしょうか?それとも指導者のほうから言葉がけをするのでしょうか?ペッシュ:マインツのU‐23は成人4部リーグに所属していますが、クレバーな選手はここで実際にプレーしてみて自分で気づきます。「4部でこのレベル。自分はここからさらに上のレベルまで行けるのか?」とね。だから彼らのほうから「コーチ、僕は大学で勉強したいと思います」「○○企業で研修を受けたいと思っています」と自身で判断して次のステップへと進んでいく選手が多いという印象を得ています。ただ中には言い方は悪いかもしれないですが、「夢を見続けようとする選手」もいます。4部リーグでも出場機会を得られていないのに、「俺はここから一流のプロ選手になる!」と信じて疑わない。そうした選手に現実を伝えるのは簡単ではないけど、それもこちらの仕事だと思っています。「君は将来的にどうやって生きていくのか。どうやって生きていけるのか。別の道の可能性を探した方がいい時期に来たんじゃないだろうか」と。■幸せな人生を歩めるか、を考えるにはそれまでどんな情報を得てきたかが大事中野:現状を受け入れるのは簡単なことではありませんし、「ひょっとしたら」にかけたくなる気持ちだって理解できます。個々の性格や心構えが受け止め方も変わってきます。となるとやはり、「自分の人生にとって大切なことは何なのか」「どうすれば幸せな人生を歩めるのか」を考える習慣付けを育成年代からしておくことは大切ではないかと思います。ペッシュ:その通りだと思います。それまでにどのような教育を受けてきたのか、どのような情報を得てきたのかは大きな影響を及ぼすでしょうね。その点で考えると、育成をどのようにとらえるかも重要になってくると思います。例えばドルトムントを見ると、ムココが16歳、ベリンガムが18歳でトップデビューを飾っていますよね。そうした事実があるから育成選手は必ず18歳、19歳でトップチームでプレーできるだけのクオリティを備えていなければならないというのが基準となり、さらに逆算してU‐14、U‐15でその選手の将来性すべてを決めてしまうような傾向が出てきてしまいます。でも選手の成長には個人差があります。U‐19、あるいはU‐23まで見てみることも大切です。そこですごい成長を遂げる選手だっているし、その間に将来のことと向き合う時間だってできるはずではないですか。■楽しさの中で成長することが大事、早い段階でプレッシャーをかけないで中野:早いうちに結果を求めすぎる傾向は日本でも強いと思います。ではU‐13、U‐15の子どもたちに対してはどうお考えでしょうか?ペッシュ:大事なのは結果や順位表だけを見ないことです。育成アカデミーのチームだと二桁得点差で勝つことも普通にあるのですが、でもだからよかった、悪かったではなく、どんなプレーを目的として取り組み、それがどう実践できたのかをしっかりとらえる大切さを伝えなければいけません。特にまだU‐13より若い年代の子どもたちには、あまりに早い段階でプレッシャーをかけるのはよろしくないです。サッカーの楽しさの中で成長をすることがやっぱりすごく大事ですね。楽しいというのは何してもいいよというのではなく、個々の選手と向き合いながら、アプローチすることは欠かせません。例えば一人の選手が2~3点をとったとして、すべてを右足で決めていたら「得点は素晴らしい。でも君には左足もあることを忘れてはだめだよ」と伝えることも必要でしょう。例えチーム内でベストな選手だったとしても、どこに長所があり、どこに弱点があるかは、しっかりと把握していかなければならないし、それを改善していくためにそうしたフィードバックはとても重要です。育成は長期的な視点で取り組むことが本当に大切なんです。今日行ったことが明日できなきゃだめだなんて追い込まないでください。いかがでしたでしょうか。子どものうちは多くの子が「プロになりたい」と口にします。しかし、望めば誰もがプロになれるわけではありません。いつかは夢から覚め、現実と向き合うことになります。プロサッカー選手と言う夢が叶わなくとも、幸せな人生を歩むためにそれまでに受けてきた教育(学歴の高さのことではありません)や得てきた情報が大事だというペッシュさん。保護者の皆さんは、お子さんが選手以外の道へ踏み出すときに、情報収集や他の選択肢の提示などのサポートができるのではないでしょうか。また、昨今の日本では幼少期からその時点のレベル、周囲の子との差を見て「向いている」「向いていない」を判断しがちな親御さんが増えています。神童と呼ばれ将来を期待された選手が、必ずしも順調に成長するわけではありません。短期的な視点で「できている/できていない」だから「向いている/向いていない」とジャッジするのではなく、子どもの「楽しい」を後押ししてあげる方が成長につながるのは間違いありません。中野吉之伴(なかの・きちのすけ)指導者/ジャーナリスト大学卒業後、育成年代指導のノウハウを学ぶためにドイツへ渡る。現地でSCフライブルクU-15チームでの研修など様々な現場でサッカーを学び、2009年7月にドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを取得(UEFA-Aレベル)。2015年から日本帰国時に全国でサッカー講習会を開催し、よりグラスルーツに寄り添った活動を行う。主な指導歴:フライブルガーFC(元ブンデスリーガクラブ)U-16監督/U-16・18総監督などを経て現在はフライブルガーFCのU13監督を務める。著書・監修本に「サッカードイツ流タテの突破力」(池田書店 ※監修/2016年)/「サッカー年代別トレーニングの教科書」(カンゼン ※著者/2016年)/「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」(ナツメ社 ※著者/2017年)などがある。
2021年03月03日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「ドリブルが上手くできない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。自宅や公園などのちょっとしたスペースでできるので、ぜひ親子で遊びながらチャレンジしてみてください。ボールを止める、蹴る、はサッカーの基本中の基本の一つ。ボールを運ぶ時に使うスキルであるドリブルは、最初は難しいものですが、基礎をしっかり身につけることが大事です。今回は、自宅など狭いスペースでもできるドリブル上達につながる遊び方をサカイクキャンプコーチが説明。ボールのスピードを速くしたりゆっくり転がしたり、緩急をつけることでドリブルが上手くなっていきます。このトレーニングは身体を素早く動かしたり細かくボールをタッチするので、コオーディネーション能力が高まることや、ターンと細かいボールタッチの上達につながります。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.目印を3つ並べる2.子どもは目印の横に立ち、親は子どもの横からボールを転がす3.子どもはボールのスピードに合わせて目印の間をジグザグに走りボールをとらえる4.目印の間をジグザグにドリブルしながら戻ってくる5.慣れて来たらボールを早く転がしたり、速く出すと見せかけてゆっくり転がすなど緩急をつけて行う【ポイント】・ボールをよく見る・身体を素早く動かす・たくさんボールを触る・ドリブルで帰って来る時、両足のインサイド・アウトサイドを使うなど工夫をする・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年03月03日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、「浮き球をダイレクトに足のインサイドでパスできない」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。ボールを止める、蹴る、はサッカーの基本中の基本の一つ。試合中、必ず足元にパスがもらえるわけではありません。浮き球で来たボールをダイレクトで味方にパスしたりする時に使う技術です。試合の中でも使う、飛んできた浮き球をインサイドでダイレクトにパスする方法を初心者が一から身につけるための基本動作、ポイントをサカイクキャンプコーチが説明。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.親がボールを持ち離れて立つ(5メートルくらい)2.親が手で持っているボールを子どもは手でタッチする3.タッチしたら子どもはバックステップで後ろに下がり、親は子どもに向けてボールを投げる4.子どもはそのボールをインサイドで蹴って親に返す5.慣れてきたら足の左右を入れ替えてどちらでも蹴れるように練習【ポイント】・ボールをよく見る・つま先を外側に向け足首固定する・軸足は相手に向ける・膝から下をコンパクトに振ってあてる・蹴ったらすぐ次のプレーに移れるよう意識する・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年03月01日サッカー経験は小学生の時だけ。小2の息子が入団するタイミングでコーチを引き受けたけど、昔と今ではいろんなことが変わっているのを知った。長時間練習を良しとする時代でないので、効率よく理解させたいんだけど何かおすすめはある?というご質問をいただきました。みなさんならどんな練習を組みますか?これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんがこの年代の指導で大事なことを教えます。参考にしてみてください。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<8人制から11人制への移行。幅とスペースの使い方が分かってない子たちにどう教えればいい?<お父さんコーチからの質問>はじめまして。子どもがサッカーをはじめたことがきっかけでチームの指導に携わるようになりました。サッカーは小学生の頃にやったぐらいで、当時と今ではルールなどもかなり変わっているようでイチから勉強している状態です。指導に関わっているのは2年生以下のチームなのですが、効率よく教えたいと思っています。もちろん年代的にまだまだ理解力などが足りない部分はあるし、個人差も当然あるのですが、自分としては長時間練習すればいいとは考えていなくて、土日なども練習の後に友達や家族と過ごす時間を持ってほしいと思っています。なので、子どもたちが理解しやすく、上達につながる練習メニューがないものがと悩んでいるのですが、何か良い方法があれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談、ありがとうございます。長時間練習を課すのではなく、土日など練習の後に友達や家族と過ごす時間を持てるよう指導者が考えてあげるのは、とても良いことだと思います。ただし、「効率よく教える」ことを念頭に置いても、いいものはなかなか出来上がらないと思います。相手は何しろ人間で、しかも個々で発達や成長の度合いがバラバラな子どもたちです。そこを少し考えましょう。■夢中にさせられれば、必ず上手くなるそんなに焦らずに、ゆっくり子どもと一緒にコーチも成長しいこう。そんな心づもりで取り組んでほしいと思います。まだ2年生以下ですから、サッカーが楽しく感じられることを第一目標にしてください。子どもたちが嬉々として取り組める。そんな練習を組み立ててもらえば、夢中にさせられれば、必ず上手くなるはずです。そんなふうに育成をとらえなおしてみてください。例えば、「今日の練習はこれで終わりだよ」とコーチが言ったときに、子どもからブーイングが起きるような楽しい練習、やり過ぎない練習が理想です。子どもたちが余力を残して「ああ、もっとサッカーをしたい!」「コーチ、やらせて」と言ってくるような練習にしましょう。■満足度が高い時間を提供しようジュニア時代は、試合が中心でいつも試合ができることが大事です。私は地元の大阪で「サッカープレーパーク」を週に1回行っています。1年生から中学生までが縦割りで一緒に行う、楽しく夢中になる練習です。90分の中で、60分が試合です。小学6年生にプレーパークの感想を尋ねると「試合がたくさんできるから楽しい」と口をそろえて言ってくれます。満足度が高いのです。試合と試合の間にトレーニングを30分挟みますが、それもみんな楽しそうにワイワイやっています。彼らが自由に自分自身で楽しさを見つけているように見えます。プレーパーク以外の場所でも、私は楽しいサッカーを心がけます。■難しすぎると面白くない、簡単すぎると飽きるそのバランス調整を!先日は小学校に招かれ、2年生の体育の授業を行いました。3対1の鳥かごをやってみました。中には、サッカークラブに入っている子もいれば、女の子も、サッカーをしていない子もいます。最初は、足で蹴らずに、手を使ってボールをパスします。取ったり、取られたりしながらみんなワイワイやっていました。途中で私が笛を吹いたら、手でやっていたのを足に変えます。同じ場所にいてもボールをもらえないので、みんな動き出します。最後までとても楽しそうでした。私の知っている学校では3年生で「ラインサッカー」をやるのですがラインサッカーは、ドリブルをしたらきちんとボールをラインのところで止めなくてはいけません。サッカーをしたことのない子どもがこんなことはなかなかできないだろうなと感じます。そのうえ「八の字ドリブル」もあります。大阪の小学生は「こんなん、サッカースクールやんけ」と言いながらやっていました。つまり、練習の難易度を大人のほうで調整してあげることが肝要です。難し過ぎると面白くないし、簡単すぎるとすぐに飽きます。■子どもたちの意見を聞いてみればいい練習メニューの本はいっぱい出ています。どんなものでもいいので、活用してみてください。子どもがそのメニューを楽しそうにやったなら、またやればいい。でも、食いつかないなと思ったら、やめて原因を考えます。動くグリッド(広さ)を考えるとか、まずは手でやってみるなど、手立てを考えてください。広すぎると疲れてしまい動かなくなるので、動く範囲を狭くしてみればいいのです。グリッドやコートのサイズを変えたり、行う人数を変えたりします。やってみてうまくいかなかったら、そのような微調整をしてください。そういった工夫をしても、なかなか楽しめないメニューもあります。それは「メニューがダメ」なのではなく、チームの成長の度合いにその時は合わなかった、ということ。そのように考えてください。実際のところはどうなのかという判断がつきかねたら、子どもたちに聞いてみればいいのです。「楽しそうじゃないように見えるけど、この練習、どう?」と。子どもがいろいろ教えてくれるはずです。池上正さんの指導を動画で見る>>■サッカーが俄然楽しくなるきっかけをつくる(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)サッカーが楽しくなる一つの要素として個人技を教えてもいいでしょう。例えば、ドリブルのフェイント。コーチが経験者であれば、やって見せてあげます。体を右左に動かし、相手を揺さぶって抜こうとする技術。横並びでドリブルしながら、相手を抜く。ちょっと止まるふりをして、スピードで抜く。それでも抜けないときはローリングターンがあります。アウトサイド、脚の外側からターンするものです。相手を抜かなくてもよく、視野を確保して他の人にパスができます。ローリングターンを覚えて、仲間にパスを出せば、ボールを相手に奪われず、自分たちでボールをつなげます。ボールがつながると、サッカーは俄然楽しくなります。低学年はサッカーの初心者です。トレーニングメニューを探して色々チャレンジしてみてください。どんどん勉強しましょう。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年02月26日上手くなるために自チームの練習だけでなく、自主練も取り組みたいと考えている人は多いのではないでしょうか。この記事では、1人でできるサッカーの練習メニューを紹介しています。1人での練習方法を探している人向けの内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。自主練でサッカーの個人スキルをアップ!サッカーチームに所属している小学生の中には、チームでの活動以外でもサッカーの練習をしたい、という人も多いのではないでしょうか。サッカーのスキルアップのためには、練習の質も重要ですが、練習量を確保することも重要です。そのため、チームの練習日以外でも自主練習をすることでスキルアップを図ることができます。自主練は隙間時間に行おう自主練は、学校が終わった後や休日にチームの活動がないときなど、空いた時間を見つけて行うようにしましょう。1日10分程度でもいいので、継続してコツコツ取り組むのがポイントです。一方で、JFAでは、小学生がサッカーをする時間の合計を300分/週以内にすることを推奨しています。例えばU9やU10であれば1回60分の練習を週2回行い、週末に40分以内の試合を1回行うのが理想だとされています。そのため、自主練のやりすぎには注意してください。1人でできるおすすめのサッカー練習メニューここからは、1人でもできるサッカーの練習メニューを紹介します。特別な練習グッズや用具がなくてもできる練習もあるため、ぜひ試してみてください。リフティングサッカーの基本とも言えるリフティングは、ボールさえあれば1人でどこでもできる練習です。様々な部位でボールを扱うことで、ボールタッチの感覚を養うことができるほか、ボールの芯を捉えなければリフティングが続かないため、継続して行っていると、ボールをしっかりと捉えられるようになります。また、リフティングボールを使えば、家の中など室内での練習も可能です。ドリブルリフティング同様、ドリブルもボール1つで行える練習です。インサイドやアウトサイドなど様々な部位を使い、また緩急をつけるなどして練習してみてください。また、マーカーなどの障害物を置いてそれを避けながらドリブルすることもできます。ボールタッチボールタッチは、足裏やつま先、インサイド、アウトサイドなど様々な部位を使って色々な形でボールを動かす練習です。ボールを様々な部位で扱えるようになれば、ドリブルやフェイントなど実践で必要な個人技を磨くことができます。足裏でボールを転がして前へ進む、左右のインサイド間でボールを行き来させる、などバリエーションも豊富なのでぜひ試してみてください。パス「パスは1人では行えないのでは?」と思う人がいるかもしれませんが、壁を活用すれば1人でもパス練習はできます。壁に向かってパスを出し、跳ね返ってきたボールをトラップして再びパスを出す、といった形で繰り返し取り組んでみてください。また、ただ闇雲に壁に向かって蹴るのではなく、パスをどこに出すのか狙いを定めるようにしましょう。マーカーコーンがあれば、2つ置いてその間にパスを通すようにすることもできます。トラップパスと同じように、壁を使えばトラップの練習をすることもできます。また、壁がない場合でも、ボールを真上に投げ落ちてくるボールをトラップすることもできます。実際の試合では、利き足だけでなく、逆足やふともも、胸など様々な部位でトラップするため、自主練でも様々な部位を使ってみてください。試合を観るサッカーは、実際にプレーするだけでなく、プレーを観ることでも上達します。近年ではインターネットを活用すれば、Jリーグはもちろん海外の試合も簡単に観ることができるため、試合も積極的に観てみてください。なお、試合を観る時は、特定の選手に焦点を当てて、動きやテクニックをチェックすることで、いいプレーのイメージを自分の中に植え付けることができるでしょう。まとめ今回は、1人でできるサッカーの練習メニューを紹介しました。1人であっても工夫次第で様々な練習ができます。パスやトラップ、ドリブルなどサッカーの基礎ともいえるスキルは、1人で十分鍛えられるため、ぜひ積極的に取り組んでみてください。
2021年02月26日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は初心者に多い、ふわっと浮かせた「浮き球を胸でコントロールすることができない(胸トラップが出来ない)」という悩みを改善するトレーニングをご紹介します。ボールを止める、蹴る、はサッカーの基本中の基本の一つ。試合中、必ず足元にパスがもらえるわけではありません。浮き球で来たボールの勢いを和らげて足元に落とし、ドリブルやパスにつなげるときに胸トラップを使います。試合の中でも使う、浮き球を胸で止めてコントロールする方法を初心者が一から身につけるための基本動作、ポイントをサカイクキャンプコーチが説明。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.親がボールを持ち離れて立つ(5メートルくらい)2.親が手で持っているボールを子どもは手でタッチする3.タッチしたら子どもはバックステップで後ろに下がり、親は子どもに向けてボールを投げる4.子どもはそのボールを胸で受けて足元に収め、親に返す5.慣れてきたらボールの高さや速さを変えてより実践に近い状況でやってみる【ポイント】・ボールをよく見て落下地点に入る・腕を広げ息を吐きながらボールの勢いを吸収する・鎖骨の下左右の胸どちらかでボールをコントロールする・胸でコントロールした後もボールをよく見る・足元に収めたらすぐ次のプレーに移れるよう意識する・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年02月25日30年近くに渡るスペインでの指導経験を通じて、育成の大切さ、指導者が変わることの重要性を痛感したと話す、佐伯夕利子さん。インタビュー最終回では、ビジャレアルアカデミー所属時の育成改革の話から、保護者、指導者ができることについて話をうかがいました。(取材・文鈴木智之)ビジャレアルが行った育成改革改革のおかげで、これまで選手をジャッジして来たことに気付いたと佐伯さんは語ります(写真はサッカー少年のイメージ)<<第3回:「ひどい指導者がいる」と批判するだけでは何も変わらない、佐伯夕利子さんが日本の指導現場に提言■少しずつでも前進、進化することが大事――2014年に始まったビジャレアルの育成改革から6年が経ちました。佐伯さんはクラブを離れて一時帰国中に日本で活動されていますが、進み具合はどのように感じていますか?もともと、8年から10年スパンで結果が出るものと考えていました。これは改革が始まってから気がついたのですが、フットボール界は指導者やスタッフの入れ替わりが激しく、毎年のように変わります。ですので、3歩進んだと思ったら2歩下がるような状態です。ビジャレアルに指導者が120人いると、どうしても学びの浸透度に差が出てきてしまいます。足並みをそろえている間にシーズンが終わり、また人が入れ替わる...といったことが起きるので、すごく難しい状況だと感じています。そのため、思ったようなスピードで前進できるものではないというのが、正直な感想です。ただ、クラブとして継続して取り組むことで文化になりますし、求めているスピード感で物事が変わらなくても、一歩一歩前進し、進化することが大切だと思っています。――2014年に育成改革がスタートし、2020年で6年になります。当時15歳の選手が、現在のU-23にいるわけですね。いまのU-23の監督は改革初期にいなかった人なのですが、ご自身がこれまで見てきたチームや選手との違いを、明確に感じたそうです。彼は「今年のU-23の選手たちは、これまで自分が見てきた選手と違う。常に選手同士でフットボールについて会話をしているし、練習への取り組み方、レクチャーを聞く姿勢などは、これまでの指導人生で関わってきた選手たちと違う」と言っていたので、少しずつではありますが、何かが変わってきているように感じています。■選手の育成は数値化できるものではない――育成が難しいのは、「これをやったからこうなりました」と、結果がすぐに、明確に出るわけではないことです。はい。選手の成長は可視化、数値化できるものではないので、ビジャレアルが育成の方針を変えたことに対して、選手の学びにどのような変化が生まれているのかは、本人さえもわからないことがあります。クラブとしても、選手の成長率が何%伸びました、偏差値がいくつ上がりましたと、わかりやすく成果を表すものはないという結論に達しました。その中で私達が「間違いない」と確信を持って取り組むことが、どれだけ効果があるのかはわかりませんが、取り組みを続けることで、選手自身が人として豊かになっていき、その結果、サッカー選手として成長し、選手としての価値も高まっていくと考えています。こうすればいいという正解はありませんが、自分たちが信じて、良いと思うことに取り組むこと、そしてそれに誇りを持つことが、何よりも大切なのではないかと思っています。■より良い選手になってほしいなら...。堅苦しくないようゲーム感覚で――サカイクはサッカーをする子どもを持つ、保護者の方々がたくさん読んでくれています。保護者の立場から、子どもたちとどのように接すればいいのでしょうか?保護者であれ、指導者であれ、選手や子どもに関わる大人は、より良い人間、より良い選手になってほしいと思っているものですよね。ただし、そのためのアプローチを間違っていたり、わかっていなかったり、勘違いしている大人がたくさんいます。指導者レベルでは、かつての私もそうでした。保護者のみなさんは、子どもとより深いところでつながっているので、俯瞰して見るのは難しいことかもしれませんが、私達がやったような、映像を使って......というような堅苦しいやり方ではなく、ゲームのような感覚でやってみるといいのかなと思います。――具体的にはどのようなことでしょうか?うちの息子に自立して欲しい、自分でものを考えて、積極的に取り組むような人間になってほしいと思うのであれば、親である自分自身が、そうなるような取り組みをしているのだろうかと、紙に書き出してみるのもいいと思います。試合のユニフォームやスパイクを、親である自分が用意してはいないだろうかと、ご自身の行動を「子どもが自立する」という視点で考えたときに、どこへ向いているのかをゲーム感覚で確認するのもいいかもしれません。■サッカーに必要なものを子ども自身が考えることが自立につながる――サッカークラブは子どもたちに自立してほしいと考え、そのための取り組みをしているのに、保護者が過保護になってしまっているというのは、指導現場でもよく見聞きします。「明日のサッカーに必要なものはなんだろう?」と、子ども自身が考えて準備することも、自立する上では大切なことですよね。「明日の試合に、お弁当はいりますか?」と、親がコーチに聞いてしまっては、お子さんはお弁当がいるかどうかを気にすることはありません。「今日から、お弁当がいるかどうかはお母さんは聞かないから、自分でコーチに聞きなさい」と言うのも、ひとつの方法です。自分のお子さんにこうなってほしいという最終像があって、それに向かってプラスになることを、自分がやっているのか。そこに意識を向けてみるといいと思います。――子どもの自立のために、クラブと保護者が同じ方向を向くのが理想ですね。子どもは成長の途中なので、良いときもあれば悪いときもあります。指導者や保護者は、彼らと伴走しながらサポートしていくものです。練習中に「なぜ彼はふてくされるんだろう?」という場面があったとして、その裏側には必ず何か理由があります。そこに目を向けず「ふてくされて態度が悪い、○○くん」とダメ出しやネガティブフィードバックをしたり、「そんな態度では試合には出さない」と言って、週末の試合から干したりすることを、私達指導者は繰り返してきました。でもそうではなくて、人間にはいろいろなコンテキスト(前後関係)があり、ファクター(事実)があります。そこに理解を示し、歩み寄り、選手のバックグラウンドを知ろうとすることは、とても大切なことだと思います。罰するのは、その後からでも遅くないからです。■これまでと違う日本人が育っている。大人も進化し続けないと指導の質が上がらない――時代の流れとともに、求められる指導者像や選手へのアプローチは変わってきていると感じますか?はい。時代の流れは早いので、指導者は敏感に感じ取り、変化していく必要があると思っています。フットボール界だけ、指導現場だけで物事は測れません。社会の潮流や教育現場の流れなども鑑みることが大切です。近年、日本は教育方針が大幅に変わりました。いまの子どもたちが大人になる10年、20年後は、これまで私達が知っている日本人とは違ったタイプが育っているでしょう。しかし、それに対応する我々上の世代は、昭和の教育を受けている人が大半です。これまでとは違う日本人が育っているのに、育てる側の人間がついていけないと誤差が生じます。――前提条件が違う人達同士、ミスマッチが生じるわけですね。だからこそ我々上の世代、つまり大人が敏感になること。進化することに貪欲に、エネルギーを注ぐ努力をする必要があります。そうしないと、指導現場の質も上がらないと思います。子どもたち、青少年はその時代に沿った人格形成をされています。いまの子どもたちの価値観を、昭和に戻すのは無理な話です。そうであるにも関わらず、指導者が選手に圧力をかけ、恐怖心で抑え込んできた事実が、スポーツ現場にはあります。そこに対して、どう意識を変えていくか。お話してきたビジャレアルの育成改革もそうですが、勇気を持って、我々大人が取り組むべきだと思います。<<第3回を読む佐伯夕利子(さえき・ゆりこ)1973 年10月6日生まれ/イラン生まれ92 年にスペインに移住し、93 年から指導者の道を歩み始める。レアル・マドリードのスクールをはじめ、スペイン男子3 部リーグ、アトレティコ・マドリッド女子チームなどで監督経験を積む。08 年からビジャレアルに在籍し、男子U19のコーチ、レディースの監督、女子部統括責任者などを歴任。18 年に公益社団法人日本プロサッカーリーグの特任理事(非常勤)に選任され、2020年3月からJリーグ常勤理事。
2021年02月22日サカイクがお届けする『親子で遊びながらうまくなる!サッカー3分間トレーニング』。今回は、初心者に多い「パスを受けるときに浮き球をインステップ(足の甲)でコントロールできない」という悩みを改善するトレーニングを紹介します。ボールを止める、蹴る、というサッカーの基本中の基本の一つ。インステップでのコントロールはスペースの無い状況でボールを足元にコントロールするときに役立ちます。試合の中でもよく使う、浮き球をインステップ(足の甲)で止めてコントロールする方法を初心者が一から身につけるための基本動作、ポイントをサカイクキャンプコーチが説明。このトレーニングは遊びを通して楽しみながら行うことで、パスを受けるときに行う「浮き球」を足のインステップ(足の甲)でコントロールする方法をを身につけることができます。ぜひ親子でチャレンジしてみてください!【やり方】1.親がボールを持ち離れて立つ(5メートルくらい)2.親が手で持っているボールを子どもは手でタッチする3.タッチしたら子どもはバックステップで後ろに下がり、親は子どもに向けてボールを投げる4.子どもはそのボールをインステップでコントロールして親に返す5.慣れてきたらボールの高さを変えたり足を変えて難易度を上げる【ポイント】・ボールをよく見て落下地点を予測しながら動く・足首を固定する・膝をボールに合わせておろしながら・地面に近いところでボールをインステップにあてる・リラックスして行うこと・慌てずゆっくり、慣れてきたらリズム良く行う・失敗しても気にせず、親子で楽しみながら行う次回もサッカー初心者のお悩みに応えるトレーニングをお届けしますのでお楽しみに!お父さんコーチに役立つ練習メニューを公開中>>
2021年02月19日