『君の名前で僕を呼んで』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされ、『レディ・バード』の公開も控える若手イケメン俳優ティモシー・シャラメが主演するショートフィルム『サインスピナー』が、ショートフィルム専門のオンラインシアター「ブリリアショートショートシアター オンライン(以下、BSSTO)」にて配信スタートした。『サインスピナー』はロサンゼルス郊外、“スピナーズ”と呼ばれる看板回しの仕事をしながら、その日々の生活に不安や鬱憤を感じ、傷つきやすくも残酷な少年の姿を描いた作品。アメリカで多発し、社会問題化するティーン・エイジャーの銃撃事件の背景を思わざるを得ないリアルな社会描写と、そこに暮らす一触即発の繊細な少年たちの表情が心に残る。主人公の少年ジェイスを演じたティモシーは、その後、クリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』に出演するなど、映画界が最も注目する若手俳優への道を歩んでいくことに。また、「BSSTO」には、2月28日(水)よりショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016でグランプリを受賞後、見事に翌年のアカデミー賞短編実写部門に輝いた『合唱』が追加されており、3月28日(水)からは『ネガティブ・スペース』が今年のアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた桑畑かおる監督による2011年のショートフィルム作品の公開が予定されている。世界が注目する俳優やクリエイターたちの作品を満喫できるショートフィルムのラインナップをぜひチェックしてみて。■『サインスピナー』(Spinners)13分16秒/2013年/アメリカ第90回アカデミー賞主演男優賞ノミネート ティモシー・シャラメ主演砂漠に囲まれたとある町で、サインスピニングで小遣い稼ぎをしているジェイスとデレクは、日ごろ彼らをバカにする奴らに仕返しをしようと、ある計画を思いつく。しかし1人の母親が2人の前に現れたとき、彼らの計画は思いもよらぬ方向に…。■『合唱』(Sing)25分/2015年/ハンガリー第89回アカデミー賞短編実写映画賞受賞おとなしい10歳の少女ジョフィーは転校したばかり。最初は少し慣れなかったが、すぐに校内で有名な合唱団に入ることを決め、人気者のクラスメイト、リザと仲良しに。ほどなく、彼女たちは一致団結して合唱団の指揮者である先生に立ち向かうことになる。彼女は見た目と違い、本当は意地悪な人物だった――。■『犯罪オタクのカップル』(Something Left, Something Taken)10分/2011/アメリカ第90回アカデミー賞短編アニメ賞ノミネート桑畑かおる監督作品「犯罪現場では何かが残り 何かがなくなる」。犯罪マニアのカップルが出くわしたゾディアック事件の犯人は…?マックス・ポーター&桑畑かほる夫妻によるパペット・アニメーション。サンダンス映画祭などでも絶賛された。ブリリア ショートショート シアター オンラインにて『サインスピナー』『合唱』は配信中、『犯罪オタクのカップル』は3月28日(水)より配信予定(※視聴は無料だが初回に会員登録が必要)。(text:cinemacafe.net)
2018年03月19日“ディカプリオ以来の才能”といわれ、第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされているティモシー・シャラメと『コードネーム U.N.C.L.E.』のアーミー・ハマーの共演で贈る『君の名前で僕を呼んで』。このほど、同・歌曲賞(主題歌)賞にもノミネートされている「ミステリー・オブ・ラブ」が彩る、切なくも美しい日本オリジナル予告編が公開された。日本時間3月5日に発表されるアカデミー賞にて作品賞・主演男優賞・脚色賞・歌曲賞の4部門にノミネートされている本作。17歳と24歳の青年の初めての、そして生涯忘れられない恋の痛みと喜びを脚本に紡いだのは、『モーリス』や『眺めのいい部屋』『日の名残り』といった名作を生み出してきた現在89歳の名匠ジェームズ・アイヴォリー。もし脚色賞を受賞すれば最年長での受賞となる。このたび完成した日本オリジナル予告編は、北イタリアの避暑地を舞台に17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)と、エリオの父(マイケル・スタールバーグ)の研究を手伝いにきた24歳のオリヴァー(アーミー・ハマー)の出会いから始まる。先に公開されていた海外版オリジナル予告編の良さを生かしながらも、2人の細やかな感情の動きや、ティモシーとアーミー、2人の俳優の魅力をさらにプラス。母親(アミラ・カサール)に「オリヴァーのことが好きでしょ」と言われ、クルクルと回るエリオの瑞々しさや、まばゆい光の下の恋の喜びだけでなく、夜のとばりの中でやがて感じる恋の痛みの予感も描かれていく。そして映像のラストには、ベッドに横たわり、愛おしげに見つめ合う2人に「君の名前で僕を呼んで。僕の名前で君を呼ぶ」とオリヴァーの声が重なり、この邦題に込められた切なさが炸裂。世代も、性別も関係なく、誰もが経験したことのある恋の痛みと喜びを思い出させてくれる映像に仕上がっている。『君の名前で僕を呼んで』は4月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:君の名前で僕を呼んで 2018年4月、TOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© Frenesy, La Cinefacture
2018年02月28日いま最も注目を集める若手俳優となったティモシー・シャラメ。同性に恋するティーンエイジャーの痛みときらめきを描いた『君の名前で僕を呼んで』では、アカデミー賞の主演男優賞にノミネート。同作共々アカデミー賞作品賞候補となった『レディ・バード』でも、ヒロインの女子高生が恋に落ちるクールな男子を演じ、圧倒的な存在感を放っています。そんなティモシーですが、海外ドラマでも現在の快進撃を予感させる片鱗を見せていたことをご存じでしょうか? 今回は“ティモシー・シャラメ全力応援企画”として、海外ドラマでの彼の活躍に迫ります。注目すべきはこの2本!「ロイヤル・ペインズ」「HOMELAND/ホームランド」ティモシー・シャラメ出演ドラマとして注目すべきは、シーズン3の終盤からシーズン4の冒頭にかけて出演した「ロイヤル・ペインズ~救命医ハンク~」と、シーズン2に出演した「HOMELAND/ホームランド」です。前者には主要登場人物である美人病院長の甥ルーク役で、後者にはアメリカ合衆国副大統領の息子フィン・ウォルデン役で登場しました。キュートであどけない表情がチャーミング「ロイヤル・ペインズ」敏腕医師ハンクが活躍する「ロイヤル・ペインズ」でのティモシーは、とにかくキュート。5~6年前の出演作だけに、あどけない表情がチャーミングです。ドラマの中のルークは学生の設定ですが、サーフィン教室でバイトをするサーファー男子だったり、チェス・キャンプに参加するチェスの名手だったり。わずか4話の出演ながら様々な顔を見せています。特にオススメは、陽気で快活なルークが変調をきたすシーズン4の第2話。チェス・キャンプから帰ってきたルークは人が変わったように虚ろで、ついには錯乱状態を起こしてしまい…。いったい彼に何があったのか? このあたりの変化はさすがティモシー、お見事です。ちょっとダークで、繊細なセレブ男子「HOMELAND/ホームランド」一方、「HOMELAND/ホームランド」も出演時期は「ロイヤル・ペインズ」とさほど変わりませんが、こちらの方がより、現在のティモシーに近い香りを感じられるでしょう。CIAエージェントのキャリーがテロの阻止に奔走する「HOMELAND/ホームランド」のシーズン2では、ティモシー演じるフィンの父親にして、現職の副大統領であるウォルデンが次期大統領に最も近い存在。そのため、高校生のフィンにも様々なプレッシャーがかかってきます。しかも、父ウォルデンは米国を狙うテロ計画の元凶を作った人物のようで…。複雑な状況の中、フィンは副大統領の息子というセレブライフを満喫したり、女の子と恋に落ちたり、セレブゆえの傲慢さから取り返しのつかないことをしでかしてしまったり。根はいい子ではあるもののちょっとダークで、繊細で、だからこそとてつもなく魅力的にも見えるセレブ男子役は、ティモシーの十八番と言える役柄かもしれません。ちなみに、あえてカテゴライズするならば、『君の名前で僕を呼んで』の純情ティモシーを楽しみにしている方には「ロイヤル・ペインズ」、『レディ・バード』の黒ティモシーを楽しみにしている方には「HOMELAND/ホームランド」を推奨。本当は、どちらもチェックしていただきたいところですけど!(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:HOMELAND/ホームランド [海外TVドラマ]
2018年02月14日いよいよ第90回アカデミー賞に向けた映画賞レースがスタートした。前回の作品賞『ムーンライト』と同じく、前哨戦の1つ「ゴッサム賞」を獲得し、「ゴールデン・グローブ賞」では主要3部門にノミネートされるなど、いま賞レースでひと際注目を集めているのが、80年代の北イタリアを舞台に、思春期の少年とアメリカ人青年とのひと夏のラブロマンスを描いた『Call Me by Your Name』(原題)だ。そして同作で主演を務め、すでにいくつもの主演男優賞や新進俳優に与えられる賞を手にしているのが、現在21歳のティモシー・シャラメ。「ヴァラエティ」誌が選ぶ「2017年の観るべき10人の俳優たち」の1人にも選ばれ、今後、日本でも大きな関心を集めるに違いない若手俳優にいち早く注目した。■若きクリスチャン・ベイル×ダニエル・デイ・ルイス+ディカプリオ!?1995年、ニューヨークのマンハッタン生まれのティモシー。父親はフランス人でUNICEFの職員、母親はダンサーでもあったニコール・フレンダー、姉ポーリーンも女優で、おじはホラー・コメディ『アイドル・ハンズ』(’99)などの監督ロッドマン・フレンダー、義理のおばは「マスターズ・オブ・セックス」などのクリエイター、エイミー・リップマン。母方の祖父は『パリの旅愁』(’61)の原作者として知られる作家ハロルド・フレンダーという超がつくサラブレッドだ。ニューヨークの名門芸術専門学校ラガーディア高校を卒業し、フランス語も堪能だとか。また、最終的にはトム・ホランドに決まったが、新生スパイダーマン候補の1人でもあったという。現在は髪を伸ばしていることもあってか、まもなく22歳というのに、すでにこの色気!日本人俳優でいえば、どことなく高杉真宙や山田涼介にも似た物憂げな雰囲気を醸し出しており、若いころのアラン・ドロンやジュード・ロウにも似ているような…。『Call Me by Your Name』とともに賞レースで高い評価を受けている『Lady Bird』(原題)にも出演しており、同作で初監督を務めた女優グレタ・カーウィグが「GQ」誌に語ったところによれば、「若き日のクリスチャン・ベイルとダニエル・デイ・ルイスに、レオナルド・ディカプリオをまぶした感じ」という絶賛ぶり!そんな彼は短編映画で俳優デビューし、人気TVシリーズ「LAW&ORDER」にゲスト出演した後、2012年、かつてエズラ・ミラーが注目されるきっかけの1つとなった高視聴率ドラマ「ロイヤル・ペインズ 救命医ハンク」に、主要キャラクターの女医ジルの甥っ子ルーク役でゲスト出演、ちょっと気弱なチェスの達人を演じた。続いて、エミー賞&ゴールデン・グローブ賞などを総なめにした「HOMELAND/ホームランド」シーズン2では、ウォルデン副大統領の息子フィン役で準レギュラーに。実生活さながらの(?)セレブの若者らしい葛藤を繊細に演じ、2013年俳優組合賞(SAG)アンサンブル賞にノミネート。ちなみにこの頃、同じ高校に通うマドンナの娘ローデス・レオンとの交際報道でゴシップ欄を騒がせたこともあった。■ケイシー・アフレックやジェームズ・フランコの少年時代も好演スクリーンデビューは、クリストファー・ノーラン監督の2014年の大ヒット作『インターステラー』。日本公開時は、人気子役マッケンジー・フォイ&ジェシカ・チャステインが演じた娘とマシュー・マコノヒーが演じた主人公との絆が話題を呼んだが、その兄で農場を継いだケイシー・アフレック演じるトムの少年時代を演じていたのがティモシー。その一方、『マイレージ、マイライフ』『JUNO』のジェイソン・ライトマン監督が彼らしい視点でSNS社会に斬り込んだ『ステイ・コネクテッドつながりたい僕らの世界』(劇場未公開)にも出演。2017年『ベイビー・ドライバー』でブレイクしたアンセル・エルゴートとひと悶着あるアメフト部員を演じていたが、アーティストタイプかと思いきや、意外にもアメフトのユニフォーム姿もお似合いだった。意外といえば、日本で2016年に公開されたクリスマス・ムービー『クーパー家の晩餐会』での彼も、いま思い返せば、かなり衝撃的だ。演じたのは、ダイアン・キートン&ジョン・グッドマン夫妻の孫息子で、絶賛反抗期中のチャーリー。口下手で、いまにも繋がりそうなゲジ眉に、脇汗…と、まるでイケてない高校生となって不器用な恋を展開しており、彼の見るに堪えない(?)初々しいキスシーンは笑いを誘う。そんな彼が、すっかり大人びて、『Call Me by Your Name』ではアーミー・ハマー演じる年上の青年に思いを募らせ、危うい少年ぽさと儚げな色気を感じさせるほどになったとは…。ちなみに、劇場未公開だが、ジェームズ・フランコが共同製作も兼ねて主演を務め、アンバー・ハード、クリスチャン・スレイターらが共演した『サスペクツ・ダイアリーすり替えられた記憶』(’15)では、ドラッグに溺れ、父(エド・ハリス)から虐待されていた主人公の壮絶な少年時代を熱演しており、ここでも若きカメレオン俳優ぶりを見せつけている。■セレーナ・ゴメスとキスも!今後の待機作がスゴすぎ!!そして『Call Me By Your Name』だ。1983年夏、陽光輝く北イタリアの避暑地で夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会い、ともに時間を過ごすうちに、激しい恋に落ちていく。ティモシーはイタリア語をマスターし、ピアノやギターも披露、かつてないセクシャルなシーンにも挑んだという。サンダンス映画祭で絶賛を浴び、ゴッサム賞ブレイクスルー俳優賞ほか、LA、NYと2大都市の映画批評家協会賞で主演男優賞を獲得。主演男優枠は、早くから『ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男』(原題:Darkest Hour)でのゲイリー・オールドマンが話題となっていたが、英国のベテランの初オスカーを阻むのはティモシーだったりするのかも。また、『フランシス・ハ』のグレタ・カーヴィグが初監督した自伝的作品『Lady Bird』は、『ブルックリン』のシアーシャ・ローナンが主演、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の新鋭ルーカス・ヘッジズも共演する。本作では一転、チャラいミュージシャンを演じているようで、シアーシャ演じる主人公のヴァージンを奪う(!?)相手だとか!おそらく両作品とも、ゴールデン・グローブ賞やアカデミー賞にノミネートされるはずなので、詳細を楽しみにしておきたい。さらには、クリスチャン・ベイル主演『Hostiles』、スティーブ・カレルの息子役を演じる『Beautiful Boy』、ウディ・アレン監督最新作『A Rainy Day in New York』(いずれも原題)など、話題作が続くティモシー。特にウディ・アレン作品ではセレーナ・ゴメスとのキスシーンもあり、エル・ファニング、スキ・ウォーターハウス、ジュード・ロウら共演者がとにかく豪華。まさに、名優・名監督に恵まれ続けている若き実力派。彼が映画界に巻き起こす新風を、見逃さないで。(text:Reiko Uehara)
2017年12月12日『コードネーム U.N.C.L.E.』『フリーファイヤー』などのアーミー・ハマーと新進俳優ティモシー・シャラメが主演を務め、男性同士のひと夏のラブストーリーを描く『Call Me By Your Name』(原題)が、昨年『ムーンライト』も制した「ゴッサム賞」の作品賞を獲得、さらにティモシー・シャラメが同ブレイクスルー俳優賞を受賞した。1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。一緒に自転車で街を散策したり、泳いだり、午後を読書や音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの気持ちは、やがて初めて知る恋へと変わっていく。眩しすぎる太陽の中で、激しく恋に落ちる2人、しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づき…。今年のサンダンス映画祭でプレミア上映され、9月のトロント国際映画祭で観客賞次点などを獲得していた本作。監督は『ミラノ、愛に生きる』『胸騒ぎのシチリア』のルカ・グァダニーノ。11月24日より全米公開開始となり、すでに『それでも夜は明ける』(’15)、『ムーンライト』(’16)などの昨今のアカデミー賞作品賞受賞作の興行成績を上回り(初週末スクリーンアベレージ比較)大ヒットを記録している。そして今回、独立系映画の製作に携わる人々を支援する、インディペンデント・フィーチャー・プロジェクト(IFP)主催「第27回ゴッサム・インディペンデント・フィルム・アワード」にて作品賞・ブレイクスルー俳優賞(ティモシー・シャラメ)と2冠を獲得。ゴッサム賞はアカデミー賞の前哨戦として注目されており、歴代では『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『スポットライト 世紀のスクープ』『ムーンライト』と、3年連続で同賞の作品賞に輝いた映画がアカデミー賞作品賞を受賞するという結果になっており、本作へも期待が高まっている。さらに本作は、現地時間11月28日に発表されたばかりの「第89回ナショナル・ボード・オブ・レビュー」でも、ティモシーがブレイクスルー・パフォーマンス賞を獲得し、トップ10作品にも選出。「第33回インディペンデント・スピリット賞」においても作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞など6部門にノミネートされている。全米メディアも高評価のレビューが目立ち、早くもアカデミー賞前哨戦において最有力候補作となっている。『Call Me By Your Name』(原題)は2018年春 、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年11月29日