俳優の土屋直武が、舞台「チェンソーマン」ザ・ステージ主演を務めることが10日、明らかになった。同作は、藤本タツキによるダークヒーローアクション漫画の舞台化作で、悪魔を身に宿した少年デンジが、デビルハンターとして活躍する姿を描く。「チェンソーの悪魔」ポチタと共にデビルハンターとして暮らす少年デンジは、親が遺した借金返済のため、貧乏な生活を送る中、裏切りに遭い殺されてしまう。薄れる意識の中、デンジはポチタと契約し、悪魔の心臓を持つ「チェンソーマン」として蘇る。主人公デンジを演じるのは、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンに、不動峰 伊武役で出演している土屋直武。さらにクールなデビルハンター早川アキを梅津瑞樹が務め、破天荒な血の魔人パワーをシンガーソングライターとしても活躍中の甲田まひるが演じる。彼らをとりまく一筋縄ではいかない個性的なキャラクターたちは佃井皆美、岩田陽葵、鐘ヶ江洸、谷口賢志、オレノグラフィティなど舞台やテレビを中心に活躍する多彩な才能が顔をそろえ、公安対魔特異4課を取り仕切る、ミステリアスなリーダー・マキマは、ミュージカルを中心に女優・声優・歌手など様々な場面で活躍中の平野綾が演じる。チェンソーマンとサムライソードはスーツアクターやダンサーなどによる多面的な角度から、新たな魅力を引き出す表現へアプローチする。脚本・演出はMANKAI STAGE『A3!』シリーズ、「BANANA FISH」The Stageなど数々の人気作品の舞台化を手掛ける松崎史也、音楽は「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageシリーズなど、数多の舞台音楽を手掛けてきた和田俊輔が担当する。東京公演は天王洲 銀河劇場にて9月16日〜10月1日、京都公演は京都劇場にて10月6日〜9日。○出演デンジ:土屋直武早川アキ:梅津瑞樹パワー:甲田まひる姫野:佃井皆美東山コベニ:岩田陽葵荒井ヒロカズ:鐘ヶ江洸岸辺:谷口賢志チェンソーマン:夛田将秀/仲宗根豊サムライソード:オレノグラフィティ/吉岡将真マキマ:平野綾【声の出演】ポチタ役:井澤詩織(C)藤本タツキ/集英社・「チェンソーマン」ザ・ステージ製作委員会
2023年07月10日東京都・駒込の東洋文庫は、古代から近代にいたる日本の「医」の確かな歩みを振り返る"解体新書展-ニッポンの「医」のあゆみ1500年"を開催している。会期は4月10日まで(火曜休館、ただし火曜が祝日の場合は次の平日休館)。開館時間は10:00~19:00。入館料は一般900円、65歳以上800円、大学生700円、中・高校生600円、小学生290円。同展は、古代から近代にいたる日本の「医」の確かな歩み、約1500年を振り返り、曲直瀬道三、貝原益軒、華岡青洲、北里柴三郎など日本の医学史上の巨人たちの足跡をたどるもの。1774年、杉田玄白らはオランダ語の解剖図「ターヘル・アナトミア」の翻訳を成し遂げ、「解体新書」を刊行した。同書が日本の医学・医療の発展に多大な貢献を果たしたことはよく知られているが、この一大翻訳事業は同時代の日本の医師と学者に相応の知識があったからこそ実現を見たという。同展では、日本で最初に西洋の解剖書を翻訳・刊行したことで日本の医学史上に多大な影響を与えた「解体新書」の初版本と、「解体新書」の原典にあたる「ターヘル・アナトミア」を並べて展示している。また、杉田玄白が開いた医塾「天真楼」の塾生が記録した貴重な玄白関係資料も初めて公開される。また、江戸のプラントハンターとよばれる小野蘭山によるメモ書きが残る本草書、華岡青洲が行った乳ガン手術の症例集など、日本の医療発展に従事した人々が手書きで残し、現代に伝えられた数々の医学史資料コレクションに光をあて、日本の「医」の歩み約1500年を振り返る。また、関連企画として「『解体新書』その魅力と注目すべきこと(順天堂大学名誉教授・酒井シヅ)」が1月31日14:00~、「日中医学交流秘話―1950年代の医学者の相互訪問をめぐって(青山学院大学教授・飯島渉)」が2月20日14:00~、「絶学の人―解体新書の画家・小田野直武と秋田蘭画(学習院女子大学教授・今橋理子)」が3月5日14:00~開催される。いずれも参加無料、ただし、ミュージアムの入館料が別途必要。参加に際しては申込が必要となる。詳細は同ミュージアムWebサイトにて。そのほか、医学者・北里柴三郎が医学・医療分野のさらなる発展を目指して、1914年設立した北里研究所の共催により、「北里柴三郎記念展示」が同時開催される。北里愛用の顕微鏡など、同研究所が所蔵する資料やパネルの展示をとおして、北里柴三郎から野口英世、志賀潔、そして2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智氏へと連綿とつながる、近代日本の「医」の系譜が紹介される。また、幕末の日本に訪れたイギリス人外交官アーネスト・サトウ旧蔵のシーボルト著作などが展示される「シーボルト没後150年記念展示」も同時開催される。
2016年01月19日美術館というと「敷居が高くて入りづらい」、「自分にはちょっと堅苦しい」なんて思っている人もいるかもしれない。しかし、それは大いなる誤解である。絵画や彫刻などを楽しむのに、実は難しい知識など必要ないのだ。理屈など一切抜きに、見る人の心にまっすぐ語りかけてくるのが芸術作品。肩の力を抜いて気軽に楽しむことで、心がより豊かになるものである。全国にある数多くの美術館の中から、今回は北海道と東北にスポットを当てて紹介したい。美術館はそれぞれ個性がある。所蔵している作品はもちろん、立地場所や規模、施設の造りなど、どの美術館にも個々の特徴がある。北海道や東北の美術館は、美しい自然や広大な田園地帯に溶け込むように趣向を凝らされた建築も特徴的だ。土地の風土、魅力、息遣いに包まれながら芸術作品を鑑賞する時間は、えもいわれぬ風情があるもの。そこで、実際に北海道・東北の美術館を訪れ、そんなぜいたくな時間に身を委ねてきた。美術館のチョイスには、道内で長きにわたり芸術家育成をリードしてきた、北海道造形デザイン専門学校の栗谷川悠(くりやがわゆう)理事長にもアドバイスをいただいた。同校は今年で開校50年を迎える名門。これまでにも、多くの逸材を輩出してきた。教壇に立つ栗谷川先生はもちろん、国内外の美術館に精通している。北海道には大小様々な美術館がある。札幌だと、希代の天才であるピカソに多大な影響を与えたエコール・ド・パリの作家のひとりであるジュル・パスキン、北海道第一号の芸術家とされる林竹次郎などの作品が所蔵されている「北海道立近代美術館」。または、巨大な公園自体が作品の集合体である「モエレ沼公園」などがオススメだ。そして、これぞ北海道を代表する美術館といえるのが「札幌芸術の森」。当館は広大な森の中に40ヘクタールもの敷地を有している。屋内外に様々な作品を展示しており、さながら芸術作品のテーマパークのような趣がある。風景と見事に融合した作品を鑑賞する内に、いつしか観賞している自分までもが自然と一体化していくような不思議な感覚を覚えるはずだ。道内には札幌以外にも、たくさんの美術館がある。ユニークなのは、上富良野町にある「上富良野トリックアート美術館」。あっと驚くトリックアートや思わず吹き出してしまうような作品など、数多く展示されている。常設作品などに関係なく、理屈抜きに土地の雰囲気やにおいを感じられること…それこそ、美術館の魅力のひとつかもしれない。東北には歴史や人の営みを感じさせてくれる美術館が多いというのが、個人的な感想だ。「青森県立美術館」では、棟方志功(むなかたしこう)や寺山修二といった、地元が排出した多くの個性的な芸術家の作品を、一同に鑑賞できるのが魅力だ。また、シャガールやレンブラント、ピカソなど海外の有名作家の作品も所蔵されており、様々なタイプの名作に触れたい人にはぴったりである。同じく青森にある「十和田市現代美術館」は地域と連携して、美術館の近隣一帯をアーティスティックな景観に仕立てるプロジェクトをスタートし、2010年に完成した。芸術が十和田の美しい自然と人の営みを一体にする橋渡し役として機能した、世界的にも珍しい空間になっている。「秋田県立近代美術館」には、解体新書の挿絵を担当した画家・小田野直武の作品をはじめとした、様々な作風の日本画が所蔵されている。同じ日本人でもその時代や手法・センスによって、作風はガラリと変わる。そんな違いを比較してみるのも面白いかもしれない。「横手市増田まんが美術館」は「秋田県立近代美術館」と同じ横手市にある、全国で初めての漫画をテーマにした本格的な美術館。『釣りキチ三平』で知られる、郷土が生んだ漫画家・矢口高雄氏のフィールドワークをはじめ、著名な漫画家の多彩な作品が展示されている。気軽に楽しめる漫画を中心とした美術館だけに、より親しみやすさを感じることできるだろう。「岩手県立美術館」には、岩手が排出した萬鐵五郎(よろずてつごろう)や、岩手に縁の深い松本俊介などの作品を所蔵している。絵画が好きな人でなければ2人の名前はあまり聞いたことがないかもしれないが、見る人の心に残る見事な作品が多数展示されている。南東北にも魅力的な美術館が多数ある。北東北と同じく、どの美術館も地域の風土や息づかいを感じながら作品を心に印象付けることができる。まずは山形から。1964年にオープンした「山形美術館」には、ロダンやモネ、ルノワールなどが描いたフランスの近代絵画を代表する作品のほか、与謝蕪村、松尾芭蕉が描いたびょうぶや短冊など貴重な作品が多数展示されている。「閑けさや岩にしみ入る蝉の声」の芭蕉の句で知られる山寺にある「山寺後藤美術館」。ここには、実業家である後藤季次郎氏が収集した欧州の絵画やガラス工芸、陶版画などが数多く収蔵されている。ヨーロッパ絵画が転換期を迎える時期のアカデミズム、バルビゾン派の作品が主体のほか、欧州各地の工芸品など貴重なコレクションを鑑賞できる。仙台市にある「宮城県美術館」では、地元・宮城県や東北にゆかりのある作品が幅広くコレクションされているほか、ロートレックやパウル・クレーなど海外の著名なアーティストの作品も鑑賞できる。竹久夢二(たけひさゆめじ)の作品などもあり、こちらも幅広いタイプの作品に触れることができる。福島には個性的な美術館が多数ある。ルノワール、モネ、ゴーギャンなどの海外作品や幅広いジャンルの日本画、洋画がそろう「福島県立美術館」がオススメだ。ユニークさを求めるなら、数多くのグラフィックアートを所蔵している「現代グラフィックアートセンター」もいい。また、「諸橋(もろはし)近代美術館」には、一度見たら忘れることができない幻想的な作風が特徴のダリの作品を中心に、ピカソ、ローランサン、シャガールなど著名なアーティストの作品が数多く収蔵されている。北海道・東北だけを見ても、まだまだ魅力的な美術館が数多くある。各美術館のウェブサイトでは、所蔵している作品の一例を見ることができる。サイト上で心の琴線に触れる作品を発見したら、迷わずその美術館に行ってみよう。印象に残る作品に出合えたら、今度はその作者の他の作品、あるいは画風を追っていけば、知らず知らずのうちに芸術への世界が広がっていくはず。そうしたら、次は別の作者の作品へどうぞ。そう、芸術作品というものは、マイペースで楽しむ内に自然と自分の世界を広げてくれるものである。また、住んでいる地域にある美術館に訪れるだけでなく、旅先で出合った美術館に立ち寄ってみることもオススメだ。その土地についてより深く理解することができる。まずは、北海道・東北の美術館を巡る旅からはじめてみてはいかがだろうか。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年09月06日