日本の映画黄金期より、第一線で活躍を続けてきた女優・岸惠子。パリ生活を綴ったエッセイや中東へのハードなルポ、近年では小説『わりなき恋』のヒットで作家としても知られる岸が、秘蔵写真と共にトークを繰り広げるのが本作だ。1932年に横浜で生まれた岸は、映画『君の名は』の真知子役で国民的スターとなりながらも、その進取の気性としなやかな感性によって、自らの人生を選び取ってきた。8月9日、全国ツアーの幕開けとなった東京・なかのZERO大ホールに足を運んだ。岸惠子スペシャルトークショー~夢のあとさき~ チケット情報スクリーンに懐かしい写真が次々と映し出され、岸のナレーションが重なってトークショーがスタート。ほどなくして登場した岸は、「50年前にあつらえた」というゴールドのドレスで登場。“スター岸惠子”の変わらぬあでやかさに、満員の客席からはため息が漏れる。第1部は、岸が12歳の時に被災した横浜大空襲の話から。「この日、自分の意思で動くという意味で“大人”になったのだと思います」というエピソードが、聞く者の胸に迫る。続いて、出演作の中でも岸が大好きだという映画『雪国』(豊田四郎監督、1957年)と、『おとうと』(市川崑監督、1960年)の紹介と、監督や共演者との逸話を。それぞれ「(役作りに)苦労したから好きなんです」というのがいかにも気骨のある岸らしく、当時の映画界の裏話も興味深い。一方、当時のハリウッドで行われたという岸のお披露目パーティーには、ウィリアム・ホールデンやジョン・ウェインなど名だたる映画スターが登場。ケーリー・グラントの名前をゲイリー・クーパーと間違えるなど、岸自身が「そそっかしいの」と認めるエピソードには、客席からも笑いが起こった。休憩を挟んだ第2部では、鮮やかな赤いジャケットに衣装替え、トークは作家・岸惠子の本懐へと触れてゆく。「たくましさの中のお茶目なユーモアが素晴らしいと思った」というユダヤ人の友人との話。1980年代に、すんでのところで暗殺事件に遭遇しそうになり、「イスラムってなんだろう」と思うようになったという話。どれも過去の出来事ではなく、現在の世界と日本につながっていると語る岸の姿が印象的だ。初日の前に行われた囲み会見では、「来てくださった方に“こんな人生もあるんだ”と思っていただければ」と話していた岸。ちょうど初日直後の8月11日に85歳の誕生日を迎えるとあって、変わらぬ美しさとバイタリティについて問われると、岸は「元気に見えるとしたら“苦労が多いこと”ね。いろんな“事件”に対処するため、普通の優しいおばあさんにはなれないのかもしれません」と笑顔で語った。過去を振り返るだけでなく、そこから未来への眼差しも感じられた本作。公演地によって内容も変わるというから、今後の上演も楽しみに待ちたい。「岸惠子スペシャルトークショー~夢のあとさき~」は8月から11月まで日本全国全19会場にて開催。チケット発売中。取材・文佐藤さくら
2017年08月21日日本を代表する女優であり、また、作家としても多くのエッセイや小説を発表している岸惠子。昨年と一昨年は、小説『わりなき恋』を自ら脚色した朗読劇であでやかな姿を見せつけた彼女が、2017年は『スペシャルトークショー夢のあとさき』と題したツアーで全国を回る。公演では貴重な秘蔵写真とエピソードトークで改めて岸の半生が語られるほか、未来へ向けた彼女自身の想いも発信してゆく予定だ。内容について、岸に聞いた。岸惠子 スペシャルトークショー チケット情報映画『君の名は』(1953年)で国民的な女優となった岸は、1956年の日仏合作映画への出演がきっかけで、映画監督イヴ・シァンピと結婚、24歳で渡仏する。その後は離婚を経験しながらも、小津安二郎や市川崑ら名匠の映画に出演を重ね、1980年代に入るとパリの日常を綴った『巴里の空はあかね雲』、中東と南アフリカでの取材経験をもとにした『ベラルーシの林檎』など作家としても活動を開始。2013年には69歳のドキュメンタリー作家の女性と、大企業に勤める58歳の男性との関係を描いた『わりなき恋』を発表、大きな話題を集めた。「どういう内容にしようかと考え始めたら、今このトークショーをやっておくことは、確かに意味のあることかもしれないと思いました」と岸。「横浜大空襲を経験したのは12歳なんですが、家の周りが焦土と化したあのにおいは、今でも鮮明に記憶に残っているほど。そんな具体的なお話も含めて、戦争を知らない世代に伝えられることがあるかもしれないということがひとつ。それに映画の現場での思い出はもちろん、渡仏生活やイスラエルでの取材など、この世代の日本人としては珍しい経験を積んできたという気持ちもあります。私もウソの“芸能ニュース”には苦労しましたし(笑)、そろそろ自分のことを自分の言葉でお伝えするのもいいかなと思って」と岸は話す。一方で、日本人とヨーロッパ人との文化的差異も、常に岸の心を占めてきたテーマだ。「日本人って、人がいいんです。繊細で優しいということなんですけど、ヨーロッパ人から見れば、外交や政治に関して“どうしてそうなるの”と思うこともしばしば」と岸は言う。「ただその性質は私の中にもあるもので、今の“岸惠子”はパリで鍛えられたからこそ出来上がったもの。困難や苦労もいろいろありますが、どうせなら単なる苦労話にはしたくないですね。トークショーでは面白おかしくお話しするつもりですので、気軽に楽しんでいただければ」と話す岸。シリアスな話題も軽やかな筆致で読者を魅了するのが岸の著書の魅力。今回も同様に、お楽しみが満載のステージとなりそうだ。8月9日(水)東京・なかのZERO 大ホール公演を皮切りに全国を巡演。取材・文佐藤さくら
2017年05月24日昨年、好評を博した岸惠子の一人芝居『わりなき恋』が、9月に再演される。【チケット情報はこちら】本作は、3年前に発表しベストセラーとなった同名恋愛小説を、著者である岸みずからが脚本、朗読、さらには衣裳も手掛け、舞台化した意欲作。海外で活躍するドキュメンタリー作家・笙子(69歳)が、パリに向かう機内で大手企業に勤める兼太(58歳)と隣り合ったことをきっかけに惹かれ合い、「最後の恋」を自覚しながらも逢瀬を重ねていく、というストーリーを、岸の朗読で届ける。今回の再演について岸に話を聞いた。「やってよかったと思っています。自分で書いて自分でやるんですから、想いも特別ですし」と初演を振り返る岸。「舞台でやってみないかという提案に、最初はとてもダメだと思ったんです。私、舞台慣れしてないから。舞台は3回しか経験がなかったので。でも、4年かけて思う存分書いた作品ですから、やってみようかって。舞台は、座って読んだらみんな退屈しちゃうと思って立って、衣裳も6回変えて、シナリオも十数回書き直してうんと凝縮して出来上がったものです。だから、1回だけで終わってしまうのがちょっと惜しいなと、再び上演することにしました。新しい発見があるといいなと思います」84歳を迎えた今、恋の話を届ける理由を聞いてみると「私は高齢者をみじめに扱わないでほしい、モノのように扱わないでほしいんです。その極端な例として、高齢者にも恋はあるよ、ということを(小説で)書いてみたかったんですね。それが一番手っ取り早かった。人生の終わりに虹が立つような、それは消えるものではあるけれども、一瞬の輝きがあってもいいんだよということを絶対に書きたかったんです」初演に続き、衣裳も自身が手掛ける。「この長い物語でみなさんが退屈しちゃうといけないから、せめて衣装でちゃんと見せようと思って。それで6回も(衣裳を変えて)、大変でしたけど(笑)。衣裳というのはまるごとその人があらわれるでしょう?なので凝りました」「主人公は私自身の性格そのものかもしれません」と話す岸。そんな主人公の美しい恋を描いた渾身の作品を、本人の身体を通して表現される贅沢な約1時間30分だ。原作未読でも十分に楽しめる作品。成熟した男女の“最後の恋”をぜひ体感してほしい。公演は9月24日(土)神奈川・神奈川県立音楽堂(木のホール)、28日(水)東京・新宿文化センター大ホール、10月1日(土)埼玉・さいたま市民会館おおみや大ホール、4日(火)兵庫・兵庫県立芸術文化センター阪急中ホール、8日(土)千葉・千葉市民会館大ホール、12日(水)東京・町田市民ホールにて上演。取材・文:中川實穗
2016年08月15日先月より公開されている、門脇麦単独初主演作『二重生活』。この度、7月12日に新宿ピカデリーにて、大ヒット御礼トークイベントが行われ、門脇さんと岸善幸監督が登壇した。大学院の哲学科に通う珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まった――。キャストには、見ず知らずの他人を尾行し、いつしか禁断の行為にはまっていくヒロイン・珠役の門脇さんを始め、長谷川博己、菅田将暉、リリー・フランキーなど、豪華俳優陣が競演。いままでの日本映画にはない、新感覚の心理エンターテイメント映画となっている。この日のトークイベントには、主演の門脇さんと岸監督が登壇。監督はSNSなどで多数の感想が寄せられているのを見ているようで、「褒められると嬉しい、そして厳しい評価も真摯に受け止めて、励みにしていかないといけないと思いました。いずれの意見も、自分の糧にして進まねばという思いです」と謙虚な姿勢で御礼を述べていた。一方、門脇さんは両親と3人で劇場に観に行ったそうで、「お客さんもみんな集中してスクリーンに映る珠の尾行を目で追っていて、なんだか幸せでした」と語った。イベントの後半では、観客からのティーチインが行われ、様々な質問が飛び交っていた。「あまりにも演技が自然で、居酒屋でだんだんと酔っ払っているシーンなんて本当に酔っているのかと思いました」という感想に門脇さんは、「あれたしか朝の8時頃だったんですよね」と笑って解答。監督も「10テイク、カメラの動きなんかも調整すると13テイクくらい撮ったシーンだね」と撮影での様子も明かした。さらに、「尾行している感覚で見られておもしろい」という口コミについては、「視線を大切に作った映画です。麦ちゃんが観ている視線と、映画の情報を伝える、いわば説明のような視線。この2つの視線を1セットとして撮り進めました。同じ芝居、同じ動きを麦ちゃん以外のキャストにも記憶して何度も演じてもらって」と監督が撮影方法を語る。また、共演の長谷川さんなどから、岸監督はサディストだと言われたそうで、門脇さんは「人当たりがいいのに、ニコニコしつつ腹黒いところもちゃんとある。毒舌ですしね(笑)サディステックというか、1シーン1カットこだわりと愛情を持って撮っているのに、それを編集でばっさりカットする精神がすごい!」と監督についてコメントした。「尾行シーンでの役作りの苦労は?」という問いには、「ジッと見ていればいいので、楽しいんですよ」と話すも、「卓也との生活は初日と、その次の日の2日くらいで撮ったんですけど、自分の役が嫌な女にしか見えなくてもやもやして。でも、監督と何か明確な言葉で共有してしまうと逆に枠のようなものにはまってしまうようでそれも嫌で。1カット終わったあとの『OK』という言葉と、1日撮影が終わったあとの『大丈夫でした?』『うん、大丈夫』という確認の一言で、だんだんと役を理解して、積み上げていった感じです」と語り、言葉では共有しない信頼関係を築き上げていったようだ。『二重生活』は新宿ピカデリーほか全国にて公開中。(cinemacafe.net)
2016年07月13日グラビアアイドルの岸明日香が5日、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD『ADあすぽん』(発売中 4,104円税込 発売元:ワニブックス)の発売記念イベントを行った。2012年にグラドルとしてデビュー以降、Gカップバストとグラマラスボディーで人気を博している岸明日香。最近は映画やドラマ、バラエティー番組などに出演するなど、グラビア以外での活躍も目立つ。そんな彼女の通算14枚目となる同DVDは、今年3月にバリで撮影。ADに扮した岸が、視聴者を見立てたプロデューサーと禁断の恋をするというドラマ仕立てで、Gカップバストとグラマラスボディーを惜しげもなく披露している。事務所の後輩に当る橘凛花の水着を着用して会場に登場した岸は「今回は私がADさんになり、小芝居が盛り込まれながらいつもとは違う楽しみがあると思います」と最新作を紹介。具体的な衣装を「超ホットパンツにTシャツ姿で"パイスラ"をしたりしてADさんぽく頑張っています。それにネグリジェとか背中がガッツリ開いたワンピースドレス、リアルパジャマも着ました」と挙げながら、ポロリなどのハプニングは「それは毎度あります(笑)。私は気づかないタイプで、いつもスタイリストさんとかが注意してくれます(笑)」と巨乳ならではの悩みも明かした。プロデューサーと禁断の恋に落ちるという内容にちなみ、「リアルなテレビ関係者とは?」という報道陣の問いに「リアルでは全然ないです。何で口説かれないんやろ? と疑問ですよ」と不満顔。昨年には、お笑いコンビ・ロッチのコカドケンタロウとお泊りデートが報じられたが、「相当前なのでよく分かんなくなっています(笑)」と上手く流しながら「新しいアモーレは現れてないですよ(笑)」と独り身を強調していた。岸明日香(きし あすか)1991年4月11日生まれ。大阪府出身。B型。身長158cm。スリーサイズはB90・W58・H88。2012年3月発売の『週刊プレイボーイ』の撮り下ろしグラビアでグラビアアイドルとしてデビュー。同年4月リリースの1stDVD『恋ゆらら』で注目を集め、ケータイYOUNG JUMPの『ぷるるんサバイバル2012 6月度』を勝ち抜いた。2013年4月にはグリコ乳業『ドロリッチ』のイメージガール"ドロリッチガール"の2代目に選ばれた。7月にはトレーディングカード第2弾が発売される。特技は歌、書道、えびぞり。趣味は人間観察、ジョギング、料理。
2016年06月11日門脇麦が単独初主演に挑む『二重生活』。監督には、本作で映画監督デビューとなった岸善幸が務めているが、そんな本作への出演を熱望した門脇さんらが監督へ熱い想いを語るメッセージが到着した。大学院の哲学科に通う珠(門脇麦)は、修士論文の準備を進めていた。担当の篠原教授(リリー・フランキー)は、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する“哲学的尾行”の実践を持ちかける。同棲中の彼(菅田将暉)にも相談できず、尾行に対して迷いを感じる珠は、ある日、資料を探しに立ち寄った書店で、マンションの隣の一軒家に美しい妻と娘とともに住む石坂(長谷川博己)の姿を目にする。作家のサイン会に立ち会っている編集者の石坂がその場を去ると、後を追うように店を出る珠。こうして珠の「尾行する日々」が始まった――。本作は、NHK「ラジオ」(文化庁・芸術祭大賞受賞、国際エミー賞にノミネート)など、大きの記憶に残るドラマを手掛けた映像作家・岸氏が直木賞作家・小池真理子の同名小説に大胆脚色を施し、映画化に挑んだ。キャストには、見ず知らずの他人を尾行しいつしか禁断の行為にはまっていくヒロイン・珠役の門脇さんをはじめ、尾行される男に長谷川博己、珠の恋人・卓也役に菅田将暉、 尾行を勧める謎多き教授にリリー・フランキーなど、多彩なキャストが揃い、「尾行を哲学する」新しい心理エンターテインメントを創り出している。国内外で多くの受賞歴を持ち、俳優からの信頼も厚い岸監督。そんな彼の作品とあって、本作の出演を熱望した上記4人のキャストは、岸監督についてこう語る。主演の門脇さんは、これまでの岸氏の作品を見ていつか一緒に仕事がしたいと思っていたそうで「岸監督の素晴らしいところは、優しさの中にきっちりと残酷さがあるところだと思います」と絶賛。また長谷川さんも「静かなサディストです(笑)」と話すも、「作家としてとても懐が深く、ご自身が書かれた脚本に手を加えることを厭わず、役者の意見にもしっかり耳を傾けてくださいました」と撮影を振り返った。「監督の中には悪魔が宿っています」と語る菅田さんは、「モテると思います。かっこいいなと思いました。声もいいですし、皆が監督のことを好きになるんです。女優さんだったらやばいかもしれない」と、男性の目からも魅力的な存在に映るようだ。一方のリリーさんは、「撮影中、岸さんは頭の中にあるものを映像化しようと、試行錯誤しながら撮っていたと思います。街中で撮っていても、ミニマムなダイナミズムがありますよね」と語り、「人間の視点の画角で撮られている映画になっていました。密度がすごくて、ありそうでない日本映画だと思います」と、まるで尾行しているかのような臨場感あふれるカメラワークに、さすがだと話した。役者の“生”の存在感を引き出す演出術で時代の空気を切り取る岸監督と、人気の俳優陣で贈る本作。ますます本作の公開が待ち遠しい。『二重生活』は6月25日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年04月28日今も未来も、自分らしく、美しく、健康でありたいと願う全ての女性に、そのためのメソッドを提案する「WOMAN’S BEAUTY FESTIBAL」が伊勢丹新宿店のビューティアポセカリーで3月21日に行われる。当イベントを共催するNPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事の岸紅子さんに、内からも外からも、凛として美しい女性であるためのメソッドを聞いた。■ホリスティックビューティとは、心と身体のセルフマネジメント「ホリスティック」とは、全体の・包括的なという意味を持つ。大学時代に祖父母の闘病生活から、ホリスティック医療と出合った岸さん。ホリスティック医療は、体と精神は一体であり、体のどこか一部ではなく全体を見るという考えからきている。その治療の多くは自然治癒力を高める自然療法で、アロマやリフレ、生薬や漢方、ハーブなどその土地にある自然にあるものを生かしながら、体の免疫力や自然治癒力を高めましょうという治療法だ。当時、女性誌の読者モデルをやっていた岸さん。「美しさは外側だけじゃなく、中から生み出されるもの」という思いがホリスティックと結びつき「心と体のバランスを保ち、体が本来持つ自然治癒力を機能させながら内側から美しさをつくりだそう」というホリスティックビューティにたどり着いたという。大学の卒論のテーマもずばり「ホリスティックビューティ」だったというから驚きだ。現在も早寝早起き、食べるものにも気を使い、薬にはなるべく頼らないという“ホリスティックな生活”を実践する岸さんだが、2006年にNPO法人日本ホリスティックビューティ協会を立ち上げるまでには一つの転機があった。■多忙で倒れた20代。一度リセットして身体や心と向き合うことに大学卒業後、美容関連のマーケティング会社を起業した岸さんは仕事にのめりこんでいったという。「すごく忙しくて、会社の経営をやりながらメディアで連載を持ったり、化粧品の開発コンセプトに携わったり、本当に頑張ったんですよ。でも倒れたんです。20代後半から30代前半まで、ストレス性の喘息と子宮内膜症に相次いでかかってしまいました。ステロイドの吸入剤やホルモン剤など薬漬けになって、結婚はしたけれど子供は無理っていわれてしまいました。目指していたホリスティックからは程遠い生活。あの卒論は何だったの!?って(笑)。このままでは死んでしまうと思い、いったんリセットして体や心を見直すところから元に戻そう、素になろうって」。そこから朝型の生活をし、きちんとした食事をとることで心にも体にも健康が戻り、無理だといわれた妊娠・出産もできた。「心や体の声を無視しないことが大切。ちょっと呼吸が浅いな、苦しいなと感じたら大きく深呼吸してみるとか、ちょこちょこしたメンテナンスをして大きな歪みにしないこと。私が経験したストレス性、女性ホルモン系の病気って普通に暮らしていても、どの女性にも起こりうることなんです」■実は、おばあちゃんからもらっている私たちの体「実は私たちの体って半分はおばあちゃんからもらっているんですよ。母親が胎児の時に、すでに私たちの元となる“原始卵胞”が作られているのです。だから、おばあちゃんのプログラムで作られた体は、現代の生活にびっくりしている。添加物だらけのものを食べたり、電磁波にさらされたり、仕事でイライラしたり、子供を生まないから卵巣がお休みする期間もなかったりするということに体がついていけてないんですね。そういう、自分の体のことをよく知らないで過ごしてしまい、後で後悔する女性がいるのはとても不幸なことで、プライベートのためにも、長く仕事を続けるためにもメンテナンスは大事だよ、と早く教えてあげたいんです」■健康的な美しさを保つ秘訣とは健康な美しさを保つ岸さんの美の秘訣を聞いたところ、毎日の生活は普通の人と同じだという。「ちょっとしたことに気をつけることかな。今日は食べ過ぎたなと思ったら、座って話している時も腹筋を締めておく。電車に乗っても爪先立ちとか、椅子やソファに座っても背もたれに身を預けないで背筋を伸ばして座るとか。小さいことでいい、無理はしないことです」。それから、口に入れるものや肌につけるものには気を使っており、「オーガニックから自然を感じることは都会の生活でとても大切なこと」だという。「オーガニックなもの、ナチュラルなものを常に生活の傍らに置いておくことを意識してほしいですね。人間も動物だから、自然と切り離された状態は大きなストレスになってしまうんです。植物でも、アロマ精油でもいいし、オーガニックシャンプーを使うとかドライフルーツを食べるのでも、何でもいいから植物や自然の恵みを身近にしておくことが大事なんです」21日のイベントではMCを務める岸さん。オーガニックを取り入れたナチュラルな生活についてのヒントや提案を、ゲストとのトークの中で行っていければと抱負を語る。「自分自身をケアしたり、自分を磨くための知識を得たり。いつもは忙しい女性の皆さんがこの日は自分のために時間を使う、そんなイベントになればと思います」【イベント詳細】「ビューティアポセカリー WOMAN'S BEAUTY FESTIVAL」開催日:2016年3月21日(月・振替休日)開催時間:11時30分~20時会場:伊勢丹新宿店本館地下2階=ビューティアポセカリー・パーク/プロモーション・7階=バンケットルーム【Profile】岸 紅子(きし べにこ)NPO法人日本ホリスティックビューティ協会代表理事。大学時代にホリスティック医療と出合い多くの代替療法を研究。起業を経て自身の闘病経験からホリスティック生活に立ち返る。2006年NPO法人日本ホリスティックビューティ協会を設立。2010年「ホリスティックビューティ検定」開始。国内外で検定やセミナーを通じて自然治癒力の高め方やセルフケアを伝えるほか、雑誌やWEB・新聞・テレビ・ラジオなど多彩なメディアで活躍中。ここ数年、腸内環境を整える発酵食を「菌活」として推進しブームとなる。自らも麹菌、乳酸菌、酵母菌などを培養し様々な発酵食品を手作りしている。
2016年03月18日岸恵子が、朗読劇に挑戦している。朗読するのは、2年前、自身が上梓した小説『わりなき恋』。人生の終盤に差し掛かった女と男がどうしようもなく落ちてしまった恋の物語は、自身の姿と声で、どのように立ち上がるのか。脚色と衣装も務めて臨んだその舞台の初日、明治座での公演に足を運んだ。岸惠子朗読劇『わりなき恋』 チケット情報駅の雑踏音のなか、小説冒頭のシーンを読む声に合わせて岸恵子が登場し、舞台の真ん中に立った。そのまま朗読の世界に入るのかと思いきや、「みなさまようこそ」と客席に声をかける。ファンにとって嬉しく心憎い演出である。と同時に、「心を開いてお聞きくださいませ」という言葉に、上品な恥じらいも感じさせる。何しろ、朗読とはいえ、自分が生み出した人物たちを演じるのである。面映ゆさがあるのは当然だろう。しかしながら、一度作品世界に入ると、岸の女優魂は一気にスパークした。主人公は、国際的に活躍するドキュメンタリー作家の伊奈笙子、69歳。パリ行きのファーストクラスで隣り合った58歳の男・九鬼の間に生まれた道ならぬ恋に、心が揺らぎはじめる。原作では、世界を駆けめぐる笙子の目線で世界情勢が語られたりもするが、劇化するにあたって岸は大幅にカット。笙子と九鬼の心情に焦点を絞った脚色が功を奏し、いくつになろうが恋とは苦しく切ないものなのだと訴えかけてくる。それでも恋に溺れることが見苦しくないのは、笙子が凛と自立しているからだ。そして、その生き方に説得力があるのは、笙子そのものにしか見えない岸が、その台詞を声にしてくれているからにほかならない。老いの性愛にまで踏み込んで今の高齢者の扱いに一石を投じた原作同様、舞台でも岸は、笙子に託した自らの思いをそのまま自由に、全身から放出する。ピアノ・バーのシーンに、音楽家の細井豊が奏でる生演奏が響くなど、音楽が印象的。そのときどきで笙子のいる場所をイメージした映像が映し出されるのも効果的だった。なかでも、人生の悲哀と愛しさにあふれたラストシーンは、舞台でしか味わえない余韻に浸れるだろう。また、上演後に行われる「岸恵子トークショー」もぜひ聞いてほしい。これまでの女優人生を振り返りながら語られる、この小説と朗読劇への思いを知ることで、今観た世界がより深く豊かになるのは間違いない。公演は7月に大阪、北海道、福岡の各地で上演。9月に上演する東京、神奈川、埼玉の各公演は6月20日(土)午前10時よりチケット一般発売開始。取材・文:大内弓子
2015年06月19日グラビアアイドルの岸明日香が、『PEACH JOHN Beauty』秋号で可憐な下着姿を披露。バスト90cmの“美胸”とグラマラスなボディで、純白のランジェリーを着こなしている。スクラブでマッサージケアしているというヒップも披露フリルがあしらわれた下着や大きなリボンがデザインされたものなど、かわいらしい下着姿で誌面に登場する岸は、女性が羨むほどの豊満なボディで大胆にポージング。同誌が「色気ボディの作り方」をテーマにしていることもあり、セクシーな表情で誌面を飾る。そのほかにも、美胸をキープする秘訣や、男心をくすぐる“つるすべボディ”を作る方法なども紹介している。同誌表紙にはタレントの紗栄子がカバーガールとして登場。思わず触れたくなるような柔肌のセクシーボディを披露している。
2014年08月20日