富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(富士通SSL)は9月15日、クラウド型Webセキュリティサービス「Blue Coatクラウドサービス」を販売開始すると発表した。同サービスは、「Global Intelligence Network (GIN)」を利用したURLフィルタリングをはじめ、アンチウイルスやWebアクセスレポートなど、Blue Coat Systemsが提供している機能をクラウド上で利用できるもの。同サービスは、PCに加えてタブレット端末やスマートフォンにも対応しており、日本を含め全世界30カ所以上に展開するアクセスポイントを利用することで社内外問わずすべての拠点で統一ポリシーのセキュリティを適用することを可能にする。Global Intelligence Networkは、日々10億件のWebアクセス要求を解析しインターネット上の脅威へのアクセス330万件を遮断する、50カ国以上の言語に対応したURLフィルタリングで、世界中の脅威情報をフィルタリングデータベースへ即座に反映し、ユーザーに提供することで、強固な標的型攻撃対策を実現する。また、インターネットへ接続する通信を同サービスのデータセンターへVPN接続することで、外出先でも社内と同様のセキュリティポリシーでWebアクセスをコントロール可能。そのほか、「Blue Coat Reporter」でWebアクセス証跡のレポートを出力し、同社のセキュリティ専門家がログ解析を行う「マネージド・セキュリティサービス(MSS)」を利用することで、インシデント発生時も早急な対応が可能となり、安全・安心なWebアクセス環境を実現する。同サービスの価格は、ユーザー数1~99の場合、1ユーザー当たり年額8400円、ユーザー数100~249の場合、1ユーザー当たり年額6300円、ユーザー数250~499の場合、1ユーザー当たり年額5500円となっている(いずれも税別)。
2015年09月16日JBCCは9月11日、運用付きクラウドサービスである「俺のクラウドベースサービス」のラインナップにIBMのIaaS型クラウドサービスの「SoftLayer」に対応した「俺のクラウドSoftLayerベースサービス」を追加し、提供開始したと発表した。価格は1CPU、メモリ2GB、HDD 100GBで月額2万2000円(税別)~。同サービスは、SoftLayerのクラウド基盤に同社の運用をセットにしたクラウドサービス。俺のクラウドベースサービスのラインナップとして追加し、利用業務や目的に応じた最適なクラウド環境を提供することが可能となった。同社はクラウドの利用に必要な手続きをはじめ、設計から、構築、運用までクラウド運用監視センターCLIC(Cloud Innovation Center)でトータルにサポートする。近年、事業やビジネスの変化に合わせて必要な時に必要なITリソースを利用できるクラウドは多くの企業で活用されている。企業のIT資産のクラウドへの移行は進み、安定した事業継続のためにクラウドを活用してシステムの災害対策を強化する運用も増加しているという。さらに、クラウドの利用範囲の拡がりに伴い、初期設定作業をはじめ、日常的に発生するサーバー監視やデータバックアップ、設定変更、ヘルプデスクなどの運用業務をアウトソーシングしたいというニーズも高まっている。同社は俺のクラウドベースサービスのメニューを拡充し、2016年度までに2000社へのクラウドサービスの提供を目指す。
2015年09月11日GMOクラウドは9月9日、パブリッククラウド「ALTUS Basicシリーズ」の管理画面に新機能を追加したと発表した。これにより、パブリッククラウドでのセキュリティの設定を、より簡単に管理することが可能となった。追加した機能は、・セキュリティグループ作成・セキュリティグループポリシー削除・セキュリティグループポリシーおすすめ設定・ディスクスナップショット取得・削除の4つ。なお同社には14日間無料でクラウド利用できるサービスも用意されているので、操作性やレスポンス、サポート品質などをまずは試したいというユーザこちらを利用するといいだろう。また同社は、9月15日にクラウド初級者向けに「無料ハンズオン」開催する。
2015年09月09日○パブリッククラウドからプライベートクラウドに開発環境を移行ネットワークの仮想化ソフトウェアを主軸にグローバルでビジネスを展開するミドクラジャパン(以下、ミドクラ)。2010年に日本で創立された同社は現在、東京、米・サンフランシスコ、スペイン・バルセロナに拠点を構える。そんなミドクラの成長を支えているのが、同社が提供する、ネットワークの仮想化によりOpenStackの活用を加速するソリューション「MidoNet」だ。MidoNetは、完全に仮想化されたL2-L4ネットワークサービスであり、従来のように仮想マシンでネットワーク機器をエミュレーションするのではなく、ネットワークのトポロジー自体をエミュレーションすることが可能。これにより企業は、高度な管理化システムやフレキシビリティを持ちながら仮想ネットワークを構築・運営・管理することができるのである。なお、MidoNetは2014年11月からオープンソースとなり、だれでも気軽に試せる状態になっている。ミドクラはMidoNetに運用ツールやサポートを加えたMidokura Enterprise MidoNet(MEM)を提供しているまた、高速なスループットを実現するとともに、ネットワークのフェールオーバーなどの耐障害性も飛躍的に向上する。これらの特徴が評価され、既に日本、米国、欧州の企業を中心に豊富な導入実績を誇っている。そしてミドクラ自身もまた、OpenStack(レッドハットの「Red Hat Enterprise Linux OpenStack Platform」)とMidoNetを組み合わせたプライベートクラウド「MidoCloud」を構築し、開発・テスト環境に活用している。MidoCloudは都内にある約30の物理サーバ上で稼働しており、東京だけでなくバルセロナ、サンフランシスコの開発者もアクセス。開発環境、テスト環境、そしてリリース前の最終チェックと、フル稼働の状態だ。MidoCloudにより同社は、ITインフラの柔軟性と運用性を大幅に向上することに成功し、ビジネスの加速に貢献しているのである。○"パブリッククラウドの限界"を乗り越えるために同社はMidoCloudを構築する以前、開発環境にAWS(Amazon Web Service)を活用していた。しかしながらビジネスの成長とともに、個々の顧客に求められるさまざまな要件を取り込み、1000以上の仮想サーバが常時稼働する高度な環境を構築する必要性が高まっていった。また、エンジニアの人数が増えたことから、全員がパブリッククラウドを使用すると思いのほかコストが高くつくようにもなっていた。さらに、パブリッククラウドが有する国内リージョンのリソースが足りなくなると、米西海岸のリージョンへとリソースが移行されるようなこともあり、遅延の発生に対して開発陣から改善の声も上がっていた。そうしたことから、パブリッククラウドに限界を感じた同社では、開発環境をプライベートクラウドへと移行することとなったのである。Director of Businee,APJの松尾茜氏は、「私達がMidoNetをつくっていることもあり、OpenStackとMidoNetを組み合わせてプライベートクラウドを構築するという選択に迷いはありませんでした」と振り返る。MidoNetは多様な環境に対応していることから、MidoCloudのハードウェアにはさまざまなベンダーのものが採用された。例えば、高い信頼性が求められるシステムの核心部にはデルの物理サーバを、信頼性をさほど求められない部分には他のベンダーの廉価なサーバを、といった具合である。「お客さまの立場に立ってプライベートクラウドを使っていきたいという思いもありますので、いろいろなハードウェア環境を実験する場としても活用しています。このようなことは、パブリッククラウドでは到底できませんでしたので、大きなメリットだと感じています」(松尾氏)○頻繁なOpenStackのバージョンアップにもノントラブルで対応導入以来、数度にわたりOpenStackのバージョンアップが行われたが、その際もMidoCloudはダウンすることはなかったという。リリース開始からこれまで1年以上、安定した稼働を続けているのである。「OpenStackは開発の動きが速いためバージョンアップが頻繁にあることから、対応が難しいとも言われています。しかいs、ノウハウさえあればバージョンアップにきちんと対応できます。その例として、MidoCloudをお客さまに紹介することも多いですね。その結果、安心してもらえるのも、MidoCloudの運用効果の1つでしょう」と松尾氏。現在、MidoCloudでは1000以上の仮想マシンが常時稼働しているが、それだけのリソースがあってもフルに使われている状況だという。OpenStackに関するハンズオントレーニングのために、20ほどの環境を用意して同時に利用してもらったり、とりあえずOpenStackを試用してみたいという顧客のためにアカウントを1つ提供したりと、さまざまなケースがあるようだ。松尾氏は言う。「今のところ、OpenStackを試しに使ってみて、何ができるのかを知りたいというお客さまが国内では多いです。あと、OpenStackは知っていてもMidoNetは知らないというお客さまも一部でいますので、そうした方々に気軽に体験してもらい、どのようなものかを理解していただけることができるようになりました」ミドクラの社内にも、MidoCloudを運用することでクラウド環境のインフラに関するノウハウが蓄積されつつある。「パブリッククラウドの場合、トラブルの原因がインフラにあったとしたらユーザー側では何もできず、サービス事業者側にすべて任せるしかありません。しかしプライベートクラウドであれば、どこにどんな問題があるのかを学ぶことができるので、そうしたノウハウをベースにお客さまにアドバイスもしやすくなりました。お客さま側で発生したトラブルをMidoCloudで再現してフィードバックするといったこともできるので、ビジネス面でもメリットがあります」(松尾氏)プライベートクラウドの構築・運用を通じて、自社のサービス改善にも役立てている点こそが、ミドクラの取り組みの最大の特徴と言えるかもしれない。
2015年09月03日KDDIは8月31日、法人顧客向けクラウド基盤「KDDI クラウドプラットフォームサービス」の新機能として「オブジェクトストレージ」の提供を9月7日に開始すると発表した。分散ストレージ技術(Erasure Coding)を使うことで、データ容量を無制限に拡張できたという。また、データを国内データセンター3ヶ所に分散して保存するため、サーバの障害やデータセンター被災などの障害が発生した場合でもデータを復元できる。そのため堅牢性は99.999999999999%(14ナイン)を達成できたという。また、データを暗号化して保存することで、ハイレベルなセキュリティ環境を実現している。ほかに、Amazon S3と互換可能なAPIを利用しており、既存のサードパーティ製アプリケーションの利用やバケットやオブジェクトに対する各種操作も可能となっている。標準でイントラ回線との接続を提供するため、閉域環境での利用が可能。安全にデータ転送ができ、従来自社で管理していたデータを安心して預けて、管理・運用コストを削減する。利用料金は、一般的なクラウドサービスでは必要となるイントラネット回線との接続料金や、データ転送料金と初期費用は無料で、月額ストレージ利用料8000円/1TB(税別)での提供となる。9月7日より受付と提供を開始するが、同機能を契約のうえ、キャンペーンに申し込んだ先着50社に、バックアップソフトウェア「CloudBerry Backup/Server Backupエディション」1ライセンスを無償提供するキャンペーンを行う。
2015年09月01日GMOクラウドは8月31日、パブリッククラウド「ALTUS Isolateシリーズ」を利用する企業向けのオプションとして、同一のネットワーク環境から、複数のアカウントで同時にセキュアな通信を行える「リモートアクセスVPN -Plus-」の提供を開始した。本オプションを利用することで、自宅や外出先、支店など、インターネット環境があれば、どこからでもセキュアに通信することが可能となる。同社のパブリッククラウドでは、標準機能として「リモートアクセスVPN」を提供しているが、本オプションを利用することで、同じ環境から複数アカウントでのVPN通信が可能となり、業務の効率化をより高めることが可能で、社内の業務システムやファイルサーバー上のデータをクラウド環境で利用したい場合や、同じネットワークから複数アカウントでセキュアに通信を行いたいといった企業は是非活用したい機能だ。価格は、構築費と10クライアントまでで、初期費用13,000円(税別)、月額1,450円(税別)。
2015年08月31日マネーフォワードは28日、法人向けクラウド型給与計算ソフト「MFクラウド給与」のスピンオフサービスとして、完全無料のWeb給与明細サービス「MFクラウド給与明細」の提供を開始した。○ペーパーレス化とコスト削減を推進同社が実施したアンケート調査によると、給与明細の配布は「印刷して手渡し」の企業が6割で、Web給与明細の利用は13%にとどまっているという。同社は「MFクラウド給与明細」の全機能を無料で提供することで、企業の給与明細配布業務をペーパーレス化し、時間とコストを削減して利便性の向上を図るとしている。同サービスでは、給与明細の配布は給与データをCSVファイルでアップロードするだけで完了し、面倒な印刷から手渡しまでの作業を省くことができる。コスト面では、紙の給与明細の場合に発生していた、用紙代、印刷代、郵送費が全て不要になるほか、給与明細配布業務にかかる人件費も削減できる。保管については、従業員はWeb上でいつでも過去データを閲覧することが可能となるとともに、クラウドで情報を一元化するため、紛失した書類の再発行業務といった二度手間が発生しなくなる。また、パソコンに加え、スマートフォンに最適化された画面でも給与明細が確認できる。
2015年08月28日パナソニック ネットソリューションズは8月19日に、同社が提供する経費精算クラウドサービス「MajorFlow(メジャーフロー)クラウド」に「経費事前申請機能」を追加した。同社では、「経費精算を事前申請制にして、無駄な支出を減らしたい」というユーザーからの要望を受け、利用予定金額を事前に申請できるよう機能追加したという。今回の機能追加により、新しい帳票として「経費事前申請書」が利用可能となった。経費利用前に「経費事前申請書」で利用予定金額を申請~承認することで、経費利用後の精算書を承認する際に、事前申請の内容を確認できるようになった。また、経理担当者は「経費利用状況一覧」で実際に利用された経費の詳細情報を確認できる。これにより、経費利用状況のより正確な把握が可能となる。承認済みとなった「経費事前申請書」は、その内容を引き継いで「経費精算書」・「支払依頼書」を起票することもできる。また、事前に申請した利用予定金額を修正するための「経費変更申請書(仮)」も実装されている。サービス利用料金は、新機能実装後も価格に変更はなく、1ユーザーあたり月額350円(税別)となっている。
2015年08月19日GMOクラウドは、GMOクラウド ALTUS(アルタス)シリーズにおいて、セキュリティを強化するソリューションの販売を開始した。提供するのは、「攻撃を防ぐ」「脆弱性を診る」「ウイルスを駆除する」という3つの特長に合わせたセキュリティソリューション。「攻撃を防ぐ」では、SaaS型WAFサービス「Scutum(スキュータム)」とSaaS型IPS・WAFサービス「攻撃遮断くん」を提供。「Scutum」はエージェントのインストールが不要で、最短3日間で導入できる。一方「攻撃遮断くん」は、Webアプリケーション、Webサーバ、OSレイヤーまでの防御が可能で、最短2日間でエージェントをインストールするだけで導入できる。「脆弱性を診る」では、「ZETA Security Site Scan」、「SCT SECURE」、「セキュリティ診断」の3つの脆弱性診断を提供。「ZETA Security Site Scan」では、ネットワーク/OS(ポートスキャン、バックドア脆弱性の確認等)向けの「SiteScan2.0」、Webアプリケーション(SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング等)向けの「WebSiteScan」、ネットワーク/OS/Webアプリまで幅広く診断する「WebSiteScan Pro」の3タイプより選択可能。「SCT SECURE」では、既知の脆弱性約10,000項目、攻撃シナリオ5,000項目をチェック。追加のハードウェアやソフトウェアを導入する必要はなく、5営業日で開始可能。そして、「セキュリティ診断」では、自動ツールのみならず、セキュリティの専門家の「手」と「目」を介して、攻撃者の視点から様々な疑似攻撃を診断する。「ウイルスを駆除する」では、アンチウイルス 「F-Secure(エフセキュア)」を提供。Linux上で動作するウイルスだけでなく、Windowsのウイルスも検出できる。なお同社では、GMOクラウド ALTUSとセキュリティソリューションを同時に申し込むと抽選で、システム管理者の心と体を癒すグッズをプレゼントする『システム管理者感謝の日』夏のプレゼントキャンペーン実施中だ。
2015年08月17日GMOクラウドは8月4日、クラウド基盤のVPS(仮想専用サーバ)サービスである「GMOクラウドVPS」をリニューアルし、月額780円(税別)から利用可能なメモリ1GBのプランなどを提供開始した。同サービスは従来、メモリ容量は2GBからだったが、新たに「1GBプラン」を提供開始。月額780円(同)からの利用料金は、同社によると国内最安級という。1GBプランの開始により、同サービスのプランは全6種類となった。なお1GBプランでも、同サービスの特長という多数のOSテンプレートや、直感的な操作が可能なオリジナルのサーバ管理ツール「VPSコンソール」を標準搭載しているとのこと。また、今回のリニューアルを記念して、1GBプランの初期費用4,000円(同)を全額キャッシュバックするキャンペーンを、8月31日までの予定で開始した。新たに無料OSテンプレートとして、最新OSである「Cent OS7」を追加。同テンプレートには、サーバ管理ツールである「Plesk12」を利用可能な「CentOS 7.1 Plesk12 x64」も搭載したとのこと。申し込み時に選択したOSを同社でインストールして提供するため、ユーザーは手間を掛けずに運用を開始できるとしている。同サービスは、サービスの品質を保証するSLA(サービス品質保証制度)において99.99%を実現したという。従来の99.95%からさらに向上したことで、SLA対象外の時間が従来比で1/5となり、ユーザーがより安心してサービスを利用できるとのことだ。
2015年08月05日富士通システムズ・イーストは7月30日、最適なクラウドサービスの選定から設計・構築、運用までを一貫して支援するサービスとして「FUJITSU Cloud マルチクラウドインテグレーションサービス」の提供を開始すると発表した。同サービスは、「アセスメント基本サービス」「PoC支援サービス」「設計・構築サービス」「運用サービス」で構成されている。「アセスメント基本サービス」では、顧客のシステム化要件、業務内容、システム運用状況をもとに、最適なクラウド基盤とクラウドデザインテンプレートから、導入効果を可視化する。具体的には、要件のヒアリングに基づき、1~2週間程度で要件分析を行い、要件に最適にマッチするクラウドサービスを選択する。価格は30万円から。「PoC支援サービス」は、顧客のシステムの検証環境を用意し、クラウド基盤の方式設計を支援する。具体的には、顧客のシステムが動作するクラウド環境を用いて実機検証を行うことが可能であり、同社のテンプレートを適用することで、短期間で検証環境を立ち上げることができる。「設計・構築サービス」では、同社がこれまでインフラ基盤構築で培った豊富な実績をもとに、顧客の業務特性に合わせた詳細な設計を行う。価格は100万円から。「運用支援サービス」では、ITILなどのITサービスマネジメントの業界標準をベースに、24時間365日でシステム運用をサポートする。同社のクラウドサービスに加え、パートナーのクラウドサービスもサポート範囲としており、オンプレミス環境との連携などを含め、顧客のシステム運用を幅広く支援する。価格は、初期費用が60万円から、月額費用が15万円から。
2015年07月30日ソフトバンクは、コンタクトセンターに必要なシステムや機能をSaaS型で提供するクラウド型コンタクトセンターサービス「ホワイトクラウド コンタクトセンター」を7月30日から提供開始する。価格は、初期費用が3万円、月額費用が1回線当たり1万円となっている(いずれも税別)。同サービスは、ACD(自動着信呼分配装置)やPBX(通話制御機能)、通話録音などの各種コールセンター機能一式を必要な時期に必要な分だけ提供するクラウド型のサービス。同サービスは大規模・高コストな従来の企業向けコールセンターサービスとは異なり、社内ヘルプデスクなどの10~50席程度の小規模コールセンターの運営や、電話での取り次ぎ業務が多い企業内部門の業務の効率化・見える化の実現に適している。IVR(自動音声応答)や通話録音、ルーティングなどの基本機能やレポート機能に加えて、初期設定・変更・回線の増減などの各種設定は専用の管理ポータルで簡単に管理・編集できるので、コンタクトセンターの導入や運用経験のない部門の人でも容易に利用できる。発着信の回線数ごとに契約でき、契約回線数の増減変更は1カ月単位で可能(最低契約回線数は10回線<チャンネル>から)。そのため、業務の繁閑状況に応じて、自社の環境に合った最適なモデルを最小限のコストで利用できる。固定電話網と閉域網を組み合わせたシステム環境で提供するため、IP電話に比べて音声品質が良く、セキュリティのレベルも高いという。そのほか、各種CRMサービスと連携することにより、着信した電話番号からCRMサービスの情報検索・表示ができるので、よりスムーズな顧客対応を可能にする。
2015年07月30日KDDIは、同社が提供する法人向けクラウド基盤サービス「KDDI クラウドプラットフォームサービス」(KCPS) において、ユーザー企業向けカスタマー・コントローラである「Admin Console」を機能拡充し、システム構成図の自動作成によりシステム構成の可視化を実現する「フォーメーション機能」を、8月8日に提供開始する。また、KCPSのオプションとして提供している拡張ロード・バランサを拡充し、A10ネットワークスの「vThunder ADC」を月額課金モデルで7月30日から提供する。KDDIによると、月額課金での提供は国内クラウド事業者では初とのこと。フォーメーション機能は、ユーザー企業がKCPS上に構築した仮想サーバのシステム構成図をリアルタイムで自動生成し、可視化を実現するもの。さらに、「KDDI Business ID」を持つユーザー間での共有や、ファイル出力によるKDDI Business IDを持たないユーザーとの共有も可能という。従来、システム構成図はシステム運用者が描画ソフトで作成していたが、クラウドの利用によりシステム構築・構成変更が頻繁に行われるようになった結果、作業負荷が高まっていたとのこと。同機能によりシステム運用者は、システム構成図を自ら作成する必要が無くなり、社内外の関係者の間で常に最新のシステム構成図を共有できるようになるという。また、ユーザー企業は運用負荷を下げながらクラウドの即時性のメリットを享受可能になるとしている。なお、同機能は追加料金無しで利用可能。拡張ロード・バランサの拡充では、vThunder ADCの月額課金モデルの提供開始により、従来ユーザー企業が利用していたレイヤ7ロード・バランシングやSSLオフロードに加えて、広域負荷分散 (GSLB) やDDoS防御機能も利用可能になるという。月額料金は、「300Mbpsベストエフォート」が6万8,000円、「1Gbpsベストエフォート」が9万5,000円。いずれも初期費用は無料。
2015年07月30日USENとマネーフォワードは業務提携し、USENが提供するiPad向けレジアプリ「USEN Register」と自動連携するクラウド型会計ソフト「MFクラウド会計 for USEN」を8月3日から、全国で販売することを発表した。新ソフトは、「USEN Register」による毎日の売上データを、自動取得・自動仕訳することができ、会計業務を自動化させるもの。また、会計帳簿や決算書、確定申告書を自動作成する機能も搭載されている。新ソフトの価格は、個人事業主向けは月額800円、法人向けは月額1,800円となっている。いずれも税込み価格。
2015年07月29日ヴァイナスは、クラウドHPC サーバや社内サーバ環境に対応する、ハイブリッドクラウド運用支援システム「CCNV (シーシーエヌブイ:Cloud Computing NaVigation system)」の最新バージョンである「CCNV V2」を7月13日より提供開始すると発表した。CCNVは、設計担当者がクラウドHPC サーバや社内サーバにアクセスし、ファイルの転送やジョブの実行・管理などを操作できるソフトウェア。CCNVの製品構成は、ファイル転送やサーバー上のファイルの直接編集などを備えた基本機能版「CCNV-Basic」と、ジョブの投入・実行状況確認・収束グラフモニターやサーバ料金試算といった便利な機能が利用できる上位版「CCNV-Basic Plus」の2エディション。さらにCCNV-Basic Plusには、動的な通信帯域制御を備えた高速ファイル転送機能「C3」や計算結果データの圧縮転送機能「Comp」といった有償オプションがある。今回の新バージョンでは、大規模計算結果データを不可逆圧縮し転送時間を短縮する新オプション「Comp」を追加。現時点での対応ソルバーはOpenFOAMの強化版Helyx-SAS、およびFrontFlow/blueで、今後流体解析ならびに構造解析の各種商用ソルバーに順次対応する予定だという。また、基本機能版CCNV-Basicを無償化CCNVの普及促進のため、V2より基本機能版CCNV-Basicを無償化した。価格はCCNV-Basic Plusが42万円、Compオプションがソルバーごとに28万円、C3オプションが80万円(いずれも年間ライセンス、税別)。
2015年07月10日GMOクラウドは7月1日、同社グループの国内クラウド・ホスティング事業をより強化すべく、GMOクラウドWESTとGMOビジネスサポートをGMOクラウドに経営統合したと発表した。同社は今回の統合を契機に、ホスティングサービス事業で目指すべきサービス品質のゴールを「クラウドにやさしさを、もっと」に定め、新たにスタートを切っていくという。同社では「やさしさ」を「お客さまの立場になって考え続けること」としており、スペック表だけでは比較できない、「もっと」使いやすい、分かりやすい、そして何よりも安心・信頼できるサービス提供ができるよう、スタッフ一人ひとりがこれからも改善を続けていくとしている。これを受け、今後は「マネージドサービスの拡充」、「カスタマーサポートの強化」、「サポートサイト・マニュアルの拡充」、「お客さまの声の収集やアンケートの実施」、「お客さま、パートナーさまとの接点強化」を、5つの約束として実施していくという。
2015年07月01日マネーフォワードは22日、クラウド型請求書管理ソフト「MFクラウド請求書」のユーザー数が6万人を突破したと発表した。○国内No.1というクラウド請求書サービスに成長「MFクラウド請求書」は、ベータ版の提供開始より1年余りでユーザー数6万人を突破し、国内1位のクラウド請求書サービスに成長しているという。発行済請求書の累計請求金額も200億円を上回り、多くの個人事業主・中小企業の請求書業務において活用されている。機能面については、請求書の作成・管理機能の拡充だけでなく、銀行取引明細の自動取得機能と連動した「自動入金消込機能」の提供を開始している。今後も、バーチャル口座との連携による消込機能の強化や、他の業務ソフト・サービスと連携可能なAPI提供を予定している。
2015年06月23日クラウドITベンダーのジランソフトは、5月13日から15日まで東京ビッグサイトで開催された「第6回クラウドコンピューティングEXPO」に出展した。同社のブース内では、企業向けオンラインストレージサービス「DirectCloud-BOX」を中心に、データ資産の「共有」「活用」「コミュニケーション」を支援するオプション・サービスが、デモを交えながら紹介され、多くの来場者が足を止めていた。クラウドコンピューティングEXPOで紹介されたのは、「DirectCloud-BOX」のほか、プレゼンテーションアプリの「DirectCloud-VIEW」、アンケートサービスである「DirectCloud-SURVEY」、業務連絡・情報共有に特化した企業向けメッセンジャーの「DirectCloud-TALK」、クラウド型ビデオ会議サービス機能を提供する「DirectCloud-VIDEOOFFICE」、社内データストレージをクラウド化する「DirectCloud-GATE」、NASのバックアップを支援する「DirectCloud-BACKUP」、そして手書きメモをクラウドへ保存する「DirectCloud-NOTE」である。「DirectCloud-BOX」は、企業が保有するデータ資産を、安全かつ積極的に共有/活用し、スムーズなコミュニケーションを支援するものだ。多くの企業は、モバイルデバイスの普及に伴う業務の効率化や外部とのデータ共有を目的に、オンラインストレージサービスを利用している。しかし、ビジネスでの利用に特化していないサービスの中には、セキュリティや信頼性が担保されていなかったり、そのほかのコミュニケーションツールとの連携が不十分だったりするものが多い。その点「DirectCloud-BOX」は、堅牢性を担保するセキュリティ機能や、管理者が詳細に設定できるポリシー制御機能などが備わっている。また、ビジネスに必要なコミュニケーション/コラボレーション機能もオプションとして提供されているので、複数のベンダーからツール(サービス)を購入する必要がない。ブース内でいちばん注目されていたデモンストレーションは、オンラインストレージとシームレスに連携するクラウド型ビデオ会議サービスの「DirectCloud-VIDEOOFFICE」である(2015年8月1日より発売開始予定)。本ソフトはチャットや音声メッセージングを通じたビデオ会議機能だけでなく、ドキュメントやWeb、動画といったメディアを共有する機能も有する。ビデオ会議は最大64人まで画面上に表示できるほか、HD高画質にも対応し、22種類のビデオモードが選択できる。iOSやAndroid OSのモバイル端末も標準サポートしているので、外出先からもビデオ会議に参加することも可能。また、会議中であっても「DirectCloud-BOX」に格納されているデータにアクセス/共有できるので、「参加者どうしがリアルタイムで資料を共有しながら会議を進める」といったこともできる。もちろん、ビデオ会議だけでなく、オフィスの受付システムや店舗の遠隔監視、リモート拠点の研修など、その活用範囲は幅広い。もう1つ、ビジネスユーザーに注目されているのが、「DirectCloud-TALK」だ(※ 2015年8月1日より発売開始予定 )。無償のIM(Instant Messaging)アプリは、セキュリティ機能が十分でないなど、ビジネスで利用するには情報漏洩のリスクが伴う。こうしたリスクを回避すべく、DirectCloud-TALKの送受信はすべて「SSL-256暗号化方式」で行われる。また、サーバーにデータを保存する際には、「AES-256暗号化方式」で実行される。さらに、ログイン、チャット、ファイル転送など、すべての操作ログはサーバー側で記録されている。これにより、内部統制の強化と同時に、情報漏洩リスクも低減できるというわけだ。○マイナンバー制度対策にも最適なDirectCloud-BOXまたブース内では、DirectCloud-BOXを活用した、マイナンバー制度に伴う情報漏洩対策のミニセミナーも開催された。2016年1月から施行されるマイナンバー制度は、特定個人情報の管理が義務づけられる事業者対して厳格な管理が求められる。恣意的に漏洩させた場合には、個人 / 企業の両方に罰則が科せられる。特に今回のマイナンバー制度は、すべての事業者が対象であることから、「厳格に情報管理するためには何をすればよいのか」と、頭を抱えている中堅小規模企業は多い。ミニセミナーではDirectCloud-BOXとオプション機能を組み合わせ、よりセキュアに情報を管理するノウハウが披露された。オプション機能の中でも注目したいのは、「DirectCloud-GATE」である。ジランソフトはDirectCloud-BOXとDirectCloud-GATEとを併用することで、「厳格な情報管理を実現したセキュアな運用と、リモートアクセスによる生産性向上が可能になる」と訴求する。同製品は、社内にあるFTP/SAMBA/NASといったサーバーに格納されているデータを、セキュアにクラウド化し、モバイルデバイスなど、外部ネットワークからの安全なアクセスを支援するものだ。データの暗号化送信だけでなく、管理者権限による柔軟なアクセス制御で、ファイルの機密レベルやセキュリティポリシーに則ったデータ管理が実現できる。(※ 2015年8月1日より発売開始予定)例えば、ユーザーごとのアクセス権やデータの拡張子ごとの制御をはじめ、共有フォルダの閲覧をグループごとに制限したり、アップロード/ダウンロード権限を設定したりできる。また、管理者によるユーザー管理やログ管理、セキュリティポリシー設定なども可能。さらに、企業向けオンラインストレージ「GIGAPOD」を導入すれば、社内にプライベートクラウド環境を構築できる。もう1つ、「データ資産を安全に管理する」という観点から注目されているのが、2015年10月より提供が予定されている「DirectCloud-BACKUP」だ。これは、NASに保存されたデータをクラウドにバックアップするものであり、自然災害や停電といった物理的な災害に備えたい企業に最適なサービスである。クラウドへのデータ転送はSSL-256暗号化方式で行われ、ウイルス/マルウエア対策には「Cyren Anti-Virus」が導入されている。( 2015年11月以降発売開始予定)こうした機能は、実際に活用してはじめてその利便性が実感できるものだろう。ジランソフトではビジネスユーザーを対象にした「DirectCloud-BOX」の30日無料トライアル版を用意している。ミニセミナーに参加した人も、当日足を運べなかった人も、ぜひ試用してほしい。その利便性が実感できるはずだ。
2015年06月16日KDDIは6月4日、法人向けのクラウド基盤サービス「KDDI クラウドプラットフォームサービス(KCPS)」 のオプションサービス「サイトバックアップ」機能を6日より提供すると発表した。サイトバックアップ機能は、遠隔地のデータセンター(DRサイト)にバックアップデータを保存できる機能。サーバリソースをバックアップすることで、災害などでメインサイトが稼働できない状態でも、Admin Consoleにより国内遠隔地のDRサイトのバックアップから復旧が可能となる。オプション機能の提供に合わせ、VirtualMachineの再起動やスナップショットの作成・削除など、運用効率をサポートするAPIを提供する。これにより、システムと連携して、深夜休日にバックアップを自動で行うなど運用の効率化が図れるとしている。料金は、10GBで500円/月。利用にはDRサイトでサーバリソースを別途用意する必要がある。
2015年06月05日アイレットは6月2日、cloudpackにおいて、NTTドコモが提供する「ドコモ・クラウドパッケージ」の販売を開始したと発表した。ドコモ・クラウドパッケージは、ドコモから提供するエージェントサービス「しゃべってコンシェル」などのクラウドサービスにより蓄積したノウハウを提供することで、企業がアマゾン ウェブサービス(AWS)などのパブリッククラウドを短期間で導入し、安全に利用できるサービス。サービスでは、クラウド利用に必要なセキュリティ関連ツールなどのノウハウ提供に加え、クラウド利用に関するコンサルティングの実施により、クラウド導入における事前検討からシステム設計・構築までの時間を短縮できるという。また、ドコモが蓄積したノウハウをパッケージ提供するため、従来と比べて安価にクラウド環境を導入できるとしている。cloudpackでは、しゃべってコンシェルのAWS導入の際に、AWS環境構築のサポートを行ってきた実績もある。ドコモ・クラウドパッケージの販売においては、企業のクラウド導入に向けた取り組みを積極的にサポートし、コンサルティング、構築運用サポートなどを行う。
2015年06月04日5月13日~15日に東京ビッグサイトで開催された、日本最大級のIT専門展「Japan IT Week 春」。今回は「クラウド コンピューティング EXPO 春」の中から、IPコールセンターなどのクラウドサービスを提供するNTTネオメイトのブースをレポートしよう。○累計5万台もの運用実績を持つ仮想デスクトップまず、ブース内でひときわ目をひいたのがクラウド型仮想デスクトップサービス「AQStage 仮想デスクトップ」だ。同サービスは各社員のデスクトップ環境をデータセンターのサーバ上に構築し、各端末からネットワーク経由で画面の呼び出しと操作を可能にするもの。これにより、データの持ち出し防止やパッチの一括適用など企業のセキュリティ面を大幅に改善するほか、各種ハードウェアやソフトウェアの導入および運用保守にかかるコストの削減にも貢献してくれる。さらに、働き方が多様化している現代ビジネスにおいて、最適な環境を構築できるのも魅力のひとつだ。オフィスでの業務はもちろん、外出先からのメールチェックや資料の閲覧、ペーパーレス化を背景とした各種デバイスを持ち込んでの会議やプレゼンテーション、各社員の席を固定しないフリーアドレス制の導入、さらには在宅勤務など、近年はさまざまなワークスタイルが生まれている。しかし一方で、こうした現実に対して環境構築が追いついていない企業も多いといえるのではないだろうか。NTTネオメイト ビジネスクラウド部門 営業担当 主査の中村 憲一氏は「AQStage 仮想デスクトップは、社内外におけるワークスタイル変革を低コストで実現できるサービスです。既存の端末に合わせるのではなく、働き方に応じて環境を変えることで、利便性や業務効率も大幅にアップします」と語る。いつでも・どこにいてもオフィスと同じ環境で仕事ができるのは、社員にとって嬉しい限りだ。また、一般的に利便性とセキュリティは相反する要素と言われているが、AQStage 仮想デスクトップは、もともとNTT西日本グループ向けに開発・運用していたサービスを一般企業向けとして提供しているもの。そのためすでに累計5万台もの運用実績があるので安心だ。同サービスを開発・運用しているNTTネオメイトは高度なセキュリティはもちろん、運用面でも十分なスキルやノウハウで企業をサポートしてくれる。相談窓口として専用サービスデスクを設けているのも企業にとっては心強い。「仮想デスクトップ環境は導入よりも、実はお客様からの要望やトラブルが発生した際などの対応が重要です。弊社ではこれまで培ってきた実績を活かし、安心・安全で使いやすいビジネス環境をご提供しています」と中村氏。さらに「仮想デスクトップはこれまで、情報漏えい対策や運用コストの削減など“守りのIT投資”といったイメージが強かったのですが、弊社ではワークスタイル変革をもたらす“攻めのIT投資”としてAQStage 仮想デスクトップをご提案しています。攻めのITへ転じるには、とにかく使い込んでもらうことが重要ですので、こうした点でも累計5万台の運用実績がある弊社の強みが活きてくると思います」と続けた。○スマートデバイスの仮想化でセキュアな運用を実現仮想化関連では「AQStage 仮想スマートデバイス by remotium」も気になるところだ。こちらは4月1日より提供を開始したサービスで、仮想デスクトップと同様にサーバ上で仮想化したスマートデバイスを構築し、ユーザーが持つデバイスからアクセスできるようにしたもの。暗号化されたストリーミング配信を使用しているため、デバイス内にデータが一切残らず、セキュアな運用が可能となっている。仮想スマートデバイスのOSはAndroidのみだが、アクセスに使うデバイスはiOS/Androidの両方に対応。管理者側では利用アプリや通信先などを一元管理できるほか、ポリシー変更が簡単に行えるのも特徴だ。これにより、デバイスの紛失・盗難が発生した際も情報漏えいのリスクを最小限に抑えられるほか、システム管理者にとっては運用管理にかかる時間や手間を削減することが可能。マルチデバイス対応のため、BYOD環境で利用しやすいのも特徴となっている。○スマートデバイス管理やデータバックアップにも注目スマートデバイスの管理用ソリューションとしては、「AQStage スマートデバイス管理 by AirWatch」が注目を集めていた。AQStage スマートデバイス管理はモバイルデバイス管理(MDM)に加えて、モバイルEメール管理(MEM)/モバイルアプリケーション管理(MAM)/モバイルコンテンツ管理(MCM)の機能を集約した統合管理ソリューションだ。単一コンソールからスマートデバイスに関する一元管理が可能で、情報漏えいリスクと管理負荷の低減、業務効率の向上をまとめて実現してくれる。マルチテナント機能も備えており、各組織の特性に応じた細やかなポリシー管理も行える。すでにMDMを導入済みで、よりセキュアな運用を求める場合は「AQStage セキュアルック」もお勧めといえる。こちらは専用アプリを利用して、社内サーバのメールやグループウェアへリアルタイムにアクセスするというもの。スマートデバイス内にデータが残らないため、BYOD環境でも安心して利用できる。そのほか、全世界70カ国以上で3000社以上の導入実績を持つクラウド型データバックアップサービス「Druva InSync」も紹介しておきたい。Druva InSyncは、PCやスマートデバイスなどのデータをすべてクラウドへバックアップするサービスだ。システム管理者がWebポータルからユーザー/デバイス/バックアップポリシーなどを一元設定できるほか、データの暗号化/遠隔削除/位置探索などの各種機能、さらにはバックアップしたデータの横断的な調査・分析まで行える。社内外および、複数所有しているデバイス間データ共有を簡単かつセキュアに実現したい企業にお勧めといえる。このように、NTTネオメイトでは豊富な実績を持つAQStage 仮想デスクトップに加えて、企業の業務効率向上やセキュリティ強化に役立つさまざまなソリューションを展示していた。気になる製品がある企業は、ぜひ一度問い合わせてみてはいかがだろうか。
2015年05月29日企業がシステム構築の選択肢としてクラウドをまず候補に挙げる「クラウドファースト」への流れが進む中、富士通は、SaaSやPaaS、IaaSなどのさまざまなクラウドサービスを「Cloud Initiative」として体系化。それらサービスのインテグレーションまで含めたソリューションを展開している。その中で、VMwareのテクノロジーをベースとして構築したホステッドタイプのプライベートクラウドが「FUJITSU Cloud IaaS Private Hosted LCP」(Private Hosted LCP)だ。○高い信頼性と充実したサポート体制Private Hosted LCPは、専用線で接続する機密性の高いクラウドで、大規模から中規模の基幹システムをセキュアな環境で提供するサービスである。Private Hosted LCPの最大の強みは、その高い信頼性にある。メーカーとして長年ものづくりに携わる富士通が、その信頼性をクラウドサービスにも同レベルで持ち込もうとしているためだ。Private Hosted LCPは日本を含め15カ国に展開。国内では、東日本と西日本の2箇所にPrivate Hosted LCP基盤を構え、運用している。同サービスの中で特に高く評価されているのが、インテグレーションと運用サービスだ。富士通は、Private Hosted LCPのクラウド基盤を単体で提供するのみならず、導入時のインテグレーションから導入後の運用まで、トータルでサポートを提供する体制を整えている。「すでにクラウドを導入した企業が抱えている悩みのひとつが運用です。クラウド化によって物理サーバはなくなったものの、システムそのものがなくなるわけではないため、いかに運用負荷を低減するかという部分で悩む企業が多いのです」と、富士通 サービス&システムビジネス推進本部 クラウドビジネス推進統括部 クラウドサービス推進部 永田雅人氏は語る。「十分なサポートを提供できていないクラウドベンダーもあります。何かトラブルがあった場合、お客様はサポートを別のSIerなどに頼らざるを得ません。そのため、システムそのものの導入コストが下がったとしても、逆に運用コストが上がったという話を聞きます。しかし、特に日本においては、システム導入時のインテグレーションからその後の運用まで、トータルサポートを希望する企業が多いのです。そこで富士通は、ユーザー企業がシステム全体を最適に利用できるよう、総合的なサポートを含めたクラウドを提供したいと考えました。当社は、長年にわたって提供しているデータセンターアウトソーシングビジネスの評価が高く、このビジネスで培った運用スキルやノウハウをPrivate Hosted LCPに生かしています」(永田氏)事実、SAPで稼働させていた基幹業務システムの更新時にPrivate Hosted LCPを導入した保土谷化学工業では、オンプレミスから同サービス環境への移行時、富士通の担当SEとサービスマネージャーの存在を高く評価していたという。「一部のデータベースをオンプレミスに残したまま、Private Hosted LCPとのハイブリッド環境を構築するケースでした。その際、SEとサービスマネージャーが集中してシステムインテグレーションを担当し、3.5カ月という短期間で移行を実現しました。その後の運用負担も軽減できたとご満足いただいています」と永田氏は言う。また、一度は富士通を検討しつつも海外のクラウドベンダーを選択したユーザー企業が、1年後にやはり富士通を利用したいと戻ってきたこともあると、永田氏は語る。「そのお客様は、他社を選定したものの通常運用時のサポートや障害時の対応に満足できず、再検討した結果、富士通を選んでいただくことになりました。ものづくりで培った信頼性の高さやサポートの実績が、お客様に安心感を与えているようです」(永田氏)Private Hosted LCPは、流通業や製造業、情報産業など幅広い業界で導入されているほか、高い信頼性を求める金融業界からも引き合いが増えているという。「Private Hosted LCPではFISC対応も実施しており、金融業界でも安心して使っていただける仕様になっています」と、永田氏はアピールしている。○顧客ニーズの高いVMware vSphere基盤Private Hosted LCPは、ハイパーバイザーにVMwareのテクノロジーを採用したプライベートクラウド基盤だ。同サービスがVMware vSphereベースであることの意味について、富士通 アウトソーシング事業本部 ビジネス開発室 シニアマネージャーの鈴木康紀氏は、「VMware vSphereはグローバルで高いシェアを持ち、これまでに作り込んだシステムをVMware vSphereベースで運用している企業が多いのが現状です。クラウドファーストという考えが浸透し、オンプレミスからクラウドへの移行を考えた際、同じハイパーバイザーがベースとなっている方が移行においてスムーズであることは明白です。すでにVMwareの製品を利用しているお客様は、VMwareに安心感を抱いています」と説明、顧客ニーズを考えるとVMwareのテクノロジーをベースとしたクラウドサービスは必須だとした。また、SIerとしてVMware製品のインテグレーションや運用に長年携わってきた経験のある鈴木氏は、「VMware vSphereは非常に安定したハイパーバイザーです。技術者が多くて情報も豊富、サポートも充実しているため、信頼性を担保するには使いやすい製品です」と説明する。鈴木氏によると、Private Hosted LCPがサービスインした2013年10月以来、VMware vSphereを含め、お客様システムの停止に繋がるトラブルは一度も発生していないという。これまでにもVMware製品をオンプレミスのシステムに導入するなど、富士通とヴイエムウェアの結びつきは強かったが、ヴイエムウェアが新たに発表したパートナープログラム「VMware vCloud Air Network」により、「オンプレミスの資産を一部残しつつ、クラウドに移行したいというハイブリッド環境を望むお客様も増えているので、こうしたニーズに適材適所で提案できるようになりました」と鈴木氏は話す。また鈴木氏は、ヴイエムウェアとのパートナーシップに期待することとして、次のように話す。「富士通はお客様に信頼性が高く付加価値のあるシステムを提供するために、最先端技術と実績のある技術をバランスよく活用しています。ヴイエムウェアのような最先端技術を次々と生み出す企業と、検証や構築・運用に強みのある我々富士通がパートナーシップを結ぶことで、新しい技術を採用してもお客様に安心して提供できると考えています」(鈴木氏)永田氏は、今後もさまざまなクラウドサービスを提供していきたいと語る。「富士通の強みはインテグレーションやマネジメント力。これに、VMware製品のグローバルな普及率と技術力が組み合わさることで、Private Hosted LCPというより良いサービスが生まれました。富士通では、お客様のニーズに合ったクラウドこそが、一番いいクラウドだと考えています。今後もさまざまな製品やサービスを組み合わせるインテグレーションによって、お客様のニーズに応えていきたいですね」(永田氏)
2015年05月28日クラウド会計ソフト「Crew(クルー)」を提供するアックスコンサルティングは、クラウド販売管理システム「flam(フラム)」との連携を5月21日より開始することを発表した。これにより、flamユーザーはデータをCrewに取り込めるようになり、Crewユーザーはflamを使用することで販売管理から会計までをクラウド化することが可能になる。クラウド会計ソフト「ハイブリッド会計Crew」は、簿記知識がなくても会計帳簿から個人・法人決算書の作成、顧問税理士とやりとりができる会計ソフトとして2014年4月にリリースされた。同シリーズのクラウド給与計算ソフト、クラウド請求書ソフトと連携しており、個人事業主や中小企業経営者のバックオフィス業務の効率化をサポートしている。「flam」は、フリップロジックが提供する、Mac、Windowsなど、利用者の環境にとらわれず、WEBブラウザだけで使える「クラウド型の販売・仕入・在庫管理システム」だ。今回の連携では、日々登録する売上・仕入・出金の各伝票データから、ボタン一つで連携データを抽出し、Crewに登録することが可能になる。これにより、ユーザーは面倒な振替伝票の作成や入力作業が省け、同時に、入力ミスの防止にもつながるというメリットがある。
2015年05月20日アイレットの調査機関「クラウド総研」は5月18日、「国内クラウド市場 セキュリティに関する意識調査」についての調査結果を発表した。第1弾である今回の調査は、3月~4月に、全国の法人において、自社のICT投資額を把握し、ICTに関して決済権を持つ次長・課長以上の1000名(20~60代)を対象として、「企業のパブリック・クラウドセキュリティに関する実態・意識」について、インターネット上で実施したもの。「自社がパブリック・クラウドサービスを利用しているか」という質問に対して、「利用している」と回答した人は36.5%、「利用していない」と回答した人は63.5%だった。また、「利用している」と回答した人に対して、自社のセキュリティ被害の経験について聞いたところ、「被害を受けたことがある(17.3%)」「被害を受けたことが無い(82.7%)」と、被害を受けたことが無い人が多数だった。また、自社のクラウドセキュリティ対策への認識については「クラウド上でセキュリティ被害を受けたことが"ある"」人たちでは、自社のクラウドへのセキュリティ対策を「十分だと思っている」:「不足していると思っている」の割合が約6:4であり、 一方、 「クラウド上でセキュリティ被害を受けたことが"ない"」人たちでは、「十分だと思っている」:「不足していると思っている」の割合が約7:3だった。「クラウド上でセキュリティ被害を受けたことがある」とした回答者に被害内容を聞くと、「標的型攻撃」「アカウント情報の流出」が、それぞれ60.3%だった。また、セキュリティ被害を受けたことがあると回答した人の業種では、製造業が27.0%で最多だった。パブリック・クラウドサービス利用者に、セキュリティ対策の内容について聞いたところ、全体の75%超が「ウイルス対策」を実施しているほか、過半数を超えるパブリック・クラウドサービス利用社が、「不正アクセス防止」「ログの管理」「侵入検知」「脆弱性対策」なども実施している事が判明した。クラウドのセキュリティ対策については、クラウド運用コストの約1割~2割の費用をかけてセキュリティ対策を行っている企業が76.5%に上る。業種別では「教育・学習支援業(23.5%)」が最も高く、「金融業・保険業(21.8%)」「卸売業・小売業(19.6%)」がそれに続く。クラウド導入に対する不安点では、導入状況に関わらず、1位が「情報漏えい、セキュリティのリスク(67.8%)」、2位が「運用費用の増加(43.9%)」、3位が「サポート体制は十分か(35.7%)」。クラウド導入を検討する際に障害になった点に関しては、導入状況に関わらず、1位、2位は同じく「情報漏えい、セキュリティのリスク」「運用費用の増加」、3位は「初期費用の増加」で、セキュリティに対する不安がやはり上位にあることが判明した。今後、第2弾として「セキュリティ製品・サービス選択に関する意識調査」を、同じくセキュリティに関する第3弾の調査を随時公開予定だという。
2015年05月19日急速に普及するクラウド環境。昨今では、国内外を問わずに数多くのクラウドサービスが登場している。その中でも、特に多くの実績を誇るサービスが、Amazonが提供するAmazon Web Services(以下 AWS)である。多彩な機能と豊富な導入実績で、ユーザーから多くの支持を集めるAWS。ただその一方で、海外サービスならではの、扱い難さも存在する。そこでポイントとなるものは、用途やコストに応じたクラウドサービスの使い分けである。本記事では、2015年4月16日に開催されたセミナー「AWSと国産クラウドの使い分けで無駄なコスト削減~80分でわかるあなたに最適なクラウド運用~」の内容をもとに、マルチクラウドによる業務効率の向上とコスト削減の方法について紹介する。○AWSとの競争によって向上する国産クラウドクラウドが普及する昨今、国内外を問わず数多くのクラウドサービスが登場する中、各クラウドベンダーはこの淘汰圧に打ち勝つ戦略を続々と繰り出し差別化を図る。「世界トップクラスの実績を持つAWSは、多彩な機能や導入ノウハウにおいて、やはり抜きん出たものがあります。ただ世界標準のサービスであるため、日本国内の利用においては、国産クラウドの方が適している部分もあります」と語るのは、GMOクラウド株式会社 営業部 チーフ西木氏である。「現在、日本国内のクラウドサービスは、先行するAWSに対抗するために品質・価格の面で競争力をつけようとしています。また差別化を図るために、ゲーム開発に特化したり、Webサービス面を強化するなど、それぞれが特長を持つようになってきています。AWSも含め、これらの多種多様なクラウドサービスを環境や用途に合わせて上手に使い分けるマルチクラウドが、これからは求められるようになるでしょう」(西木氏)○クラウドサービスを選定する3つのポイント1.サービス仕様・機能様々な状況に対応しなければならない大規模環境であれば、AWSが持つ多彩なサービス仕様や機能が力を発揮するだろう。一方で、汎用的な機能が一通り揃っていれば良いのであれば、安価な国産クラウドサービスを利用するのも手だ。2.コストAWSの利用において最も注意が必要な点のひとつが コスト面である。まず、転送量によって料金が変わる従量課金制であること、海外サービスであるため為替レートの影響を受けること。これにより海外サービスの場合、料金は常に変動し、月々の支払いを見通すことが難しい。またAWSの場合、支払いは基本的にクレジットカードで行われることも念頭に入れておく必要がある。3.サポート言語に関しては気になるところ。日本語コミュニティも多いので開発に際しては、さほど困ることはないだろう。ただ、実際に環境を利用するユーザーにとっては、英語の記述が多いと若干ハードルが高くなる。この辺りはしっかりと調べておこう。用途に応じて使い分けるマルチクラウドでコストを削減AWSは特に大規模環境において大きなポテンシャルを発揮する。一方、GMOクラウドが提供するクラウドサービスである「GMOクラウド ALTUS(アルタス以下ALTUS)」では「特に個人から中規模レベルに向けたところに焦点を当てています。またAWSとの互換性もあるので共存も可能です」(西木氏)ALTUSは国産初のリソース型パブリッククラウドである。一般的なプラン選択型の場合、CPU・メモリ・ディスクがセットになっていることが多い。この場合、例えばディスク容量が大きいプランを選ぶと、CPUやメモリのリソースが余剰となることがある。だが、CPU・メモリ・ディスクを自由に選択できるリソース型であれば、このような無駄を省き、コストの削減を図ることができる。「例えばスケール変化が多い、または転送量が多いサービスの部分をAWSからALTUSに移行するなど、複数のクラウドサービスを使い分けるマルチクラウドによって、大きなコスト削減が図れるでしょう」(西木氏)【事例】特長に合わせたクラウドサービスの選定によって新たなサービスを創出当日のセミナーでは、具体的な事例紹介として株式会社ニッセイコム サポート&サービス本部クラウドソリューションセンター 新井洋一氏にて講演が行われた。1974年に設立したニッセイコムは、製造業・流通業・サービス業から公共・文教分野などの様々な分野を手がけるシステムインテグレーターである。また学校向け財務会計システム、健康保険組合システムなど、自社開発パッケージにおいても多くの導入実績を誇る。そして現在同社が新たに開発を手がけているのが、クラウドを活用する、とあるシステムだ。基盤としてGMOクラウドが活用されている。「このシステムはクラウドを利用した企業向けコミュニケーションツールです。場所やデバイスを問わずにアクセスして利用することを目指しています」(新井氏)開発中のシステムのため、ここでは詳細に述べられないが、クラウドと連携することで、機能が大きく進化するものだ。なお当初、このサービスはAWSを用いて検証を行っていたとのことである。機能、性能においては特に大きな問題はなかったが、一つだけ大きな課題が見つかった。それが従量課金の問題である。「定額制と従量制を比べた場合、サービスとしての提供しやすさは間違いなく定額制です。お客様としても、気兼ねなく利用できる定額制の方が使いやすいでしょう。しかしAWSは従量課金制なので、定額制の料金設定が非常に難しい。ビジネスとして考えると、クラウドサービス側も定額制でなければ成り立ちません。そこで定額制でありリソースごとのスケールインやスケールアウトに対応できるGMOクラウドさんを選択しました」(新井氏)組み合わせと使い分けによって最適なクラウドサービスを多くの機能と実績を誇るAWSは、その利用環境が大規模であればあるほど大きなポテンシャルを発揮する。だが逆に小規模環境の場合は、そのポテンシャルを持て余すこともある。また、ニッセイコムの事例のように、クラウド環境を基盤にサービスを展開する場合には従量課金と為替レートなどの壁が立ちはだかることとなる。だがこの部分を、例えばALTUSのような国産クラウドサービスに置き換えることができれば、これらの課題を解決に導くことができる。今後、AWSと国産クラウドサービスは、単なる競争関係ではなく、システムの中で互いに助け合う共存関係ともなることだろう。そしてそれは、ユーザーにとって選択肢の幅が広がることにもつながるはずだ。GMOクラウド パートナー制度GMOクラウドでは、販売、開発、構築・運用、それぞれにおいてビジネス連携するパートナー戦略に注力しており、新規パートナーを募集している。パートナーには、開発環境の無償提供や技術支援、営業・マーケティング支援などのGMOクラウドからの様々なサポートの他、仕切り価格(割引率は要問合せ)でのサービス提供などの特典もあるとのことだ。ノルマも一切なく、他社クラウド・ホスティングベンダーとのパートナー契約の併用も可能だ。詳しくは以下のURLにて紹介されているので興味のある方は参考にして欲しい。
2015年05月18日アックスコンサルティングが開発・提供するクラウド会計ソフトCrew(クルー)が5月14日、クラウド経費管理サービス「STREAMED(ストリームド)」、経費精算・出退勤打刻の「MajorFlow(メジャーフロー)クラウド」と提携し、両サービスのデータをCrewに簡単に取り込むことが可能になった。2014年4月に正式リリースされた「ハイブリッド会計Crew」は、簿記知識がなくても、会計帳簿から個人・法人決算書の作成、顧問税理士とやりとりができる会計ソフトで、同シリーズのクラウド給与計算ソフトやクラウド請求書ソフトと連携し、個人事業主や中小企業経営者のバックオフィス業務の効率化をサポートする。クラビスが提供する「STREAMED」は、経費精算や経理の手入力を自動化するクラウドサービス。領収書をスマホやスキャナで取り込むとクラウドサーバに送信され、顧客の代わりにオペレーターが目で見て手作業でデータ化するので、手書きの領収書でも正確にデータ化が可能。今回の提携でSTREAMEDのデータをCrew管理画面から取り込むことができるようになった。また、クラビスは会計事務所向けにクラウド記帳サービス「STREAMED会計事務所プラン」も販売しており、Crewの会計事務所ユーザーはこのプランを利用することで日々の記帳作業をアウトソースし、入力済みのデータをCrewに取り込むことができる。「MajorFlowクラウド」は、パナソニック ネットソリューションズが提供する経費精算、出退勤打刻に関するクラウドサービス。今回の連携で、「MajorFlowクラウド」の経費精算ワークフローで申請・承認された交通費精算データを「ハイブリッド会計Crew」に取り込めるようになった。
2015年05月15日電通国際情報サービス(ISID)は5月12日、同社の連結会計システム「STRAVIS(ストラビス)」のクラウド運用サービス「STRAVIS プラットフォーム アドミニストレーション サービス(STRAVIS PAS)」が、日本セキュリティ監査協会(JASA)の下部組織であるJASA-クラウドセキュリティ推進協議会(JCISPA)のCS(クラウドセキュリティ)シルバーマークを取得したことを発表した。CSシルバーマークは、クラウド情報セキュリティ監査制度に基づき、対象のクラウドサービスに関する情報セキュリティ監査の品質が保たれていることを示すもの。JCISPAが所定の要件を確認して認定し、マークの使用を事業者に許諾する。このマークにより、クラウド利用者は、対象のクラウドサービスが適切なリスク管理と統制のもとで、安全に提供されていることの確認、評価がしやすくなる。同制度は、経済産業省が策定した「クラウドサービス利用のための情報セキュリティマネジメントガイドライン」に基づくクラウド情報セキュリティに特化した監査制度であり、また日本が提案し作業が進められているクラウド情報セキュリティの国際標準(ISO/IEC 27017)の動向も反映されている。ISIDは、2013年のJCISPA発足当初から、国内のクラウド事業者および監査事業者とともに管理基準などの開発に協力しており、2015年1月に同制度の規定類が公開され公式に制度化された後、監査の実施と認定の諸手続きが行われ、今回初めてISIDを含む7事業者のクラウドサービスが認定された。これによって、従来パイロット運用段階であった同制度が、国内で本格的に運用を開始したこととなる。今回、CSシルバーマークを取得した「STRAVIS PAS」は、ISIDの連結会計システム「STRAVIS」のクラウド運用サービスであり、ハードウェア管理、サーバOS管理、セキュリティパッチ適用、バージョンアップ管理に至るまで、業務システム運用業務をワンストップでサポートするもの。自社運用に比べ、コストの削減、システムの安定利用、セキュリティレベルの向上が図られる。同サービスのクラウド基盤は、アマゾン ウェブ サービス(AWS) を利用しており、今回CSマークを取得した中では唯一、AWSを基盤とした業務システムサービスでの認定となる。
2015年05月13日ニフティは5月11日、同社が提供するクラウド・サービス「ニフティクラウド」において、IoT活用に必要な各種機能をクラウド上で提供する「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」を展開開始すると発表した。その第1弾として、IoTやM2M(機械と機械がネットワーク上で情報をやり取りし自動的に制御を行うこと)に最適化した軽量な通信プロトコル「MQTT」を容易に導入できるという「ニフティクラウドMQTT」の、β版を提供開始した。IoTの活用には、大量のデータ通信や大規模なデータ処理などIoTに最適化したシステム構築が必要となり、そのためのコストや運用負担が課題になっているという。同プラットフォームは、物から得たデータによりビジネス・プロセスを自動化し効率性を向上させたり、リアルタイムのデータ分析をマーケティングに生かし収益拡大につなげるなど、IoTを活用したビジネス革新に取り組む企業をシステム構築面から支援するプラットフォーム・サービスとのこと。企業がIoTに取り組むにあたって構築する必要があるシステムをパーツ化し、クラウド上で提供することで開発工数や期間を削減するとしている。β版を提供開始したニフティクラウドMQTTは、M2Mなど大量かつ高頻度のメッセージ発行が可能なサービスとのこと。同サービス特有の各種機能を利用できる柔軟性の高さと、専用のダッシュボードから操作できる操作性の高さが特長という。ユーザーは同サービスの利用により、自ら工数やコストをかけてシステムを構築することなく、短期間かつ容易にMQTTによるメッセージ発行が可能とのことだ。同プラットフォームでは今後、データストリーミング機能やデータ分析/可視化機能などを順次提供していくという。また、企業のIoTビジネスを推進する専門チームを社内に創設し、プロトタイプ開発などサービス開発の面からもIoTに取り組む企業を支援していくとしている。
2015年05月12日2014年の前半に相次いだAmazon、Google、Microsoftなどの主要海外企業によるクラウドサービスの値下げ。それに対抗するかのように、同年後半には国産のクラウドサービスが次々と安価なプランを発表した。特にIDCフロンティアやNTTコミュニケーションズ、そしてGMOクラウドなどが提供する月額500円のプランは「ワンコインクラウド」などと呼ばれ、多くの注目を集めている。今回、このワンコインクラウドを提供するクラウドベンダーの一角である株式会社IDCフロンティアにて、同サービスの開発とサポートを担当する梶本聡氏と谷口早苗氏に、提供に至った経緯と今後のワンコインクラウドの未来について語っていただいた。○「企業」から「人」へのアプローチ「当時はゲームやシステムの開発者のような専門家が使う、知る人ぞ知るサービスではありましたが、その一方で一般的な知名度はあまりありませんでした」(梶本氏)もっと戦略的に認知度を上げたい。そこで同社が取った戦略が「企業へ」ではなく「人へ」のアプローチだった。「もともと、このような業界にいる方々は新しい技術やサービスが大好きです。実際、私たちの技術スタッフの中にも、個人でクラウドサービスと契約して色々と試している者も大勢います。そこで、まずはその人たちに選んでもらえるようにしようと考えました」(梶本氏)企業にではなく、人に選んでもらうためにどうすべきか。それを知るために、梶本氏らは社内技術者にヒアリングを行った。その結果「個人で気軽に扱うには、当時の価格帯は高すぎる」との反応が多く寄せられたとのことだ。「調べてみると他社のサービスを利用していると答えた技術者もかなりいました(笑)。まずは自分たちの技術者に選んでもらえなければ話にならない。そこで、スペックも十分なものを備えた上で、料金も個人でも利用できるレベルまで思い切って下げてみました。500円に設定したのは、ワンコインという分かりやすさとインパクトを狙ってのことです」(梶本氏)そしてサービスを開始してから約半年、現在では「かなりの社内技術者が、自社のサービスと契約してくれるようになりました(笑)」(梶本氏)とのことだ。○裾野が広がるためには誰でも簡単に使えることが必須「月額500円から」の安価なサービスを提供するにあたり、IDCフロンティアが特にこだわった部分が「導入のわかりやすさ」である。「この料金であれば、個人事業主やSOHOの方々でも気軽に導入ができるようになります。ただ、そのような方々の場合、企業の情報システム担当のような専門家に頼ることもできず、導入から設定までをすべて自分たちで行わなくてはなりません。ですから、とにかくシンプルで分かりやすくすることを心がけました」(谷口氏)登録画面においては、どの段階で離脱する人が多いのかを社内で調査し、できる限り簡単に分かりやすく、直感的に操作できるように繰り返し修正を行ったとのことだ。さらに、具体的な使い方を解説するマニュアル「めちゃ楽ガイド」を作成。これはIDCフロンティアのサイトから自由にダウンロードできるようになっている。「体験イベントやセミナーを実施すると、多くの方がつまずくポイントがあります。そのような箇所については特に詳しく具体的に。またパワーポイントで作るような資料風ではなく、市販されているマニュアル本のような、冊子としての完成度にこだわった作りになっています」(谷口氏)ユーザーの裾野が広がっていけば、分かりやすさと使いやすさは、今以上に求められるようになるだろう。この点については、今後も各社ともに様々な工夫を凝らしてくることが予想される。○ユーザーとのコミュニケーションによってサービスの差別化をIDCFクラウドでは、個人の認知度を上げることを目的に、専用のFacebookページや公式のTwitterアカウントを用意し、SNSを重視したプロモーションを実施した。そしてその結果、これまでとは異なる、新たな流れが生まれてきたとのことだ。「何かあった時には、ユーザーの方々からよせられるツイートが、我々にとっては大きな情報源となります」(梶本氏)現在、同社にはTwitterのタイムラインが表示されるモニターが置かれ、要望や質問があった場合には、担当者自らが返信できるようになっている。実際、Twitterでよせられた要望によって追加された機能もあるとのことだ。「安価で手頃なクラウドサービスは今後も広がっていくことでしょう。一方で、ユーザーの裾野が広がると、シンプルな分かりやすさが求められるようになります。結果、それぞれのサービスが差別化できる領域も小さくなる可能性が高いと思われます。これからは、SNSなどを利用してユーザーとコミュニケーションを行い要望に対して素早く対応する。それが一番の差別化になるのではないでしょうか?」(梶本氏)○IDCFクラウドアカウント登録無料IDCFクラウドでは無料でアカウント登録し、登録からサーバー作成まで僅か1分。「めちゃ楽ガイド」で初めてでも簡単に利用が可能。詳細はこちらから
2015年05月11日●アドビがクラウドビジネスに大きく舵を切った理由アドビ システムズは4月から、新たなクラウドサービス「Adobe Document Cloud」をスタートした。これにより、従来から提供している「Adobe Creative Cloud」、「Adobe Marketing Cloud」を加えて、3つのクラウドサービスを提供することになった。今後、アドビ システムズはどのような方向へ向かおうとしているのだろうか。2014年7月に社長に就任し、同社の強みを「マーケティングプロセスを包括的に支援できる唯一の企業」だと語った佐分利ユージン氏に、新クラウドサービス展開の意図を中心に話を聞いた。――ここ数年、アドビシステムズは、クラウドビジネスに大きく舵を切っています。その狙いは何ですか。現在は、Creative Cloud、Marketing Cloud、そして先ごろ発表したDocument Cloudを加えて、「3つのクラウド戦略」が軸になっています。2012年には、Creative Suiteにおいて、オンラインでの利用が可能なCreative Cloudのサービスを開始。そして、2014年5月にはクラウドへの100%移行を完了させました。企業によっては、オンプレミスとクラウドの両方で展開するといったケースもありますが、アドビは、クラウド型ビジネスモデルに完全にコミットしており、この1年間で、そのビジネスモデルの推進にも勢いがついてきたといえます。また、エンタープライズ向けとなるMarketing Cloudは、2009年に買収したオムニチュアの技術を活用し、まずは解析ツールからスタートしましたが、関連企業の買収や製品群の拡大によって、CMSのAdobe Experience Managerや、マーケティングオートメーションのAdobe Campaignなど、マーケッターが必要とするすべてのツールを、トータルに提供する環境を整えてきました。そして、最後のひとつが、Document Cloudとなります。アドビのDNAは、AcrobatおよびPDFにありますが、同製品の最初のバージョンを出荷したのが1993年。それから22年を経た現在、一般消費者が触れている媒体の7割近くが、すでにモバイルデバイスに搭載された液晶パネルになり、大きな変化が訪れています。そして、モバイルワーカーが急増し、働き方も変化しています。AcrobatおよびPDFを、モバイルへとしっかり対応させ、同時に、モバイル時代のワークフローをしっかりと支えるための機能進化を遂げたのが、Document Cloudということになります。どこにいても、どんなデバイスからでも、文書をセキュアな環境で管理でき、e-sign(海外ではEchoSign)を活用した署名も可能になる。モバイルデバイスの浸透により、イノベーションが起こる一方で、セキュアな環境を維持するために、さまざまなルールが決められ、それによって生まれる「制限」が増加しているのも事実です。そのなかで、どうやって業務効率をあげていくか。それを解決するのがDocument Cloudだといっていいでしょう。――Creative Cloud、Marketing Cloud、そしてDocument Cloudは、ユーザーターゲットも、製品の役割も異なるものですね。アドビは、どんな事業構造を描いているのですか。Marketing Cloudを例にあげると、このビジネスは、毎年、2割増、3割増で売り上げが増加していますし、昨年は、Marketing Cloudのビジネスだけで10億ドル(約1,200億円)に達しました。現在、アドビの全売上高の約4割がMarketing Cloudになっています。アドビといえば、もともとPhotoShopやIllustratorなどのデスクトップアプリケーションがよく知られていますが、そうしたイメージを持っている人たちにとって、いまのアドビの姿は意外かもしれませんね。アドビの製品を大きく分けると、一般消費者向けと、企業向けに分けられます。Marketing Cloudは完全に企業ユーザーにフォーカスしたものですし、媒体がデジタル化するなかで、新たなマーケティング手法を提案するものになります。世界の名だたる企業に比べると、日本の企業は、マーケティングに対する投資が少なく、またそれに対するノウハウも蓄積されていない状況だといえます。薄型テレビ市場において、日本のメーカーは優れた製品を作っているのに、世界で勝てなかったというのも、マーケティング力に差があったのではないでしょうか。日本の企業において課題となっているマーケティングを、新たなツールを活用して、最新の手法へと切り替えて、一気にレベルを高めてもらいたい。これが結果的には収益化にもつながり、企業が元気になる。こうしたお手伝いを果たしていきたいですね。一方で、Creative Cloudは、長年、アドビとお付き合いがあるクリエイター、デザイナーを対象にした製品です。しかし、これまでの製品と異なるところは、クリエイター、デザイナーのビジネスサイクルが加速するなかで、それを支えるワークフローをしっかりと支える製品であるという点です。クラウドを活用することで迅速性が高まり、機能強化についても、従来は2年に1回だったものが、半年以内で新たな機能を追加して、市場の変化に対応した技術革新を行えるようになります。こうしてみると、それぞれのクラウドサービスは、ターゲットが異なり、役割が異なるように見えますが、実は、ひとつのサービスとして捉えることもできます。例えば、Creative CloudとMarketing Cloudを連携させると、Creative Cloudのデジタルアセット管理の活用と、Marketing Cloudによるデジタルマーケティングでの活用までを、共通基盤で提供できます。その点では、長年、クリエイターやデザイナーを対象にビジネスをしてきたアドビにとって、そのまま一気通貫でマーケティング活動にも展開できるデジタルマーケティングへの進出は当然だったともいえます。一方、4月からサービスを開始したDocument Cloudでは、一般消費者も企業も使える製品ですから、最も幅広い方々に活用していただけるクラウドサービスだと考えています。Creative Cloudのシングルサインオンの機能を使っていますから、Creative Cloudのユーザーは、そのままDocument Cloudのサービスを利用することができますし、保存先も共有することができます。●Document Cloudが「ハンコ」に対応?――3つのクラウドサービスを組み合わせることで、どんなサービスが提供されることになりますか。過去2年に生成されたデータは、人類が誕生してから生成されたデータの約9割を占めるといったような調査結果がありますが、それだけ、いまの世の中には数多くのデータがあふれかえっています。そうした流れを形成するもののひとつに、ソーシャルメディアなどに投稿されている数多くのテキストデータや画像、映像があります。こうした情報の投稿や利活用において、アドビのツールを活用してもらえる場が増えているといえます。写真の加工や、PDF化すること、さらにはこれらのコンテンツを活用してマーケティング活動をしていくという点でも、アドビは貢献できます。世界がデジタル化していくなかで、アドビの製品を活用して、情報をさらに有効活用してもらいたい。いま、アドビでは、「4つのM」という表現をしています。これは、Make(コンテンツ制作)、Manage(コンテンツ管理)、Measure(計測)、Monetize(収益化)の頭文字を取ったものです。Creative CloudとDocument Cloudは「コンテンツ制作」のためのツールであるとともに、ここで作ったものをしっかりと「コンテンツ管理」していくツールでもあります。そして、ManageとMeasureの間には、マーケティング活動や営業活動など、なにかしらの行為が発生するわけですが、これらの活動を行った結果はどうだったのか、インパクトはどうだったのかということを「計測」することになる。ここは、Marketing Cloudの役割です。「計測」した結果、それが「収益化」につながり、さらに改善点があれば、「コンテンツ制作」へと反映させることができる。このように、マーケティングプロセスを包括的に支援できる唯一の企業がアドビです。――一方で、クラウドへの舵の切り方があまりにも急激であったため、ユーザーが置き去りになっているという印象も受けます。クラウドサービス化したことによって実現したモバイルデバイスへの柔軟な対応や、新たな時代に向けた新機能の提供のほか、銀行振り込みへの対応や発注書への対応など、購入しやすい環境を提供している点にも評価が集まっており、すでにかなりのユーザーがサブリスクリプションモデルへと移行しています。ただ、クラウド環境への移行は、まだまだやらなくてはならないことがあると感じています。――Document Cloudでは、紙の文化と共存させるということを強く訴求していますね。日本ではまだまだ紙の文化が中心となっています。社内の申請や購買手続き、稟議など、社内のルール上、紙でしかできないような仕事も数多くあります。しかし、それを否定するのではなく、むしろ、うまく活用しながらも、お客様の課題を解決することを支援したいと考えています。そこにDocument Cloudの役割があります。紙の書類も、モバイルデバイスのカメラで撮影し、それをPDF化し、必要な加工をして、情報共有するといった使い方ができるわけですが、従来の仕組みでは、それをやるには、かなりの手間がかかりました。スキャナーが必要だったり、ソフトウェアをインストールしたりといったことも必要でした。しかし、いまでは手元のモバイルデバイスで、それらの作業のほとんどは代替できますし、Document Cloudによって、いつでも、どこでも利用できるようになります。複合機でも、紙への出力だけでなく、PDFへの出力が可能な製品が増えていますし、電子黒板でも手書き文字が一気にPDFに変換できる。PDFを利用すれば、上司が出張続きで、紙の申請書類は上司の机の上に置かれたままで、いつまで経っても手続きが進まないということもなくなる。紙で往復する回数を減らすことは、業務の大きな効率化につながります。このように、効率化のために、紙の情報をPDFで共有するのであれば、そのステップを大きく削減して、もっと手軽に行えるようにしたい。PDFは、社内、社外を問わず、どんなアプリケーションであれ、最も使われるフォーマットですから、情報の共有化には最適です。共通化している点では、紙に最も近いフォーマットであり、それでいてデジタルならではの利便性、効率性が図れる。つまり、紙をデジタル化するには、最も身近なフォーマットともいえるわけです。紙との共存を図りながら、デジタルならではの使い方を付加することが、アドビの提案ということになります。――Document Cloudで新たに提供するe-signを活用した、日本市場に向けた利用提案はありますか。たとえば、日本の法律に準拠した形で、契約書にe-signを活用するといった提案は可能ですが、具体的なソリューション提案はこれからになります。電子サインは、日本では普及していない仕組みですから、我々からも積極的に利用提案をしていく必要があります。見方を変えれば、大きなビジネスポテンシャルがあるともいえます。また、これは、決定した話ではありませんが、ハンコにも対応してほしいという声が多ければ、そうしたことも考えていきたいですね。利用者からのフィードバックをもとにして、日本の商習慣にあわせた形で進化させるといったことにも取り組みたいと考えています。――Document Cloudの最初のゴールはどこになりますか。社内の数値目標とは別に、Acrobatにはなかった機能の活用率が高まることを期待しています。例えば、スマートフォンで撮影したデータを、JPEGのまま保存するのではなく、PDFに変えて情報を共有したり、画像データから文字データに変えたりといったことが行われるようになるといいですね。また、e-signの導入も、日本の企業におけるビジネスの効率化に寄与すると考えていますから、この利用率ということにもこだわりたい。米国では、EchoSignを利用した契約書の総数が、1年間で1億件に到達しています。日本でもこうした指標は重視したいと考えています。Acrobatは、大手企業の社員が複数のデバイスで利用していますから、社員数に対する導入率が100%以上となっている場合も多い(笑)。そこまでいくにはまだ時間がかかるかもしれませんが、e-signを利用することによるメリットは積極的に訴求していきたいと考えています。●佐分利氏がアドビを「変えた」部分、「変えなかった」部分――話は変わりますが、Acrobat Readerの名称を、一度、社名を冠したAdobe Readerとしたものの、再び、Acrobat Readerに戻しましたね。社名を冠したものから、製品名に戻すと、やや格落ち感が否めませんが、この名称変更の理由はなんですか。これはブランディングの整理と捉えていただければいいと思います。Acrobat Reader に限らず、Acrobatというブランドの下で、ドキュメント製品群を展開していくという姿勢を明確に打ち出したものであり、その一環として、e-signも、Acrobatブランドの下に入りました。長年の歴史を持つブランドを活用することが最適である、との判断によるものです。――2014年7月にアドビ システムズの社長に就任してから約10カ月が経過しました。この間、何を変え、何を変えなかったのでしょうか。まずは、データを可視化していくことに徹底してこだわりました。自らもデジタルマーケティングの製品を出しているわけですから(笑)、しっかりと測定して、それをビジネスに生かしていかなくてはなりません。そこは、社員に嫌われるぐらい徹底しました。売上高などのデータからは、バックミラーを見ることはできますが、フロントガラスの先に何があるのかといったことはみえない。だが、顧客満足度という指標は、フロントガラスの先を見通すには重要なデータです。コールセンターにどんな連絡が入っているのかといったことも、その指標のひとつです。シンプルな言い方をすれば、顧客満足度が悪化すると、その先の売り上げは必ず悪化することになる。自分のクルマがどこにいるのかということを理解するには、360度すべてがわからなくてはならない。そのためにデータの可視化は重要な要素です。もちろん、100%のデータは集まりません。なにかアクションを起こすにも、社員には7~8割の状況がわかってもらえればいい。そうすれば、私は5割以上の状況が理解できて、そこから判断ができる。完全なところまで待つと何も動かなくなってしまいます。データはあくまでも手段です。その点では、データとの正確性と、ビジネス判断の迅速性のバランスが重要ですね。私が、こうしたことにこだわるのは、長年、マーケッターをやってきたDNAだと思います。データドリブンの仕事の仕方は、自然と身についたやり方です。もちろん、勘や根性といった要素も必要です。アドビ流にいえば、左脳と右脳をバランスよく使うことが必要。これも重視していきます。いずれにしろ、データを可視化していくという取り組みは、これまでにはない大きな変化だといえます。また、前社長のクレイグ・ティーゲル氏を私はとても尊敬していますが、やはり日本語の壁があったのではないでしょうか。その点では、私は日本語でパートナー、ユーザー企業、エンドユーザーとコミュニケーションできますから、その点も大きな変化でしょうね。より緊密なパートナーシップを図りたいと考えています。一方で、変えなかったのは、アドビが持つすばらしい企業文化です。特に、協業の意識が強いですね。例えば、製品に関するトラブルが発生した場合に、この情報の社内への伝わり方はとにかく速い。現場から上に上がっていって、そこから本社に伝わって、本社の現場に伝わって解決するというのではなく、現場から一気に本社のしかるべき人につながる。これはシステムとか、プロセスがあって実現しているのではなく、アドビが持つ文化だと思います。――日本マイクロソフトから米マイクロソフト本社に勤務後、帰国した途端にアドビ システムズの日本法人社長に就任したのには正直驚きました。日本マイクロソフトの本社が品川なのに対して、アドビ日本法人の本社があるのは大崎。山手線の降りる駅を一駅間違ったのではないかという声が、日本マイクロソフト社内から出ていましたが(笑)。そういっていただけるとありがたいですね。私は競合する会社には行きたくないと思っていましたし、その点、アドビとマイクロソフトは、協業できる関係にあります。米アドビのCEOであるシャンタヌ・ナラヤンと、米マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは友人ですし、私は日本マイクロソフトの樋口泰之社長とも、いまでも連絡を取らせていただいていて、時には指導もいただいています。お金で買えないものはたくさんあります。こうした関係もお金で買えないもののひとつです。大事にしていきたいですね。――今後、どんなアドビを目指しますか。グローバル化が進むなかにおいて、日本の企業は競争力を高める必要があります。私は、マーケティング力の強化が、企業力の強化に直結すると考えています。そこをぜひお手伝いしたい。デジタルマーケティングを活用することで、お客様の収益向上を図り、日本の企業を元気にしたい。また、少子高齢化が進むなかで、社内業務の効率は重要な要素になっています。その点でもアドビは貢献をしたい。さらに、ありとあらゆるデジタルコンテンツが生成されるなかで、アドビのツールを利用していただくことで、より効果的に、そして効率的に情報を活用できるようになります。Creative Cloud、Marketing Cloud、そしてDocument Cloudを通じて、こうした貢献をしていきたいですね。一方で、社内に対しては、アドビでキヤリアプランを作ってもらい、骨をうずめてもらえる会社にしたいと思っています。――佐分利社長は骨をうずめるつもりですか。もう、うずめていますよ(笑)
2015年05月07日