●会場は東京都・渋谷の「FabCafe MTRL」NECパーソナルコンピュータは23日、RealSense 3Dカメラを活用するアプリ開発ハッカソン「HIGH TOUCH PROJECTインテル RealSense テクノロジー Hackathon」(以下、ハイタッチプロジェクト)の授賞式を開催した。ハッカソンとは、ソフトウエア開発者が、一定期間集中的にプログラムの開発やサービスの考案などの共同作業を行い、その技能やアイデアを競う催し。また、Intel RealSense 3Dカメラは、撮影対象の奥行きをスキャンでき、立体的な3Dデータを取得できるWebカメラだ。Windowsの生体認証機能「Windows Hello」による顔認証ログインに、RealSense 3Dカメラが使用されることも多い。NECパーソナルコンピュータでは、1月13日に発表した「LAVIE Hybrid ZERO」11.6型モデル「HZ300」に、Intel RealSense 3Dカメラを搭載しており、今回のハッカソンを通じて、RealSenseテクノロジーに対応したアプリの普及を目指す。「ハイタッチプロジェクト」の参加者は、一般公募で集まったデザイナー/プランナー、エンジニアなど約25名程度。社会人だけでなく、高専生ら学生も加わった。2016年1月16日にアイデアを出し合う「アイディエーション」と応募者のチーム分けを行い、そこから約1週間かけて各チームが自主的にアプリのプロトタイプを制作。23日にアプリの発表と審査、受賞式を開催した。総合優勝したアプリは、NECおよびインテルが開発支援を行い、同社製PCへのプリインストールも検討する。「ハイタッチプロジェクト」を担当したNECパーソナルコンピュータ 商品企画本部の森部浩至氏は、今回のハッカソンを「共創の一環」と紹介した。この「共創」という言葉は、同社が1月13日に開催した2016年春モデルPC発表会の中で、代表取締役 執行役員社長の留目真伸氏が、「異業種パートナーとさまざまな分野の共創に取り組んでいきたい」と、今後の戦略として触れた言葉でもある。「世の中にRealSense対応アプリがほとんどなかったので(笑)、アプリを開発するイベントを開催したかったんです。NECレノボとしては、ハッカソンの主催は初の試み。今までは自社内だけでアプリを開発してきましたが、今回オープンにすることで、アイデアやアプリの味付けなど、非常に参考になりました」(森部氏)。今後、ハッカソンという形になるかはわからないが、RealSense対応アプリを普及する上で有効な方法を継続して支援していくという。●授賞式、総合優勝に輝いたのは……ここからは、授賞式の様子を見ていこう。「ハイタッチプロジェクト」では、NECパーソナルコンピュータによる「NECPC PRISE」、インテルによる「Intel PRISE」、ロフトワークによる「Loftwork PRISE」、そして総合優勝の4つの賞が用意されている。各賞の審査基準に違いがあり、NECでは、ビジネス展開の可能性や実用性の高さ、インテルでは技術力、ロフトワークは独自性や面白さが重視される。そして、この3つ賞の基準に照らし合わせ、最も評価が高いアプリが総合優勝を獲得する。今回、アプリ開発を競い合った6チームの中から、総合優勝となる「GRAND PRISE」に輝いたのは、「Magical Mirror」というアプリ。「家の玄関に置かれた鏡」をイメージし、外出時/帰宅時の表情を自動的に撮影するほか、「行ってきます」「ただいま」などの音声認識機能や、笑顔の時は(画像内に)緑のエフェクトがかかる、といった顔認識機能も備える。また、データは自動でアーカイブされ、家族が確認することもできる。○自分に似合うメガネを探せる「Swipy」ビジネス向けの展開や、実用性の高さで選ばれる「NECPC PRISE」と、技術力を評価する「Intel PRISE」は、「Swipy」というアプリがダブル受賞した。「Swipy」は、メガネの3Dデータを、実際にPCの3Dカメラで撮影している顔と組み合わせ、自分に似合うメガネを探せるアプリ。"似合うメガネ"を見つけるため、「フレームの縦幅は眉から顎までの1/3を目安にする」といった複数の要素をスコアリング。3Dデータ上でメガネをバーチャル装着することで、各要素のスコアリングを行い、自分に似合っているかどうかを判断する。○独自性あふれる遊びアプリも独創性や面白さを重視する「Loftwork PRISE」は、"影絵"をテーマに、指の形を2Dで撮影し色を付け、3Dプリントなどで出力できる子供向けアプリ「3Dスナップ」と、手の動きや音声認識でポイントを獲得し、ラップで対決できるゲームアプリ「RapSense」が受賞した。
2016年01月25日●春モデルはツートップ戦略NECパーソナルコンピュータは13日、2016年春モデル(全5シリーズ44モデル)を発表した。同社では11.6型デタッチャブルPCとして世界最軽量をうたう「LAVIE Hybrid ZERO」シリーズと、フリースタイルで設置できる15.6型PC「LAVIE Hybrid Frista」を"ツートップパソコン"として訴求する。新製品は1月15日より順次販売。本稿では、都内で開催された記者説明会の模様をお伝えしていく。○4つの強みでシェアNo.1に説明会の冒頭、NECパーソナルコンピュータ 代表取締役 執行役員社長の留目真伸氏が挨拶した。留目氏によれば、販売店データを基にした同社の国内PCシェアは2013年に23.9%、2014年には24.9%を記録、2015年には26.7%まで拡大して過去最高を更新中だという。好調の要因として、同氏は次の"4つの強み"を挙げる。1つは、レノボグループと協業するなどして国内外でNo.1のスケールを実現したこと。留目氏は「世界中のパートナー、サプライヤーとの連携が強固になった。これにより(グループ全体で)世界No.1の調達力を得た」と説明する。2つめは、開発から販売まで製販一体の組織力により、日本市場に合った製品を開発し、スピーディーに販売できていること。3つめは、日本の技術力を活かした製品づくりができていること。4つめは、先を見据えた提案力により、利用者に響く新しいユーザー体験を提供できていること。留目氏は「NECパーソナルコンピュータはPC業界のリーダーとして、市場を発展させていく使命を担っている。D3(Digital Dramatic Days)のコンセプトに基づき、異業種パートナーとさまざまな分野で"共創"する取り組みも進めていきたい」と語った。○春モデルはツートップ戦略NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部 D3総合プロデューサーの森部浩至氏は、新商品の特徴を説明した。同氏はツートップの一翼を担う「LAVIE Hybrid Frista」を"少し未来のホームパソコン"と紹介。新製品は現行シリーズの第2世代に当たるモデルで、前モデルより薄くなったほか、バッテリ駆動時間が約4.2時間に伸びた。スタンド時の幅は約145mmと非常にコンパクトで、「スマートフォンを置いた程度の奥行き」と省スペース性を強調。また、スタンドを畳めばタブレットライクに使用できるほか、ワイヤレスキーボードを背面に収納できるなど、使い勝手も向上している。また、11.6型デタッチャブルPCとして世界最軽量をうたうのがLAVIE Hybrid ZEROシリーズ。キーボード装着時で重量約798gを実現したモデルが「HZ330/DAS」および「HZ300/DAS」「HZ300/DAB」、11.6型Windowsタブレットとして世界最軽量の約398gを実現したモデルが「HZ100/DAS」「HZ100/DAB」となる。森部氏は「従来の常識では、キーボードとディスプレイが分離できるデタッチャブルPCは、その機構ゆえに重くなりがちだった。本体とキーボードの重量バランスがとれていないと転倒の可能性も高くなる。LAVIE Hybrid ZEROシリーズは、匠の技術により軽量化と転倒防止を両立させており、固定概念を覆す製品となった」とアピールした。なお「HZ330/DAS」はLTE通信機能にも対応している。このほか、23.8型ワイド フルHD IPS液晶を搭載した「LAVIE Desk All-in-one」シリーズの紹介も行った。TVチューナを搭載しており、4番組同時録画に対応。YAMAHAサウンドシステムを搭載するなど、音質にもこだわった製品となっている。●女性起業家ならどう使う?発表会では、特別ゲストとして新進気鋭の女性起業家が3人招かれ、留目氏とトークセッションを行った。普段から仕事にプライベートにPCを活用しているという彼女たち。2016年春モデルを、どのように活用するだろうか。株式会社ガルテン代表の村上萌さんは「会社は東京だけど、自宅は北海道にある。LAVIE Hybrid Fristaがあれば、自宅に居ながら内蔵カメラで社員とコミュニケーションを図れる」と話した。また、大画面で省スペースのLAVIE Hybrid Fristaは、あまり広くないオフィス内でプレゼンを行う際にも活用できそうだという。株式会社エニタイムズ代表取締役の角田千佳さんは「女性用の鞄でもすっぽり入るLAVIE Hybrid ZEROは、スマホ感覚で使えるPC。カフェなど出先でメールやSNSが気楽にチェックできる。またLAVIE Hybrid Fristaは、狭いキッチンスペースでレシピを確認するのに便利」とコメント。株式会社プリンシパル代表取締役の七尾エレナさんは「自宅の寝室にはテレビがないけれど、LAVIE Hybrid Fristaをタブレット代わりにすると、ベットの上でも定額制の動画配信サービスが大画面で楽しめる。またLAVIE Hybrid ZEROはとても軽いので、片手で持ちながらホワイトボードに何か書き込みたい、というシーンでも活用できそう」と話していた。女性ならではの視点と、会社代表者ならではの視点を交えて語られたトークセッション。留目氏は最後に「PCがもっと身近に、もっと便利に、常に人の生活や仕事を支えていく存在になる、そんな時代を作っていかなくてはいけない。これは1社だけでできることではなく、いろんな方と知恵を交換し合い、未来の姿を思い描きながら、しっかりステップを踏んでいきたい」と話した。
2016年01月13日NECパーソナルコンピュータは28日、「LAVIE秋冬モデル発売記念イベント」を開催した。同社は15日に同社製PC「LAVIE」の2015年秋冬モデル、7シリーズ45機種を発表しているが、今回の発表会は秋冬PCの新機能やコンセプトを訴求する場となる。冒頭、同社代表取締役執行役員の留目真伸社長が挨拶し、まず「1/3/10/45」という数字を披露。これはコンシューマーPC市場で同社がNo.「1」シェアを占めている事、現在同社が進めているD「3」(Digital Dramatic Days)コンセプトと、Windows「10」をプリインストールした「45」モデルを2015年秋冬モデルとして投入したという意味だ。○日本MS平野社長「早い時期からパートナーシップ」ゲストとして日本マイクロソフト 代表執行役社長の平野拓也氏も登場した。平野氏は、Microsoft社は今年40周年を迎えるが、早い時期から前身であるNECとのパートナーシップを結んでおり、緊密な関係であると強調。NECパーソナルコンピュータはWindows 8の頃から2-in-1やタブレット製品を発売するなど、積極的な商品展開、先進的なマインドを持ち、これがユーザーに評価されることで高いシェアに結びついているとする。今回の製品群でも3Dカメラを使った顔認証のWindows HelloやSkylake(第6世代Core iプロセッサ)と先進の技術が使われており、日々のユーザーエクスペリエンスを高めていると確信しているという。日本マイクロソフトは、最新Office「Office 2016」の機能紹介を兼ねた発表会を29日に予定している。平野氏は「(今日は自身がゲストとして呼ばれているが)明日は新しいOfficeのプレスイベントを開くので、留目社長をお招きしてOffice 2016のローンチを行いたい」とコメントした。○体験を訴求する「コト売り」へシフト次に現れたのが、NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部 D3総合プロデューサーの森部浩至氏。以前のパーソナルコンピュータ(PC)は機能・価格・用途で訴求を行う「モノ売り」であったが、今はユーザーシナリオに即した体験を訴求する「コト売り」へと変化しており、D3(Digital Dramatic Days)はその中核をなしているという。氏は3本のショートムービーを使い、6年前のPCと最新のPCでの体験の差を紹介した。ちなみに、同社は2015年1月、それまでデスクトップPCブランドであった「VALUESTAR」を廃し「LaVie」(現在はLAVIE)にブランドを統一した頃から、新たな時代のデジタルライフソリューションを提供する"Digital Dramatic Days"を提案している。○松本愛さん、Windows Helloを試すゲストとして、同社の15.6型ホームモバイルPC「Frista」のデモムービーに起用された、モデルの松本愛さんが登場。留目氏とのトークショーを開催した。松本さんはSNSの利用が多く、基本的にはスマートフォンを利用しているが、長い文章を打ち込む場合は不便であり、また画面が狭いという不満を持っているという。これに対し留目氏は「Frista」ならば奥行きがコンパクトで置き場所に困らず、情報表示アプリ「インフォボード」を"ながら見"スタイルで楽しめ、キーボード付きで長文入力にも向いていると説明。また、今回3Dカメラを搭載した機種では、Windows Helloによる簡単ログインが行えること、すでに松本さんの顔を登録済みで、松本さん本人はログインできるが、写真ではログインできないことを紹介した。最後に留目氏がD3の次の取り組みを紹介。マルチデバイス時代に向けて「リビングルーム」と「外出先」とをよりシームレスに連携したいとし、今後もユーザーシナリオの拡充を行うことを表明。また、D3コンセプトとLAVIEの紹介のためにイベントの協賛や実店舗「LAVIE Shop」の開設、そして他の方々とシナリオを共有して新たなモノを作り上げる共創プロジェクトを企画していることを紹介し、今後も日本人にあった新しいデジタルライフに尽力したいと今後のLAVIEの方向性を示した。
2015年09月29日●LaVie誕生から20年目の大改革NECパーソナルコンピュータ(NECPC)は20日、2015年PC春モデル「LaVie」シリーズを発表した。2015年春モデルでは、同社製PCのブランド名をLaVieに統一。同社は、個人向けPCの2015年春モデルを「新生『LaVie』」と銘打ち、東京・表参道ヒルズで発表会を開催した。LaVieは従来、同社の個人向けノートPCのブランド名。NECの2015年春モデルでは、「LaVie」をデスクトップPCも含めた同社製PC全体のブランド名とする。NECパーソナルコンピュータ 取締役執行役員常務の留目真伸氏は、新生LaVieのスローガンを「Digital Dramatic Days」とし、「LaVie」はハードウェアに加え、アプリケーションやサービスを含めた、デジタルライフの総合的な支援ソリューションであると紹介した。「Digital Dramatic Days」は、オンラインストレージやホームネットワークの活用など、デジタルライフを活用した快適な生活を指す。「2015年はLaVieが誕生して20年の節目。新生LaVieは、『デジタルドラマティックデイズ』をスローガンにプロモーションしていく。期待していただきたい」(留目常務)●新生「LaVie」、注目製品は?○新生「LaVie」、注目製品は?NECPCの2015年春モデルは、6シリーズ41機種で展開する。LaVie Hybrid ZERO(LaVie Z後継)LaVie Hybrid Frista(新シリーズ)LaVie Hybrid Advance(新シリーズ)LaVie Note Standard(ノートPC「LaVie L/S/E」後継)LaVie Desk All-in-one(デスクトップPC「VALUESTAR N/S」後継)LaVie Desk Tower(分離型デスクトップPC「VALUESTAR L」後継)中でも注目の製品は、軽量モバイルPC「LaVie Z」後継機である「LaVie Hybrid ZERO」、新シリーズの15.6型PC「LaVie Hybrid Frista」の2モデル。13.3型ノートPCとして世界最軽量をうたうモバイルノートPC「LaVie Hybrid ZERO」は、新たに2-in-1モデルをラインナップ。約926gの2-in-1モデル「HZ750/AAB」および「HZ650/AA」、約779gのクラムシェル型モデル「HZ550/AA」の計3モデルを揃える。前者2モデルは2-in-1型の13.3型ノートPCとして、後者は13.3型ノートPCとして世界最軽量をうたう。また、15.6型PC「LaVie Hybrid Frista」(Frista)は、奥行き約16cmという省スペースの本体に、無段階で角度調節できるタッチ対応15.6型液晶を一体化させたPC。Fristaは「使う場所を自由にする」というコンセプトで開発。同社商品企画本部の森部浩至氏は、「従来は、書斎やリビングなど、PCのある場所に人が行っていた。これからの自宅PCは『人がいる場所にPCがある』生活になる」と紹介した。●写真が年代順に管理/共有できる「My History」○写真が年代順に管理/共有できる「My History」発表会では、同社の新サービス「My History」と「My Treasure」も紹介された。写真/動画データを年代順に管理/活用できたり、アナログ写真をデジタル化できたりするサービスで、2015年1月-3月期に展開予定。LaVie以外のPCを使用するユーザーも利用できる。「My History」は、PCやスマートフォン内の写真や動画といったコンテンツを、マスターデータとしてオンラインストレージにアップロード・保存できるサービス。データは撮影日情報を元に、タイムライン形式で自動整理され、WindowsやAndroid、iOS、Webブラウザ上で楽しめる。「My History」では、タイムライン上にWikipediaをベースとした同時期のニュースや、Amazonと連動した音楽情報表示、Twitter/Facebook/Instagramへの投稿機能も有する。また、ほかのMy Historyユーザーと、アップロードした写真・動画を含めたタイムラインの共有が行える。「My Treasure」は、紙焼き写真や年賀状、VHS、8mmビデオテープなどで保存されている個人のアナログ記録をデジタル化する有償サービス。デジタル化されたデータは「My History」に保存できる。料金例は、写真50円/枚、はがき・年賀状60円/枚など。ゲストとして登場した元プロ野球選手の石井一久さん、妻のフリーアナウンサーの木佐彩子さんは、「My History」について、「昔の写真がぱっとタイムラインで見られて便利。これは未来のアルバム。後からいろいろあったなと振りかえられる」と笑顔で感想を語った。
2015年01月20日