日本法規情報は、全国の男女1,290人(男性519人、女性771人)を対象に「職場のゆとり世代」に関するアンケートを実施した。調査実施期間は、5月9日~30日。○ゆとり世代の特徴は「指示したことしかできない」まず、「あなたの職場のゆとり世代で当てはまる特徴」について尋ねたところ、最も多かったのが「指示したことしかやらない。もしくは指示したことしか出来ない」(19%)だった。2位は「すぐに言い訳をする」(15%)、3位は同率で「敬語が使えない」「自分で考えることをしない」「根拠もなく自信がある」「軽く叱っただけで仕事を休んだり辞めたいと言ったりする」(12%)となっている。「手が空いていてもオフィスにかかってきた電話に出ない」「自分からコミュニケーションをとりたがらない」(8%)という意見も見られた。続いて、「ゆとり世代」を対象に職場で苦痛と感じることについて聞くと、「きちんと説明して貰えないこと」(24%)が1位だった。「『ゆとり世代は、これだから…』という言い方をされる」(16%)、「プライベートなことを聞かれる」(13%)のほか、「自分で考えろ」と言われる」「飲み会への参加」「上司に注意を受ける」も10%弱だった。ゆとり世代以外は「指示したことしかやらない。もしくは指示したことしか出来ない」というゆとり世代に対しての不満があるが、ゆとり世代は、「自分で考えろと言われる」「きちんと説明してもらえない」に不満を持っており、双方の価値観の違いがうかがえる。世代間ギャップを埋める方法について、両世代に尋ねたところ、「お礼の言葉を欠かさない」(29%)が最も多い回答となった。2位は同率で「相手のことを褒める」「こまめに話しかける」(13%)となっている。その他、「同じチームで一緒に仕事をする」「病欠していた人に声かけをする」「愚痴を聞く」は各8%。「ギャップの埋め方が分からない」という回答は5%だった。
2014年06月04日日本の教育機関でも、盛んにタブレットが導入されるようになった。テクノロジーを活用した教育は必須だが、これまでのように特別な教室でのみ利用していたパソコンではなく、教室の設備を変えずに生徒に1人1台端末を利用してもらえるようになるタブレットには期待が高まっている。そこで、今回、オーストラリア西部の都市ロッキンガム市にある生徒数1,100人の中学・高校一貫校、Kolbe Catholic College(以下、コルベ)を訪問し、同校のiPadがある教育について取材を行った。コルベで教育のイノベーションを統括する日本人の教師、萩原伸郎氏が出迎えてくれた。萩原氏に、コルベでのiPadやテクノロジー活用とその考え方について、実際の授業を見学しながら説明してもらったが、驚きの連続であった。前後半に分けて、コルベについて、紹介していきたい。○コルベとロッキンガム市まず、取材したコルベと、同校があるロッキンガム市について触れておく。ロッキンガム市は、西オーストラリアの中心都市であるパースから車で南へ1時間ほどのところに位置する。ゴルフ場などにはカンガルーが生息し、またインド洋に面した海岸からすぐのところにある島々にはペリカンやペンギンといった動物が生息している自然にあふれた場所だ。また日本へも多く輸出されている小麦の積み出し港があったり、周辺にはワイナリーがあるなど、産業も成長しているが、非常にゆったりとした雰囲気は、休暇先としても非常に有望と言える。ロッキンガム市は毎年5%程度の人口増加があり、テクノロジーを生かした新規事業などの誘致に積極的だ。また、通常オーストラリアでは州政府が教育行政に取り組むことが一般的だが、ロッキンガム市は市として教育に取り組んでおり、市内の文教地区には大学や中・高などの学校が集められ、特色ある教育を行っている。コルベは、そんな学校の1つとして、緑の美しい広々としたキャンパスを構えている。教育に力を入れることで、その地域の特色を高めて行く市の戦略の中で、テクノロジーを活用して組み立てられるコルベの先進的な教育には、熱い視線が集まっているのだ。●Apple製品を1人1台ずつ持たせた「テクノロジーが前提の教育」○テクノロジーを教育に取り入れ、目指す姿とは?コルベは、iPad以前から、MacBook、MacBook AirなどのApple製品を1人1台ずつ持たせて、授業や課外活動全般、そして家庭での学習に利用するカリキュラムを組んできた。しかしテクノロジー教育に力を入れることが目的ではなく、「テクノロジーが前提の教育」というスタンダードの元で教育が組み立てられている。コルベで校長を務めるRobyn Miller氏は、テクノロジーがある教育について、次のように話す。「テクノロジーは、21世紀の学び方、すなわち『Connected』を内包する教育を作り出す。生徒にとって親しみがあるデバイスを選び、在学中・そして大学へいったりする際に、生徒たちがアドバンテージを手にするよう、デバイスを選んだ結果だった。教育の形をよりフレキシブルにし、コラボレーションを促進させ、また生徒が学校に学びに行きたいと思う場所になった」(Miller氏)フレキシブルとは、教師も生徒も、既存の学校での授業のスタイルにとらわれずに学習が進められるようにすること。そしてコラボレーションは議論を促進させ、一方通行の授業ではない場を作り出すことだ。また、生徒ひとり一人が学びへのエンゲージメントを高め、積極的に自分の学びを「獲りに行く」姿勢を持つことを目指しているのだ。○iPadを選ぶ理由Connectedの学びの環境は、教師や生徒がインターネットや、お互い同士がつながり続けているだけでなく、生徒が学びに常につながり続け、止まることがない事を意味する。では、なぜiPadだったのか。萩原氏は次のような点を挙げた。「デバイスとソフトウエアを1社が提供している点。これにより、習得やサポートといった、テクノロジーを使えるようにするまでの時間やコストが一気に下がっている。またアプリの充実ももちろんだが、なにより、教師が自分でコンテンツを作り、生徒に簡単に配信するための仕組みとして、iTunes UやiBooks Authorといった環境やツールが揃っている点も、活用が進むほど重要となった」(萩原氏)教育の世界でのキーワードとして、「反転授業」(ビデオ等で予習を行い、授業中に課題などに取り組む方式)があるが、萩原氏は反転授業のようなカリキュラムになった教科はそれを目指したのではなく、結果的にそうなった、と指摘する。つまり、iPadによって、教師がそれぞれ独自の教え方や資料を作り、これを生徒に簡単に配信しながらすすめられる「教え方の自由度」が高まった。同時に、教師たちの負担を減らすことも、非常に大きなテーマだったという。コルベでは、教室全体ではなく、生徒ひとりひとりへのきめ細かな教育を実現することを目指している。簡単に言えば、できる生徒をより伸ばし、できない生徒をできるようにする、という指導を同じ教室の中で行おうというアイディアだ。負担を減らしながら個別主義で指導を行うためにも、テクノロジーの助けは不可欠だ。そのため、生徒個人のデータを管理するクラウド環境を用意し、教師が手元のiPadで生徒の出欠や、他の教科を含む提出物、評価などをすぐに閲覧しながら、その生徒の特性について深く知ることができるようになっていた。この情報は保護者や生徒自身もいつでもアクセスしてみることができるようになっており、家庭でも年に数回の通知表でのフィードバックよりも、現在の状況を細かく知って、家庭での教育に役立てる事ができるようになっていた。●目の前にいる生徒たちにフィットする授業を行うことを考えた結果○教科書と教室から、授業を解放する萩原氏の教師としてのキャリアは、日本の小学校で始まった。現在のコルベへ移ってもなお続けている授業の方法として、既存の教科書を使わない、というものがある。市販の教材では、目の前にいる生徒たちに完全にフィットする授業を行うことは難しい、と考えているからだ。その考え方と、コルベでのテクノロジーを活用した教育は非常に相性が良かった。前述の通り、生徒に対する学びの自由度やコラボレーション促進といった効果、教師の負担軽減と生徒を個別に指導できる環境作りは大きいが、更に象徴的だったのは、教科書と教室から授業を解放する、というコンセプトだった。教科書は、その教科での習得を目指す事柄を学ぶための書籍だ。そして教科書に付随するワークシートやテストも利用可能な教材だ。また、クラス全体で同じ事柄を学ぼうとすると、教壇に教師が立ち、生徒が同じ方向を向いて授業を聞くスタイルが最も効率が良い。しかしこうした中でテクノロジーを導入したり、Connectedのコンセプトの学びへ変えていくことは非常に困難であることは、日本の様々な事例を見ても理解できる。萩原氏は、こうした教室の中の風景を一変させる事に成功している。独自の教材をiPadでいつでも学べる環境を作り、教室内では議論や成果物の製作などが行われていた。教室は図書館のオープンスペースや、グループごとにテーブルに分かれて座れるスタイルなど、全員が同じ方向を向いて学習する風景をほとんど見かけなかったほどだ。教師はiPadを片手に教室内のグループを周りながら、独自の教材を表示させたり、生徒ひとりひとりの情報にアクセスしたり、その振る舞いもiPadを前提としたものに変わっていた。コルベでのiPadを活用した学校の姿。既存の黒板やノートといったツールのリプレイスの範囲を超え、学び方、教え方にまでその変化がもたらされている様子は非常に印象的だった。次回、もう少しiPadが導入された際の教師側、生徒側の経緯について、詳しく紹介していきたい。松村太郎(まつむらたろう)ジャーナリスト・著者。米国カリフォルニア州バークレー在住。インターネット、雑誌等でモバイルを中心に、テクノロジーとワーク・ライフスタイルの関係性を追求している。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、ビジネス・ブレークスルー大学講師、コードアカデミー高等学校スーパーバイザー・副校長。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura
2014年05月20日今年、祖父母から孫へ教育資金をあげる際の税金上の特典ができ、それを利用するための金融商品が、大ヒット中。でも教育資金に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんは、「新制度利用ができたからといって、すぐさま飛びつくのは得策ではないのでは?」というスタンス。 その理由の一つ目は、もともと教育費の援助に贈与税はかかるからないから 。では、2点目の理由は?■高校時代までは教育費は家計内でやりくりを! 二つ目の理由は、「その家にとって、分不相応な教育費が突然入ってきて大丈夫なのか?」という点。「私がずっと言い続けているのは、高校時代までの教育費は、通常の家計の範囲内に収まるようにしましょうということです。ちなみに大学時代は家計の範囲内では収まりきらないので、子供が小さい頃からの積立を提唱しています」と畠中さんは言う。そんな中、突然、大金が入ってきたら? 「最後まで祖父母が学費や習い事のお金を負担してくれるのであれば、さほど問題はありません。ただ、前記事の通り、途中で祖父母の家計の事情が変わることもありえます。そうなった時が問題です。」■新制度を使う場合のポイント2点畠中さんが指摘してくれた問題点について検討した上で、それでも新制度を使いたい場合は、ポイントは下記の2点となる。■1,500万円非課税の内容を正確に把握しようまず、ポイントの一つ目。一言に「教育資金」といっても、今回の制度で「教育資金」とされているものには2種類の枠がある。一つ目は「学校等に直接支払われるもの」、もうひとつは「学校意外の教育サービスに支払われるもの」。前者の枠が1,500万円、後者の枠が500万円で両方合計して1,500万円が非課税の対象となる。大切なのは「教育資金」の定義を、自分なりの解釈で決めてしまわないこと。この制度を使うためには、制度で決められている「教育資金」の内容をきちんと把握しておく必要がある。教育資金の枠一覧表■1年で110万円までは、非課税ふたつ目のポイントは、この制度でもらったお金の「使い勝手」だ。非課税の特典を使いたければ、「教育資金」の細かい規定を守った上、30歳までに使い切らなければならない。畠中さん曰く「ある程度の貯金をお持ちの高齢者が、それを子どもや孫にあげるのは、今までだってどの家でも普通にやってきたこと。ちなみに年間110万円までだったら、“あげたお金”に対しては税金はかかりません。」■小出しに、ちょくちょくが失敗は少ない「“貯蓄が満期になったら、孫5人にわける”“今、たまたま余裕があるから、そのお金を孫5人にわけておく”…。そんな感じで小出しに、ちょくちょくとあげていった方が、実はいろんな意味で失敗は少ないと思いますよ」と畠中さん。新制度ができたからといって、すぐさま飛びつくのは得策ではない。内容を理解し、「我が家にとっての本当に使い勝手のいい制度なのか?」をきちんと検討した上で、利用したいものだ。取材/楢戸ひかる
2013年12月20日福岡銀行は12日、「教育贈与専用預金」を29日より取扱うことにしたと発表した。同商品は、2013年度税制改正によって創設された「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」に対応する預金商品。福岡銀行では、今後も顧客の多様なニーズに応えることができるよう、商品・サービスの充実に取り組んでいくとしている。預入目的非課税措置の対象となる教育資金の管理を目的とした預金預金種類普通預金(別途、教育資金管理特約を締結)。なお、総合口座普通預金は利用できない利用できる人預入日前2か月以内に、直系尊属(祖父母など)と書面で贈与契約を締結した30歳未満の人が対象。この非課税措置は、1個人(受贈者)につき1金融機関かつ1営業所でのみ利用できる。すでに他の金融機関や同行他支店で「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の適用を受けるための口座を持っている場合などは申込み出来ない預入金額、預入単位100万円以上1500万円以内、1円単位手数料無料口座開設・預入の受付期間7月29日から2015年12月30日まで【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年07月16日横浜銀行は15日、「教育資金贈与信託」の取り扱いを開始した。「教育資金贈与信託」は、2013年度税制改正によって創設された制度に基づくもので、祖父母などが孫などへ教育資金を一括贈与した場合に、贈与税が非課税となる信託商品。同行は朝日信託の信託契約代理店として、顧客と朝日信託の信託契約を媒介する。あわせて同行は、2013年度税制改正によって創設された制度に基づく、教育資金贈与のための預金サービスの準備も進めているという。今後も魅力あふれる金融機関の実現をめざし、顧客にとって価値の高い金融サービスの提供に取り組んでいくとしている。委託者教育資金を贈与する個人の顧客で、孫などの直系尊属(曾祖父母・祖父母・父母など)にあたる人受益者教育資金の贈与を受ける個人の顧客で30歳未満の人(未成年者の場合、親権者などの代理が必要)信託期間孫などの30歳の誕生日の前日までの期間信託金額10万円以上1500万円以下(孫など一人あたり)非課税となる上限金額受益者一人につき1500万円まで(うち塾などの学校等以外への支払いは500万円までが対象)期間2013年4月15日(月)~2015年12月31日(木)までの間に信託されたものに限る教育資金の交付方法受益者の支払いの請求をもとに、あらかじめ指定された預金口座に振り込む信託報酬・費用等設定時報酬:5万2500円(税込み)管理報酬:教育資金の支払い1回につき1050円(税込み)教育資金贈与信託の申し込みに合わせて、またはすでに遺言信託・遺産整理業務・その他個人信託のいずれかを契約している顧客は設定時報酬、管理報酬が無料。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年04月16日出版事業を行っているブックマン社は、11月20日、尾木直樹氏と、ごく普通の若者たちが「生き方論」について考えた本「生きづらいのは『ゆとり世代』だから、と思っている君たちへ」を出版する。価格は1,400円。同書では、「尾木ママ」こと教育評論家の尾木直樹氏と、一般の若者で行った座談会をもとに、若者達たちが抱える「生きづらさ」の本当の在り処を探り、人生の本当の価値を考える「若い世代への生き方論」を書いている。内容は「授業」として描かれており、1時間目では、座談会出席者が「生きづらい」と感じていることについて紹介。2時間目以降では、それぞれの問題について詳しく解説し、それをどうやって解決していけばいいかを「尾木ママ」の言葉でつづっているという。なお、座談会であげられた問題は「将来の目標」や「ゆとり教育」、「子育て」、「働き方」などさまざま。20代から40代の自分は「若者世代」と思っている人だけでなく、「若者世代」を教育する立場にある人にも読んでもらいたい内容になっているとのこと。尾木直樹氏は、早稲田大学卒業後、22年間「海城高校」や公立中学校などで教師をつとめ、その後臨床教育研究所「虹」を設立。子どもと教育等に関する調査・研究活動に取り組んでいる。また、全国への講演、テレビやラジオの出演、新聞・雑誌への執筆、著書の出版など幅広く活動。最近では、テレビのバラエティ番組などにも出演し「尾木ママ」の愛称で知られている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月19日メンタルヘルスケア対策、就業障がい者支援事業など人事ソリューションを提供するアドバンテッジ リスク マネジメントはこのほど、同社で提供している採用適性検査「アドバンテッジ インサイト」に関して、新卒応募者の受検データをもとに「ゆとり教育世代」「非ゆとり教育世代」の比較分析を行い、結果を発表した。「EQ(Emotional Intelligence Quotient)」は「感情知能」と呼ばれ、感情をうまく使いこなす力のことを指し、「感情の識別」「感情の利用」「感情の理解」「感情の調整」の4つの能力に分けられる。同調査では、受検した年次ごとに各年2,000例の受検データをランダムに抽出。2003年から2005年までの受検者を「非ゆとり教育世代」、2009年から2011年の受検者を「ゆとり教育世代」として2つのグループに分け、「EQ」の観点からこうしたゆとり世代の傾向を調査・分析した。一般的にゆとり世代と呼ばれる新入社員・若手社員は、空気を読む力が高く、コミュニケーションの際に周囲に合わせる傾向があるといわれている。調査の結果、相手の気持ちやその場の雰囲気を敏感に察知して合わせる能力は確かに伸びているものの、相手の感情がなぜ発生したのかといった原因を分析して理解したり、感情が今後どう変化し、どのような行動につながっていくかを予測する能力がやや不得手で、結果として相手の立場に立って考えたり、相手への共感が苦手であるという傾向が明らかになった。また、自分自身の感情についての分析も不得手であることから、相手にうまく適切な感情を伝えられなかったり、自分自身の不適切な感情を押さえたりするための適切な問題解決がはかれないなどの結果に結びついていることが考えられる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月19日ゆとり教育を受けた世代が社会人デビューを迎えています。彼らには「とにかくがんばれ」といった感情論は通用しないといわれており、どのように指導すればいいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、社員教育や人材育成などを手掛けるインソースグループ、ミテモの執行役員・澤田哲也さんに、「ゆとり社員」との上手な付き合い方についてうかがいました。■指示されたことしかやらない理由――いわゆる「ゆとり社員」の特徴について教えてください。「よくいわれているのが、『指示されたことしかやらない』ということです。これはどこの会社にも共通してみられる傾向ですね」(澤田さん)――どうして指示されたことしかやらないのでしょうか。「指示以外のことをして失敗すれば、怒られる可能性があるからです。彼らはあまり怒られた経験がないので、怒られるようなことはしたくない。また、怒られても、どうしていいかわからない。そのため、失敗する=怒られるリスクを避けて、その場をやりすごす傾向がみられます。これは、決してやる気がないからではありません。彼らが育ってきた時代背景が影響しているのです。生まれたときにはすでにバブルが崩壊しており、それからずっと不景気しか経験しておらず、希望を持ちにくい社会で育ってきました。そのため、常に不安を抱えているので、失敗をおそれるのです」自分たちと考え方が違うと、どうしても問題児のようにとらえがちですが、育ってきた環境が違えば考え方や価値観が異なるのは当然のこと。指導する側はこの点をしっかり把握しておかないといけませんね。■「怒る」のではなく「叱る」――指示されたこと以外もできるようになってもらうためには、どうすればいいでしょうか。「まずは、なぜこの仕事をやらなくてはいけないのか、その意味を教えることからはじまります。そして、この仕事はどのような役割を担うのかといった、全体像を教えてください。たとえば、いまやっている仕事はA,B,C,Dという4つのパートで構成されていて、そのなかで自分はBという仕事をやっているということを理解してもらいましょう。こうすることによって、仕事の考え方の枠組みが構築されます。また、注意しなくてはならないことも丁寧に教えてあげてください。そして、どういう状態が『できた』といえるのか、成果水準も明確に示してあげましょう。作業がスタートしたら、手順や成果水準といったチェックポイントを確認してください。最初はどのタイミングで報告をすればいいのかも教えてあげたほうがいいですね。どんなに丁寧に教えてあげても、失敗することはあるでしょう。しかし、絶対に感情的に怒鳴りちらしてはいけません。萎縮してしまい、指示されたことしかやらないという状況から抜け出せなくなってしまいます。怒るのではなく、叱るのです。彼らは怒られることをおそれますが、具体的な指導はよろこびます。この世代は勉強熱心ですし、素直な面も持っていますから、丁寧に教えてあげれば吸収してくれるはずです。あなたの成長を願っているから指摘しているんだという意志をきちんと伝えましょう。もちろん、個人差はありますが、指導にはかなり時間がかかります。長い目でみるという覚悟を持って接してください」ゆとり社員を指導するときには、叱るスキルも必要なのですね。■仕事ができたという実体験が成長につながる――ゆとり社員を教育するポイントを教えてください。「彼らは努力が保障されない、信じられるものがないという環境で育ってきました。そのため、コツコツと努力を積み重ねていけば、将来はやりたいことができるよ、という指導は有効ではありません。それよりも、『できる』ことを増やしてあげたほうがいいですね。ひとつでも増えた実感があれば、『がんばれば仕事ができるようになるんだ』と思えるようになりますから。その蓄積が成長につながります。また、ほめてあげることも重要です。行動や手順に対し、どのような努力がよかったのかを示しながらほめましょう。『課長がほめていたよ』というように、事実を教えてあげることも大切です。彼らは誰かの役に立つことで喜びを覚えますし、それがやる気にもつながります」多少時間はかかっても、丁寧に指導すれば成長してくれるとのこと。「できない」と決めつけるのではなく、どうすればできるようになるのかを考えながら指導することが求められます。問題点ばかりが注目されがちなゆとり社員ですが、育ってきた環境や特徴を理解すれば、どのように接したらいいかがわかりますね。指導する側もいっしょに成長するつもりで育ててみてはいかがでしょうか。取材協力■インソース■ミテモ 丸部りぃ)
2012年08月27日日本公文教育研究会は、0歳~2歳の乳幼児と母親向けの新しい教育サービス「Baby Kumon(ベビークモン)」を、この6月より全国約8,000の公文式教室で開始する。日本公文教育研究会が大学教授等と共同して行った研究によると、0歳児~2歳児を中心とした乳幼児期に母親が行う「歌いかけ」「読み聞かせ」が、母子関係の構築と子どもの発達に寄与することが確認された。「歌いかけ」は母親と子どもとの交流に特に強く結びついて、主に「親子のきずな」を継続して発展させる役割を持ち、「読み聞かせ」は親子の情緒的な交流から、やがて物事を知る手段になるという。この研究は各種のシンポジウムや日本子育て学会、日本発達心理学会等でも発表されている。Baby Kumonは「親子のきずなをはぐくみ、まなびの土台をつくる」をコンセプトに、歌と読み聞かせを中心とした親子のやりとりを家庭で楽しむための新教育サービス。絵本や歌本、CDなど各種教材を使い、子どもの発達に合わせた親子のコミュニケーションを行える。さらに、公文式教室でくもんの先生のサポートを毎月1回受ける「Baby Kumonタイム」も設定される。受講料は月額2,100円(税込み)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月15日ネット上では「これだからゆとりは……」といった論調がしばしばありますが、ゆとり世代の新入社員って本当にだめなんでしょうか。実際にそこまでやゆされなければならないほどの問題はあるのでしょうか。むしろ、ゆとり世代は勝手にイメージを植え付けられて苦労していることも多い?就職をしているゆとり世代(※)の男女数名に話を聞いてみました。※ゆとり世代の定義は、さまざまありますが、今回は、2002年度から新学習指導要領が実施された際に中学3年生であった1987年4月2日以降生まれの方を中心にお話を聞きました。■Sさん(87年生まれ/男性/SE)「教育担当から『今年は例年とちがってのんびりしている』とは言われましたが、自分がゆとり世代だという意識はなかったし、そんなものかなあと思いました。むしろ、ゆとりゆとりとマスコミで騒がれて、意識をするようになったところがあるかも。僕は部活でバスケをしていたんですが、自分たちよりも上の世代になればなるほど団体意識が強く、下の世代になればなるほど自由奔放でした。自分たちはそのどちらも見ている世代だったように思います」Sさんは会社でも「ゆとり世代」を引き合いに出されて注意されたことはないそう。Sさんいわく「のんびりやれていい会社」。ゆとり世代としての認識はあまりなく、それに対して卑下する気持ちもなく、ただ静かに毎日を送っているといった印象です。■Yさん(88年生まれ/女性/編集)「メディアがこの制度について叩いていたので、多少の不安は感じていました。子どもながらにこれは大手を振って喜んでいいのか、と。その後、中学から土曜日が完全休日になって、受験をするには学校の授業では足りず、塾に行く子も増え、とにかくこのゆとり教育が社会にハマっている感じがせず、ずっと戸惑っていました。そして、就職難。世間では『ゆとりは間違いだった』なんて言われ、本当に振り回された印象ばかり。運が悪かったとしか思っていません」Yさんはこれまでお話を聞いた方の中では、もっとも「ゆとり教育」の違和感を自覚しつつ、青春時代を送ってきたようです。まだ仕事ではゆとりを理由に何か言われたことはないそうですが、「メディアにはなじられた」と話すYさん。自身もマスコミ系に就職されたようです。思うところがあったのかもしれません。「ゆとり世代」と大きくくくってしまうと、それぞれの人が本来持っているはずの個性が見えにくくなります。お話を聞いたのは二人ですが、考え方は三者三様でした。団塊、ロスジェネなど、世代をくくる言葉というのはいつの時代にも生まれますが、実態を把握しないと見えるものも見えないかもしれません。(根岸達朗/プレスラボ)【関連リンク】2010年新入社員の取扱説明書【男性編】職場にいてほしい後輩ランキング【女性編】感心した後輩の行動ランキング
2010年04月30日