アンリアレイジ(ANREALAGE)が、8月12日から24日まで、伊勢丹新宿店メンズ館2階インターナショナル クリエーターズでポップアップショップをオープンする。同ブランドの15AWテーマは「LIGHT」。「夜になり闇になり、闇が存在するから人は照らす。そこにあるものを見るために闇を照らし、そこにないものを見るために服を照らす」というメッセージをファッションを通じて表現する。デザイナーの森永邦彦は、「光で闇を照らすという誰もがやったことのある経験を、服の上で表現したかった」とコメント。ブラックやグレーに染まった服は、一点だけスポットライトを照らしたように、大きな円状で白く着色されている。そこには襟やボタン、織地などが鮮やかに浮かび上がり、闇の中で光を当ててこそ見えてくる服のディテールが映し出される。アイテムはコートやジャケット、ニット、カットソーが揃う。今季のテーマを象徴する光を演出したデザインは、ライトを幾つか当てたように大きなサークル模様が施されたものや、チェックやドットなどのプリント模様が浮かび上がったものもあり、アート作品に触れているかのように見る者を楽しませてくれる。会期中、伊勢丹新宿店では「ART IS THE FUTURE.(アートはミライだ)」をテーマにしたプロモーション「イセタン アート&クリエーション フェスタ2015」を開催する。伊勢丹担当バイヤーによれば、「科学的要素が組み込まれ、デザインされるアンリアレイジの服は、“アートな打ち出し”が非常に強く、これまでに類を見ない斬新さが極めて現代的であるという観点から、この時期にポップアップショップをオープンすることとなった」と話している。
2015年08月12日世界で注目を集めている“ファッション×IT”の可能性ーーそんな時流を飲み込んだ展覧会「デジタル×ファッション 二進法からアンリアレイジ、ソマルタまで」が、7月11日から10月6日まで神戸ファッション美術館で開催される。昨今ではファッションの分野でも広く利用されるようになったファブリックにおけるデジタル技術。同展では、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」のデザイナー・森永邦彦と、「ソマルタ(SOMARTA)」のデザイナー・廣川玉枝の作品を紹介する。「アンリアレイジ」は、デジタルや最新テクノロジーの概念を徹底的に読み解き翻訳し、色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なカタチの洋服を展開している。同展では、ファッションに常に新たな示唆を与える森永邦彦の作品が新たな形で展示される。「ソマルタ」は、マドンナ(Madonna)やレディー・ガガ(Lady GaGa)も着用した「スキンシリーズ」など、最新のデジタル技術と古来からある伝統技術を融合して新たな美を生み出してきた。今回は同展のために製作された最新作を始め、服飾の分野にとどまらずに活動の幅広げる廣川玉枝の作品の数々が展示される。関連イベントとして、7月11日に森永邦彦の、12日には廣川玉枝によるトークショーを開催。また、8月2日と9月20日には、同館の学芸員によるギャラリートークも行われる。その他、「スキヤキlovesシリーズ」展示コーナーでは、バーチャルシンガーの初音ミクを始め、様々なコラボレーションアイテムを発信するフェリシモ(FELISSIMO)の「スキヤキ」から生まれたアイテムの数々を展示する。【イベント情報】「デジタル×ファッション 二進法からアンリアレイジ、ソマルタまで」会場:神戸ファッション美術館住所:神戸市東灘区向洋町中2- 9-1会期:7月11日~10月6日時間:10:00~18:00休館日:水曜日、9月24日(9月23日は開館)料金:一般500円、小中高65歳以上250円
2015年06月26日「アンリアレイジ(ANREALAGE)」の森永邦彦が来年1月から放送されるNHKスペシャルの新シリーズ「ネクストワールド 私たちの未来」の衣装を担当する。12月2日、東京・江東区の日本科学未来館で記者会見が開催された。5回に渡って放送される「ネクストワールド 私たちの未来」は、ビジネス、医療、娯楽などの分野で日々出現する新しいテクノロジーが生活をどう変えていくのかを紹介するもの。世界の科学者への取材などの最新のドキュメンタリー映像と、コンピューターの進化によって人工知能が人間の脳を上回ると言われている2045年を舞台にした近未来ドラマの2部構成で放送する。神木隆之介が番組ナビゲーターを務め、番組のドラマでの未来の若者役を演じるほか、サカナクションが番組テーマ曲「グッドバイ」リミックスバージョン、アンリアレイジの森永邦彦が衣装デザイン、ライゾマティクスの真鍋大度がテクニカル演出を、それぞれ担当。森永は神木の衣装や、1月3日の第1回「未来はどこまで予測できるのか」の中で登場する、モーションコントロールカメラとAR(拡張現実)による最先端の映像技術とインタラクティブ演出などで2045年のライブパフォーマンスを再現したサカナクションのライブ「ネクストワールド ライブ」の衣装などをデザインする。番組の公式サイトでライゾマティクスが開発した視聴者の好みを学習し、最適なスタイリングやリミックスを提案するA.I.(人工知能)「SYMPHONY」を使った視聴者参加も特徴。「SYMPHONY」が各視聴者の好みを推測しアンリアレイジがデザインしたアバターの服のスタイリングを提案。アバターはバーチャルオーディエンスとして「ネクストワールド ライブ」に参加することが出来る。また、「SYMPHONY」は視聴者の好みを推測しサカナクションによるテーマ曲のリミックスも提案し、テーマ曲はカスタマイズして、より自分の好みにリミックスすることも出来る。森永氏は「これまでに無い服を創り出すチャンス。2045年には装うという意味も変わっていると思う。今回は光をキーワードに、光を纏うようなものになるが、まだどうなるかわからない」とした上で、「サカナクションの衣装は1度作ったことがあるが、今回は全員違うものにするつもり。また、神木さん、サカナクションの衣装とも、新素材を使うだけでなく、ARとインタラクティブ演出によって現在の技術ではまだ出来ない、未来のデザインを表現したい」と話した。第4回「人生はどこまで楽しくなるのか」のドキュメンタリー部分ではアンリアレイジのパリコレクショの様子なども放送される予定だ。また、神木氏は「未来について考えるきっかけになれば」、サカナクションのボーカル山口一郎氏は「音楽はテクノロジーで進化してきたが、未来の音楽がどんなものになるのかを考えきっかけをもらった。音楽は進化しても歌は残ると思う」と挨拶。真鍋氏は「テクニカル演出は現在開発中だが、30年後も感情や感動は残るし、人の手が入らなければ作品は完成しないということは変わらないだろう」と語った。
2014年12月03日「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は、パリファッションウィーク中の9月22日から10月2日まで、パリ3区にあるレクレルール・セヴィニ店で展覧会「ANREALAGE EXHIBITION “A REAL UN REAL AGE”」を開催した。店に入ってすぐのスペースと奥の広いスペースに、アンリアレイジのアーカイブコレクションを展示。森永が自ら服を縫っていた、初期の頃に製作されたパッチワークの作品や、13-14AWに発表され話題になった光で色が変わるドレスが並ぶ。店内の壁に無数に設置されたモニターには、過去のコレクションの映像が映し出され、レクレルールがアンリアレイジの世界観に染まった。24日にはレセプションが開かれ、多くの招待客でにぎわった。その中には、前日のショーの評判を聞きつけてやってきたというイエール国際モード・フェスティバルのプレジデントの姿もあった。レクルールのオーナーであり、数々の才能あるクリエーター達を見出してきたアルモン・アデイダ(Armand Hadida)氏は、「ショーは本当に美しくポエティックでもあり、素晴らしかった。彼のクリエーティビティーやオリジナリティーなど、他に類を見ない才能を高く評価している。パリは彼にとってブランドを成長させるのにベストな場所だと思う。一歩一歩、大きく成長する姿を見守って行くのが楽しみだ。レクレルールはロサンゼルスに来月新店をオープンするが、そこでもアンリアレイジを紹介する予定」と話し、新たな才能の今後に期待を寄せている。
2014年10月02日9月23日、「アンリアレイジ(ANREALAGE)」がパリファッションウィークで初のショーを開催。15SSウィメンズコレクションを発表した。テーマは光(SHADOW)。会場は、パリのショー会場としてもおなじみのエコール・デ・ボザール(国立美術学校)が選ばれた。白い床が設けられた会場に、2名のモデルが連れ立って登場。パッチワークのジャケットやスカートの裾は斜めにカットされ、フロントは白、バックは黒。これは、服に一方方向から光が当たり影が伸びる様子を表現しており、白の部分はエプロンのように取り外しができるようになっている。「実体がなくなっても、影(黒の服)が存在し続ける」服と、森永は言う。服に施されたパールやスタッズからも黒い影が伸び、靴にも影がついてくる。ショーの中盤、真っ白で、シメントリーなデザインのワンピースを着たモデルが登場。会場の真ん中まで進んだ彼女達を、青白いライトが包み込んだ。しばらくして、光の中から出てきた彼女達の服はグレーに色づき、腕の影がそのまま服に焼き付けられていた。会場からは拍手が沸き起こった。これは、13-14AWコレクションで使用した、フォトクロミックという技術を進化させたもの。白の服にはカプセル状の染料が施されており、光の中のUV波に反応して変色する。「当時はパステルカラーしか表現できなかったが、白の対局の色である黒にしてパリで発表したいと思い、2年かけて開発を進め、先月中旬になってやっと出来上がった」と森永はその熱い思いを語る。光で色が変わる服。白い服に、上から重ねた服や腕の影を焼き付けられて、違う服に生まれ変わる。最後に出てきたモデル達が纏う白い服には、UV波を放つレーザーポーインターが当てられ、プログラミングされた動きにより、パッチワーク柄が描かれていった。森永が初期の頃から好んで用いてきたパッチワークやレーザーカッティングの技法に、最新の技術が加わり、「これまでの集大成を新しいことにつなげることができた」と話す森永氏は、初のパリでのショーを終えて、涙を見せた。「80年代に日本人のデザイナーが進出したのは今や伝説になっているが、日本のファッションが持つ技術や視点により、欧米とは違う服が作れる。きれい、きれいじゃないという価値観じゃない、異なる価値観を見せていくことで、何か変わるのではないか。世界のファッションに一石を投じたい。黒の衝撃というものに対して、黒の象徴である影、そして光をテーマにパリで発表したいとずっと考えていた」と語り、「このショーがちゃんとビジネスという形に着地するよう考えていきたい」と意欲を見せた。ショー演出は金子繁孝、ヘアメイクは加茂克也、スタイリングは山口壮太、音楽は杉原一平と、これまでアンリアレイジを支えてきたメンバーがパリに集った。レーザーの光を操ったのは、ライゾマティクスの真鍋大度。森永とは、昨年11月に開催されたファッションとアートの短編映像祭「アスヴォフ・トウキョウ(ASVOFF TOKYO )」で、フォトクロミックについて語り合った仲だ。
2014年09月24日「アンリアレイジ(ANREALAGE)」は、15SSシーズンよりパリファッションウィークに進出する。デビューコレクションはパリファッションウィーク初日の現地時間9月23日17時(日本時間24日0時)開始。公式カレンダーのオンスケジュールでデビューショーを発表する。ショー演出は金子繁孝、映像は「ライゾマティクス(Rhizomatiks)」の真鍋大度が担当。ショー後、25日より現地で展示会を行う。また9月22日より、渋谷のパルコミュージアムで2012年に開催された展覧会「ア リアル アンリアレイジ(A REAL UN REAL AGE)」の巡回展をパリのセレクトショップ「レクレルール(L'ECLAIREUR)」セヴィニエ店で開催。コレクションでの新作発表に加え、展覧会でこれまでの軌跡を示すことにより、アンリアレイジが一貫して追求してきた服作りの信念をパリでも伝える。森永邦彦デザイナーは、「得るものも、失うものもありますが、社会や、歴史や、世界と、正面切ってぶつかれるのは、今。一歩踏み出し、闘っていこうと思います。ここから先が本当の勝負」と話す。なお東京でのショーはしばらく未定だ。
2014年08月01日伊勢丹新宿店は、今シーズンの新作浴衣を一堂に取りそろえるイベント「イセタンユカタセレクション2014」を同店本館7階呉服売り場でスタートした。同イベントのカタログはスタイリストの山口壮大がディレクションしている。また「アンリアレイジ(ANREALAGE)」や「ミントデザインズ(mintdesigns)」は、自身のブランドのアイコンや定番技法を取り入れた新感覚の浴衣を披露する。昨年に引き続き浴衣をデザインしたアンリアレイジは、着物の「片身替わり」と呼ばれる右半身と左半身、袖の左右で模様や色合いなどが異なる手法を浴衣に取り入れ、同ブランドの定番であるパッチーワークで製作した。また、レーザーカットで切り抜いた素材を使った帯など同ブランドらしい技術を駆使したアイテムを取りそろえる。また、浴衣・着物には「おはしょり」と呼ばれる着丈を調整する部分があるが、同ブランドの浴衣にはおはしょりを設けず、ジャストサイズに仕上げた「対丈(ついたけ)」での着こなしを提案。おはしょりがないことで洋服の上から羽織るコーディネートが可能となる。いずれも同店限定で販売する。「ミントデザインズ(mintdesigns)」は今年初登場。浴衣生地にはブランドのアイコン的なドール柄やジグザグ柄を採用。一方、帯には伝統技法を取り入れ、銀箔を落としたような個性的なデザインに仕上げた。洋服のコレクションで使用している柄を取り入れることで、洋服感覚で着られる浴衣を提案する。また、伝統的な染色技法と最先端の素材を組み合わせた新世代浴衣が三越伊勢丹オリジナル商品として登場。現在では職人が減り希少な愛知県有松絞りの技法の一つである「雪花絞り」の技法を用いた仕上がり浴衣(5万8,000円)は伝統的な技にポップなカラーを合わせることでトレンド感を演出している。アンティーク着物収集家の池田重子とコラボレーションし、池田が持つアーカイブの中からセレクトしたテキスタイルを現代風に再構築した浴衣も登場。素材は吸水速乾性に優れ、肌に触れると冷たく感じる接触冷感素材「ウェーブロン」を使用し、化学繊維でできているため洗濯も可能で薄くて軽いのも特徴。ウェーブロンを使用したアパレルウエアが販売されるのは初となる。「浴衣を着崩すことに抵抗があるお客様も多かったが、ここ数年は洋服やヒールのある靴などとコーディネートして浴衣を気軽に楽しんでもらえるようになってきた。浴衣は花火大会の時に着るなどイベント性が強いアイテムだが、これからは日常的に着てもらいたい。」と担当者は語る。同フロアでは6月25日から7月8日までスタイリストの山口壮大と日本各地の伝統工芸メーカーがコラボレーションしたプロジェクト「こりしょう(KORI-SHOW)」から七夕にも楽しめるライフスタイル雑貨を紹介。ワンマイルウエアとして秋口にも着られる新ウエア「夜着」も登場する。また、7月9日から15日まで同店本館1階ザ・ステージ#1でスペシャルイベントを開催。「ルシアン ペラフィネ(lucien pellat-finet)」や「アンダーカバー(UNDERCOVER)」など国内外ブランドが伝統技法「捺染(なっせん)」で染め上げた生地を使い、新たな解釈でデザインした浴衣を販売する。コーディネートする小物も「ポーター(PORTER)」のオリジナル素材を使用した合切袋などをラインナップする。7月27日には着物に造詣が深い「リップスライム」のスーと彼のスタイリストのカワイヨシロウによる浴衣の着こなし、コーディネートについて語るトークショーを開催する。この他にも、着付けのワンポイントアドバイスやメイクアドバイスなど浴衣に関する様々なイベントが予定されている。
2014年06月20日