無垢フローリングの経年変化ってどんな感じ?無垢フローリングの塗装を何にするか?そして、その後のメンテナンスしだいで、無垢材を長く良い状態で使っていただけます。8年経過した、ウォルナットの無垢フローリング(オスモカラー塗装・オスモフローリング)年末に、ウォルナットの無垢フローリングのメンテナンスをしました。こちらは、8年経過したオスモフローリングです。ひまわり油などの植物油由来の自然塗料オスモカラーが塗装されています。(※現在、ウォルナット材のオスモフローリングは取り扱いを終了しておりますが、オーク材を中心にラインナップをそろえております)専用のメンテナンス製品、オスモウォッシュアンドケアーとオスモワックスアンドクリーナーでお手入れしました。オスモカラーは、自然の植物油が木に深く浸透し、木を中からしっかり保護する塗料です。木を生かし、木をしっかり保護する塗装がしてあること。そして、その後に、定期的にお手入れをすることで、無垢フローリングを長く良い状態で使うことができます。本来、無垢材は、経年によって、その魅力と味わいが増すものです。参考までに、8年前施工当初の同じフローリングの写真がこちらです。8年前施工当初の同じフローリングの写真です無垢フローリングを使ってみたいなとお考えであれば、木を生かす塗装、そして、手軽なお手入れを継続することで、無垢材の良さを増すことができる、経年美化を楽しめるようなものを選んでくださいね。無垢フローリングの塗装にオススメ:オスモカラーフロアークリアーオスモカラー塗装の無垢フローリング:オスモフローリング
2022年01月07日長年の使用により、剥がれや傷などが目立つ椅子。DIYで再塗装することで、美しい質感や木目を取り戻すことができます。必要な道具や作業のポイントを、一級建築士の島田大輔さんが体験をもとに語ってくれました。■ 知人から譲り受けた「キャンパスチェア」は塗装が劣化していた再塗装した椅子は、スウェーデンのLAMMHULTS社(ラムホルツ社)の「キャンパスチェア」で1992年に発表されました。20世紀末の北欧最大のヒットと言われていて、これまでの生産量は100万脚に達しているそうです。この椅子の特徴は、金具を一切使用せずにフレームと背のパーツを接合するという高度な技術でつくられているところです。ちなみに譲り受けたのは1997年モデルです。数年前、知人のインテリアデザイナーが廃業する際に1脚譲り受けました。知人のオフィスは白を基調としたインテリアだったので、この椅子も白くペイントされていました。20年以上使用していたそうですが、故障などはなく、状態は悪くありませんでした。ただ、やはり塗装は長年の使用によって劣化していて、そのまま使用するのはちょっと気が引けていました。そこでDIYで再塗装にチャレンジしてみることにしました。■ 削るのに80番、磨くのに240番の紙やすりを使用再塗装といっても、紙やすりでひたすら古い塗装を剥がして新しい塗料を塗るだけ。何も難しいプロセスはありません。まず、古い塗装を紙やすりで剥がしていきます。紙やすりは100均でも購入できます。数字が小さいほど粗く、数字が大きいほど細かい、と覚えておくと良いでしょう。紙やすりには削ると仕上げる(磨く)の2つの要素があり、今回は削る作業に80番、磨く作業に240番を使用しました。ただひたすら、塗装を剥がしていきます。この工程が一番辛い作業です。でも徐々に美しい木目が現れてくると達成感を感じられます。このときは2時間ほどかかりました。塗装を剥がし終えたら、240番のヤスリで細かい傷を磨いて表面をなめらかにしていきます。■ 「オスモカラー」で塗装。ナチュラルな仕上がりに続いて塗装に入ります。美しい木目を生かしたかったので「オスモカラー」を使用しました。オスモカラーはひまわり油ベースの自然塗料でドイツの厳しい安全基準をクリアしています。撥水性や耐久性が高く、一般的な塗料より2倍長持ち・2倍の面積を塗装できると言われています。その分、イニシャルコストはちょっと高めです。ただ、長い目で見るとコスパがいいと思います。塗装の際には、刷毛とウエス(古布)を使います。刷毛で木目に沿って擦り込むように塗っていきます。ウエス(古布)などで伸ばしていくとよりスムーズに塗装できます。今回は一度塗りで完了としました。乾燥時間は約12時間ですので、気長に待ちます。ご覧のように木目が美しいナチュラルな家具に大変身しました。元のモダンな印象とはまったく違った表情になり、愛着が湧きました。もし家にちょっとくたびれた椅子があったら、再塗装にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
2020年06月29日木材の仕上げにどんな塗料を選べばいいか、DIY好きには悩ましい問題です。代表選手といえる木部用塗料は、ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスの3種。基本的な特徴と違いについて、DIYの建材やパーツ、リノベなどのアイデアが見つかるショールーム「toolbox」のスタッフに聞きました。■ toolboxのミキシングバーで木部用塗料を体験ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスといえば、どれも木材の質感を残して自然な風合いに仕上げることができる塗料です。でも「それぞれにどんな特徴があってどこがちがうのか」はプロに聞かなければ、なかなかわからないと思います。そこで、訪れたのが昨年リニューアルした東京・目白にあるtoolboxのショールーム。こちらには木部用のオイル塗料やワックスを素材サンプルに実際に塗って試すことができる「ミキシングバー」という専用コーナーがあるのです。スタッフの佐古加奈子さんのレクチャーを受けながら、ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスの3種を塗りくらべさせていただきました。3種の塗料にはそれぞれ独自のカラーバリエーションがありますが、なるべく色味をそろえるためにクリアー/ナチュラル系の色でくらべてみることにしました。■ ワトコオイルはサラサラなので初心者でも簡単に塗れるまずはワトコオイル(WATCO OIL)の「ナチュラル」から。ワトコオイルは、スポイトで移せるくらいのサラサラとした質感が特徴です。塗装にはハケを使います。容器のフチで余分な塗料を落としてから塗りましょう。スーッと伸びていき、とても塗りやすいです。光を当ててみて少し塗料が多い箇所があれば、布で余分な塗料をふき取るとよいそうです。スタッフの佐古さんが「ワトコオイルは木枠や建具の細かい部分を塗るのに便利です」とおっしゃっていましたが、今回試した3種のなかでは、いちばん塗りやすいと感じました。ただし、3種の塗料のなかでは乾くまでの時間が長く、完全乾燥までに24時間以上が必要です。塗装後の使用は翌日以降がいいでしょう。ワトコオイルは小さめの缶もあるので気軽に入手できるのもポイントです。■ ワトコオイルは異なる色を混ぜて自分だけの色が作れるここで少し脱線して、ワトコオイルの特徴である「調色」についてもご紹介しましょう。toolboxのショールームでは色ごとに瓶に入れられて並べられており、さまざまな組み合わせを実際に試すことができます。このコーナーが「ミキシングバー」と名付けられているゆえんです。今回は、スタッフの佐古さんおすすめの「通称:ラワン色」を作ってもらいました。混ぜるのは、赤みが強い「チェリー」とスタンダードな茶色の「ミディアムウォルナット」。これらを1:1で混ぜて、赤みがかった茶色を調色します。塗装した木材サンプルがこちら。左が「チェリー」、真ん中が調色した「ラワン色」、右が「ミディアムウォルナット」です。赤みがかったブラウンはちょうど両者の中間の色。最近、あまり出回ることのない昔のラワン材の色をイメージしているそうです。こんなふうに自分だけの色を調色できるのはワトコオイルならではの特徴なのです。■ オスモカラーは防汚・撥水性や安全性が魅力さて、比較に戻って次はオスモカラー(OSMO COLOR)の「フロアクリアー 3分つや」を試します。本来は缶に入っていますが、今回はサンプルパウチから容器に入れます。ごらんのとおり、先ほどのワトコオイルとくらべると、白濁してドロリとしています。ハケの毛先にちょこんと塗料をつけます。つけすぎに注意。粘度が高いぶん、塗装の際にはムラができないように気をつける必要があります。ワトコオイルとくらべると、筆にやや抵抗を感じ、若干塗りにくい印象です。塗料の粘度が高いこともあり、細かい木目の中に塗料が入っていきにくいこともあります。ときどきハケを立ててあげたりすると、塗り残しができにくいかなと思いました。色合いとしてはワトコオイルと大きなちがいはなさそうですが、「オスモフロアクリアーは防汚と撥水の性能に長けているので床におすすめです」とは佐古さんの言葉。塗装サンプルで面白い実験をして見せてくれました。塗装後に水をたらしてみました。しっかりと水をはじいているのがわかります。2分ほど待ってふき取りましたが、跡は残りませんでした。一方、ワトコオイルを塗ったサンプルで、同じように水をたらして2分待ってふき取ると…水を垂らした箇所がほんの少し跡になっているのがわかりますか?ダイニングの床のような場所なら、オスモフロアを選ぶほうがいいかもしれせん。また、オスモカラーは自然塗料としての安全性にも定評があります。佐古さんによれば「自然由来の成分からできた塗料は他にもありますが、オスモカラーは安全性をしっかり検証しているので安心です」。子ども用の家具や木のおもちゃなんかを塗るのにも良さそうですね。■ ブライワックスは磨いてツヤを出すのがポイント3番目に試すのはブライワックス(BRIWAX)の「クリアー」です。固まったハチミツのようなワックスは、先の2つのオイル系塗料とはかなり見た目が異なります。佐古さんによると「木の中に浸透するオイルとちがい、ワックスは表面にもとどまって油膜を張ってくれる」のが特徴なんだそうです。半固形状なのでハケではなく、ウエス(不要になった綿Tシャツなどで可)に塗料をつけて木材に塗り込んで塗装します。木目に沿って延ばしていきましょう。固形ですが、思ったよりムラはできにくいです。先ほどのワトコオイルやオスモカラーにくらべて濡れ色が薄めで、よりナチュラルな色づき。ついでに、個人的に気になっていた「チーク」も試させてもらいました。「クリアー」とは異なり、しっかりとした茶色がつきました。さて、ブライワックスはここからが大事。タワシを使って、表面をゴシゴシと磨くのです。すると、美しいツヤが出てきます。左:チーク/右:クリアー(ともにタワシで磨いた後)これがブライワックスの魅力。ただし「ツヤが出しやすい反面、強くこすると色移りすることもあるので、床材には向いていません」とのこと。長所は短所でもあるんですね。■ 3つの塗料の長所&短所のまとめ最後に、塗装後の木材をならべてみました。左からブライワックス、ワトコオイル、オスモカラーです。同じ木材に塗りくらべてみると、塗装方法や道具、仕上がりのちがいがはっきりわかり、ぐっと理解が深まりました。あらためてそれぞれのメリット&デメリットを簡単にまとめてみます。【ワトコオイル】長所:サラサラで塗りやすい、色を混ぜられる、少量から買える短所:撥水性が弱い、完全乾燥までに24時間以上が必要【オスモカラー】長所:防汚と撥水に優れている、安全性も検証済み短所:少量では買えない、塗り方にコツがいる【ブライワックス】長所:磨くことでツヤが出る、乾燥時間が短い短所:強くこすると色移りする、広い面積だと磨いて仕上げるのが大変初心者は、これらの特徴を理解して自分に合った塗料を選ぶのが大事でしょう。でも、デメリットを受け入れれば、あえての塗料選びもOK。たとえば、佐古さんはご自宅のキッチンカウンターにワトコオイルを塗っているそうですが、水濡れによる色落ちはあまり気にせず、ラフに使っているんだとか。■ 塗料を選ぶ前にミキシングバーで体験してみるべし言われてみれば、ツヤや質感、汚れなどは、人によって感じ方が異なるもの。ぶっつけ本番ではなく、事前にサンプルで試すのが断然おすすめです。今回ご紹介したtoolboxのミキシングバーでは、塗料の特徴に精通したスタッフが相談にのってくれるので、気になったことをどんどん質問しながら塗料を試すことができます。自前の木材の持ち込みもOKだそうですから、サンプル持参で訪れるのもいいですね。toolboxでは床材も豊富にラインナップしていますから、それらのサンプルを選んでその場で塗ってみるというのもアリです。ワトコオイル、オスモカラー、ブライワックスのちがいをぜひご自分の目で感じてみてください。【toolboxショールーム】東京都新宿区下落合3-14-16営業時間火~土曜 13時~17時(日・月曜・祝日 定休)
2020年03月20日真っ赤な缶が印象的な「ワトコオイル」。ホームセンターで見かけたことがある!という方も多いのではないでしょうか?わが家のリビングテーブルの天板が白っぽくなってきたのと、輪ジミが気になっていたので、「ワトコオイル」でメンテナンスしました。「ワトコオイル」の使い方と、塗布後の効果をご紹介します。■ ワトコオイルって何?イギリス・ワトコ社の「木材専用オイルフィニッシュ」です。ペンキ(顔料)のように、表面を覆って着色するのと違い、ワトコオイルは木材に直接オイルを浸透させて着色・保護してくれる染料です。「木の質感や木目を生かしたい!」というDIYにおすすめです。ワトコオイルには調質効果があって、木の呼吸を妨げないので、木材の割れや狂いを抑止できます。カラーが数種ある中で、今回は「ナチュラル」を選択しました。ウイスキーのような琥珀色をしています。ワトコ製品は、全てつや消し仕上げなので、ニスのような「光沢のある仕上がりを避けたい」という方にもおすすめです。■ ワトコオイルの使い方(塗り方)使い方1.塗る前の下準備木材のホコリや汚れをきれいに取り除きます。新しい木材に塗布する場合は、塗布面をサンドぺーバーで研磨して滑らかにしておきましょう。使い方2.塗るワトコオイルの容器を充分に振ってよく混ぜます。新しい刷毛を使う場合は、毛が抜け落ちないか指でつまんで確認してから作業を開始します。(塗布面に毛が残るのを防ぐため)ワトコオイルを木目に沿って塗りましょう。この時あまり厚く塗りすぎると、乾くのに時間がかかってしまうので注意が必要です。わが家では塗ったすぐあとに、ウエス(布)でふき取りながら塗布していきました。1度塗りでも良いですが、おすすめは2度塗りです。使い方3.乾かすオイルには匂いがあるので、作業中はもちろんですが、換気ができる場所で乾燥をさせましょう。ワトコオイルは乾くのに時間がかかります。ウエス(布)で十分に乾拭きをしてから、常温で12~24時間乾燥させます。乾燥後も少し匂いが残りますが、時間が経つにつれて、少しずつ取れてくるので大丈夫です。■ 潤いあるウエットな仕上がり。はっ水効果もバツグン!こちらは【メンテナンス前】のリビングテーブルです。天板が白んでしまって元気がない上に、コップを置いた時の輪ジミが消えませんでした。こちらがワコトオイルを塗布した【メンテナンス後】のリビングテーブルです。濡れた深みのあるウエットタッチに仕上がりました。ムラなく落ち着いた美しさを感じます。水滴をたらしてみると「水の玉」ができました。「ハリと潤いをチャージ!」まるで化粧品のCMのようなフレーズがピッタリの「天板メンテナンス」。家にある家具の肌(木材)の調子がイマイチだわ……と感じる方は「ワトコオイル」ぜひお試しください。
2019年04月16日