メリタジャパンは8月18日、保温性のあるステンレス製真空二重構造のポットを採用したコーヒーメーカー「NOAR(ノア)」を発表した。発売は8月下旬で、希望小売価格は税別12,000円だ。NOARは、コーヒーサーバー部に保温性のあるステンレス製真空二重構造のポットを採用。ヒーターなどを使わないため、長時間コーヒーを保温しても煮詰まらず、コーヒーの香りや味が長持ちしやすい。氷を入れれば保冷もできる。また、ポットは持ち運び可能だ。また、コーヒーの抽出には、同社独自の1つ穴フィルターを採用。内側に刻まれたミゾで熱湯の流れをコントロールし、最適な状態でコーヒーを抽出する。フィルター底面にはしずく漏れ防止機能が搭載されており、ポットを外してもプレート部が汚れにくい。ポットは容量が700mlで、口径が約70mmと大きく内部まで洗いやすい。フタはレバー式を採用。本体にはコーヒー抽出時と終了時に音で知らせる「お知らせアラーム」機能を持つほか、抽出終了の約1分後に自動で電源を落とす「オートオフ」機能も備える。カラーはブラックとホワイト、グレーの3色。サイズはW269×D152×H311mmで、重量は1.7kg。
2015年08月18日米Googleは8月10日(現地時間)、新たに「Alphabet」というホールディングカンパニーを設立し、Googleなどを傘下に置く大胆な構造改革を発表した。Google共同創業者であるLarry Page氏がAlphabetのCEO(最高経営責任者)に、もう1人の創業者であるSergey Brin氏が社長に就任。最大の傘下企業となるGoogleは、プロダクト担当シニアバイスプレジデントだったSundar Pichai氏を新CEOとして再出発する。Web検索から始まったGoogleは、YouTubeを買収して成長させ、ブラウザを開発し、そしてモバイルに進出、インキュベータプロジェクトでは自動運転カーや医療・バイオなども手掛けている。革新的なアイディアを実現するのがGoogleの企業精神だが、変化を生み出し、新たな分野へとアイディアを広げるにつれて、Web企業の枠を超えて事業が拡大し、事業同士の関連性は薄れていた。そこで関連性のある事業同士をまとめ、それぞれが強いリーダーシップを持ったCEOの下で成長できるように複合形態を採用した。アルファベットは人類の最も重要なイノベーションである言葉を表す文字であり、また「Alpha(金融用語のアルファ値)-bet」と読むことでGoogleから培ってきた企業精神が伝わるため、Alphabetという社名を選んだという。Page氏とBrin氏の他は、Eric Schmidt氏がAlphabetのエグゼクティブチェアマンに、David Drummond氏がCLO(最高法務責任者)に就任、Ruth Porat氏がAlphabetとGoogleのCFO(最高財務責任者)を兼務する。8-K文書によると、最大の傘下企業であるGoogleは検索、広告、マップ、アプリ、YouTube、Adnroidと関連する技術インフラを手掛ける。Calico(バイオテック)、Nest(家電)、Fiber(光回線)、Gogole Venture(ベンチャーキャピタル)、Google Capital(同)、Google X(インキュベータプロジェクト)などはGoogleビジネスから分離される。Alphabet Inc.は、株式公開企業としてGoogle Inc.に置き換わる。すべてのGoogle株式は、同じ発行数、同等の権利のままAlphabet株式に切り替わるが、Nasdaq市場において引き続きGOOGLとGOOGとして取り引きされる。
2015年08月11日カシオ計算機は23日、耐衝撃ウオッチ「G-SHOCK」の新製品として、過酷な陸上環境で役立つ耐振動構造や、新開発の防塵・防泥構造を採用した「MUDMASTER」(マッドマスター、型番:GWG-1000)を発表した。バンドカラーとして、カーキ、イエロー、ブラックの3種類を用意。8月7日から発売し、税別価格は各カラーとも80,000円。MUDMASTER(GWG-1000)は、陸・海・空をテーマにした人気シリーズ「Master of G」の新モデルだ。2015年3月にスイスのバーゼルで開催されたウオッチ&ジュエリーの祭典「BASELWORLD 2015」において、カシオのブースで発表、初披露。このたび日本でも正式に発表となった。製品がイメージしているのは、土砂や瓦礫が積もる厳しい「陸」環境でミッションを行うレスキュー隊。新たな防塵・防泥構造では、ボタン周りをパイプでガードしつつ、ガスケットを封入。りゅうずにもガスケットを装着し、りゅうずをねじ込んだ時の密封性を高めた。また、ドリルや重機などの振動に耐えるよう、耐振動構造も装備した。機能面では、方位・気圧、高度、温度を計測する「Triple Sensor Ver.3」を搭載。目印のない場所で役立つ方位計測、天候の悪化などを予測できる気圧計測機能によって、自然環境をいち早く察知し、ミッションの遂行をサポートする。フェイスデザインには、注意喚起に使われる矢羽形の矢印をモチーフにした極太の時分針や、大型のインデックスを採用。バンドには滑り止めをイメージしたテクスチャーを施すなど、随所にミリタリーテイストを盛り込み、力強く仕上げた。
2015年07月23日東芝は、HDDの大容量化に向けた技術として、多層化した記録層の磁性体の磁化の向きを、層を選択して反転させることを可能とする技術を開発したと発表した。同成果の詳細は、7月8日にスペインで開催された国際学会「20th International Conference on Magnetism(ICM2015)」にて発表された。HDDの1プラッタあたりの記録密度向上に向けた研究として、フラッシュメモリのように磁気の記録層を多層化することが検討されてきたが、10Tビット/inch2の記録密度に達することができる記録原理の技術がこれまでなかった。今回、研究グループは、層ごとに特定の周波数に反応するマイクロ波磁界を印加する記録方式を用いることで、特定層のみ磁化反転を起こすことを実験で実証したという。この成果について研究グループでは、磁気記録に応用できる基本的な技術であり、高密度磁気記録製品への応用が期待されるとしている。なお今後については、微細な記録ビットを書き換えるため、局所的なマイクロ波磁界印加が可能なスピントルク発振素子の開発を進め、スピントルク発振素子を搭載可能な磁気ヘッドの開発を行っていくとするほか、多層記録に最適化した記録媒体の開発を行い、2025年ころを目標に3次元磁気記録の実現を目指すとしている。
2015年07月10日東芝は7日、マイクロ波磁界により、多層からなる磁性体が磁化する向きを、層を選択して反転させる新技術の実証を発表した。この磁化反転技術を応用することで、HDDをはじめとした高密度磁気記録製品の大容量化が期待できる。HDDなどで採用されている磁気記録は、従来、記録ビット(磁石)を微細化することでより多くのデータを記録する大容量化を果たしてきたが、微細化による高密度化は限界に達しつつある。今回の実証実験では、次世代技術として開発されているマイクロ波磁界を印加する記録方式を採用。多層からなる磁性体が磁化する向きを、層を選択して反転させる新技術を実証した。同社が実証した磁化反転技術では、多層記録媒体に、異なる強磁性共鳴周波数を有する磁性体層を積層。これに、強磁性共鳴周波数に応じた周波数のマイクロ波磁界を印加すると、特定の磁性体層のみに磁化振動を励起できる。磁化振動が励起された層は、磁化反転に必要なエネルギーが低減される(マイクロ波アシスト効果)ため、層を選択した磁化反転が可能になるという。同技術は、従来シミュレーションで予測されてきたが、今回初めて同社が実証した。「磁気記録に応用できる基本的な技術」とし、記録層を多層化(3次元構造)したHDDや磁気メモリ、磁気テープなど、高密度磁気記録製品への応用が期待できる。同技術は、国立行政法人 科学技術振興機構における研究成果展開事業の一環として、2015年7月8日にスペインで開催される国際学会(ICM2015)で発表される。
2015年07月07日日本トラストテクノロジーは18日、ステンレススチール製のApple Watch専用交換バンド「Apple Watch 42/38mm用 スチール バンド Orihalcon ~オリハルコン~」を発売した。「JTTオンライン」の直販価格は税込5,980円。本製品は、素材にステンレススチールを使ったApple Watch用の交換バンド。シンプルでスタンダードなデザインを採用した。手首の周囲に応じてバンドの長さを調節する専用工具が付属する。42mm用バンドの本体サイズは、約181×35×5mm(バックル締め時)、重量は88g。手首周りは約14.5~20cm。38mm用バンドの本体サイズは、約178×32×5mm(バックル締め時)、重量は84g。手首周りは約14~19.5cm。
2015年06月19日日本トラストテクノロジーは18日、Apple Watch用ステンレススチール製交換バンド「Apple Watch 42/38mm用 スチール バンド Orihalcon ~オリハルコン~」を発売した。「JTTオンライン」の直販価格は税込5,980円。本製品は、Apple Watchに取り付けられるステンレススチール製の交換バンド。ビジネスやフォーマルな場面でも合わせやすい、シンプルでスタンダードなデザインを採用。手首のサイズに合わせて、バンドの長さを調節する専用工具が付属する。42mm用スチールバンドの本体サイズは、約181×35×5mm(バックル締め時)、重量は88g。対応する手首周りは約14.5~20cm。38mm用スチールバンドの本体サイズは、約178×32×5mm(バックル締め時)、重量は84g。対応する手首周りは約14~19.5cm。なお、本製品はAppleのライセンスは取得しておらず、使用時に生じた機器のいかなる損害についてもユーザーの自己責任としている点に注意されたい。
2015年06月19日富士フイルムは6月18日、ツヤのある肌は肌内部の細胞構造の乱れが少ないことを確認したと発表した。今回の研究では、ヒトを若々しく見せる要素である「視覚的ハリ感」に注目。20~50代の女性被験者の肌内部の状態を解析し、肌がどのような構造になっていればツヤがあるように見えるのかを調査した。その結果、ツヤの目視評価が高い被験者ほど、肌内部における細胞構造の乱れが少ないことがわかった。また、肌表面について、マイクロスコープを用いて肌画像を取得し、皮溝の幅や肌の密度などキメ形態の定量解析を実施。従来から知られている通り、肌表面の凹凸形状であるキメが荒くなると肌のツヤが減少することを確認した。さらに、肌のツヤを再現できる独自開発の光学画像シミュレーションシステムを用いて、細胞構造の乱れの程度やキメ形態をそれぞれ変化させた複数の肌モデルを作成し、ツヤの状態を可視化したところ、微細な細胞構造の乱れを抑制することでしっかりとしたツヤになることを実証することができたという。同社は「今回の光学画像シミュレーションおよび解析結果により、肌表面だけでなく肌内部の細胞構造の乱れを整えることでツヤがある肌になり、『視覚的ハリ感』が向上することが示唆されました。今回の研究結果で導き出した条件を満たすことで肌のツヤを向上させ、視覚的ハリ感を生むスキンケア化粧品の開発に応用していきます。」とコメントしている。
2015年06月18日東京大学(東大)と国立天文台は6月9日、アルマ望遠鏡と重量レンズのかけ合わせで、117億光年の距離にある銀河の内部構造を解明したと発表した。同成果は東京大学理学系研究科の田村陽一 助教と大栗真宗 助教および国立天文台の研究グループによるもので、6月9日付けの「日本天文学会欧文研究報告」に掲載された。重力レンズとは、質量が時空の歪みを介して光を曲げる減少で、非常に重い天体の周囲で生じ、その向こう側の天体の見かけの姿を拡大・増光する性質がある。今回の研究では、今年2月にアルマ望遠鏡がとらえた117億光年の距離にあり、爆発的に星を生み出しているモンスター銀河「SDP.81」の画像を、同研究グループが提案した重量レンズ効果モデルを用いて解析した。その結果、「SDP.81」では差し渡し200~500光年の塵の雲が、およそ長さ5000光年の楕円状の領域に複数分布していることがわかった。この塵の雲は、巨大分子雲と呼ばれる、恒星や惑星が生まれる母体だと考えられるという。また、重力レンズ効果を引き起こしている手前の銀河に質量が太陽の3億倍以上におよぶ超巨大ブラックホールが存在することも判明した。今後、アルマ望遠鏡と重力レンズの組み合わせで、なぜモンスター銀河が形成されるのか、どのように超巨大ブラックホールが成長するかの解明につながることが期待される。
2015年06月09日KODAWARIは、素材にポリカーボネートとTPUを採用した二重構造のiPhone 6/6 Plus用ケース「ITG Level 1 Case for iPhone6 & 6 Plus」の先行予約を開始した。価格は2,500円(税抜)。同製品は、素材にポリカーボネートとTPUを採用した二重構造のiPhone 6/6 Plus用ケースである。本体は指紋や油分の付着を防止するためのマット加工が施されている。ハイブリッドな構造にしたことで衝撃に強い仕様となっているが、一般的なタフケースと比較して薄型軽量化に成功しているという。また、ITG製の強化ガラスフィルムの保護を考慮して、装着したフィルムからの段差を1mm高く設計している。本体を装着した状態でiPhoneの各種操作が可能。イヤホンジャックとLightning端子の開口部は広めにとってあり、接合部が大きいサードパーティのイヤホンやLightningケーブルでも余裕をもって対応する。発売は2015年7月6日を予定しているが、SHOWCASE OnlineとSHOWCASE Online 楽天市場、SHOWCASE Online Yahoo!ショッピング、SHOWCASE Online Amazonにて先行予約が始まっている。なお、SHOWCASE実店舗でも予約可能だ。期間は7月5日23時59分まで。
2015年06月09日情報処理推進機構(IPA)は6月2日、複雑化したサイバー攻撃の被害を防ぐために、企業は「多層防御」を考慮したセキュリティ対策が必要であると呼びかけた。IPAは、サイバー攻撃による企業の情報漏えいや金銭窃取の被害の多くは、メールの開封(添付ファイルを開く、リンクのクリック)やウェブサイトの閲覧によるウイルス感染が主な原因であり、特定のセキュリティ対策製品を導入しただけでは防ぐことができない場合があると説明している。企業においては、個人情報や機密情報を扱う業務やその他重要な業務において、ウイルス感染予防だけでなく、感染してしまうことを想定して感染後の被害の回避や被害を低減させるために、複数の対策(多層防御)を多層で行う必要があるとのことだ。多層防御は、ウイルス感染や内部不正が発生しても、被害を回避・低減にできるシステム設計や運用ルールになっているか、ルールが徹底されているか、PDCAサイクルに沿って見直していくことが重要だという。具体的なポイントとして、「ウイルス感染リスクの低減」「重要業務を行う端末やネットワークの分離」「重要情報が保存されているサーバーでの制限」「事後対応の準備」を挙げている。ウイルス感染リスクの低減は、脆弱性を狙ってウイルス感染させる攻撃からPCやサーバを保護するために、ソフトウェアの更新による脆弱性の解消を習慣化させること。ソフトウェア更新の習慣化および徹底、セキュリティソフトウェアの導入、メールの添付ファイルのブロック、Webフィルタリング、教育や訓練を徹底する必要であるとしている。重要業務を行う端末やネットワークの分離は、万一ウイルス感染があった時に被害を緩和できるよう、端末単位やネットワークで分離すること。一般の端末と重要業務システムの分離、部署など業務単位でのネットワークの分離する方法が有効だと説明している。重要情報が保存されているサーバでの制限は、共有フォルダのアクセス権の設定重要な情報が保存されているフォルダは、その情報の機密性の格付けや閲覧範囲を決定し、その範囲の業務担当者のみが閲覧できるようにアクセス権を設定すること。共有フォルダのアクセス権の設定、データの暗号化やパスワードによる保護といった対策を求められる。事後対応の準備は、有事の際に迅速に対応できる手順書や関係省庁や調査会社などの連絡先を準備しておくことが重要だと説明している。なお、前日には日本年金機構が標的型攻撃を受け、個人情報125万件が流出している。
2015年06月03日タイガー魔法瓶は6月2日、ステンレス製カップを採用したマイコンフードプロセッサー「SKF-G100」を発表した。発売は6月21日。価格はオープンで、推定市場価格は13,000円前後だ(税別)。SKF-G100は、新たに生クリームの泡立てなどに適した「ホイップ」コースを搭載したフードプロセッサー。ホイップのほか、「みじん・ミンチ」「おろし・スープ」「パンこね」の計4コースを用意する。カップは軽量で丈夫なステンレス製。カップ内側には、食材の張り付きを抑えるためにディンプル加工が施されている。容量は600mlで、ハンバーグのたねの場合、4人分(650g)を一度に調理可能だ。消費電力は150Wで、定格時間は30分。本体サイズはW287×D179×H210mm、質量は約2.6kgだ。カラーはボルドーとブラウン。おろしカッター、ホイップブレード、パンこねブレードといったアタッチメントを本体に収納するための収納プレートが付属する。
2015年06月02日岡山大学は5月29日、光化学系Iというタンパク質複合体の構造を解明したと発表した。同成果は同大大学院自然科学研究科(理)の沈建仁 教授(同大光合成研究センター長)、菅倫寛 助教と中国科学院植物学研究所の共同研究グループによるもので、5月29日付け(現地時間)の米科学誌「Science」に掲載される。光化学系Iタンパク質複合体は、酸素発生型光合成において、太陽光を生物が利用可能な化学エネルギーに変換する役割を担い、水からの電子と光エネルギーを利用して、二酸化炭素を糖に変換するために必要な還元力を作り出している。高等植物の光化学系I複合体は14個のタンパク質と90個以上のクロロフィル(葉緑素)、22個のカロテノイドなどで構成されており、外側に光エネルギーを集める集光性アンテナタンパク質が4つ結合し光化学系I-集光性アンテナタンパク質複合体が形成されている。光化学系I-集光性アンテナタンパク質複合体における光エネルギーの高効率吸収・伝達の機構を明らかにするためには、同複合体の立体構造を解明する必要がある。同研究グループは、エンドウ豆の葉から精製・結晶化した光化学系I複合体を、大型放射光施設SPring-8を利用することで2.8 Å分解能で立体構造を解析。その結果、155個のクロロフィル分子を同定し、これまで分かっていなかった多くのカロテノイド、脂質分子などの配置を解明した。さらに、詳細な構造が分かっていなかった多くのタンパク質サブユニットの構造を明らかにし、光エネルギーを吸収し、反応中心へ伝達する経路を同定することに成功した。同研究グループは今回の研究成果について、光合成の機構解明や人工光合成での光エネルギー利用効率の向上だけでなく、他の巨大膜タンパク質の結晶構造解析にも重要な知見を提供することになるとしている。
2015年05月29日オリンパスと理化学研究所(理研)は4月15日、画像取得時間を短縮し、生きた細胞内の微細構造の観察を可能にする、超解像蛍光顕微鏡法の新技術を開発したと発表した。光学顕微鏡よりも細かな構造の観察を可能とする超解像蛍光顕微鏡技術だが、これまでの手法では撮像に時間がかかるため、生きたままの細胞を観察するライブセルイメージングには不向きという課題があった。今回開発された技術は、超解像蛍光顕微鏡法の1つである「構造化照明法」の研究を進めた結果、同法と共焦点顕微鏡の結像に理論的類似性があることを発見し、オリンパスのディスク走査型顕微鏡ユニット(DSU)の回転円盤の縞模様などを工夫することで、構造化照明法と同等の超解像を得ることを可能にしたというもの。また、カメラと照明光源を高速撮影に適したものとすることで、最高1/100秒のシャッター速度(時間分解能)で、生きた細胞内の微細構造を100nmの空間分解能で観察できることも確認したという。今回の技術についてオリンパスでは、従来のスピニングディスク共焦点顕微鏡の応用であるため、これまでの超解像蛍光顕微鏡に比べて装置導入が容易にできることが期待され、これによりこれまでは困難であった、生きた細胞内で活発に動き回る細胞内小器官の挙動を捉えることができるようになり、生命現象の理解の発展につながることが期待できるとコメントしている。なお同技術の詳細は、米国細胞生物学会の学会誌「Molecular Biology of the Cell」(5月1日号)に掲載されるのに先立ち、速報版が2月25日付でオンラインで公開された。
2015年04月15日理化学研究所(理研)と東京大学は4月9日、メタボリックシンドロームに関連する分子として注目されているアディポネクチン受容体の立体構造を解明したと発表した。同成果は理研横山構造生物学研究室の横山茂之 上席研究員と、東京大学大学院医学系研究科の門脇孝 教授、山内敏正 准教授らの共同研究グループによるもので、4月8日(現地時間)付の英科学誌「Nature」オンライン版に掲載される。アディポネクチン受容体は、細胞膜に存在する膜タンパク質で、脂肪細胞から分泌されるアディポネクチンというホルモンによって活性化し、細胞において糖と脂質の代謝を促進し、抗糖尿病、抗メタボリックシンドローム作用を発揮する。タンパク質の立体構造を知ることは、創薬において有用とされる。特に、膜タンパク質は細胞外からの情報を細胞内へと伝達する役目を担っているため、薬の標的分子として注目されている。しかし、アディポネクチンは試料調整が難しく、その立体構造情報を得ることができていなかった。同研究では、高純度の膜タンパク質を大量に製造する手法や、結晶化手法などを使い、アディポネクチン受容体の結晶化に成功。この結晶を大型放射光施設「SPring-8」を用いてX線解析することでその立体構造を調べたところ、同受容体は現在までに知られている膜タンパク質とは異なり、膜貫通部位に亜鉛イオンを結合するなど新規の構造をしていることが判明した。今回の研究成果はアディポネクチン受容体の情報伝達メカニズムの解明につながるだけでなく、メタボリックシンドローム・糖尿病の予防薬や治療薬の開発に有益な情報となることが期待される。
2015年04月09日ドウシシャはこのほど、「飲みごろ激冷タンブラー」を、全国の量販店などで発売した。同社ではこれまで、ステンレス製の真空2重構造による、飲みごろ温度を長時間保つことができるタンブラーやビアグラス、スープボウルなどの「飲みごろシリーズ」を発売してきた。今回発売した商品は、飲み物を入れた瞬間に温度を下げるタンブラー。ステンレス真空2重構造の本体部と、内瓶と本体の間に入れた水を冷凍庫で凍らせて作る氷層により、飲み物の温度が瞬時に下がるようになっている。この仕組みで、4℃の缶ビール(350ml)を1分で1.4℃、5分で1.0℃まで冷やすことが可能となる(25℃プラスマイナス2℃の室内での試験より)。価格はオープンで、希望小売価格は1,980円(税別)。
2015年03月11日構造計画研究所は2月26日、建築構造物の地震時立体挙動を簡易的に検討できるプログラム「Quick-RESP」のベータ版の無料試用提供を開始したと発表した。Quick-RESPは同社が提供している構造解析プログラム「STAN/3D」や「RESPシリーズ」で培った技術を元に開発された。構造設計でよく使用されるプログラムのデータを変換し、立体振動解析を実施できるため、立体振動解析が必須ではない低層建物に対しても、設計時仮定条件の妥当性確認などに利用することができる。また、振動する様子をアニメーションにできるので、施主へのプレゼンテーションでも活用できる。ベータ版の提供期間は3月31日までとなっており、申込み後1週間試用することができる。なお、試用期間中の解析データを構造計画研究所へ提供すると、先着20名に1000円分のQuoカードがプレゼントされる。4月中旬から販売・レンタルが開始される予定で、予定価格は販売90万円/1ライセンス、レンタル8万円/1ライセンス・1週間~。また、STAN利用者向けのQuick-RESP for STANは販売30万円/1ライセンス、レンタル3万円/1ライセンス・1週間~となっている。予定価格はいずれも税抜き。
2015年02月26日フォーカルポイントは、アルミニウム製のフレームと本革張りのインナーケースの二重構造を採用したiPhone 6向け保護ケース「Just Mobile AluFrame Leather for iPhone 6」を発売した。価格は税別5,480円。「Just Mobile AluFrame Leather for iPhone 6」は、アルミニウム製のフレームと本革張りのインナーケースの二重構造を採用したiPhone 6向け保護ケース。アルミニウムフレームは端末の側面を、インナーケースは背面や周囲を衝撃から保護する。機能面では、ケースを装着している状態でも音量調節ボタンやサウンドオン/オフボタン、ホームボタン、電源ボタン、Lightningコネクタなど全てのボタンや機能にアクセス可能。音量調整ボタンと電源ボタン部分には、フレームと同じ素材のアルミニウム製パスするーボタンが採用されているため、ボタン部分も衝撃などから保護される。装着は、インナーケースを付けて、フレームをはめ込むだけで装着できる。端末に直接フレームが接触することがないため、端末を傷つけることがない。「Just Mobile AluFrame Leather for iPhone 6」のサイズ/重量は、幅約70mm×高さ約142mm×厚さ約10mm/約32g。カラーバリエーションはブラック、ブルー、グレイ、ベージュ、ピンクの5色。
2015年02月21日アユートは2月20日、iriverのハイレゾポータブルオーディオプレーヤー「Astell&Kern AK240 256GB ステンレススティール」(以下、AK240SS)の先行予約受付を開始した。発売は2月27日。価格はオープンで、直販価格は税込384,000円となっている。AK240SSは、ボディ素材にステンレススティールを採用したハイレゾポータブルプレーヤー。高い剛性のステンレススティールを使用することで不要な共振を抑制できるほか、ノイズフロアを低減してさらにクリアな音質を実現する。また、背面にはカーボンファイバープレートとゴリラガラスを採用して強度を高めた。機能はフラッグシップ機「AK240」と同様で、192kHz/24bitのハイレゾ音源やDSD128(5.6MHz)の再生に対応している。DACには、シーラスロジック社のハイエンドDAC-IC「CS4398」を左右チャンネルにそれぞれ1基ずつ搭載。ストレージとして256GBメモリを内蔵するのに加えて、exFATに対応したmicroSDXCメモリーカードスロットを1基搭載し、最大で合計384GBの大容量となる。USB DAC機能も搭載しており、PCやMacからの再生も可能だ。出力端子は3.5mmヘッドホン出力、光デジタル、バランス出力(2.5mm/4極)の3系統を装備する。ヘッドホン出力は2.1Vrmsで、バランス出力は2.3Vrms。周波数特性は、20Hz~20kHzが±0.023dBで、10Hz~70kHzが±0.3dB。S/N比はアンバランス接続時が116dBで、バランス接続時が117dB。THD+Nは、アンバランス接続時が0.0007%、バランス接続時が0.0005%となっている。ディスプレイは3.31型のAMOLED(有機EL)で、静電式のタッチパネルを採用。バッテリーは、リチウムポリマー充電池で、容量は3,250mAh/3.7V。サイズはW66×D17.5×H107mm、質量は275gだ。
2015年02月20日前回までに、更新方法とその頻度でサイトの構造を考えることを学んだりん。でも、今回の案件で必須となっている要件「スマートフォン対応」は、サイト構造にどう影響を与えるんだろう?それに、Webの制作はこちらでやるけれど、制作後の更新をするクライアント側の担当者は何人かいるし、ほかにも関わる人が何人か思いつく。役割ごとに触れる場所・触れない場所をちゃんと分離しておかないと、あとでめんどくさいことになりそう。その辺も、サイト制作経験が豊富なはやせ先輩に聞いてみることにしたのでした。彼の言う意味の分からない小ネタは豪快にスルーしつつ、今回もがんばります!おはようございます! 早速ですが、今日もいろいろと質問したいことがあります!OK牧場!○2種類あるスマホ対応の方法、それぞれのメリット・デメリットは何だろう?(また来たよ……けど、めげずにスルーする!)今回の案件って、スマートフォン対応が必須なんです。スマホ対応する場合、前回作ったサイト構造にどんな影響があるんでしょうか?そうだね。スマホ対応する場合のやり方は、大きく分けると2つかな。それぞれメリット・デメリットがあるよ。1. レスポンシブレイアウトで、同じHTMLを表示1つは、PCと同じHTMLをブラウザの表示横幅にあわせて最適なレイアウトで見せる方法だね。【メリット】1ソースなので、大規模サイトでもメンテナンスしやすいモバイルからの閲覧性を重視し始めた検索エンジンからも、推奨されているどの端末からもURLが同じなので、ソーシャルでシェアされるURLが散逸しないシンプルなサイトであればベースとなるテンプレート等を用意しておけば素早く構築できる将来、PC・タブレット・スマホとは大きく異なるサイズのネット閲覧デバイス(TVなど)が増えても、そのまま対応できる【デメリット】同じHTMLを表示するため、デザインやサイト内要素の配置をPCとスマホを考慮して作る必要がある上記の考慮をした結果、デザイン上の制限が生まれるスマホでは画面上非表示にしても、コンテンツ自体は読み込むため、無駄に容量が大きくなり表示が遅くなる場合がある画面幅による自動レイアウトなので、スマホからPCサイトのスタイルに切り替えることができない2. スマホ専用のページを生成して表示2つ目は、閲覧デバイスに合わせて動的に表示サイトを分ける、または静的に/sp/などと別階層構造を作り、スマホ専用の表示ページを出力させるようにする方法かな。【メリット】それぞれのデバイスに合わせ、デザインやレイアウトの制約がなく自由なレイアウトができるスマホでの利用シーン・用途に特化したコンテンツのみをコンパクトに表示させることができる(特に大規模サイトで有効)上記と関連して、スマホに最適化された画像や必要な情報のみを提供できるので表示速度が速い【デメリット】URLが異なる場合は、検索エンジンから重複と見なされない設定にするなど運用が複雑になる同じくURLが異なる場合は、ソーシャルでシェアされるリンクとシェア数が分散するPC・スマホ・タブレットなどデバイスごとにサイトを開発し、分岐の仕組みを用意する必要があるため、デザイン・構築コストがかかる新しい種類のデバイスがでた時に、新規で対応が必要なるほどー。Googleがレスポンシブレイアウトを推奨しているからといって、「レスポンシブレイアウト、サイコー!」とはならないのですね。そうだね。個人的な経験からすると、小中規模なWebサイトの場合はレスポンシブレイアウトで、大規模Webサイトになると別にしたほうが良いという場合が多かったかなー。例えば、遊園地や展示施設などの場合、ユーザーが、家でじっくり下調べするときにPC版を使って、スマホ版では現地でリアルタイムなイベント情報を確認する、などWebサイトの役割や運用方針によっても選択が変わるよね。昨今は、極端な話だけど「スマホでの閲覧を優先してPCはとりあえず見られればいいや」という方針もありえるので、そのWebサイトがどういうユーザーをターゲットにしているか?なども考慮する必要があるね。ふむふむ。ターゲットユーザーや優先度、役割などを考慮するのですね。わかりました!! 今回のクライアントの場合は、中規模なのでレスポンシブレイアウトを提案してみようと思います!○役割ごとに、できること・できないことを分離するための権限設定って?ではでは、続いてWebサイト運営をするための権限の話にもどろうか。はい! お願いします!まず、Webサイト運営に関わる人ってどういう人がいると思う?規模によると思いますが、こんな感じですかね……。Webマスターニュースなどを書くライター書かれたニュースなどをチェックする編集長Webサイトを構築する人確かに規模にもよると思うけど、そんな感じだね。さて、この人たちが全員同様に、「すべてが管理できる権限」を持って運営したら何が起こる可能性があるだろう?おそらく、記事を書くだけの人の場合あまりWebに詳しくない人もいるだろうから、間違って重要な設定変更しちゃった……みたいなことが発生する可能性があります。うんうん、そうだね。「船の先端でポーズとってただけのつもりが、うっかり面舵一杯~!! 」みたいなとこ触っちゃって、氷山にぶつかって船が沈むーみたいな感じになるよね。(そんなことあるのか? ……ともあれ、話を進めるためにそういうことにしておこう)……はい、なりますね。そういうことが起きないように、必要な人に必要な権限を与えてWebサイトを運用することが大事だよね。例えば、今回利用するCMS「MovableType.net」の権限と照らし合わせて見てみようか。【Webマスター】まず、Webマスターとなる人は、Webサイトの全体を管理する必要があるので、サイト管理者(オーナー)の設定になるね。この人は、Webサイトの全場所を触れるよ。【ライター / 編集長】次に、例えば、ニュースは複数人のマーケティング担当者が書いて、公開前のチェックをマーケティングチームの上司が編集長として行うと仮定しよう。各マーケティング担当者は、ニュースブログのライター権限をもらう。また、広報担当者は自分が書く記事のみを編集できる。ただし、記事の公開はできない。上司は、ニュースブログの編集長権限を持っているので、全員が書いた全記事を閲覧・編集でき、また、記事を公開することができる。これにより、ライター権限を持つマーケティング担当者が書いた記事を編集長権限を持った上司が確認し公開する、という流れにできるんだよね。【プロダクトページの管理者】製品ページや事例ページは、プロダクト担当者が原稿を書いて、公開権限も持つとする。この場合、プロダクト担当者が担当製品のブログ管理者としての権限をもらう。【Webサイト構築をする人】Webサイト構築中は全権限をもらい、すべての部分をいじれるようにするけれど、実際にサイトの運用がはじまったら権限を抑えて必要に応じて権限を再度付与する。といった、きめ細やかな運用ができるよ。なるほどなるほど。必要な人に必要な権限だけを与えて運用できれば、間違いのない確実な運用が可能になりますね!今回のWebサイトの運用方法も、だんだんイメージできるようになってきました。早速、これをもとに制作を進めてみます!! また分からない部分が見つかったら教えてくださいー。OKぼくじょー(シャドーボクシング)(またやってる……。そーっと去ろう)スマートフォンに対応したサイトの構造、そして担当者の役割に合わせた権限付与などがなんとなく分かってきたりん。「Webサイト制作を進めていくのに、注意することとかあるのかなぁ」など疑問に思いつつ、帰宅するのでありました。次回は、バージョン管理システムで制作履歴を保持しながらの安心・安全なサイト制作についてご紹介します。○執筆者紹介早瀬将一シックス・アパートにて、主にWebサービス型CMS「MovableType.net」の製品企画を担当しています。個人活動として、大学時代から音を中心としたインタラクティブ作品を制作。音に限らない作品やソフトウェアも作ってます。詳しくはWebで!
2015年02月17日ソフォスは2月9日、標的型攻撃に対する多層防御をエンドポイント上で展開する新機能「Malicious Traffic Detection(MTD)」を提供すると発表した。MTDは、同社のクラウド型セキュリティ・ソリューション「Sophos Cloud Endpoint Protection」の新機能として提供される。具体的には、隠蔽・待機中のマルウェアがC&Cサーバーと通信することを防ぐ。アプリケーションから送られるHTTP通信を監視し、接続するURLをMTDが検知。MTDの新たなコンポーネント「Sophos System Protector(SSP)」が即時にSophosLabs(ソフォスラボ)のクラウドデータにURLを安全か照会する。結果として、URLがC&Cサーバーや悪意あるWebサイトであった場合、接続をブロックし、Sophos Cloudの管理コンソールに通知、脅威の駆除が行われる。このように、エンドポイント上で多層防御を実装できるため、自社のゲートウェイを通過しないような外出先の社員の通信からの情報漏えいを監視・ブロックできるとしている。MTDは、ネットワークとサーバー、エンドポイントが相互に連携する同社のセキュリティプラットフォーム構想「プロジェクトガリレオ」の第一弾。特に新コンポーネント「SSP」は、今後順次提供予定の各種機能との間で自動的に情報を共有し、連携する重要なコンポーネントになるという。MTDを利用できるライセンスと価格は「Sophos Cloud Endpoint Protection(100ユーザーで1人あたり6940円)」「Sophos Cloud Endpoint Protection Advanced(100ユーザーで1人あたり5200円、いずれも税別)」となっており、利用できるOSはWindows 7以降の非サーバーOS。
2015年02月10日ディスコは2月2日、精密加工装置・精密加工ツールを製造する桑畑工場(広島県)に、免震構造の新棟を竣工したと発表した。スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器がけん引役となり、半導体市場は拡大基調にある。これに伴い、搭載される半導体・電子部品の生産設備投資が拡大し、同社の2014年度上期売上高は精密加工装置・精密加工ツールともに過去最高となったという。また、世界的なIoTの流れから今後新たなアプリケーションも登場し、半導体・電子部品需要はさらに拡大することが予測される。今回発表された新棟は、既存のA棟(2010年竣工)と接続することで、広い生産スペースが確保され、生産キャパシティは現状の約1.75倍となり、将来の需要拡大時にも対応できるという。また、同社では、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)強化のため各工場の免震化を進めてきたが、精密加工ツールの特定品種は桑畑工場に一部残った非免震棟にて製造していた。新棟の竣工により、すべての精密加工ツール、および精密加工装置を免震構造棟で製造できる体制が整い、大地震の際にも被害を最小限に留め、いち早い製品供給の復旧が可能となるとしている。なお、新棟は2月以降に順次稼働を開始し、10月に移設が完了する予定。
2015年02月02日NECは12月9日、道路橋などの構造物の内部劣化状態をカメラで撮影した表面映像から、計測・推定できる技術を開発したと発表した。同技術は、独自の超解像技術、映像・画像鮮明化技術、および4K超高精細映像高圧縮技術の開発などで培った映像・画像処理のノウハウを応用して実現したものである。具体的には、映像中の物体の微小な動き(振動)を高速かつ高精度に検出できる被写体振動計測アルゴリズムを開発した。同技術は、微小な振動の解析に必要な"カメラ画素数の100倍の解像度での動き解析"において、データ量が多く、従来時間がかかっていた解析処理を、映像圧縮などで培ったノウハウを用いて高速化した。これにより、高いフレームレートで撮影された映像の高速解析を可能とし、構造物表面の多数点の微小振動の同時計測を実現した。さらに、亀裂、剥離、空洞など、内部劣化が生じている箇所の振動パターンの違いを発見・検出できる独自の振動相関解析アルゴリズムを開発した。これにより、目視で発見できない構造物内部の劣化状態を高精度に推定できるようになったとしている。これらの技術により、カメラ映像から物体内部の劣化状態を推定できるため、点検による設備の一時停止など事業機会損失の低減が望まれる工場・プラント内の大型設備や、道路橋などの構造物インフラに加え、他の分野への応用も期待しているという。今後、同技術の実証を進め2015年度中の実用化を目指すとコメントしている。
2014年12月10日生理学研究所(生理研)などの研究グループは12月9日、遺伝性てんかんのひとつである常染色体優性外側側頭葉てんかん(ADLTE)の原因がタンパク質の構造異常に基づくことを見出し、薬剤で異常タンパク質を修復することによりてんかんが軽減することを明らかにしたと発表した。同成果は同研究所の深田正紀 教授、同 深田優子 准教授、同 横井紀彦 特任教授、北海道大学医学部の渡辺雅彦 教授、蘭Erasmus大学のDies Meijer 教授、東京大学先端科学技術研究センターの浜窪隆雄 教授らの共同研究によるもの。12月9日付け(現地時間)の米科学誌「Nature Medicine」に掲載される。同研究グループは、遺伝性側頭葉てんかんの原因遺伝子LGI1に注目し、ヒトの側頭葉てんかん患者で見られる22種類のLGI1変異を体系的に解析し、「分泌型」と「分泌不全型」の2種類に分類した。その後、「分泌型変異」あるいは「分泌不全型変異」を有する変異マウスを作成し、LGI1の変異がどのようにしててんかんを引き起こすのかを調べた。その結果、分泌型変異マウスでは、LGI1は細胞外に分泌されるが、受容体との結合が阻害されることを見出した。一方、分泌不全型変異マウスでは、LGI1がタンパク質の構造異常のため細胞内で分解されてしまい、脳の中で正常に働くLGI1が減少してしまっていることがわかった。これらの結果により、いずれの場合も、LGI1が本来の作用点である受容体と結合することができないことが、同てんかんの分子病態であると考えられるという。さらに、同研究グループは、たんぱく質の構造を修復しうる低分子化合物が分泌不全型LGI1の構造異常を改善し、分泌を促進することを突き止め、てんかん感受性が改善することを発見した。今回の成果は、タンパク質の構造異常に基づくてんかん治療に広く応用されることが期待される。
2014年12月09日坂本ラヂヲは、シリコン素材とポリカーボネート素材の2重構造で耐衝撃性のを高めたiPhone 6向けケース「FL364」を12月1日より発売する。価格は2,980円。「FL364」は、耐衝撃性に優れるポリカーボネートとクッション性の高いシリコンが2重構造になったiPhone 6向けケース。ICカードの収納ポケットを搭載しており、付属する磁気シールドシートによって電波干渉を抑え、ICカードを収納したままでの利用が可能。また、ケース本体右側面下部にはストラップホールを備えている。カラーバリエーションは、Camo、Zebra、Giraffe、Tokyo White、Tokyo Blackの5色。
2014年11月30日岡山大学は、光合成による水分解反応を触媒する光化学系II複合体の構造を1.95Åの分解能で突き止めることに成功したと発表した。同成果は、岡山大学大学院自然科学研究科の沈建仁 教授(同大光合成研究センター長)、菅倫寛 助教、秋田総理 助教、理化学研究所 放射光科学総合研究センター利用システム開発研究部門ビームライン基盤研究部の山本雅貴 部長、同生命系放射光利用システム開発ユニットの吾郷日出夫 専任研究員らによるもの。詳細は11月26日(英国時間)に、英国の科学雑誌「Nature」に掲載された。藻類や植物が行う光合成の酸素発生反応は、葉緑体にある「光化学系II複合体」と呼ばれる19個のタンパク質から構成されるタンパク質複合体によって行われている。これまで研究グループは日本の温泉由来のラン藻の一種から取り出した光化学系II複合体の結晶を作成し、その構造をSPring-8の放射光X線を用いて1.9Åの分解能で解析を行い、その成果を報告していたが、X線結晶構造解析で使用するX線回折写真の撮影に必要な数秒間のX線照射の間に、水分解反応を担う触媒中心の一部がX線による放射線損傷を受け、本来の構造とわずかに異なっている可能性があったという。そこで今回の研究では、X線による放射線損傷の影響のない光化学系IIの本来の構造の解析を目指し、X線自由電子レーザー(XFEL)施設「SACLA」を用いて実験が行われた。XFELは1パルスでX線回折写真を撮影でき、かつ、1パルスの継続時間が10フェムト秒と短いため、X線による放射線損傷で分子の構造変化が起こる前に、X線回折写真を撮影することが可能という特徴がある。具体的にはSACLAで開発した「フェムト秒X線結晶構造解析法」と世界最高品質の光化学系IIの結晶を作成する技術を組み合わせることで、光化学系II複合体の放射線損傷を受けていない本来の構造を、1.95Å分解能で解析することに成功。その結果、これまでSPring-8の放射光を用いて得られた構造よりも原子間の距離が0.1~0.3Å程度短くなっていることが判明したという。光化学系IIの触媒中心である「Mn4CaO5クラスター」は周りのアミノ酸が協調的に構造変化することで、周期的な5つの中間状態を経て高効率の水分解反応が行われるが、その動的メカニズムの詳細は不明となっている。研究グループでは、今回の成果について、光化学系IIの反応周期の第一状態について反応性を維持したままの本来のMn4CaO5クラスターと周辺の構造を明らかにしたものであり、太陽の可視光エネルギーを利用した水分解反応を人工的に実現するための触媒の構造基盤を提供することにつながるとしており、この反応を模倣した「人工光合成」が実現すれば、光エネルギーを高効率で電気エネルギーや化学エネルギーに変換することにつながり、エネルギー問題や環境問題、食糧問題など解決につながることが期待されるとコメントしている。
2014年11月27日岡山大学はこのほど、成体腎臓から取り出した幹細胞を用いて、試験管内での腎臓構造の再現に世界で初めて成功したと発表した。同成果は同大学病院腎臓・糖尿病・内分泌内科の喜多村真治 講師、槇野博史 病院長、杏林大学医学部薬理学教室の櫻井裕之 教授らの研究グループによるもので、11月24日(現地時間)に米・科学雑誌「STEM CELLS」に掲載された。同研究グループは大人のラットから採取した腎臓幹細胞を三次元培養することで、立体構造を持った腎臓構造体の作製に成功した。腎臓構造体は本物の腎臓の構造の最小構成単位であるネフロン構造を有しており、機能も一部確認された。成熟個体の細胞から腎臓構造体を作製できれば、創薬やオーダーメイド治療、動物愛護の観点から動物実験に変わる動物実験代替の臓器モデルになり得る可能性がある。また、幹細胞から腎臓構造再構築のメカニズムを詳細に検討することにより、腎不全の新たな治療や移植可能な臓器作製が期待されるという。
2014年11月26日大阪大学(阪大)は11月10日、有機半導体の表面では結晶内部と大きく異なる構造が実現していることを明らかにしたと発表した。同成果は、同大大学院 基礎工学研究科の若林裕助准教授らによるもの。東京大学の竹谷純一教授、堀田知佐准教授、理化学研究所の是常隆上級研究員らと共同で行われた。詳細は、「Nature Communications」に掲載された。有機半導体は安価、軽量なデバイス素材として、有機ELディスプレイなどで、すでに実用化されている。通常のシリコンの代わりに有機半導体を使ってトランジスタを作った場合、有機半導体の表面近傍数ナノメートルを電気が流れるが、このような表面付近の狭い領域で分子がどのように並んでいるかはほとんど知られていなかった。研究グループでは、高エネルギー加速器研究機構(KEK) 放射光科学研究施設 フォトンファクトリー(PF)の放射光を用い、ホログラフィの考え方を応用した特殊な解析法によって、表面付近の分子の並び方が結晶内部と大きく異なる例を発見した。さらに、この変化によって電気伝導性も表面と内部で差が出ることを理論計算によって確認したという。今回発見されたような自発的に生じる表面構造は、自己修復機能を持つ極薄膜が半導体表面に形成されることを示している。このため、利用する分子を選び、分子一層レベルで伝導性を制御することで、精密かつ安定な微細デバイス製造技術に繋がることが期待されるとコメントしている。
2014年11月13日フォーカルポイントは、ポリカーボネート製ケースとシリコンの多重構造を採用した耐衝撃性iPhone 6 Plusケース「OtterBox Defender for iPhone 6 Plus」を11月中旬より発売する。価格は税込み7,538円。「OtterBox Defender for iPhone 6 Plus」は、クリアウィンドウ付きのポリカーボネート製ケースと、各ポート部分をカバーするシリコンの多重構造を採用したiPhone 6 Plus向け保護ケース。インナーハードケースは、フロントとバックの2つのパーツで構成されており、端末を前後から挟むようにして取り付ける。スクリーン部分にはクリアプロテクターを採用し、傷や汚れを防ぎつつ、タッチ操作が行える。またホームボタン部分には特殊素材を埋め込み、ボタン部分を保護しつつ指紋認証機能「Touch ID」も使用できる。外側には、各ポート部分をカバーするアウターシリコンを装備。ポリカーボネートケースが装着された端末を衝撃から保護する。イヤフォンジャックや、サウンドボタンなどは開閉式のカバーになっており、内部への水滴や埃の侵入を防ぐ。パッケージには、ポリカーボネートを素材に使用した、ベルトクリップホルスターケースが付属。クリップ部分は360度回転するように設計されており、ベルトやバッグのストラップに好きな角度で取り付けできる。また、ベルトクリップホルスターケースはスタンドとしても使用することが可能となっている。「OtterBox Defender for iPhone 6 Plus」のサイズ/重量は、幅約90.2mm×高さ約172.5mm×厚さ約15.1mm/約169.2g。カラーバリエーションは、BLACK、GLACIER、OASIS、INK BLUEの4色。
2014年11月08日日立ハイテクノロジーズ(日立ハイテク)は10月20日、米OpGenと共同で、大規模なゲノム構造変化の発見・解析を支援するクラウドソリューション「Human Chromosome Explorer」のアーリーアクセスプログラム(EAP)を開始すると発表した。「Human Chromosome Explorer」は、日立ハイテクのCE(キャピラリー電気泳動式)DNAシーケンサ事業による豊富な経験や実績および日立グループのICT技術と、OpGenの全ゲノムマッピング技術を融合して開発したクラウドソリューション。大規模なゲノム構造変化の発見など、迅速で高精度なヒトゲノム構造解析を実現するという。今回のEAPでは、対象となる顧客に対し、全ゲノムマッピングデータやヒトゲノム構造解析ツールなどにアクセスできるポータルや、ヒトゲノムの完全な遺伝子評価結果が得られる解析モジュールを提供する。両社はEAPを経て、2015年に米国での本格的なサービス提供開始を目指しているという。次世代DNAシーケンサの普及によってゲノム構造解析の高速化が進む一方、完全なゲノム配列を解析するには多くの工程と時間がかかるとともに、ゲノム配列内での大規模な転位や欠失などといった構造変化を解析できないという課題がある。ゲノムの構造変化の多くは、がんや自閉症、アルツハイマー病などと関連しており、このような遺伝子情報は新たな治療法の開発を可能にし、将来的には患者それぞれの遺伝子情報を元にした疾病の診断や治療法決定の指針となることが期待される。
2014年10月20日