●あのダンボールがエレベーターに!「地球上で最も豊富な品揃え」そして「地球上で最もお客様を大切にする企業であること」という企業ビジョンを掲げるAmazon.com。日本版「Amazon.co.jp」の運営サポートを行うアマゾン ジャパンの社員は、どのような環境で働いているのだろうか。本社オフィスを取材してきた。○エレベーターがすでにアマゾン東京都目黒区に本社を構えるアマゾン ジャパン。同社に訪れた際、誰もがまずそのエントランスに驚かされるはず。あの見覚えのあるダンボールのパッケージがエレベーターにデザインされているのだ。まるで自分が商品になり配送された気分になる。出迎えてくれたのは広報本部の万波宏司さん。アマゾンの価値観や進化に挑み続ける企業姿勢に惹かれ入社したという広報のプロフェッショナルだ。そんな万波さんにお届けの印鑑をもら……ではなく、社内を案内してもらった。○WORK HARD,HAVE FUN,MAKE HISTORYまず案内されたのは、企業の顔とも呼べるロビー。なるほど、ジャングルやアマゾン川を彷彿とさせる受付まわり、デニム生地であつらえたソファなど遊び心がある。万波さん「アマゾンでは、全社的に『働き方』をとても大事にしています。『WORK HARD, HAVE FUN, MAKE HISTORY』というスローガンがありまして、しっかり働き、思いっきり楽しみ、そして自分たちで歴史をつくっていこう、というニュアンスです。リラックスして日々の仕事に全力投球できる、それでいて楽しい職番環境づくりに、社員たち自ら率先して関わっていこうという自由闊達な活気に溢れています」続いて目に飛び込んできたのは一枚の地図。道順を記す矢印が、宝探しの地図のようだ! 記載されているのは、各会議室の配置図。万波さん「会議室の位置を探検地図のように示しています。ちょっと冒険心をくすぐられますよね(笑)。会議室にはメコンやミシシッピなど世界各地の有名な川の名前がついています。別フロアの会議室には、最上、利根など日本国内の川の名前がつけられているんですよ」会議室マップ一枚で、大の大人のテンションを上げるとはさすがの一言だ。○社員の健康を守る設備が充実続いて案内されたのは、なんと社員が予約をすればいつでも無料で使えるというマッサージルーム。寝台も本格的で、常駐のマッサージスタッフが、社員の疲れを癒してくれる。マッサージルームの隣には同じく予約制の保健室(Health Station)。部屋の中は、ちょっとした一人暮らしの部屋のようにも見える。こんな設備があったら、仕事せずにゆっくりしてしまいそうな気がする。でもそんな心配のないほど、アマゾン社員のモチベーションは高いのだとか。万波さん「完全なフレックス制ですから、いつどこで何をやるかは、上長の承認があれば個人の裁量に任せられます。仕事だって、オフィスでしてもいいし、自宅でしても構いません。実際に小さなお子さんの面倒を見ながら、働き方を工夫してバリバリと仕事をこなしているお母さん社員もとても多いですよ」●社内で●●のトレーニングが出来る!?○自由な働き方、自由な時間万波さんの言う通り、アマゾン ジャパン自慢のカフェテリアやオフィスのあちこちに設けられたちょっとしたミーティングスペースを見ると、ノートパソコンを持ち込んで資料作成をする人やミーティングをしているグループなど、自由に時間と場所を選ぶ社員は少なくない。○社内でまさかのボルダリング!?いつどこで何をやるかは、個人の裁量に任せられているアマゾン ジャパン。とはいえ、1つ、どうしても突っ込んでおきたいことがある。「でもですよ、万波さん! さすがにアレは遊び心というよりは……遊びでしょう!」そう指差した先にあったのは、なんとボルダリングのトレーニングウォール。仕事とボルダリング……どう見てもつながらない。しかもその上から巨大な恐竜が顔をのぞかせている。万波さん「あれも、社員が考案したものです。確かに仕事とは直接関係ありませんが、社内でボルダリングできる会社という時点で、ユニークな発想を大事にしているのがおわかりいただけるかと(笑)」万波さん「とは言え、ボルダリングありきでこのウォールを取り付けたわけではないのです。こちらへいらしてください」社員の健康増進に繋がる本格的なボルダリングウォールは、会議場の壁面スペースを有効活用した一石二鳥のアイデアだった!万波さん「アマゾンは、常にお客様視点に立つことを最優先にしています。お客様にご満足いただけるサービスや機能を強化するために、既存の考え方や価値観にとらわれないクリエイティブな新しい取り組みにどんどんトライしていく。これがアマゾン流なのです」たとえば、オフィスの中やミーティングスペース、そのほか社内のいたるところにホワイトボードが設置されているのもその工夫の一つ。思いついたらその場でブレインストーミングできるようにするためだという。○まとめ - 本気の遊びは仕事に革新をもたらすアマゾン ジャパンが目黒の現オフィスに移転したのが2012年4月。その際、新しいオフィス環境づくりのアイデアを社内でも募り、これをあちこちに反映することで、実際に部門を超えた社員同士のコミュニケーションが活発になり、仕事にも好ましい影響をもたらしたという。猫も杓子も「イノベーション」と連呼するこのご時世だが、本気の遊び心は結果につながるということか。
2015年05月29日