沙村広明のコミック『無限の住人』が、木村拓哉主演、三池崇史監督で映画化されることが決定した。不老不死の肉体をもつ主人公が両親を殺された少女と共に剣客集団に戦いを挑む姿を描いた異色時代劇だ。その他の情報/『無限の住人』が実写映画化原作は1993年から2002年まで月刊アフタヌーンに連載された同名コミックで、江戸時代の日本を舞台に、不老不死の肉体をもつ主人公・万次が、剣客集団・逸刀流に両親を殺されて復讐を誓う少女・浅野凜と共に逸刀流との戦いに身を投じる姿を描いたもの。「今回参加するにあたって三池崇史さんという存在が大きかった」という木村は「映画監督に求められるというのは役者にとって最もありがたいことなので『三池崇史監督が僕のことを要してくださった』という事実に、自分の中でなんかざわめいた、という気持ちがありました」とコメント。「監督もプロデューサーも目線の先に海外を意識しているなと感じましたし、僕自身もヨーロッパはじめ海外の方々にも観ていただけたらと思っていますが、まずはしっかり演じることだと思っています。あとは、三池監督がアクションにしてもドラマにしても、三池監督のエンターテイメントにしてくれるので、もちろん自分の“個”はありますけど、現場では監督の求める“素材のひとつ”だと思うので、共演者、スタッフと集中して現場に臨みたいと思います」と意気込みを語っている。日本だけでなく海外にも熱狂的なファンの多い三池監督はこれまでも数々のコミックを実写化し、活劇、時代劇も手がけてきたが、本作は特別な作品なようで「昭和と平成を串刺しにするスーパースター・木村拓哉を用心棒(主人公の万次)につけた我ら映画界の逸刀流・三池組は世界最強である。これはそういう映画です」と語っている。撮影は11月から開始され、2017年にワーナー・ブラザースの配給で公開になる。『無限の住人』2017年 全国ロードショー
2015年10月05日世界22か国の地域で刊行され、人気を博しているカリスマコミック「無限の住人」が、『悪の教典』『テラフォーマーズ』の三池崇史監督によって実写映画化されることが決定。併せて不老不死の肉体を持つ、主人公・万次を木村拓哉が演じることが明らかになった。原作は、1993年から2012年に「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載され、単行本(全30巻)の累計発行部数は約500万部を記録した沙村広明による同名コミック。その圧倒的な画力と斬新な殺陣描写により“時代劇”というジャンルを超え、一躍剣客アクションコミックとして話題を呼んだ。舞台は江戸時代の日本。“百人斬り”の威名を持つ伝説の侍・万次は唯一の肉親である妹を眼前で殺され、自らも満身創痍で仇を討つ。そこに謎の老婆が現れ「そう死に急ぐこともなかろう」と不老不死の肉体を与えられ、無限の命を生きることになる…。剣客集団・逸刀流に両親を殺され、実家の剣術道場を潰された少女・浅野凜が仇討ちを遂げるため、万次に用心棒を依頼する。依頼を受けた万次は、凜と共に逸刀流との戦いに身を投じることになる――。本作は、主人公・万次が“不老不死の肉体を持つ”という点から、実写映画化の企画は何度となく持ち上がるも、なかなか実現に至らなかったが、今回、国内外で高く評価を得ている三池監督によってようやく実現に至った。今回主人公・万次を演じるのは、「ロングバケーション」(フジテレビ)「アイムホーム」(テレビ朝日)、『HERO』など数々のドラマや映画に出演し高視聴率男とも称される木村拓哉。時代劇映画としては2006年に公開され興行収入41億円を記録した『武士の一分』(山田洋次監督)以来約10年ぶりの主演となる。初タッグとなる三池監督と木村さんのケミストリーに注目したい。<以下、キャスト&スタッフコメント>■木村拓哉(万次役)今回参加するにあたって三池崇史さんという存在が大きかったですし、映画監督が映画を撮りたいという前提で自分を欲してくれたということが一番大きかったです。映画監督に求められるというのは役者にとって最もありがたいことなので、「三池崇史監督が僕のことを要してくださった」という事実に、自分の中でなんかざわめいた、という気持ちがありました。原作は、僕自身、好きな世界観ですし、万次を「死ねない」と考えるか、「不死身」ととるかは一線上にあるものだと思います。原作にある「死なない」ことと「死ねない」ということの向き合いについては、今回の脚本にも描かれているので、そこをどう体現するのか、監督が求めるものがどこなのか、頭でっかちにならずに現場を体感しながら演じたいと思います。監督もプロデューサーも目線の先に海外を意識しているなと感じましたし、僕自身もヨーロッパはじめ海外の方々にも観ていただけたらと思っていますが、まずはしっかり演じることだと思っています。あとは、三池監督がアクションにしてもドラマにしても、三池監督のエンターテイメントにしてくれるので、もちろん自分の“個”はありますけど、現場では監督の求める“素材のひとつ”だと思うので、共演者、スタッフと集中して現場に臨みたいと思います。■三池崇史監督昭和と平成を串刺しにするスーパースター・木村拓哉を用心棒(主人公の万次)につけた我ら映画界の逸刀流・三池組は世界最強である。これはそういう映画です。■沙村広明(原作者)原作は22年前に始まった自分の処女連載作品なので、いま読み返せば至らぬ点が山のようにありますが、映画がそれらをフォローし、かつ映画ならではの醍醐味を様々に付加していただければ幸いです。大好きな監督さんと日本最高峰の主演、才能ある様々なキャストとスタッフの力を借り、『無限の住人』に再び命が吹き込まれるのを心から楽しみにしています。『無限の住人』は2017年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2015年10月05日ASIAN KANG-FU GENERATIONやORANGE RANGE、いきものがかりなど、数多くのアーティストのミュージックビデオを手掛ける三木孝浩監督。映画監督デビューを飾った『ソラニン』以来、能年玲奈主演の『ホットロード』、本田翼&東出昌大主演の『アオハライド』など、青春映画の新たな名手として着実にフィルモグラフィーを更新し続けている。15歳だったすべての人へ――。そんな印象的なキャッチがつけられた三木監督の最新作『くちびるに歌を』は、今15歳という年齢を迎える子どもたちや、かつて15歳だった私たち大人の心を、確かな感動で包み込むような素晴らしい作品に仕上がっている。乙一の変名として知られる中田永一による原作小説は、アンジェラ・アキ「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を物語の主軸に、アンジェラさんが長崎県・五島の中学校を訪ねたテレビドキュメンタリーがもとになっている。原作を読んだ三木監督は、映画化への強い思いを抱いたそうだ。「ああそんなことに悩んでいたなあというような、自分が15歳だったときの気分を思い出させてくれた作品だったんです。だから自分の実体験も重ねやすかったですし、すごく自分で映画化したいなと思いました」。撮影に入る前に、ひとりでロケハンを行ったという三木監督。舞台となった長崎県・五島の透き通るような海の青と、生き生きとした緑が視界に飛び込む美しいショットの数々が映し出されている本作は、三木監督が「手紙」からイメージされる風景を自らの足で探し、イマジネーションを膨らましていったそうだ。本作の何よりの魅力は、合唱に夢中になって挑む子どもたちの真摯な姿だろう。仲村ナズナ役の恒松祐里や桑原サトル役の下田翔太をはじめ、今後この作品が機転となり活躍していくであろう子役たちが、演じる役とともに成長する姿を生き生きと感じることができる。映画制作において子役の演出は難しいと言われることがしばしばあるが、三木監督はその行程が楽しかったと語る。「むしろ大人に芝居をつけるよりも楽しいですね。すごく変化や成長しやすい時期ですし、“1”言ったら“5”も“10”も自分の中で考えてくれていたりするので。これだけ人数がいると、それぞれの相互作用があって、ひとりの子がいい芝居をすると、それに引っ張られるように周りもいい芝居をしたりとか、その影響し合う姿を観ても面白かったですね」。『ソラニン』『管制塔』と同様、ひとつの楽曲が物語の主軸となり、“未熟”な登場人物たちが、音楽を通して成長していく様を描く本作。だからこそ、クライマックスにおける演奏シーンが観るものの心に感動をもたらすのだが、過去作品を振り返りながら、合唱がテーマとなった本作の演出の裏側について三木監督は明かす。「みんなほぼ合唱に関してははじめてだったので、一から練習して本番に向けて頑張りました。そこが実は撮影の狙いでもあって、子どもたちが役者として成長していく姿と、この子たちが物語の中で成長していく姿というのが、撮りながらリンクしていくといいなと思ったんです。役者として合唱を練習していくその成長過程をちゃんとこの子たちが体感することで、物語の中でそれが投影されれば、すごくリアルにできるんじゃないかと。それは過去の作品にも言えるのですが、音楽単体で聞くよりも、物語のキャラクターをそれぞれ知った上で歌を聞くと、よりその歌が深く聞こえるというのはどの作品にも共通する部分だと思います。この作品も、最後に合唱する姿を観て、それぞれのキャラクターのいままでのことを思いながら、歌詞にその子たちの気持ちが乗って歌ってるんだということを、観たひとが想像してくれたらいいなと思っています。合唱っていうのは、たぶんそれぞれの悩みはあるけれど、一緒に歌うことでその子たちの救いになっているというのが、言葉での説明ではなく、観てるひとの体感として感じてもらえる効果があるんじゃないかなと思いましたね」。子役のキャスト陣に対して、大人側のキャストには木村文乃や桐谷健太といった魅力的な配役はもちろんだが、本作のもうひとつの大きな見どころとしてあげられるのは、やはり主演を務めた新垣結衣のキャスティングだろう。印象的な彼女の笑顔が封印され、まったく笑わないクールな柏木ユリ役を新垣さんが演じる本作は、観るものに新鮮な意外性と、新垣さんの新たな魅力を感じさせる。三木監督はそんなキャスティングへの“戦略”を語った。「毎回キャスティングするときに、特に女優さんは、いままでにない表情を切り取りたいなと思っていて、パブリックイメージと逆のキャスティングをしています。それが観ているひとの予想を裏切ったり、逆にギャップを感じさせることで、共感度が増すと思うんです。今回も、パブリックイメージ的には明るくて元気なイメージがある新垣さんにあえて笑っている姿を封印してもらうことで、どこかでドキッとするというか、“あれ、いつも笑っているひとが笑っていない”という負荷がかかっている状態で観てもらうことで、なぜそうなんだろうと能動的に想像してもらう。もしかしたら、普段は明るく見えている新垣結衣本人にもそういう一面があるんじゃないかと思ってもらえたら“勝ち”かなと思っているんですね。それが柏木ユリを演じてもらう上で実は大事なポイントだった気がしますね。特にあんまり自分の気持ちを吐露するキャラクターではないので、柏木は子どもたちを今観てどう思ったんだろうとかどう感じたんだろうと想像しながら柏木ユリが再生していく様を観てもらえればと思いました」。錆びてぼろぼろの車や折りたたみ式のガラケーなど、ユリの人物造形における細部に至るまでの設定が、柏木ユリという人物をなんとも実在感のあるキャラクターに仕上げることに成功しているのだが、実は柏木ユリ人物造詣の多くは映画オリジナルのもの。そこには、三木監督の並々ならぬ思いが注がれていた。「実は、原作はほとんど中学生それぞれの話なので、柏木ユリ自体のキャラクター造形や、柏木先生の視点は深く掘り下げられてないんです。ですが、物語のベースになっているアンジェラ・アキさんの『手紙』が、歌の一番が十五歳の自分が大人の自分に宛てて書いた手紙、二番が大人の自分が十五歳に向けて書いた手紙という構成になっているので、映画自体も十五歳の視点と大人の視点というのを相互に作用させられるような構成にしたいなと思いました。なので、柏木先生については、折りたたみケータイに執着してるところとか、映画オリジナルですごく膨らませた部分があります」。本作の人間ドラマとしての魅力は、三木監督が柏木ユキという主人公に仮託した大人の目線に他ならない。これまでの作品では、どちらかといえば物語の中で成長していく“子ども”の主人公たちに目線に寄り添ったかたちが多かった三木監督だが、本作における「手紙」の構成になぞらえて描かれた二つの視線は、本作をさらに感動的に演出している。そしてそんな柏木ユキの人物造形への思い入れは、三木監督自身が親になったことが大きいようだ。「今回視点の変化っていう部分では、自分が親になったっていうのがすごくありますね。今回の映画の中で中学生だけの視点だけじゃなくて、柏木先生というのを強く入れたかったというのはその部分で。撮影前の取材やオーディションをしたり準備をする中で、子どもたちの成長をみて自分がハッとさせられる瞬間っていうのが多かったんですね。子どもたち視点っていうのはもちろん大事なんですけど、子どもたちが成長する姿を観る大人がどう感じるかっていう方が、この作品を描く上では逆に一番重要なんじゃないかなと思ったんです。だからこそ、柏木先生が大人の代表として子どもたちの姿をみることで変化していくっていうのは、一番共感してもらえるんじゃないかなと思いました」。現在5歳と2歳の二人のお子さんがいるという三木監督。演出の際にも、自分の娘が十五歳ぐらいになったらどんな悩みを持つのか想像しながら作ったのだそう。本作に溢れる暖かい目線は、父親としての三木監督のひととなりが現れているからこそなのかもしれない。「今後残っていく作品にしたい」と思い制作したという本作を経たいま、今後の展望について語ってもらった。「映画の中で成長だったり再生だったりを描くのが、毎回自分の中でテーマになっていて、ジャンルは変わっても今後もそれがモチーフになるのは変わらない気はしますね。そこが愛おしいというか、未熟だったり未完成な人間が、それでももがきながら自分のあるべき姿を求めて頑張っている姿というのが、観る方としても感動しますし、作り手としてもそこを描きたいなと常々思っています」。人間ドラマの描き手として、今後の三木監督に期待したい。(text:cinemacafe.net)■関連作品:くちびるに歌を 2015年2月28日より全国にて公開(C) 2015 『くちびるに歌を』製作委員会(C) 2011 中田永一/小学館
2015年09月08日鬼才・三池崇史監督が木内一裕の人気小説を映画化し、大ヒットしたサスペンス・アクション『藁の楯 わらのたて』。この度、日本テレビは、株式会社All Nippon Entertainment Works(以下ANEW)及び、 クリス&ポール・ワイツ兄弟率いる映画製作会社Depth of Field(以下DOF)と共同で、大ヒット作『藁の楯 わらのたて』のハリウッド・リメイクの開発に着手したことが明らかになった。プロデューサーを務めるのは本作のプロデューサーである日本テレビの北島直明氏と、『アバウト・ア・ボーイ』『シンデレラ』などを手掛けたDOFのクリス・ワイツ氏、アンドリュー・ミアーノ氏、ダン・バルゴイェン氏。脚本は『エクスペンダブルズ3 ワールドミッション』『エンド・オブ・ホワイトハウス』のクレイトン・ローゼンバーガーとカトリン・ベネディクト夫妻が手掛ける。オリジナル映画『藁の楯』は「BE-BOP-HIGHSCHOOL」シリーズで知られる漫画家の木内一裕氏の小説家デビュー作品を、三池崇史監督が映画化したサスペンス・アクション。10億円の懸賞金をかけられた殺人犯を護送することになった5人の刑事たちの緊迫した戦いを、大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也、山崎努ほか豪華キャストで描き、興収18.3億円と国内で大ヒット。2013年のカンヌ国際映画祭コンペティション部門に公式選出された。ハリウッドでの映画化に先駆け、2016年1月16日には原作小説『藁の楯』の英語翻訳版が全世界でVertical社より出版される予定。作者の木内さんは、「今回決定した脚本家の選定から、ど派手なアクション映画になることは間違いないでしょう。アメリカとは国情も大きく異なるため、ハリウッド版の映画では全く展開の違うストーリーになることと思いますが、原作者としては小説『藁の楯』のテーマを重視し、新たな物語に反映していただけることを期待しています。そしてこのプロジェクトが、私の小説と新たな読者との出会いの機会になってくれることを願っています」とコメント。日本テレビの北島プロデューサーは、「日本国内での製作当初から、本作のスケール感・テーマ性は世界でも通用する可能性を確信していた」と語り、さらにハリウッド・リメイクのオファーが殺到する中で「ANEWとDOFとの共同開発プロジェクト内容が具体的で、実現性が一番高いと思いました。そして、ANEWの日本スタッフ、USスタッフや、DOFのワイツ氏、ミアーノ氏、バルゴイェン氏の『藁の楯』に対する強い熱意を感じた事がパートナーに選ばせて頂いた最大の理由」と、今回の企画開発に期待を寄せている。DOFのクリス・ワイツ氏は、「原作で最も印象深かったのが、アクション・サスペンスが基盤の作品でありながら、モラルを厳しく追求する物語だという点です。法と正義のグレーゾーン、そして殺人犯の人権について分析をした作品です。そこには、簡単な答えはありません。私たちは、観客が『自分だったらどうする?』と議論をしながら劇場を後にすることを目指したいと思います」とリメイク作品への意気込みを語った。また、ダン・バルゴイェン氏は、「北島さんをはじめとする日本テレビとANEWのみなさんとご一緒できて嬉しいです。最高のパートナー関係を築いていきます」と語っている。ANEWのアンマリー・ベイリー氏も、「三池崇史監督の映画は緊張感にあふれ、アクション満載で、冒頭から観客の心をわし掴みにするものでした。その作品を基に、有能な脚本家のローゼンバーガー氏とベネディクト氏、そして実績のあるDOFが加わり、大ヒットリメイクを生み出す要素が揃ったと言えます」と抱負を述べた。本作の公開は2017年の秋を予定。(cinemacafe.net)■関連作品:藁の楯 わらのたて 2013年4月26日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 木内一裕/講談社 (C) 2013映画「藁の楯」製作委員会
2015年08月26日三池崇史監督の最新作『極道大戦争』の初日舞台挨拶が6月20日(土)、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、市原隼人、成海璃子、リリー・フランキー、高島礼子、青柳翔(劇団EXILE)、でんでん、坂口茉琴が登壇した。三池監督が原点回帰と位置づけた、渾身の完全オリジナルストーリーを映画化。“ヤクザヴァンパイア”に噛まれたら、誰もがヤクザになってしまうという衝撃の極道エンターテイメントで、第68回カンヌ国際映画祭「監督週間」での公式上映でも大旋風を巻き起こした。この日は新作の撮影を理由に、三池監督は残念ながら欠席。その穴を埋めようと(!?)、市原さんらキャスト陣は、本作の“ハチャメチャ”な世界観について言いたい放題だった。「クレイジーでぶっ飛んだ作品。すべてがオリジナルというのも本当にすごい」と市原さん。ヒロインを演じる成海さんは「台本を読んでも、何が何やらで、すごく混乱しました。でも、この祭りには参加したいなと思った」と笑顔を見せた。「よく分からない…でも面白い!ぜひ感性で楽しんで」(高島さん)、「深く考えるのはやめようと思った」(青柳さん)、「台本を読んで、これ準備稿だと思った(笑)。よくこんな企画が通ったな」(でんでんさん)、「まるで刺激的な絵本みたい」(坂口さん)と、やはり唯一無比な三池ワールドに圧倒されたようだ。いちばん“舌”好調だったのがリリーさんで、「イカれている」「この映画が公開されるなんて思っていなかった」「現場では“R-28”くらいの描写も。これ、誰が観られるの?と思った」とリリーさん流の賛辞を贈っていた。『極道大戦争』は全国で公開中。北米を始め、世界21か国での公開が決定している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:極道大戦争 2015年6月20日より TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月20日「おぉっ、マジか?」。市原隼人が出演のオファーを快諾したと聞いて、三池崇史監督は驚愕した。オファー出した本人が驚くっておかしいだろっ!とツッコミたいところだが、なぜか納得してしまう。そして市原さんは、自らが主演を務め、完成したこの映画をこんな言葉で評する。「これまでの映画、これから先に公開される映画、その全てが“過去”になってしまうような新たなジャンルの映画だと思います」。ここまでで『極道大戦争』がどれくらいブッ飛んだ映画なのか十分に想像がつくと思う。一応、どんな映画なのかを説明するとタイトルの通り、やくざ映画である。だが、出てくるのはただのやくざではない。“ヤクザヴァンパイア”である。彼らに噛まれると、カタギの人間もやくざになってしまう。そして街には(文字通り)血に飢えたヤクザヴァンパイアがあふれる…。もちろん、原作小説などない。こんな、とんでもない話を思いつき、実際に映画にしてしまうのは三池監督だけだ。そこに市原さんは一寸の迷いもなく飛び乗った。そして撮影を、現場を心の底から楽しんだ。セオリーも常識も超えた戦場に身を投じる、やんちゃな男たちに話を聞いた。人気漫画やベストセラー小説の映画化が主体の邦画界にあって、本作の始まりは、三池監督によると「飲み屋での無駄話」だという。そんな奇跡のような本作が成立したという事実について監督は感慨と意義を口にする。「いま、ヒットしそうだから映画を作るとかそういう流れ、見る側というより、われわれ作る側のモヤモヤっとしたところ――そんな闇に向かってデカい石を思いっきり、筋肉が切れてもいいやって感じで、全力で投げた快感があった。そういう快感が意外とエンターテイメントの観客に必要なんじゃないかと思うんです。なかなかいま、闇に向かって石投げるのは歓迎されないけど(笑)」。ちなみに出てくるのはヤクザヴァンパイアだけではない。最強のKAERUくん、カッパなどワケのわからないものだらけなのだが…。市原さんはそんな奇想天外なストーリー展開に驚きつつ「演じていて繊細な感情と大胆な部分と凄い振り幅を持ってるんです。お客さんにとってもいろんな見方ができる作品だと思う」とその魅力を語る。特に、演じる上で印象深かったのは『ザ・レイド』でその名をとどろかせたインドネシアが誇るアクション俳優ヤヤン・ルヒアンとの1対1のアクション。「楽しかったですね。(ヤヤンさんは)もう、目が獲物を狩るような感じで(笑)。アクショントレーニングに始まって、息遣いやモーションを確認し合っていくんですけど、三池組って“生もの”だから、どんどん変わっていくんです。そうした中でのアクションはすごく刺激的でした。撮影中も次にどうなって、何が来るのかわからない楽しみがあって、子供の頃に『あそこには行っちゃダメ』と言われている場所に毎日、通っているような気分でした」。三池監督と市原さんのタッグは『神様のパズル』以来、実に7年ぶり。だが、三池監督が前作の頃から抱いてきた市原さんの印象は、7年を経ても何ら変わることはなかった。「とんがっているところは相変わらずで、その鋭さは変わらないままにより太くなったと思う。何かの覚悟を決めたんだな、この人は…という印象がある。役者というのは仕事が来れば役者だし、逆に自分が乗り気じゃなくてもやらなければいけなかったり、いろんな要素があるワイルドな生き方だと思いますそこで、どっちかを選んだり、何かを選ばないといけない時があるけど、それを全くあきらめずに『おれはこうなんだ』という強いものを持ってる。でもね、それは7年前からあったよね。役作りについて何を言われても『役作り?自分はしないんで』って言えちゃってた(笑)。そこはカッコいいと思うし、この先も変わらないんだろうなって思う」。さらに三池監督は、市原さんの“素顔”について、ハリウッドのあの名優を引き合いにこんな言葉も漏らす。「意外とね、市原隼人って役としての人間は知ってても、彼自身はどこか別の国のやんちゃな王子様って感じで実態がつかめないの。タイプは違うけど、同じ匂いを感じるのがデ・ニーロ。よくこの世界でああいう生き方していけるなと思いますよ」。そんな三池監督の言葉に「いやいやいや」とかぶりを振りつつ、市原さんは「職人でいたいんです」と自身の俳優という仕事へのスタンスを口にする。「芝居で会話したいし、現場で遊びたい。現場が終わってからじゃなくて。やらされるのは嫌だし、そういう人を見るのも好きじゃないんです」。決して多くを言葉で語ろうとはしないが、そのひと言ひと言に信念が見える。「物の捉え方が多少変わってくるし、それは必ず芝居の中にも出てくると思います。知識も増えていろんなことが見えてくると、裏ではこんな風に物事が動いているのか、こう進んでいるのか、というのが分かってくる。その中で、変に芝居をしなくていいのかな?気持ちだけそこにあればいいのかな?と思えてくるようになりましたね。基本的なことは変わらないし、がむしゃらでいたい。誰がおっしゃっていたか忘れてしまいましたが『努力はしてないけど、ポイントを押さえてきただけだ』と。それがなかなかできないんですが、そうなれたらいいなと思いつつ、年食っている最中です」。三池監督は「この映画がこんな風になったのはおれのせいじゃないよ。市原隼人がスタッフ全員を、映画を加速させたから(笑)」とおどけつつ「ひとつだけ絶対に真実として言えるのは、現場に何十人といる中で、彼が一番集中してるということ。一瞬がもったいない、真剣に生きないと…という迫力がある」と市原さんを称え、そしてこんな思いをも口にする。「いま、みんながイメージしてる“自由”というものがずいぶん小さい気がするんです。自分が自由でいられる場で自由でいようとしているような感じがして、自分が作り手となったことで、下に若い人たちが来るけど、迫力や熱を感じないんです。実際、30代の面白そうな監督がゴロゴロ出てこないといけないのに『極道大戦争』を撮ってもまだ次のオファーが来るからね(笑)。個人的に嬉しいことだけど、大丈夫かよ?とも思っちゃう。ガツガツ来る下からの熱があるからこそもっとやれるのになぁ…とも感じます」。それは若い世代に向けての叱咤激励であると同時に54歳の己を鼓舞するための刃でもある。「周りからとやかく言われなくなったら終わりが近いのかなって思います。そういう意味でカズ(=三浦知良)に学ぶことって多いです。あの張本(勲/野球評論家)さんとのやり取り(※張本氏の『もうおやめなさい』という引退勧告にカズは『“もっと活躍しろ”って言われているんだなと思う。光栄です』と返した)は本音だと思うんです。非難されることで悔しさも出てくる。あのTVでのひと言が意図せずしてカズにゴールを量産させる――そんな結果が起きてほしい。映画監督って守りに入りがちで、作品のイメージで“そういう監督”と見られがちで、それは単なる虚像なんだけど、でもいつのまにかそれが理想の生き方みたいになっちゃってる。そうやって“ポジション”“ブランド”を築いた瞬間に終わりは始まってるんです。だから、黒澤明が晩年に『ゴジラ』を撮ったらよかったんだけど(笑)、それはなかなかできないんですよ。その存在を知らしめるような代表作を超える作品を撮れる監督ってなかなかいない。イーストウッドくらいが唯一、異様な気配を持って常識を崩してる。そういうことをなんとなく考えてしまう年齢ですね。いまだに企画会議で三池崇史が土俵に上がる。ありがたいと思いつつ、ヤバい感触を持っています」。50代半ばの鬼才の原点回帰、それに呼応し見事なまでに踊り狂う若き才能の咆哮をとくと味わってほしい。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:極道大戦争 2015年6月20日より TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月19日『極道大戦争』の三池崇史監督が、先日、最新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のPRのため来日したジョージ・ミラー監督と夢の初対談を実施。オーストラリアからハリウッド映画の頂点まで昇りつめたミラー監督と、日本から世界に挑み続ける三池監督。互いにエンターテイメント性と作家性を併せ持ち、アクション映画への“原点回帰”となった2人の最新作は同日公開でもあることから、日米の“映画屋”のガチンコ対決が実現した。本年度の第56回カンヌ国際映画祭に、この最新作がそろって出品された2人。伝説のヴァイオレンス・アクションシリーズが30年ぶりに復活したミラー監督の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は、トム・ハーディを主演に迎え、文字通り全編にわたってノンストップでリアル・アクションが展開する超大作。一方、ヤクザ・ヴァンパイアの壮絶な戦いが繰り広げられる三池監督の『極道大戦争』は、監督デビューから4半世紀を経て原点となる“Vシネマ・スピリッツ”を、市原隼人主演で甦らせたアクション大作だ。共に超低予算アクション映画からキャリアをスタートさせた2人が、お互いの原点となるアクションにこだわり抜いた新作をメジャー大作として完成させたこの2作は、奇しくも、今週末6月20日(土)に同日公開される。「若いころにすごく影響を受けた」という『マッドマックス』シリーズ直撃世代の三池監督は、シリーズを作り上げたミラー監督に刺激を受けてきたそうで、「ミラーさんとお会いして話せるのがとても光栄。そんな繋がりが生まれるのが、映画の持つ力だと感じる」と言う。だが、対談の席に現れたミラー監督は、まず三池監督が手にしたマッドマックス仕様にカスタマイズされたカエルのぬいぐるみに興味津々。それは、『極道大戦争』に登場する“現代の怪物にして世界最強のテロリスト”と呼ばれる謎のキャラクター。ミラー監督から「なんて名前だ、コイツは?」と尋ねられた三池監督が、「“KAERUくん”です」と紹介すると、「ミスター・フロッグ!?ファンタスティック!!」と、すっかり気に入った様子。『ベイブ/都会に行く』『ハッピーフィート』などでキュートな子ブタやペンギンを主人公に映画を作ってきたミラー監督の「ミスター・フロッグのアイデアはどこから生まれたんだ?」という質問に、三池監督は「日本には“ゆるキャラ”というのがありまして…」と、KAERUくんの原点となった“ゆるキャラ”について説明を始める一幕もあった。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』をすでに観たという三池監督は、「今回マックスを演じたトム・ハーディにしか出せない空気、カッコよさが出ているなと思いました。『座頭市』みたいな日本映画的美学を持っていて、それは監督やハーディの『マックスってなんだ?』という疑問への答えなんだと思います。ため息が漏れました」と絶賛を惜しまない。だが、続いて「実は僕もトム・ハーディと一緒に仕事をする予定だったんです…」と、三池監督から意外な告白が飛び出した。だが、クランクイン直前になってキャンセルになったことから、「それで、何かやろうと思って作ったのが『極道大戦争』なんです」と明かした。「そうか、どうりでミスター・フロッグがトム・ハーディに似てると思ったよ(笑)」と、ユーモアたっぷりに返して周囲を爆笑させるミラー監督。そして、アクション映画への原点回帰、同日公開という2作の共通点を聞かされると、「一緒じゃないか!」と、さらに頬を緩ませた。三池監督は、「新作の『マッドマックス』には痺れましたよ。こんなに面白い映画がキャリアを重ねても作れるものなんだなと思いました。普通は衰えていくものなんですけど、よりヤバくなってる」と興奮気味。「僕ら映画を作る人間からすると、『マッドマックス』を観てしまうと、世界中の映画人は“作れない理由”を状況のせいにできなくなったなと思いました。『作るか、作らないかだけ。それはアナタの問題だ』と、ミラーさんから突きつけられたような気がしたんです」と語った。すると、ミラー監督も「1週間前にスティーブン・スピルバーグから電話をもらって、いま、三池監督が言ったようなことを彼もすごく興奮しながら言ってたんだ。私もスピルバーグを始め、ロバート・ロドリゲスやJ・J・エイブラムスといったアメリカのフィルムメーカーからエネルギーをもらって、もっと映画を作りたいという気持ちになったからな」と明かしてくれた。『極道大戦争』の撮影では、「体は30代の頃のようにはいかない」と弱音を見せることもあった54歳の三池監督。だが、70歳で『マッドマックス』を作り上げたミラー監督を前に「言い訳できないなと思いましたね。やるか、やらないかだけですよ。言い訳を考えてるヒマがあったら、ローバジェットでもいいからもう1回、一から作れっていうことですよね。映画を作る人間に色んなことを教えてくれるのが『マッドマックス』です」と語る。映画との戦い方について熱い言葉が交わされた後、三池監督が「映画の中で、僕にもできる演出が一つだけありました」と告げる。「どこだい?」と興味深そうな顔で尋ねるミラー監督の前で、おもむろに頭の後ろに手をやり、劇中でマックスが顔に取り付けられた鉄仮面を外そうと、ヤスリで懸命に擦る仕草をやって見せる。「あのカシャカシャカシャってやつです」。「ハハハハ!!あれは最初から脚本にあった設定なんだが、マックスは自由になるために脱出しようとしているので、いつもああやってるのさ」とミラー監督。「ヤスリさえあれば、僕の映画でもできる(笑)。あれ以外は、とても自分には撮れませんが」と三池監督が謙遜すると、「三池監督ならほかのシーンも撮れるさ!」とミラー監督は力強く語った。また、それぞれが特別上映と監督週間での上映となったカンヌ映画祭では、三池監督が新作の撮影のため渡航できなかったことから、お詫びの思いをこめて着物姿で女装したカードが配られたが、それをミラー監督にもプレゼント。あ然としながらカードを見つめたミラー監督は、しばらくの沈黙の後、「とっても綺麗だよ」と優しく声をかけていた。長年のキャリアを重ねてきた映画監督同士が、映画を通じて送り合うエール。固い握手を交わして対談を終えた三池監督は、ミラー監督の印象を「KAERUくんのことを聞いてきたり、好奇心の塊みたいな人でした。そのエネルギーがすごいなと思いましたね。自然体でカッコいい人ですよ」と、さらなる刺激を受けた様子。これまでもハリウッドでの企画を検討してきた三池監督にとって、オーストラリアからハリウッドへと進出して成功をおさめ、そしていま再び新生『マッドマックス』を撮ったミラー監督の存在こそ、「狂気を感じますよ(笑)」。全く異なる土壌から生まれながら奇妙な縁を感じさせる2人の原点回帰。同日に公開される2本の映画は、世界で最もマッドなアクションが凝縮された映画の進化形となりそうだ。『極道大戦争』は6月20日(土)より全国にて公開。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は6月20日(土)より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マッドマックス 怒りのデス・ロード 2015年6月20日より新宿ピカデリー、丸の内ピカデリーほか全国にて公開(C) 2015 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED極道大戦争 2015年6月20日より TOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開(C) 2015「極道大戦争」製作委員会
2015年06月19日三池崇史監督が22日(現地時間21日)、フランス・カンヌで開催されている第68回カンヌ国際映画祭にサプライズ動画で出演し、"極妻"仕様の女装姿を披露した。この動画は、三池監督がメガホンをとった映画『極道大戦争』(6月20日公開)が同映画祭の監督週間に正式招待されたことを受け、現地での公式上映に合わせて公開されたもの。今回、三池監督はスケジュールが合わず映画祭に出席できなかったため、映画祭と世界の映画ファンへ向けて、サプライズメッセージを用意した。黒の留め袖に女カツラとメイクという、「極道の妻たち」シリーズに出てきそうな女装姿で、番傘と「たかし」の名入りのちょうちんを携えた監督は、「お集まりの皆さん、こんばんは。監督の三池崇史です。今日は極道大戦争にお集まりいただき、本当にうれしく思います」とあいさつ。「本来ならば、そちらにいってごあいさつしなければいけないのですが、私、今年のはじめから、富士山の麓で芸者をはじめまして、いろいろ忙しくそちらへ伺うことができません。いよいよ来週はシリコンをいれる予定です」と、シャレを効かせた三池流で映画祭欠席をわびつつ、会場を沸かせた。今回の三池監督の女装メイクを担当したのは、トップモデルのメイクや広告を担当するヘア&メイクアップアーティストの冨沢ノボル氏。映画『へルタースケルター』(2012年)で注目された冨沢氏は、『逆転裁判』(2012年)など三池監督作品にも参加。サプライズ動画でありながら、監督・出演に三池氏、メイク・冨沢氏という豪華なコラボレーションが実現している。映画『極道大戦争』は、三池監督の「この辺で一度原点に戻りたい」という思いのもと、原作なしのオリジナル企画で制作。俳優の市原隼人を主演に迎え、ヤクザヴァンパイアにかみつかれた人間が次々にヤクザ化してしまうという奇想天外なストーリーを作り上げた。(C)2015「極道大戦争」製作委員会
2015年05月22日川瀬直美監督、黒沢清監督、是枝裕和監督と並びカンヌ常連監督の一人である三池崇史監督が原点回帰を果たしたと語る最新作『極道大戦争』。現在開催中の第68回カンヌ国際映画祭「監督週間」から正式招待を受けた本作が日本時間22日午前3時半より公式上映された。映画祭に参加できなかった三池監督の“女芸者”姿がスクリーンに映し出された。噛まれた人間が次々とヤクザにして、ヴァンパイア…“ヤクザヴァンパイア”と化していく街で、尊敬する親分のカタキを討つべく立ち上がるヤクザヴァンパイアの青年の戦いを激しいアクションと共に描き出す。1969年に創設されたカンヌ国際映画祭の併設部門「監督週間」。新しい才能や新人を発掘する一方で、巨匠監督の独創的な作品を上映し、監督の違う側面に焦点をあてるのもこの部門の特徴だ。最近の邦画では園子温監督の『恋の罪』、昨年のカンヌでは高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が監督週間でアニメーションとして唯一の選出となり話題を集めた。今回、三池監督が映画祭と世界の映画ファンへ向けて用意した強烈なサプライズメッセージ。黒の留袖に女鬘とメイクという完璧な女装姿で、番傘と“たかし”の名入りのちょうちんを携えた監督は、「お集りの皆さん、こんばんは。監督の三池崇史です。今日は極道大戦争にお集りいただき、本当にうれしく思います。本来ならば、そちらにいってご挨拶しなければいけないのですが、私、今年のはじめから、富士山の麓で芸者をはじめまして、いろいろ忙しくそちらへ伺うことができません。いよいよ来週はシリコンをいれる予定です」 と映画祭への参加が叶わなかったことについて、シャレを効かせた三池流の演出で詫びた。この三池監督の完璧な女装メイクを担当したのは数多のトップモデルや広告を担当するヘア&メイクアップアーティストの冨沢ノボル。映画『ヘルタースケルター』で注目され、三池監督作品にも多数携わっており、異例の豪華アーティストが参加するかたちとなった。公式上映の舞台挨拶は、冒頭の三池監督によるサプライズコメントから始まり、本作で謎の刺客・マッドドックとして登場し、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』への出演も決まっているインドネシア俳優のヤヤン・ルヒアンのほか、謎の刺客として着ぐるみとは思えない壮絶アクションを繰り広げるKAERUくんが登壇し、会場を沸かせた。『極道大戦争』は6月20日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月22日ゴキブリが超進化するという斬新な設定で連載当初から話題となったコミックを、鬼才・三池崇史監督が実写映画化する『テラフォーマーズ』。この度本作の主演・小町小吉役に伊藤英明が務めることが明らかになり、喜びのコメントが到着した。舞台は絶望的人口爆発を迎えた約500年後の地球。そんな中、人類の未来をかけた「火星移住計画」が始まろうとしていた。選ばれし勇者たちと火星で史上最強最悪の敵との戦いを描く。原作は、「このマンガがすごい!2013」オトコ編で第1位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」では第2位を獲得し、現在12巻まで出版されている人気作だ。今回主演に抜擢されたのは、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』『悪の教典』『喰女-クイメ-』に出演し、いまや三池組の常連ともいえる伊藤英明。「最初は『火星に行く』という設定があまりにも壮大すぎて一度は断ろうと思ったのですが、監督が三池さんだったことと、原作がとても面白かったこともありこれはぜひやりたいと思いお受けいたしました。三池監督は朝から夜まで寝ずに撮影し、妥協しないので、それがまた始まると思うと…正直嫌ですが(笑)、本当に楽しみです」と意気込みを語った。また、戦いの舞台となる火星には、『プロメテウス』『オブリビオン』『インターステラー』などハリウッド映画のロケ地として注目を集めるアイスランド。日本映画史上、初めて足を踏み入れることになる。以下、キャスト&スタッフコメント■伊藤英明(主演・小町小吉役)衣装合わせや色々な打ち合わせをして、ちょっとずつ形になっていくプロセスが楽しいです。これだけの予算と時間をかけて豪華なキャストで作る映画は滅多にないので、期待と緊張で胸が高まります。原作ファンが多い作品なので、みなさまにどういった感想を持たれるかも気になります。映画の仕事は最後に必ず舞台挨拶があるので、どういう顔で観てもらえるのかそれも想像しながら頑張ります。とにかくいまは“お祭り”が始まるような気持ちでいっぱいです!三池さんには『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』でベネチア国際映画祭、『悪の教典』でローマ国際映画祭と世界の舞台に連れて行ってもらっているので、今回はどこに連れて行ってくれるのか、そして、この映画がどこまで世界に通用するのか楽しみです。■三池崇史監督逆境にこそ伊藤英明は光る。だから史上『最凶の火星』に送り込もうと思っている。故に、この作品は世界で最高に輝く映画になる。作・貴家悠映画化…?できるのか…!?というのが、お話を頂いたときの最初の印象でした。昨今の日本映画界の筋肉不足に僕は一抹の不安を覚えずにはいられなかったのです…。しかしそれは杞憂に終わりました。筋肉は、ありました。熱き魂は、ありました。三池崇史監督、主演の伊藤英明さん、そして製作陣と、昆(むれ)が集まってゆくにつれ、僕の不安はそのまま期待へと変わっていったのです。間違いなく今世紀日本最高峰の筋肉映画となるでしょう…!!映画化…やれます!!画・橘賢一これほど人類を救うのが似合う男がほかにいるでしょうか。屈強な肉体。優しくて力強いその眼差しはまさに小町小吉!スクリーンの中で暴れまわる日本原産オオスズメバチをいまから楽しみにしています!!『テラフォーマーズ』は、5月中旬より撮影開始を予定、2016年に公開される。(text:cinemacafe.net)
2015年05月01日三池崇史監督の最新作『極道大戦争』が5月に開催される第68回カンヌ国際映画祭の「監督週間」に出品されることが決定!三池監督にとって同部門での次作の上映は2003年の『極道恐怖大劇場 牛頭』以来、実に12年ぶりとなる。三池監督、主演の市原隼人のコメントが到着した。三池作品としては久々の原作なしのオリジナル脚本(山口義高)で、監督自身「原点回帰」と位置付ける本作。噛まれた人間が次々とヤクザにして、ヴァンパイア…“ヤクザヴァンパイア”と化していく街で、尊敬する親分のカタキを討つべく立ち上がるヤクザヴァンパイアの青年の戦いを激しいアクションと共に描き出す。カンヌ国際映画祭の監督週間は、映画祭とは独立した「フランス映画監督協会」主催による部門で、1968年のフランスの「五月革命」勃発による映画祭開催の危機を引き金に、翌1969年より開始。若き監督の新たな才能の発掘、ベテランや巨匠監督の独創的な作品の上映による、コンペティション部門とはひと味違ったラインナップが特徴となっており、近年では園子温監督『恋の罪』、高畑勲監督『かぐや姫の物語』などが招待され、話題を集めた。国際的評価の高い三池監督だが、中でもカンヌは“常連”と言えるほど、毎年のように何らかの部門に出品しており、2011年には『一命』、2013年には『藁の盾』がそれぞれコンペティション部門にて、2012年には『愛と誠』がミッドナイトスクリーニング部門で正式上映されたが、「監督週間」への正式招待は、Vシネマとして異例の上映が行われた2003年の『極道恐怖大劇場 牛頭』以来、12年ぶりとなる。昨日4月19日(月)に都内で本作の上映会が開催され、そこで、今回の招待の“内定”を伝えられた三池監督は、報道陣の取材に「さっき聞いたんですが、さすがカンヌ。だいじょうぶか?カンヌ(笑)。(映画が)何千本もある中で、あえてこれを招待する…良い度胸してるな(笑)、と敬意をこめて」と照れ隠しの自虐を交えつつ喜びを漏らした。意欲作、風変わりな作品も上映する「監督週間」を三池監督は「居心地がいい」と感じているという。ヤクザとヴァンパイアを組み合わせた奇想天外な本作だが、主演の市原さんの演技に何より監督は手応えと自信を感じているようで「彼ら(フランス映画監督協会の選考者たち)がイメージする、日本人らしい日本人がいたんだ、と思ってもらえると思う。映画に勢いのあった昭和の時代に存在した役者であり、(現代社会が)なくしてしまった日本の男の匂いを感じてもらえると思う」と力強く語った。海外の観客が本作をどのように受け止めるのか気になるところだが、監督が「原点回帰」と銘打つだけあって、いまの日本映画にはない、かなり“変わった”作品であることは監督も自認しているようで「選んだのは彼らなので、観客がどう思っても、俺の責任じゃないから(笑)」と招待決定早々に逃げのコメントで笑いを誘っていた。主演の市原さんは今回の選出に際し「三池監督の現場は、毎日が輝き新鮮で職人という言葉が似合う風が吹いていました。撮影中現場に行く事が毎日本当に楽しみでした。今回フランスのカンヌで上映されるということで、多くの皆様にこの作品を可愛がって頂ける事を願っております」とのコメントを発表した。なお、三池監督と市原さんが、現地入りする方向で現在、スケジュールを調整中だという。『極道大戦争』は6月20日(土)より公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月21日映画『風に立つライオン』が3月12日(木)、ビルボードライブTOKYO(東京・六本木)にて上映され、主演の大沢たかおと三池崇史監督が上映前のトークに登壇し、製作の裏話や本作への特別な思いを語った。さだまさしが1987年に発表した同名楽曲を元に、様々な思いを抱え、日本に恋人を残して海を渡り、アフリカでの医療活動に従事する医師の姿を描き出す。本作のそもそものきっかけは、主演だけでなく“企画”にも名を連ねる大沢さん。さださんの楽曲「風に立つライオン」に感銘を受け、さださんに映画化を前提に小説執筆を依頼したが、当初、さださんは決して乗り気ではなかったという。『解夏』『眉山』とさださんが原作の映画に出演したが、製作の過程で顔を合わせることはなかったそうで、共通の知人である出版社の編集者を介して、さださんに企画を持ちかけた。「何かを抱えていて、それが彼(=主人公の医師)を、大好きな恋人と離れるにもかかわらず、日本から脱出させた。それは(自身が)子どもの頃から抱えていた悩みや、世間とうまくやれないイライラと連結するものがあると感じた」と大沢さんは、楽曲から感じた思いを語るが、なかなかさださんからいい返事はもらえなかった。「これは直接交渉しないとダメだと思って、さださんのファンイベントに強引に出たんです(笑)。その時もさださんは『(話は)聞いてます』という感じで、これはアフリカに行くしかないと、ドキュメンタリーでアフリカに行きました。それをさださんが見てくださり『これは大沢、本気だな』と思ってもらえたみたいです」と経緯をふり返った。そして、完成した小説について大沢さんは「さださんは明言しませんが」と前置きした上で「3.11がひとつの大きな原動力、きっかけになったと感じることはあります」と4年前の東日本大震災の発生がさださんの心を動かしたのではないかと推測する。三池監督も「さださんが28年前に書いた歌詞には“いま”を暗示するような言葉もある。本人からは一度も聞いたことはないですが、糸口になったのでは」とうなずく。改めて、楽曲が発表された時からの歳月に触れ三池監督は「歌詞と(映画の)物語にはギャップがあるんですがそこにさださんと我々が過ごした時間が宿っていると思います」と語った。大沢さんはまた完成した映画からも、これまでの出演作とは違う特別なものを受け取ったよう。完成した映画を初めて観る関係者用の試写会は「本来は自分の仕事を見てジャッジしないといけない場。自分がやったことを受け止めないといけないので、楽しむというところまで行かず、たいていはそれから反省や後悔を繰り返す」ものだという。だが本作に関しては「これまで20年で80本くらいやって来て、初めて自分の作品を出演者としてではなくお客さんとして観て、(自分が演じた主人公の)島田航一郎に感情移入しました。自分が出ている気がしなくて、恥ずかしいけど『これすごいな』と言っちゃった(笑)。でも周りも全員、沈黙と涙と拍手で誰も立てず、あの場でああいうことが起きたのも初めて。衝撃でした」と明かした。三池監督はシネマver.として新たに録り直された主題歌にも言及。元々の原曲は8分51秒もあり、映画のエンドクレジットには長すぎるため、さださんに短くしてもらえないかとお願いしたところ「確かにそうだよね。歌い直します。任せてください」と返事をもらったという。だが「大晦日あたりに『できました』と言われたんですが、その声が小さい(笑)。あれ?と思ったら、短くしようと思った曲が9分37秒で46秒も長くなってる(苦笑)!これどういうこと?と思ったけど、聴いてみたら納得した」と明かし、会場は笑いに包まれた。こうした製作の裏話や感動秘話中心のトークとなったが、終盤に入ると酒のせいもあって(?)、三池監督のトークは少しずつ脱線していく。一見、完璧そうに見える大沢さんについて「欠点がある」とニヤリ。これまで多くの時間を過ごし、一緒に食事をする機会もあったが「100%野菜を残す」と偏食ぶりを暴露。「肉は全部食べるし、おかわりもするけど野菜は残す。ネットで調べたら『牛は牧草を食べているので、それを食べることは野菜を食べていること』とか言ってる。どうなんですか(笑)?」と大沢さんを問い詰める。思わぬ展開に大沢さんは「僕も食生活がこうなってることを悩んだんですが…」と言いつつ「ライオンは草を食べないけど(ライオンがエサにする)シマウマは草を食べているでしょ?」と釈明。会場は再び爆笑となった。さらに三池監督は、タルタルソースが大好物という大沢さんの発言として「エビフライはタルタルソースのための棒だと言いきってる。暴言ですよ(笑)!」と攻めつつ「島田航一郎も欠点を乗り越えようとした男。この映画を観て、島田航一郎が胸に残ると思いますが、それは自分以上のものに見せようとせずに演じているから」と決して完璧ではない大沢さんが演じたからこそ、島田が生き生きとした存在になったと称賛の言葉でまとめた。『風に立つライオン』は3月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:風に立つライオン 2015年3月14日より全国東宝系にて公開(C) 2015「風に立つライオン」製作委員会
2015年03月12日ヴイエムウェアは3月3日、副社長を務めていたジョン T. ロバートソン氏が代表取締役社長に、2005年10月から代表取締役社長を務めていた三木泰雄氏が代表取締役会長に就任すると発表した。三木氏は、「ジョンは2007年に入社したのだが、当時の従業員は30名弱。当時から、2人でヴイエムウェアを成長させるべく、奮闘してきた。社内でも『次の社長はジョン』と見られており、ようやくその時が来たことになる」と、今回の社長交代が規定路線だったことを明らかにした。三木氏の会長就任後のミッションは、「新規事業の開拓とパートナーとのリレーションシップの強化」となる。「パートナーの数はますます増えている一方、リレーションシップの強化が重要になってきている。こうした業務と社長としての任務を一人でこなすことは難しい」と、会長職への就任理由を説明した。ロバートソン氏は、2007年に入社後、5年にわたりエリア バイスプレジデントを務める。その後、2012年にVMware ASEANのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャに就任し、シンガポールを拠点にアジア地域のビジネスを開拓してきた。2014年にヴイエムウェアの副社長に就き、今回、社長に就任する運びとなった。ロバートソン氏は20年以上、日本で生活しているとのことで、日本語が堪能。発表も流暢な日本語で行われた。同氏は、2015年度の事業戦略について、「モバイルとクラウドへの対応が迫られる顧客の成功に向け、"One Cloud, Any application, Any Device”を実現する」と説明した。同社が目指すOne Cloud, Any application, Any Deviceとは、あらゆるデバイスからあらゆるアプリを企業のプライベートクラウドとパブリッククラウドから構成されるハイブリッドクラウドで利用することを可能にすることを意味する。また、ロバートソン氏はヴイエムウェア自身が「Japanese Heart」と「外資系mind」を兼ね備える「ハイブリッド企業」だと語った。「Japanese Heartは、例えば、チームワークのよさや顧客のための奉仕をいとわないところに表れており、また、外資系mindはグローバルのベストプラクティスを利用できるところにある」と同氏。今後は、社長として、「三木氏とのコンビネーションを続けていく」「vCloud AirやAirWatchといった新規事業への投資を積極的に行っていく」「これまで以上に離職率を抑えるため、女性活用を進め、ワークライフバランスを強化していく」といった3つの点に注力していくという。マイクロソフトも前日に社長交代を発表したが、現社長が会長に就任し、社長がカバーしきれない業務をサポートしていくという同様の内容の社長交代劇となった。ヴイエムウェアは、昨年、国内でパブリッククラウド「vCloud Air」を提供開始したが、それ以来、サービスプロバイダーとの付き合い方も変わってきているという。これまではサービスプロバイダーに対しソフトウェアを提供するのみだったのが、一緒になってクラウドサービスを開発する方向に向かっているとのことだ。ヴイエムウェアのほかにも、日本IBMやマイクロソフトも企業のハイブリッドクラウド活用の推進に力を入れており、競争はますます激化している。各社の社長交代が、今後どのような形でビジネスに影響を及ぼすのか、興味深い。
2015年03月04日三池崇史監督、歌手のさだまさしらが24日、東京国際フォーラムにて行われた映画『風に立つライオン』(3月14日公開)の完成披露試写会に出席し、舞台あいさつを行った。大沢たかおが主演を務める本作は、アフリカ・ケニアで医療活動に従事する日本人医師・島田航一郎(大沢)とその周囲の人々の物語。ケニアの雄大な自然と長崎の五島列島を舞台に、三池監督が国境を超えた心の奇跡を描く。大沢は、さだまさしが1987年に発表した同名楽曲に感銘を受け、小説化と映画化を熱望。さだ自ら書き下ろした2013年発表の小説をもとに、大沢の主演で今回の映画化が実現した。これまで『殺し屋1』(2001年)、『悪の教典』(2012年)、『神さまの言うとおり』(2014年)などバイオレンス系の作品を多数手がけてきたことでも知られている三池監督。2012年には、当時AKB48に所属していた大島優子が、『悪の教典』の試写会で悲惨な描写に耐え切れずに涙を浮かべながら途中退席し、「私はこの映画が嫌いです。命が簡単に奪われていくたびに、涙が止まりませんでした」と語ったことでも話題になった。しかし、本作はそんな作風からは一転。"命のバトン"がテーマとなっている。三池監督は緊張した面持ちで登壇すると、「映画で感動していただくと同時に、映画を撮ることによって映画監督も社会人として更生できるんだなと。映画はやっぱりすごいもの。ダメな監督をちゃんとした人間に」と自虐コメントを交え、「さださんの思いからはじまって、島田航一郎のように自分たちも生きることができるんじゃないか」と感慨深げに語った。また、「一人ずつ感動する場所や泣ける場所が人生によって違うと思いますので。自分の中で感じていただければ」と本作に込めた思いを伝え、放映時間を「2時間18分54秒」と正確に報告。「ただ、さださんの歌が9分…それを引いていただくと2時間10分ぐらいの映画」とエンディング曲の長さに触れつつ、観客の笑いを誘った。これを受けてさだは、「映画を長くしたさだです」とあいさつ。本作を「すばらしいです。三池監督らしからぬ、どんどんどんどん人を殺しませんし、そういう意味では意外性のあるすばらしい作品」と絶賛した。この日はそのほか、出演者の大沢たかお、石原さとみ、真木よう子、鈴木亮平、萩原聖人も出席した。
2015年02月25日累計発行部数1,000万部を突破した漫画『テラフォーマーズ』(集英社)が2016年公開に向けて実写化されることが決定し、三池崇史監督がメガホンを取ることが12日、明らかになった。原作は、2011年に漫画雑誌『ミラクルジャンプ』で連載を開始し、2012年には『週刊ヤングジャンプ』に移行。昨年7月から11月にかけて、人気キャラクターを主人公にしたスピンオフなど合計3作品が連載され、同年8月にはテレビアニメ化されるなど、多方面でその人気が広がっている。物語の舞台は西暦2599年。火星に苔とゴキブリを放ち、苔の黒さで太陽光を吸収させて人が住める環境へと人為的に変化させるテラフォーミング計画。その環境下で人型へと進化したゴキブリを駆除するために、15人の若者が地球から火星へと送り込まれた。"テラフォーマー"とは500年で急速に進化した"ゴキブリ"のことをさしている。撮影開始は5月中旬を予定しており、ロケ地やキャスト情報については順次発表される。三池監督は「『スゲー漫画』から『スゲー映画』が生まれることを証明しようと思う」と宣言し、「映画をナメたら火傷するぞ!」と自信満々に呼びかけている。一方、原作・原案担当の貴家悠氏は「映画になります…!! 母さん…『あんたの漫画ゴチャゴチャしてて全く何やってるのか分かんないけど、就職はいつすんの?』とはもう言わせません…映画になるんですよ、母さんッ!!!」と感激のコメント。作画担当の橘賢一氏は実写化の話に最初は驚きを隠せなかったものの、三池監督が手がけることを聞いて「ああ、これはいける…ッ!」と確信したという。
2015年02月12日ゴキブリが超進化する…という斬新な設定で連載当初から話題となったコミック「テラフォーマーズ」(集英社刊)が実写映画化されることが決定!三池崇史監督がメガホンを握り、2016年に公開することが明らかとなった。原作は、「このマンガがすごい!2013」オトコ編で第1位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2013」では第2位を獲得し、現在11巻まで出版されている単行本の累計発行部数は1,000万部を突破している人気作だ。昨年には、テレビアニメ化&OVA化も果たしている。原作コミックでの物語は、火星のテラフォーミング(※人為的に惑星の環境を変化させ、人類の住める星に改造すること)用に放たれたゴキブリが人型へと進化…一方、地球では火星から飛来した未知のウイルスが蔓延する。そのワクチンを作るためウィルスのサンプルを手に入れようと、特殊な人体改造・MO手術を施された人間たちが火星で壮絶なバトルを繰り広げるSF作品だ。今回の実写映画化にあたり、原作の貴家悠さんは「映画になります…!! 母さん…『あんたの漫画ゴチャゴチャしてて全く何やってるのか分かんないけど、就職はいつすんの?』 とはもう言わせません…映画になるんですよ、母さんッ!!!」と喜びを爆発させる。一方、作画の橘賢一さんは「実写映画にしてもらえるかも、という話を聞いてはじめに出た言葉は『まじで!?』でした」とオファー当時をふり返る。「どういう風に実写映画にするのか…、僕にはまったく見当がつかなかったのです。しかし、メガホンをとるのが三池監督に決まり、『ああ、これはいける…ッ!』と直観しました」とすでに光明は見えたとコメントを寄せている。実写映画化にあたっては2年ほど前から準備を始めてきたそう。三池監督も「『スゲー漫画』から『スゲー映画』が生まれる事を証明しようと思う。映画をナメたら火傷するぞ!」と相当な気合いで臨む様子。ロケ地やキャスト情報などはまだベールに包まれているが、果たしてキャスティングは?火星に巣喰う人型ゴキブリ“テラフォーマー”は特殊メイクなのか、CGで描くのか?三池監督の手腕に注目が集まりそうだ。実写映画『テラフォーマーズ』は、5月中旬より撮影開始を予定、2016年に公開される。(text:cinemacafe.net)
2015年02月12日『悪の教典』、『藁の楯 わらのたて』の三池崇史監督が、『ダークナイト・ライジング』で悪役・ベインを好演したトム・ハーディーが主演を務める、戦後日本を舞台にした映画『The Outsider』(原題)で初めてアメリカ作品のメガホンを取ることが明らかになった。米エンタメ情報サイト「deadline.com」が報じたもので、同作の主人公は、第2次世界大戦中に日本の捕虜となったアメリカ人兵士(トム・ハーディ)。戦後も日本に残ることになった彼が、ヤクザとしての生き方を学び、日本の裏社会をのし上がっていくさまを描いた作品だ。三池監督は1999年、Vシネマの監督としてデビュー。近年では幅広いジャンルの劇場公開用作品を多く手がけており、2007年には『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』がベネチア国際映画祭「コンペティション」部門に出品されたほか、2010年には『十三人の刺客』がトロント国際映画祭に出品、2011年には市川海老蔵主演の映画『一命』が、今年は映画『藁の楯 わらのたて』がそれぞれカンヌ国際映画祭「コンペティション」部門に出品されている。映画制作スタイルは、鮮烈なバイオレンス描写を伴うため、しばしば論争を巻き起こすものの、海外での評価は高く、その手腕を買われ今回アメリカ映画での監督に抜擢されたようだ。プロデューサーには映画『マトリックス』シリーズのジョエル・シルヴァー、『アンノウン』のアンドリュー・ローナとスティーヴ・リチャーズのコンビが務める。脚本は新人アンドリュー・ボールドウィンが手がけたものだが、もともとは『ランナウェイズ』、『ロード・オブ・ドッグタウン』などのアート・リンソンとジョン・リンソンの親子がオリジナルのアイディアとして提案していたものなんだとか。深作欣二監督の『仁義なき戦い』など、海外にもファンの多い日本の“Yakuza Movie”が本格的にハリウッドで、それも三池監督の手によって製作されるようになるとは映画ファンにとっては感慨深い作品となりそう。さらに、本作の舞台は日本になっているため、日本人俳優の出演も多くなると予想されており、そのキャスティングにも今後大きな注目の映画になりそうだ。(text:Mieko Nakaarai)■関連作品:藁の楯 わらのたて 2013年4月26日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 木内一裕/講談社 (C) 2013映画「藁の楯」製作委員会
2013年06月07日『愛と誠』『悪の教典』といった問題作を次々に発表する三池崇史監督と大沢たかお、松嶋菜々子が初めてタッグを組み、藤原竜也が『SABU~さぶ~』以来10年ぶりに三池組に帰還した話題のアクション・サスペンス『藁の楯 わらのたて』の撮影現場が遂に解禁になった。その他の画像本作は漫画家、監督でもある木内一裕の小説を原作に、少女殺しの凶悪犯・清丸(藤原)を福岡から東京の警視庁まで護送するSPの銘苅(大沢)と白岩(松嶋)の活躍と葛藤を描いた物語。孫娘を清丸に惨殺された資産家・蜷川(山崎努)が「この男を殺してください。御礼として10億円お支払いします」という新聞広告を出すことから、陸路を移動する彼らに全国1億2000万人の殺意が向けられるという設定に注目が集まっている。9月6日に三重県の四日市港で公開されたのは、清丸を狙った大型トレーラーの激突を辛くも逃れた警護対象車内のシーン。銘苅と白石がネットで移送の情報が漏れていることに気づくくだりで、車内は張りつめた空気に。しかも大沢、松嶋、藤原のほかに刑事役の岸谷五朗や伊武雅刀、スタッフも乗り込んでいるため、とにかく暑い。だが、俳優陣のリアルな汗が一瞬たりとも気が抜けないギリギリの状況により説得力を加えていた。「小説は“エンタテイメントとはこういうものだ”という木内さんの想いに満ちている」と三池監督。それを視覚化するためにリアリティを追及し、名古屋市内の道路を封鎖して劇用のパトカーや警護対象車などを激走させたり、台湾新幹線を使った列車内でのアクションや、愛知県庁舎を警視庁に見立てて約800人のエキストラを導入したクライマックスなど大掛かりな撮影も敢行したという。「ハリウッド映画のように始まり、最後はSPを職業としている人間のそれまで抑えていた感情がドッと出せればいいなと思っています」。大沢は「SPは決められた形や規制が多い。清丸と対峙したときに心の中はすごく揺れるけど、表面的には揺れちゃいけないので、毎日そこのところで戦っています」とコメント。本作に自ら髪を切って臨んだ松嶋も「SPという役自体が挑戦でした」と真剣な表情を見せる。「真っ先に手が出せる状況なのに、SPだからこらえなければいけない。その代わり、銘苅さんが要所要所でいいセリフを言ってくれる。『殺さない程度になら殴っていいってわけじゃないんだ』というのが、今日のいちばん好きなセリフです(笑)」。それに対して藤原は「清丸のセリフと行間、その世界観を監督のイメージと合わせて作り上げていくことだけに集中しています」と多くを語らず、逆にそれが原作以上に凶悪なモンスターを彼がどう体現させたのか? という興味を増幅させる。果たして、この濃密なコラボがどんな未知の化学反応を見せるのか? 来春の公開がいまから楽しみだ。『藁の楯わらのたて』2013年4月26日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー※山崎努の「崎」の右上は「立」になります。取材・文:イソガイ マサト
2012年11月19日漫画家、映画監督としても活躍する木内一裕の同名小説を、大沢たかお、松嶋菜々子、藤原竜也を迎え三池崇史監督が映画化するアクションサスペンス『藁の楯』のティザーポスター画像が公開された。その他の写真本作は、惨殺事件を繰り返す清丸(藤原)に孫娘を殺害された資産家が、「この男を殺してください。御礼に10億円差し上げます」と、清丸殺害を全国民に促す全面広告を新聞に出したことで、身の危険を感じ出頭してきた清丸を護送することとなった警視庁警備部SP・銘苅(大沢)と、そのパートナーの白岩(松嶋)が味わう人間の欲望、葛藤を描き出した作品。本日解禁となったポスターは、「この男を殺してください」と掲載された新聞広告をもとに、凶悪犯の清丸扮する藤原の写真を全面に使用。手錠をはめられ、移送される清丸の不気味な表情とキャッチコピーが相まって大きなインパクトを与える仕上がりとなっている。警視庁までの1200kmにおよぶ距離を、大型護送車や新幹線、救急車と手段を変え移送するも“キヨマルサイト”と名付けられたサイトに居場所がすぐアップされ、一般市民、警護に当たる警察官や機動隊員までもが清丸の命を狙う。裏切りや欲望が渦巻く緊迫感の中、護送にあたる5人と、国民1億2千万人の戦いが果たしてどんな顛末を迎えるのか、期待が高まる。また、ポスター画像公開とともに新たなキャストが発表され、大沢、松嶋演じるSPと清丸を護送する警察官役を岸谷五朗、伊武雅刀、永山絢斗、そして孫娘を殺害された資産家の蜷川役を山崎努が演じることがわかった。『藁の楯』2013年4月26日(金)新宿ピカデリーほか全国ロードショー文:滝島千尋
2012年11月09日「黒い家」「青の炎」などの貴志祐介のベストセラー小説を、衝撃の実写化。11月10日の映画公開に先駆けて、10月15日よりBeeTVドラマ「悪の教典―序章―」が配信中の本作について、主役・伊藤英明と監督・三池崇史のインタビューを行った。●原作が上下巻に及ぶ大作。2時間の映画にしていく脚本を製作したときの苦労は?三池監督:自分が読んでいた中で、中心とストーリーになる部分を残してそぎ落とす、という流れでやりました。原作はラストに向かって群像劇のような広がりを見せて、最後の部分だけ蓮実に集約させる感じだったんだけど、その部分をシンプルに、余計な映画的な物語をくっつけないで作りました。いろんなアプローチはあるのかなと思いましたが、今回はとにかくシンプルにすることが一番かなと思いました。●伊藤を蓮実に起用した理由は三池監督:蓮実が面白いところは全てを持っているのに一つだけ欠けているところ。ちょっと似ていますよね。『海猿』でヒーローをやって、同じ年に『悪の教典』で蓮実を演じる。世界中を見てもこんな役者いないと思うし、そういう強さを持っている。言いようのない不思議な魅力がある。何のために存在してるかなんて意味はなくて、いろんな人生の選択肢はあったかもしれないけど生まれたときから俳優という定めだったようなことを感じる俳優。生きようとする生命力も強いし、自分らしく生きていたいけどそういう場所がない、孤独の蓮実聖司が少し重なるんです。映画の中で伊藤は、後半から目の中身が狂ってくるんですよね。まゆとか表情じゃなくて、演技なんてできないはずの眼球が狂ってる。普段はクールなんだけど無邪気に笑う笑顔が恐い。そういったところも蓮実的だなと思います。伊藤:嬉しいですね。(笑)●生徒一人一人と向き合って惨殺していく演技上での緊張感はありましたか?伊藤:常にニュートラルな状態。無心でいました。サイコパスはこうでなければいけない。わかりやすく表現しなければいけないって思うと、自分の幅が狭くなってしまうような気がして、そこは恐かったからこそ裸になれたんだと思います。生徒役の新人の子たちは特にプレッシャーだったと思うし、監督に怒鳴られる子もいれば優しく諭される子もいるし、三池監督自身も人を使い分けて演出されていたんだと思います。監督は蓮実のように人を見抜く力があって、見透かされているような気がする。だから僕も裸でぶつかっていきました。自分に勝るものは絶対にないはずだけど、それ以上に自分を引き出してくれるのは監督でありスタッフであり共演者の力であり、だから一緒にぶつかり合うくらいの気持ちでやりました。●生徒の死に際に人の本性がでるなと思いましたが、伊藤さんだったら蓮実にどう立ち向かいたいですか。伊藤:潔く腹を切って死ぬべし。(笑) 『一命』につなげようと思ったんですけど違いましたね。。。どうするかな?最初は先生がそんなことすると思わないから、「見てきてやるよ!」って最初に行って、「俺が警察とか呼んでくるよ!任せろ!」といいながら一番に殺されるタイプかもしれないですね。(笑)死に際に「だろ?」って言いながら死んで生きたいです。(笑) 僕はお調子者なので、そういう感じだと思います。●『海猿』でヒーローから一転、悪役にチャレンジしてみて伊藤:役者っていつも自信がなくて、もしかしたらできないかもしれない。って思うからこそ全力で取り組める、そうゆうのが大事だと思うんです。『海猿』がヒットした年に全く逆のキャラクターを演じられるのは役者として恵まれているなと思っています。役者を始めて13年くらいになりますが、30代になってからの面白さというのも感じるようになって、40代・50代もしかしたら80代までずっと続いていく役者人生にまたいろんな面白さを感じられるのだろうと思うと本当に楽しみなってきました。自分が全力でエネルギーを出し切った作品をお客さんに観てもらっていろんなことを感じてもらうことの爽快さは、三池監督に教わりました。ネガティブではない辛さを感じたり、昼夜逆転の撮影が続いてどうしても神経が高ぶっていたり、身体もものすごく疲れていて、それでも監督は役者もスタッフも時間すらも全てを使い倒すエネルギーの塊のような方なので(笑)、自分も同心に戻ってピュアな気持ちで作品に取り組めて、そこが本当に楽しいなと思いました。キャラクターについてのイメージも監督から言葉で伝えられることはなくて、「蓮実を恐く撮るのも不気味に撮るのも僕の仕事ですからね」といわれていました。台本を読んだからといって理解できるキャラクターではなかったし、原作を丸写ししてもしようがない。映画をヒットさせよう!とか、明日の撮影のためにエネルギーを残しておこうとかそういった意識もせずに本当に心を裸にしてエネルギーをぶつけていけばいいんだという気持ちで、出し切れるものを出し切った。そういう気持ちが今回は必要だったんだと思っています。作品情報ドラマ『悪の教典―序章―』:10月15日より、「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で独占配信中!映画『悪の教典』:11月10日全国東宝系ロードショー
2012年10月25日三池崇史監督が手掛けたオリジナルムービー『地球兄弟』が、20歳以上の喫煙者のためのWebサイト“ちょっと一服ひろば”にて独占公開されている。その他の画像『地球兄弟』は、全6篇(予告編含む)からなるある愛の物語。喫煙所のベンチで出逢った、侍と宇宙人と妖精の世間話などを描いたゆるさ全開のオリジナルムービーだ。出演は、沖原一生、寿大聡、原田裕章。現在、Webサイト“ちょっと一服ひろば”では、予告編、第1話『La Rencontre ~出逢い~』、第2話『Les Retrouvailles ~再会~』までが公開されている。加賀百万石の藩士で、参勤交代で東京に出てきている侍と、白鳥座あたりから来たという宇宙人、捕虫網を持ち背中に羽の生えた妖精らしき人物が、「大名行列の道中は禁煙で…」「(宇宙)船内が全面禁煙になり…」と、喫煙所のベンチで交わす会話や、3人が織り成す世界観は独特でシュール。全編を通して三池ワールドが展開されている。『地球兄弟』JT・Webサイト“ちょっと一服ひろば”にて公開中予告編 公開中第1話『La Rencontre~出逢い~』公開中第2話『Les Retrouvailles~再会~』公開中第3話『Roman Noir~ハードボイルド~』11月中旬公開第4話『Pont Celeste~虹の架け橋~』12月中旬公開第5話『Bon Voyage~よい旅を~』1月中旬公開
2012年10月17日三池崇史監督が妻夫木聡と武井咲をキャストに迎えた映画『愛と誠』が第65回カンヌ映画祭で上映された際に、現地で観客が爆笑したシーンを集めた特別動画がこのたび公開された。『愛と誠』動画本作は、梶原一騎・ながやす巧の名作コミックを原作に、超不良の大賀誠(妻夫木)と生粋のお嬢様・早乙女愛(武井)の純愛を描いた作品。強烈なキャラクターと、アクション、歌、ダンスが融合した異色エンターテインメントに仕上がっているという。動画には、武井演じるヒロインの愛、伊原剛志演じる“おっさん顔”の不良高校生・権太、斎藤工演じる岩清水の3人が登場し、それぞれのキャラクターを解説しながら、カンヌで笑いを得たシーンを紹介。権太がどうしても高校生に見えないことを悩み、「俺は、おっさんにしか見えない病気ちゃうんか」とつぶやく場面や、「君のためなら死ねる!」と、ヒロインの愛に異常なほど想いを寄せる岩清水が、スリッパでスコーンと何度も叩かれる場面など、予告編では公開されていないシーンが盛り込まれている。現地を訪れていた山崎美春プロデューサーが「世界でも評価を頂ける作品だと手ごたえを感じることができた」と話すとおり、上映中は笑いが絶えなかったようで、本作の笑いを誘うシーンが世界でも受け入れられたことで、さらに期待が高まる。本作は16日(土)より公開。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年06月11日三池崇史監督が妻夫木聡と武井咲をキャストに迎えた映画『愛と誠』が、第65回カンヌ映画祭のミッドナイトスクリーニング部門で上映されることが決定し、三池監督と妻夫木から喜びのコメントが届いた。その他の写真本作は、梶原一騎・ながやす巧の名作コミックを原作に、超不良の大賀誠(妻夫木)と生粋のお嬢様・早乙女愛(武井咲)を軸に描く純愛映画。音楽プロデューサー・小林武史によってアレンジされた『あの素晴しい愛をもう一度』などの不朽の名曲とともに、パパイヤ鈴木によって振り付けされたダンスが劇中で繰り広げられる。18日に行われた一般試写会で三池監督は、「カンヌは絶対無理」と言っていただけに、今回のカンヌでの上映決定には驚いたようで、「あまりにも予期していなかったので自分の中では事件。コンペではなく『純粋に映画を楽しもうぜ』ってところに呼んでいただいたので、カンヌのお客さまに楽しいひと時を過ごしていただければ良いなと思う」とコメント。昨年は、市川海老蔵主演『一命』が同映画祭のコンペティション部門に出品されており、三池監督は2年連続カンヌという快挙を成し遂げた。主演の妻夫木は、「自分たちがやって来たことが間違いじゃなかったという喜びがあります。日本で面白いことやろうぜって映画を作っている人たちがいるということを少しでも届けられたらうれしいです」と話し、「原作も知らないカンヌで世界の方々が観て、どのような受け止め方をするのか気になってしょうがない」と、現地での反響を心待ちにしているようだ。『愛と誠』6月16日(土)新宿バルト9ほか全国ロードショー
2012年04月20日梶原一騎・ながやす巧の伝説的コミックを三池崇史監督、妻夫木聡・武井咲共演で映画化した『愛と誠』が、このほど5月16日(現地時間)に開幕する第65回カンヌ国際映画祭にて公式選出され、オープニング・クロージング上映と並ぶミッドナイトスクリーニング部門で上映されることが決定した。妻夫木さん扮する超不良・太賀誠と武井さん扮する超お嬢様・早乙女愛の運命的な愛の物語を軸に、「激しい恋」、「あの素晴しい愛をもう一度」など昭和の名曲の数々と踊りが観る者を惹きつける純愛エンタテインメント。三池監督にとってカンヌへの出品は、昨年の『一命』に続き2年連続となる。「いやもうびっくりですよね!目一杯作っているので、選んでいただくのはとても嬉しいです。あまりにも予期していなかったので自分の中では“事件”だな、カンヌ大丈夫なのか(笑)という衝撃はあります。梶原一騎VSカンヌというのは良いですよね」と監督本人も驚きを隠せない様子。「カンヌのお客さまに楽しいひと時を過ごしていただければ良いなと思っています」と喜びの言葉を寄せている。また、妻夫木さんと共演の斎藤工さんからも喜びのコメントが到着!「日本の方は原作もあり、なじみも深いので色々な見方ができると思いますが、確実に面白いことは間違いないと思うんですよ。それを原作も知らないカンヌで世界の方々が観てどのような受け止め方をするのか、気になってしょうがない、とにかく感想が聞きたいです」(妻夫木さん)。「原作、監督、音楽など日本の才能が結集した日本代表作品のメンバーに自分がいられてすごく嬉しかったです!それがカンヌでどう響くのか気になります。歌謡曲という日本の文化もアピールできて“日本は元気だぞ”という象徴にもなる作品だと思っています」(斎藤さん)昭和の日本を代表する漫画の映画化、そしていまの日本映画界を代表する鬼才・三池崇史と豪華キャストたちによる渾身の“純”日本エンタテインメントが、果たして海外ではどのように迎えられるのか?『愛と誠』は6月16日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会■関連記事:妻夫木聡&斎藤工、大暴走する『愛と誠』三池監督にヒヤヒヤ!?妻夫木聡、31歳での高校生役に「すいません」と苦笑妻夫木聡&武井咲が歌い、踊る…『愛と誠』音楽プロデュースは小林武史!武井咲、忽那汐里、剛力彩芽に続け!「国民的美少女コンテスト」3年ぶり開催岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表
2012年04月20日累計発行部数が30万部を突破した貴志祐介氏のベストセラー小説『悪の教典』が映画化されることが先ごろ発表されたが、このほど伊藤英明が主演を務め、三池崇史監督がメガホンを執ることが発表された。その他の写真『悪の教典』は、生徒から絶大な人気を誇るさわやかな高校教師として知られているが、実は他人への共感能力をまったく持ち合わせていない生まれながらのサイコパス(反社会性人格障害)の蓮実聖司を主人公にしたサイコサスペンス。小説は昨年夏に発売された当初から大きな話題を呼んでおり、映画化決定のニュースが流れると、誰が主人公・蓮実を演じるかに注目が集まっていた。原作者の貴志氏は「この作品を映画化する際には、主人公・蓮実を誰が演じるかが最大のキモだと思っていました。これまで、いろいろな名前が挙がりましたが、まさか『海猿』の伊藤英明さんとは!」と今回のキャスティングに驚いているようだが「最高の配役だと確信しました。蓮実役に最も必要な“強さ”がありますし、好青年のマスクに見えるダークなものを演じられる希有な役者さんだと思います」とコメント。さらに「監督はというと、もう、三池さんしか考えられません。バイオレンスが十八番というだけでなく、繊細な感性で細部まで計算され尽くした演出をされる監督だと思います」と映画化に期待を寄せている。伊藤は「原作を読んで主人公・蓮実の発する絶対的な“悪”に、鳥肌が立つほどの恐ろしさを感じました。この役を演じていくうちに、自分の人格が蓮実に飲み込まれてしまわないかちょっと心配です(笑)。と、同時にこれ程の強烈な“悪”に挑戦する事が出来て、役者冥利に尽きると思っています」と意気込みを語っている。撮影は今年4月にスタートし、6月にクランクアップ。11月に全国東宝系で公開される予定。『悪の教典』11月 全国東宝系ロードショー
2012年03月06日「市川海老蔵という生き物」――。インタビューの最中に彼の隣に座る三池崇史監督がふと発した表現に思わず頷いた。これこそが11代、300年以上にわたって脈々と受け継がれてきた成田屋の名跡を背負う男の存在感なのか。役柄について、現場について、三池監督について飄々と、そして意外なほど多弁に語るが、ひとつひとつの言葉がずっしりとした重みをもって心を突き刺してくる。まるで映画の中で彼が演じた津雲半四郎のように。まもなく公開となる映画『一命』。武士の面目を背負うがゆえに人として、親として大切なものを喪った主人公の悲哀を彼はどんな思いで表現したのか?三池監督の才能と愛情は「ブルーチーズの味」(海老蔵さん)現場での海老蔵さんの様子を語る三池監督の表情は、演出家というよりも初めて間近に触れた歌舞伎役者に興味津々のファンに近い。映画を観終えたいち観客のように目を輝かせながら感想を語る。「映画と違うんだとびっくりしたのは、歌舞伎役者というものは“貯めていくもの”なんだということ。映画は消費していくもの。撮ったら終わりでフィルムが残るだけ。同じシーンをやることは二度とないけど、(歌舞伎は)凄まじい数がある古典などを演じるだけでなく、後世に伝えていかなくてはいけない。そこは根本的に違う。だから(海老蔵さんは)1週間あったらすぐ半四郎に戻りますよ。役どころとしては、真剣に生きる場所をなくしてしまった人に、真剣に取り組まなくちゃいけない。しかも、最後に井伊家に乗り込んで…というシーンがあるので、『そこがお芝居として計算が立つのか?』という思いもありました。でも、ひとつひとつをああだこうだと考えて映画のために芝居をするというよりも、その場に立って、目の前にこの相手がいるとこういう芝居になる、という演じ方を見せてくれた。この2つ(計算とその場の感性での演技は)矛盾してるんだけど、すごく不思議な感覚でした。それでいて、自分のことより共演者に興味津々なんですよ(笑)。『役所広司さんってなんでああいう芝居できるの?』とか『瑛太くんって自然でいいよね』と。要はテストで相手をよく見てる。それだけの余裕があるんでしょうね」。一方の海老蔵さんも三池監督の演出力に心酔した様子。三池組の心地よさ、何より現場をひとつにまとめる三池監督が持つ“吸引力”をこう語る。「監督の存在が空気を作ってる。スタッフを含め、三池さんに惚れた人たちが現場にいるんですよ。だから監督があえて言わなくても、現場の人間が無意識に動いていて見事だなと思いました。それで監督がたまに口を開くと、僕ら歌舞伎役者には想像できないものが出てくる。リアルを超えたリアルに、さらに様式美がかかっているようなことを言い出すんです。血がドロドロとしているのに、それを最終的に美しいと思わせるような…。この間、歌舞伎をやらせてもらったんですが、三池さんが僕の中で活きてるんですよ。『三池さんならどう考えるかな?どうやるかな?』ってね。僕がそういう風に思う人は、いままでほとんどいなかった。才能と愛情のかたまりがブルーチーズのようにいい感じで腐食して(笑)。ブルーチーズって忘れられない味でしょ?そういう何とも言えない世界観を持ってらっしゃるなと思います」。「侍とは何か?それは僕には分からない」(三池監督)これまで歌舞伎の中でも幾度となく侍役を演じてきた海老蔵さん。本作で演じた半四郎を含め「本音と建前」という言葉で、侍という存在を演じる面白さを明かしてくれた。「『こうあるべきだ。このように生きなくてはいけない』という守るべきルールがあるけど、人間として生きる上でそれは必ずしも腑に落ちない。でも、それを口に出せないで本音と建前に葛藤し『我が苦しみはここにある』というところがドラマとしての侍の面白さでしょう。今回の半四郎も主君のお家がなくなって浪人になるけど、侍魂というものは常にある。一方で家庭ができて、子供が生まれ、さらに娘が子を産み人間としての喜びを初めて知った――人間としての本音がそこでできたわけですね。そこで葛藤し、喜びを覚えつつも満たされようとするところで全てを失ってしまう。しかも娘婿は流行りの狂言切腹で死んでしまう。『何でだ?』という思いを抱えて井伊家に乗り込んで『どこがあなたの本音なんだ?』と、自分が武士として考えるものを照らし合わせに行くわけです。それは“確認”なんて生易しいものではなく、『おれたちは何なんだ?』、『本当に武士として正しいのか?人間としてどうなんだ?』、『それが武士の生き方か?人間として幸せなのか?』と。そこが面白さですね」。三池監督にとっては『十三人の刺客』に続く本格時代劇となるが、「侍とは何か?それは僕には分からない」と語る。その真意は?「女の人を描くのと同じ感覚かな。僕の映画は女性の登場人物が極端に少ない。僕には女の人のことは分かんないから、分かったように女優に女の人について演出をするのは変でしょ?それと似たようなもので『侍とはこういうものだ』と理解する必要もないし、できない。分からないからやってみる、作ってみるしかないんです。『理解を超えたもの』というのは僕の中で最高のリスペクト。逆に『あなたのことを分かってます。侍ってこうですよね?』という人が撮ったら小さくなっちゃう気がする。『侍って何でしょう?』というスタンスが必要なんですよね。それは撮った後も変わらないですね」。スクリーンで初めて見せる父親の愛、悲哀現場での海老蔵さんは、共演者に興味津々だったという監督の証言を先に紹介したが、実際、映画やTVを主戦場とする現代劇の俳優陣からは普段の舞台とは違った刺激を受けたようだ。「瑛太くんは爽やかな好青年というイメージでしたが、メチャクチャ熱いんですよ。面と向かって『負けませんから。負けたくないんです』という感じで『おぉ、何だろうこの熱さは』って(笑)。素晴らしいのは“ふつう”でいられる感度。歌舞伎をやっていると、非日常に対する対応が多い。TVや映画は日常を切り出すわけで、その日常のふとした瞬間の0.01秒の間が瑛太くんからは見えるんです。僕にはそれはないですね。『この間でそれを表現するんだ?面白いな。でもこれを歌舞伎でやったらどうなるんだ?一秒はかかるな』とか考えてました。満島さんは女優独特というか、すごく入り込むんです。普通、そういう女優さんは近寄りがたい空気を持っていますが、彼女は意外と大丈夫。器量が大きいんでしょうね。入り込む人は前日や1週間前から入ってるからそういう壁があるし、ベールが掛かっているものだけど、彼女はそれをふとした瞬間に解いて、人とコミュニケーションを取ったり、場の空気を考える余裕を持ってる。若いのにすごいなと思います」。劇中、満島さん演じる娘の美穂、瑛太さん扮する娘婿の求女を温かく見守り、2人の間に生まれた孫を深く愛する半四郎。海老蔵さん自身が一児の父親となったのは映画の完成後だが、父親を演じることについて、こんな話を語ってくれた。「(孫役の赤ちゃんを)抱くと泣いちゃうんですよね(苦笑)。でも本当のお母さんが抱くと泣き止む。でも、いまになって考えると、自分の子も自分が抱くと泣き止むんですよ。(半四郎は親ではなく)おじいちゃんだから、泣いてもいいのかな、不正解ではなかったなと思っています(笑)。実際に父親じゃないのに父親を演じることについてはよく聞かれます。歌舞伎で『寺子屋』という話があって、主君のために自分の子を身代りに殺して差し出すんですが、先輩たちは『自分に子供がいないとできない。気持ち分からないぞ』とおっしゃる。逆に酒を飲んで酔っ払う演技は実は酒を飲まない人の方がうまいということもある。ということは、子供がいないからこそ表現できる子供への愛もあるのではないか?と思うんです」。真実とフィクション、現代と過去――そのはざまに立つ男の“覚悟”が垣間見える。改めて、父親になった海老蔵さんが父の愛の深さ、悲哀を新たにスクリーンで、舞台上で表現する姿を見てみたい気がするが…。まずは『一命』で“父”海老蔵の愛と葛藤、それを受け止めた三池監督が作り出した世界観をじっくりと感じてほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:三池監督&満島ひかりが赤ちゃんを前にしての海老蔵の素顔を暴露!海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック
2011年10月12日映画監督の三池崇史と園子温、俳優の吹越満によるトークイベントが1月20日(木)、東京・港区の東京ミッドタウン内の「ビルボードライブ東京」で行われ、園監督を中心に、3人は過激なトークを繰り広げ会場は大きな盛り上がりを見せた。「三池崇史presents大人だけの空間」と称したトークショー付きの試写会企画の第2弾で、この日は吹越さん主演の園監督最新作『冷たい熱帯魚』の上映を実施。上映前のトークイベントに登場した時点で3人、特に三池監督と園監督はすでにほろ酔い気味!三池監督は『冷たい熱帯魚』を「ここ何年かにおける驚くべき傑作」と絶賛する。一方で「僕と園さんの映画との関わり方は全く違う。僕はいろいろやりつつも、いまは健全な家族で楽しめる作品作ってる(笑)」と自身の健全さをアピールして園監督との違いを強調!「園子温が暴れ回った後を付いていく。(園監督が)僕らの作れる映画の幅をどこまで広げてくれるのか」と続けると、これに園監督が「逆ですよ!三池崇史が森を伐った後を、僕らはスポーツカーで走るつもりなので心外です」と反論し、会場は笑いに包まれた。映画は、90年代に実際に起きた「愛犬家殺人事件」を基にしているが、園監督は「“事実は小説より奇なり”と言うけど、事実は起承転結の“結”がダラダラしたりする。だから“転”から“結”の部分をフィクションにした」と熱弁。勢いあまって「そこで吹越さんが…」と核心を語りそうになり、慌てて吹越さんが「まだ(観客は)観る前ですから!」と止めに入る一幕も。さらに、酒とタバコがトーク中も“注入”されていく中で、発言内容はどんどん過激に。三池監督は、自身の監督作で今年公開となる『忍たま乱太郎』の話題でも自虐的な発言を交えながら会場の笑いを誘う。園監督も負けじと(?)、現役の映画監督や公開中の作品の名を挙げて「消えてなくなれ!」などと毒を吐き続けた。吹越さんが慌てて「普段はこういう人じゃないです!」と再び“火消し”に走るも、2人はどこ吹く風。「いまの映画監督なんて全員ダメでしょ?」(園監督)などとさらに過激な方向に…。吹越さんは「ほかの作品や監督のことは置いといて…」と苦笑しつつ、「『冷たい熱帯魚』のオファーは本当に、本当に嬉しかった」と充実した表情を見せる。ちなみに園監督が吹越さんに主演を依頼した経緯はというと「喫茶店で話してたら吹越さんが入ってきたので『(スケジュール)空いてる?』って(笑)。そのいいかげんさが良いものを呼ぶと信じてる」と力強く語り、三池監督も頷いた。さらに園監督は「血まみれになりながら書いた」など、こちらも過激な製作の過程を暴露。三池監督は「映画は狂人が作るべきものなんですよ!例えば、勝新太郎がいまの時代に二十歳で生きてたとしても、映画関係者は誰も見向きもしない。そんな状況になってしまった。そんな中で園子温は勝手なことして生きてる」と三池流のエールを送り、観客の喝采を浴びていた。ちなみに、ここまで過激な方向で息のピッタリ合ったやり取りを見せた三池監督と園監督だが、今夜が初対面だという…。『冷たい熱帯魚』は1月29日(土)よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開。■関連作品:冷たい熱帯魚 2011年1月29日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© NIKKATSU■関連記事:鬼才・園子温監督最新作『冷たい熱帯魚』試写会に25組50名様ご招待満島ひかり主演の未公開作も上映!園子温監督作品の特集上映開催決定
2011年01月20日ヴェネチア国際映画祭9日目となる9月9日午後(現地時間)、金獅子賞を争うコンペティション部門に三池崇史監督の『十三人の刺客』がついに登場。公式上映に先立ち、記者会見が行われ、三池監督、役所広司、山田孝之、プロデューサーのジェレミー・トーマスが出席し、各国の記者から盛んに質問が飛んだ。日本の芸能界に詳しい台湾の記者からは、「優しいイメージのあるSMAPの稲垣吾郎さんに、悪役を演じさせたのはなぜですか?」という質問が。三池監督はまず欧米の記者たちに対し「殿を演じた稲垣吾郎さんは、日本ではアイドルなんです。日本ではアイドルは悪い役は普通やらないものなので、(台湾の記者は)まさかと思ったのでしょう」と説明。続けて「稲垣さんは10年以上もNo.1として君臨しているSMAPの中で、特殊な存在なんです。トップでもないし、けれど重要な位置を占めている。とても屈折した魅力の持ち主なので、この役にぴったりだった。映画では彼の存在感そのものが、活かされていると思います」と語った。また、刺客たちを率いる侍を演じた役所さんは、イタリアの記者から役作りについて聞かれ、「(自分をのぞく)12人が命を預けられるリーダーになることが、今回のテーマでした」と語った。会見前に行われたプレス試写も大好評で、受賞に期待がかかる。ある中国の記者は「最高にクール!傑作だと思う」と興奮気味に語った。クエンティン・タランティーノ、ギジェルモ・アリアガら審査員団が、果たして同じ反応を示すか?11日夜(現地時間)の結果発表が楽しみだ。(photo/text:Ayako Ishizu)■関連作品:十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会第67回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:劇中では赤ジャージのカトリーヌ・ドヌーヴ、華麗なドレスでヴェネチア降臨清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映『ノルウェイの森』に強敵出現ソフィア・コッポラ新作に喝采!現地紙は最高点『ノルウェイの森』にスタンディング・オベーション松山ケンイチ「確信」得た!『ノルウェイの森』に質問続出! 凛子、松山ケンイチと「楽屋にこもって話し合った」
2010年09月10日若い世代を中心に絶大なる人気を誇る漫画家・浅野いにおの作品「ソラニン」の実写映画化を手がけた三木孝浩監督の動画インタビューが到着!宮崎あおいを始めとする若手人気キャストを迎え、主題歌はASIAN KUNG-FU GENERATION(以下、アジカン)が担当するなど、公開前から大きな話題を呼んでいる本作。これまで、多くのミュージックビデオの演出を行ってきた監督とあって、映画化に際してもライヴシーンを重視。原作について「音のない表現で音を感じさせて素晴らしい」と絶賛しつつ「映画ではそれとは違う形で音楽が持っている力を表現したかった」と思い入れを明かす。さらに、宮崎さんとのクランクイン前の会話、バンドのシーンにまつわるエピソード、主題歌をアジカンに決定した経緯、自らの青春時代についてまで、落ち着いた口調ながらも熱い思いが感じられるコメントが並ぶ。監督の視点、思いを知ることで、作品の見え方、受け止め方がまた違ってくること請け合い。映画を観る前に、ぜひご覧あれ!『ソラニン』は4月3日(土)より全国にて公開。※こちらのインタビュー映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERYシネマカフェSweet「『ソラニン』 素晴らしきマンガワールド特集」■関連作品:ソラニン 2010年4月3日より全国にて公開© 2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会写真:太田好治■関連記事:芽衣子は理想の恋人?あなたの青春恋愛ソングは?『ソラニン』アンケート結果発表映画公開直前!『ソラニン』原作者・浅野いにおから動画メッセージが到着超豪華!宮崎あおい、高良健吾らキャストサイン入り『ソラニン』プレスを1名様にプレゼント桐谷健太×近藤洋一インタビュー「そっくりなベーシストが出てくるマンガがあるよ」宮崎あおいの言葉にアジカンのゴッチ感激!「録音して着ボイスにしたかった…」
2010年04月02日映画『ソラニン』の試写会が3月15日(月)、若い世代に人気の書店『ヴィレッジヴァンガード」(以下V.V.)主催で開催され、本作の三木孝浩監督とV.V.のオンラインショップの“中の人”こと中本恵二氏によるトークイベントが行われた。トークイベントは作品上映後ということで、中本さんは映画を観たばかり。早速、感想を尋ねると「いまもウルウルしていて、感動冷めやらぬ感じです。印象に残ったのは、最後のライヴシーン。宮崎あおいさんのギターを弾いているときの真剣な表情は、演技を超えてかなり(役に)入っているな、と。ひと言で言えば、観てよかったな、と」と絶賛。三木監督はこの言葉にホッとした様子。その三木監督は、ミュージックビデオの分野で活躍しており、本作で初めて映画監督に挑戦した。以前から(原作の)浅野いにおさんの作品は好きだったものの、「ソラニン」だけは読んでいなかったとか。「読んでみたらまさしく自分がやってきた音楽というフィールドに近い、バンドをやる若者たちの話で、ぜひやりたいと思って(監督の話を)引き受けました。音楽をテーマにしつつ、『夢を持ってるんだけど、まっすぐに進めないモヤモヤした感じ、冷めている感じ、想いと戦っている感じ』に共感できたし面白いと思った」と語った。中本さんは、原作漫画の連載当時、および漫画の発売当時について「よく『浅野いにおの新刊読んだ?』と話してました。読んでみて『なかなかない物語だな。売ってやろう!』という気持ちになって、当時かなり押しましたし、お客さんの反応も良かったですね」とふり返った。さらに話は世代論に。「浅野さんよりも少し上の世代」と言う三木監督は、90年代後半を引き合いに「あの頃は、斜に構える感じでも、根本は明るいというか、少しのん気さがあった。『ソラニン』のシビアな感じ…例えば貯金残高がなくなったり、タイムリミットが差し迫ってるという感覚はこの世代ならではかも。(劇中の)種田(高良健吾)や芽衣子(宮崎あおい)の悩み方ってきっと僕らの世代以降の悩み方だと思うんです。自分の幅が見えてしまい、設定が出来てしまう」とも。これに中本さんも「劇中の、ギターを初めて弾いた少年の『世界が開けたような』感覚を得る機会が少なくなっている。ネットで検索すれば何でも見える時代で、自分の発見に感動することがなくなった」と頷く。監督はさらに、自らの経験を挙げ「僕は徳島の田舎育ちで、高校時代に『映画監督を目指す』と周りに話して、何となくビデオ回して作った作品を『これは傑作なんじゃないか!』って幻想したりして(笑)、それがモチベーションになってた。いまは、例えば曲を作ればすぐにマイスペースに上げられて世間にも評価されてしまう。そこで自分のレベルにある程度、想定がついてしまう」と現代の“手軽さ”が、皮肉なことに若者たちの“熱”を奪っている現状を語った。若い世代を中心とした観客は、真剣な眼差しで監督の言葉に耳を傾けていた。また、トークイベントの最後には三木監督は、『ソラニン』以後について「浅野先生の別作品もやってみたいですね。『世界の終りと夜明け前』(小学館刊)が大好きなのでぜひ映像化したいです」と意欲を語った。『ソラニン』は4月3日(土)より全国にて公開。■関連作品:ソラニン 2010年4月3日より全国にて公開© 2010浅野いにお・小学館/「ソラニン」製作委員会/写真:太田好治■関連記事:『ソラニン』Twitterが熱い!フォロワーが3,000人突破宮崎あおい、夢はガソリンスタンドのバイト?『ソラニン』イベントで幻の楽曲も公開アジカン後藤バンドブレイク前をふり返り「僕らはちょっとおかしい」ふたりの想いをつなぐ歌!『ソラニン』劇場鑑賞券を5組10名様にプレゼント高良健吾率いる劇中バンド熱唱のデモCD付き!『ソラニン』特別前売鑑賞券予約開始
2010年03月16日