本日(現地時間)、今年も韓国最大の映画の祭典「釜山国際映画祭」が幕を開けた。チャン・ドンゴンやソ・ジソブ、タン・ウェイにチャン・ツィイーとアジア圏を代表するトップスターたちが数多く参加することで注目を集めている本映画祭。今年は、『G.I.ジョー』シリーズや『RED/レッド』の続編など、ハリウッド映画への出演でいまや国際的スターとなったイ・ビョンホンも、主演を務めた歴史大作『王になった男』を引っさげ現地入りを果たしているようだ。1616年、朝鮮第十五代王・光海君(クァンヘグン)。道化師・ハソンは、権力争いのため毒殺の危機に怯える光海と瓜二つという理由から、彼の影武者を務めることに。ハソンを王に仕立て上げる重臣たち、王を偽物ではないかと疑う家臣たち、そして心が通い合わなくなっていた王の突然の変化に戸惑う王妃。さまざまな人間関係が複雑に絡み合う宮中で、平民出身のハソンは戸惑いながらも、次第に民のことを考える“真の王”として頭角を現していく――。韓国ドラマの中でも、「トンイ」や「イ・サン」、「宮廷女官チャングムの誓い」など、日本でも人気を集めている時代劇だが、『王になった男』は人気・実力を兼ね備え、これまで数々の作品に出演したきたビョンホンが初めて時代劇挑んだ注目作だ。さらに、暴君・光海と道化師・ハソンの一人二役にも挑戦し、まったく性格の異なる役を完璧に演じ分けている。脚本は『オールド・ボーイ』のファン・ジュエン、監督は『麻婆島(マバド)』、『あなたを愛しています』のチュ・チャンミンが手がける。絢爛豪華な王朝時代を背景に、歴史から消された15日間に“王となった男”を緻密な構成とドラマチックな展開で描く本作。すでに公開を迎えている本国・韓国では絶賛を浴びており、現在、参加中の釜山国際映画祭では胸を張っての凱旋となりそうだ。ビョンホンは10月6日(現地時間)の夕方から行われるトークショー、同日夜のオープントークに出席する予定だという。『王になった男』は、2013年2月、全国にて公開。■関連作品:王になった男 2013年2月、全国にて公開2012 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved
2012年10月04日10月5日(金)~7日(日)の3日間、東日本大震災で被災した宮城県三陸で、“第1回三陸映画祭in気仙沼”が行なわれることが決定し、上映作品や登壇ゲストが発表された。その他の写真映画祭期間中は、震災後に避難所にもなっていた気仙沼市民会館をメイン会場に、気仙沼周辺の建物を映画館として利用し、すべての作品を無料で上映するという。クロージングでは、気仙沼を舞台にした園子温監督作の『希望の国』が10月20日(土)の本公開を前にジャパンプレミア上映されるほか、本映画祭の発起人のひとりである堤幸彦監督の『自虐の詩』『明日の記憶』や、『第9地区』『ショーシャンクの空に』など、気仙沼市民を対象に実施したアンケートから選考した新旧の洋邦併せて約40作品が上映される。また、親子・家族でも楽しめるように、『ポケットモンスター』『ドラえもん』などの作品も上映。さらに、 園監督や堤監督をはじめ、作品出演者や映画関係者らのトークショーなどのイベントも行われる予定だ。メインスポンサーも無く、ボランティアを中心とした実行委員会は、運営資金をソーシャルファンディング“WESYM(ウィシム)”を通じて10月末まで募集中。地元住民や全国各地からの協力に、実行委員の臼井賢志氏は「多くの反響をうれしく思っています。来年、再来年も継続したい」と話している。『三陸映画祭in気仙沼』10月5日(金)~7日(日)気仙沼市民会館ほか、気仙沼市にある既存の建物にて上映
2012年10月01日今年で18回目を迎える「KAWASAKI しんゆり映画祭 2012」が、10月6日(土)から14日(日)まで川崎市の新百合ヶ丘で開催される。ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘でオープニング作品4作品が上映され、その後、川崎市アートセンターをメイン会場にして“映画よ どこへ”をテーマに、映画誕生から現代までのそれぞれの時代を彩る名作や、日本映画界の未来を担う新進監督作品、アジアの秀作など28作品が上映される。その他の写真「KAWASAKIしんゆり映画祭2012」は、1995 年に川崎市の“芸術のまち構想”の一環としてスタート。“市民(みんな)がつくる映画のお祭り”として、地域住民や地元企業の協力を得ながら、ボランティア・スタッフが中心となって企画・運営を実施。行政がバックアップする新しいスタイルの市民映画祭として定着・発展している。今年は「特集 役者一代・役所広司」と名打った特集も開催され、本映画祭にゆかりの深い役所の主演作『キツツキと雨』『Shall we ダンス?』『東京原発』『わが母の記』を上映。『キツツキと雨』の上映後には役所によるトークイベントも予定されている。また、映画祭では副音声ガイド・日本語字幕付きのバリアフリー上映も行なわれる。【第18回 KAWASAKI しんゆり映画祭 2012】開催概要期間:10月6日(土) ~ 14日(日)会場:10月6日(土)ワーナー・マイカル・シネマズ新百合ヶ丘、10月7日(日)~ 川崎市アートセンター アルテリオ映像館 、アルテリオ小劇場上映作品:28作品(プログラムは公式サイトを参照)料金:800円/当日1000円一部プログラム無料、特別料金
2012年09月27日世界各地の秀作を集める映画祭「第13回東京フィルメックス」のラインナップ発表記者会見が26日に都内で行われ、林加奈子ディレクター、市山尚三プログラム・ディレクターと、審査員を務める秦早穂子氏、イスラエル大使館のニル・ターク氏、園子温監督、大森立嗣監督が登壇した。その他の写真毎年、世界各国の作品を紹介し、さらに日本映画を海外に紹介する取り組みも続けている本映画祭。今年も本日現在で46作品の上映が決定している。林ディレクターはコンペティション部門の作品について「独創的で、社会に向き合い、どう伝えるか工夫されている作品が揃った」と自信を見せ、オープニングにホン・サンス監督の『3人のアンヌ』が、クロージングにバフマン・ゴバディ監督の『サイの季節』が上映されることも発表した。また特別招待作品にも、アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、ビクトル・エリセ、マノエル・ド・オリヴェイラが手がけるオムニバス作品『ギマランイス歴史地区』や、アモス・ギタイの最新作『父へのララバイ』、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の『メコンホテル』、今年のヴェネチア映画祭で最高賞を受賞したキム・ギドク監督の『ピエタ(原題)』など、本映画祭と縁の深い映画作家の作品が揃った。“ジャパン・フォーカス”部門で新作『ぼっちゃん』が上映される大森監督は、秋葉原で起こった連続殺人事件にインスパイアされた本作が上映されることについて「フィルメックスはお客さんの目が肥えているので、自分にとっての良い物差しになる」と述べ、1995年に撮影されるも未完成のままだった幻の作品『BAD FILM』を出品する園監督は「編集していて、今の自分の映画がすべてこの映画に通じていると感じたし、『BAD FILM』がなければ現在の自分はないと思いました。フィルメックスは稀有でストイックな素晴らしい映画祭で、観客がどんな反応をするのか楽しみにしています」と語った。本映画祭ではさらにイスラエル映画傑作選や、木下恵介監督生誕100年祭、人材育成事業“タレント・キャンパス・トーキョー2012”など様々なプログラムを開催する。第13回東京フィルメックス11月23日(金・祝)~12月2日(日)有楽町朝日ホール、東劇、TOHOシネマズ日劇で開催
2012年09月26日現在公開中の堺雅人主演映画『鍵泥棒のメソッド』が、台湾版アカデミー賞とも言われる第49回台北金馬奨映画祭(現地時間11/8~23)のパノラマ部門に出品されることが決定した。その他の写真本作は、『運命じゃない人』『アフタースクール』を手がけた内田けんじ監督が4年ぶりにメガホンを執った最新作。貧乏役者・桜井(堺)が、転倒して記憶を失った伝説の殺し屋・コンドウ(香川照之)になりすましたことで、ある事件に巻き込まれていく姿を描いた喜劇だ。本作はすでに上海、香港、マレーシアの映画祭で上映されており、第15回上海国際映画祭では日本で初めて脚本賞を受賞する快挙を成し遂げている。また、9月にカナダで開催されたトロント映画祭でも絶賛を受け、米「ヴァラエティ誌」は「3人のキャラクターを注意深く重ね合わせ、それを運命的な出来事に向かわせる。練りにねったチェスを動かしているような構造が出来ている」と評価しており、各国で高い評判を得ていることがわかる。今後は、バンクーバー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、シドニー・メルボルン日本映画祭、フランス・パリのKINOTAYO映画祭と上映が決定しており、台北で現地時間11月8日より開催される金馬奨映画祭での上映にも注目が集まりそうだ。『鍵泥棒のメソッド』公開中
2012年09月24日第37回トロント国際映画祭ではコンテンポラリー・ワールドシネマ部門に選出され、同映画祭を沸かせた内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』が、11月8日(現地時間)より開催される“台湾版アカデミー賞”と呼ばれる第49回台北金馬奨映画祭パノラマ部門に出品されることが決定した。ある日、銭湯で転倒し記憶を失った伝説の殺し屋と、ひとりの売れない貧乏役者、2人の男の人生が入れ替わるところから始まる予想不可能なストーリーが、絶妙な笑いを生み出す本作。上海、香港、マレーシアの映画祭ですでに上映され、アジア全土で高い評価を得ている本作だが、先日行われたトロント国際映画祭でも大絶賛を受け、米「Variety」誌では「3人のキャラクターを注意深く重ね合わせ、それを運命的な出来事に向かわせる練りに錬ったチェスを動かしているような構造ができている」とベタ褒め!「上海国際映画祭で脚本賞も受賞しており、ほかのテリトリーでのセールスを感じられる」とも同誌に書かれている通り、北米、ドイツ、アジア各国から問い合わせが殺到しているようだ。今後は、バンクーバー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、シドニー・メルボルン日本映画祭、フランス・パリのKINOTAYO映画祭と海外映画祭での上映が相次ぐ。日本ではすでに公開を迎えているが、今回の出品決定のニュースを受け、さらなる注目が集まることは間違いなさそうだ。『鍵泥棒のメソッド』は全国にて公開中。■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年09月24日今年で25回目を迎える東京国際映画祭(以下、TIFF)の記者会見が、9月20日(木)、東京・六本木で行われ、上映作品の選定に携わった代表の矢田部吉彦やチェアマンの依田巽らTIFF関係者に加え、今年のアンバサダーに就任した女優・前田敦子、コンペティション部門に出品することとなった映画監督・松江哲明が出席した。毎年、ハリウッドスターや著名な監督たちが国内外から数多く参加し、大きな盛り上がりを見せるアジア最大級の映画の祭典である本映画祭。この日、前田さんは「AKB48」を卒業し、アイドルではなく女優として登壇。「25回目の開催、本当におめでとうございます。今回、TIFFアンバサダーに選んで頂いて、とっても嬉しいです。でもとっても緊張しています」と、映画祭の“顔”となった胸の内を明かした。「本当に映画が大好きで、映画館に1人で行ったり、DVDを借りて家で見たりしてます。映画館に行ったら、隣にいるかも(笑)」と“会いに行ける女優”であると明かし報道陣を沸かせた。さらに、今後どんな“女優”になりたいかとMCに問われると、「いま、素敵なスタートラインに立たせて頂いていると思います。(人々に)求められる女優になりたいです」と意気込みを語った。今年は世界中から、映画祭史上最多となる1,332本もの中から選ばれた作品がコンペティション部門で上映される。昨年、同映画祭の「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞した『トーキョードリフター』の松江哲明監督は、今回『フラッシュバックメモリーズ 3D』でコンペティション部門への出品となったが「昨年からの流れがあって、コンペに出させて頂けたので、非常に嬉しいです」と感激を隠せない様子。そのほかにも、『きみに読む物語』などで知られるニック・カサヴェテス監督の新作『イエロー』など、例年以上にバラエティーに富んだラインナップ。この日の会見では、今年のオープニング作品に決定した『シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語』で製作総指揮を務めたジェームズ・キャメロン監督からのメッセージも上映。「『タイタニック』が映画祭で上映されてから15年。東京国際映画祭とは、『タイタニック』、『アバター』と長年深いご縁があります。きっと今回の作品もみなさんに夢中になってもらえるはずです」と自信をうかがわせるコメント。また、クロージング作品となるクリント・イーストウッド主演作『人生の特等席』や、特別オープニング作品としてオスカー受賞監督のリドリー・スコットが製作総指揮を務め、東日本大震災から1年たった2012年3月11日の日常の投稿映像を繋いで製作された映画『JAPAN IN A DAY』の上映に加え、この日新たに、生誕50周年となる『007』シリーズの最新作『007スカイフォール』のフッテージ上映が行われることも発表された。さらに現在、国際情勢上での不和が取り沙汰されている中国や韓国などからも作品が出品されるとあって、報道陣からは政治的な事情が影響の質問が飛ぶなど国際映画祭ならではの会見となった。第25回東京国際映画祭期間:10月20日(土)~28日(日)まで場所:六本木ヒルズほか公式サイト:■関連作品:シルク・ドゥ・ソレイユ 3D 彼方からの物語 2012年11月9日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国にて公開© 2011 Cirque du Soleil Burlesco LLC. All Rights Reserved.人生の特等席 2012年11月23日より丸の内ピカデリー3ほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.JAPAN IN A DAY 2012年11月3日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© 2012 FUJI TELEVISION NETWORK, JAPAN IN A DAY FILMS LTD.
2012年09月20日8月にアイドルグループのAKB48を卒業した前田敦子が20日に都内で行われた第25回東京国際映画祭(10月20日~28日開催)のラインナップ発表会見に出席し、映画祭の“顔”ともいえるTIFFアンバサダーの就任を発表した。その他の画像卒業後は目標だった女優の道を歩み出し、先日も黒沢清監督の最新作『一九〇五』でトニー・レオンと共演することが明らかになったばかり。今回、TIFFアンバサダーとして一足早い国際舞台でのデビューを飾り「25回おめでとうございます。素敵なお役目をいただき、本当に嬉しいです。緊張もしていますが、私自身も映画が大好きなので、たくさんの人と交流できるのを楽しみにしている」と抱負のコメント。今後の女優業について「素敵なスタートラインに立たせていただいた。どんな役にも挑戦し、求められる女優さんになりたい。頑張ります!」と決意を新たにした。コンペティション部門には松江哲明監督の『フラッシュバックメモリーズ 3D』(日本)をはじめ、『イエロー』(ニック・カサヴェテス監督/アメリカ)、『もうひとりの息子』(ロレーヌ・レヴィ監督/フランス)、『シージャック』(トビアス・リンホルム監督/デンマーク)、『未熟な犯罪者』(カン・イグァン監督/韓国)、『黒い四角』(奥原浩志監督/日本)など15作品を予定している。今年のコンペティション部門の審査委員長は、“インディペンデント映画の神”として名高いプロデューサーのロジャー・コーマンが就任。昨年、映画界に多大な功績を残した半生を検証するドキュメンタリー『コーマン帝国』が特別招待作品として上映された鬼才が、1年ぶりに“凱旋”し新たな才能に光を当てる。また、オープニング作品は『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』(アンドリュー・アダムソン監督)、クロージング作品にはクリント・イーストウッドが俳優復帰を果たした感動作『人生の特等席』(ロバート・ロレンツ監督)が上映される。また、特別オープニング作品として『JAPAN IN A DAY [ジャパン イン ア デイ]』の上映も決定。同作はリドリー・スコット監督による「3.11から1年後の“あの日”を、あなたはどう過ごしましたか?」という問いに対し、YOU TUBEを通して投稿された映像の数々を紡いだソーシャル・ネットワーク・ムービーだ。映画祭期間中は、昨年の“TIFF ARIGATO プロジェクト”に引き続き、募金などを通して震災復興への取り組みを継続することになっている。チェアマン就任5年目を迎えた依田巽氏は「今年のスローガンは“今こそ、映画の力”。今回、世界中からコンペティション部門に応募いただいたのは1332本。5年前の数字から倍増している」と国際的な注目の高まりをアピール。「多くの映画人による“国境”のない交流を通して、さらなるリンケージ(提携)が広がれば」と国際映画祭としてのさらなる飛躍を誓った。
2012年09月20日6日から開催されていたトロント映画祭が、現地時間16日に閉幕した。観客賞を受賞したのは、デビッド・O・ラッセル監督の『Silver Linings Playbook』。園子温監督の『希望の国』は、今年新設されたNETPAC賞を受賞した。その他の写真カンヌやヴェネチア映画祭と違い、トロント映画祭では、映画祭が選んだ審査員が話し合って賞を決めることはしない。観客もチケットを買って映画を観られるオープンな映画祭で、観客が投票する観客賞が最高賞となる。『アメリカン・ビューティ』『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』など、トロントで観客賞を取った映画がオスカーで作品賞を取ったケースは多く、近年、トロントの動向はますます注目されている。『Silver Lining Playbook』は、ブラッドリー・クーパー、ジェニファー・ローレンス、ロバート・デ・ニーロらが出演し、家族の関係を描く、笑いと感動にあふれる物語。次点はベン・アフレックが監督する『アルゴ』。1979年に起こったイランにおけるアメリカ人捕虜救出の裏側にあった本当の作戦を描く、スリル満点の娯楽作だ。また、ミッドナイト・マッドネス部門で上映された作品を対象にする観客賞は、マーティン・マクドナー監督の『Seven Psychopaths』に贈られた。園子温監督の『希望の国』が受賞したNETPAC賞は、Network for the Promotion for Asian Cinemaが選出するもので、今年新設されたもの。トロントでワールドプレミア、あるいは海外プレミアをしたアジア映画の中から選ばれる。『希望の国』は10月20日(土)、『アルゴ』は10月27日(土)日本公開。『Silver Lining Playbook』の日本公開は未定。『希望の国』10月20日(土) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー『アルゴ』10月27日(土) 丸の内ピカデリーほか全国ロードショー取材・文:猿渡由紀
2012年09月19日したまちコメディ映画祭に新しく創設された「ソフト・スルー・コメディ大賞」が、東京都美術館で17日に開催され、投票で選ばれた大賞作品の発表と、ソフト・スルー新作『Mr. ズーキーパーの婚活動物園』が上映された。その他の写真“ソフト・スルー”とは、外国映画などを日本で劇場公開をしないまま、DVDやブルーレイなどでソフト化することを言い、特にコメディ作品に多い傾向にある。本賞は、ソフト・スルー作品の活性化を目的として、したまちコメディ映画祭と雑誌&WEB媒体「DVD&ブルーレイでーた」とのコラボレーションにより実現。2011年8月~2012年7月にDVD、ブルーレイでリリースされた外国映画のソフト・スルー作品の中から、「DVD&ブルーレイでーた」特設WEBページでの投票により“最も笑える映画”を選出、表彰した。会場では、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの杉本光成氏、映画祭ディレクターの大場しょう太氏らが登壇。大場氏はコメディ作品のソフト・スルーについて、「『ハングオーバー…』や『キック・アス』などの成功例もあり、ニーズが出てきているのではないか?」と分析。杉本氏は「言葉の違いもあるので、コメディは文化色、ローカル食が強くなるが、コメディ=国の文化だと思っている。(今日来場している)お客さんはそこがわかっている方だと思う。どんどん広まっていけば」とアピールした。また、「DVD&ブルーレイでーた」の新井京子氏は、「劇場公開されずにDVD化される作品が増えてきている。読者に作品を観て欲しい、来年もやります!」と意気込みを見せ、大場氏は、「ミニシアターが減っているのがこの現象の原因なのかなと思う。シネコンでちょっとでもこういう作品が上映できるように、映画祭で頑張っていきたいと思う」と語った。大賞は、『聖トリニアンズ女学院 史上最強!?不良女子校生の華麗なる強奪作戦』(発売・販売元/アットエンタテインメント)が受賞。本作は『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞したコリン・ファースや、ルパート・エベレットらが出演するイギリスの青春コメディで、シリーズ2作目もDVDでリリースされている。
2012年09月18日ブラッドリー・クーパー主演作『Silver Linings Playbook』(原題)が第37回トロント国際映画祭で最高賞を受賞した。『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセルがメガホンをとり、ブラッドリーとジェニファー・ローレンスが共演する同作は、最高賞にあたる「ピープルズ・チョイスアワード」を獲得した。過去には『スラムドッグ$ミリオネア』や『英国王のスピーチ』などが同賞に輝いている。マシュー・クイック原作の同名小説の映画化となる本作は、ブラッドリー扮するパットがノイローゼから回復して幸せを探そうと決意し、ジェニファー扮する女性・ティファニーに出会ったことで将来に希望を見出せるようになるというストーリーだ。ブラッドリーとジェニファーのほかに、ロバート・デ・ニーロやクリス・タッカーが出演している。『Silver Linings Playbook』は11月21日(現地時間)に全米公開予定だ。
2012年09月18日今年のゴールデンウィークに封切られながら現在も異例のロングラン上映を続け、興行収入59億円超えの大ヒット作『テルマエ・ロマエ』。現在開幕中の第37回トロント国際映画祭にてガラプレミアでの上映が9月8日(現地時間)に行われ、本作で主演の阿部寛を始め、共演の上戸彩、原作者のヤマザキマリがレッドカーペットに登場した。古代ローマの浴場設計技師・ルシウスが現代の日本へとタイムスリップし、日本の風呂文化の利点をローマのために取り入れていく姿を独特のユーモアを交えて描き出す本作。日本での大ヒット、本場・イタリアでの好評、さらにカンヌマーケットでのフィルムバイヤーからの口コミを聞きつけたトロント映画祭側からのオファーにより、今回の正式招待が実現した。この日行われたレッドカーペットイベントには、約30メートルの赤い絨毯に沿って世界各国から大勢のマスコミ陣や海外の映画ファンたちで埋め尽くされ、阿部さんらが車から降り立つと大歓声が!2人はサインやインタビューに応じながら、30分かけてレッドカーペットを歩いた。その後、行われた上映前の舞台挨拶では阿部さんが全編英語によるスピーチを披露し、現地メディアを驚かせた。今回、映画祭に参加した感想を2人に聞いてみると、「レッドカーペットでは、前後にロバート・デ・ニーロやジュード・ロウが歩くと聞いてとても興奮しましたが、ゆっくり時間をかけて歩き、楽しむことができました。上映時はまるで初めての作品を観ているのかと錯覚するくらい新しい反応がたくさんあり、北米の方々にも大いに笑っていただけました」(阿部さん)、「日本の俳優として初めてトロント国際映画祭のレッドカーペットを歩かせていだき、とても光栄に思います。作品が受け入れていただけるかすごく心配していたのですが、同じ客席で観ていて今までで一番反応が良かったので、とても嬉しかったです」(上戸さん)と、共に海外映画祭での満足のいく手ごたえに思わず笑みがこぼれていた。原作本の国内発行部数も5巻で800万部を突破し、海外からは引きも切らずに上映オファーが殺到したりと、“テルマエ旋風”はまだまだ世界を巻き込みながら勢力拡大中(?)のようだ。『テルマエ・ロマエ』は、全国東宝系にて公開中。■関連作品:テルマエ・ロマエ 2012年4月28日より全国東宝系にて公開© 2012「テルマエ・ロマエ」製作委員会
2012年09月11日第69回ヴェネツィア国際映画祭が8日(現地時間)に閉幕し、コンペティション部門作品賞にあたる金獅子賞は韓国のキム・ギドク監督『Pieta』(原題)が受賞した。韓国映画の金獅子賞受賞は史上初。ギドク監督は受賞スピーチの代わりに「アリラン」を熱唱した。銀獅子賞(監督賞)を受賞したのは『The Master』(原題)のポール・トーマス・アンダーソン監督。サイエントロジーの創始者であるロン・L・ハバードをモデルに、とある新興宗教団体のリーダーと第二次世界大戦から復員後に信者となった男の物語。リーダーを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンと、やがて主人公の右腕となる男を演じたホアキン・フェニックスは共に優秀男優賞を受賞した。アンダーソン監督とフェニックスは既にトロント国際映画祭に向かった後だったが、ホフマンは単身ヴェネツィアに戻り、空港から直接会場入りして賞を受け取った。実はその後、コンペティション部門の審査委員長マイケル・マン監督が賞を渡し間違えるハプニングが発生。場内アナウンスがイタリア語だったために混乱したようで、審査員特別賞を授賞すべきところで、マン監督が発表したのは銀獅子賞受賞者、『The Master』のポール・トーマス・アンダーソン監督の名前。だが、アンダーソン監督に代わって再登壇したフィリップ・シーモア・ホフマンは何の疑いも持たずに審査員特別賞の楯を受け取った。この時点で一部の審査員や会場の観客は異変に気づいたが、マン監督は次の賞の授与をする際、銀のライオン像が用意されているのを見て、ようやく間違いに気づいたという。そこでホフマンは三度壇上へと呼ばれ、審査員特別賞の受賞者、『Paradise:Faith』(英題)のオーストリアのウルリヒ・ザイドル監督と、楯と銀獅子像を交換した。優秀女優賞はイスラエルの『Fill the Void』(英題)のハダス・ヤロン、マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)はマルコ・ベロッキオ監督の『Dormant Beauty』(英題)と『E Stato Il Figlio』(原題)の2作に出演したファブリッツォ・ファルコが受賞。優秀脚本賞は、現在『カルロス』が日本でも公開中のオリヴィエ・アサイヤス監督の新作『Apres mai』(原題)が受賞した。オリゾンティ部門の最優秀作品賞、オリゾンティ賞は中国のワン・ビン監督の『Three Sisters』(英題)が受賞。日本からの出品したコンペティション部門の『アウトレイジ ビヨンド』(北野武監督)、オリゾンティ部門の『千年の愉楽』(若松孝二監督)は惜しくも受賞は逃した。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会千年の愉楽 2012年秋、全国にて公開
2012年09月10日トロント映画祭が、現地時間6日に開幕した。今年の開幕作品は、『LOOPER/ルーパー』。ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ブルース・ウィリス、ライアン・ジョンソン監督が、会見で映画への思いを語った。その他の情報本作の舞台となる近未来では、30年後の世界から送り込まれる人間を殺す通称“ルーパー”たちがいた。だが、ある時、すご腕“ルーパー”のジョーが直面した男は、30年後から送られてきた自分だった―。“今”のジョーを演じるのはゴードン=レヴィット。彼の30年後を演じるのはウィリス。ジョンソン監督は、『BRICK〈ブリック〉』に出演したゴードン=レヴィットに早くからこの構想を話しており、彼をイメージしてジョーというキャラクターを書いたと会見で明らかにした。「当時、僕は、フィリップ・K・ディックにはまっていて、彼の作品を連続して読んでいたんだ。短編として書き始めたけど、次第にアイデアが広がっていったのさ」。未来のジョー役をオファーされたウィリスは、「脚本があまりに賢くて、読み終えた直後に、僕はこれに出ると宣言していたよ」とコメント。もし、実際に過去の自分に直面することができたらどんなアドバイスをするかと聞かれると、人生というものはほんの先のことすらわからないものだと指摘した上で、「何事も真剣に取りすぎるなと言うね」と語った。トロント映画祭は現地時間16日まで。『LOOPER/ルーパー』は1月12日(土)日本公開予定。『LOOPER/ルーパー』2013年1月12日(土)日本公開予定取材・文・写真:猿渡由紀
2012年09月07日佐藤健主演で和月伸宏の大ベストセラーコミックを実写映画化した『るろうに剣心』。夏休みが明けても勢い衰えず大ヒット記録更新中の本作が、このほど10月4日(木)より開幕する第17回釜山国際映画祭の招待作品枠「オープンシネマ」で上映されることが決定した。「週刊少年ジャンプ」で連載されて以来、いまなお多くのファンを熱くさせる人気漫画の待望の実写化。佐藤さん扮するかつて“人斬り”として歴史の闇で暗躍した男・緋村剣心が、明治の時代の幕開けで「不殺(ころさず)」を誓い、新しい世を生き抜く姿を描く。公開12日間(9月5日時点)で観客動員数132万4,560人、興行収入16億円超と、驚異的なスピードで快進撃を続けている本作。既に公開前からYouTubeにアップされた予告編が世界各国で話題を集め、64か国以上での公開も決定するなど、世界規模で熱狂の渦を巻き起こしている。その世界公開に先駆けて今回、アジア屈指の映画の祭典、第17回釜山国際映画祭から上映オファーがあり、5日(金)から始まるプログラム「オープンシネマ」での招待作品として、海外初のお披露目がなされる運びとなった。さらに、これに合わせて主演の佐藤さんと大友啓史監督の参戦も決定!4日のオープニングセレモニーでのレッドカーペット、5日に行われる上映会での舞台挨拶に出席する予定である。果たして、初の海外映画祭での反応やいかに?『るろうに剣心』は全国にて公開中。■関連作品:第17回釜山国際映画祭 [映画祭] 2012年10月4日から10月13日まで韓国・釜山にて開催るろうに剣心 2012年8月25日より全国にて公開© 和月伸宏/集英社© 2012「るろうに剣心」製作委員会
2012年09月06日現在開幕中の第69回ベネチア国際映画祭で日本から唯一のコンペティション部門正式出品を果たした『アウトレイジ ビヨンド』を引っさげ、北野武監督が単身現地入り!9月3日(現地時間)の記者会見、さらに夕方に行われたレッドカーペット・イベントに出席し、海外ファンたちからの歓声に応えた。前作『アウトレイジ』で描かれた、関東最大の暴力団組織・山王会の抗争から5年後。一度は決着がついたはずだったが、ヤクザ壊滅を図る警察が動き始め、“死んだはずの男”大友(ビートたけし)は利用される羽目に。騙し合いと裏切りの火種がまたもやくすぶり始め、関東勢VS関西勢(花菱会)の巨大な抗争へと発展していく――。世界各国の報道陣が集まった記者会見では、やはり震災後に撮られた作品とあってその影響についての質問が飛び交ったが、「震災でたしかに映画の撮影は一年延びた。震災後の一年間は、逆に自分は怒りを感じている部分があった。世の中、絆とか愛とか表面的なものばかりでイライラした。こういうときこそヤクザ映画を撮ってやろうとやる気が起きた」と相変わらずの毒の効いたコメントで返した北野監督。さらに、本作は“観客”のために作ったものだとも明かし、「暴力描写を褒めてくれるマニアックな人々がいるのは嬉しいことだけれども、今回の映画はエンターテインメントだと割りきって自分なりのエンターテインメント性を追求した。そうすると、自分にとっては、家庭、女、女房、子供とかは排除する結果になり、馬鹿な男の話になった。その方が楽しんでもらえるかなと思った。けれども、いつでもお客さんの入らない映画を作る準備もしているよ(笑)」と冗談を交えるなど、衰えぬ“世界のキタノ”のインパクトを与える会見となった。さらに、夕方から行われたレッドカーペットでは、会場に「北野武映画の神様」と漢字で書いた横断幕をもつ熱狂的なファンの姿(写真上)も見られ、会見とは打って変わって北野監督は和やかな様子でファンから求められる握手やサインに応じていた。また、その後には本作の上映も行われ、「ブラボー!」という称賛の声と共に満席の会場では総立ちの観客から拍手喝采が贈られた。『アウトレイジビヨンド』は10月6日(土)より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ベネチアにて開催。授賞式は同日最終日に行われる。(photo:KAZUKO WAKAYAMA)■関連作品:アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会
2012年09月04日8月25日(土)の公開以来、82万人を超える動員数を記録している、高倉健6年ぶりの主演作『あなたへ』が現在開催中の第36回モントリオール世界映画祭のワールドコンペティション部門に正式出品され、高倉さんが18年ぶりに海外での映画祭で現地に赴いた。1994年の『四十七人の刺客』でヴェネチア映画祭に参加して以来の海外の映画祭への参加となる高倉さん。モントリオール映画祭では、盟友・降旗康男監督とタッグを組んだ傑作『鉄道員』で日本人俳優としては初の最優秀賞男優賞を受賞したが、実際に映画祭に参加するのは今回が初めてとなった。31日(現地時間)に現地入りした高倉さんは、「良い街ですね。一番良い季節に来ることができたので、とてもきれいで気持ちが良いですね。モントリオールに部屋を借りようという話もしていました」とリラックスした様子で、街を散策するなど、初めてのモントリオールを満喫してしていた。翌々日の2日に行われた公式会見には海外メディアなど約100人もの人々が集まり、「こんなに大勢の方がいらっしゃるとは思いませんでした。大変嬉しいです」と驚きを隠せない様子の高倉さん。前作『単騎、千里を走る』からなぜ6年も俳優業を休んでいたのか?という質問があがると、「Very difficult question.(難しい質問です)。いまはまだ分かりません。6年前に中国映画に出てから、自分の仕事の仕方を考え直していました。まだ結論は出ていません」と明かすや、今回の映画祭への出席の理由を「13年前に『鉄道員』で最優秀男優賞をいただいたので、どこかで御礼がしたかったことと、降旗監督が来れなくなったのでしぶしぶ来ました」と冗談を飛ばし、会場を沸かせた。また、同日に行われた公式上映では、エンドロール開始直後から拍手が沸き起こり、スタンディングオベーションが続いた。この光景を目にして涙を浮かべた高倉さんは、手を上げて観客に応え、自らも観客に声をかける姿に、さらに観客から盛大な拍手が送られた。会場を後にした高倉さんは、「泣いちゃったね。ふっと出てしまったよ。映画祭は良いものだね。何十年も役者をやってきても、こんな経験をするんですね。心に衝撃を受けました。映画にはそういう力があります」と感激しきりといった様子だった。海外プレスや一般観客からは「日本的な内面の感情表現がとても美しい」、「高倉健が81歳だなんて信じられません。これからも何本も作品に出てほしい」など作品や高倉さんの演技に対して高い評価を集めていた本作。受賞にも期待がかかる。『あなたへ』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会
2012年09月04日先日、大盛況のうちに幕を閉じた野外映画祭「星空の映画祭」。シネマカフェでは、今年初めてオフィシャル・メディアパートナーとして同映画祭を応援するため、映画祭史上初となる1泊2日のオフィシャルツアーを開催した。まだ知らないあなたのために、映画祭の見どころを映画祭を初体験した参加者の声を交えてご紹介!8月18日(土)・19日(日)の1泊2日にわたり敢行されたこちらのバスツアー。長野県諏訪湖周辺にある伊勢神宮と並ぶ名パワースポット・諏訪大社に参拝し、夕方に会場の原村に到着。素敵なご夫婦が夏限定で運営するペンションで、長野県産の野菜をふんだんに使った夕食で腹ごしらえをし、一同は映画祭へ!だが、野外で映画の上映が行われるこの日は午前中からまさかの豪雨…。すると諏訪大社のご利益か、夜になると夕方まで降り続いた雨がうそのように晴れあがり、会場へと向かう人々が夜空を見上げて歓喜する姿があちらこちらで見られた。この日上映されたのは、小栗旬と岡田将生主演で大ヒットを記録した『宇宙兄弟』。ばっちりと晴れあがった夜空の下で観る壮大な“宇宙”の物語とあって、この体験で感じた「ロマンチック度」を聞いてみると参加者の8割以上の人が、100点満点中「100点」以上をつけていた。今回このツアーに参加したメンバーは全員、同映画祭に参加するのはこれが初めて。特に恋人や夫婦での参加が目立っていたが、「大切な人とロマンチックな時間は過ごせましたか?」という質問には、参加者全員が「はい」と回答。さらに、「とにかく良かった!星空が一面に広がっていて感動しました」(20代・女性)、「(上映作品の)画面が暗くなったときや、空のシーンになったとき、森や空との一体感を味わえ、そのときの星がとてもキレイ!大自然の中で笑ったり泣いたり、感情を共有できるところがいい」(20代・女性)と、満点の星空の下で観る映画に大感激だった様子がうかがえる。そのほかにも「映画も星空も、東京でもいつでも見れるものですが、同じものでも美しさや自然の中で感じるそれらは、いつもよりもすごくすごく素敵でした!」(20代・女性)、「本当に最高のシチュエーションです!!自分を見直すきっかけにもなりました」(20代・男性)と、“非日常”の体験に興奮する声も。さらに、「(山の上は)ちょっと肌寒いので、つい隣の人とくっつきたくなる(笑)」と同行者との急接近も期待できる効果も(?)。標高1,300メートルの山上での開催とあって、真夏にも関わらず参加者同士が熱々のコーヒーを手に身を寄せ合う微笑ましい姿も見られた。例年に比べて動員数が大幅に増加し、当初予定していた人数を大きく上回り4,000人超が参加する大盛況となった今年の「星空の映画祭」。この隠れた名スポットに、来年こそはあなたもぜひ参加してみては?特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」「星空の映画祭」公式サイト■関連作品:宇宙兄弟 2012年5月5日より全国東宝系にて公開© 2012「宇宙兄弟」製作委員会
2012年08月31日10月5日(金)~7日(日)の3日間、東日本大震災で被災した宮城県三陸で、第1回「三陸映画祭in気仙沼」を開催。約40作品が無料で上映される。その他の写真会場は、気仙沼から南気仙沼にいたる中心部や、米軍によるトモダチ作戦の拠点となった大島の大小12の建物。震災後、避難所にもなっていた気仙沼市民会館をメイン会場に、気仙沼市最古のお茶屋さん・齋藤茶舗や、もともと鼎座というシアターでもあったリアスシャークミュージアムなど、大小さまざまな既存の建物が映画館として利用される。上映作品は、気仙沼市民を対象に実施されたアンケートなどからも作品が選考され、親子でも楽しめるように、アニメなどの子ども向けの映画の上映も計画されている。さらに、映画祭開催期間中は堤監督をはじめとする映画関係者によるトークショーなどのイベントや、地元の漁師や商工会議所などの協力で、カツオやマグロなどの名産物を楽しめる屋台も展開される予定。なお、映画祭の実行委員会はソーシャルファンディング・WESYM(ウィシム)で映画祭運営資金の支援を求めており、支援参加者にはTシャツやトークショー招待などのプレゼントが用意されているという。被災地で大規模な映画祭が実施されるのは、今回が初の試み。いまだ前例がない本イベントに、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。三陸映画祭in気仙沼10月5日(金)~7日(日)
2012年08月31日「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2012」が9月14日(金)から23日(日)までTジョイ・博多ほかで開催される。同映画祭は、アジアの玄関口・福岡で、アジアとの交流の輪をさらに深めるために開催される「アジアマンス」の主要事業のひとつとして1991年にスタート。上映作品は、映画祭ディレクターが事務局スタッフとともに実際にアジア各地に足を運び、現地調査を実施し選定。本映画祭ではアジア各地から参加するゲストや、地元の留学生が鑑賞できるように、日本語のみならず英語字幕も付けられる(一部作品を除く)。このため、本映画祭で上映した作品が話題となり、世界各地にフィルムが貸し出されて高い評価を得るなど、情報発信の役割も果たしてきた。また、監督や主演俳優等をゲストとして招待し、会場での舞台挨拶や上映後のQ&A、シンポジウムなども行なうなど市民との交流も図っている。今回も、Tジョイ・博多をメイン会場にトルコ、インド、スリランカ、パキスタン、バングラデシュ、タイ、中国、韓国など、様々なアジアの国の映画を上映。国内ではなかなか観ることのできない貴重な作品が揃う。また今年は、映画祭初の試みとして、9月14日(金)17時から福岡市役所前広場でオープニングセレモニー&野外上映も開催(無料・要応募)。オープニングの上映作品は、昨年のメガヒット・韓国コメディ『ダンシング・クイーン』。映画祭のゲストが多数登場するレッドカーペットも行なわれる予定だ。オープニングセレモニー参加の応募は、アジアフォーカス・福岡映画祭公式HP()まで。(9月2日(日)締切)。映画祭のチケットは現在発売中。(※一般上映は9月15日(土)より)。
2012年08月30日まいまい京都実行委員会は9月1日~12月9日、京都市内周辺全125コースで、まち歩きイベント「まいまい京都2012秋」を開催する。うろうろするという京言葉「まいまい」を冠した「まいまい京都2012秋」は、地元住民がガイドをする、京都の街歩きイベント。老舗店主、主婦、お坊さん、京町家大工の棟梁(とうりょう)、きのこライター、お風呂屋マニア、占い師、妖怪の子孫、植物園名誉園長など、バラエティーに富んだ総勢60人以上がガイドになって、各1.5~3.0kmに設定された街歩きコースを、少人数で堪能するという興味深い企画だ。このイベントは、2011年春よりスタート。この秋で6度目の開催となる。2012年春のイベントでの予約率は110%と大きな反響を呼び、京都府以外にも九州から北海道まで、のべ1,205名が参加した。今回は、街歩きコースとして新たに66コースを追加。京都の街の魅力を再発見できる企画を多数用意する。実行委員会では、「すでに何度も京都を訪れている旅のベテランにとっても、京都が初めての人にとっても、地元住民によるガイドならではの発見と驚きと感動がたくさん待っているはず」としている。参加費は1,500円から。各コース6名~15名で開催され、参加には予約が必要。なお、先着順なので早めの予約が望ましい。全125コースの概要やイベントの詳細は、「まいまい京都」で確認を。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月30日三浦春馬主演の『東京公園』で第64回ロカルノ国際映画祭・金豹賞(グランプリ)と審査員特別賞を受賞するなど国内外から圧倒的な支持を得る青山真治監督が、田中慎弥の芥川賞受賞作品「共喰い」を映画化することが決定した。原作は、芥川賞受賞会見での「もらっといてやる」発言が物議を醸した作家・田中慎弥の同名小説。昭和63年を舞台に、父とその愛人と暮らす高校2年生の遠馬を主人公に、人間の性と暴力を描き出す。主演の遠馬役に、史上最年少の「仮面ライダー」としてデビューし、現在TBSドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所~」に出演するなど、いまジワジワと注目度が高まっている若手俳優・菅田将暉。さらにヒロイン・千種を新鋭・木下美咲、父親の愛人役に篠原友希子、乱暴な父親を日本映画界に欠かすことのできない名バイプレ―ヤ―・光石研、実母役に圧倒的な存在感を持つ実力派女優・田中裕子を迎えての映画化となる本作。今回の映画化に際し、原作者の田中さんは「決して万人受けするストーリーではないと思いますが、そのように限定された世界が映画によってどのように広がってゆくのか、原作者として、読者として、観客として、楽しみにしています」と喜びを露にしたかと思えば、「小説の『共喰い』こそが一番だと私は思っています。映画に携わる人たちは、『共喰い』は映画のための物語じゃないか、と考えていることでしょう。勝負です」と挑戦的なコメント。青山監督も「原作が田中氏にしか書けない小説だったように、本作も自分にしか作れない映画になってほしい。こんなことを願うのは久しぶりです」と田中さんからの挑戦状を喜んで受けて立つといった様子。そして主演を務める菅田さんからは「いままでの菅田将暉を知ってくださってる方には想像もつかない、イメージがガラッと変わる作品になると予感していますが、こういった濃厚で生々しい世界観を持つ作品への挑戦が役者として、男として深さをもたらしてくれる転機だと信じ、命を懸けて遠馬を演じたいと思います」と気合十分のコメントが寄せられた。いまなお故郷・山口県下関にこだわり、創作を続けている田中さん。また下関と関門海峡を挟んで対岸に位置する福岡の北九州市門司出身の青山監督も北九州を舞台にした『Helpless』、『EUREKA ユリイカ』、『サッドヴァケイション』の“北九州サーガ3部作”を完成させ、本作も北九州での撮影を敢行。9月にクランクインし、来年夏に公開予定とのことだが、2人の共通点といえる土着的な世界観の中でどのような作品に仕上るのか楽しみに待ちたい。『共喰い』は2013年夏、新宿ピカデリーほか全国にて公開■関連作品:共喰い 2013年夏、新宿ピカデリーほか全国にて公開
2012年08月29日ニコール・キッドマンが、今秋開催される第50回ニューヨーク映画祭で表彰されることが決まった。女優として30年近いキャリアを誇るニコールは、10月3日(現地時間)に開催予定の同映画祭で表彰を受ける。映画祭のディレクターを務めるリチャード・ピーナ氏は「ニコール・キッドマンは現代映画界で最も優れた女優のひとりです。『誘う女』での驚くべき演技に始まり、ラース・フォン・トリアー監督の『ドッグヴィル』、スタンリー・キューブリック監督の遺作『アイズ ワイド シャット』、ヴァージニア・ウルフに扮してアカデミー主演女優賞を受賞した『めぐりあう時間たち』などなど、ニコールは多くの作品の中で複雑で大胆な難役ばかりをこなしてきました。我々としてもニューヨーク映画祭でニコールを表彰できるなんて本当に興奮しています」と賛辞を捧げた。さらに同映画祭では、ザック・エフロンやマシュー・マコノヒーらと共演したニコールの最新作『The Paperboy』(原題)が特別上映される予定。今年で45歳となるニコールは先述の作品以外にも『ムーラン・ルージュ』など数多くのヒット作に出演しており、アカデミー賞だけでなくゴールデン・グローブ賞でも3度の受賞に輝いている。■関連作品:The Paperboy (原題)
2012年08月24日株式会社ドリームキッドは8月24日、都内で会見を行い、ビバリーヒルズ映画祭(BHFF)と提携し、来年3月に日本で「ビバリーヒルズ映画祭ジャパン(BHFF Japan)」を開催すると発表した。その他の写真世界市場を視野に、今後の映画界を支える人材の発掘とサポートを目的とし、今年で12回を数えるビバリーヒルズ映画祭。ショーケースとしても近年、注目度が高まる同映画祭の新たな日本部門として、「ビバリーヒルズ映画祭ジャパン(BHFF Japan)」の開催が決定した。会見にはBHFF JapanのCEOを務める大和田廣樹氏(株式会社ドリームキッドプロデューサー/代表取締役社長)、米BHFFの創設者でフェスティバル・ディレクターのニノ・シモーネ氏、ハリウッドで活躍するプロデューサーのフレデリコ・ラペンダ氏が出席した。大和田氏は国内外で映画プロデュースを行った実績から「映画祭の特徴は、日本とビバリーヒルズの2拠点で展開し、(日本映画を)アメリカに送り込むことを主眼にしている点」と説明。ハリウッドへの作品配給を継続的に行いたいと抱負を語った。また、シモーネ氏は「BHFF Japanがハリウッドと東京の橋渡しになれば」と期待を寄せた。BHFF Japanでは長編、アニメ長編、短編(アニメ含む)、ドキュメンタリーの4部門で作品を募集し、各部門5作品、計20作品をノミネート作品として選出し来年3月上旬に行う映画祭で上映。また、各部門でグランプリに輝いた4作品は、来年4月の“本家” BHFFでも上映され、そのうち1本をファイナルグランプリ作品として、BHFFの外国映画部門に出品することになっている。ラペンダ氏は過去に『Bad Guys』(原題/2008)というプロデュース作でBHFFの作品賞を受賞しており「土地柄、BHFFに出品されることで、作品が近隣にある多くのメジャースタジオの目に触れる機会を得ます。映画祭がある種のプラットホームとして、若い映画人の人生を大きく変えるのであれば幸い」と日本のクリエーターにエールをおくった。応募期間、条件など作品エントリーの詳細はBHFF Japan公式サイト(近日オープン)で発表される。
2012年08月24日新しい映画のショーケースの場、グローバルに活躍する映画製作・配給会社のVIPたちとクリエイターとを結ぶ場として、毎年2万人以上の人々が集う国際映画祭「ビバリーヒルズ映画祭(以下BHFF)」。2013年に13回目を迎える同映画祭に新たに日本部門が開設されることが決定!さらに来年4月に開催されるBHFFに先駆けて、2013年3月、日本にて「ビバリーヒルズ映画祭ジャパン(以下BHFFジャパン)」が開催される運びとなり、8月24日(金)、都内でBHFFジャパンの代表を務める大和田廣樹を始め、BHFFジャパン・チェアマンのフレデリコ・ラペンダ、米BHFFファウンダー兼フェスティバル・ディレクターであるニノ・シモーヌが登壇し、記者会見を行った。新しい才能を発掘すべく、回を重ねるごとに参加者が増えているBHFF。ここに日本部門が開設されるということは、日本の新たな才能が世界へと羽ばたく機会がさらに増えるということ。このことについて、「日本ではいままでも素晴らしいフィルムメイカーを輩出してきました。若いフィルムメイカーたちの夢を叶えられるように全力を尽くしたいと思います」(ラペンダ氏)、「アートには様々な形があるが、そういうものを全て混ぜ合わせて素敵なマジックを作っていきたい」(シモーヌ氏)、「アメリカに新人俳優、監督をどんどん輩出していきたい」と各々の口から、さらなる才能の発掘への意欲が語られた。日本で開催されるBHFFジャパンは長編、アニメ長編、短編(アニメ含む)、ドキュメンタリーの4部門で構成される。ノミネーション作品として選出された各部門5作品、計20作品が同映画祭にて特集上映され、その中から選ばれたファイナルグランプリ1作品が本家のコンペティション部門に正式出品されることとなる。インディペンデントで活動するフィルムメイカーにとって、世界に自分の表現を披露するまたとないチャンスとなる。ハリウッドで活躍するプロデューサーであり、自身も『Bad Guys』(原題)で同映画祭のベストピクチャー賞を受賞した経験のあるラペンダ氏は、受賞後に得た資金で製作したパメラ・アンダーソン主演の映画『Blonde&Blonder』(原題)が都内の街でDVDとなって販売されていたのを目にしたそうで、「BHFFのようなフェスティバルが日本の若いフィルムメイカーの人生、未来を変えられるのでは」と自身の経験の喜びと共に本映画祭に希望を託した。イベントの最後には、ミス・ユニバース・ジャパンとファイナリストたちで結成された演劇ユニット「スポンタニアス」の宮崎京、渡邉小百合、塚本茉莉子、モデルのMiyuとMIZUKIも応援に駆けつけ、和やかなムードの中、記者会見は幕を閉じた。「BHFF」公式サイト(英語):「BHFFJapan」公式サイト(日本語):
2012年08月24日ベン・アフレックが監督と主演を務める『アルゴ』が、現地時間9月6日(木)からカナダで開催されるトロント映画祭でワールドプレミア上映されることが決定した。その他の写真『アルゴ』は、1979年にイランのアメリカ大使館で起きた人質事件に対して、CIAが仕掛けた“前代未聞の救出作戦”の一部始終を実話を基に描いた作品。アフレックのほか、アラン・アーキン、ブライアン・クランストン、ジョン・グッドマンらが出演し、ジョージ・クルーニーがプロデューサーを務めている。映画祭での上映は、現地時間9月7日(金)を予定しており、アフレック監督、アーキン、グッドマンらキャストと製作陣がレッドカーペットに登壇する予定。さらに本作でアフレックが演じたCIAエージェントのモデルになったトニー・メンデス氏の登場も予定されている。トロント映画祭にはコンペティション部門がないが、過去に『アメリカン・ビューティー』や『スラムドッグ$ミリオネア』『英国王のスピーチ』が観客賞を受賞し、その後にアカデミー作品賞・監督賞を受賞しており、近年、監督としての評価が高まっているアフレックと、彼の最新作『アルゴ』がトロントでどのような評価を集めるのか気になるところだ。『アルゴ』10月26日(金)丸の内ピカデリーほか全国公開
2012年08月22日9月6日(現地時間)から開催となる第37回トロント国際映画祭からさらなる吉報!日本映画界を牽引する奇才、内田けんじ監督最新作『鍵泥棒のメソッド』がこのほど同映画祭の「コンテンポラリー・ワールド・シネマ」部門に正式出品されることが決定した。劇場デビュー作『運命じゃない人』が第58回カンヌ映画祭で喝采を浴び、世界にその名を知らしめた内田監督。騙し騙される仕掛けたっぷりのオリジナル・ストーリーと軽妙な人情劇を生み出す、類まれなる才能は国内はもとより世界各国で知られるところ。今回出品されるのは「世界的な視野と注目すべきストーリー性を持つ作品」を選出する部門であり、本年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した『別離』が出品された部門でもある。昨日発表されたタナダユキ監督の最新作『ふがいない僕は空を見た』と同部門での出品となる。既に上海映画祭で最優秀脚本賞を受賞している本作は、トロント国際映画祭以外にもマレーシア日本映画祭のオープニング上映を始め、香港国際映画祭、バンクーバー国際映画祭、ハワイ国際映画祭、シドニー・メルボルン日本映画祭、フランス・パリのKINOTAYO映画祭など12を超える世界中の映画祭からオファーが殺到している注目作。「考え抜かれ、完璧に練られた構成の素晴らしい脚本」というジョバンナ・フルヴィ氏(トロント映画祭プログラマー)の太鼓判に加えて、映画評論家であり、数々の映画祭のプログラマーを務め、三池崇史や北野武など日本の監督を広く世界へ紹介したことで知られるトニー・レインズ氏からも「自分が作り出した登場人物たちをここまで愛せる監督は内田けんじ以外にいないし、それはとても素晴らしいこと。彼は複雑なプロットと鋭さの中に、登場人物たちをユーモアたっぷりに融合させ、エンターテインメント性の高い映画を作り出す。内田さんは、現代で最も先端を行く監督のうちの1人。いま一番、注目しています」と監督冥利に尽きる最大の賛辞が寄せられている。『鍵泥棒のメソッド』は9月15日(土)よりシネクイントほか全国にて公開。■関連作品:第37回トロント国際映画祭 [映画祭] 2012年9月6日から2012年9月16日までカナダ・トロントにて開催鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年08月15日今年で20回目を迎える子供たちのための映画祭「キンダー・フィルム・フェスティバル」が8月15日(水)に東京・調布のグリーンホールで開幕。映画祭チェアパーソンを務める女優の戸田恵子を始め、広報宣伝大使の中山秀征と内田恭子、さらに応援ゲストのルー大柴らが来場。洋画を上映し声優陣がその場で吹き替えを行なう“ライヴ吹替え”を披露し会場を盛り上げた。ベルリン国際映画祭の児童映画部門「キンダー・フィルムフェスト・ベルリン」の協力を得て1992年に始まった本映画祭。映画の上映のみならず、イベントの司会進行や審査員も含め多くの子どもたちが参加して行われており、この日も会場には小さな子供たちが大勢訪れた。戸田さんは「今年もベルリンに行って、たくさんの映画を観て、こども映画に関わる方々や監督とお話しして来ました。世界には素晴らしい作品がいっぱいありますが、それを紹介できる唯一のフェスティバルです」と胸を張る。さらに保護者に対しても「お子さんだけでは会場に来れません。たくさんのお子さんを誘ってぜひ来年と言わず明日もお越しいただければ」と呼びかけた。中山さんと内田さんは作品の選定にも携わった。中山さんは「20~30作品の中から選ばせていただきましたが、観れば観るほど選ぶのが難しくなる。中でもかわいらしい作品、言葉が分からなくても楽しんでもらえる作品を選びました」と語る。一方の内田さんは「愛おしく切ないけど希望を忘れない作品、大人でもウルッと来る作品を選ばせてもらいました」と明かした。続いて登場したルーさんは、会場を埋め尽くす観客にビックリしたようで「すごいお客様ですね!毎年、だんだん盛り上がってグレードアップして嬉しい。何本かをウォッチしましたがティアー(涙)が出てきました」と得意の(?)英語まじりに興奮を語っていた。この日はオーストラリアのマシュー・ムーア監督による13分の短編作品『ジュリアン』のライヴ吹替えに戸田さん、中山さん、内田さん、ルーさんが挑戦。ベルリンでクリスタルベア賞を受賞した佳作の内容はもちろん、めったに体験できない生の吹き替えに客席からは大きな拍手が送られ、客席には子供たちの笑い声が響いた。上映後には、この日のために来日したムーア監督とタイトルロールのジュリアンを演じたエドくんも登場。ライブ吹替えを鑑賞したエドくんは「オリジナルの声とまた全然違ってビックリしたけど面白かったです」と笑顔を見せていた。映画祭は5日間にわたって開催。子供の年齢にあわせた様々な作品の上映に加え、期間中はバルーンアートや大道芸人によるショー、海外アーティストによる限定ワークショップなども開催される。「子どもたちの世界映画祭 20thAnniversary キンダー・フィルム・フェステバル」期間:8月19日(日)まで開催会場:調布グリーンホール(東京・調布)公式サイト:特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:小さなバイキングビッケ ビッケと神々の秘宝© 2011-Constantin Films
2012年08月15日堺雅人が主演する内田けんじ監督の新作『鍵泥棒のメソッド』が、現地時間の9月6日(木)から開催されるトロント映画祭のコンテンポラリー・ワールドシネマ部門で上映されることが決定した。その他の写真『鍵泥棒のメソッド』は、貧乏役者・桜井(堺)が、転倒して記憶を失った伝説の殺し屋・コンドウ(香川照之)になりすましたことで、ある事件に巻き込まれていく姿を描いた作品。内田監督ならではの先の読めない展開と絶妙な笑いを盛り込んだ本作は、“世界的な視野と注目すべきストーリー性を持つ作品”をセレクションする本部門に選ばれた。トロント映画祭のプログラマー、ジョバンナ・フルヴィ氏は、「独特のキャラクタ-設定と、予想不可能な話が交差する展開は、現在の日本映画の素晴らしさを象徴しているようだ。俳優たちも素晴らしく、面白いだけでなく同時に感情に訴える演技をみせてくれる」と絶賛。また、映画評論家であり、数々の映画祭のプログラマーを務め、三池崇史や北野武など日本の監督を広く世界へ紹介したことで知られるトニー・レインズ氏も、「内田監督は複雑なプロットと鋭さの中に、登場人物たちをユーモアたっぷりに融合させ、エンターテインメント性の高い映画を作り出す。彼は、現代で最も先端を行く監督のうちのひとり。今一番、注目している」とコメントを寄せている。今年の上海映画祭では最優秀脚本賞を受賞した本作。既に、香港国際映画祭、バンクーバー国際映画祭など12を超える映画祭からオファーがきている。『鍵泥棒のメソッド』9月15日(土)よりシネクイント他 全国ロードショー
2012年08月15日新潟県越後妻有地区で行われているのが、3年に一度の国際的芸術祭である「大地の芸術祭アートトリエンナーレ2012」だ。「人間は自然に内包される」というコンセプトのもと、現代社会の効率化、合理化により環境破壊を引き起こすパラダイムをシフトする契機としようというものだ。そのため、「非効率」を徹底。360近い作品を6地域、200集落、約760平方キロメートルという広大な地域に点在させている。芸術作品を鑑賞するとともに、越後妻有地区の自然豊かな里山の美しさにもふれることができる。作品の配置場所である6つの地域にはそれぞれ特色がある。まずは、織物と農業の町、十日町エリアには越後妻有里山現代美術館「キナーレ」がある。「絵本と木の実の美術館」は廃校になった校舎を修復した美術館だ。次に、稲作を中心とした地域である川西エリアには光のアーティスト、ジェームズ・タレルの作品世界を体感できる「光の館」がある。また、ナカゴグリーンパークには芸術祭の作品はもちろん、パターゴルフも楽しむことができる。さらに、縄文時代中期の火炎型土器が出土したことで有名な沖の原遺跡がある津南エリアには、蔡國強(中国)や金九漢(韓国)、クイビーン・オフラハラ(アイルランド)の作品群が展示されている。日本三大渓谷のひとつ、「清津峡」がある中里エリアにはフィンランドの芸術家グループの手による「ポチョムキン」と名付けられた美しい公園がある。稲作が主体の松代エリアのみどころは、築150年の古民家にのべ3,000人が2年半をかけて彫刻を施した「脱皮する家」や、屋内外に約40のアート作品が点在する「農舞台」がある。山菜やきのこなどの特産品、また、松之山温泉で知られる松之山エリアには、豪農の古民家と庭を博物館にした村山家旧宅があり、芸術祭の展示のほかに小説家坂口安吾の遺品も展示されている。期間は7月29日から9月17日まで。作品鑑賞パスポートは一般3,500円、高・専・大学生3,000円。中学生以下無料。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年08月08日