岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「バンドマンボーカル飲み会」です。前回、岡崎体育の自主企画イベント「TECHNIQUE」に出演してもらうアーティストを紹介しましたが、そこでMy Hair is Badのボーカル、椎木(知仁)くんとは“バンドマンボーカル飲み会”で出会ったと書きました。「ん?そんな飲み会があるの?」と気になった読者の方、きっといますよね?実はバンドマンたちは、ギターだけで集まる、ドラムだけで集まるみたいな飲み会を結構しているんです。今回、僕が呼んでいただいたのはラウド系の人たちが集まるバンドマンボーカル飲み会です。僕はバンドでもボーカルでもないソロアーティストなのですが……、なぜかボーカル枠に認めてもらえたので参加させていただきました。その飲み会には15~16人くらいが参加していたのかな?いろんなバンドのボーカルの方たちがいて、僕が知っている有名なバンドの方などもいらして、とても楽しかったです。バンド同士って親交を深めるタイミングが意外と少ないんです。フェスとかライブで顔を合わせますが、挨拶だけして終わったりだとか。なので、いろんな方と会えただけでもすごくうれしかったですね。飲み会で話すことは……。まあ、一言で言えばさまざまなぶっちゃけ話ですよね。ミュージシャンのお金事情の話、裏でコイツこんなこと言ってた話、フェスの運営の仕方についてなど……、興味深い話ばかりです。このときは僕とマイヘアの椎木くんがいちばんの若手だったので、いろんな話題が出たのですが、話についていくので精一杯。僕たちが話を広げるということは基本なくて……。でも最後にある先輩が「なあ、岡ちゃんどう思う?」と振ってくれるので、そこでズバッと一言オチを言って、みんなで「そうだよな、ガハハ!」みたいな感じ。海賊たちみたいな豪快で気持ちいい飲み会でした。みなさんバンドマンでない僕にも優しくて「岡ちゃんはどんな感じなの?」「なんでバンドじゃなくて一人でやろうと思ったの?」などと掘り下げようとしてくれて、うれしかったです。バンドマンじゃないけど仲間に入れてあげよう、一員と認めてあげようと思って気を使ってくださったのが本当に居心地よかったので、またバンドマンボーカル飲み会に参加させていただきたいです。でも基本ずっと家にいるミュージシャンなので主催は難しそうです。声をかけてもらえたらうれしいです…!おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4は、7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6は7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年7月12日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年07月08日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「TECHNIQUE Vol.3~6」です。約2年4か月ぶりに岡崎体育の自主企画イベントである「TECHNIQUE」を東京と地元・京都で2回ずつ計4回、開催します。この企画では僕がすごいテクニックを持っていると思うアーティストたちに出演を依頼しています。毎回、1アーティスト。なので今回は計4組のアーティストに出演いただきます。せっかくなのでここで紹介させていただければと思います。まず初日がGirls2。彼女たちとは僕がレギュラー出演している『おはスタ』のおはガールとして出会いました。番組で踊ってもらうコーナーがあり、そこで彼女たちのダンスに触れて「これは只者ではない!」と感動しました。それからライブも拝見して彼女たちの魅力に引き込まれました。岡崎体育ファンにもプロフェッショナルな彼女たちのステージをぜひ堪能してほしい。次はMy Hair is Bad。彼らは新潟・上越市出身の3人組ロックバンド。どこにも属してない本当に自分たちのロックを追求するバンドです。ベースのバヤくん(山本大樹)はゲーム仲間。でもそれがきっかけではなく…。それとは別に、バンドマンボーカル飲み会なるものがあり、なぜか僕も誘ってもらって。そこでボーカルの椎木(知仁)くんとおしゃべりする機会があり、彼がとても人懐こく素敵な人柄で、一瞬で「あ、好きー」となりました。その記憶が強く、いつか一緒にできたらと思うようになりました。僕とマイヘアは接点がそんなにないように見えるから、意外な組み合わせとどちらのファンも感じるのではと思います。だからこそ一緒のステージを楽しみにしてほしいです。一方、3日目の阿部真央は同い年で同志のような存在。あのボーカルテクニックはまさに「TECHNIQUE」に相応しい。僕は日本一のボーカリストだと思っているので、彼女の歌声をぜひ多くの人に聴いてもらいたい。業界で数少ない、僕がタメ口で話せる相手です。気心知れた二人のコラボも楽しみにしてほしいです。最後のLOSTAGEはデビュー前からお世話になっている先輩ロックバンド。奈良在住でメンバーそれぞれが奈良でお店を持っています。彼らの作る音楽が純粋に好きですし、人柄もすごくいい。この日に来てもらえたら素の僕がいちばん見られるんじゃないかなと。この日はコラボより僕が客席からステージを観たいくらいなんです。一人の音楽ファンとしてLOSTAGEのライブを楽しめたらと思ってます。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4は、7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6は、7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年7月5日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年07月01日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「新アー写」です。先日、アーティスト写真を新しいものにしました。2年ぶりくらいに変えました。これまでジェットコースターに乗ったり、モンゴルで馬に乗ったり、犬と一緒に撮影したり…。何かしら岡崎体育+αの要素を加えていましたが、今回は僕一人きりのスタジオ撮影です。ただ写真を見ていただければわかると思いますが僕が何かをかぶっています。ヌルヌルとしたものです。そうです、みなさんのご想像通り、今回ローションをかぶりました。なぜこのコンセプトにたどり着いたかというと、最初、TikTokで外国の方が、ツルツルのフローリングを滑りながら『VOGUE』みたいなポーズを決めているという動画があって、それを見て「めっちゃスタイリッシュや!僕もこれをやってみたい」と思ったんです。ポーズを決めてヌルヌルの床をツーッと滑る躍動感。それをMVで表現できたら…と思ったのですが、スタッフに相談したところ、「それはちょっと危ないし、床をヌルヌルさせていいセットを用意するのが難しい」と言われました。それならば、せめてアーティスト写真で表現ができないかと。ただ、動画なら奥から手前にツーッと滑る面白さを表現できそうですが、静止画だとどうでしょうか?伝わるかどうか微妙です。検討の結果、“床を滑る”という要素がなくなり、“ヌルヌル”だけが要素として残り、岡崎体育がローションをかぶるという話にまとまりました。当初の僕の思惑とはまあまあ違うことになりましたが、でもこれまでの人生でヌルヌルをかぶったことはないし、「なんだか面白そう」と思って話を進めました。撮影場所もあれこれ検討しましたが、ヌルヌルを受け入れてくれる場所があまりなく、結局スタジオでローションをかぶりました。撮影は一発勝負。僕が頭からかぶったローションを頭を振って振り払っている一瞬を切り取っていただきました。緊張感のあるワンシーンです。どうですか?この説明があってやっと、どうしてこのアー写にたどり着いたか理解していただけたのではないかと思います。あの写真を初めて見たファンのみなさんのとまどいをSNSなどで拝見して、正直これはミスったのか…?と思いました。でも、他にないアー写であることは間違いない。僕を知らない人もこれはなんだ?と、目にとまる一枚なのではないでしょうか。僕的にはとても満足しています!おかざきたいいくTVアニメ『マッシュ‐MASHLE‐』オープニングテーマの新曲「Knock Out」のシングルパッケージが好評発売中。7月には対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」を東京・京都で開催。※『anan』2023年6月28日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年06月24日そこそこ強いクラブチームに所属する息子。実力でチームを分けるのは分かるけど、控えチームには90分の練習中一度も指導してくれず放置され、胸が痛い。3対3なんかでも、スタメン組にはずっと指導しているのに、控えには基本すら教えてくれない。子ども自身は「チームが強いから」ここで頑張ると言うけど、どんな風に励ませばいい?とのご相談。スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、これまでの取材で得た知見やご自身の体験をもとに、いまお母さんがラクになるための3つのアドバイスを送ります。(文:島沢優子)(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)<<遠征2万、練習試合1回1000円。お金がかかりすぎるクラブをやめさせたい問題<サッカーママからのご相談>息子は現在4年生でそこそこ強いクラブチームで控えです。3年生から入れるチームでコーチは1人です。実力で分けるのは当たり前だと思うのですが、コーチはずっとスタメン組を指導し、控え組を全く指導しません。これから中高とサッカーを続けるためには、教えられるのではなく自分で考える力をつけるのが大事と理解してます(必死に自分に言い聞かせています 笑)が、90分間の練習で1度も指導されず放置されてるのは胸が痛いです。例えば3対3。基本的な動き方くらい最初に教えてくれてもいいんじゃないの?まだ育成年代だし、スタメン組にはずーっと教えてるのに......。と感じてしまいます。辛いし、何か言いたくなるのでなるべく練習を見ないようにしていますが、時々練習会場の送迎の関係で見てしまい、心が締め付けられています。試合では、控え組にはコーチング皆無。失点すると、お前のせいだ、自分で考えろなど言われますが、スタメン組にはサイドコーチングしまくりです。右行け、中に切り込め......など。それを見てまた、「何なんだ、この差は!?熱量の差すごい!!」となります。控え組といっても、努力している子が大半です。息子も外のスクールや、本での独学、毎日自主練を頑張ってます。みんなやる気がないわけではないです。なのに、控え組は指導してもらえず自分で考えて自分で努力しなければならない現状。強くなれると信じたいです。 息子はこのチームが強いからここで頑張ると言っています。私としては息子の意思を尊重して、ぐっと我慢して見守る考えですが、何か励ましの言葉を下さい。<島沢さんからの回答>ご相談いただき、ありがとうございます。頑張っている息子さんの姿を見ていれば報われてほしいと思うのが親心です。お母さんにとっても辛い日々かとお察しします。何か励ましの言葉を、とのことですが、私がお母さんに一番に伝えたいのは「もう頑張らなくていいよ」の一言です。■口に出さずともお母さんのつらさは息子さんに伝わっているご相談文からしか判断できませんが、お母さんは「辛い」と書かれています。息子さんの練習を見れば心を締め付けられ、このままこのチームで頑張るという息子さんを尊重してぐっと我慢している。つまり、息子さんのサッカーはお母さんにとってネガティブなコンテンツでしかありません。そのことは例えば「お母さんはあなたのサッカーが辛い」と口に出さずとも、息子さんには伝わっているはずです。自分がサッカーをすることで大好きなお母さんを悲しませていると感じているでしょう。そう考えると、母子にとって今の状況は決して良いものではない気がします。サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■アドバイス①サカイク的な視点で見ると、スタメン組の方が考える力をつける機会を阻害されているそこで、三つほどアドバイスさせてください。ひとつめ。90分間の練習で1度も指導されず放置されている、スタメン組の指導とは熱量が違いすぎる等々、コーチに対する不満が募っているようです。が、指導方法については、暴力や目に余るハラスメントがない限りコーチに任せるしかありません。そのうえ、息子さんは今のチームで頑張りたいと主張しているなら、好きなようにさせればいいのです。また、「控え組は指導してもらえず自分で考えて自分で努力しなければならない現状」と書かれていますが、それは実は息子さんにとって良い環境とも言えないでしょうか。スポーツは習い事ではありません。もう4年生です。YouTubeなどの動画コンテンツを見たり、サッカーの試合を観戦したり、テレビで見るなどして、自分でサッカーを学ぶことのできる年齢です。もし、そこまで自分でやらないのであれば、それは「そこまでサッカーにはまらなかったんだな」と考えればいいことです。それに、4年生の今ははまってなくても、中学に行ったら猛然とはまり始めるかもしれません。子どもがいつ伸びるかは誰にもわかりませんから。私は息子さんよりも、お母さんが「サイドコーチングしまくり」と書いておられるスタメン組のほうが心配です。サカイクの読者ですから、サッカーは自分で考えるスポーツだという捉え方をご理解いただいているかと思います。その視点で考えると、スタメン組の子どもたちには、自分で考える余裕(余白)を与えられていないようです。これでは、大人の言うとおりにしか動けない子どもに育ってしまいます。サッカーでの習慣がすべてに影響するとは言いませんが、本来スポーツの育成現場は主体性や創造性を身につける場なのにと非常に残念です。■アドバイス②何のためにサッカーをさせているのか、子ども自身はどうなのか、今一度確認しよう二つめ。一度、「何のためにサッカーをさせているか」という原点に立ち返りましょう。ご相談文に「強くなれると信じたい」とありますが、何が何でもプロにさせたいのでしょうか?高校や大学を、受験勉強しなくてもいいスポーツ推薦で行かせたいのでしょうか?そういった思惑は、恐らく皆無かと思います。そうであれば、サッカーを楽しむこと、サッカーに一生懸命取り組むことができていれば、それでいいと考えられないでしょうか。相談文を見る限り、お子さんは懸命にサッカーに取り組んでいます。ただ、ひとつ気になるのは、息子さんが「チームが強いからここにいたい」と話していることです。強豪チームに属するのは試合に勝つことが多く、周囲から羨望の目で見られもするので誇らしい感覚もあるでしょう。しかし、スポーツで一番楽しいのは試合をすることです。実践機会があまりに少ないのであれば、その部分を息子さんに話してみるのもいいでしょう。ただし、どうするかを決めるのはあくまでも本人です。■アドバイス③コーチの言動を片時も目を離さずチェックする親を、子どもは望んでいるのか三つめ。冒頭でお伝えしたように、息子さんのサッカーについてお母さんは頑張るのをやめましょう。私から見ると、お母さんは少々息子さんのサッカーに注目しすぎているようです。90分の練習で息子さんが一度も指導されなかったと書かれていますが、90分間一時も目をそらさず息子さんだけを目で追っていたということになります。目で追いながら「ああ、今のシュート惜しい!」とか「よく頑張って最後までボールを追いかけたなあ」とお母さん自身がサッカーを楽しんでいるのなら良いのですが、どうもそうではなさそうです。そこまで必死になってコーチの言動をチェックすることを、息子さんは決して望んでいないはずです。■子どものサッカーは子どものもの、親が子どもの人生に乗っかると......(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)子どものサッカーや時間は、子どものもの。子どもの人生です。子どもの人生に親が乗っかって生きてしまうと、その重みに子どもは耐えられなくなってしまいます。したがって、お母さんはこれを機会に、趣味など自分の楽しみを見つけるなどして息子さんのサッカーと少し距離を置いたほうがいいと思います。子どもがぐっと伸びるとき、ほとんどの親御さんが「いつの間にか成長していたんですよ」とおっしゃいます。そこに親の干渉はありません。島沢優子(しまざわ・ゆうこ)スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てるテニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。最新刊は『高学歴親という病』(講談社α新書)。
2023年06月21日日本スポーツ界に、連綿と続く体罰の連鎖。競技を問わず、指導者の体罰、暴力、暴言は、令和に入っても後を絶ちません。2012年の『桜宮高校バスケットボール部体罰自殺事件』後、スポーツ界は様々なアクションを起こしてきましたが、スポーツ指導者の体罰がニュースになるなど、いまだ強くはびこっています。2023年3月、日本バレーボール協会は「暴力撤廃アクション」を発表。川合俊一氏が会長に就任以降、改革を進めるべく、様々なアクションを起こしています。そこで今回は川合会長に「なぜ、いま暴力撤廃アクションを発表したのか」「指導者の暴力をなくすために、どうすればいいか」をうかがいました。バレーボール協会が立ち上げた、新たな施策も含めて紹介します。(取材・文鈴木智之写真・新井賢一)日本バレーボール協会の川合俊一会長(C)新井賢一サカイク公式LINEアカウントで子どもを伸ばす親の心得をお届け!■選手への暴力撤廃に向けた取り組みを強化2022年3月に、バレーボール協会会長に就任した川合俊一氏。現役時代は日本代表の主将を務め、ロサンゼルス五輪、ソウル五輪に出場。引退後はタレントとして活躍し、2015年からはトヨタ自動車ビーチバレーボール部でゼネラルマネージャーを務めるなど、スポーツ内外の知見が豊富な人物です。川合氏が会長就任以降、「トヨタ自動車での経験を活かして」(同会長)、コンプライアンス・ガバナンス強化に着手。指導者による選手への暴力撤廃に向けて、取り組んでいます。サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは■協会がアクションを発表したことで声を上げやすくなる2023年に入っても、指導者による暴力は起きており、2月には、市立船橋高校男子バレー部の監督が生徒への暴行容疑で逮捕。3月には、前年度の高校選手権で優勝した日本航空高校の監督が、部員に暴行(平手打ち)をしたとして解任されるなど、指導の名のもとに暴力を振るう事件が立て続けに起きています。現状について、川合会長は次のように感想を述べます。「指導者の体罰が表面化していますが、これはバレーボールに限ったことではなく、他のスポーツにも、表に出ていないだけで、体罰や暴力、暴言はあるでしょう。ただ、バレーボール協会として、暴力撤廃アクションを発表したことで、暴力や暴言を受けている人が声をあげやすくなっている面はあると思います」■暴力と指導の間にある「未暴力」とは暴力撤廃アクションには「バレーボールの世界から暴力・体罰・ハラスメントを撤廃する」「暴力と指導の間にある未暴力に向きあう」というコンセプトがあります。未暴力とは、暴力と指導の間にある、明らかな暴力とは判断しづらいもののことで、将来的に暴力へと発展する危険性があるものを指します。日本バレーボール協会は、2023年3月25日発行の日本経済新聞に"それって、指導ですか? 暴力ですか?"という全面広告を掲載。指導現場で起こり得る事例を、指導者、選手の立場から記載し、「未暴力」の危うさを、指導者や選手に気づいてもらうことをテーマにしています。ポスターには、次のような例が並んでいます。【指導者】試合後、集中が足りない選手に自覚を促すために、みんなの前で指導した→【選手】負けた後、チーム全員の前で「お前のせいだ」とコーチに責められました【指導者】体罰にならない範囲で、気合を入れ直してもらうために、大声で喝を入れた→【選手】バレーボールを壁にたたきつけて「たるんでる!」と大声で怒鳴られました川合会長は言います。「これを見た指導者に『自分がしているのは暴力ではないか』と振り返り、選手の側は『練習の中で、自分が受けた仕打ちは暴力ではないか』と気づいてもらうことが、暴力撤廃の第一歩だと思っています」■暴力と指導の間にある「未暴力」とはバレーボール協会は指導者、選手への啓蒙とともに、教育委員会を通じて、暴力・暴言・ハラスメントを行っている指導者へ聞き取り調査を行うなど、新たな取り組みを開始しました。「これまで、暴力に関する通報窓口は、バレーボール協会や都道府県協会、全国連盟など分散していました。まずはそれをバレーボール協会に一元化しました。なぜなら、暴力や体罰をしている指導者が、都道府県協会や全国連盟の要職についている場合、通報したとしても、揉み消されるケースがあるのではないかと感じたからです」暴力や体罰、ハラスメントが起きた場合、最上部の団体であるバレーボール協会に通報し、学校の部活動で問題が起きた場合は、同協会が都道府県の教育委員会に連絡し、調査してもらう流れを作ったそうです。「バレーボール協会には、問題が起きたときに調査をする権利がありません。我々は調査をする組織ではないので、学校の管轄である教育委員会に連絡をして『おたくの県でこういう問題が起きているので調べてください』と、調査してもらうようにしています」他にも、弁護士を入れた、第三者委員会を通じて調査をする方法も始めており、川合会長は「教員の指導者が力を持っていて、教育委員会とつながっている場合は、暴力や暴言が隠蔽されてしまうこともあり得ます。それはあってはならないと考えています」と、言葉に力を込めます。■あからさまな暴力指導にはNOを突き付けるのが望ましいが......あからさまな暴力指導には、確固たる意思でNOを突きつけるのが望ましいですが、なかには、NOと言いたくても言えないケースもあります。川合会長は言います。「僕の知人に『サッカーは体罰のニュースがあまり出ないけど、なくなったの?』と聞いたところ『なくなってなんかいないですよ。指導者にたてつくと、試合に出られなくなるから、子どもも親も我慢しているんですよ』という言葉が返ってきました」さらに、こう続けます。「暴力を受けた子が通報したとすると、チームの中で誰が言ったかは、雰囲気でわかるんですよね。あるいは指導者がクビになったら、チームの人たちから文句を言われる。とくに強くて、結果が出ているチームは、言えるような状況じゃないです。だから、表面化させるのはすごく難しいんです」■せっかく始めたのに指導者が原因で辞めてしまうことがあってはならないそれでも、体罰やハラスメントを受けた人が、声をあげやすい環境を作ること。そして「暴力指導は当然のこと、未暴力のケースも、指導者自身に気づいてもらい、改めてもらう働きかけをしていくしかない」と言います。「バレーボール協会としては、暴力や体罰を見過ごすわけにはいきません。せっかくバレーボールを始めたのに、指導者が原因で辞めてしまうなんてあってはならないことですし、競技人口の減少にもつながります。そのためにも指導者の行いを顧みてもらい、自分がしていることは暴力なのではないか、体罰なのではないかと気づいてもらうことに取り組んでいるところです」次回の川合会長インタビュー後編では「暴力指導がなくならない理由」と「暴力指導では、トップレベルの選手が出て来ない理由」を紹介します。バレーボール協会『暴力撤廃アクション』の詳細はこちら>>サッカーする子どもを伸ばす親の心得「サカイク10か条」とは
2023年06月19日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「発売延期」です。先日、自分のオフィシャルブログでも記事を書いたのですが、7月に予定していた僕の5枚目のオリジナルアルバム『録音』の発売を延期することになってしまいました。「もう出せる!出るぞ!」と思って、5月24日にリリースした『Knock Out』のシングルCDにお知らせのチラシを封入したんです。ファンのみなさんに、「新しいアルバムが出るんだ!」と喜んでいただきたい、びっくりしてもらいたい、と思ってサプライズ封入したものの、その後、発売延期が決定。だいぶダサいことをしてしまいました。ブログでも謝罪させていただいてますが、あらためてここでも楽しみにしてくださったみなさんにお詫び申し上げたいと思います。7月にアルバムをリリースすることができなくて、本当にごめんなさい。なぜ延期することになったかといえば、端的に言えば間に合わせることができなかったんです。いや、間に合うつもりでいました。7月にリリースするって決めたし、「絶対やってやるんだ」と必死になっていました。音楽制作を優先させたいと思いつつ、でも、今オファーを頂いている音楽以外の仕事やレギュラーでやらせていただいているTV番組やラジオ、雑誌の連載……それらも手を抜くわけにはいかない。岡崎体育は焦りすぎていたのかもしれません。なんか、それが周りからは、僕がいっぱいいっぱいになっているように見えたようです。その様子を見ていた、レコード会社のスタッフが「岡崎くん、アルバムのリリースタイミング見直しましょう。このまま進めても納得のいくものができないかもしれない」と言ってくれたんです。そう言われたとき、複雑な心境でした。間に合わせることができなかった、という自分の無力感や虚無感と、急いで作曲しなくてええんや、という緊張の糸がフッと解けたような安心感と。いろんな意味で、肩の力が抜けてしまった瞬間でした。延期をする。そう腹くくって決めた以上は延期した分、さらにいいアルバムにしようと今は気持ちを切り替えました。これを読んでくれている読者の方で楽しみにしてくれていた方がいたらお待たせしてしまって本当に申し訳ないけれど、その分いま出せるパワーを注ぎ込んだいいアルバムになると思います。そのまま、ぜひ楽しみキープのままで待っていてほしいです!3~4か月後にはめっちゃいいアルバム、出ます!おかざきたいいくTVアニメ『マッシュ‐MASHLE‐』オープニングテーマの新曲「Knock Out」のシングルパッケージが好評発売中。7月には対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」を東京・京都で開催。※『anan』2023年6月21日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年06月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「鳥居強右衛門」です。大河ドラマ『どうする家康』に僕が演じる鳥居強右衛門(とりいすねえもん)がついに登場しました。ご覧になった皆さんはご存じのことと思いますが、出てきたその日のうちに死にました。1話限定の出演だったわけですが、それでも僕が登場するこの第21回は“鳥居強右衛門回”と言っていいほど、半分以上彼のエピソードで尺をとっています。鳥居強右衛門というヒーローがいたことが、とても印象に残る回になったのではないかと思います。今回、演じてみて難しいなと思ったのは突き飛ばされ方です。鳥居強右衛門という男は、主君の戦国武将・奥平信昌に忠誠を誓い、長篠城を守るために奔走する男気のあるやつなのですが、普段はだらしなくて失礼な男なんです。とにかく人にすがりつく。人にあられもなくすがりついては、突き飛ばされます。ドラマの中ではいろんな人に5回ほど突き飛ばされます。僕はきょうだいのいない一人っ子です。ケンカもせずにここまで平穏に育ってきましたので、幼少のころから突き飛ばされる経験などありません。どういうふうに体重移動をしたら突き飛ばされたときに痛くないのかもよくわからない。気づけば、僕の膝はずっと傷だらけでした。登場回数はこの1回だけですが、僕がこの作品の中でもっとも突き飛ばされているのではないかと思います。僕の受け身の取れてない突き飛ばされ具合も、皆さんに楽しんでいただけたらうれしいです。史実を見ると仏頂面で硬派なイメージの鳥居強右衛門ですが、ドラマでは監督の意向でちょっとひょうきんなキャラクターに演出されていました。それも僕に合っていたように思います。また、走ると自然に歌を口ずさむ癖があるのですが、そこもミュージシャンである僕の特性を生かしてくれたのかな、と思いました。この鼻歌は物語の中でも大事な役割を果たしているのですが、その当時にあってもおかしくないメロディラインでないといけないので、歴史の先生や歌の指導の先生監修のもと作られています。これもまた大河ドラマに出演しないとできないことだと思うので、とてもいい経験になりました。鳥居強右衛門は、地元である愛知県の新城市では今も愛されている存在です。そのイメージを崩さずに、さらに愛される存在になれたらと思って演じたので、皆さんに気に入っていただけたら、がんばって演じた甲斐があります!おかざきたいいくTVアニメ『マッシュル‐MASHLE‐』オープニングテーマの新曲「Knock Out」のシングルパッケージが好評発売中。7月には対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」を東京・京都で開催。※『anan』2023年6月14日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年06月10日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「推し活」です。この連載を読んでくれている方々にも、何かしら好きな人=“推し”がいるのではないでしょうか。みなさんは年間、推しを応援する活動“推し活”にどれくらいお金を使っていますか?いや、これはいやらしい話でもなんでもなく、アーティストとして活動するためには、どうしたって資金が必要です。アーティストに良い活動をしてもらうためには“課金”というファンの応援は必要不可欠なんです。お金を払っていただいて、CDを買ってもらう、ライブに来てもらう、グッズを買ってもらう。そういうことが、アーティスト活動をしている人のガソリンになります。なので推し活は、好きなアーティストのためになることですから、みなさんガンガンしていっていいのではないでしょうか。こういった、ファンの方が好きな対象のことを“推し”と呼ぶようになったのは、いつ頃からなのでしょうか。僕はAKB48の存在が大きかったんじゃないかなと思います。AKB48のプロデューサー・秋元康さんは総選挙というシステムを生み出し、ファンの投票で、今誰がいちばん人気があるのかランキングが分かるようにしました。それを行った結果、それぞれのファンの間で「俺がなんとか順位を上げてあげなきゃ」とか「私が彼女を支えてあげる」という意識が生まれた。“推す”ってすごく能動的な言葉ですよね。自分が自ら何かを推しているんです。強制的でも受け身でもなく、叶えたいことのために、その推進力になるために、自ら行動する。ファンという存在の自己肯定感を高めてくれる言葉なのではないかと思います。AKB48の総選挙は終わってしまいましたが、推し活という文化は残りました。今後、それがどう進化していくのかも楽しみです。個人的には、推し活がもっともっとパーソナルなものになればいいなと思います。より自分自身のために推せるようになれたらいい。たとえば、学生なら推し教科を作るとか、社会人なら推し営業先を作るとか…。僕は自分のカラダの中に推しを見つけたいです。臓器なら肝臓を推したい。先日、人間ドックを受けてまだその結果は受け取っていないのですが、肝臓の数値が悪いんじゃないかとちょっと心配なんです。だから、肝臓がんばれ!オルニチン働け!と自分の肝臓のことを推してあげたい。成績が悪いようなら、サプリとかで課金してあげたいと思います。おかざきたいいく「Knock Out」のシングルパッケージ(CD+DVD期間生産盤)が発売中。7月には対バン形式の自主企画イベントokazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」を東京・京都で開催。※『anan』2023年6月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年05月31日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「セルフリミックス」です。リミックスとは、既存の曲の音源データを使い、それを自由に組み替えて新しくアレンジすることです。元の楽曲の違う一面を引き出したり、構成をガラッと変えてまったく別の曲のように作り上げることができます。僕はデビュー前からミュージシャン仲間などの依頼を受け、リミックスをいろいろ手がけてきました。同期ミュージシャンのヤバTは、シングルを出すたびにオーダーをくれ、毎回、僕のリミックスをシングルにつけてくれています。ほかにも秦基博さんの名曲「鱗」をリミックスさせていただくなど、さまざまなアーティストの楽曲に関わらせていただきました。そして今号のタイトルにある“セルフリミックス”です。セルフとあるように自分の楽曲を自分でリミックスすることを指します。意外と思われるかもしれませんが、僕はこれまでセルフリミックスに手を出したことがありませんでした。今回、新曲の「Knock Out」をパッケージリリースするにあたって、カップリングをどうしようかという話になり、前々号の連載で紹介したA&Rの光永ボーイが「リミックスをやってみてはどうか」と提案してくれました。シングルパッケージには表題曲の「Knock Out」と「なにをやってもあかんわ」の岡崎体育リミックスを収録しています。なぜ、これまでセルフリミックスをしてこなかったのかといえば、ほかの方が作った曲と比べて、自分の楽曲はリミックスがやりにくいんです。自分の楽曲は、自分自身でこれがベストと思ってひとつひとつを仕上げています。ここのアレンジはこんなふうにこだわって作ったものだとか、ひとつひとつのパートに意図がある。それをわざわざ組み直すことは、し難いのです。なので、これまで自分の曲をリミックスすることを避けてきました。カリフォルニアロールってすごくおいしいです。でも、日本の寿司職人がカリフォルニアロールを発想することはなかなか難しいと思います。“寿司はこうだ”という固定観念がありますから。セルフリミックスは寿司職人がカリフォルニアロールを作るようなもの。自分が持っている既存のイメージをどのように打ち破れるかがとても大変です。…と言いつつ、今回のセルフリミックス、めちゃくちゃ固定観念を打ち破ったいいリミックスに仕上がっております。ぜひ、CDで僕の新しいカリフォルニアロールを堪能してみてください!おかざきたいいく「Knock Out」のシングルパッケージ(CD+DVD期間生産盤)を5/24に発売。7月には対バン形式の自主企画イベントokazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」を東京・京都で開催。※『anan』2023年5月31日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年05月27日Amit Youngerが6月に来日zen placeは2023年6月17日(土)、zen place pilates 渋谷スタジオにおいて、ピラティス指導者Amit Younger(アミット ヤンガー)による指導者向けワークショップ『Strong and Mobile Shoulders/強靭で可動性のある肩』を開催します。同ワークショップでは、肩関節と肩甲帯全体の強度と安定性を向上させることを目的とした、マットやプロップスを使ったレパートリーなどを紹介します。開催時間は14:00から17:00まで、料金は24,500円です。申し込みはzen place academyのホームページにて受け付けています。全4回のワークショップを開催Amit Youngerによる2回目のワークショップは、6月21日(水)にzen place pilates 横浜スタジオで開催されます。テーマは『Side Bending and Rotations/サイドベンドとローテーション』です。3回目は6月22日(水)にzen place pilates 新宿スタジオで、4回目は6月24日(土)にzen place pilates 銀座2丁目スタジオで行われます。(画像はzen placeより)【参考】※zen place※zen place academy
2023年05月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「光永ボーイ」です。光永ボーイとは、最初マネージャーの松下とA&Rの井上の2人しかいなかった岡崎体育チームに少し前に加わったスタッフ、光永太郎のことです。マンガ『遊戯王』の登場人物にペガサス・J・クロフォードというキャラクターがいるのですが、彼は主人公のことを“遊戯ボーイ”と呼ぶ。それを真似てノリで光永ボーイと呼んでいたのが定着しました。光永は僕の2歳年下。同年代で聴いてきた音楽も近く、趣味がすごく似通っていたこともあり、ぜひ彼にもチームに参加してほしいと招き入れました。熱心な岡崎体育ファンには、「宇宙と長野」という曲のエピソードで光永のことは知られていると思います。僕が昨年作った「宇宙と長野」という曲。実は、この曲は昨年シングルとしてリリースする予定でした。でも、それを止めたのが何を隠そう光永です。曲を聴いた光永から「体育さん、この曲、今じゃないかもしれないです」と言われてしまい、すっかりリリースする気になっていた僕は「今じゃないんや……」と結構なショックを受けました。でも、そうやってはっきりと「自分はこう思う」というのを言ってくれるところが、彼を迎えたいと思ったいちばん大きな理由です。今、新しくリリースするアルバムの準備をしていますが、そのタイトルも僕が候補をいくつか出してスタッフ全員で相談をしていて、「これでええか」とほぼ決まりかけていたところに、「いや、僕はこっちがいいと思います」とはっきり言ってくれた。結果、タイトルは光永が推していたものに決定しました。僕はソロアーティストなので、自身の判断が合っているのかどうか、とまどうことがあります。そういうときに「これがいいと思う」と、はっきり言ってくれるスタッフが何人もいるのは本当に心強いです。実はタイトルも光永のファーストネームである太郎から『TARO』とつけよかな、と半分本気で思っていたこともあったのですが、これも却下だと光永に言われました。最新シングル『Knock Out』のA&Rも光永がメインで手がけ、ジャケ写やPVのアイデアなども出してくれた。次のアルバムも光永を中心に制作や宣伝の準備などが着実に進んでいます。岡崎体育のカラーを彼がどのように広げてくれるか楽しみです。彼は会社員なので他のアーティストも兼務していますが、僕のことを主に考えてほしいなと思ってます。おかざきたいいくTVアニメ『マッシュル‐MASHLE‐』オープニングテーマの新曲「Knock Out」が好評配信中。シングルパッケージが5/24発売に。7月には対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」を東京・京都で開催。※『anan』2023年5月17日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年05月15日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ダンスミュージックの傾向と対策」です。ダンスミュージック、特にEDMの流行はチェックするようにしています。EDMとは、エレクトロ・ダンス・ミュージックの略で、広い意味で解釈するとシンセサイザーやサンプラーなど電子機器を使って作られたダンスミュージック全般のことを指します。ただ、日本ではEDMという言葉がレイブやダンスフェスカルチャーとともに広まっていて、ノリやすく踊りやすいダンスポップミュージックを総じてEDMというカテゴリーとして扱うようになっていると理解しています。登場してから10年以上が経過していて、EDMのスタイルも変化してきています。以前は四つ打ちのビートが強くゴリッとしているものが主流でしたが、2020年代になるとストイックで音数が少ないものが増えてきました。顕著な例として、ダブステップEDMのオーソリティ、スクリレックスというDJの方がいますが、彼の最新アルバム『Don’t Get Too Close』を聴くと、とてもシンプルでクール。音数が少なくて、スタイリッシュ。そこにオートチューンのラップが入っているような感じ。そういうものが今の欧米のダンスミュージックの主流になっているんだと驚かされます。BPMも10年前とテンポが変わっています。以前は160~170くらいで縦飛びしやすい速さのEDMが覇権を握っていた。でも、今のEDMはBPM125~135くらい。上に上にとジャンプする時代は終わり、どちらかというとゆるく体や頭でリズムを刻む感じに変わっていっているのでは、と思います。最新の流行の変化をいち早く察知し、自分の音楽制作にも取り入れられたらと思っています。例えば、今、ドラムンベースも再注目されています。ドラムンベースは1990年代にイギリスで誕生した、速いテンポの変則的なドラムビートにベースが強調されたブレイクビーツサウンドのこと。以前は疾走感があって攻撃的なサウンドという印象でしたが、今はムーディだったりチルっぽいドラムンベース曲も生まれている。アレンジの自由度や解釈の幅が広がっているんです。チキンラーメンは普通に食べてもおいしいけれどアレンジで汁なしにしてもいいし、甘いスイーツっぽくしてもいい。既存のメニューに対してどんな新しい味、食べたことがない味を表現できるか。今の音楽家にはそれが求められています。時代を牽引できるのはそういうことができるアーティスト。僕もそうありたいです。おかざきたいいくTVアニメ『マッシュル‐MASHLE‐』オープニングテーマの新曲「Knock Out」が好評配信中。シングルパッケージが5/24発売に。7月には対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」を東京・京都で開催。※『anan』2023年5月3日‐10日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年05月02日学校行事が近付くと、家でいろいろと持ち物の準備をする必要があります。体育祭の場合、弁当や体操服のほか、出し物があれば必要な小物まで用意しなければなりません。ぴんこ(pinkocolor)さんは、次男のエピソードをInstagramで紹介しました。高校生の次男は、体育祭に向けて、あるものを買おうとしていたのですが…。体育祭で、応援団として演舞を披露する次男。団長として、メンバー全員に「軍手を用意するように」と連絡をしていました。しかし、応援団の人たちがよく着用している手袋は、作業用の丈夫な軍手ではありません…。手の動きが遠目でも見える白手袋なのです!次男の勘違いで、危うく応援団の演舞が、建設現場などで行われる『作業前のラジオ体操』のような光景になるところでした。知っているつもりの衣装も、事前確認は欠かせませんね![文・構成/grape編集部]
2023年04月26日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「周年イベント」です。来月、アルバム『BASIN TECHNO』でメジャーデビューして、7周年を迎えます。3年後の10周年の時に何をしよう?とそろそろ考え始める時期なのですが、実は2022年が“岡崎体育”として活動開始10周年だったんです。それは触れることもなく終わったな、とまず思ってしまいます。まあ、僕はソロアーティストなのでバンド結成みたいな決定的瞬間がなく、ひとり勝手に始めたことなので誰かと分かち合うとかもないのですが……。以前、誕生日パーティが苦手という話をしましたが、節目の周年イベントもそれに似た感覚があります。自ら声をかけて、みなさんに集まっていただいて、「お祝いして!」とお願いすることに抵抗があります。なんなら、お客さんが主催してくださったらいいのにとさえ思います。会場を押さえて、みんなでイベンターとかスタッフの役もしてくれて。カメラも照明もPAもお客さん……。それであれば、みんなに呼んでいただいて、お祝いしてもらうことに納得ができます。でもそんなライブはありえないでしょう。僕がちゃんと声をかけて周年イベントを企画しないといけない。だから、“祝ってもらう”という視点を変えることが大事かなと思いました。そもそも、祝ってもらおうというのって図々しくないですか?周年イベントとは、これまでの10年なら10年、僕を支えてきてくれた人たちに「ありがとう」を言う場所ではないか。自分が音楽をやってごはんを食べていけるのは、僕だけの力では成しえなかったことです。支えてくれるスタッフさんがいてくれたからこそだし、そして僕の音楽を聴いてくれて、ライブに来てくれるファンのみなさんがいてくれたからこそ。10年もの長い間、僕についてきてくれてありがとう、という場所を作ればいいのではないかと思いました。そこで、まずは「ありがとう」という楽曲を用意することから始めます。岡崎体育には意外にも感謝ソングがありません。なので、10周年を迎える2026年までに必ずや、ありがとうの歌を作りたいと思います。これはいい宿題ができました。岡崎体育の活動としては、10年よりもっと先を見ていきたいと思っています。10周年は一つのセーブポイント。そこを越えて20年、30年とどこまで行けるのか。みなさんに見守ってもらえるためにも「ありがとうの歌」をちゃんとお届けしたいと思います!おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu “TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年4月26日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年04月25日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ジャンプアニメの主題歌」です。この度、4月7日より放送が始まったTVアニメ『マッシュル‐MASHLE‐』の主題歌を担当させていただいております。『マッシュル‐MASHLE‐』は週刊少年ジャンプで好評連載中の、甲本一先生によるアブノーマル魔法ファンタジー作品です。今回その作品がアニメ化されたんです。…いや~長かったです。それこそLiSAさんの「紅蓮華」をはじめ、同じレコード会社のアーティストたちがジャンプアニメの主題歌を次々と手がけているのに、僕にオファーがまわってくることが、ずーっとなかったんですから。小学生からジャンプを読み始めて、33歳になってやっとです。主題歌のタイトルは「Knock Out」といいます。主人公は、魔法の世界を舞台にしていながら魔法が一つも使えないヤツ。でも筋肉がめっちゃあって拳ひとつで成り上がっていきます。そんな主人公にかけてタイトルを考えました。ジャンプといえば“友情・努力・勝利”がメインスローガン。で、またそのテーマとロックバンドのサウンドってなぜかめちゃくちゃ相性がいいんです。過去のジャンプアニメの名曲たちを思い出してみてください。頭に流れてきたサウンドは、だいたいロックサウンドなんじゃないかなと思います。それを意識して、僕もバンドサウンドにしました。作品のテンションもアクションあり、ギャグあり、バトルありのジャンプらしいスピード感あるものなので、それに合うオフェンシブなロックナンバーがいいなと、ラウドロックシーンを牽引するハードコアバンドPaleduskのDAIDAIさんにアレンジをお願いしました。あえてはずしてジャズやEDM調のアレンジを狙っても…と一瞬思いましたが、「いや、そうじゃないやろ、今回はジャンプだぞ、王道のセオリーに則ってやるべきだ」と、このエネルギッシュな楽曲を生み出すことができました。本作を手がける前にも、僕はポケモンのテーマソングなどを手がけさせていただいたことがあります。その時も感じていましたが、アニメの主題歌って子どもたちが聴いてくれる…というだけでなく、さらには海外にたくさんいる日本のアニメファンたちにも聴いてもらえるんです。これは、本当にうれしいことです。「Knock Out」も日本だけでなく、いろんな国の方々に愛してもらえる曲になればいいなと思っています。みなさん、ぜひTVアニメ『マッシュル‐MASHLE‐』を見てくださいね。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年4月19日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年04月15日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「脚本家」です。3月まで放送されていた、バカリズムさん脚本の日テレ系列のドラマ『ブラッシュアップライフ』が面白くて、どっぷりハマっていました。きっかけは、マネージャーの松下に「第5話にドラマの衣装合わせで自己紹介するシーンがあり、それが業界あるあるでめっちゃ面白いから見てほしい」と言われたんです。衣装合わせでスタッフ陣が俳優を取り囲んで一人ずつ「照明のです」などと順番に自己紹介していくんですが、それをちょっと面白く皮肉っています。これ、本当にドラマの現場で行われていて、「そんないっぺんに言われて…覚えられる人いる?」と個人的にやや疑問に思っていた慣習だったので、めちゃくちゃ共感してしまいました。わざわざ集まって名乗っていただくより、例えば初回の撮影時だけ全員名札をつけてくれた方がよっぽど覚えられるのにな…とかこっそり思っていたので、このシーンめちゃくちゃわかるわーと思いましたし、そういう場面に目をつけてドラマで描こうと思う視点がバカリズムさんらしくて感動しました。ドラマは1話まで遡って最終話まで拝見しました。安藤サクラさん演じる主人公の近藤麻美は僕と同じ1989年生まれ。なので、当時流行っていたものとか、ドラマで使用される流行ソングなどをリアルに感じられたのも見ていて面白かったです。でも、やっぱりすごいと思ったのは、バカリズムさん独特の着眼点。さきほどの自己紹介のシーンのように普通だったら見過ごしがちな、日常や社会のひとコマの中に潜む可笑しみや情感を捉えて、心がハッとするシーンを描くのが天才的だと思います。もう一つ印象的だったのは、幼稚園児たちがカゴに入れられて散歩に行くシーン。僕もあのカゴに入った園児たちの無力な可愛さに思うところがあったので、あぁこれをこんなシーンとして描くことができるなんて、ドラマって面白いなと感じました。僕も日々の感想をツイッターでつぶやいたりしていますが、そういうものをノートにまとめておいて、一つの脚本に落とし込んで描けたらいいなと思いました。ただ、僕はやはり自分の視点以外で描けないので脚本は難しいかもしれません。バカリズムさんは女性目線もしっかり描き切る。あのアングルの広さこそが人気の秘訣なのではないかと思います。僕も40代くらいになったら視野が広がって、もっと女友達同士の会話とか理解できるようになるのでしょうか。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年4月12日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年04月08日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「審査員」です。2月に『NHKのど自慢チャンピオン大会2023』に、IKKOさん、中川翔子さん、井上芳雄さんに続く審査員のひとりとして参加させていただきました。僕にとって人生初の審査員です。これまでほとんど賞レースに参加したことのない人間なので、審査された経験もそんなにない中で、まさかの審査をする側です。しかも“チャンピオン大会”。各地のチャンピオンが集まる決勝です。この大会をきっかけに、プロの歌手になりたいと思って出ている方もたくさんいらっしゃる。その人たちの人生を左右するかもしれないという自覚のもと、真摯に審査をさせていただきました。とはいえ、僕なんかが歌唱のテクニックやクオリティをジャッジしていいのか?というのはあったので、僕は僕らしい視点で採点をしたいなと思いました。僕は審査員の中で唯一のシンガーソングライター。歌を作る側の立場で、「作り手だったらこの曲をどう歌ってほしいと思うだろう」と想像しながら審査をしました。繰り返しますが、チャンピオン大会なので歌はみなさん上手なんです。だからこそ、ビブラートや、しゃくりの入れ方がうまいとか、ピッチが正確などテクニック的なことよりも、その先にある“曲への理解”を見たいと思いました。曲を作った人の「ここで盛り上げたい、ここを聴かせたい」という気持ちをどれだけ酌んで歌ってくれているか、というところですね。加えて、そこに付随してくるステージング。ステージに立つパフォーマーとして、その人自身がどれだけステージを楽しめているか、お客さんに歌を届けられているかどうかも、一つの基準とさせていただきました。審査では、番組側からは「こうしてほしい」というお願いをされることもありませんでした。なので、本当に僕の自由意思で点数を付けることができました。審査員としてのコメントをふられた際もそれぞれ良かったと思った部分を伝えたつもりなので、出演された方の心に何か残るものがあればいいなと思います。審査全体でこうすればよかったなと思うことは、トップバッターの方。トップバッターってどうしてもその後の基準になるからプレッシャーですよね。でも、Vaundyくんの「怪獣の花唄」を歌われてトップバッターらしい勢いがあってとても良かった。残念ながら入賞されなかったのですが、僕に権限があったら“トップバッター・オブ・ザ・イヤー”をあげたかったです。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年4月5日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年04月02日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「仕事としてのゲーム」です。趣味でよくミュージシャン仲間とオンラインゲームをしていますが、最近はゲームのお仕事をいただく機会も増えました。ゲーム大会の解説として参加させていただいたり、ゲームをプレイする様子をお届けするテレビ番組に出演したり。仕事でゲームをやる場合は何か変わるのかというと、特に変わるところはありません。ゲームはどんな状況で、どんな方々とやってもただ楽しい。ゲームをすることで報酬が発生するとしても、普段通りに僕はやりたいと思っているので、何か特別に意識することはありません。テレビ東京系列の『有吉ぃぃeeeee!』では、サッカーゲームの『FIFA』で有吉JAPANの一員として参加させていただいています。この番組は、いいプレイをするとみなさんがめちゃくちゃ褒めてくれるのでとても気持ちがいいです。「名波浩に匹敵する名司令塔だ」とか言われて、とにかく気分がいい。そういうみんなでワイワイ言いながらプレイする感じも、よく考えたら小学生の頃から友達とやっていることとずっと同じだなと思い至りました。その延長線上に、大人になったらこんな素敵な仕事があるなんて思いもしませんでしたが、幸せなことだなと感じています。そう考えると、子どもの頃からゲームをやり続けたことが今の僕の生き方を形作っている。そもそも、僕が音楽制作を始めたのもニンテンドーDSの音楽ゲーム『大合奏!バンドブラザーズ』があったからです。ここまでゲームに育ててもらったんだから、創作活動でゲームに恩返しができたらともよく思います。いつかゲーム音楽を手がけてみたいですね。以前から架空のゲームサントラを作りたいという構想は持っていたんです。ゲーム、特にRPGゲームのサントラは、膨大な楽曲が必要です。陽気な曲、バトルシーン、悲しい場面などさまざまな楽曲を用意しないといけません。またRPGの音楽は“ここはどこなのか”を判別するための大事な要素で、同じシーンでは同じ曲がかかり続けます。街の音楽、洞窟のちょっと不気味な雰囲気など特定の場所感のある要素を入れつつ、でもずっと同じ曲がかかっていてもしんどくならない、ループ感覚のセンスも必要です。いや、考えるほどに難しいなと思います。ドラクエの名曲たちを生み出した、すぎやまこういち先生ほどは作れないとしても、いつか自分の能力を試してみたいと思っています。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年3月29日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年03月25日岡崎体育が新曲「Knock Out」を2023年4月8日(土)0:00にリリース。同日より放送が開始されるテレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』のOP曲となる。岡崎体育の新曲「Knock Out」岡崎体育は、京都府宇治市出身の男性ソロプロジェクト。2016年に発売したアルバム『BASIN TECHNO』でメジャーデビューし、同アルバム収録の楽曲「MUSIC VIDEO」の世界観が話題となり人気に。2022年にはヤバイTシャツ屋さんと初コラボの楽曲「Beats Per Minute 220」のリリースでも話題を集めた。そんな岡崎体育の新曲「Knock Out(ノックアウト)」は、ラウドロックシーンを牽引するハードコアバンド、PaleduskのDAIDAIがアレンジを担当。ヘヴィなメタルコア・サウンドを基調としたエネルギッシュで疾走感のあるトラックと、岡崎体育らしさ満載のウィットに富んだリリックが特徴だ。TVアニメ『マッシュル-MASHLE-』のOP曲になお、楽曲「Knock Out」は2023年4月より放送開始のアニメ『マッシュル-MASHLE-』のOP曲に。アニメ予告PVでは楽曲の一部を聴くことが出来る。岡崎体育コメントこの度、マッシュルの主題歌を担当させて頂くことになりました岡崎体育です!イェェェェイ!!ヴゥオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!レッツゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!初めてジャンプアニメの主題歌を担当するので、ドキドキワクワクで歌いました!日本全国、いや全世界をどつきまわすようなインパクトでブッ飛ばしていきたいですね!アニメも主題歌も全部全部お楽しみに!!!詳細岡崎体育 新曲「Knock Out」配信日:2023年4月8日(土)0:00~※テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』のOP曲。■テレビアニメ『マッシュル-MASHLE-』放送開始日:2023年4月8日(土)0:00~各局にて©甲本 一/集英社・マッシュル製作委員会
2023年03月25日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「大河の撮影が始まってます」です。前回、大河ドラマ『どうする家康』に出演させていただくことになった経緯を紹介させていただきましたが、実際の撮影が着々と進んでいます。今回は僕にとって初の時代劇。いろんなことが初体験です。最初に大変だったのは、かつら合わせ。僕はちょっと頭の形が特殊らしく、なかなか合うかつらがありませんでした。いくつも試しました。NHKには、過去の大河ドラマで使用したいろんな方のかつらの型が残されています。それを次々と出しては僕の頭にかぶせてくれます。通常は5分もかからず終わる作業だそうですが、僕に合うかつらの型がまったく見つからず30分以上もかかりました。最後、ある俳優さんが使っていた型がいちばん合うということで、それを調整して使わせていただくことになりました。僕と同じ、頭の形がちょっと変わっている俳優さんがいらっしゃってよかったです。大河は史実を元にしているので、当然ですがモデルとなる人物がいます。それも今回、僕にとっては初挑戦です。その人のイメージを崩さないようにしないといけません。足軽である鳥居強右衛門(とりい すねえもん)らしく見せるためには、僕の肌は白すぎるなと思い、自主的に日焼けサロンにも行ってみました。走るシーンでは裸になることもあるようなので、体も赤黒く焼けていないとおかしい。でも、日焼けサロンが初体験すぎて。知識ゼロの状態で行ってしまったので見事に焼きムラができてしまい、結局、白い部分は日焼けメイクをしていただくことになりました。また、大河の撮影では事前にリハーサルをするのも新鮮でした。通常ドラマの撮影は、当日にドライ(演者のリハーサル)をして、カメリハ、本番という流れでやることが多いですが、大河は数日前から準備をして撮影日に挑みます。確かなクオリティを保つために、ここまでするのかと驚くことばかりです。撮影スタジオもすごいです。NHKには、たくさんのLEDパネルを組み合わせて作った最新の撮影装置があります。LEDの巨大なディスプレイに映像を映し出し、それを背景にして演技をします。数年前まではグリーンバックで演じて、あとからCG合成をしていたそうですが、今はリアルな戦国時代の風景があるところで演技できる。これは、気持ちを入れやすくてありがたいです。こういった最新の技術を体感しながら仕事ができるのも、とても幸せなことだなと感じています。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年3月22日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年03月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「大河のオファーが来た!」です。NHK 大河ドラマ『どうする家康』に私、岡崎体育が出演させていただくことが公式に発表されました。これまでにも、NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)やTBSの日曜劇場といった、歴史と話題性のある作品に出演させていただきましたが、まさか“大河”のオファーまでいただけるなんて驚きです。最初にこのお話を伺ったときには、信じられませんでした。だって「こんな太っているやつ、今回の作品の時代におるの?戦国の乱世にこんなに栄養摂れてる奴が居てええんかな?」と…。最初は心配になりましたが、ありがたく受けさせていただくことにしました。僕が演じるのは、三河北部・奥平家の地侍、鳥居強右衛門(とりい・すねえもん)。「長篠の戦い(1575年)」で大活躍した足軽で、今でも彼の地元の愛知県新城市では英雄として崇められている存在です。ドラマでは「名もなきヒーロー、戦国版“走れメロス”」と謳われています。ふだんは“ろくでなし強右衛門”と呼ばれるほど、やる気も勇気もない男なのですが、武田軍に攻め込まれ絶体絶命というピンチのときに、長篠城を救うために岡崎城の家康のもとまで走っていき、国のために必死で助けを請う役目を果たします。オファーを受けたときにいちばん迷ったのは、史実通りに描かれるとしたら、最後にほぼ全裸の磔(はりつけ)のシーンがあるということ。強右衛門が磔にされた絵「鳥居強右衛門磔図」というのがあり、それを再現するとしたら、国民の前であらわになった姿を見せないといけません。『anan』でもセミヌードしか披露していないというのに…。岡崎体育のわがままボディを国民のみなさんにお見せしてよいものか?と悩みましたが、それ以上にこんなにドラマティックな役柄を演じられるチャンスは他にないと思い、決断いたしました!案の定、監督からは「痩せてください」とダイエットのお願いをされました。リハーサルで初対面した松本潤さんにも「痩せないとね!」と愛のある叱咤激励をいただきました。かくして『DCU』のとき以来のダイエットを始めることにしましたが、大誤算だったのは年末年始を挟んだことです。縁起物は食べないといけません。だって、縁起物ですから。一体、僕がどんな鳥居強右衛門になったのか。果たして武士らしい姿で大河の大舞台に立てるのか。期待して待っていていただけたらと思います。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年3月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年03月11日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「加山雄三さんに学ぶこと」です。昨年、歌手の加山雄三さんが、2022年でコンサート活動を引退することを発表され、ニュースで話題になりました。85歳の決断だそうで、アーティスト活動は今後もされていくとのことでした。そのニュースを見て、なんか、とても勇気をいただいたんです。ここのところ、俳優の仕事をいただいたり、バラエティに呼んでいただいたり、本職である音楽以外で評価していただくことが多かった。でも、自分の本筋は音楽だ。その道を大事にしないといけないぞ、という太い道筋を加山さんに示していただいたように、勝手に思いました。80歳を過ぎてもギターを持って歌うって、すごいことだと思うんです。シンプルに憧れます。だから、僕も加山雄三さんみたいになりたい!とマジで思いました。80を過ぎてもパソコンひとつを携えてステージに立ち続けたいと思います。そのためにはまず、もっと魅力的なステージをしないといけないなと思います。この人のステージを観たい。そう思ってもらえるアーティストでい続けなければいけない。僕たちの仕事には定年がありません。だからやろうと思えばいつまでもできます。でも、いつまででもできることと、みんなに観たいと思ってもらえるアーティストでいることはまた別の話です。ニュースを見て、加山さんは今、どんなステージパフォーマンスをされるんだろう、どんな感じで歌を歌われるのだろうと興味が湧きました。僕はやるんだったら、興行としてお見せできるものをとことんまでやりたいと思っています。もちろん赤字を出したくはないし、黒字のライブを80過ぎまでやりたい。でもライブは、たくさんの人に動いてもらわないとできません。そのためには、何歳になってもいろんな世代のみなさんに愛されるアーティストを目指さないと。これはなかなか大変なことです。もちろん、体力も必要です。ファンのみなさんの応援も。たまにツイッターなどで「死ぬまで音楽やります!」と書くこともあります。それに対して「体育くんが80歳のとき、わたしは102歳か。ライブには足を運べないかもしれないけど応援しているよ」と返事をくれた方がいました。今は、そんな言葉が大きな支えですね。今の人たちには死ぬまで聴いていてほしいなと思うし、この瞬間に生まれた赤ちゃん、これから生まれてくる子たちにもいい音楽と思ってもらいたいです。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年3月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年03月04日近年、海外の指導者が来日し、日本の子どもを指導する場が増えてきました。そのときに、海外の指導者が口をそろえて言うのが「日本の子どもたちは、コーチの言うことをよく聞く」という言葉です。その反面「日本の子はシャイで、自分を表現しようとしない」という言葉も聞かれます。自己表現が苦手なのは子どもだけに限らず、大人にも通じることで、日本人の特性なのかもしれません。日本の中だけで生活するのであれば、とくに不自由はしませんが、ことサッカーというグローバルなスポーツにおいて、「自己表現が苦手」というのは、マイナスに働くこともあります。そこで今回は日本の育成年代で長く指導し、サッカー王国ブラジルの名門育成クラブ「クルゼイロ」のジャパンスクールで指導をする小林弘典コーチに、「子どもたちの感情を解き放つためにしている、ブラジル人コーチの仕掛け」について話を聞きました。ブラジル人コーチは「自ら考えて動く」「自己主張する」といった部分に、どのようなアプローチをしているのでしょうか?(取材・文鈴木智之)写真提供:クルゼイロキャンプ■日本の子どもは失敗するとベンチを見る"クルゼイロジャポン"は東京のスクールの他に、今春三重に開校予定。春休みや夏休み等に、ブラジルからコーチを呼び、短期キャンプを実施しています。小林コーチは、ブラジルから来たアドリアーノコーチに「日本の子どもたちの話を聞く姿勢は素晴らしい」と感心されたそうです。「日本の子たちは、なんて良い教育を受けているんだ! と驚いていました。ですが、いざサッカーの練習が始まると、ミスを恐れ、失敗するとベンチやコーチを見る子がたくさんいました。極めつけは、ゴールを決めたのに誰も喜ばないこと。これにはびっくりしていました」■集団の一員として振舞えるが、個になると弱い日本の子どもアドリアーノコーチは、「日本の子は点を取っても嬉しくないの? あの子たちはサッカーを本当に好きでやってるの?」と質問をしてきたそうです。そこで小林コーチが「彼らは、枠からはみ出すことがあまり得意ではないのではないか」と答えると「子どもはもっと自由でいいし、何よりサッカーというスポーツは自分の感情を出さなければ絶対に勝てないし、上達もできない」と言われました。両者は「子どもたちに感情を発露させることに対して、私達はもっと取り組まなければいけない」という結論に至ったそうです。また、日本の子どもたちは、集団の一員として振る舞うことはできますが、選手個々に目を向けたときに「きみは何ができるの?」「何がしたいの?」という状態になっていたのだと言います。■もじもじしていた子たちが積極的に!「楽しい」環境を作ることが大事そんな日本の子どもたちを見たアドリアーノコーチは、驚きの行動に出ます。トレーニング中、サッカーボールやテニスボールなど、ありったけのボールをコートに投げ入れたのです。「たぶん、50球ぐらいあったと思います(笑)。それを次々にコートに入れて、どんどんシュートを打っていいよ、ドリブルで仕掛けようと言いました」子どもたちはコーチの言葉通り、たくさんあるボールを手当たり次第、ゴールに向かって蹴っていきます。「そうしたら、もじもじしていた子たちが、シュートが打てる、うれしい! と積極的にプレーし始めたんです。ドリブルやパスが成功したときの喜びもあるかもしれませんが、何よりも、ゴールを決めることが最高に楽しいわけです。その環境を作ってあげることが大事なのだと、改めて学びました」ブラジル名門育成クラブの指導を体験できる「クルゼイロキャンプ」参加者募集中>>■「こんなに楽しそうにサッカーをする姿は久しぶり」と保護者も感激当時のクルゼイロキャンプでは、子どもたちが感情を表すための仕掛けとして「得点を決めた後に、ゴールパフォーマンスをしないとゴールは認められない」などのルールを設けていったそうです。「そうすると飛行機ポーズだったり、クリスティアーノ・ロナウドの真似だったり、いろいろやり始めるんですよね。そのルールがなくなって、普通に試合をした後にもやったりと、感情を表に出して、積極的にプレーし始めるようになりました」小林コーチは「子どもたちに口で言ってもすぐにはできないので、こちらが仕掛けをして、気持ちをくすぐってあげる。ブラジル人のコーチはそういうところが上手だと思います」と話します。その様子を見た保護者も「いつもは苦しそうにサッカーをしているけど、ここに来るとすごく楽しそうにプレーしている」「こんなに楽しそうにサッカーする姿は久しぶりに見た」と感激するそうです。「ただ、日本の子たちはそれを引きずってしまうというか、真剣にプレーする場面でも、雰囲気に流されて、遊び気分になってしまうことがあります。そこはコーチが気にかけながら、やるときはやるというオンとオフをはっきりするようにしています」■サッカーする上で感情を出すのが必要な理由でも日本の子たちはミスを怖がる傾向にあるので、ミドルサードでもアタッキングサードでもプレーが変わらないんです」さらに、こう続けます。「せっかくフェイントやドリブルのトレーニングをしているのに、試合になると出てこない。それもミスを恐れているからです。だから我々コーチは『サッカーにミスはつきものだ』『失敗を恐れずにチャレンジしよう』ということを、繰り返し、伝えています」「ミス=失敗、怒られる」という考えから「上手くなるためにはチャレンジが必要で、チャレンジにミスはつきもの」という考えにチェンジしていくことで、子どもたちは積極的に挑戦するマインドになります。その状況に導くためにも、トレーニングの設定やルールなどで、よりチャレンジしやすい環境を作ることが大切なのだと教えてくれました。「ブラジル人コーチは、練習のルールやメニューを工夫することで、子どもたちが積極的にチャレンジする環境を作るのが上手」と話す小林コーチ。ブラジルからはネイマールやヴィニシウス、リシャルリソンなど、あっと驚くプレーをする選手が次々に育ってきますが、その背景には彼らの思想や文化、それに基づいたトレーニングがあることは間違いないでしょう。サッカーは国民性を映すスポーツと言われますが、日本が外国から学ぶことは、まだまだたくさんありそうです。ブラジル名門育成クラブの指導を体験できる「クルゼイロキャンプ2023春」は、現在参加者募集中です。詳細はこちら>>「個の力」にフォーカス!試合で活躍するヒントを一人一人に伝えるクルゼイロサッカーキャンプ>>
2023年03月02日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「最新ホラー音楽事情」です。「最近、ホラー多ない?」と思います。Netflixなどの海外ドラマもホラー要素のあるものがウケているなと思っていましたが、気づけば韓国のドラマも、日本のドラマもホラーやバイオレンス要素のあるものが話題です。僕は、ホラーもバイオレンスものも実は苦手。でも、職業上、話題になっているエンターテインメント作品はできるだけ観たいなと思っているので、かなり気合を入れて、腹に力を入れつつ観るようにしています。でも、あまりに刺激が強すぎると途中で離脱したりもします……。ホラー作品において、音楽や音響は恐怖を増幅する役割があります。怖い怖いと怯えているときに「カチャン…」と何か小さな音がするだけでも、人は異常にびくっと怯えてしまうものです。どんな聴覚情報を効果的に使うかはホラー作品にとってとても重要です。僕は、大学時代の卒業研究で映像と音楽の密接さについて論文を書いていて、もともと映像と音楽の関係性に興味があります。音楽には長調(メジャー)と短調(マイナー)があり、通常、恐怖や不安、悲しみを演出するのは短調の音楽といわれています。ただ、最近のホラー作品を観ていると、この通説と変わってきているなと感じます。どういうことかというと、恐怖をもっとも煽りたい、観客に悲壮感を突きつけたいというときにこそ、明るい長調の曲を使うという演出が増えてきているように思うんです。童謡は明るい長調の曲が多いです。そんな童謡の歌を伴奏なしで少女がハミングで歌うと、なんかめちゃくちゃ怖い。そういう感じです。よい例が、韓国ドラマ『イカゲーム』。「だるまさんがころんだ」で動いてしまうと射殺されてしまう。その緊張感の中で小さな女の子の声で「だるまさんがころんだ~」と響く。恐怖の音楽とは真逆の少女のかわいらしい声です。そのかわいらしい声が死と表裏になっていると気づくと得体の知れない恐怖感が増します。不協和音は、調和しない不安定な音が人の不安感を誘うといいます。明るい音楽と恐怖の映像というのは、まさにその効果を視覚と聴覚でやっているのではないかと思います。映像と音楽が合わない。その違和感が人をどうしようもなく不安にさせるのではないでしょうか。これはホラー作品特有の音楽演出の考え方で面白いなと思います。ラブロマンスの作品では、どう考えてもやらないほうがいいと思います。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベント「okazakitaiiku purezentsu“TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年3月1日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年02月25日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「B.LEAGUE公式テーマソング」です。日本の男子プロバスケットボールリーグ、B.LEAGUEの公式テーマソング「Insane(B.LEAGUE version)」を配信リリースさせていただきました。僕が毎週火曜日にレギュラー出演している『おはスタ』(テレビ東京系)で共演している、声優の木村昴さんとお笑い芸人のアイクぬわらさんをフィーチャリングボーカルとしてお迎えして、3人でパフォーマンスをしています。二人のラップがめちゃくちゃかっこいいです。スバにぃ(木村さん)とは以前、『おはスタ』のテーマソング「モーニンググローリー」で共演しているので、そのラップスキルの高さは承知していたのですが、今回もう一人のメンバーである、ぬわちゃんもめちゃくちゃいい味を出してくれました。バスケの本場はアメリカですから。やっぱりニューヨーク生まれ、シアトル育ちのぬわちゃんのネイティブ感が乗ると楽曲がグッと引き締まる感じがします。このテーマ曲の制作は「ぬわちゃんも参加してくれるならやります」と制作会議で言ったほど、僕は彼に参加してほしかった。僕たっての希望でできたスペシャルなユニットなんです。できあがってみて、その考えはやはり間違いなかったなと思っています。また、いつも1人なので3人で作るというのもとても勉強になりました。スバにぃのラップの書き方や言葉の持っていき方はさすがやなと思うところがたくさんあったし、ぬわちゃんに英語部分の作詞を助けてもらってありがたかったです。B.LEAGUEのオールスター戦では3人でステージにも立ちました。おそろいのユニフォーム衣装を着てパフォーマンスをするのはグループのクルー感がありとても楽しかった。ビースティ(・ボーイズ)みたいでめっちゃかっこいい…とこっそり思っていたので、またいつかこの奇跡のユニットで一緒にやりたいです。オールスター戦に呼んでいただいたので、B.LEAGUEの試合も楽しむことができました。バスケは学生時代の体育の授業でやったくらいでプロの試合を観るのは初めてのこと。いや、めちゃくちゃ面白かったです。こんなに客席が近いんだということにまず驚き、ここまで臨場感のあるスポーツは他にないんちゃうかなと思いました。今、巷では映画『THE FIRST SLAM DUNK』も話題になっていますし、僕の楽曲もバスケットボールブームの一助になれたら、こんなにうれしいことはないですね。おかざきたいいく対バン形式の自主企画イベントokazakitaiiku purezentsu “TECHNIQUE”」Vol.3、4を7/5・6に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で、Vol.5、6を7/22・23に京都・宇治市文化センター 大ホールで開催。※『anan』2023年2月22日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年02月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「リバイバルブーム」です。過去のヒット曲がまた脚光を集める“リバイバルブーム”が話題です。倖田來未さんが歌った「め組のひと」や広瀬香美さんの楽曲が、TikTokなどでティーンたちを中心にブームになっています。過去の曲を今の若い人の感性で選んでいるのが特徴ですが、ダンスがしやすいノリのいい曲や、メロディや歌詞がキャッチーな曲をうまいこと見つけてくるものだな、と感心しています。面白いと思う一方で、ティーンたちの消費スピードの速さにも恐れおののいています。すごいスピードで音楽を吸収して自分たちのカルチャーに取り込んでいっている。これもまた、音楽のストリーミングサービスが当たり前で、いつでもいろんなジャンル、時代の楽曲にアクセスできる今の世代ならではの音楽の楽しみ方なのではないでしょうか。それに、若い子たちが新鮮だと思って流行らせた曲が社会現象となり多く聴かれるようになると、上の世代も懐かしいとまた聴くようになる。若い子たちが起こしたムーブメントはいろいろな世代に伝播していきますから、いい曲が再び広く聴かれるようになるのは、とてもいいことなのではと思っています。もちろん僕の曲もそうなれたらいいなと思うことがあります。何十年後かに、あのとき流行った曲としてリバイバルされたら最高です。正直に言えば、いま子供向け番組に出て子供たちに発信をしているのは、その伏線を張っているようなところもあります。子供たちに岡崎体育という存在を認識しておいてもらいたいんです。だって、その子たちがいずれクリエイターになったり、レコード会社に入ったり、広告代理店、テレビ局、大企業に勤めるようになるかもしれない。そのときに「岡崎体育っておもろい人おったな」と思い出してもらい、楽曲を使ってもらったり、キャスティングしてもらえたらこんなにいいことはない。常日頃からそんな先々を考えて、虎視眈々と子供たちに元気と笑顔をお届けしています。とは言いつつも、リバイバルヒットは本当に難しいことだと思います。まず、そもそもみんなに知ってもらっている楽曲でないといけない。その上で、時が経ってから「やっぱりこれ、いい曲だったな」と2段階認証してもらう必要があるのですから。こんなの最初から狙ってできることじゃない。だからこそ、リバイバルヒットはすごいことなんです。おかざきたいいく岡崎体育、木村昴、アイクぬわらのスペシャルユニット「岡崎体育 featuring 木村昴&アイクぬわら」による〈B.LEAGUE 2022‐23 SEASON公式テーマソング〉「Insane(B.LEAGUE version)」が配信中。※『anan』2023年2月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年02月11日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ポケモン主題歌」です。2月1日、『ポケットモンスター』の歴代主題歌をまとめたベストアルバム『ポケモンTVアニメ主題歌 BEST OF BEST OF BEST 1997‐2023』が発売されました。『ポケットモンスター サン&ムーン』シリーズで僕が手がけた、「キミの冒険」「ポーズ」「ジャリボーイ・ジャリガール」「心のノート」の4曲も収録されています。僕は7歳のときからポケモンを見て育っている現役のポケモン世代です。僕が住んでいた宇治では、小学生当時ポケモンを放送していたテレビ東京は映らなかったんです。なので、離れて暮らしていた父に録画を頼み、VHSのビデオテープをわざわざ郵送してもらいそのテープを繰り返し繰り返し見ていました。ポケモンは現在、新シリーズ『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』を放送中。これは、ピカチュウとサトシの“最終章”が描かれる物語。25年にわたり主人公を務めたサトシ編が終わりを迎えるんです。サトシとお別れしないといけないことをまだ寂しく感じていますが、その集大成的なアルバムに名を連ねることができたのは、長年ポケモンを愛してきたひとりとして、本当に幸せだなと感じています。しかも、収録曲のラインナップをよく見てみると、僕はサトシの次くらいに歌っている回数が多いんです。いや、サトシこと松本梨香さんが歌っている曲がもちろんダントツで多いのですが、その次点となるのが岡崎体育か中川翔子さんか……なのではないでしょうか?これは、めちゃくちゃうれしいことですね。収録曲の中で、思い出深い好きなポケモンソングといえば「タイプ:ワイルド」です。ポケモンの代表曲である「めざせポケモンマスター」の作詞・戸田昭吾さんと作曲・たなかひろかずさんコンビによる名曲で、個人的にはこれを超える曲はないのでは?と思うほど完成された曲。まずイントロのギターフレーズがいいんです。それに歌詞も最高です。“このスニーカーも いまでは 世界中 さがしてもみつからない 最高の ボロボロぐつさ!”という歌詞が子供心にむちゃくちゃ刺さったことを覚えています。自分がポケモンの曲を作れるとなったときも、まず最初にこの曲のことを考えました。僕なりの「タイプ:ワイルド」が作りたいと、それを目指そうと思って制作したことを覚えています。おかざきたいいく岡崎体育、木村昴、アイクぬわらのスペシャルユニット「岡崎体育 featuring 木村昴&アイクぬわら」による〈B.LEAGUE 2022‐23 SEASON公式テーマソング〉「Insane(B.LEAGUE version)」が配信中。※『anan』2023年2月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年02月05日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「反抗期」です。ロック少年のイメージといえば、反骨精神や若さゆえの衝動みたいなものがあるのではないかと思います。“大人はわかってくれない”的なことや“学校の窓ガラスを割る”的なことって、10代の心情を歌う曲ではひとつの常套句となっているのではと思うのですが……「僕の中にはないなぁ」っていつも思います。だって、学校の勉強も、先生も、大人のことも普通に好きだったので。10代のころ、世の中の仕組みに納得いかないことなんかひとつもなかったんです。全部、納得していた。そんなわけで、僕には非行に走るような反抗期がありませんでした。中学2年の時、全校集会で在校生が新入生に部活の紹介をした時のことを思い出します。卓球部の部長が部活紹介をしないといけない場面で突然、学校に対する不満を壇上でぶちまけたんです。たぶん、部長はそれをずっと言いたくて胸の内に溜めていたのでしょう。先生たちが慌ててステージにあがって彼を取り押さえていた。僕はそれをただ見ていました。まるで「金八」みたいな衝撃のシーンや、こんなことあるんや、と体育館で三角座りしたまま思いました。3年生たちは「そうだそうだ!」という感じで興奮していましたが、2年生の僕は一切そういうことを思っていなかったので、「この学校、いいと思うけどな……」と心の内で思っていた。それくらい環境に苛立ちや不満を持つことがなかったんです。どうしてそうだったのかと振り返ると、やはりおじいちゃんおばあちゃんと一緒に暮らしていたからではないかと思います。相当愛されているという自負があるのと、家族が多いとやはりそこに守られている、属しているという強い連帯の意識が芽生えます。強いロープで結ばれている安心感があると人は反抗しようなんて思わないのではないでしょうか。そういうマインドで育ったからこそ実家暮らしも長かったのだと思います。反抗してないですから現状維持でいいですし、実家に住んでいたら家賃もかからず経済的で合理的です。よく世の中では実家男子は独立心がなく結婚するにはちょっと……なんて言われますが、とんでもないと思います。家族に愛されてないと成立しないし、愛情をきちんと理解できる男性であることは間違いない。長い目で将来のことを考えるなら、反抗知らずで平和主義の実家男子こそ結婚向きなのではないでしょうか。おかざきたいいくキャリア最多公演数となるワンマンツアー「JAPAN TOUR」の追加公演が、1/29東京、2/11沖縄で開催される。岡崎体育ワンマンコンサート「BASIN TECHNO」@さいたまスーパーアリーナのライブ音源が配信中。『anan』2023年2月1日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年01月28日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「歌詞の覚え方」です。ミュージシャンの方はみなさん、自分の持ち歌の歌詞をどのように覚えているのでしょう。実は僕は歌詞を覚えるのがとても苦手です。自分で書いているのですが全然覚えきれません。ほかのミュージシャンの方と比べて比較的歌詞の分量も多いほうなのではと思いますし、そもそも歌詞にストーリー性や意味がないことが多いので、とにかく覚えにくいです。韻を踏むためや語呂合わせ的な歌詞も多いので、それもあってどっちが1番でどっちが2番かよくわからなくなります。ライブでよくやる定番の楽曲でも間違えることがあります。それこそ一発撮りでパフォーマンスを披露する「THE FIRST TAKE」で「エクレア」を披露した時も歌詞を間違えました。僕には珍しい真剣なバラード曲なのに……。ライブでもちょいちょいそういう間違いがあります。でも、本心を言えばできるだけ間違えたくない。当然、そう思っています。なので、久しぶりにライブでやる曲などは、その前夜に必ず練習をするようにしています。楽曲を何度も聴いて、歌いまくります。それしか覚える方法はないと僕は思っています。ポイントは寝る前にやることです。人は寝ている間に、インプットした内容を脳の中で整理して記憶を定着させます。だから、寝ないでがんばるとかライブが始まる直前に覚えるよりも、寝る前に入れておいたほうがいい。これ、受験勉強と同じシステムです。徹夜の一夜漬けは効率が悪いです。それよりも、時間を決めて前日にしっかり勉強してちゃんと寝る。これで脳から引き出したい時に情報をすっと引き出せるようになります。それでも覚えておけないこともあります。大きな箱でのライブではプロンプターという歌詞を流してくれるモニターが用意されていることが多いです。それは本当にありがたいです。ふとしたことで歌詞が飛んでしまった時など、パッと見て確認できるのでアクシデントを防ぐことができます。最近では、タブレットに歌詞を入れてそれを手元に置いておくミュージシャンもいるとか。歌詞は絶対に覚えたほうがいいに決まっていますが、こういう救済措置があれば助かるというのも事実です。でも、小さなライブハウスには当然そんな設備はありません。なので、今回のライブハウスツアーではめちゃくちゃ歌詞の間違いが多かった気がします。おかざきたいいくキャリア最多公演数となるワンマンツアー「JAPAN TOUR」の追加公演が、大阪、東京、沖縄で開催される。岡崎体育ワンマンコンサート「BASIN TECHNO」@さいたまスーパーアリーナのライブ音源が配信中。※『anan』2023年1月25日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年01月21日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「憧れの時代」です。いまの時代、音楽ストリーミングサービスの普及で、自分が生まれる前の(時代の)楽曲に簡単に触れることができます。20年前だとか、それよりもっと前の曲がリバイバルでブームになることも多いですよね。いろいろな楽曲に接していると、その年代に僕が生まれていたらどんな感じだったんだろうと思うことがあります。この時代にミュージシャンとして活躍してみたかったな~と思うのはバブルのころ。世間が浮かれていてCDも売れに売れていた’80~’90年代です。その興奮をミュージシャン側で体感してみたかったなというのはあります。CDが売れていたということは印税もいまよりもっと多く入るはず……。そうしたら、すごい自宅スタジオとかを作れたのかなと思うと、ちょっとワクワクしますね。みんなの音楽の聴き方もいまとはちょっと違っていたんじゃないかなとも思います。主にCDで聴いていたわけで、いまのストリーミングサービスのように手軽に聴く感じとはまた違っていたと思う。音楽がすごく大事に聴かれていた最後の時代なんじゃないかなと思うんです。そういう時代の感覚もちょっといいなと思います。でも、そうやって具体的に想像していくと、その時代に岡崎体育がメジャーデビューするのはなかなか難しかったかもしれないなとも思います。DTMなんて発想がまずない時代ですし、いまみたいに楽器を持たずに気軽に音楽を作れる環境はなかったわけです。作曲をするにも、才能や技術、資金力が必要だったわけで。それに比べるといまは、パソコン1台あればけっこう何でもできる。恵まれています。僕はやはり、いまの時代だからこそ日の目を見ることができたミュージシャンなんだなと思います。いまの技術を持っていけるなら、戦国時代や江戸時代に音楽活動をするのもいいですね。江戸時代はまだ音階やスケールなど日本古来の伝統の中で音楽をやっている時代。そこにグローバルなジャズやポップスのコード進行を持ち込んだら「なんだこの天才は!?」と崇められるのではないかと思います。もはや“神”と呼ばれるのでは?江戸時代に行って音楽の神になるのもいいですね!これは、もっとも売れる可能性があります。それこそバブル時代なんて比ではないのではないでしょうか。殿のお気に入りになったらすごい褒美がいただけそうです。おかざきたいいくキャリア最多公演数となるワンマンツアー「JAPAN TOUR」の追加公演が、大阪、東京、沖縄で開催される。岡崎体育ワンマンコンサート「BASIN TECHNO」@さいたまスーパーアリーナのライブ音源が配信中。※『anan』2023年1月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年01月14日