2021年に脳梗塞を患い、翌22年に復帰した4人組ボーカルグループ・LE VELVETSの佐賀龍彦(43)が、9月末までの活動をもって、グループを脱退することが1日、発表された。あわせて、10月以降のグループ活動は3人での新体制を整えるため、年内休止することも報告した。書面では「メンバー佐賀龍彦についてご報告させていただきます」とし「2021年9月に脳梗塞を患ってから皆様の心温まる励ましにより、過酷なリハビリにも耐え1年後にはステージに復帰を果すことができました。皆様の温かい拍手とお言葉のおかげで、佐賀自身をここまで奮い立たせていただけたこと心より感謝申し上げます」と伝えた。続けて「一方、回復するにつれてプロのアーティストとして求められる表現レベルに佐賀自身、苦悩と葛藤を抱える様になりました。そして、佐賀本人より『完治』を目標としたリハビリに専念するため、脱退したいと申し出がございました」とし「メンバー、スタッフとも何度も話し合いを重ねた結果、彼の『完治』を目指す気持ちを一番に尊重し、2024年9月末までの活動をもちまして、佐賀龍彦はLE VELVETSを脱退することとなりました」と記した。なお、4人での残された活動期間に全力で向き合うメンバーの意思を尊重し「10月以降のグループ活動は3人での新体制を整えるため、年内休止とさせていただきたく存じます」と報告した。■佐賀龍彦コメント日ごろは、僕たちLE VELVETS に応援、ご支援をいただきましてどうもありがとうございます。また僕、佐賀龍彦に関しましては、とくに2021年9月に脳梗塞を発症して以来、熱い応援、激励のメッセージをいただいてきました。そのおかげで1年後の秋、僕は舞台に復帰できるまでに回復し、その後みなさまの生の励ましの声に支えられながら今日まで1年半、LE VELVETSの一員して頑張ってくることができました。深く感謝しております。どうもありがとうございます。一方、僕は、自身の身体機能はかなり良くなったという感覚はあるものの、自分の思うようなパフォーマンスができず、理想と現実のギャップを感じながら舞台に立ってきたという現実もありました。記憶力や、集中力、理解力が無いだけでなく、ステージにいる自分が宙に浮いたような体験もありました。今の自分のパフォーマンス能力を客観的に見ると、プロの表現者としては50%に満たないと思っています。これでは、プロのアーティスト、表現者として、舞台に立つのは、まだ困難である事を自覚し、直面しています。みなさまの中には、僕の回復の様子を見て励まされると言ってくださる方々もあり、そのお言葉に勇気をいただいて僕も頑張ってきましたが、やはりLE VELVETSの舞台にプロとして立ち続けることに限界を感じています。そこで今、一旦立ち止まり、グループ活動から抜けさせていただき、トレーニングを主とした生活に入りたいと考えております。またメンバーと一緒にステージに並んで、ファンのみなさまに観ていただけるレベルに達するまで必ず回復すると信じて、日々再復帰のための時間を過ごします。どうかみなさま、僕のわがままを許してくださって、100%の回復の日を待っていてくださると幸いです。16年間、共にいるメンバーは再び3人体制でLE VELVETSを守り成長させてくれます。信頼できる彼らがいるおかげで僕は自分自身の回復に専念することができます。本当にありがたく感謝しております。9月いっぱいまでは、僕は全ての舞台に立ち、全力で頑張ります!LE VELVETS は、これからも飛躍し続けます。みなさま、ご理解いただき、今後ともLE VELVETSを応援くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。心より感謝をこめまして 佐賀龍彦■LE VELVETSメンバーコメント突然で驚かれたと思います。僕も佐賀君から胸の内を聞いた時、正直驚きました。リハビリをしながらベストな状態ではないのに、プロとしてLE VELVETSとして毎回ステージに立たなければならない事。佐賀君の中で沢山の葛藤がありました。何度も話し合い、彼のこの申し出を事務所とメンバーみんなで受け止める事にしました。佐賀君が完全に復活し、自信を持ってステージに立てると思えた時、またこのLE VELVETSに帰ってきて欲しいと思っています。これからも全力でこのグループを守ります。宮原浩暢最初は、佐賀くんの思いを聞いて大変戸惑いました。16年間、苦楽を共にしてきた仲間なので、僕自身も気持ちの整理が追いつかず、ファンの皆様の事を考えると言葉になりません。話し合いを重ね、断腸の思いで彼の気持ちを尊重すると決めました。また、脱退後は3人での活動が困難の為、年内のグループでの活動休止に至りました。応援して下さる皆様、僕たちの決断をどうか見守って下さい。佐賀くん、納得する回復を目指して療養に専念して下さい。そして帰ってくる場所がある事。決して忘れないで下さい。僕たちはいつまでもLE VELVETSです。日野真一郎佐賀さんがコンサートに復帰してから、舞台に立つ為に努力を重ね、体は元気になる一方で、記憶や思考の面で思うようにいかない部分を沢山見てきました。共に歩んで来た佐賀さんが脱退するのはとても残念なことですが、今年に入りリハビリに専念したい本人の強い意志を受け取りました。年内は4人でのツアーに全力を注ぎ、その後の年内のグループ活動は休止させていただきます。ご理解いただき、これからも皆様の温かい応援を宜しくお願いいたします。佐藤隆紀
2024年05月01日私立恵比寿中学、アンジュルムなどのアイドルソング、アニメソングの作詞家として活躍している児玉雨子さん。初小説集『誰にも奪われたくない/凸撃』が早くも話題だ。「誰にも奪われたくない」は、銀行勤めをしながら作曲家としてもがんばっている園田レイカと、レイカが楽曲提供したアイドルグループ「シグナルΣ(シグマ)」のメンバー佐久村真子(まこ)の関係性の変化を軸に、彼女たちの生きづらさの正体に迫る一編。「凸撃」は、YouTubeで喧嘩凸待ちを配信している〈せまみち〉こと宏通が、顔も生年月日もプロフィールで晒している未成年の〈金キング〉とのやりとりから始まる短編。どちらも、いわゆるシスターフッドやブラザーフッドとは少し違う“連帯の形”が描かれ、はっとする。「人間関係がヒリヒリしている現代において、ネットは悪しきイメージを持たれている部分もあるけれど、匿名やハンドルネームの存在だからこそ、本音が言い合えるとか、つながり癒される瞬間があるのではないかと。実名と同じ名前で活動していたとしても、仕事や社会における名前の意味は、プライベートのそれと違うはず。現実とオンラインの世界が地続きでフラットにつながっている“イマドキの人と人との距離感”のリアリティは、書いてみたいなと思っていました」「誰にも~」で、思わず首肯してしまうのは、レイカ視点で描かれるふたりの距離感の捉え方や、社会や世相を斬る鋭い観察眼。たとえば、レイカと真子との関係は、ある盗撮動画がネットにアップされることによって変わっていく。「アイドルが不祥事を起こすと『男の影響』、整形する女の子に対しては『モテたいから』というように、紋切り型で決めつけてくる。社会の文脈へのアンチテーゼというか、そこにノーを言いたかったんです」「凸撃」でも、せまみちと金キングが次第に心を寄せほっこりしていたかと思いきや…。展開もお見事。「現実は、こんな距離感に落ち着くことも多いのかなと。ただ、どういう顛末であれ手を取り合った瞬間があるのはすばらしいなと」随所にちりばめられている作詞家ならではの刺さるフレーズといい、2編をつなぐ人物を登場させるアイデアといい、鮮烈なデビュー作だ。『誰にも奪われたくない/凸撃』「編集さんとのやりとりはセッションみたいでした」と振り返る。作中曲「ジルコニアの制服」を自身で作詞作曲、YouTubeで公開中。河出書房新社1694円こだま・あめこ1993年、神奈川県生まれ。作詞家、作家。2011年、高校在学中に作詞家デビュー。アイドル曲やアニメ曲を中心に、幅広く歌詞提供。『BRUTUS』で食コラムを連載中。©Miyoko Tamai※『anan』2021年9月29日号より。写真・中島慶子(本)インタビュー、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2021年09月27日木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、澁澤龍彦の『澁澤龍彦玉手匣』。東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)によるご紹介です。■『澁澤龍彦玉手匣』澁澤龍彦今年は澁澤龍彦没後30年となる記念すべき年であり、多くの出版社から関連書や再編されたものなどが数多く刊行されている。本書は澁澤作品全テクストから選び抜かれた99の断章からなるエッセイであり、澁澤は自身の文才を、推薦文など原稿用紙1、2枚の文章が最も得意な「アフォリズム(金言)型」と称しており、99編の大半が1、2ページと短く、その短く断章された中に龍にちなんで自分の世界を「ドラコニア」と称した、「ドラコニアワールド」の神髄を味わうことの出来る、まさに澁澤龍彦入門書である。澁澤龍彦とは、ちょうど30歳差という本書の編者、東雅夫は澁澤と一緒に仕事をした最後の世代で、雑誌「幻想文学」の元編集長であり、澁澤関連本にも数多く携わっている。そんな編者が澁澤の亡くなった年齢というタイミングでこのアンソロジーを編むという巡り合わせも感慨深い。澁澤の本質を理解した編者が抽出した作品、さらにその作品が収められた書物全体へと興味を引かれる事、請け合いでそれぞれ文末に作品名•収録書名などが掲げてあるので、そこからまた新たな世界を広げ、深めていくきっかけとなるだろう。まえがきにて、「書名の『玉手匣(エクラン)』とは、大切なものを容れる小匣(宝石箱など)を意味するフランス語である」と書かれている通り、妖しく光り「きやきや」させる99の言葉の宝石が詰まった玉手匣だ。現在、Bunkamuraザ・ミュージアムでは、「ベルギー奇想の系譜」展が開催中。澁澤も愛したアンソールやデルヴォー、マグリットなどの作品も展示されているので、ぜひそちらもご覧頂きたい。【書籍情報】『澁澤龍彦玉手匣』著者:澁澤龍彦編者:東雅夫出版社:河出書房新社四六判変形発刊:2017年7月価格:税込1,728円【展覧会情報】「ベルギー奇想の系譜 ボスからマグリット、ヤン・ファーブルまで」会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1地下1階会期:7月15日~9月24日 ※7月18・8月22日は休館時間:10:00~18:00(金・土曜日は21:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般1,500円(1,300円)、大学・高校生1,000円(800円)、中学・小学生 700円(500円)※( )内は20名以上の団体料金、前売料金。※障害者手帳のご提示で割引料金あり、詳細は窓口にて。
2017年09月07日1月15日(日)、大阪・道頓堀に映画『新宿スワンII』で主人公の白鳥龍彦を演じる綾野剛が登場し、映画のPRのために制作された全長8mの巨大龍彦像と対面した。全国的に厳しい寒波が続き、雪がちらつく中、綾野剛を乗せた船が道頓堀のグリコサイン前に到着すると、集まった約6,000人のファンは大歓声と拍手で綾野さんを迎えた。シリーズ一作目となる『新宿スワン』(2015年5月公開)の公開時には東京のJR新宿駅前に登場した巨大龍彦像。今回、大阪ミナミの観光スポットとしておなじみのグリコサインの真正面に設置された巨大龍彦像と対面した綾野さんは「やっぱグリコサインはスゴいですね、最高です!こんな景色見たことないです!」と興奮しながらコメントすると、続けて「いま相当アガってます(笑)。前作のときは新宿駅に龍彦像が建っていたんですけど、今回はどこに建たせるかって話になったときに僕が“絶対大阪がイイ!”ってお願いをしたんです」と巨大龍彦像設置の経緯を語った。また1月21日(土)から公開が始まる『新宿スワンII』について綾野さんは「続編のつもりで撮影していたんですけど、完成した作品を見ると“続編というよりも新章”だなと思いました。今回、浅野忠信さんと共演させていただいたんですけど、世界を相手に勝負されている役者さんなので、存在感が圧倒的でしたね」と撮影中の心境についても話した。さらに本作の見せ場となるアクションシーンについても触れ「今回も撮影中のケガは多かったです。でも今回は“魅せるアクション”という感じなので、前作に比べると撮影中のケガは少なかったですね。前作のアクションは相手との距離の近いアクションだったので、山田孝之とのケンカのシーンはお互い大きなケガをしちゃったんですけど…」と語り、ハードな撮影の一端を明かした。巨大龍彦像は、1月22日(日)まで大阪・道頓堀のグリコサイン前に設置されている。『新宿スワンII』は1月21日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月15日東京大学(東大)は5月28日、悪性度の極めて高い小細胞肺がんを移植したマウスに、がん細胞にのみ結合する抗体「90Y標識抗ROBO1抗体」を投与したところ、腫瘤が著明に縮小することを確認したと発表した。同成果は、東大医学部附属病院 放射線科/東大大学院 医学系研究科核医学分野 准教授の百瀬敏光氏、東大医学部附属病院 放射線科 特任助教/東大大学院 医学系研究科核医学分野 博士課程学生(当時)の藤原健太郎氏、東大先端科学技術研究センター 計量生物医学 教授の 浜窪隆雄氏、東大先端科学技術研究センター システム生物医学 特任教授の児玉龍彦氏らによるもの。詳細は「PLOS ONE」に掲載された。肺がんは、がんの中で最も罹患率・死亡率が高く、その内、成長が早く、転移しやすい小細胞肺がんが約15%を占めているが、身体の他の部位までがんが広がってしまっている段階の進展型小細胞肺がんは、悪性度が高く、有効や治療法が確立されていない。今回、研究グループは、放射性同位元素で標識した「がん細胞にのみ結合する抗体(90Y標識抗ROBO1抗体)」を開発し、実際に、小細胞肺がんを移植したマウスに投与したところ、がん細胞を殺傷し、腫瘤を縮小させる効果があることを確認したという。また、こうした抗体を投与して、がんに集積させることで、小細胞肺がんを移植したマウスの体内から放射線治療をする「放射免疫療法」が、進展型小細胞肺がんの根治や余命の改善に向けた治療法の確立につながることが期待できるとしており、今後は、同薬剤の治療効果と副作用に関する詳細な評価に加え、治療効果や副作用のさらなる改善を目指して、化学治療との併用治療や、別の治療用放射性同位元素の導入、抗体の小分子化などを検討していくとするほか、抗体の体内動態を可視化することで、SPECT/PETイメージング用診断薬の開発にもつなげたいとしている。
2015年06月01日