今年、10周年を迎えた金沢21世紀美術館が、「ザ・コンテンポラリー 1 われらの時代:ポスト工業化社会の美術」を8月30日まで開催。同展は、金沢21世紀美術館の開館から10年を迎えたことを機に企画された、“美術の今”を問い直す展覧会シリーズ「ザ・コンテンポラリー」の一環となるものだ。3つの展覧会のうち第1弾となる同展では、現代の日本にフォーカス。工業を中心とする社会からサービス業や情報産業へ軸足を移し、少子高齢化や孤独死の増加といった社会問題から関係性を創ろうとする試みが強まる一方、SNSなどの個人メディアが発達と進化を遂げている現在の日本の姿を“ポスト工業化社会”という言葉で表現し、こうした時代に生きる10人の作家たちの作品を紹介する。参加する作家は、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会に強い関心を持ち、社会問題を軽快なポップミュージックで表現するスタイルで新しい人間像を提示するスプツニ子!を始め、個体がたえまなく流動的に変化していく様を立体作品で表現する金氏徹平、大久保あり、宇川直宏、小金沢健人、泉太郎、三瀬夏之介、束芋、八木良太など。日本を始めとした世界21カ国が共同運用する史上最大規模の高性能電波望遠鏡「アルマ望遠鏡」を用いたアート作品も登場する。【イベント情報】「ザ・コンテンポラリー 1 われらの時代:ポスト工業化社会の美術」会場:金沢21世紀美術館住所:石川県金沢市広坂1-2-1会期:4月25日~8月30日時間:10:00~18:00(金曜、土曜は20:00まで)料金:一般 1,000円、大学生 800円。小中高生 400円、65歳以上800円休館日:月曜日(8月17日は開館)
2015年08月06日狂言師の野村萬斎が、TVドラマ『相棒』や『リーガル・ハイ』などで知られる人気脚本家・古沢良太氏のオリジナル書き下ろし映画『スキャナー記憶のカケラをよむ男』(2016年GW公開)で現代劇に初挑戦することが27日、明らかになった。野村が演じるのは、残留思念を読み取る特殊能力を持つ主人公・仙石和彦。かつてはその能力を使い、マイティーズというコンビで日本中を湧かせたものの、その能力の代償に精神をすり減らしてコンビは解散。マンションの管理人として人目を避けた生活を送る中、一人の女子高生から行方不明になったある女性を探してほしいという依頼があり、コンビ復活をもくろむ芸能事務所社長の策略で渋々協力するも、予想だにしない事件へと巻き込まれていく。映画では、仙石の相方・丸山を雨上がり決死隊の宮迫博之が演じる。今作が現代劇デビューとなる野村は、「僕は狂言師なので、どうしても腹から声を出してしまいます。今回は現代劇ですし、そんなに大きな声を出さないでと監督に言われていますので、なるべく自然にしゃべることを心がけています」とコメント。また、宮迫とコンビを組むことについては、「僕も漫才師になったような不思議な気分です(笑)」と楽しんでいる模様で、「狂言もセリフ術ですが、今回セリフの応酬で魅せる部分もあるこの作品の中で話芸を培われた宮迫さんと一緒にやると非常にテンポ感が出ます。分かりやすく言えば楽しいキャッチボール。お互いが楽しんでいて、それを人が見て楽しい。そんなコンビネーションになっていると思います」と期待をのぞかせた。一方の宮迫は、「本来、映像のお仕事に限らず、ある程度の緊張を持って仕事に臨むんですけど、今回は芸人ということもあって今の所、ほぼフラットです(笑)」と役柄に違和感はない。野村とはこれが初共演だが、「とにかく初対面の感じがしなかった。不思議と、何の違和感もなくリズムよくできたんです」と相性のよさを明かした。さらに、野村と一緒に芝居に入ってからは「発声のレベルが全然違う」ことを発見したようで、「(萬斎さんの)役柄的には(発声を)抑えないといけないので、監督さんから注意されることもあるんですが、その時の発声が全てこっちのおなかに響いてくるから、すげ~なと!(笑)。あのおなかに響く発声はどうやってるんだろう?などと思いながら、ご一緒しています」とコメントを寄せた。古沢氏は野村の役どころについて「主演の萬斎さんは普通の人っていうよりは、普通じゃない人…"変人"をある説得力を持って演じられる人であるだろうと思っています。なので何かしらの特殊な能力を持った人間でいこうと決めていました。色んなアイデアはありましたが、新しいヒーロー像がいいと思っていて、正攻法で事件を解決するプロットの中に今までに無いような主人公、探偵像を作りたいと思いました」と説明。宮迫が演じる丸山については、「お笑い芸人なので、本職の方がやってくれると説得力があります。バカなことも言うけれど、いかんせん仙石がもっと変人なので、ビシバシ、突っ込んでいかなきゃならない。その両方を器用にできる方がいいと思っていたので、宮迫さんは本当に理想的」と絶賛している。本作のメガホンをとるのは、『デスノート』(2006年)、『デスノート the Last name』(2006年)の金子修介監督。TVドラマ『相棒』Pre Season~season5など人気シリーズを手がけてきた須藤泰司氏が企画を務める。須藤氏と古沢氏がコンビを組んだ映画『探偵はBARにいる』(2011年)は、第35回日本アカデミー賞で優秀脚本賞を受賞した。本作について古沢氏は、「『相棒』→『ゴンゾウ』→『探偵はBARにいる』と事件ものの面白さを学び、面白さを知りました。それらの仕事を通じて学んだものの、自分なりの最新型がこの作品です。現時点での集大成でもあると思います」と語っている。映画は7月15日にクランクイン。クランクアップは8月末を予定している。(C)2016「スキャナー」製作委員会
2015年07月29日方南ぐみ企画公演『ボンバーマン初夏の浅草の秘密』に、劇団EXILEの小野塚勇人と八木将康が出演する。ふたりが演じるのは、タイムスリップによって昭和25年という時代にやってきた男たち。小劇場の手練れに混じって、この作品にどう取り組んでいるのか。初日を控えた小野塚と八木が気合いを見せた。方南ぐみ企画公演『ボンバーマン初夏の浅草の秘密』チケット情報自分の人生がうまくいかないのを世の中や人のせいにしていた若者が、ひょんなことから昭和25年の浅草に迷い込んだ。そこで出会うのは、戦争を生き抜き、貧しくとも懸命に生きている人たち。小野塚と八木は、台本を読んですぐ、この物語に惹かれたという。「現代にいると、ちょっとイヤなことがあっただけで面倒くさいってなるけど、この時代はイヤだからって頑張らなければ本当に死んでしまう。生きていくためには何だってやるぞっていう強さを感じるんです」(小野塚)。「知らない時代のことだから、自分にとって新しい知識としてすごく勉強になりますし、また「知らない」ということが逆に役を演じる時にリアルな反応をすることができる強みでもある。観てくださる方も、僕たちと同じ目線で物語に入っていけると思います」(八木)。まさに、ふたりを通して観客にも何かが届くという仕掛けだ。「現代っ子の僕たちだからこそ伝えられるメッセージというものも台本には詰まっているので、しっかり伝えていきたいと思っています」(小野塚)。今作の作・演出を手がけ、方南ぐみを主宰する樫田正剛は、実はふたりの恩人である。2012年の樫田の作品『あたっくNo.1』への出演をきっかけに、劇団EXILEに加入することになったからだ。だからこそ、期待に応えたいという気持ちは強い。「まったく未経験の僕らに、技術じゃなくて気持ちで芝居をするっていう役者としての基礎を教えてくれた人なので、今回もちゃんと精神を入れて、本気で役と向かい合いながら芝居をしたいと思います」(小野塚)。「常にチャレンジしろ、やりすぎるぐらいがいいっていうこともいつも言われるんです。だから、ベテランの方々にもまれながら、食らいついていこうと思ってます」(八木)。また、今回は小劇場で上演されるとあって、このふたりならではの息の合ったところも間近で観ることができそうで、「視線を合わせるところや細かい表情も観ていただきたいポイントです」と八木もアピールする。「戦後の話ですけど、エンターテインメントにあふれる物語で、笑える部分もたくさんあります。それに、知らないことが描かれているからこそ面白いということもあると思うんです」と最後に語った小野塚。その言葉が演劇の真髄を表していた。公演は7月15日(水)から20日(月・祝)まで東京・キンケロ・シアターにて。チケット発売中。取材・文:大内弓子
2015年07月08日阪神電気鉄道とそのグループ会社である六甲山観光は、六甲山の土地柄や景観をいかした現代アートの展覧会「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2015」を開催する。合わせて、3月1日~5月5日にかけて募っていた「公募アーティスト」が決定したことを発表した。会期は9月12日~11月23日。会場は「六甲ガーデンテラス」、「自然体感展望台 六甲枝垂れ」、「六甲山カンツリーハウス」などの六甲山上にある各施設。料金は、4つの有料会場に入場できる「鑑賞チケット」が大人1,850円 / 小人930円(当日券の価格。前売り券、早期割引券あり)同展は、六甲山の土地柄や景観をいかした現代アート作品を通じ、六甲山の魅力を再発見することをテーマにした展覧会で、2010年秋の初開催から今回で6回目を数える。招待アーティストと公募によって選出されたアーティストが、展覧会の開催に合わせて新たな作品を制作・展示するという。また、公募アーティスト(公募作品プラン)は、2015年3月1日から5月5日にかけて募集され、応募総数202作品の中から審査員による1次審査(書類選考)と、キュレーターによる実現性の確認を経て15組が決定した。公募アーティストに選ばれたのは、北川純、齋藤隆太郎(DOG)+東大計画系研究室、笹原晃平、進藤篤、スガショウタロウ+SA、千田泰広、趙ウリ、月原麻友美、遠山之寛、中川浩佑、中村将志、西村正徳、深尾尚子、水野勝規、森太三。作品の完成後、9月11日に審査員が改めて2次審査を行い、公募大賞をはじめ、各賞を決定するとのこと。なお、招待アーティストは青山悟、usaginingen、大岩オスカール、篠原奈美子、宿題工作展(安齋肇)、朝倉世界一、白根ゆたんぽ、しりあがり寿、高橋キンタロー、薙野たかひろ、なんきん、パラダイス山元、ミック・イタヤ、高橋匡太、高橋信雅、竹久万里、林和音、原高史、久門剛史、日野田崇、三宅信太郎、八木良太、山下拓也、淀川テクニック。また、ワークショップ出展アーティストとして、靴郎堂本店、新聞女、マキコムズ、山村幸則が、会期前のプレイベントでワークショップを行うという。同展の会場は、六甲ガーデンテラス、自然体感展望台 六甲枝垂れ、六甲山カンツリーハウス、六甲高山植物園、六甲オルゴールミュージアム、六甲ケーブル、天覧台、六甲有馬ロープウェー(六甲山頂駅)、旧六甲オリエンタルホテル・風の教会、グランドホテル 六甲スカイヴィラ、[プラス会場]TENRAN CAFE。開催期間は9月12日~11月23日の10時~17時(会場により21時30分まで、土・日・祝日は22時まで鑑賞できる作品あり)。自然体感展望台 六甲枝垂れ / 六甲山カンツリーハウス / 六甲高山植物園 / 六甲オルゴールミュージアムの4つの有料会場を巡ることができる「鑑賞チケット」の料金は、現在販売中(7月16日まで)の「早期割引券」が大人1,350円 /小人680円、7月17日~9月11日に販売される「前売券」が大人1,550円 / 小人780円、そして会期中に販売される当日券が大人1,850円 / 小人930円となっている(中学生以上は大人料金、4歳から小学生は小人料金。六甲ケーブルおよび六甲山上バスの運賃は含まれない)このほか、「旧六甲オリエンタルホテル及び風の教会」会場の単独入場券は大人、小人ともに500円。プラス会場「TENRAN CAFE」の展示作品鑑賞については、カフェの飲食利用が必要となる。
2015年07月02日「ケンゾー(KENZO)」を運営するケンゾーパリは1月29日、八木通商と共に、日本で合弁会社「ケンゾーパリ ジャパン」を設立することを発表した。新会社は今後数ヶ月以内に設立され、日本におけるケンゾーラインのディストリビューターとして、14AWから営業を開始する。ケンゾーパリのエリック・マレシャル(Eric Marechalle)CEOは「ケンゾーのファッションは、ブランド創始者・高田賢三の故郷である日本のお客様に高く評価されており、更にその存在を高めたい」とコメント。 八木通商の八木雄三代表取締役社長は「私共のマーケティングに関する高度な専門知識を用いて、ケンゾーを日本市場において最も成功を収めるブランドに育てて行く」と意気込みを語っている。高田賢三は、1970年にパリにブティック「ジャングルジャップ」を開き、ハンドメイドのウィメンズコレクションを発表。99年にはLVMHグループの傘下となり高田はアーティスティックディレクターを辞任。2011年7月に「オープニング セレモニー(OPENING CEREMONY)」創設者のキャロル・リム(Carol Lim)とウンベルト・レオン(Humberto Leon)がクリエーティブディレクターに就任した。八木通商は1946年に設立。アメリカ、ヨーロッパ、アジアに海外拠点を持ち、「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」「バラクータ(BARACUTA)」「バブアー(Barbour)」「J&M デヴィッドソン(J&M DAVIDSON)」「ファリエロ サルティ(Faliero Sarti)」「スリードッツ(three dots)」などの輸入・販売を手掛けている。2009年には「モンクレール(MONCLER)」とも合弁会社を設立し、日本でのビジネス展開を担っている。
2014年01月30日