バンダイのフィギュアシリーズ「聖闘士聖衣神話EX」より、2015年7月発売予定の『聖闘士聖衣神話EX シードラゴンカノン』の予約受付が、全国の家電量販店、ホビーショップ、オンラインショップなどでスタートしている。価格は9,720円(税込)。「聖闘士聖衣神話EX」シリーズは、『聖闘士星矢』シリーズのアクションフィギュアとして人気を博した「聖闘士聖衣神話」に新たな解釈や最新技術を投入し、聖衣(クロス)と素体の一体感を飛躍的に向上させたシリーズ。『聖闘士星矢』アクションフィギュアの決定版として人気を博している。同シリーズは、昨年12月に12人の黄金聖闘士が出揃い、今回はついに海王ポセイドンの海闘士(マリーナ)がラインナップ。第1弾は、海龍(シードラゴン)の海闘士にして、ジェミニサガの双子の弟カノンが立体化される。『聖闘士聖衣神話EX シードラゴンカノン』は、同シリーズならではのプロポーションと可動でカノンのさまざまなシーンを再現可能。通常顔のほか、正体不明時の「謎顔」、アクションポーズに最適な「叫び顔」、不適な表情が再現できる「笑み顔」など、豊富な表情パーツが付属している。もちろん鱗衣はオブジェ形態に組み換えが可能。セット内容は本体に加え、鱗衣一式、オブジェ用フレーム、交換用左手首3種、交換用右手首4種、交換用表情パーツ4種、マント。2011年8月に発売された『聖闘士聖衣神話EX ジェミニサガ』とともに、双子座の兄弟で揃えたいフィギュアに仕上がっている。(C)車田正美/集英社・東映アニメーション
2015年03月07日ワコムは2月10日、「CGアーティスト森田悠揮ZBrushテクニックセミナー」をデジタルハリウッド駿河台ホールにて開催した。セミナーにはCGアーティスト森田悠揮氏とPixologic社COOのハイミ氏、マーケティング担当のトマ氏が登壇。オークの山田有祐氏が司会を務めた。森田氏の実演に会場が沸いたセミナーの様子をレポートする。○デジタルライブスカルプティングを披露同セミナーは、3Dモデリング制作を行っている人から3Dモデリング制作に興味がある人までの幅広い層を対象に行われた。「ZBrush」はゲームや映像作品の3Dモデリング制作に使われているデジタルスカルプティングソフトウェア。今回のセミナーに登壇した森田氏は、「CG Student Awards 2013」にて、世界第3位を受賞。セミナーでは、ZBrushとペンタブレットを使ったデジタルライブスカルプティングを披露した。また、実演と平行してZBrushの開発元であるPixologic社のハイミ氏とトマ氏がソフトウェアを解説し、質疑応答も実施。会場には液晶ペンタブレット「Cintiq」シリーズのフラッグシップモデル「Cintiq 27HD」を中心とした液晶ペンタブレットを展示し、その場で体験できるようになっており、セミナー終演後には、実際に試してみる参加者の姿も見られた。○「爬虫類っぽい」クリーチャーを作成セミナー冒頭で進行の山田氏が尋ねたところ、来場者の中でZBrushを使っているのは4~5割程度。森田氏はセミナーが行われる1時間半~2時間の間にクリーチャーの頭部を作ると話し、実演が開始された。森田氏が作るのは「爬虫類っぽい」クリーチャーということで、トカゲを意識しながら作ると説明。普段はクリーチャーであれば何の動物をベースに作るかを考え、大量の資料を見て、動物の構図を頭にたたき込んでからさっと作るようにしているとのこと。最初の段階では印象だけを重視しているので、ディテールにはあまり凝らずに進めるのだという。目の周りが決まるとそれ以外の部分も決まるということで、目の周りから重点的に作っていた。会場からの「自分で絵を描くのか」という質問に対しては、デッサンを本格的に習ったことはないが、デッサンは観察力をつけるためにあるため、観察力さえあればできなくても大丈夫だとの回答をしていた。○ZBrush 4R7をPixologic社が紹介森田氏による作業の中盤には、Pixologic社によるZBrushの説明が行われた。ZBrushの特徴は、紙とペンがあれば何かが描けるのと同じように、ZBrushがあれば経験がなくても制作を始められるということだ。「粘土をこねるように作業を進められる」と例えていた。産業分野ではゲーム、映画、マーケットデザインのイラストレーション、製品製作前のコンセプト段階でのアート、テレビコマーシャルなどさまざまな場面で使われており、利用者に合わせて幅広く活用できるという。ハイミ氏とトマ氏は、今回の来日で2月8日に行われたワンダーフェスティバルに参加し、「日本では漫画文化が強い」と実感したとのこと。このほどリリースされた「ZBrush 4R7」についても、いち早く詳細を紹介。ZBrushの特徴のひとつに「ZBrushだけですべての作業が完結できること」があるが、4R7ではそれがさらに強化されたという。○最終的な質感をイメージして作業を進行Pixologic社が「ZBrush 4R7」の説明をしている間に、森田氏の実演も進行。大まかな形が完成。続くディテールでは、質感を考えて作業を進めるという。今回のクリーチャーについては、ぬるっとした首の皮にし、ヒダや顔のシワをつけていた。最終的な質感をイメージしていると作業が早く進むのだという。その様子を見ていたハイミ氏は、球からアウトラインを作っていったことに注目し、「作業をやっていく中で調整を重ねてドラゴン(クリーチャー)ができあがっていった」と話した。トマ氏は作業の早さがZBrushならではであると強調。山田氏は、「デジタルでは、良くも悪くもとことんディテールを突き詰められる」とデジタルならではの特徴を読み取って説明していた。○液晶ペンタブレットは「アナログで制作しているみたい」セミナーの後半では、山田氏が事前アンケートの結果を紹介。会場にいるZBrushユーザーではペンタブレットを使っている人が多いという内容だった。それについて、最近液晶ペンタブレットを買ったという森田氏は、「アナログで制作しているみたいで慣れるとすごく使いやすい。5時間で慣れてしまった」と話した。購入したのは「Cintiq 13HD」だという。メインのディスプレイとミラーリングして使っているという山田氏は、「Cintiq 13HDなら原型を作る感覚のまま、フィギュアを作る感じに近いので良い選択だった」と振り返っていた。そしていよいよ森田氏のクリーチャーが完成。ハイミ氏は「2時間以内で作った作品ではハイクオリティ」と評価していた。森田氏はもともとはモデラー志望ではなく、いろいろなものを作っていたのだという。しかし、クリーチャーを作るのが楽しく、生き物が好きだったことから、現在ではクリーチャーの仕事が9割を占めるようになったそうだ。また森田氏は、日頃から使えそうな質感や造形を頭にストックしておくことの大切さを強調。現存の動物から使える要素を探して、イマジネーションに取り入れておく。実際の作業においては、シルエットが決まれば完成形も見えるため、ディテールにとらわれずに形を突き詰めて、最終的に良い物をつくることを心がけるように意識していると話し、セミナーは幕を閉じた。
2015年02月17日バンダイのフィギュアシリーズ「聖闘士聖衣神話EX」より、2015年3月に発売される『聖闘士聖衣神話EX キャンサーデスマスク(冥衣)』の予約受付が、全国の家電量販店、ホビーショップ、オンラインショップなどでスタートしている。価格は8,100円(税込)。「聖闘士聖衣神話EX」は、『聖闘士星矢』シリーズのアクションフィギュアとして人気を博した「聖闘士聖衣神話」に新たな解釈や最新技術を投入し、聖衣(クロス)と素体の一体感を飛躍的に向上させたシリーズ。聖衣を着た状態でも高い可動範囲を実現させ、さまざまなポーズをパーツ換装なしで再現するとともに、オブジェ形態への組み替えも可能。『聖闘士星矢』アクションフィギュアの決定版として人気を博している。これまでに12人の黄金聖闘士(ゴールドセイント)がラインナップされ、「冥王ハーデス 十二宮編」にて黄金聖闘士たち冥闘士(スペクター)として復活した姿も続々と立体化されている。『聖闘士聖衣神話EX キャンサーデスマスク(冥衣)』は、冥衣(サープリス)に身をつつみ蘇りしデスマスクを立体化し、禍々しき冥衣は完全新規造形。必殺技「積尸気冥界波」の肩を上げるポーズも、EXならではの可動域で再現している。通常顔のほかに、新規の「歯ぎしり顔」に加え、「悪さを秘めた笑み」「叫び顔」と豊富な表情パーツが付属。手首パーツも複数同梱され、冥衣となった蟹座の聖衣でさまざまなシーンが再現できる。もちろん冥衣は、オブジェ形態に組み換えが可能となる。セット内容は本体に加え、冥衣一式、オブジェ用フレーム、交換用表情パーツ3種、交換用左手首4種、交換用右手首5種。なお、バンダイの公式サイトでは聖闘士星矢スペシャルページも展開中で、「聖闘士聖衣神話EX」や「聖闘士聖衣神話」、「聖闘士聖衣伝説」などさまざまなシリーズの情報が配信されている。(C)車田正美/集英社・東映アニメーション
2014年11月11日プロの料理レシピサイト「E・レシピ」がご紹介する『今日の献立』は、旬の食材を使ったバランスのよい献立メニュー。今夜の夕食にオススメの献立を毎日ご紹介!今日の献立は「鶏肉の細切り衣揚げ」を含めた全4品。メインの衣揚げは春巻きの皮でサクサク楽しい食感に。みそ汁には練りゴマを加えていつもと違う味わいを。 鶏肉の細切り衣揚げ 鶏ささ身を使った弾力のあるヘルシーな衣揚げ。春巻きの皮のパリッとした食感ととてもよく合います! ふんわり卵炒め ご飯にのせて丼にして食べてもおいしく召し上がれます。 ジャコおろし甘酢 定番のジャコおろしにユズ汁を加えてユズの香り引き立つ一品に。 くずし豆腐のゴマみそ汁 豆腐に味がしみこんだほんのりゴマの風味が感じられるみそ汁です。 ⇒今日の献立一覧はこちら
2013年12月03日「子供の頃から、建築家になりたいと思っていた」高橋は、中学校の3年生頃に、ファッションに出合う。反抗期と共に、自分のお小遣いで自ら服を買い始めるが、ちょうどその時期は裏原ブーム、“おしゃれな友達”と人気のあったショップを回っていた。さらに、メンズファッション雑誌の裏原マップを見て、奥の奥まで行こうと友達を誘う。ところが、周りはそこまでする気がなかった。「他の人よりファッションが好き、という気持ちが強いことがわかりました」と、高橋。ぼろぼろのデニムにも自分でヤスリをかけたり、染料を買って染めたりして、手を加えていた。その“好き”は、衣服だけではなく、ジョン・ロブなどの革靴ブームにも影響され、靴職人にも興味を抱くことに。“手でものを作ることが好きな”少年が、将来ファッションデザイナーになることを、無意識に思い描いていたとしても不思議はない。しかし、“ファッションにはまった”少年が、それを仕事とするまでには、まだいくつかの出会いと経験、そして時間が必要だった。高校2年の時、進路を考えるようになった高橋は、建築家という選択肢もありつつ、受験を避けて、中学・高校からそのまま推薦で大学へ。そこで、1年生の時は、油絵や彫刻などの美術から、プロダクト、インテリア、テキスタイルなどのデザインに至るまで、幅広いフィールドから10種類のクラスをとることができた。高橋の旺盛な好奇心を満たすだけではなく、視野を広げることに大いに役だったことは想像に難くない。2年生になると、専攻を決めなくてはならなくなり、テキスタイルデザインを選ぶことに。そのきっかけの一つが、「ミシン屋さんに行って、シャツの縫い方を教えてもらった時に、『これからはテキスタイルの時代』と言われたわけですよ」という。その人が、どういう根拠からアドバイスをしたかは知るよしもないが、的を射ていたことは確かだ。だが、ファッションだけでなく、「同時にインテリアも捨てきれない。両方できるのではという思いもあった」という。若いということは、さまざまな可能性に満ち溢れていることでもある。ファッションデザインに絞られていくには、まだ時間が掛かる。「芸術論の授業をとって、現代アートにも出合い、特にミニマルアートやコンセプチュアルアートにはまりました」。その頃はパリコレにも興味を持ち、好きになったフセイン・チャラヤンの作品について、「蘊蓄(うんちく)を並べていた」という。そういう高橋に、先生からうってつけの大学があると勧められ、2年生の時、大学の国際教育プログラムでテキスタイルコースがあるロンドンのカレッジに留学することになる。3/4に続く。
2013年09月03日コロッケは子供も大人も大好きなメニューのひとつ。でも、つくる立場で考えると衣を付けたり油で揚げたりと何かと面倒……。そこで今回は衣いらず、しかも揚げないコロッケを紹介する。お手軽さの秘密は”油揚げ”にあった!マイティ節約料理研究家・日本ソムリエ協会認定ソムリエ東京都在住。都内の人気料理店で店長を務めたのちに結婚。2004年に趣味の節約を生かして、節約料理のブログを開設。「節約は明るく楽しみながら」をモットーに、愛する家族のため、節約しつつも安くてリッチな献立作りに励む。料理以外にも公共料金の節約術、ハンドメイドなどを公開したブログ『1ヶ月2万円の節約レシピ』が人気を集めている。節約をテーマとした雑誌やテレビ出演も多数。材料(2人分)ジャガイモ 大2個 / 豚挽肉 100g / 玉ネギ 1/2個 / 油揚げ 3枚 / サラダ油 大さじ1A(塩、こしょう 各少量 / 醤油 大さじ1 / 砂糖 大さじ1 / 味醂 小さじ1)付け合せ用(レタス・プチトマト・セルフィーユ 適量)つくり方ジャガイモは皮をむき、乱切りにして塩茹でする。やわらかくなったら湯を捨てて粉ふきにし、マッシャーで潰しておくフライパンにサラダ油大さじ1/2を入れて火にかけ、豚挽肉を炒める。肉の色が変わったらみじん切りにした玉ネギを入れて炒め、しんなりしたらAの調味料を加えてタレを煮詰める。1と2を混ぜ合わせる。油揚げは半分に切って裏返し、3をスプーンなどですくって中に詰めたら口を閉じて丸く成形する。フライパンにサラダ油大さじ1/2を引いて4を並べ入れて、転がしながら焼く。焼き色がついたらレタスを敷いた皿に盛り付け、プチトマトとセルフィーユを飾る。「コロッケ種を油揚げに詰めることで、衣をつける手間が省け、また油で揚げずにフライパンで焼くのでお手軽です。油揚げを転がしながら焼くので、皮がサクサクして食感もいいですよ。すき焼き風の味付けにしているのでそのまま食べてもおいしいですが、お好みでソースや醤油をつけても」(マイティさん)。注1 食材代は東京都内にあるスーパーの底値を基準に計算しています。注2 米や基本的な調味料は材料代に入れていません。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月09日「サザンオールスターズ」の“原坊”こと原由子が来年公開のアニメーション映画『ももへの手紙』で自身5年ぶりの映画主題歌を担当することが明らかになった。原さんが作詞作曲を手掛けた主題歌には夫の桑田佳祐もコーラスで参加。瀬戸内の島を舞台に綴られる家族の愛の物語に夫婦で彩りを加える!監督デビュー作『人狼 JIN-ROH』がベルリン国際映画祭に出品された俊英・沖浦啓之の7年ぶりの新作となる本作。作画監督を『もののけ姫』、『千と千尋の神隠し』の安藤雅司が務めるほか『AKIRA』の井上俊之に『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』の本田雄、『サマーウォーズ』の青山浩行、さらに美術監督に『魔女の宅急便』の大野広司と、日本の長編アニメーションを支えてきた才能が集結。仲たがいしたまま死別した父への思いを抱える少女・ももが、母と移住した瀬戸内の島で成長していく姿を通して家族の愛が描き出される。原さんは本作のために主題歌「ウルワシマホロバ〜美しき場所〜」を書き下ろした。“マホロバ”とは「美しい場所、住みやすい場所」を意味する古語で、アコースティック中心のアレンジと原さんの透き通るような歌声が映画の舞台となる瀬戸内の美しい自然を思い起こさせる。原さんにとって映画の主題歌は『リトル・レッドレシピ泥棒は誰だ!?』の際の楽曲「大好き!ハッピーエンド」以来5年ぶり。その間にサザンの活動休止に夫・桑田佳祐の食道がんによる休養と復帰などもあり、自身は昨年6月にソロ楽曲やサザンの楽曲などあらゆる曲からセレクトしたベストアルバム「ハラッド」をリリース。翌7月には19年ぶりとなるワンマンライヴを鎌倉で行ったが、今回、1年ぶりに“原坊”が本格的に活動を開始する。原さんは「小さい頃からアニメが大好きですので、『ももへの手紙』に音楽で参加させて頂けたことはとっても嬉しく光栄です。この映画への熱い想いを語って下さった監督にも感動しましたし、監督のお気持ちに寄り添えるよう心がけたつもりです。お父さんを想うももちゃんの気持ちに、私自身の大切な人、そして美しい故郷への想いをプラスして、心を込めて歌いました。とても素敵な映画ですので、どうぞお楽しみに」とコメント。ギターの斎藤誠にベースの角田俊介、ドラムの鎌田清など長年活動を共にしてきた面々はもちろん、桑田佳祐もコーラスとして参戦!夫婦で優しい想いを歌い上げる。『ももへの手紙』は2012年GW、全国にて公開。■関連作品:ももへの手紙 2012年G.W、丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2011『ももへの手紙』製作委員会
2011年07月11日「医療モノということで、“カッコよく”見えてしまうイメージを抱いていたんですが、ここで描かれているのは、ひとりひとりが背負っている人生なんです」――。吉沢悠は、出演作『孤高のメス』をこう表現する。この言葉にこの映画の魅力、そして演技者としての彼の揺るぎないスタンスが表われている。ベストセラー医療小説を実写化した本作。吉沢さんは「自らの素の感情を役柄に重ね合わせながら演じた」と言葉に力を込めた。この“人間ドラマ”に彼はどのような思いで向き合ったのか――?映画の公開を前に話を聞いた。物語の始まりは1989年、とある地方の市民病院に当麻鉄彦(堤真一)という名の外科医が赴任するところから始まる。大学病院に依存し、満足な手術ひとつ行えない腐敗した環境を当麻はその腕で、変えていく。当麻が変えたのは何より、そこで働く人々の意識。吉沢さん演じる青木はまさに、彼との出会いによって自らの生き方を省み、そして変わっていく若き医師である。「大学病院の古い体質があって、その下で働く青木はいろんな思いを抱えつつ、“権威”という壁にぶつかる。当麻との出会いで大きく変わっていくこの人物をしっかりと演じ切れないことにはこの作品のテイストが観る人に伝わらない。そのプレッシャーはありました。と、同時に青木が感じる葛藤は、ひとりの俳優として僕にとっては感じたことのある思いでした。それを生かして演じ切ることができれば楽しいだろうな、という相反する複雑な気持ちでした」。90年代末から2000年代の前半に掛けて、次々と話題のドラマ、映画に出演し、主演も数多くこなしてきた吉沢さんが芸能活動を休止したのは2005年。奇しくも本作で演じた青木と同様にアメリカに渡り、帰国後、俳優としての活動を再開した。役柄に自らを重ねた、という部分についてさらに深く尋ねた。「自分なりの信念を持って俳優という仕事をやっていましたが、やればやるほどに『いまのままでいいのか?』というクエスチョンがついて回るようになった。それはまさに、約束された道を見失った青木そのもの。前半部分の彼に、その当時、自分が抱いていた感情を乗せました。それからアメリカに渡って何より感じたのは、俳優として現場に立てるということは、決して当たり前のことではないのだということ。そう感じたときに無性に俳優をやりたい、演じたいって思えてきたんです。帰国して初めての仕事が映画だったんですが、あのときは本当に嬉しかった。それはまさに、青木が当麻先生を手伝いたくて帰国するときと同じ気持ちでした」。復帰後、彼が出演した映画は『夕凪の街 桜の国』、『逃亡くそたわけ−21才の夏』、『てぃだかんかん〜海とサンゴと小さな奇跡〜』に本作と物語性と共に、社会への強いメッセージを感じさせるところがあるが…。「決して、それを意識して作品を選んでいるわけではないです。ただ、例えばニューヨークにいる頃、『自分は日本のことを何も知らない』と強く感じて、帰ったら広島に行きたいと思うようになった。そうしたら(広島を舞台に被爆を扱った)映画『夕凪の街 桜の国』のお話をいただいた。不思議なめぐり合わせは感じますね(笑)。常に、観る人に何か良い影響を少しでも与えられたら、という思いはあります。そうした思いがこういう良い循環を生んでいるのかも」。そうした流れに身を投じる中で、映画というメディアへの熱い思いが自身の内側からも沸々とわいて来ていると明かす。「映画人の熱…独特の温度の高さへの憧れは以前以上に強く感じます。周りが見えなくなるような強い思いで、わが子を育てるようにみんなが映画に夢中になっているあの環境は、本当に気持ち良いんです。30歳を過ぎて、ここにいられることが幸せだな、と感じるようになりましたね」。最後に「今後演じてみたい役は?」という質問に「もちろん、当麻先生のような役もやってみたいですね」と語り、「それから…」と、生瀬勝久が演じた、自らの保身しか考えない大学病院の医師・野本の名を挙げ、少し興奮気味にこう続ける。「生瀬さんが仰ってたんです。『俺は、野本という役を“悪”として演じたわけじゃない。一人の人間として演じた結果がこうだったんだ』って。それを聞いて、ああいう役をいつか演じられるようになりたいな、と思いました。僕自身今回、野本という存在に生かしてもらってるんです。そんな深みを演じられるようになりたいです」。(photo:Ryusuke Suzuki)■関連作品:孤高のメス 2010年6月5日より全国にて公開© 2010「孤高のメス」製作委員会■関連記事:堤真一天才外科医役に都はるみのこぶしを聴いて特訓目の前の命を救うため、禁断のオペに挑む『孤高のメス』試写会に15組30名様をご招待小栗旬初監督作引っさげ北海道に!ゆうばり国際映画祭ラインナップに注目来年の東映は『ゼブラーマン2』セクシー衣裳から『桜田門外ノ変』まで注目作ズラリ!堤真一、大組織の悪しき体制と闘う熱血医師に「ヒーローではない、医師を演じたい」
2010年06月23日