入園や進級、新しい先生やお友達に出会うなどで、緊張していた4月。そんな新しい環境にも慣れ、天候の良さや外遊びなどで気分も開放的になり、6月は保育園でのお友達トラブルが最も多い時期だそう。そこで今回は、園からのトラブル報告にやきもきしないで済むための“ママの心得”を、保育のエキスパートである今井先生に教えてもらいました。お話を聞いたのは今井和子さんいまいかずこ/「子どもとことば研究会」代表。元立教女学院短期大学教授。23年間に及ぶ保育士の経験から、子どもの心と言葉の発達を研究。全国の保育者研修も行う。著書に『遊びこそ豊かな学び』(ひとなる書房)他多数。Illustration HAYASHI Yumi■「ケンカしちゃダメ」と教えるのはダメ!?近年では、保育園でも「ケンカをしない子」が増えています。親の「素直ないい子になってほしい」「トラブルを起こさないでほしい」という思いが実現しているのかもしれません。でも裏を返せば、「自我や自己主張の弱い子が増えた」ということ。ケンカすると親が過剰に反応するので、「どんなときも親は自分の味方だ」という安心感が乏しく、自己肯定感が育ちにくくなっている可能性もあるでしょう。内閣府の調査でも、10〜20代の自己肯定感の低さが問題視されています。乳幼児期の友達トラブルは、健やかな心の成長に欠かせないもの。子どもたちはトラブルに遭うたび、自分の思い通りにならない葛藤を味わいます。そして右記のような力を少しずつ育んでいきます。つまりトラブルの経験が少なければ、こうした力を身に付けるチャンスも少ないということ。「トラブルを起こさない=順調に育っている」ではないのです。ですから、ママの役目は「ケンカしちゃダメ」と教えることではありません。「ケンカの仕方」や「折り合いの付け方」を学べるように、先生と連携して子どもを見守っていくことです。■トラブルの相手を教えない園が多い子どもにとって「遊び」は人生の土台を作る基本。そして、「遊びとトラブル」はセットです。ママは「トラブルはお互いさま。発達上、必要なもの」とおおらかに構えておきましょう。低年齢では言葉が未発達で、かむ、押すなども自己表現の一つです。子どもに悪意はないので、「トラブルを防げなかったのは園の責任」とし、相手を教えないことが多いでしょう。言葉が発達してくると子どもからママに相手を教えることもありますが、言語力や記憶力が不十分なので、事実と違うこともあります。ママは心配になるけれど…友達トラブルを通じてこんな大事な力が育まれます!●自己主張する力自分の気持ちや考えを表現する力。「◯◯したい」だけでなく、「このおもちゃは貸したくない」「イヤ! やめて!」なども大切な自己主張です。トラブルの多くは自己主張のぶつかり合いです。●相手の気持ちに気付く力・思いやり自己主張をぶつけ合ううちに、相手の行動の意図に気付いたり、「自分だけが正しいわけじゃない」「相手もつらいんだ」と感じられるように。こうした経験が相手を尊重し、思いやる力につながっていきます。●問題解決力相手との違いに気付けるようになると、「じゃあ、どうすればいいんだろう?」と考えが発展します。幼いながらも、お互いの考えを調整してトラブルを解消しようとする力が備わっていきます。●自律の力トラブルを解消するには、自分と相手の気持ち、そのときの状況など、複数のことを考えて判断、調整することが必要です。ときには自分が我慢して折り合うことで、自律の力も身に付いていきます。■「手を出した方が悪い」ではない友達トラブルの話を先生から聞くときは、「被害者・加害者」「善・悪」の対立で捉えず、「状況・対応・経過」の3つを確認しましょう。トラブルには必ず動機があります。例えば、ぶたれた子が痛くて泣いてしまったとしても、ぶった子は「意地悪されて悔しかった」のかもしれません。そうした「状況」を分からずに、「手を出した方が悪い」と決め付けるのはよくありません。そして先生はその場でどう「対応」したのか。双方の気持ちをくんで、適切に仲裁してくれたなら、多くの場合「その後は仲良く遊べました」という「経過」になるはずです。元通り遊びに戻れたなら、何も心配はいりません。■先生は年齢や状況に合わせて対応する子どものトラブルは年齢によって変わっていくので、先生も対応を変えていきます(下記参照)。3歳未満のクラスでは、先生たちはできるだけトラブルを未然に防ぐように目を配っていますが、以降は介入するタイミングや、仲裁方法を見極めて対応します。どんな年齢でも危険な場合はすぐに介入しますが、「あえて見守る」「子どもたちで解決させる」という場面もあることや、「うまく解決できないことも子どもの学びになる」ということを、ママは知っておきましょう。成長につれてトラブルの質も先生の対応も変わっていきます1〜2歳かむ、引っかくが多発!3歳未満のトラブルの60%は、ものの奪い合いや場所の取り合い。所有意識が強くなり、自分の大事なものや使っているものを人に取られることが我慢できません。しかも言葉が未発達で、イヤなときはかむ、引っかく、押すなどの「行動」が自己表現です。仲良く遊んでいても「取られた!」の瞬間でかんだりするので、先生が防ぎ切れない場面もあります。3〜4歳前半考えていることやイメージの違いでケンカに!言葉が発達し、感情を吐き出し合ってぶつかるようになります。ごっこ遊びでイメージをうまく共有できず「そうじゃない!」とケンカになることも。同じ遊びが好きな子たちで仲良くなる時期なので、他の子が輪に加われないトラブルもしばしば。先生は互いの言い分を聞き、代弁したり解説者になったりします。折り合いがつかないときや危険なときも、適切に介入します。4歳後半〜6歳口ゲンカやグループ同士の対立も!やりたいことを拠点にしてグループを作るようになるため、仲間外れや、グループ同士のケンカも見られるように。当事者でない子がケンカの仲裁に入るなどして、子どもたちだけで解決できる場面も出てきます。先生が強引に仲良くさせようとしても仲間意識を作ることは難しいので、仲間に入れない子も楽しく過ごせる方法でサポートします。やられちゃったときどうする?家でのフォローポイントポイント1相手の親子を非難しないケンカの理由はさまざま。トラブルを繰り返す子がいても「あの家はしつけができていない」とレッテルを貼ってはいけません。わが子に「◯◯ちゃんは意地悪ね」などと相手の悪口を聞かせるのも控えましょう。ポイント2話してきたら聞いてあげる帰宅後に子どもからトラブルについて話してきた場合は聞いてあげて、「つらかったね」と共感を。自分から話さない場合は、子どもの中で消化できていることが多いので、わざわざ掘り返さないようにしましょう。ポイント3自己主張する方法を伝えるいつもやられる側になる場合、自己主張が弱い可能性が。「嫌なときは『やめて』って言おうね」など、主張する方法を伝えましょう。また、ママが先に意見するなどで、子どもの主張を押しつぶさないように。読者ママはこうしました!■いじわるされたときは、自分から「嫌だ」と話すことを教えました。(4歳・小学校低学年のママ)■爪で引っかかれた跡があったとき、子どもは「○○くんがやった」と言うけれど真実は分からず、 先生に連絡ノートで相談。 先生は犯人探しをするのではなく、注意深く様子を見てくれて、一度きりで済みました。(4歳のママ)■友達に悪口を言われたときは、どんなことを言われ、どんな指導をしたかを先生に聞きました。先生と親の言うことが違うと子どもを混乱させるので。(4歳のママ)やっちゃったときどうする?家でのフォローポイントポイント1蒸し返して叱らない乳幼児期に叱るのは、トラブル直後でなければ意味がありません。園では先生がきちんと指導しているので大丈夫。帰宅後に蒸し返して叱るのは、理不尽な気分にさせるだけなのでやめましょう。ポイント2ストレスを発散させるトラブルが頻発するなら、ストレスがないか考えてみて。ママが忙しくて構ってあげられないなど、思い当たることがあれば、たっぷり遊ぶ時間を作る、毎晩抱き締めるなどして、ストレス発散のサポートを。ポイント3相手が分かるならお詫びを相手の親子に会ったら、ひと言お詫びがマナー。子どもに無理やり謝らせなくても、親が謝れば相手も納得してくれるはず。大ケガをさせたなど、特殊な場合は、園の先生と対応を相談するとよいでしょう。読者ママはこうしました!■「自分がやられていやなことは、友達にやらないんだよ」と話しました。(3歳のママ)■人を傷付ける行為をしたときは、理由を聞いた上で注意します。真意が分からないときは、先生にお便りなどで確認します。(1歳・5歳のママ)■娘が4歳のとき、お友達に意地悪してしまうことがありました。下の子が生まれた直後だったので、先生に「ママを取られて寂しいのかも」と言われて納得。娘との時間を増やしたら落ち着きました。(2歳・6歳のママ)読者ママの質問に今井先生が答えます!Q、家で手が出やすいので、園でも出ていないか心配。どうすればなおる?(2歳のママ)A、園で手が出ているとしても、先生から報告がなければ園で解決できていますし、成長につれてなくなるので心配いりません。家で手が出たときは、「◯◯したかったの?」と気持ちを解説してあげて。言葉での自己表現が学べます。言葉が発達してからも手が出てしまう場合は、「ぶつんじゃなくて、どうすればよかったと思う?」と考えさせるようにしてみましょう。Q、仲間外れにされたきに、どうフォローする?(5歳のママ)A、幼児期の仲間外れは特別なことではないので、ママ自身が深刻にならないことが大事。「何で入れてくれないのか聞いてみた?」「諦めないでまた『入れて』って言ってみる?」など優しく応援を。先生にも話して援助をお願いしましょう。Q、友達トラブルが原因で「休みたい」と言うときは?(6歳のママ)A、まずは「どうしたらいいかな?」と一緒に考えてあげて。「ママも会社のお友達とケンカしちゃったことあるよ。悲しかったけど、仲直りできたよ」といった体験談も勇気を与えるはずです。先生にも状況を伝えて相談しましょう。ケンカはできるけどいじめはしない子にもう一つ、知っておいてほしいのは、ケンカにはルールがあるということ。「頭や顔をぶつのはダメ/もので叩いてはダメ/足で蹴るのはダメ/大勢で一人を攻撃してはダメ」などは、日頃から家庭で教えておきたいですね。また、身体的特徴や能力、家庭環境などの悪口も、口ゲンカの域を超えた暴力ですから、「絶対にダメ」としっかり教えていきましょう。こうしたルールを守らないトラブルは、ケンカでなく「いじめ」です。今、いじめの低年齢化が進んでいるのは、「ちゃんとしたケンカ」の経験が少ないからかもしれません。保育園時代にたっぷり遊んで、ケンカも仲直りもする。この繰り返しの中で健全な人間関係を築く力を育んでいきましょう。
2016年05月18日PCやモバイル、その他のスマートデバイスに詳しいのなら、友達や家族に技術上のトラブル解決を頼まれるという場合も多いのではないか? そんな"非公式"のITサポート人員のために、オンラインセキュリティの3つのポイントを伝授する。○デスクトップとノートPCにウイルスやマルウェアがないかをチェック友達や家族がPC関連の問題を解決してくれとやってきたとする。もしかすると、たくさんのスパムメールを受け取っていたり、動作が遅かったり、邪魔なポップアップが表示されていないだろうか?このような場合は、マルウェアが紛れ込んでいる可能性がありそうだ。Windows PCであれば、各種セキュリティベンダーから無料のウイルス削除ツールが提供されているため、あらゆるマルウェアとウイルスを検出して一掃できる。○無償ファイアウォールで家族を守ろう一部ベンダーが無料のソフトウェアファイアウォールを提供しているケースもある。電子メールスキャンやWebフィルタリング、VPN、Webアプリケーションセキュリティなど、企業向けに有料で提供するものと同じメリットを得られる。○データセキュリティについて教えてあげようセキュリティをわかりやすく説明することは容易なことではない。おばあちゃんにフィッシングとは何かを説明すると想像してみてほしい。セキュリティベンダー各社がブログで様々なセキュリティ用語を解説しているほか、英Sophosはコンピューターとデータセキュリティガイド「Threatsaurus(英語版)」を作成している。AndroidマルウェアからZbotまで、さまざまなセキュリティ関連の言葉をシンプルに説明したものだ。
2015年05月18日大切な友達と好きな人がかぶっちゃったことってありませんか?気が合うからこそのトラブルかもしれませんが、一気に友達も恋も失ってしまうかもしれないこの状況。間違った方向に突っ走るとかなりのダメージを受けかねません。という訳で今回は友達と好きな人がかぶってしまったことがある女性にいい対処法について聞いてきましたよ!■1.気になる程度なら身を引く「好きの程度が“お気に入り”程度なら身を引いた方がいいと思う。突き進むと、付き合えてもフラれても絶対傷つくことになるから。“すべてを失っていい!”くらいのしっかりとした覚悟がないうちは進むべきじゃない。」(27歳/テレビ)どんなにあなたや友達が人間的に出来ていたとしても、状況的には泥沼。足を踏み入れれば、多かれ少なかれ傷つくことになります。何となく好きという位の淡い気持ちなら、失うものの大きさを考え、身を引いた方が自分のため。世の中に男性は沢山いるので、“どうしてもこの人じゃなきゃダメ!”という強い思いがないのなら、新しい恋をお勧めします。結婚相手以外の男性は友達と違い、所詮、一生ものではありませんよ。■2.どうしても好きなら友達に話す「諦められないほど好きになっちゃった時には、まず正直な気持ちをその友達に話すかな。抜け駆けみたいに思われたくないし。隠して友情が壊れるくらいなら、一時的にギクシャクしてもいつか戻れるように、ちゃんとした対応をしておいた方がいいと思うから。」(25歳/メーカー)なかなか打ち明けるのは勇気がいると思いますが、友達を信じて、素直な気持ちを話してみましょう。抜け駆けすると、後々取り返しのつかないことになり兼ねません。事前にきちんと話しておけば、一時的に気まずくなったとしても、お互いの心の整理がついた時に、きっとまた元のような仲良しに戻れるはずです。■3.友達はライバルではない「必死になると視野が狭くなって、友達をライバルだと思いがちだけど、彼が自分を選んでくれるかは、その友達がいるいないに関係ないんだよね。だから変に友達を敵視するより、彼にどうやったら好かれるかだけを真っ直ぐに考えた方がいいと思うの。周りを見てる時間なんてない!」(26歳/高校教師)女の敵は女になりやすいものですが、別に同じ人を好きになったからってその友達をライバル視しても彼との距離は近づきません。大事なのは“あなたと彼”。愛を育むのに周りは関係ありません。周りをキョロキョロ気にするくらいなら、彼の気持ちを気にかけた方が、ずっと両想いに近道ですよ!■4.周りに友達を下げるようなことは言わない「同じ人を好きになると、どうしても友達に嫉妬しちゃう。特にその子が周りから過大評価されてたりすると、『実は違うよ!』とか言いたくなっちゃうけど、そこはぐっと耐えて我慢。ついポロっと言っちゃったことで一生の友を無くすことになるかもしれないからね。」(28歳/IT)人間なのですから、そりゃ時と場合によっては嫉妬しちゃうこともあります。それは仕方ないことです。でも一時の感情に流されて、友達の悪口を言うのは絶対にNG。好きな人を取り合ってるという印象を周りに強く与え、あなたの評価が下がってしまうかも。更にそれが友達の耳に入れば、その子との友情さえも失ってしまいます。悪口は一瞬ですべてを破壊する力を持っているということをどうか忘れないでください!■おわりにいかがでしたでしょうか?大切な友情と大切な恋、どちらかを選ぶことはとても難しいことです。辛くて、悩んで当たり前ですが、それはお友達も同じです。自分の意思を貫きつつも、友情を壊さないよう、思いやりを持って行動してくださいね。(城山ちょこ/ハウコレ)
2014年11月19日