11月12日、吉田栄作が主演を務めるミュージカル『クリスマス・キャロル』の囲み取材とプレビュー公演が都内で行われた。本作は、イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」をもとにしたオリジナルミュージカルで、一年に一度の特別な日に繰り広げられる不思議で心温まる12時間の奇跡が、鮮やかな音楽やダンスと共に描かれる作品となっている。ブロードウェイミュージカル「サウンドオブミュージック」「フットルース」をはじめ、多くのミュージカルを手がけてきた西田直木が演出・脚本・音楽を担当。1843年のクリスマスイブ。ロンドンの下町で悪どい商売をしている守銭奴のスクルージは、街中の人から嫌われていた。その日の夕方、使用人のボブが給料の前借りを頼みに来た。実はボブの息子のティムは難病に冒されていて、今年が家族全員で迎えられる最後のクリスマスだと覚悟し、少しでも幸せな思い出を作るためであった。その頃、スクルージは例年通り孤独なクリスマスを過ごしていた。すると突然、7年前になくなった共同経営者だったマーレイの亡霊が現れた。マーレイは「欲に取り憑かれた人間は、死後の世界で悲惨な運命を辿るぞ」という。恐れ慄くスクルージに、マーレイは最後のチャンスとして、自分の行いを客観的に見るために、時間旅行へ行こうと提案する。渋々クリスマスの精霊たちと共に旅立つスクルージ。美しくも切ない時間旅行の中で、スクルージは最愛の人・イザベラとの別れ(過去)を再び体験し、楽しさと悲しさのクリスマスの世界(現在)を目の当たりにし、想像を遥かに越えた死後(未来)に苦悩することに…。スクルージを演じるのは、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』など、近年ミュージカルでも活躍中の吉田栄作。「『クリスマス・キャロル』というお話が、なぜ世界中の広い世代の人たちに愛され続けているのかを、この年齢になって、この物語と再会して、2ヶ月間じっくり向き合って再確認しました」と作品への想いを語り、「今回はオリジナルとは違う設定、演出もありますが、笑いあり、華やかな歌やダンスショーあり、涙ありの心温まる最高の作品になりました」と自信に満ちた力強い言葉で本作の魅力を伝えた。スクルージにとって鍵になる女性、婚約者のイザベラ、女優のイライザ、墓泥棒のイボンヌの3役を演じるのは早見優。「今はスクルージの恋人イザベラの格好をしてますけど、女優だったり、老婆だったり、違うタイプのキャラを演じるので、お稽古中、『あれ? 今、誰だっけ?』ってなることもありました」と稽古でのエピソードを披露。スクルージの親友で共同経営者だったマーレイ(幽霊)を演じるのは、多くのミュージカルに出演し、『クリスマス・キャロル』にも複数の出演経験のある吉田要士。「ストーリーだけでなく、音楽も本当に素敵な曲ばかりで、コンサートもやりたいぐらいです。最高に幸せになれるミュージカルですので、ぜひとも全国の皆さんにご覧いただきたいと思います」と音楽の良さをアピールし、「6年ぶり、5度目の『クリスマス・キャロル』をやらせていただきますが、とても新鮮な気持ちです。栄作さんと優さんのお芝居から影響を受けまくって、今回ゼロから作らせていただきました」と、吉田栄作と早見優との共演によって、新たに引き出された部分があると語った。吉田栄作と早見優は、ドラマ以来、30年ぶりの共演。吉田(栄作)が「単発ドラマでしたが、僕が主演をやらせていただいて、早見さんに淡い恋のお相手を演じていただきました。また共演できて嬉しいです」と再共演の感想を語った。早見が「栄作さん、全然お変わりなく、『30年前?』って感じです」と吉田(栄作)の印象を伝えると、吉田(栄作)も「早見さんは、今回の作品の中で『君はキレイなままだよ』っていうセリフがあるんですが、そのままですね」と返した。そして、「昨日、栄作さんから早めのクリスマスプレゼントをいただきました。“カニ味噌”です(笑)。稽古の時、たまに栄作さんが『このレシピ、美味しいんだよ』って2つの具材で作れる美味しいレシピを教えてくださるんですけど、その中にカニ味噌を使ったものがあって、『近くのスーパーにカニ味噌は置いてないです』って話したら、私だけじゃなく何人かの方にもカニ味噌を買ってきてくださいました(笑)」という微笑ましいやり取りがあったことも明かした。ミュージカル『クリスマス・キャロル』は11月13日(日)の山梨・甲斐市双葉ふれあい文化館を皮切りに、12月21、22日の東京芸術劇場を経て、12月25日(日)の長野・岡谷市文化会館 カノラホールまで全国20ヶ所22公演が上演される。早見は「コロナ禍で舞台ができなかったり、地方を回ることも出来なかった中、今回は20ヶ所回らせていただきます。普段、ミュージカルや舞台をあまり観られてない方々も、お近くに行きましたらぜひご観劇いただければと思います。素敵なお話なので、クリスマスの魔法にかかっていただければと思っております」と全国を回れる喜びを伝えた。最後に吉田栄作も「ミュージカル版『クリスマス・キャロル』。最高に心温まる最高なファンタジーになっています。秋田、盛岡から高知、熊本まで全国20ヶ所を回ります。ぜひ皆さん、劇場でお待ちしております」というメッセージを送り、囲み取材を締めくくった。<公演概要>公演名:ミュージカル「クリスマス・キャロル」公演日:2022年12月21日 (水)~12月22日 (木)会場:東京芸術劇場 プレイハウス※2022年11月13日(日)より全国ツアー全22公演がスタート※チケットの購入などは各地公演情報をご参照ください公式HPサイト 各地公演情報はこちら 【キャスト】スクルージ:吉田栄作三人の女<イザベラ・イライザ・イボンヌ>:早見優マーレイ(幽霊):吉田要士過去のクリスマスの精霊:星野真衣現在のクリスマスの精霊:真樹めぐみ未来のクリスマスの精霊:市川由希ボブ:渡辺亮シェリル:小林あゆみティム:畠中一花吉田瑠那(Wキャスト)マーサ:田中夢羽スクルージ(青年時代):平山トオルアンサンブル:清水廉池田紫陽橋本伶和堂園愛子西原杏佳松橋頼良水沢ふう演出・台本・音楽:西田直木企画・製作:あなぶきエンタテインメント株式会社 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年11月13日女優の内山理名さんは、俳優の吉田栄作さんとドラマでの共演を機に交際スタート。昨年11月の入籍のときには、年の差婚でも話題になりました。そんなおふたりのウエディングフォトを、内山さんが公開しました!幸せな気持ちになれるウエディングフォト この投稿をInstagramで見る 内山理名 Rina Uchiyama(@rinauchiyama_official)がシェアした投稿 内山さんは、1981年11月7日生まれ。インスタで「41歳になりました」と誕生日を迎えたことを切り出すと、「実感としては、40代になった時よりも大きく変化があります。今までにはなかったようなエネルギーが内から溢れでるようで、とても不思議な感覚」と心境を明かします。そして「40歳で家庭を持ち、始めて学ぶことも沢山ありました。私には一番大きな事だったと思います。そんな思いを形に残しておけたら素敵だなぁと思い、お世話になっている方々に協力して頂き、夫婦とティンクの記念のウェディングフォトを撮影してきました」と、ウエディングドレスでブーケを持って微笑む姿や、手をつないだ夫妻の写真などを披露。内山さんは美しく、高身長な吉田さんはタキシードがとってもお似合い!ふたりとも幸せそうで、いつまでも見ていられる写真ばかりです。この投稿に、「美しすぎるウエディング姿」「素敵なお二人。お幸せに」「昔も可愛いかったけど、今の方がキラキラして素敵。栄作さんも、ダンディーで、ホンマにお似合いです」「落ち着いたナチュラルな大人婚」「綺麗!素敵♡絵になりますね!!」などのお祝いメッセージがたくさん届いています。41才とは思えない美貌の持ち主の内山さん。いつも美しくいられるのは、吉田さんの力もあるんでしょうね。改めて、ご結婚おめでとうございます。末永くお幸せに♡あわせて読みたい🌈ミラクル!若槻千夏さんドラマ「silent」聖地巡礼に川口春奈さんからコメント届く
2022年11月11日2021年11月21日、歌手で俳優の吉田栄作さんと、同じく俳優の内山理名さんが、直筆署名入りの文章でそろって結婚を発表しました。深秋の候、皆様におかれましては益々ご健勝の事とお慶び申し上げます。平素は格別なご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。私事で大変恐縮ではありますが、本年2021年11月21日、吉田栄作と、内山理名は、入籍させて頂きましたことを、ご報告させていただきます。今後も二人で力を合わせて、互いを思いやり、笑顔の絶えない人生を共に歩んで行きたいと思っております。またお互いの仕事にも、より一層の精進をして参ります。引き続き、皆様からのご指導ご鞭撻を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。Sweet Powerーより引用以前から交際が報じられていた、吉田さんと内山さん。一部報道によると、2人の交際期間は4年になるといいます。2人から届いたおめでたいニュースに、ネット上で祝福の声が寄せられました。・ビッグカップルの誕生ですね!・美男美女でお似合い。末永く、お幸せに。・ついに結婚か~!おめでとうございます!吉田さん、内山さん、ご結婚おめでとうございます![文・構成/grape編集部]
2021年11月21日俳優・吉田栄作(52)が再婚すると9月13日に報じられた。『週刊女性PRIME』によるとお相手はかねてから交際が報じられていた、同じく俳優の内山理名(39)。吉田の父親は「来年には結婚すると思うよ」と話したという。吉田は’97年にモデルの平子理沙(50)と結婚したものの、’15年12月に離婚。その約2年後となる’17年11月に放送された2時間ドラマ『今野敏サスペンス 確証~警視庁捜査3課』(TBS系)の撮影現場で、内山と出会った。内山は同年10月、自身のInstagramで吉田とのツーショットを公開。そして《栄作さんは わたくしのテンションの高いハチャメチャなお芝居を全て受け止めて下さり、ありがとうございました》と投稿していた。「いっぽう吉田さんもテレビ誌の取材で『男臭い現場の中でマスコットガール的存在』などといい、内山さんの笑顔に『みんなが癒されていた』とコメント。2人は撮影中に意気投合し、交際は’18年4月頃にスタートしたそうです」(テレビ局関係者)本誌は’18年6月、吉田が内山の自宅に2連泊する通い愛現場を目撃している。その際、吉田が内山の飼い犬と散歩に出かける一幕も。すでに家族同然の仲だったのかもしれない。「2人は都内のステーキ店や目黒川などでも、デートする様子が目撃されていました。その後、吉田さんは主演舞台の取材で『内山さんは来る?』と訊かれ、『たぶん、はい』と恥ずかしそうに笑顔。以降、『結婚秒読みか?』と囁かれることとなりました」(芸能関係者)そんななか吉田が18年末、芸能生活30年というタイミングでデビュー時から所属していた大手事務所を退社。そして、翌年1月に個人事務所を設立した。そのため、結婚のことは“小休止”に。「吉田さんは俳優業だけでなく、今後は事業にも挑戦したいといいます。トレーニングが好きなのでジムの運営や、“酒好き”を活かしバーなどの経営に興味があるそうです」(吉田の知人)しかし、交際当初の内山は36歳。彼女にとって結婚は交際を続ける上で欠かせない要素だったようだ。「内山さんは『彼が結婚に踏み切らない』との理由で交際相手と別れたり、積極的に婚活していた時期があったりするそうです。結婚願望は強いほうといえるでしょうね。ですから吉田さんは彼女の気持ちを汲んでオフの日はなるべく会うようにし、将来のことを真剣に話し合うなど“男気”を見せた。そうしてアラフォーの彼女を3年間も繋ぎ止めることができたんです。内山さんが今年11月で40歳という節目を迎えるのも、結婚の後押しになったのかもしれません」(前出・吉田の知人)本誌が目撃したように“男気”ある通い愛をしながら13歳年下のパートナーを誠意で射止めた吉田。トレンディ俳優はまだまだ現役だ。
2021年09月14日東京都世田谷区内の繁華街。終電が近づく5月中旬の夜、バーの前で固~いハグを交わす2人の同世代男性がいた。そのうちの1人は――吉田栄作(50)だった。「俺はよ、膝をオスグッド(成長期に起こりやすい膝下の痛み)で痛めたよー!」酔っているようで、抱き合ったまま大声で相手に伝えている。相手も酔っているようで、「やっぱりカッコいいなぁ、栄作さんは!」腕の中の吉田を褒めちぎり、まさかの“おっさんずハグ”ワールドを展開。かみ合わない会話を終え、男性客を見送ると、吉田はまたバーの中へと戻っていった。吉田といえば昨夏、本誌で内山理名(37)との“自宅愛2連泊現場”をスクープ。ラブラブのはずだった彼にナニが!?「彼は昔から、お酒が大好き。酔っぱらうとボディタッチが激しいんですよ」彼の知人はそう苦笑いする。「ある行きつけの店では、常連になりすぎて、経営者でもないのに『会長・吉田栄作』って名刺を作ってもらっていましたから。ただ、酔っ払ってしまうと熱くなりすぎてコントロールが利かなくなるところもあって。飲みすぎを注意したこともありました」吉田は昨年末、30年間所属した大手芸能事務所から独立。今年1月に個人事務所を設立した。「現在は、出演映画『空母いぶき』のプロモーションを行っています。6月上旬には沖縄のミュージックカフェでライブを行い、7月の連ドラにもレギュラー出演する予定です。ただ今の吉田さんは芸能活動だけでなく、事業にも挑戦したいとか。トレーニングが好きなので、ジム運営に興味があるそうです。また酒好きを生かしたバー&ダイニング経営にも乗り気です。中目黒や池尻大橋など、彼がよく顔を出すエリアに店を持ちたいと思っているようです」(別の知人)デビューから30年、新たな道を進む吉田を、交際1年を迎える内山はどう思っているのだろうか。「一時期は“結婚秒読み”と噂された2人ですが、吉田さんの環境の変化で、結婚を急がなくなったと聞いています」(2人の知人)独立発表時のブログで、彼はこんな意思表示をしていた。《今年は自分にとって起承転結の『転』の年…この先まだまだ表現の旅を続けるうえで、この新しい一歩を大切にしたい》50歳となった吉田の新天地は、どこへ“転”じるのだろうか――。
2019年05月30日「イノブータン王国」に「カシオペア連邦」……そんなユニークな名前の国がどこにあるのかといえば、わが日本だ。実は、昭和の時代に地域振興や自然保護を目指して"建国"された団体なのだが、近年はその数も減少傾向にある。しかし、まだまだ頑張っている"独立国"だってあるのだ。○「ミニ独立国オリンピック」も開催そもそも"ミニ独立国"のほとんどは、地方自治体や商工会・観光協会などによって運営されている。とりわけ街を活気づけるお祭りなどのイベントにおいては、"王国色"を強く打ち出していることが多い。その第1号は、昭和52年(1977)に誕生した大分県宇佐市の「新邪馬台国」。そして昭和56年(1981)には、東北の小さな村が突然日本からの独立を宣言するという井上ひさしさんの小説『吉里吉里人』(新潮社)が大ヒットし、翌57年(1982)には岩手県大槌町に実際に「吉里吉里国」が誕生した。これら2つの出来事が、昭和の時代に"ミニ独立国"ブームを巻き起こしたきっかけとなる。一時は100を超える"ミニ国家"が日本国内に分立し、昭和61年(1986)には「ミニ独立国オリンピック」が「銀杏連邦」(東京都八王子市)で開かれたほどである。しかし、昭和から平成へと時代が移り変わるなかで、多くの"ミニ独立国"は衰退・消滅していった。「町おこしのきっかけとなれば」と創建される"国"は多いが、結果的にその多くが、地方の活力衰退という現実を乗り越えられず、衰亡への道をたどってしまったのである。新邪馬台国も銀杏連邦も今はない。吉里吉里国はいったん消滅したが、現在は森を復活させるという、自然保護運動を行う特定非営利法人として大槌町に甦っている。○年間数千万円の経済効果を生んだ"国家"国家衰亡が相次いだ"ミニ独立国"だが、少ないながらも現存する"ミニ独立国"もある。和歌山県すさみ町の「イノブータン王国」がその代表格である。イノブータン王国は、今年で建国29年を迎えた一種の"パロディ国家"だが、その国家の性格を王国枢密院(すさみ町商工会)の君嶋栄作さんは、次のように説明してくれた。「イノブータン王国はテーマパーク的なものではなく、すさみ町全域がイノブータン王国と考えてください。例えば、イノブータン王国夏祭りはすさみ町夏祭りに、イノブータン王国運動会は町民運動会に置換できます」。言ってみれば、イノブータン王国はすさみ町そのものの別称だということだ。「すさみ町は他の過疎地域と同様に、少子高齢化、限界集落の増加、若者の域外流出が著しく、昭和35年(1960)に1万人を超えていた人口が現在は4,000人弱にまで減っています。そのような状況の打開作となればとの想いから建国に至りました」と君嶋さんは話す。そんなイノブータン王国がこれまでどんなことを行ってきたのか、"王国"の主要な活動をいくつか紹介してみよう。(1)イノブタダービーと朝市毎年5月3日には王国建国祭とイノブタダービーが開催され、近畿と中部圏から1万人を超える集客がある。ちなみに王国の名になっているイノブタとは、和歌山県畜産試験場で開発されたイノシシとブタの混血種であり、その肉は絶品! 過去には精肉部門・加工品部門でプレミア和歌山の認定を受けたほか、キリンビールの「ニッポンのうまい!」では飛騨牛や山口のフグを抜いて全国ランキング1位に輝いたこともあるそうだ。(2)SSFTビルフィッシュトーナメント「マナーで守ろう太平洋」をスローガンに、全国から100チームが参加して競う日本一のカジキ釣り大会。同時期にはジギング・キャスティングの大会「オフショアトーナメント」も行われている。(3)すさみ町レディースフィッシング大会アオリカップ女性だけのアオリイカのエギング大会。(4)和歌山バリアフリーまつりinすさみ数百人の障害者の方にブルーツーリズム(海辺に滞在して余暇を楽しむ生活体験)を楽しんでもらう。これら事業で、すさみ町=イノブータン王国は数千万円の経済効果を上げているという。そのほか、ギネスに認定された海の中の郵便ポスト「海中ポスト」、スルメをハガキにした「するめーる」(漁協の販売)など、見た目にもユニークな取り組みも行っている。○「カシオペア」という美しい国名を力に西日本のミニ独立国の代表がイノブータン王国なら、北日本の代表としては岩手県の「カシオペア連邦」をあげたい。カシオペア連邦とは、岩手県北の二戸市、一戸町、浄法寺町、軽米町、九戸村の5市町村による広域連邦。地図上で5市町村を結ぶと、北の夜空に輝くカシオペア座とよく似ていることから連邦名にカシオペアの星座名が使われた。この地域は人口減少のほか、他地域との経済格差などの問題を抱え、暗い・寂しいといったマイナスのイメージを免れなかった。これを払拭して、明るい、美しい、ロマンチックな地域イメージ作りを行うために、県の二戸地方振興局が中心となってカシオペア連邦を建国したのである。平成4年(1992)にカシオペア連邦が誕生した後は、カシオペアの名を冠したグループが相次ぎ誕生し、ゆるやかな運動体として地域住民主体の活動が行われている。地域づくり若者グループ「カシオペアアカデミー」が創作劇を上演するほか、5市町村を回る「カシオペアラリー」や「まちづくりアイデア・コンペ」を実施。ミニFM局「カシオペアFM」もあれば、「カシオペア連邦農業振興PMJ基金プロジェクト」という、農と福祉の連携や産地育成のチャレンジをサポートする事業も進行中である。極めつけは、「カシオペア連邦局おもてなし課長」プロジェクト。この地域には目立った観光地は少ないが、歴史・文化や食などに個性的な地域資源が多い。特産の雑穀を用いた「そばかっけ」や「麦かっけ」(かっけとは麺の一種)、たかきび粉、もちあわ粉、いなきび粉などで作る「へっちょこだんご」などがその代表的なものである。こうした地域の資源を発信していく地域住民13人が「おもてなし課長」となって、日常生活を通じて地域の魅力を訴求していく活動を担っている。カシオペア連邦という新たな名称は、空に輝く星のように、過疎などに悩む地域の住民にとっての輝かしい光となり、大きな勇気と元気を与えているようだ。"国家"という名の町おこしの活動は、なにもイノブータン王国やカシオペア連邦だけではない。実はあなたの隣町にも"国家"が存在しているかもしれない。地域の魅力を知るひとつとして、ぜひ国内にある"国家"にも注目していただきたい。
2014年11月04日