●ニュースに取り上げられるのはありがたい映画・ドラマに欠かせない個性派俳優・佐藤二朗。出演作品はとにかく多数だが、現在はTBS系ドラマ『神の舌を持つ男』(毎週金曜22:00~)に出演、10月からはテレビ東京系ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズの最新作『勇者ヨシヒコと導かれし七人』の放送を控えている。そんな佐藤だが、実は「Twitterが面白い」と評判を呼び、フォロワー数は現在19万人。ついには面白いツイートを集めた『佐藤二朗なう』(AMGブックス/税込1058円)という著書が発売された。俳優とインターネット、そしてSNSについて、佐藤二朗流の関わり方を探る。○文を書くことに興味があった――実際に発売された本を手にとっていかがでしょうか。いやね、本当にこれ、ダメ人間役者の酔っ払って書いたものが本になるって(笑)。――そんなことは……! そもそもどうしてTwitterを始められたんでしょうか?最初は、100%宣伝目的でした。もともとは僕個人がやっている演劇ユニット「ちからわざ」のアカウントで、舞台の時だけ稼働していたんですけど、舞台そのものが数年ごとなので、公演が終わったら放置状態になっていました。2014年ごろ、映画『幼獣マメシバ』プロデューサーに宣伝のためにTiwtterを勧められて、放置していたアカウントを引き継いで、個人Twitterにしました。――そこから、今のように色々と書くようになられたんですね。振り返れば細々と舞台の戯曲やドラマの脚本も書いていて、やっぱり文を書くということに、興味があったんですね。最初は宣伝目的で始めたんだけど、公の目に触れるものなのでサービス精神が働くし、毎回毎回、それなりに真剣に書くじゃないですか。「今日のランチはこれだよん」みたいなかわいいツイートを僕がやっても誰も喜ばないし(笑)。で、写真ではなく文重視で書いていたら、いろいろニュースにも取り上げられるようになり、フォロワーも増えていきました。僕も家族ネタは書いてますけど、やはり「俳優は、プライベートを秘する方がカッコイイ」という思いは今でもあるんです。でも、それより"書くこと"への興味の方が勝っちゃいましたね。○おもてなしの気持ちで――マイナビニュースでもTwitterやブログの内容を記事にさせていただくとかなり読者の反応がよかったりするのですが、ぶっちゃけそういう記事は、取り上げられる側からしたらどのようなお気持ちですか……?「ぶっちゃけ」とおっしゃったってことは、「他人のふんどしで勝負をしてけしからん」的にこちらが思うことを危惧していますよね(笑)。でも、僕は「おもてなし」するつもりで書いているので、取り上げていただき素直に嬉しいです。ただ記事によって「よく見てくれてるな~」というものもあれば、「ちょっと違うな~」というものもありますよね。――逆に、記事を書く方も見られてるぞ、ということですね。当然当然。でも、いずれにしても記事にしてくれる人って「僕のこと好きなんだな」とは思いますね。また僕は割と長い間、名前と顔が一致しない俳優で、街でも「よく出る脇役の人」と声をかけられることが多かったんです。それはそれで嬉しかったんですが、最近は「佐藤さん」と声をかけられるようになり、記事にも「俳優の佐藤二朗さん(47)」と書かれて、「わかってくれるんだ」と感慨深いものはあります。そういえば先日は、雑誌に記事が。高円寺のカフェでセリフを覚えてたんですが「佐藤二朗が昼下がりに、奇声を発していた」と書かれているんですけど、もちろんそんな声出さないし僕は!(笑) セリフを覚えてるのは事実ですけど、それはちょっと驚きましたね。●「公に発信する」ことは常に意識○毛嫌いはしていられない現代――佐藤さんのツイートは、一文一文完成された、短文エッセイのような印象がありますよね。やっててよかったと思うのはどのような点でしょうか。昔の俳優さんは銀幕でしか見れなかったり、プライベートも破天荒だったりしますが、それは昔だからよかったんですよね。これだけネット社会になっている時代に俳優として生きているので、ネットを利用してみるのもありかなとは思いました。僕はガラケーですし、アナログ人間なんですけど、毛嫌いするより「この時代に生きてるから、関わってみようかな」と。日記的な意味合いもありますが、常に公に出ることを意識して書いてはいます。Twitterって、ものすごい面白い文を書くと、一般の人でもすごくフォロワーがついたりしますよね。俳優は芝居の良し悪しは数値に現れません。Twitterのように、純粋に面白い文があればフォロワーが伸びていくというのは素晴らしいことじゃないかなと思います。――周りの俳優さん、共演される方から「見ましたよ」と言われることもよくあるんですか?今『神の舌を持つ男』で一緒の向井理くんは、この本のことをかなり気にかけてくれています(笑)。他には、六平直政さんのことを書いたら、六平さんが出演する舞台『ビニールの城』の稽古場で話題になっていたらしくて、六平さんから「お前のツイッターすごいね、みんな見てるんだね!」と言われました。――かなり話題になっているんですね。今回は、脚本家・演出家の福田雄一さんが文章を寄せてくれていますが、こちらについてはいかがでしょうか。僕が頼んだんですが「こんなテイストで書くだろうな」と思った通りのテイストです。「こんな本買わんで良しみたいに書き始めて、最終的には少し褒める」みたいな感じなんだろうなと思ったら、その通りでした。そのあと「大丈夫だったかなあれで……」とメールが来るのも想定内です(笑)。もう全部僕の手のひらです。○1つだけ酔っ払っていないツイートも――お酒を飲んで書かれたツイートも人気ですが、お酒はお家で嗜まれているというのも驚きでした。やっぱり一番うちがリラックスしていますし、本当にベロベロになってしまったら書けないですからね。実は1回だけ、全くの素面で、ベロベロに酔っ払ってるふりをしてみたツイートがあるんです。――そうなんですか!!「みんな聞いて!"スクショ"ってスクリーンショットの略じゃないよ!学校(スクール)で小便漏らすことだよ!」というツイートなんですが……友達から「さすがにあれだけ酔っ払ってツイートしちゃまずいでしょ」と言われたから、「あれは実は素面なんだよ」と(笑)。夢を壊して申し訳ないですが(笑)。でもそれ以外は本当に酔っ払ってます!――酔っ払って、ますますおもてなしの気持ちが大きくなったりとか。するのかもしれません。でもやっぱり文の精度は落ちますよね。○誹謗中傷は絶対に書かない――何か普段から書くときに気をつけていることなどはありますか?ネガティブなことは書かないようにしているんです。自分が悔しいから頑張る、とかは書きますけど、他人の誹謗中傷をしないのはもちろんのこと、社会批評などもやりません。そういう言葉を発信する方がいてもいいと思うんですけど、僕にとってTwitterはそういうこと以外の表現で勝負したい場なんです。――内輪の繋がりではなく、世に発信するという意識があるのは、ネットの感度が高いような気がします。そうなんですかねぇ。でもアナログ人間なので、インターネットに合っていたというより、役者だからという点が大きいかもしれないですね。「佐藤二朗」という名のもとにやっているので。――ちなみに本の中で気に入ってるページや、気に入っているツイートなどはありますか?全部、思い入れがあるといえばあるし、ないといえばないです! まあ大体が本になると思って書いてないですからねぇ。――今の『全部思い入れがあり全部思い入れがない』というフレーズ、すごく刺さりました。僕も刺さると思って言いましたからね(笑)『佐藤二朗なう』俳優・佐藤二朗のTwitter投稿から厳選した117のツイートに、本人のツッコミをつけて掲載した究極の自作自演本。アミューズメントメディア総合学院 AMG出版、税抜き980円。
2016年07月29日大竹しのぶや豊川悦司ら豪華キャストが集結する映画『後妻業の女』。この度、本作映画公開を記念して、8月20日(土)より「ビッグコミックオリジナル」(小学館)にて、漫画連載されることが決定した。婚活大国ニッポンにおいて、現在結婚相談所は全国に約4,000社、利用者は60万人と言われている。長寿化、核家族化に伴い結婚観は変化し、年金制度改革による熟年離婚件数は急増。65歳以上の1人暮らしは約600万人。65歳以上の男性の5人に1人、女性の2人に1人が独身という昨今、熟年婚活の倍増に目を付けて、金持ち男の後妻に入り財産を奪うのが“後妻業の女”。本作は、そんな後妻業の女をテーマにした、直木賞作家・黒川博行による小説「後妻業」を原作に、ドラマや映画で多くの社会派作品を手掛けてきた名匠・鶴橋康夫が監督を務め映画化した。キャストには、金持ち男をだます主人公・小夜子を演じる大竹さん、小夜子と共に老人をだます結婚相談所所長・柏木役の豊川さん、小夜子のターゲットとなる不動産王・舟山役に笑福亭鶴瓶。そのほか、永瀬正敏、尾野真千子、風間俊介、津川雅彦ら豪華俳優陣が集結している。今回漫画化を担当するのは、読者の心を抉る描写の中に滲む人間賛歌のストーリーを紡ぎあげることで定評のある村上たかし。村上氏といえば、祖父と孫娘の日常を描いた4コマ漫画「ぱじ」で第4回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞、「漫画アクション」(双葉社)誌上で自身初のストーリー作品である「星守る犬」を発表し、54万部を超えるセールスを記録している。また「星守る犬」は、「書店員が薦める一冊」として話題となり、西田敏行を主演に迎えて映画化もされている人気作となっている。村上氏が小説や映画のコミカライズを手掛けるのは今回が初の試み。映画プロデューサーの臼井央は今回のコミカライズにあたって村上氏が決まった経緯として、「関西弁によるつばぜり合いで構成されていく話なので、作者が関西出身という点はできれば外したくない。その中で人間喜劇を描ける方なら尚良いですが…、と小学館さんにお願いしたところ、これ以上ない方に筆をとって頂けることになりました」とコメントしている。『後妻業の女』は8月27日(土)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年07月27日お笑いコンビ・さまぁ~ずの大竹一樹(48)が、23日深夜に放送されたテレビ朝日系バラエティ番組『さまぁ~ず×さまぁ~ず』(毎週木曜26:21~)で、緊急入院をめぐる騒動の全貌を語った。5月下旬に緊急入院し、翌日行われたテレビ東京『モヤモヤさまぁ~ず2』のロケを初めて欠席した大竹。この日の『さまぁ~ず×さまぁ~ず』で大竹は、「昨日の朝退院し、今日こうしてやってまいりました」と退院を報告し、「入院したのは2日くらい」と明かした。2児の父である大竹は、仕事が休みだった日に昨年9月に誕生した次男が高熱を出し、1人で看病することに。夕方頃に次男は復活してきたが、動き回る次男をフォローしていたら自分の足が痛くなってきたという。寝る時には激痛で足が動かなくなり、悪寒も感じるほど体調が悪化。「ハウハウだし汗だし痛いし、骨のがんだなと。こんな痛くて寒すぎたら死ぬんだな」と思い、知り合いの医者に電話し、「先生のところに行かせてください。ただ、今から行くわけにはいきません。朝、家族のことを全部やってからでないと行けないので」と伝えたという。翌朝、「ハウハウしながら」子供の世話など役目を果たしてから病院へ。血液検査やCTでも原因がわからなかったが、MRIで筋膜炎であることが判明し入院することに。先生から「菌が全身に回ったら、マックス最高に悪い状態を考えたら死ぬ可能性がある」と言われ、「死ぬの!?」と衝撃を受けたという。また、「明日が仕事だということで、申し訳ない気持ちでハウハウになった」とその時の心境を明かした。病院には、マネージャーと妻でフジテレビアナウンサーの中村仁美が駆けつけ、マネージャーとは翌日以降の仕事について打ち合わせ。中村アナは、夫のピンチにも関わらず「大げさなんじゃないの」「おじいさん!?」「写真撮っちゃお!」などと病人イジリをしてきたという。大爆笑の相方・三村マサカズは「大竹のかみさんからうちのかみさんに『主人が仕事休むみたいでご迷惑おかけします』って連絡がきて、お前の車いすの写真とか送られてきた」と告白。その写真が番組で紹介された。三村はまた、大竹が中村アナに「ママちゃん待ちだよ」と電話で話していたことをマネージャーから聞いたと暴露。動揺する大竹に、「ママに"ちゃん"つけたって笑ってた」と爆笑しながら続けた。そして、「飲み薬とかやりますから」と言って早めに退院させてもらったという大竹が、「かみさんに1日早く退院できることになったと言ったら、『えっ帰ってくるの? 明日でもよかったんですけど』って言ってんのよ」と話すと、三村は「ママちゃんが?」とイジり再び爆笑。大竹は「ママちゃんじゃない!」とツッコんだ。
2016年06月24日フリーアナウンサーの福澤朗が、28日(21:00~23:10)に放送されるフジテレビ系オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語’16春の特別編』に、本職の司会者として出演する。今回の『世にも奇妙な物語』で語られるエピソードは4本で、福澤が出演するのは「クイズのおっさん」。何の面白みもない毎日に嫌気が差した古賀三郎(高橋一生)が、軽い気持ちで出演したクイズ番組の司会者として登場し、スタジオ中に響き渡る声で古賀の優勝の瞬間を彩る。しかし古賀は、この番組をきっかけに、クイズを出題してくるおっさん(松重豊)に追いかけ回されるという、奇妙な日々を送ることになる。さらに、俳優・浦井健治が、佐々木希主演の「美人税」に出演することも決定。美人であるが故に"美人税"を払わされることになった愛子(佐々木)に、救いの手をさしのべる魅力的な男性・野々村健一役を演じる。ほかにも、さまざまな出演者が4作品の随所に登場。加えて、番組の最後のエンドロールにも趣向が凝らされており、それぞれの作品内容に関わるスペシャル映像が準備されている。
2016年05月23日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店・ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)です。■『SO X TN: #1』大竹伸朗愛媛県宇和島市を拠点に、絵画、写真、立体、コラージュや音楽パフォーマンスなど多彩な表現を展開している大竹伸朗は、現代美術の中でも最も重要な作家の1人。『SO X TN』とは、東京・東麻布のギャラリーTake Ninagawaが企画開催した大竹伸朗の個展やフェアなどの際に刊行しているカタログの総称で、08年に開催された最初の展覧会である3部シリーズを除く、全ての個展プロジェクトが収録されている。5月には、新たな2タイトル「時憶」と「網膜」が加わり、計6タイトルのカタログがラインアップされる。そして、これらのカタログを集積するコンテイナーの役割を果たすバインダー形式の作品が『SO X TN: #1』である。1点ごとに大竹によって制作される、絵画でもあり、彫刻でもある、重厚、膜厚な大竹伸朗ならではのユニークピースとなっている。5月15日からNADiff Galleryで開催される展覧会、大竹伸朗「SO X TN: #1」と、東京・東麻布にあるギャラリーTake Ninagawaで同時開催の大竹伸朗「時憶」も必見。【書籍情報】『SO X TN: #1』著者:大竹伸朗デザイン:Edit.35(小関学)発刊:Take NinagawaA4サイズ用 2穴リングファイル/310×240×40mm/作家手書きナンバー発売日:2016年5月14日価格:3万5,000円(※250部限定)【展覧会情報】大竹伸朗「SO X TN: #1」会場:NADiff Gallery住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4 NADiff A/P/A/R/T地下1階会期:5月15日~6月26日時間:12:00~20:00定休日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)協力:Take Ninagawa入場無料【同時開催展覧会情報】大竹伸朗「時憶」会場:Take Ninagawa住所:東京都港区東麻布 2-12-4 信栄ビル1階会期:5月14日~6月30日時間:11:00~19:00定休日:日・月曜日、祝日
2016年05月19日市村正親と大竹しのぶ。日本の舞台俳優として最強のコンビで上演されたブロードウェイ・ミュージカル『スウィーニー・トッド』が、4度目の上演を果たす。作品は、18世紀末のロンドンに実在したという恐怖の理髪師をモデルに描く、痛快だが哀しい復讐の物語。音楽は、現代ミュージカルの巨星スティ-ヴン・ソンドハイム。この作品は演出の宮本亜門が「一番好きなソンドハイム・ミュージカル」であり、大竹しのぶも「独特の音楽の世界がクセになる感じで、ずうっとやりたいぐらい楽しい!」と、今回の再演を喜ぶ。大竹を直撃、作品の魅力と意気込みを聞いた。ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド」チケット情報物語は衝撃的だ。無実の罪で流刑となり、脱獄してロンドンに戻った理髪師がスウィーニー・トッド(市村)と名乗り、元の店の階下でパイ屋を営む昔なじみのミセス・ラヴェット(大竹)と手を組んで、復讐を始める。正体を知る人間を次々とカミソリで首を切って殺し、死体は人間ミンチにしてパイ屋へ。ロンドン一まずいと評判のパイ屋は肉不足を解消、かくして行列のできる店に!独特のソンドハイムの音楽のなか、舞台セットを立体遊戯具のように巧みに使う演出。大竹はこの作品の魅力を「音楽が素晴らしいです。最初は、この音、間違ってるんじゃないの?と思うような音楽ですけど、音が全部計算されていて、深い。表面ではすごくきれいなバラードを歌いながら、その下では不気味な音が鳴っていたり。とても難しい音を出さなくちゃいけなくて大変でしたけど、だんだんおもしろくなってくるんです」。物語と役柄については「すっごく恐ろしい話を笑いながら楽しくやるところが魅力的。『殺しちゃいましょっ』って、恐ろしいことを笑顔で歌って(笑)。怖い話ですけど、楽しいんです。ミセス・ラヴェットは最初からスウィーニーを『好き好き』と思っていて、好きよ、楽しいわ、お金いっぱい、ハッピー!みたいな感じ(笑)。ドキドキして、最後はそんなぁ!!って(笑)」。2007年の初演では、ミュージカルはほとんど初めてながらこの作品に挑戦した。4度目となる今回は「もっと歌がうまくなりたい。芝居でしゃべるように歌うには、すごい技術がいるので、私、ほんとに頑張らなくちゃ。これまで観ていただいた方には、ソンドハイムの音楽を、さらにパワーアップしてお届けしたい。初めてご覧になる方には、これがミュージカルだったと思ってもらえるようなワクワク感を渡したいと思っています」。初回から大阪公演の会場はシアターBRAVA!。「劇場の思い出は、やはりここで何度も公演した『スウィーニー・トッド』が一番多いです」と語る大竹の想いを乗せ、これを最後の演劇公演としてシアターBRAVA!は5月末に閉館する。公演は、5月13日(金)から15日まで大阪・シアターBRAVA!、5月20日(金)から22日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2016年05月13日現代美術家の大竹伸朗が、15年から連続刊行しているカタログシリーズ『SO X TN』から新たに2タイトルを発売。あわせてこれまでのカタログを集積する『SO X TN: #1』も限定250部で発売し、5月15日から6月26日まで東京・渋谷のNADiff a /p/a/r/tでこれを記念した展覧会「SO X TN: #1」を開催する。『SO X TN』は、大竹伸朗の展覧会やフェアなどのプロジェクトが行われる度に、東京・東麻布のギャラリー・Take Ninagawaが販売してきたカタログシリーズ。08年に開催された一番最初の展覧会である3部シリーズ『貼、貼貼、貼貼貼』を除くすべての個展プロジェクトが収録されている。5月には、これまでの4種に、新たに『時憶』と『網膜』の2タイトルが加わり、計6タイトルのカタログがラインアップ。これらのカタログを集積する『SO X TN: #1』も限定250部で発売される。なお、見返し部分には大竹伸朗手書きの限定ナンバー入り。今回開催される展示会では、この『SO X TN: #1』の豊富なバリエーションの中から約100点を展示販売。絵画でもあり、彫刻でもある、重厚、膜厚な大竹伸朗ならではのユニークなピースの数々が展開される。5月15日の18時30分から20時までは、トークイベント「大竹伸朗を囲む初夏の夕べ」も開催。5月14日から6月30日までは、Take Ninagawaにて展覧会『時憶』も同時開催される。また、『SO X TN: #1』の購入者には、慶応義塾大学アート・センター企画のShow-Case Project No.3として大竹伸朗が個展を開催した際に制作された、他で手に入らない未販売のカタログ『時憶 / フィードバック』をプレゼント。デザインは同カタログシリーズと同様、Edit.35の小関学が手掛けた。【展覧会情報】「SO X TN: #1」会場:NADiff a /p/a/r/t住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4期間:5月15日~6月26日定休日:月曜日【書籍情報】『SO X TN: #1』著者:大竹伸朗310×240×40発刊:2016年価格:3万5,000円
2016年05月01日現代ミュージカルの巨星、スティーヴン・ソンドハイムの傑作を宮本亜門が演出。市村正親、大竹しのぶという名優の主演で、2007年、2011年、2013年に上演されたブロードウェイ・ミュージカル『スウィーニー・トッド~フリート街の悪魔の理髪師~』が、4度めの幕を開ける!ブロードウェイミュージカル「スウィーニー・トッド」チケット情報18世紀末のロンドン、高名な判事に妻子を奪われ、無実の罪を着せられた理髪師が、脱獄をし、名をスウィーニー・トッドと変え、復讐の機会を狙う。その協力者となるのが、ロンドン一まずいと悪評のパイ屋のおかみ、ミセス・ラヴェットだ。トッドの企みを隠しながら、パイ屋も繁盛をする。そのためにふたりが考えだした、とんでもない作戦とは…!?ロンドンに実在したと言われる理髪師に扮するのは、市村正親。「またこの複雑でおもしろい作品で、ソンドハイムの音楽に身を委ねることができる。役者冥利に尽きますね」と、うれしそうに語る。大ベテランの市村も、初演時には、独特の変化の多い曲に苦労したのだとか。「非常に難しいのに、やっているうちに心地よくなる。多彩な変化が、ドラマチックな物語を表していて、まさにソンドハイムのミラクルが体感できる作品なんです」。トッドの残酷な運命を予感させるように、不安げなメロディで幕が開き、物語はスリリングに展開する。血なまぐさいトッドの企みを、ブラックジョークへと変え、コミカルな笑いで盛り上げるのがラヴェット役の大竹しのぶだ。「しのぶちゃんあっての『スウィーニー・トッド』」と市村が言うように、大竹のおかみぶりは、豪快でお茶目。憎しみの炎をたぎらせる市村のトッドと絶品のコンビで、観客をぐいぐいと引っ張っていく。ふたりがカミソリと鉈を手に歌い上げるシーンは、恐ろしくもおかしく、盛り上がりどころのひとつだ。恐怖と笑いが交錯する物語は、ハラハラドキドキの連続で目が離せないと市村。「特に2幕の後半はスピーディで見事です。あり得ない話だけどリアリティもあって、このハラハラドキドキ感は観る甲斐ありですよ」。宮本演出のもと、市村、大竹の巧みなタッグに見事なアンサンブルを添えるのが武田真治、芳本美代子、田代万里生、斉藤暁、安崎求ら個性派の共演者たち。いずれも本作品の出演経験者で、「芝居も歌も確実に深まっています。みんな音符に追われるのではなく、物語の中で生きている感じ」。2007年から10年が経ち、市村はふたりの子どもを持つ父親に。「僕自身も父になって、トッドの妻子を思う気持ちがリアルに体感できるようになりました。トッドは頭では妻と娘を思いながら、手ではすごく残忍なことをやっている。その二面性でお客様がジレンマに陥って、よりハラハラドキドキするような舞台にしたい。今回がファイナルだと思って、悔いのないよう、そしてお客様が喜んで下さるよう、精一杯つとめます」。東京公演は4月14日(木)から5月8日(日)まで東京・東京芸術劇場にて上演。その後、大阪、名古屋を巡演。取材・文:大西美貴
2016年04月07日市村正親と大竹しのぶがW主演、宮本亜門が演出を手掛けるブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド』の公開稽古が行われた。2007年、2011年、2013年と3度にわたり、市村と大竹がW主演を務めてきた本作だが、今回の2016年度版がこのコンビでは最後となることが市村の口から発表された。ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド』チケット情報本作は18世紀のロンドンに実在したという恐怖の理髪師をモデルにした、痛快で悲しい復讐のストーリー。妻と娘と共に幸せに暮らしていた理髪師ベンジャミン・バーカー(市村)は、ある日、妻を横恋慕する判事ターピン(安崎求)に無実の罪を着せられ、流刑に処せられる。15年後、街に戻った彼は、かつての自分の店の1階で今もパイ屋を営むラヴェット夫人(大竹)から、妻が狂死し、娘はターピンの養女になっていることを知らされる。怒りに燃える彼は「スウィーニー・トッド」と名乗り、再び理髪店を開店。ターピンへの復讐の機会を狙いながら、彼の正体を知る人間を次々と殺し、その肉を使ってラヴェット夫人はパイを焼く――。公開稽古で披露されたのは、オープニング曲の『スウィーニー・トッドのバラード』。亡霊たちが「スウィーニー・トッド」とは何者かを歌うナンバーで、その圧倒的なステージに稽古場は一気に不穏な空気に包まれた。公開稽古後の囲み取材には、市村、大竹、宮本が出席。市村が「僕としのぶさんの『スウィーニー・トッド』はファイナルです。うぅ」と泣きまねすると、すかさず宮本が「前回もファイナルって言ってた気がしたけど」とツッコミ。市村は「今回は本当のファイナルです」と断言した。宮本は「ふたりの人生のすごみが役に入り込んできて、だから毎回唸るような作品の濃さになっていく。このふたりが最後っていうのは演出家としても悔しいですよね」と悔やんだ。市村「ドラマはちょっと強烈だけども痛快な爽快感がある話です。亜門ちゃんの演出で、僕としのぶさんとカンパニーで、最高のものをお見せしたい」大竹「音楽も素晴らしいし、怖いだけじゃなくてワクワクして笑えるところもある楽しい作品。劇場という空間の中で、違う世界に連れてってもらえると思います」宮本「大人しかできない、本物が観たい人に観てほしいミュージカルです。特にこのふたりのコンビはこれが最後なので、演劇ファン、ミュージカルファン、映画ファン、劇場に行ったことない人にも必ず観てほしい。すごい瞬間をお届けできると思います」ブロードウェイミュージカル『スウィーニー・トッド』は4月14日(木)から5月8日(日)まで東京・東京芸術劇場にて。その後、大阪、名古屋を巡演。取材・文:中川實穗
2016年04月06日“シャンソンの女王”エディット・ピアフの生誕100周年イヤーとなる今年、栗山民也演出、大竹しのぶ主演の音楽劇『ピアフ』が3年ぶりに帰ってきた。2011年の日本初演、2013年の再演とも、「ピアフが大竹しのぶに舞い降りた」と大絶賛された舞台だ。初日を翌日に控えた2月6日、東京・シアタークリエにてゲネプロが公開された。音楽劇『ピアフ』チケット情報貧民街での日々、最愛の恋人の死、2度の交通事故、モルヒネ中毒…。ピアフの47年の壮絶な人生は様々な形で舞台化されているが、パム・ジェムス作による本作は、短い場面の連続によってまるでドキュメンタリーのように見せていくのが特徴。経験を元に想像を膨らませて役を表現するというより、役の感情を実際にその場その場で感じるような演じ方をする大竹が、この戯曲に出会ったことは必然のように思える。ピアフが人生の様々な局面で感じた痛みと喜び、愛と喪失を目の前で追体験する大竹の姿を見つめているうちに、3時間の上演時間はあっという間に過ぎていった。大竹ピアフの歌う『水に流して』は何度聴いても心に迫り、心を揺さぶり、そして心に染み入る絶唱だ。大竹の神懸かった熱演にばかり注目が集まりがちだが、そして実際それが最大の見どころであることは疑いようがないが、キャスト全員の調和なしにこの上質な舞台は完成しない。下品であけすけだがピアフを丸ごと受け止める度量を持つ親友トワーヌ役の梅沢昌代、匂い立つばかりの色気を放つ女優マレーネ・ディートリッヒと気弱な秘書マドレーヌを見事に演じ分ける彩輝なおら、初演からの続投組はもはや本作に欠かせない存在。大竹と梅沢以外はひとりで複数の役を演じる演出のなかで、初参加となった伊礼彼方のコメディセンスや大田翔の美声も光り、作品にまた新たな陰影を与えていた。ゲネプロ前には記者会見が行われ、大竹がピアフの扮装で出席。「栗山さんがまた細かく演出してくださってさらに豊かになった。どこまでもどこまでも追求していける作品」と3演目の実感を語った。その上で、「今回はロングランなので体調に十分気を付けて、ピアフと共に、みんなと共に生き抜いていく覚悟です」と力強く宣言。昨今の芸能ニュースについて話を振られて戸惑うひと幕もあったが、「人生はみんなそれぞれ、自分で責任を持って生きていくもの。ピアフも自分の責任で人を愛し、別れ、幸せを掴もうとした。そんな素晴らしい人のお芝居をどうぞ皆さん観に来てください」とアピールに繋げて見せた。東京公演は3月13日(日)まで。その後3月19日(土)から21日(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、3月23日(水)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、3月26日(土)・27日(日)に愛知・中日劇場で上演。取材・文:町田麻子
2016年02月09日世界的シャンソン歌手、エディット・ピアフの若き日から晩年までを、大竹しのぶが全身全霊で演じる『ピアフ』。イギリスの劇作家パム・ジェムスの傑作として知られ、2011年、2013年に上演されて大絶賛を浴びた舞台が、ピアフ生誕100周年の今年、再び幕を開ける。大竹にとっては読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した、まさに当たり役への3度目の挑戦。とはいえ「稽古をしながら、新たに発見することがいっぱいあります」と語る。舞台『ピアフ』チケット情報この日、稽古が行われていたのは、ピアフが47歳で亡くなる直前のラストシーン。最愛にして最後の夫・テオ(碓井将大)に寄り添われて、車いすに座ったピアフのもとに、貧しい時代を共に生きた仲間トワーヌ(梅沢昌代)がやって来る。もう長い間会っていないのに、顔を見るなり毒舌を吐いて笑い合うふたり。その姿はこの舞台の冒頭で描かれる、20代の頃のままだ。懐かしい友の昔話を聞きながら、安堵したのか目を閉じるピアフ。テオとトワーヌがゆっくりと去った後、甦ったかのように立ち上がり「水に流して」を歌い始めた。「もういいの、もう後悔しない…」と静かに自らに問いかけるような歌い出しから、歌っていくほどに、大竹のピアフは大地から沸き上がる水のごとく力を蓄えていく。そして歌い切った瞬間、まるで雷に打たれたように。その姿は神々しいほどだ。「ピアフは生前、もし歌えなくなったら、ただ長く生きるより死んだほうがいいと語っていたそうです。そう言えるのがすごいし、壮絶な人生を送ってきたからこそ、すごく愛したいし、愛されたかった人。『愛の讃歌』もこのお芝居の中で歌うと、こんなにも深い愛を叫んでいたんだなって。だからこそピアフの歌は人に生きる力をくれるし、私も歌う時にはお客様にパワーを与えたいと強く思うんです」その後、冒頭のシーンの稽古に移ると一転、路上で命をつなぐために大声で歌う20代のピアフは、野良猫のようにたくましく愛らしい。約3時間、駆け抜けるような人生を演じ、14曲を歌う舞台はハードに違いないが、逆に「歌うほどに力をもらえる」という。「“あたしが歌うときは、あたしを出すんだ。全部まるごと”“エディット・ピアフがステージに上がったら、何かが起きなくちゃ”といった台詞をいうたびに、ああそうだなって、同じ舞台に立つ人間として教えられます。ピアフのように私も1回1回全力を尽くします」そう語る大竹が再びピアフになる。そしてステージに立った時、愛と歌に生きた人生を私たちは体感するはずだ」公演は2月7日(日)から3月13日(日)まで、東京・シアタークリエにて。その後3月19日(土)から21日(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、3月23日(水)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、3月26日(土)・27日(日)に愛知・中日劇場で上演。取材・文:宇田夏苗
2016年01月29日シャンソンの女王、エディット・ピアフの鮮烈な人生を大竹しのぶが演じ、その熱演と熱唱に「ピアフが大竹しのぶに降りてきた」と賞賛された伝説の舞台『ピアフ』が、待望の3度目の上演を果たす。1月7日、大竹が共演する梅沢昌代、彩輝なお、伊礼彼方、川久保拓司とともに製作発表に出席した。【チケット情報はこちら】愛を求め、歌に生きた伝説の歌手のドラマチックな人生を、『愛の讃歌』『バラ色の人生』など14曲の彼女の名曲とともに綴っていく作品『ピアフ』。魂をぶつけるかのような大竹のピアフは大絶賛を呼び、初演時には読売演劇大賞最優秀女優賞をはじめ、その年の演劇賞を総なめにした。今回は3年ぶりの上演となるが「ピアフの歌に私自身も勇気付けられて生きてきたところもある。たくさんの方がこの芝居を観て、生きる勇気や喜びを味わってもらえたらすごく嬉しいです」と大竹。本人もこの役に特別な思いを抱いているようで、「“あたしが歌うときは、あたしを出すんだ。全部まるごと”といったピアフのセリフを言う時は、私自身もそう思って、私の身体にもそういう血が流れる。この芝居をやるとピアフに会える気がします。私の人生で大きな出会いになった」と話した。そのピアフとの出会いは、大竹が20歳の頃、美輪明宏が主演するピアフの評伝劇『愛の讃歌』を観劇し、同時期に故・中村勘三郎にピアフの評伝本を勧められたことだった…と公言していたのだが、つい最近、仰天の事実が判明したそう。年末に『日本レコード大賞』に出演の折、泉ピン子と話す機会があり、この公演の話題から「わたし、ノリちゃん(勘三郎)に『ピアフ』の本を貸してあげたのよ」と明かされ、よくよく聞いてみたらその本が勘三郎が大竹に渡した本だったとのこと。「勘三郎さんから借りたと思ったのは実はピン子さんの本だったということが最近バレました(笑)。哲明さん(勘三郎)らしい、人から借りたものを「これ読みなさい」って…。ホントに図々しいヤツだ!(笑)」と、旧友の愛らしいエピソードを楽しそうに話していた。公演は2月7日(日)から3月13日(日)まで、東京・シアタークリエにて。その後3月19日(土)から21日(月・休)まで大阪・森ノ宮ピロティホール、3月23日(水)に広島JMSアステールプラザ 大ホール、3月26日(土)・27日(日)に愛知・中日劇場で上演される。
2016年01月07日2011年の初演から3度目の上演となる『ピアフ』で、大竹しのぶが再びエディット・ピアフになる。演じるというより、まさしくピアフが降りてきたとしか言いようのなかったあの舞台に、再び立つ思いを聞いた。舞台『ピアフ』チケット情報舞台『ピアフ』は、シャンソンの女王、エディット・ピアフの人生を、短くも鮮烈なシーンを積み重ねながら表現した作品。そこに、『愛の讃歌』『バラ色の人生』『水に流して』などのピアフの珠玉のナンバーが加わっていく。再演にあたって大竹が改めて感じているのは、そのピアフの歌が持つ力だ。「音楽番組で歌う機会があったんですけど、演劇と離れて歌っても、やはりピアフの歌は別格でした。演出の栗山(民也)さんも『ピアフが歌うときは神々しい』とおっしゃっていましたが、地と天を結ぶような力があって、聴く人にその力を与えられないと歌う意味がない感じがするんです。『あたしが歌う時は、あたしを出すんだ。全部まるごと』という台詞があるように、私も全部を出して歌わないと歌えない」。それだけに、「ピアフをやると疲れる(笑)」のだと苦笑する。「でも、ピアフの台詞に私自身が力をもらえる。そして、“何があっても生きていかなくちゃいけないね”っていうような気持ちを、舞台にいる私たちとお客さんとで、共有し合えたような感覚になるんです」。歌のみならず、ピアフの人生自体も壮絶だ。最愛の人を亡くし、病に身体も心も蝕まれながらも、歌い続ける。「愛を求めた孤独な人だったんだろうなと思います。歌っているときだけは喜びがあって自分になれて。そんなふうに人生の苦しみやつらさを知っている人の歌だからこそ、あの人の歌声は多くの人を惹きつけたんじゃないかなと思うんです」。その人生を本当に生きたように演じた大竹は、初演の年に読売演劇大賞最優秀女優賞を受賞した。「評価していただいたことがプレッシャーにならないと言ったら嘘になります。でも、どう思われるかということは考えずに、今の自分と共演者のみんなでまた一から作っていって、1回1回やるだけだと思っているんです」。おそらく大竹は、また毎公演、エネルギーをあふれさせて、ただピアフを生きるのだろう。「私たちの身体を通してピアフの愛と力を感じてもらって、頑張って生きていこうと思ってもらえたらうれしい」。ピアフにとって歌うことが喜びであったように、大竹にとっても演じることが喜び。その純粋な思いに心動かされないはずがない。公演は2月7日(日)から29日(月)まで東京・シアタークリエにて。その後、大阪、愛知、広島でも公演。東京公演のチケット一般発売は11月28日(土)午前10時より。取材・文:大内弓子
2015年11月27日キヤノンマーケティングジャパンは12月4日から12月22日まで、東京都港区のキヤノンSタワーにて「白簱史朗写真展」と「キヤノンフォトサークル マンスリーアルバム2015 優秀作品展」を開催する。ともに入場料は無料。開館時間は10時から17時30分まで。休館日は日曜、祝日。オープンギャラリー1では、山岳写真家・白簱史朗氏の作品を展示。白簱氏の作品は、キヤノンが収蔵している「キヤノンフォトコレクション」の中から選定したものだ。南アルプスの四季折々の情景を中心に、アルプスの山々や富士山などのモノクロ写真を展示する。オープンギャラリー2では、キヤノンフォトサークル会報誌で開催されている月例写真コンテスト「マンスリーアルバム」における受賞作品を展示。今回展示されるのは、2015年のマスタークラス、オープンクラス、フレッシャークラスにて、各月のゴールド賞を受賞した作品だ。
2015年11月17日映画『インサイドヘッド』のヒットを記念して日本語吹替版の声優を務めた大竹しのぶが7月28日(火)に舞台挨拶に登壇。大竹さんが演じた“カナシミ”にそっくりだと自他共に認める「ハリセンボン」の近藤春菜が相方の箕輪はるかと一緒にキャラクターになりきって登場した。主人公の少女・ライリーの脳内を舞台にした本作。ヨロコビ、カナシミ、ムカムカ、イカリ、ビビリという5つの要素で構成されているライリーの感情だったが、ヨロコビとカナシミが脳内の司令部から放り出されてしまったことから思わぬパニックが起き…。近藤さんは青いカツラに黒ぶちの丸メガネというカナシミそっくりの格好で登場しつつも「カナシミじゃねーよ!」と怒声を張り上げ笑いを誘う。箕輪さんから「映画の中でカナシミが歩けなくなって引きずられるところは普段の春菜そっくり!」と指摘されると「歩くわっ!引きずれないでしょ、重くて!」と返し、会場は再び笑いに包まれた。箕輪さんは一見、分かりづらいが劇中のヨロコビをイメージした衣裳で「私の感情は喜びで占められています!」と主張。「先日、歯を白くしまして、丈夫になってお菓子の袋を歯で開けられるようになりました。憧れだったので喜んでます」と語った。「○○じゃねーよ!」という芸風に「カナシミ」を加えた近藤さんだが「『○○じゃねーよ!』と怒りに満ちて否定してますが、実は私って何にでもなれるという喜びに満ちてます。最近では人間じゃないものまであって、男女年代を問いません」と胸を張る。大竹さんは、少し前に放送されたドラマ「Dr.倫太郎」における、近藤さんの心を病んだ女性の演技を絶賛!「すごく上手でした。『女優だ!』って思いました」と語り、これには近藤さんも「大竹さんからそう言っていただけるとドラマのオファーが増えるかも!泣きそうです!」と喜びを爆発させていた。また、大竹さんは歌舞伎役者の中村勘九郎と前田愛の息子たちとの交流を明かす。深い親交があった故・中村勘三郎(第十八代)の孫でもあるが、映画の中のキャラクターたちのように感情を思い切り発散させる「ヨロコビごっこ、カナシミごっこ、イカリごっことかをして遊んでいます。楽しいです」と笑顔で語った。また報道陣から元夫の明石家さんまが、以前から「60歳の還暦で引退する」と語っていたことについて尋ねられると「多分ない。ずっと仕事していくと思います。(仕事していないと)生きていけないんじゃないかな?」と否定した。『インサイドヘッド』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月28日ディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』の七夕イベントが7月7日(火)、都内で行われ、日本語ボイスキャストを務める女優の竹内結子と大竹しのぶが浴衣姿で登場。掛け軸型の短冊で、七夕のお願いを披露した。11才の少女ライリーの幸せな成長を願う、“頭の中”の5つの感情たち――ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミが冒険を繰り広げる脳内ファンタジー。竹内さんがヨロコビを、大竹さんがカナシミを演じており、「誰もがもつ感情を描いているので、自分の物語だと感じられるはず」(竹内さん)、「人生には悲しみも必要だとしみじみ感じる。この映画を見て、ぜひ優しい気持ちになってもらえれば」(大竹さん)とアピールしていた。さて、肝心の七夕のお願いは「カナシミに溢れても、すぐそばにヨロコビがいてくれる世界になりますように」(大竹さん)、「世界一周の船旅に行けますように」(竹内さん)。二人のお願いのギャップに、竹内さんは「引退後は船旅がしたいなと思っていて…。個人的で欲張りなお願いですみません」と恐縮した表情。一方、大竹さんは「ヨロコビとカナシミという言葉を入れてほしいと言われたので…」と裏事情を明かし、「私だって、本当はやせたいとか、シワを減らしたいとか書きたかった」と率直に語っていた。この日は書家の紫舟さんが駆けつけ、ライブパフォーマンスを披露。まるで絵画を描くようなスタイルで、「喜」「悲」「涙」という文字が浮かび上がると、竹内さん&大竹さんは感激しきり。紫舟さんは「喜びと悲しみがあって流れる涙をイメージした」と話していた。『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月07日ディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』の特別試写会が7月3日に、都内で行われ、日本語吹替え版で声優を務める俳優の佐藤二朗が出席。「3歳になる子どものことを考えたら、父親として号泣し嗚咽してしまった」と本作が描き出す家族愛に“パパ目線”で感動していた。『インサイド・ヘッド』特別試写会その他の写真『トイ・ストーリー』を皮切りに、数々の名作を生み出すピクサー長編アニメーション20周年を記念し、この夏公開される感動ファンタジー。11歳の少女・ライリーの幸せな成長を願う5つの感情(ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ)が、彼女の脳内で大冒険を繰り広げる。佐藤はライリーが幼い頃に作り上げた“想像上の友だち”ビンボンの声を演じている。名脇役として幅広いジャンルで活躍するが、「声優は初めて」だといい、「しかも、ディズニー作品でしょ?こんな薄汚れた中年男でいいんだろうかと不安でしたよ」。劇中には歌唱シーンもあり「楽譜も読めないし、『そこは半音あげてください』って言われてもね…。体感的には800回くらい(笑)歌った気がする」と悪戦苦闘だったが、「感情のふり幅を普段の100~200倍にし、純粋に童心に戻れた。刺激的な体験でした」と初の声優に手応えを示した。また、ヨロコビ役の竹内結子、カナシミ役の大竹しのぶとの共演を「竹内さんは普段から明るくて笑顔が印象的だから、ヨロコビにぴったり。大竹さんが演じるカナシミもチャーミングで、こちらもぴったりですよね。大先輩なので、こういう言い方は失礼かもしれませんが…」と振り返った。一番好きなキャラクターは、カナシミだといい「負の部分こそ、生きる糧になるというテーマに感動しました。なんせ頭の中が舞台ですから、誰もが“自分の物語”として共感できるはず」とアピールした。『インサイド・ヘッド』7月18日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年07月04日俳優の佐藤二朗がディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』の日本語版で物語の重要なキャラクター、ビンボンの声を演じることが発表になった。その他の写真本作の舞台は11歳の少女ライリーの頭の中。そこではヨロコビ(JOY)、カナシミ(SADNESS)、イカリ(ANGER)、ムカムカ(DISGUST)、ビビリ(FEAR)が暮していて、彼女の感情を決めているが、ライリーの一家が引越しをしたのを機に様々なトラブルが発生。映画は、ライリーと感情たちの予想もつかないドラマを描く。ビンボンはライリーが幼い頃に空想で作り上げた“友だち”で、ライリーの頭の中で暮している。ある事件が発生して、司令部から放り出されたヨロコビとカナシミは、司令部へと帰ろうと奔走する中でビンボンに出会う。「普段はふくみのある役や、ひねくれ役、または思慮深い役が多いので、本当にビンボンのように童心で素直な役は今までやったことがない。まったく初めての挑戦でした」という佐藤は「とにかく童心にかえる、ということを心がけました。なるべく感情のふり幅を大きく持つようにしました。楽しい時は本当に楽しいし、悲しい時に本当に悲しいし、というふり幅を、大人になった自分とは比べて100倍200倍のふり幅でやってみたいなと思いました」とコメント。また、佐藤は本作について「世の中って公平では決して無いし、理不尽もたくさんあるじゃないですか。そんな理不尽に対しても腐らずに頑張るということがひとつのメッセージだと思うんです。そういう意味で、カナシミも必要だというのはすごく良いテーマですよね。人生経験を積んだ大人の心にこそ響く作品だと思います」と語っている。『インサイド・ヘッド』7月18日(土) 全国ロードショー
2015年06月29日女優の竹内結子と大竹しのぶが25日、都内で行われたピクサー長編アニメーション20周年記念作品『インサイド・ヘッド』(7月18日公開)の来日記者会見イベントに登場した。本作は、11歳の少女ライリーの頭の中にある"ヨロコビ""カナシミ""イカリ""ムカムカ""ビビリ"という5つの感情たちが、"頭の中"で大冒険を繰り広げる感動ファンタジー。来日記者会見には、『モンスターズ・インク』『カールじいさんの空飛ぶ家』などで知られるピート・ドクター監督と、ロニー・デル・カルメン共同監督、そして日本語吹き替え版で、"ヨロコビ"の声を務める竹内結子、"カナシミ"役の大竹しのぶも駆けつけた。竹内と大竹は、巨大バルーンの中から登場。大竹は「本当にいい映画。すごくエネルギッシュで、結子ちゃんの"ヨロコビ"にも感動しました」と本作の感想を語り、竹内は「こんなすてきな作品に出演することができて、"うれしい!"って思いました」と喜び、「大竹さんがおっとりした口調で『私もうダメ~』っていうのが、しぐさも含めていとおしいと思いました」と語った。ピート監督も「本当にすばらしかった。美しい演技に感謝しています」と2人の演技を絶賛した。また、作品に登場する"思い出ボール"にちなみ、5色のボールから引き上げた色の感情にまつわる話を展開。紫の"ビビリ"を引いた大竹は、「私自身はビビるってことがあまりなくて、小さい時から何があっても自分だけは大丈夫って考えで生きてきました」と、爆笑しながら大竹らしいエピソードを明かした。最後に4人それぞれ本作をアピール。ピート監督は「みなさんに響く映画だと思っている。自分の感情を、以前よりも意識していただけると思う」と語り、ロニー共同監督は「感情があるのには理由があって、われわれがいかに感情たちに助けられているか感じてほしい」とメッセージ。大竹と竹内も「人として大切なことを教えてくれる映画」「本当にこれは私の物語だと思える作品」と熱く語った。本作は、6月19日に全米3,946館で公開し、公開3日間の興行収入が9,044万271ドルの大ヒットスタートを記録。『アバター』を超え、完全オリジナル映画の全米オープニング歴代1位に躍り出た。そして、ディズニー/ピクサーの全作品の中でも、『トイ・ストーリー3』に次ぐ2位にランクインした。(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年06月25日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』。先日、本作に登場する“感情”役の声優を竹内結子と大竹しのぶが務めることで話題の本作から、2人の初共演をたっぷりと堪能できる本編映像がシネマカフェに到着した。少女・ライリーの誕生と共に生まれた様々な感情たち。楽しい気分にする“ヨロコビ”、 悲しい気分の時に現れる“カナシミ”、 怒りを爆発させるときの“イカリ、 嫌いなものを拒絶する“ムカムカ”、安全を守る“ビビリ”。それぞれの役割で、日々彼女を幸せにするために奮闘している。しかし、いつもライリーを悲しませることしかできない“カナシミ”の役割だけは、大きな謎に包まれていて…。いままでも、『モンスターズ・インク』で描かれたモンスター達の世界や、『ファインディング・ニモ』の海の中といった、圧倒的な映像技術で描かれた斬新な世界観で私達を心躍る想像の世界へと連れて行ってくれたピクサーだが、本作で描かれるのは、人間の“頭の中”だ。今回の映像は、彼女たちがいつもいるはずのライリーの頭の中の“司令部”から放り出されてやってきた、思い出が収められた棚と通路が延々と続く“思い出の保管場所”と呼ばれる場所で、ヨロコビとカナシミの個性がはっきりと浮き彫りになるシーンだ。ヨロコビは「前向きに考えて!」という自身の言葉通り、迷うことを少しも恐れずに歩き出すが、カナシミは真逆。励まされても「悲しくて歩けない…」という言葉とともに倒れこんでしまう。しかし、司令部に早く戻りたいヨロコビは、カナシミの足を持ち、彼女を引きずりながら歩き出す。その後の道案内でも、カナシミは“らしさ”いっぱい。そんな凸凹バディを好演するのが日本語版吹き替え声優を担当する竹内さんと大竹さん。初共演とは思えないほど見事に表現されたヨロコビとカナシミだが、2人のやりとりには思わず笑ってしまう。本作のフィルムメーカーは「頭の中の世界をデザインするのは、アート部門の大きな挑戦になりました。ピート・ドクター監督は、これまでにピクサーが手がけた作品の中でも最も大きな世界を描こうとしていたのですから」と語っており、本作で描かれるのはピクサー史上最大のスケールは必見。まずは、こちらの映像から、いままでの予告編ではなかなか聞くことのできなかった大竹さん演じる“カナシミ”の声に注目してみて。『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年06月19日女優の竹内結子と大竹しのぶが、ディズニー/ピクサー長編アニメーション20周年記念作品『インサイド・ヘッド』(7月18日公開)で洋画アニメーションの吹き替えに初挑戦することがこのほど、明らかになった。竹内と大竹の共演も初となる。『モンスターズ・インク』のピート・ドクター監督6年ぶりの最新作となる本作は、11歳の少女ライリーの頭の中にある"ヨロコビ""カナシミ""イカリ""ムカムカ""ビビリ"という5つの感情たちを主人公に、"頭の中"の世界を描いた感動の冒険ファンタジー。このたび、"ヨロコビ"の日本語吹き替え版声優に竹内結子、"カナシミ"に大竹しのぶが決定した。ヨロコビ役の竹内は「まさかディズニーの声優を任されるとは思っていなかった。地面の下から震える感じがして、とてもうれしかったです」と決定した時の心境を告白。「いつもポジティブに物事に向き合っているキャラなので、私が悩んじゃいけない」と考え、「自分自身が楽しいとか喜んでいる気持ちの何割増しか、かなりハイテンションでやってます」と語る。カナシミ役の大竹も「頭の中の感情が主人公の映画があるというのは知ってたのですが、まさか自分がやることになるとは思っていなかったから、すごくうれしかったです」と感激。「悲しみに浸るというのは、悲しみがあるからそこを抜けたときに喜びがあるという映画のテーマのひとつでもある」と言い、「映画の中で悲しみを喜んでいる自分がいます」と話している。ディズニーの担当者は、キャスティングについて「人間の中にある感情そのものを演じる非常に難しい役。それぞれの感情を最大に引き出す高い演技力と、その感情にぴったりなイメージを兼ね備えた方にお願いしたいと考えました」と語り、「さまざまな感情の役を演じられている竹内さん、大竹さんは、ヨロコビ、カナシミという感情の機微や人生の深さをセリフで表現してもらえる唯一無二の女優」と起用理由を明かす。(C)2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年04月27日ザディグ エ ヴォルテール(Zadig et Voltaire)が3月24日、青山店でアーティストの大竹司によるウインドーライブペインティングを開催した。大竹司は現代美術ギャラリー「山本現代」に所属するアーティスト。金沢美術工芸大学などで伝統的な日本画を学び、近年では妖怪や招き猫といった日本独特のモチーフを、カラフルな色彩と軽妙なタッチで描いている。ザディグ エ ヴォルテールでは、創始者ティエリー・ジリエ(Thierry Gillier)が大竹の作品に感銘を受けたことから、14SSコレクションでコラボレーションを展開。今シーズンにも、大竹の作品をテキスタイルに取り込んだコレクションを発表している。今回のライブペインティングは、そんな両者の関係によって実現したプロジェクト。ライブペインティングでウインドーに描かれた作品は4月19日まで展示される。
2015年03月31日大竹しのぶ、三浦春馬が出演する舞台『地獄のオルフェウス』の製作発表会見が3月25日、都内で行われ、大竹、三浦をはじめ、水川あさみ、三田和代らキャスト陣と、演出のフィリップ・ブリーンが顔を揃えた。舞台『地獄のオルフェウス』チケット情報上演するのはアメリカを代表する劇作家テネシー・ウィリアムズが1957年に発表した作品。アメリカ南部にある保守的で排他的な町を舞台に、報われない日々を送っていた女レイディ(大竹しのぶ)と野生的な青年ヴァル(三浦春馬)の不倫の恋と破滅を描く。「テネシー・ウィリアムズ作品は『欲望という名の電車』以来久しぶり」と話す大竹。大竹は同作のヒロイン役で紀伊國屋演劇賞に輝いているが、「その時は、やってもやってもやりきれない……。『今日はよし!』という日が来るんだろうかと考える毎日でした」と当時を振り返りながら「それでも今回新たにウィリアムズ作品に挑戦することができてすごくうれしいです。フィリップさんがどういう演出をして、わたしたちをどこへ連れてってくれるのかわかりませんが、絶対に面白くなる予感がします」と舞台に期待を寄せた。三浦は今回がストレートプレイ初挑戦。「諸先輩方とすばらしい戯曲に向き合える機会をいただけてすごくうれしい。こんな機会は僕の一生の中で、あるかないかぐらいのことだと思う。稽古に入って、一瞬一瞬を大切に過ごしていけたら」「昨日初めてフィリップさんとお会いしたのですが、とてもユーモアがあるすばらしい方で、この作品に対する強い思いが感じられました。稽古場でも、いろいろアドバイスいただけることを期待せずにはいられない、そんな演出家だと思いました」とコメント。水川は「私は演劇の経験がまだ浅く、正直不安で怖いです。私の演じるキャロルは露出癖があって、自分を表現しようとすればするほど、世界から孤立してしまうような女性。心が飢えていないとできない役なので、今それを模索中です」、三田は「自分はこのラブストーリーを悲劇に追いやってしまう女という役どころ。自分にわからない感覚は若いフィリップさんに教えていただきながら、躍動的なラブストーリーが作れたら」とそれぞれ話した。公演は5月7日(水)から31日(日)まで東京・シアターコクーン、6月6日(土)から14日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。チケットの一般発売は東京公演が3月28日(土)午前10時より、大阪公演が4月12日(日)午前10時より。チケットぴあでは東京公演のインターネット先行先着を実施中、3月27日(金)午後11時59分まで受付。
2015年03月26日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)です。■「ニューニュー」大竹伸朗1980年代に鮮烈なデビューを飾り、1988年に制作の拠点を愛媛県宇和島市に移してから現在に至るまで、衰えることのないエネルギー溢れる作品を制作し続けているアーティスト・大竹伸朗。本書は、2013年に香川県の丸亀猪熊弦一郎美術館で開催された新作を中心とした大規模個展「ニューニュー」のカタログが時を経て刊行されたもの。2011年以降に制作した大型のインスタレーション作品が大判シートに収録され、コラージュ&ドローイング作品、油彩作品、テキストがサイズの異なる3種類の冊子にまとめられ、更に実際の展示空間の記録映像を収めたDVDが付属。このように、サイズや形式が異なる紙媒体とデジタルメディアが、取り外し可能なファイルの留具によって1冊に綴じられる。ドローイング、コラージュ、水彩、油彩からインスタレーション、音や映像まで、あらゆる手段の作品で展示空間を圧倒した個展「ニューニュー」にふさわしい、カタログの概念を覆すかのような1冊に仕上がっている。【書籍情報】「ニューニュー」著者:大竹伸朗出版社:edition.nord言語:日本語8枚/297×235mm発刊:2015年価格:2,800円
2015年03月19日NECパーソナルコンピュータは2日、4月1日付の新人事にて、現在NECパーソナルコンピュータで取締役執行役員常務、レノボ・ジャパンで執行役員専務を務める留目真伸氏が、NECパーソナルコンピュータの代表取締役執行役員社長および、レノボ・ジャパンの代表取締役社長に就任すると発表した。現職のロードリック・ラピン氏は既報の通り、4月1日付でアジアパシフィック地域のプレジデントに就任する。ラピン氏は引き続き拠点を日本に置き、NECパーソナルコンピュータおよび、レノボ・ジャパン両社の取締役、両社の持ち株会社Lenovo NEC Holdings B.V.のCEO、およびレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ代表取締役社長に留任する。留目氏は2006年にレノボ・ジャパンに入社。常務執行役員として戦略・オペレーション・製品事業・営業部門統括を歴任し、2011年からNECパーソナルコンピュータの取締役を兼任。012年6月よりLenovo Group米国本社戦略担当部門に赴任後、2013年4月よりレノボ、NEC両ブランドのコンシューマ事業を統括している。
2015年03月02日大竹しのぶと三浦春馬が5月、東京・Bunkamura シアターコクーンで舞台初共演する。上演するのは、アメリカを代表する劇作家テネシー・ウィリアムズが1957年に発表した『地獄のオルフェウス』。偏見と旧弊に囚われた小さなコミュニティに暮らす女レイディ・トーランス。愛のない結婚をして淡々と日常を生きる彼女の前に、ひとりの青年ヴァルが現れる。やがて、彼が放つ違和感は波紋のように広がって人々の欲望を触発していく…。主人公レイディを演じるのが大竹しのぶ。同じくT・ウィリアムズの『欲望という名の電車』ブランチ役の名演で紀伊國屋演劇賞を受賞している大竹が、今回も鬱屈と情熱を抱えるリアルな女性像にどのように命を吹き込むか、期待が高まる。一方、自由な魂の象徴である青年ヴァルには若手実力派ナンバー1の呼び声も高い三浦春馬が決定。地球ゴージャスや劇団☆新感線の舞台で魅せた身体能力と圧倒的な華。数多くの映像作品でファンの心を捉える陰のある繊細な演技。両輪の魅力を放つ三浦が今回ストレート・プレイに初挑戦する。演出は英国人演出家フィリップ・ブリーン。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーでキャリアを積み重ね、昨年ロンドンで上演した『TRUE WEST』が話題になった新進気鋭の演出家だ。公演は5月7日(木)から31日(日)までを予定。チケットの一般発売は3月28日(土)より。
2015年02月24日公開中の映画『アップルシード アルファ』の大ヒットを記念して2月7日に新宿バルト9で、荒牧伸志監督、小松由佳(デュナン役)、諏訪部順一(ブリアレオス役)、原作担当編集の小笠原成彦、ブリアレオスが登壇するトークイベントが開催された。その他の写真映画は非核大戦が終結し、廃墟となったニューヨークを舞台に、主人公の女性兵士デュナンとサイボーグのブリアレオスが、人類の理想郷として築かれた都市オリュンポスに至るまでの“始まりの物語”を描いたシリーズ最新作。ちょうどこの2月で原作の発売から30周年を迎える『アップルシード アルファ』。原作の発売元である青心社の小笠原は、当時を振り返り「最初は社長が『ブラックマジック』を持ってきたのがきっかけなんですが、まず驚いたのが原稿の完成度の高さ。また発売日からしばらく、書店から注文の電話が鳴り続けてたのを覚えています。その作品が30年を迎えて、こうして映画にもなって、多くのファンが集まる。そのことは“原作の面白さ”を証明し続けているんだなと思います」と語った。小松と諏訪部は、一読者として原作に触れた当時の印象について「同人誌の色が濃かったところが面白かったんですよね。あと、ファッションがオシャレ。メカと同じくらいに、ファッションにもこだわりを感じました」(小松)、「衝撃的でしたね。当時はまだ少年誌の漫画を主に楽しんでいたような時期だったので、ちょっと“難しい”と感じましたが、何度も繰り返し読むうちにそれが読みごたえに変わっていったんですよ」(諏訪部)とコメント。トークショーでは荒牧監督が、士郎正宗氏とのやり取りについて明かす場面もあった。「士郎先生はすごく大胆でアグレッシブ。映画は新しい作品なので、どんどん変えてしまっていい、とおっしゃるんです。それこそ『ブリアレオスに顔があってもいいんじゃないか』とか(笑)。そうしたやり取りも含めて、とても刺激的でした。私自身も、もしチャンスがあれば続きが観てみたいなと思えたくらい、手応えを感じた作品。みなさんもぜひ、応援よろしくお願いします」とPRした。『アップルシード アルファ』公開中Blu-ray劇場限定版発売中Blu-ray完全生産限定版2月18日(水)発売発売元:アニプレックス
2015年02月09日1月17日(土)より公開となる3DCGアニメーション『アップルシード アルファ』の公開を記念し、本作を含め劇場版『アップルシード』3作の監督を務めた荒牧伸志氏と、アニメーションプロデューサーのジョセフ・チョウ氏によるCGメイキングセミナーが開催され、濃密なトークを繰り広げた。その他の写真今回会場となったのは、IT関連及びデジタルコンテンツの人材育成スクールのデジタルハリウッド。講義では本学学長の杉山知之氏がファシリテーターを務め、荒牧監督より本作品の特徴とも言える“スーパーフォトリアル”なCG表現について言及。スタッフ全員に早い段階で監督の中にあるイメージを共有することが近道、と監督独自の作業効率アップの”裏技”も披露された。『アバター』のジェームズ・キャメロンをして「これはもはや新次元の領域に達している」と言わしめたそのクオリティの高さで世界からも注目されている本作だが、杉山学長はその制作人数の少なさに驚きを隠せなかったと語る。「『ホビット』制作当時マックスで1,000人に対し、本作はお聞きしたら40名程度という。まるで洋画を見ているようなクオリティをその人数で表現するのはただただ驚きです。本作は日本で作って世界に勝負していくというひとつの形だと思います」かつてワーナー・ブラザーズで『アニマトリックス』などを手がけたこともあるジョセフ・チョウ氏は、『アップルシード』の海外での人気ぶりについて触れ、作品が持っている職人芸的な日本人特有のタッチや雰囲気が影響していると分析。「彼らしか作れない、独自の雰囲気というものが日本の作品にはある。そして、制作費を聞いてまた驚かされました。日本にはすごい職人たちが集まっているとすごさを感じました」と語った。また、日米合作について「従来の日本のモーションキャプチャ俳優で日本で作成したものを英語版に変えて作成すると、やはり外人からみると不自然に思えるところがある」という懸念があったそうで、「フォトリアルでリアルさを詰めていく作品ではその“違和感”から改善しようと脚本もセリフのかっこいい方にプロットを渡して作成してもらった」と解説した。最後に荒牧監督は、若い頃にやった日米合作の仕事を振り返り、「当時書いてたスケッチとかスタジオの人たちに見せると明日から来い、みたいな勢いだったので、垣根はないのかなと思いました。なので全然構えなくて良いと思う。思ってるほど壁はない。どんどんチャレンジしていって欲しい。私もメカデザイナーだけど、コンテやりたいといってやってきたもので、いろんなことを貪欲にやってほしいですね」と未来のトップクリエイターたちへエールを送った。『アップルシード アルファ』1月17日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショーBlu-ray劇場限定版発売中Blu-ray完全生産限定版2月18日(水)発売発売元:アニプレックス
2015年01月16日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ」各店がオススメする書籍をご紹介。今回は東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)のスタッフが、2014年発行の書籍から、最も注目すべき1冊をピックアップ!■「dOCUMENTA (13) Materials: 01-10/スペシャル・エディション」大竹伸朗世界のアートファンから注目を集める、アーティスト大竹伸朗。本作はドイツで5年に一度開催される国際展、ドクメンタに出展された彼の作品「MON CHERI: A Self-Portrait as a Scrapped Shed」が完成するまでに撮影された写真・動画などをブック、CD、DVD付きパンフレットでまとめた資料集。上記のほか、大竹の巨大作品「MON CHERI」(2012年)を記録した作品集、実際に作品に使用された木片や屋根スレート、釘など、作品の現物から採用された断片も封入され、印刷物とオブジェが混在する重層的な資料集の形態を成している。限定30部という少部数で製作された本作は、規格や仕様に限界のある大量生産の製品、一般市場の流通品では成し得ない、新しいユニークな本の在り方を示し、今年最も型破りだった本と言える。アルミ製のシルバーボックスに封入された豪華な仕様にも注目だ。【書籍情報】『dOCUMENTA (13) Materials: 01-10』スペシャル・エディション著者:大竹伸朗出版社:edition.nord言語:日本語発刊:2014年価格:36万円内容:「dOCUMENTA (13) Materials: 01-07」ボックスエディション「dOCUMENTA (13) Materials: 08」CDエディション「dOCUMENTA (13) Materials: 09」ブックエディション ハードカバー版「dOCUMENTA (13) Materials: 10」ドキュメントエディション「MON CHERI」作品部分 (木片、スレート)、 コラージュ素材セット、貼り込み済み素材シート、作家手染めの布、アルミ製化粧函入り
2014年12月25日読売巨人軍の高橋由伸選手と後輩の大田泰示選手が12月4日、子どもの治療に付き添う家族のための施設「ドナルド・マクドナルド・ハウス」東大ハウスを訪問。ふたりは、巨人軍がチャリティーオークションなどで集めた寄付金をチームの代表として届けた。○入院している子どもと家族のための「第2のわが家」子どもが病気を患ったら、親としては最善の治療を受けさせたいもの。だが、もしその治療が自宅から遠く離れた場所でなければ受けられないとしたら、家族にとっては心理的や肉体的な面はもちろん、経済的にも大きな負担となる。「ドナルド・マクドナルド・ハウス」は、そんな治療に付き添う家族のための滞在施設で、安価に利用できることが特徴だ。施設は、まるで自宅のように過ごせる「第2のわが家」となるように配慮。キッチンやリビング、ダイニング、ランドリーなどを完備し、プライバシーを守れるベッドルームも用意されている。費用は1人1日1,000円と、家族の負担を考慮した価格になっている。○今後も50年、60年と支援を続ける日本では「公益財団法人 ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」が、全国9カ所の「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を設立・運営しており、寄付とボランティアによって支えられている。1974年にアメリカで誕生したこの取り組みは、今年で誕生40周年を迎えた。アメリカンフットボール選手の子どもが白血病で入院することになったとき、病院近くにあったマクドナルドのオーナーらが募金を始めたことが設立のきっかけだったという。その思いは、今や世界30カ国300カ所以上の施設に広がっている。「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」事務局の山本実香子さんは、ハウスについて「まずは、お母さんやお父さんが笑顔になれるように」と話す。「わが家のように過ごせる環境をサポートして、ご家族が元気になってくれることで、ご病気のお子さんにもその元気を伝えていきたい。その運営も、地域のボランティアさんが行うことで、社会が医療を手助けする形になっているんです」と、家族の元気が子どもたちの元気にもつながると話した。そして、「一度始めたチャリティーですから、これからもずっと続くようにしていきたい。世界でもどんどん広がっていますし、日本でも来年10ハウス目のハウスがオープンします。ですが、まだまだサポートのニーズはあります。これからも広げていって、全国各地で支援できれば」と、この先50年、60年と続けていく大切さを語った。○スポーツを介したチャリティー文化の根付き今年3月にも同ハウスを訪問している高橋選手は、今回後輩の大田選手とともに訪問。2014年シーズンに集まった寄付金や募金などを、チーム代表として手渡した。その後、スタッフの案内で施設設備を見学。足音が響かないように床はじゅうたんになっていることや、「ご家族に部屋に閉じこもってほしくない」という思いからベッドルームにはテレビを置いていないことなどを真剣な表情で聞き入っていた。施設見学を終えると、大田選手はサンタ衣装に身を包み子どもたちの前に登場。一人ひとりにプレゼントを手渡しすると、子どもたちは笑顔で受け取った。読売巨人軍のマスコット・ジャビットも登場し、高橋選手らも含めてクリスマスツリーの飾りつけをみんなで行うなど、一足早いクリスマスのひとときを楽しんだ。ハウスにはこれまでも多くの著名人が訪問しているが、近年はJリーグの中村憲剛選手(川崎フロンターレ)や高橋秀人選手(FC東京)、元プロ野球選手の古田敦也さんなど、スポーツ選手の訪問が目立つ。また、今年2月にチャリティーランナーとして東京マラソンに出場して見事完走した元サッカー選手・北澤豪さんは、2015年も「ドナルド・マクドナルド・ハウス」を募金先として出場することが決まっている。ハンバーガーでおなじみの「マクドナルド」を展開する「日本マクドナルド」は、各店舗のレジ横に募金箱を設置するなど、いろいろな形でハウスのサポートを続けてきた。近年では、スポーツを通じたチャリティーを実施。スポーツを通じて楽しみながら関わっていくことで、チャリティー文化をよりたくさんの人に広げていくねらいだ。○先輩から後輩へ、受け継がれるスポーツ選手としての責務読売巨人軍も、ホームラン1本につき、一定の金額を「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」に寄付するなどし、その活動をサポートしている。高橋選手は、「少しでも力になれたら。野球で何かできることが一番なので、ますます頑張って、貢献したい。僕以外の選手からも、1本でも多くホームランを出していきたい」と、来季より選手と打撃コーチ兼任となった意気込みも含めて語った。大田選手は、「今後もこのような活動が続けばと思うし、自分も積極的に参加して貢献したい。今日、目の当たりにしたことをしっかり受け継いでいきたいです」と、先輩の背中を見て支援の継続を強く決意していた。病気に苦しむ人やその家族を助けていこうとするチャリティーの心は、先輩から後輩へ、そしてその後輩からまた次の世代へと、ずっと受け継がれていくはずだ。
2014年12月08日