公益財団法人日本城郭協会(理事長:小和田哲男)は、小和田理事長を審査員長とする審査会にて第3回日本城郭協会大賞の選定を行い、日本城郭協会大賞に「増山城解説ボランティア曲輪の会」の受賞を決定しました。併せて城郭・城址の維持・整備を自主的に行うボランティア団体等を賞する日本城郭文化振興賞に「山名氏城跡保存会」を、城郭文化の普及に寄与した個人・団体を賞する日本城郭文化特別賞を「余湖浩一氏」に、城郭管理者として特筆すべき成果を挙げた自治体等を顕彰する調査・整備・活用賞を「飛騨市教育委員会」に授与することを決定いたしました。また、坂本城で発見された遺構保存のために尽力された大津市と工事計画の中止を決断された「株式会社三王不動産流通」に審査員特別表彰を行うこととし、本日4月6日(城の日)に発表しました。それぞれの受賞理由は以下の通りです。◆「日本城郭協会大賞」 増山城解説ボランティア曲輪の会(富山県砺波市)増山城解説ボランティア「曲輪の会」は、平成22年(2010)に設立。砺波市民に加えて、富山県内や石川県在住の会員も活躍。次世代に活動を継承する目的で、地元小学生向けのガイドや子・親・祖父母の三世代で行う「三世代草刈り&バーベキュー」を開催するなど、城跡を地域振興の拠点として位置づけ、郷土愛の醸成につながる活動をしている。毎年秋に開催される「増山城戦国祭り」と合わせ、地元を巻き込みながら会員も楽しんで参画する保全活動の一つの形を提示している。優秀な学芸員のもと、研鑽を積んだボランティアメンバーによる多彩なガイドは来訪者に増山城に関する知識だけでなく感動も与えており、各地で取り組まれている城郭ガイドボランティアの取り組みの嚆矢、好実践例として大賞を授与することとした。増山城ガイダンス施設 ボランティア教育増山城冠木門前 小学生解説◆「日本城郭文化振興賞」 山名氏城跡保存会(兵庫県豊岡市)「山名氏城跡保存会」は、山名氏関連の城郭、特に有子山城の定期的な草刈り、山道の維持に努めるほか、広く啓発活動を継続して実施している。有子山城は急峻な山上にあるが、「山名氏城跡保存会」が定期的に登山道の整備、安全配慮に努め、山上部の草刈りを会員総出で定期的に実施しているため、山上の石垣遺構も見学しやすく、また山麓の旧出石城下町から山上部の石垣をはっきりと視認できるなど、遺跡の維持のみならず景観整備にも大きく貢献していることを評価する。山名氏城跡保存会 有子山城草刈り山名氏城跡保存会 有子山城草刈り◆「日本城郭文化特別賞」 余湖浩一氏(城郭研究家)~余湖くんのホームページの作成・運営~余湖氏は教職のかたわら、27年間に渡って全国の城郭・城址に足を運び得た情報を、自ら描いた城の鳥観図(余湖図)と写真・文章で構成されたブログ「余湖くんのホームページ」を運営し、無償で城郭愛好家に向けて公開を続けている。城の情報がほとんどない時代から、1万余の城の情報が掲載される「余湖くんのホームページ」の見どころ、アクセス等の情報を参考にして城巡りをする愛好家は多く、同氏の仕事が現在の城ブームの礎になっていると言っても過言ではない。その仕事量と情熱は想像を絶するものであり、特別賞に値するものと評価する。◆「調査・整備・活用賞」 飛騨市教育委員会~姉小路氏城館跡の国指定史跡認定~姉小路氏城館の緻密な調査により山上居館、畝状空堀群の構築過程、織豊系城郭への改修過程等を解明し、遺跡としての価値を明瞭にした結果、国指定史跡として認定されたことを評価する。姉小路氏城館跡姉小路氏城館跡◆「審査員特別表彰」 大津市/株式会社三王不動産流通~坂本城遺構保存に向けた活動~株式会社三王不動産流通が、開発のために取得した土地から出土した坂本城の遺構保存のために尽力された大津市と、遺構保存に理解を示し工事計画を中止して将来の国史跡認定取得のために大津市に協力する決断をした株式会社三王不動産流通の行動に感謝して、審査員特別表彰を行うこととした。坂本城現地説明会坂本城覚書締結式◆受賞者の表彰は6月5日に開催予定の日本城郭協会総会にて執り行う予定です。また、年末にパシフィコ横浜で開催される「お城EXPO2024」(主催:日本城郭協会・ムラヤマ・城びと・パシフィコ横浜)にて受賞者による記念講演等を予定しています。◆第3回日本城郭協会大賞概要・主催 公益財団法人日本城郭協会・後援 東京都教育委員会・協賛 ブックオフコーポレーション株式会社・審査員 審査員長 小和田哲男(協会理事長・文学博士・静岡大学名誉教授)副審査員長 三浦正幸(協会評議員・工学博士・広島大学名誉教授)加藤理文(協会理事・文学博士)審査員 千田嘉博(協会理事・文学博士・奈良大学教授)中井均(協会評議員・滋賀県立大学名誉教授)小和田泰経(協会理事・静岡英和学院大学非常勤講師)萩原さちこ(協会理事・城郭ライター)安形哲夫(協会会員・株式会社ジェイテクト前社長)森忠彦(毎日新聞元編集委員)宮代栄一(朝日新聞編集委員)多可政史(読売新聞文化部)◆公益財団法人日本城郭協会日本城郭協会は、昭和30年に設立後、昭和42年に文部省の認可を受け、「日本および世界各国の城郭に関する研究、調査、啓蒙を通じて、民族、歴史、風土に関する知識の普及を図り、もって教育、文化の発展に寄与すること」を目的として城郭関連団体で唯一の公益財団法人として活動しています。主要な事業としては「日本100名城・続日本100名城」の認定とスタンプラリーの運営や「お城EXPO」「日本城郭検定」「城の自由研究コンテスト」の主催などを行っています。◆日本城郭協会大賞2022年に公益財団法人移行10周年を記念して城郭文化の振興に貢献した団体・個人を顕彰する制度として創設しました。過去の受賞は以下の通りです。第1回 2022年4月6日発表日本城郭協会大賞・大東市・四條畷市 「国指定史跡につながった飯盛城跡の発掘・調査」日本城郭文化振興賞・番場の歴史を知り明日を考える会 「鎌刃城跡の啓発・普及・保存活動」日本城郭文化特別賞・春風亭昇太師匠第2回 2023年4月6日発表日本城郭協会大賞・久野城址保存会(静岡県袋井市)日本城郭文化振興賞・可児市山城連絡協議会(岐阜県可児市)日本城郭文化特別賞・香川元太郎氏(イラストレーター)・島充氏(模型作家)調査・整備・活用賞 ※第2回から創設・福島県白河市 「東日本大震災で被災した石垣を復旧した白河小峰城跡」・福山城 「福山城の天守外観復元・全国唯一の北側鉄板張りを復元」 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年04月06日公益財団法人日本城郭協会(理事長:小和田 哲男)は、株式会社ワン・パブリッシング(代表取締役社長:廣瀬 有二)と共催で教育事業の一つとして小学生・中学生を対象とした「第22回城の自由研究コンテスト」を開催しました。加藤 理文当協会理事を審査員長とする審査会にて選定を行い、文部科学大臣賞を各務 日乃さん(東京学芸大学附属世田谷小学校3年/東京都)と中村 潔敬さん(三郷市立彦成中学校3年/埼玉県)、日本城郭協会賞 鵜飼 壮さん(一宮市立萩原小学校6年/愛知県)と足立 晴音(獨協埼玉中学校1年/埼玉県)、ワン・パブリッシング賞 外林 海星さん(多賀城市立多賀城小学校6年/宮城県)と足立 晴音さん(日本城郭協会賞と同時受賞)を選出。以下優秀賞・佳作全体で小学生10名、中学生12名の受賞が決まりました。表彰式は12月17日、パシフィコ横浜で開催された「お城EXPO2023」会場にて開催されました。それぞれの作品名・受賞理由は以下の通りです。お城EXPO会場における表彰式記念撮影■文部科学大臣賞(小学生の部)<各務 日乃さん(東京学芸大学附属世田谷小学校3年/東京都)>『ようがいの地にきずかれた世田谷城西がわだけがなぜ弱い?! 世田谷線おほり説を立てる』素朴な疑問から仮説を立て、地形図・陰影起伏図・古写真を調べ、さらに現地調査を実施し、ペットボトルを使った現地での実験など、多角的方法で証明しようとしていく過程が非常に素晴らしいと評価した。結論に至るまで解き明かしていく文章も秀逸で、読んでいて引き込まれる程だった。失われた城跡で、これだけの研究が出来るということを知らしめる大変素晴らしい作品である。文科大臣賞各務さん表彰各務さん作品■文部科学大臣賞(中学生の部)<中村 潔敬さん(三郷市立彦成中学校3年/埼玉県)>『道庭城いざ復元』曾祖父の「半田村」は元々「道庭村」との仮説を検証するために、明治以降の地形図や発掘調査資料を読み取り、現地調査を経て城の場所を特定することが出来た。道庭城を方形館として復元し、後世に伝えたいとして上手にまとめまで持っていけている。具体的な模型を作ったことも、評価の対象とした。文科大臣賞中村さん表彰中村さん作品■日本城郭協会賞(小学生の部)<鵜飼 壮さん(一宮市立萩原小学校6年/愛知県)>『これからのお城の生きる道~名古屋城バリアフリー問題から考えるこれからのお城のあり方や名古屋城木造再建について~』極めて難しい課題を、あらゆる角度から徹底的に分析し、松本城など他5城を現地取材することで、より深めることが出来た。現存天守、木造再建天守、RC造の再建天守、石垣だけの城という取材先の選択もすばらしく、木造再建だけでない城全体を考えることでより作品に厚みが加わった。鵜飼さん作品■日本城郭協会賞/ワン・パブリッシング賞(中学生の部)<足立 晴音さん(獨協埼玉中学校1年/埼玉県)>『道庭城の謎は沼にある』中村さんの作品と甲乙つけがたく、審査員一同熟考を重ねた結果、ダブル受賞と言う特別な評価をした。小学校からの継続調査で、今回も非常に丁寧にそしてしっかりと裏付けを取る調査が出来ている。川と道という地形の違いから、水運と陸運の要衝の重要性に気付き、それを今までの調査で得た膨大な資料と結び付け、さらにそばたか神社と有力氏族との関係にも言及し、結論付けてく過程が素晴らしかった。足立さん作品■ワン・パブリッシング賞(小学生の部)<外林 海星さん(多賀城市立多賀城小学校6年/宮城県)>『枡形進化論』~枡形は古から受け継がれた由緒ある仕掛けだった~枡形について、弥生時代の吉野ケ里遺跡に始まる囲郭集落まで遡らせ、自分なりの仮説を立て17ヶ所の現地調査を実施し、防御力・攻撃力・びびらせ力・発想力・造りやすさの五項目を定めて比較検討したところが面白かった。マインクラフトを使った模型も効果的で、模造紙のまとめ方も非常に上手で、この二つも評価対象とした。外林さん作品優秀賞・佳作は以下の通りです。■小学生の部優秀賞 猪野 康介(筑波大学附属聴覚特別支援学校小学部2年/千葉県)初めての自由研究 家康ゆかりの城優秀賞 長谷川 太一(小野市立大部小学校5年/兵庫県)池田輝政と姫路城優秀賞 鈴木 遼太(武蔵野市立千川小学校5年/東京都)「城地名」はどこにある優秀賞 中川 瑞祥(朝倉市立杷木小学校6年/福岡県)秋月城(陣屋)防衛計画論考佳作 小川 正(横浜市立大鳥小学校3年/神奈川県)僕だったらどうする!?~山中城の戦いから考える北条氏の守り方を考える~佳作 加藤 大芽(名古屋市立極楽小学校5年/愛知県)攻城戦最強の城はどこだ!!! ~平山城の謎に迫る~佳作 割鞘 凛人(福山市立野々浜小学校5年/広島県)お城歴一年の僕が調べる 福山城と現存天守の謎■中学生の部優秀賞 内田 智也(刈谷市立富士松中学校1年/愛知県)未来に残す石垣構造優秀賞 中脇 光翼(掛川市立西中学校2年/静岡県)古文書から読み説く掛川城の真の姿III~歴史に隠されたもう一つの掛川城~優秀賞 伊藤 拓生(駒場東邦中学校3年/東京都)関東甲信の城-発達の共通点と相違点佳作 清水 愛心(静岡大学教育学部附属島田中学校1年/静岡県)「城」が表す時代の変化について佳作 川上 結輝(岡山県立岡山操山中学校2年/岡山県)天空の城 備中松山城の謎に迫る~備前 宇喜多直家・秀家の城との比較を通して~佳作 佐藤 悠翔(宇都宮大学共同教育学部附属中学校2年/栃木県)1700年の宇都宮史~北関東最強の宇都宮氏と宇都宮城~佳作 小林 潤喜・亀山麟太郎・鈴木 駿真(静岡大学教育学部附属島田中学校2年/静岡県)鉄砲と『円』の関係~諏訪原城、田中城、真田丸~佳作 篠宮 颯介(静岡大学教育学部附属島田中学校3年/静岡県)武田流築城術は本当に武田流?~諏訪原城の要 丸馬出~◆「城の自由研究コンテスト」開催概要行事名称:「第22回城の自由研究コンテスト」主催者 :公益財団法人日本城郭協会/株式会社ワン・パブリッシング後援 :文部科学省 教育新聞社 読売KODOMO新聞 読売中高生新聞 城びと協賛 :童友社目的 :小・中学生の総合的な学習をふまえ、地域のシンボルである「城」を探訪し、研究・調査・発表する中で我が国の文化遺産についての理解を深める。概要 :全国の小学生、中学生から応募された城に関する自由研究の優秀作品に対し、小学生の部と中学生の部それぞれに文部科学大臣賞、日本城郭協会賞、ワン・パブリッシング賞、優秀賞、佳作、団体賞(学校賞)を選出し、これを表彰する。◆「第22回城の自由研究コンテスト」応募状況今回の応募状況は33都府県から、211作品となりました。内訳は小学生の部で個人応募54作品、団体応募11団体13校49作品の計103作品、中学生の部で個人応募20作品、団体応募14団体88作品の計108作品でした。1次審査、2次審査を経て選出された小学生の部及び中学生の部でそれぞれ10作品に対して、11月に行われた最終審査では、各審査員の採点と評価で最高得点の作品それぞれに文部科学大臣賞、続く高得点の作品に主催者賞である日本城郭協会賞とワン・パブリッシング賞をそれぞれ選出し、その後、優秀賞、佳作を選出しました。なお、団体賞(学校賞)につきましては今年、該当団体はありませんでした。◆「第22回城の自由研究コンテスト」審査員加藤 理文(協会理事・協会学術委員会副委員長・文学博士)諏訪間 順(協会評議員・小田原城天守閣館長)柳下 則久(青山学院大学客員教授)萩原 さちこ(協会理事・城郭ライター)前田 利久(清水国際高等学校校長)星川 武(株式会社ワン・パブリッシング歴史群像編集長)◆公益財団法人日本城郭協会日本城郭協会は、昭和30年に設立後、昭和42年に文部省の認可を受け、「日本および世界各国の城郭に関する研究、調査、啓蒙を通じて、民族、歴史、風土に関する知識の普及を図り、もって教育、文化の発展に寄与すること」を目的として城郭関連団体で唯一の公益財団法人として活動しています。主要な事業としては「日本100名城・続日本100名城」の認定とスタンプラリーの運営や「お城EXPO」「日本城郭検定」「城の自由研究コンテスト」の主催などを行っています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月22日公益財団法人日本城郭協会(理事長:小和田 哲男)では、公益教育事業として毎年開催している『城の自由研究コンテスト』の作品を募集します。募集期間は8月1日から9月30日までとし、小・中学生を対象に募集します。12月に入賞作品を発表し、年末にパシフィコ横浜で開催される『お城EXPO2023』会場にて優秀作品の展示と表彰式を行う予定です。応募資格は個人・団体を問いません。お城に関する小中学生の自由な研究に対して審査を行い、最優秀作品には文部科学大臣賞、主催団体賞として日本城郭協会賞、ワン・パブリッシング賞のほか、優秀賞、佳作を選び表彰しています。最終審査は、主催者、教育関係者、城郭研究者により行われます。本コンテストは、子供たちが地域の貴重な文化遺産である「城」をテーマにして、探訪・調査・研究を通じ地域の歴史・文化に親しみ、主体的に学ぶことで、文化を後世に伝えていく継承者育成、また学校教育における総合的学習の場としての位置づけを目標としています。◎開催概要主催:公益財団法人日本城郭協会共催:株式会社ワン・パブリッシング後援:文部科学省、読売KODOMO新聞・読売中高生新聞、教育新聞社、城びと協賛:童友社◎募集要領■応募資格 小学生・中学生■応募部門 小学生の部および中学生の部■応募方法 個人応募での単独制作・共同制作または団体応募での単独制作・共同制作■応募テーマ 城・城跡・城下町・人物・事件など、城に関するテーマ■募集期間 2023年8月1日(火)から2023年9月30日(土)〈必着〉■作品送付先 城の自由研究コンテスト事務局TEL:03-5935-6199〒354-0045 埼玉県入間郡三芳町上富236-1■問合せ先 公益財団法人日本城郭協会ホームページ問合せフォーム■入選発表 2023年12月 文部科学大臣賞 主催者賞 学校(団体)賞他◎公益財団法人日本城郭協会日本城郭協会は、昭和30年に設立後、昭和42年に文部省の認可を受け、「日本および世界各国の城郭に関する研究、調査、啓蒙を通じて、民族、歴史、風土に関する知識の普及を図り、もって教育、文化の発展に寄与すること」を目的として城郭関連団体で唯一の公益財団法人として活動しています。主要な事業としては「日本100名城・続日本100名城」の選定とスタンプラリーの運営や、「お城EXPO」「日本城郭検定」「城の自由研究コンテスト」の主催などを行っています。◎第21回「城の自由研究コンテスト」の実績〇最終審査員審査員長 加藤 理文(当協会理事・学術副委員長)審査員 諏訪間 順(小田原城天守閣館長・当協会評議員)審査員 柳下 則久(青山学院大学客員教授)審査員 前田 利久(清水国際高等学校校長・当協会評議員)審査員 萩原 さち子(城郭ライター・当協会理事・学術委員)審査員 星川 武(ワン・パブリッシング『歴史群像』編集長)〇最優秀作品文部科学大臣賞(小学生の部)足立 晴音(三郷市立幸房小学校6年)『道庭城の謎が謎を呼ぶ』文部科学大臣賞(中学生の部)永山 勘太(江東区立深川第四中学校2年)『城館なき城主~廃城後の城は本当に使えなくなってしまったのか~』日本城郭協会賞(小学生の部)鵜飼 壮(一宮市立萩原小学校5年)『文化財 名古屋城』日本城郭協会賞(中学生の部)伊藤 拓生(駒場東邦中学校2年)『新説石垣山城~石垣山城の定説の課題~』ワン・パブリッシング賞(小学生の部)内田 智也(刈谷市立富士松北小学校6年)『石垣の強さの秘密に迫る』ワン・パブリッシング賞(中学生の部)中脇 光翼(掛川市立西中学校1年)『正保城絵図から読み説く 掛川城の真の姿II~山内一豊が張り巡らせた掛川城の防御の仕組みを探る~』文科大臣賞足立さんの作品文科大臣賞永山さんの作品表彰式集合写真第21回「城の自由研究コンテスト」表彰式集合写真(お城EXPOイベントステージ横にて) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年08月01日公益財団法人日本城郭協会(理事長:小和田 哲男)は、小和田理事長を審査員長とする審査会にて第2回日本城郭協会大賞の選定を行い、日本城郭協会大賞に「久野城址保存会」の受賞を決定しました。併せて城郭城址の維持・整備を自主的に行うボランティア団体等を賞する日本城郭文化振興賞に「可児市山城連絡協議会」を、城郭文化の普及に寄与した個人・団体を賞する特別賞を「香川元太郎氏」と「島充氏」に授与することを決定いたしました。また、今回から城郭管理者として特筆すべき成果を挙げた自治体等を別枠で顕彰することとなり、「福島県白河市」と「福山城」に調査・整備・活用賞を授与することを決定し、本日4月6日(城の日)に発表しました。それぞれの受賞理由は以下の通りです。◆「日本城郭協会大賞」久野城址保存会(静岡県袋井市)久野城址保存会は昭和52年に宅地造成計画が持ち上がった城址を残すべく、当時約200人の地元有志で結成された団体。袋井市指定史跡化を目指した活動の結果、昭和54年に認定された。史跡化が実現して以降は、単に城址の保存と顕彰だけを目的とするのではなく、城址を地域のシンボルとして、地域活動や地域づくりの核と位置づけ、平成元年からは市全域の保存会へと飛躍・発展させるため、法人会員を募集する等、組織の強化・拡大を図るとともに、会員自らの会費により保存会活動を展開している。団体結成以来、地元の北小学校6年生を対象にした久野城教室を毎年開催したり、年数度の広大な城址の草刈りを行うなど、長きにわたる地道な取り組みを評価した。久野城址久野城址保存会 草刈り大作戦◆「日本城郭文化振興賞」可児市山城連絡協議会(岐阜県可児市)岐阜県可児市には、小さな村の城から地域支配の拠点となった大規模な城まで多様な城跡が残っている。とりわけ天正12年(1584)の小牧・長久手の戦いの際に改修された遺構が良好な状態で残っている城跡が多く、その特性を地域団体がよく理解し、継続的な整備活動を行っている。山城を地域の誇りとなる資源としてとらえる行政(文化財課・観光交流課)と連携し、保存と活用のバランスを考えた整備活動に取り組んでいる。また城跡の持つ魅力や整備活動の成果を多くの方に知ってもらう機会として、行政や専門家、企業や他地域の城跡の整備に関わる団体、山城ファンが一体となったイベント「山城に行こう」を開催しており、保存整備・活用のあり方のモデルとして評価した。可児市山城連絡協議会 ガイド風景可児市山城連絡協議会 久々利城守隊◆特別賞 香川元太郎(かがわ げんたろう)(イラストレーター)香川氏の姿なき戦国時代の山城を見事に可視化した鳥瞰イラストは、城ファンの理解の手助けになり、今や城の本質に迫るための教科書となっている。緻密で丁寧な作品群は専門家から信頼も厚く、イラストの範疇を超えた学術資料に匹敵すると評価する。同氏の長年にわたる膨大な山城イラスト作品制作実績を評価した。◆特別賞 島充(しま みつる)(模型作家)島充氏は城郭模型の製作を長年にわたって行っており、多くの作品が各地で常設展示あるいは巡回展示されている。島氏が製作した城郭模型は、天守や城郭建造物、あるいは城郭全体を対象としたものであり、その模型は復元模型・破損状況模型・再建工事中模型など多岐にわたる。特に天守および城郭復元模型は学術的成果物として他の模型製作者と一線を画すものである。復元模型の制作にあたって、島氏は古写真や古絵図などの各種資料を渉猟し、それをもとにして綿密な復元考察を行っている。その研究成果物である城郭復元模型は、それまでの復元研究で見落とされてきた点や誤って復元された点が完璧に修正されたものである。また、模型の製作技術は全国一と高く評価され、城郭のもつ荘厳さや華麗さにおいて実物を目の当たりにしているがごとくに詳細かつ写実的に再現しており、芸術作品としての価値をも示すものである。城郭復元模型の価値を学術的かつ芸術的水準に高めた点において、島充氏の業績は並ぶ者がないと高く評価した。◆調査・整備・活用賞 福島県白河市~東日本大震災で被災した石垣を復旧した白河小峰城跡~白河小峰城は史跡指定後の2011年3月11日に発生した東日本大震災で、東北地方の城郭の中でも最大級の被害を受けたが、2022年に本丸西側から北側にかけて取り囲む「帯曲輪」の整備が完了し、一般公開が始まった。石垣の再建は難しい作業となったが、震災から11年を経て完全復活を果たした。江戸時代の伝統工法を用いつつ、大きさや形状、加工の痕跡を記録する「カルテ」も作成された。これらの手法は、熊本地震で石垣が大破した熊本城(熊本県)、西日本を襲った豪雨や台風の被害を受けた丸亀城(香川県)などの修復にも参考とされ、石垣復旧のモデルケースとして認知されている。災害大国の日本で、大震災による苦難を経つつ、石垣という文化財を後世に守り伝える取り組みを評価した。◆調査・整備・活用賞 福山城福山城の天守外観復元 ~全国唯一の北側鉄板張りを復元~福山城は城郭自体は戦後の復元城ではあるが、福山藩の城下町としての町おこしが熱心で、市役所を中心に、市民も参加し、近年、オペラなどの文化事業にも取り組んでいる。2022年の事業の中心である「令和の大普請」の目玉として、かつて天守北側に張られていた黒塗り鉄板を復元。2022年8月、77年ぶりに真っ黒の頑丈そうな重みのある城壁が完成した。報道にも大々的に取り上げられ、全国に城郭の話題を提供した功績を評価した。受賞者の表彰は6月の日本城郭協会総会にて執り行う予定です。また、年末にパシフィコ横浜にて開催される「お城EXPO2023」(主催:お城EXPO実行委員会)にて受賞者による記念講演等を予定しています。◆第2回日本城郭協会大賞審査員小和田哲男(協会理事長・文学博士・静岡大学名誉教授)三浦正幸(協会評議員・工学博士・広島大学名誉教授)千田嘉博(協会理事・文学博士・奈良大学教授)中井均(協会評議員・滋賀県立大学名誉教授)加藤理文(協会理事・文学博士)小和田泰経(協会理事・静岡英和学院大学非常勤講師)萩原さちこ(協会理事・城郭ライター)安形哲夫(協会会員・株式会社ジェイテクト前社長)森忠彦(毎日新聞元編集委員)宮代栄一(朝日新聞編集委員)多可政史(読売新聞文化部)◆公益財団法人日本城郭協会日本城郭協会は、昭和30年に設立後、昭和42年に文部省の認可を受け、「日本および世界各国の城郭に関する研究、調査、啓蒙を通じて、民族、歴史、風土に関する知識の普及を図り、もって教育、文化の発展に寄与すること」を目的として城郭関連団体で唯一の公益財団法人として活動しています。主要な事業としては「日本100名城・続日本100名城」の認定とスタンプラリーの運営や「お城EXPO」「日本城郭検定」「城の自由研究コンテスト」の主催などを行っています。◆日本城郭協会大賞2022年に公益財団法人移行10周年を記念して城郭文化の振興に貢献した団体・個人を顕彰する制度として創設しました。第1回の日本城郭協会大賞は「大東市・四條畷市(国指定史跡につながった飯盛城跡の発掘・調査)」が受賞、日本城郭文化振興賞は「番場の歴史を知り明日を考える会(鎌刃城跡の啓発・普及・保存活動)」が受賞、そして日本城郭文化特別賞として「春風亭昇太師匠」が受賞しました。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年04月06日“城”をテーマに展示やトークイベント、グッズ販売が行われる総合イベント「お城EXPO」が今年も開催される。今年の特集テーマは“栄枯盛衰‐豊臣から徳川へ‐”で、デジタル復元された「大坂冬の陣図屏風」など、大阪の陣を物語る史料を展示する「天下の行方-大坂の陣その後-」を開催。中には初公開、関東初公開の史料もあり、貴重な展示になりそうだ。他にも日本100名城・続日本100名城に選定されている城郭の関連団体がブースをかまえる観光ゾーン、城郭模型や書籍など城関連商品を販売するエリア、厳選された城映像を上映する“お城シアター”など、城好きにはたまらない企画が揃う。また“お城好き”として知られる春風亭昇太によるトークショーや、NHK大河ドラマで時代考証を担当する日本城郭協会理事長・小和田哲男による講演も実施される。お城EXPO 201912月21日(土) 9時から19時30分22日(日) 9時から17時30分※最終入城30分前までパシフィコ横浜 会議センター
2019年12月21日