これまで100冊以上の絵本を出版し、児童文学界のノーベル賞といわれるアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞した絵本作家、荒井良二さん。現在では活躍の場を広げ、絵本にとどまらない表現の世界を自由に旅している。そんなアーティストとしての荒井さんが出力全開で臨む展覧会「new born荒井良二いつも しらないところへ たびするきぶんだった」が開幕する。「手のひらで読む絵本世界とはまた異なる世界へ誘ってくれるのではないでしょうか」と学芸員の中村貴絵さん。荒井さんはここ10年ほどの間に新しい活動期に入った。東日本大震災後は被災地をめぐるワークショップツアーを実施、2014~’18年には「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ」の芸術監督を務めている。「それまでの表現媒体が絵本だったというだけで、もともと社会の観察者としての一面があったのだと思います。それがこうした活動をきっかけに開花し、アートを媒介に社会や地域、人、歴史とつながっていったのではないでしょうか」本展では代表作の絵本『あさになったのでまどをあけますよ』などの原画の展示に加え、新作絵画や立体作品など約300点を展示。山形ビエンナーレで発表された物語「山のヨーナ」のインスタレーションを再構成した作品や、大分県の公園に設置されたオブジェ《たいようをすいこむモン》のマケット(試作の模型)も登場。開幕前にワークショップの参加者と共に制作した作品も展示予定だ。面白いのはどんなに道具や場所が変わっても、荒井さんの飄々とした物腰はそのままに見えること。「新しいジャンルに飛び込み、表現の枠を広げていくことに躊躇がない現在進行形のアーティストだと思います。ただそこに大きな覚悟はなく、展覧会のタイトルのように、あくまで知らない場所を旅する『気分』であるところが、実に荒井さんらしい」私たちもそんな気分に身を委ねて、荒井良二さんの新しい世界を旅してみたい。『あさになったのでまどをあけますよ』原画 2011年 偕成社、個人蔵 ©Arai Ryoji《new born 旅する名前のない家たちを ぼくたちは古いバケツを持って追いかけ 湧く水を汲み出す》制作風景《絵の中のぼくとぼくの中の絵》2023、個人蔵 ©Arai Ryoji《流れ星スパーク奏でよギター》2022年、個人蔵 ©Arai Ryojiあらい・りょうじ1956年、山形県生まれ。2005年、アジアで初めてアストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。『たいようオルガン』でJBBY賞など国内でも受賞多数。ライブペインティング、ワークショップのほか、作詞・作曲など音楽活動も行う。最新刊は絵本『ねこのゆめ』(NHK出版)。写真:志鎌康平「new born荒井良二いつも しらないところへ たびするきぶんだった」横須賀美術館神奈川県横須賀市鴨居4‐1開催中~9月3日(日)10時~18時8/7休一般1300円ほかTEL:046・845・1211※『anan』2023年7月12日号より。取材、文・松本あかね(by anan編集部)
2023年07月11日なんとなく高校生活を過ごしている近藤(伊藤健太郎)は、卓球部の部活中、同じ体育館で黙々とクライミングに励む小寺さん(工藤遥)のことが気になっている。彼女はなぜのぼるのか? 何かに熱中した経験のない近藤、小寺さんと同じクライミング部の男子、四条、ネイルが趣味で不登校気味の梨乃、近藤と同じく小寺さんから目が離せず、写真に収め続けているありか。小寺さんを中心に変わり始める日常を、静かに描く映画『のぼる小寺さん』の見所を工藤遥、伊藤健太郎に語ってもらった。撮影/高橋那月、取材/藤坂美樹
2020年07月03日ボルダリング大好き高校生“小寺さん”と、彼女を見守る人たちの心温まる青春映画『のぼる小寺さん』が7月3日(金)より全国公開される。この度、小寺さんを演じる工藤遥が、大自然にある岩壁を登りきる瞬間のメイキングシーンと、本編映像が初公開された。本作は、『ロボコン』、『ホームレス中学生』、『武士道シックスティーン』などの青春映画を撮り続けてきた古厩智之監督と、実写映画としては約5年ぶりとなる、映画『けいおん!』、映画『聲の形』、映画『若おかみは小学生!』など数々のヒット作を手掛ける脚本家・吉田玲子による作品。工藤のほか伊藤健太郎、鈴木仁、吉川愛、小野花梨らが出演し、ボルダリングに夢中な小寺さんをきっかけに、“頑張ること”に一生懸命になれない若者たちが、自分の夢に向かって一歩踏み出そうとする瞬間を切り取る。この度公開されたメイキング映像では、ボルダリングに約4カ月の猛特訓を経て本格挑戦した主演の工藤が、多くの撮影スタッフに見守られながらしっかり岩壁を登りきり、「ふーっ」と一息をつく姿が確認できる。一方で本編映像は、地上から先輩に見守られながら岩壁をのぼっている小寺さんの様子が緊張感とともに映されており、登頂した小寺さんの様子から、安心感と達成感が得られる、見応えのある場面となっている。『のぼる小寺さん』7月3日(金)より全国公開
2020年06月29日工藤遥が映画初主演、ボルダリングに夢中な女子高生を演じる『のぼる小寺さん』が7月3日(金)より全国公開。この度、卓球部の近藤役を演じた伊藤健太郎が撮影の合間にボルダリングに挑戦した貴重なオフショット写真がお披露目された。クライミング部に所属する一見クールでミステリアスだが、心優しい主人公・小寺役を映画初主演となる工藤さんが演じ、約4か月の猛特訓を経てボルダリングに本格挑戦。ほかにも鈴木仁、吉川愛、小野花梨ら最旬キャストが集結している本作。この度解禁されたオフショット写真は、キャスト陣が“写ルンです”で撮影した親近感溢れるレトロ風画像や、伊藤さんが果敢にボルダリングに挑戦する姿を、工藤さんをはじめとしたクライミング部員役の面々が微笑ましく見守っている姿、登頂寸前の凛々しい顔などが続々。初めて触れるボルダリングに夢中な様子で、普段ではなかなか見られない伊藤さんの様々な表情が豊かに収められている。劇中で伊藤さんは卓球部、ボルダリングをするシーンはないため、まさに貴重な瞬間をとらえた写真となっており、新しいスポーツに挑戦する活き活きとした表情と、キャスト陣の距離の近さがうかがえる写真ばかりとなっている。『のぼる小寺さん』は7月3日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:のぼる小寺さん 2020年7月3日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開Ⓒ2020「のぼる小寺さん」製作委員会Ⓒ珈琲/講談社
2020年06月05日6月5日(金)より公開が予定されていた元「モーニング娘。」工藤遥主演映画『のぼる小寺さん』が、7月3日(金)に公開が変更されることが分かった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、今回公開日の変更が決定した本作は、2014年より「good!アフタヌーン」(講談社)で連載された珈琲の同名漫画の実写化。クライミング部所属のボルダリングに夢中な工藤さん演じる女子高生・小寺さんをきっかけに、頑張ることに一生懸命になれない若者たちが、自分の夢に向かって一歩踏み出そうとする瞬間を切り取った青春映画となっている。工藤さんのほかにも、共演には伊藤健太郎、鈴木仁、吉川愛、小野花梨ら最旬キャストが出演。「銀と金」『ホームレス中学生』の古厩智之監督と、実写映画としては約5年ぶり、「けいおん!」『映画 聲の形』の吉田玲子といった、若者のリアルを爽やかに描く青春映画の名手が初タッグを組んだことも注目だ。『のぼる小寺さん』は7月3日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:のぼる小寺さん 2020年7月3日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開Ⓒ2020「のぼる小寺さん」製作委員会Ⓒ珈琲/講談社
2020年05月11日工藤遥と伊藤健太郎の共演で、ボルダリングに一直線だが少し不器用な主人公を描く映画『のぼる小寺さん』。この度、そんな2人の距離感が甘酸っぱすぎる最新予告編映像と本ポスタービジュアルが解禁となった。『ロボコン』『武士道シックスティーン』をはじめ青春映画で高い評価を得る古厩智之監督と、実写映画としては約5年ぶりとなる、映画『けいおん!』『聲の形』『若おかみは小学生!』など数々のヒット作を手掛ける脚本家・吉田玲子のタッグで、珈琲原作の人気漫画を映画化した本作。この度解禁された予告映像では、「ひたすら上を向いて登る。それって、どういうことだろう」という近藤(伊藤さん)のナレーションと共に、ボルダリングに熱心に取り組む小寺(工藤さん)と、そんな小寺に心惹かれつつじっと見つめてしまう近藤の姿が映し出される。好きなことに一直線な小寺だが、体育の授業のバレーボールではパスを顔面で受けてしまい鼻血を出してしまう不器用な一面や、休み時間にナイフを使って鉛筆削りをする一風変わった姿を見せながらも、なぜか周囲は小寺から目が離せない。体育館裏で近藤が小寺と話すシーンでは、小寺から「なんか近藤くんと初めて話したね」と言われ、密かに小さくガッツポーズで喜びを噛みしめる近藤が微笑ましい。続いて同級生の倉田(吉川愛)が「ボルダリングってさ、やってて褒められることあるの?」と思い悩んだような表情で小寺に尋ね、それに対して「何度も挑戦してやっと登れた時は、やっぱり自分が嬉しい」と温かな笑顔で答える小寺の姿や、卓球の練習に打ち込むことを決意した近藤の姿など、小寺の存在を見つめることで徐々に背中を押されていく登場人物の瑞々しいシーンが切り取られている。終盤では「小寺さん、俺…」と何かを言い出そうとする近藤と、近藤を真っ直ぐ見つめ返す小寺の甘酸っぱい距離感にも注目。同時に解禁となった本ポスタービジュアルでは、「乗り越える壁は人それぞれ。一生懸命も、悪くないかも。」のコピーと共に、小寺、近藤を始めとする登場人物が送る爽やかな学校生活の1シーンが切り取られている。『のぼる小寺さん』は6月5日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:のぼる小寺さん 2020年6月5日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開Ⓒ2020「のぼる小寺さん」製作委員会Ⓒ珈琲/講談社
2020年04月09日古厩智之監督×脚本・吉田玲子という青春映画の名手がタッグを組んだ、元「モーニング娘。」工藤遥主演『のぼる小寺さん』。この度、クライミングシーンも挿入された本作の予告編が到着した。本作の主人公は、壁を見るとウズウズしてしまう、クライミング部に所属するボルダリングに夢中な女子高生の小寺さん(工藤さん)。今回到着した予告編では、彼女が体育館のクライミングウォールや、川沿いの岩でボルダリングに無我夢中に取り組むシーンからスタート。そして、そんな彼女に密かに心惹かれる、伊藤健太郎演じる卓球部の近藤の表情も印象的に映し出される。また、「小寺さんを見てると、自分も登らなきゃって」と吐露するクライミング部の仲間・四条(鈴木仁)、天を仰ぎながら泣いているようにも見える小野花梨演じるクラスメイトのありか、小寺と向き合いながら照れ臭そうに笑う、吉川愛演じる同級生・倉田梨乃らも登場し、小寺さんを中心に周囲の心が徐々に変化していくような姿が見られる。さらにラストでは、「好きなの?」と笑顔で話しかける小寺に、近藤が戸惑いつつもときめいてしまうコミカルなシーンも登場している。『のぼる小寺さん』は6月5日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:のぼる小寺さん 2020年6月5日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開Ⓒ2020「のぼる小寺さん」製作委員会Ⓒ珈琲/講談社
2020年02月20日映画初主演の工藤遥がボルダリングに挑戦する映画『のぼる小寺さん』。この度、本作の公開日が6月5日(金)に決定。ポスタービジュアルも到着した。本作は、2014年より「good!アフタヌーン」(講談社)にて連載された珈琲の同名漫画の実写化。『武士道シックスティーン』など青春映画で高い評価を得る古厩智之監督と、『映画けいおん!』『映画 聲の形』など数々のヒット作を手掛ける脚本家・吉田玲子が初タッグを組み、ボルダリングに夢中な女子高生・小寺さんをきっかけに、頑張ることに一生懸命になれない若者たちが自分の夢に向かって一歩踏み出そうとする瞬間を切り取った心温まる青春映画を作り上げた。今回公開日決定と同時に到着したポスタービジュアルでは、一見クールでミステリアスだが心優しい、工藤さん演じる主人公・小寺の力強い眼差し、制服姿でボルダリングに真剣に取り組む姿、そして小寺に密かに心惹かれる卓球部の近藤(伊藤健太郎)が、何かに見とれているかのように窓の外を眺める場面が写し出されている。さらに今作の主題歌も明らかに。映画のために書き下ろされた、ガールズバンド「CHAI」の「keep on rocking」に決定した。『のぼる小寺さん』は6月5日(金)より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:のぼる小寺さん 2020年6月5日より新宿バルト9、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開Ⓒ2020「のぼる小寺さん」製作委員会Ⓒ珈琲/講談社
2020年02月07日吉本新喜劇の女優で、アイドルグループ・吉本坂46のメンバーとしても活躍している小寺真理(28)。“可愛すぎる新喜劇女優”と呼ばれるほどのルックスを誇り、吉本坂46の1stシングル個別CD売上では1位に。吉本坂46の活動を通じて大阪から全国区へと、知名度拡大中だ。吉本坂では若手中心のユニット・REDに所属し、2ndシングルでレインボーの池田直人とともにWセンターに抜てき。さらに、2ndシングルで行われたユニット別CD売り上げ対決によってREDが表題曲を担当する3rdシングル「不能ではいられない」(12月25日発売)でも、池田とともにWセンターを務める。昨年12月の吉本坂46デビューから1年、小寺自身はどのような手応えを感じているのか本人を直撃。新喜劇と吉本坂の相乗効果や、今後の目標についても話を聞いた。――吉本坂46のデビューから1年を振り返ってみていかがですか?吉本坂46に入ってから、グラビアやドラマなど、今までとは全然違う仕事をさせてもらっています。また、私はこれまで大阪でずっと仕事をしていて、吉本坂46に入ってからココリコの遠藤(章造)さんとか極楽とんぼの山本(圭壱)さんとかテレビで見ていたスターとご一緒させてもらっている感じがしています。同じ事務所だけど会う機会がなかったので。今はほかの現場で吉本坂46のメンバーに会うとすごくほっとしますし、吉本坂46の後に新喜劇に戻るとすごく大事な場所に思えて、両方とも大きな存在やなということに気付くことができました。――1stシングルの個別CD売上で見事1位に。そうなんです。奇跡が起きました(笑)――1位になったときはどう思いましたか?手売りを頑張ったり大変だったので泣けるのかなと思ったら、2位の池田君が号泣しながらすごくいいことを話して、私言うことないなって(笑)。でもあの対決はなかなかしんどかったです。握手会は人数の違いがあってもはっきりわからないんですけど、これはしっかり順位が出るのでドキドキしました。――1位になったことで意識の変化などありましたか?「あの人が1位なんだよね」って周りの人が言ってくれるので、1位としてちゃんとしないといけないんだなと思うようになりました。――新喜劇と吉本坂46の両立は大変では?私はダンスが一番苦手で、新喜劇の公演終わって夜10時半くらいから朝5時までダンス練習して、朝の9時45分から新喜劇の公演に出るとか、ミュージックビデオの前は死にそうになるんですけど、努力をすることが苦ではなくなりました。芸人ってあんまり頑張っている姿やしんどい姿を見せないし、新喜劇は前日に稽古するくらいなのでそういうところを見せないんですけど、吉本坂はファンの方が裏側も興味を持ってくれているので、私たちも「こんなにやっているからこれができあがっているんだよ」っていうのも見てもらいたいと思っています。――両方に所属しているという相乗効果は感じていますか?吉本新喜劇のエンディングで吉本坂の楽曲を流してくれたりとか、アイドルの役があったら「小寺ちゃんにしよう」ってやらせてもらったりということはありますね。――吉本坂でファンになった方が新喜劇を見に行くということもあると思いますが、そういった手応えは?そういう方もいますね。新喜劇はいつも拍手が多いんですけど、たまに「まりこり~ん!」って声をかけてくれたり、名前を書いたうちわを持ってくれていたり、吉本坂の感じで応援してくれる方がいます(笑)――まさに架け橋ですね。そうですね! どちらかをきっかけで好きになってくれて、両方とも好きになってくれるというのはすごくうれしいです。――グラビアやドラマなど、いろいろな挑戦をされていますが、ご自身の目標を教えてください。NHKの朝ドラに出たい! これまで6作くらいずっと朝ドラのオーディション受けていて、落ちているんです。最終まで残ったこともあったんですけど。新喜劇のメンバーで出ている人もいますし、自分も出られたらいいなと目標にしています。――吉本坂46での目標は?やはり紅白に出たいというのが大きな目標です。それまでにMステとかにも出たいですし、一つ一つ叶えていけたらなと思います。■プロフィール小寺真理1991年8月31日生まれ。大阪府出身。2010年、NSC大阪校 女性タレントコース卒業後、吉本発ガールズユニット・つぼみに参加。2014年に同ユニットを卒業し、吉本新喜劇メンバーとしてデビュー。整った顔立ちから“かわいすぎる吉本新喜劇女優”として知名度を上げていく。2018年、吉本坂46第1期生オーディションを経て、同グループの創立メンバーに選出。1stシングル個別CD売上では1位に輝き、2ndシングルで所属するユニット・REDのWセンターに抜てき。RED初の表題曲となる3rdシングル「不能ではいられない」(2019年12月25日発売)でも、前作に引き続いて池田直人とともにWセンターを務める。
2019年12月27日「モーニング娘。」の元メンバーで卒業後は女優として活躍する工藤遥が、人気漫画「のぼる小寺(こてら)さん」の実写化で映画初主演。伊藤健太郎はじめ、鈴木仁、吉川愛、小野花梨が共演する。2014年「good!アフタヌーン」(講談社)で連載された“珈琲”原作の同名人気漫画が原作。『ロボコン』(’03)、『ホームレス中学生』(’08)、『武士道シックスティーン』(’10)など青春映画で高い評価を得る古厩智之監督と、映画『けいおん!』(’11)、『聲の形』(’16)、『若おかみは小学生!』(’18)など数々のヒット作を手掛け、実写映画は約5年ぶりとなる脚本家・吉田玲子、若者のリアルを爽やかに描く名手が初タッグを組み、心温まる青春群像叙情詩を作り上げる。クライミング部に所属する一見クールでミステリアスだが、心優しい主人公・小寺役には、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』で本格女優デビューし、今回、映画初主演となる工藤遥。劇中では、ほぼスタントなしでボルダリングに本格挑戦する。また、卓球部に所属し小寺に密かに惹かれる近藤役には、映画化もされるドラマ「今日から俺は!!」や『惡の華』(公開中)など現在大ブレイク中の伊藤健太郎。猛練習のうえ挑んだ卓球シーンも見どころとなっている。小寺と同じクライミング部の四条役に、「花のち晴れ~花男 Next Season~」や「3年A組-今から皆さんは、人質です-」など出演した俳優・メンズノンノモデルの鈴木仁。小寺と交流を深めていく同級生の倉田梨乃役に映画『十二人の死にたい子どもたち』をはじめ、出演作で強い印象を残す吉川愛。小寺に憧れを抱くクラスメイトの田崎ありか役を、『SUNNY 強い気持ち・強い愛』や『宮本から君へ』の小野花梨が演じる。工藤遥「約4ヶ月壁を登り続け、汗水流して挑んだ」初主演、初めてのボルダリング、初共演の方々...初めて尽くしの日々は、とにかく刺激的で楽しくて、キラキラした撮影期間でした。ボルダリングの練習期間を含めると約4ヶ月壁を登り続け、汗水流して挑んだ作品です。沢山の方に届けばと思っております。伊藤健太郎「ひっそりと卓球も頑張りましたので注目して」小寺さんと近藤の甘酸っぱくていい距離感の青春が、とても楽しい撮影でした。ぜひ一緒に浸って頂けたらと思います。そしてクライミングがベースのお話ですが、ひっそりと卓球も頑張りましたので注目してください。笑」監督・古厩智之「まっすぐさはナウシカを越えた」工藤遥は、心と体が一致している少女・小寺さんのたくましさを見事に演じてくれました。5歳の女の子のようなまっすぐさはナウシカを越えたと思います。そして小寺さんの心の動きがみえる後半も見どころです!そんな小寺さんを見つめる伊藤健太郎を始めとした若き俳優たちは「誰かを見つめるだけ」というよるべない季節を生き生きと演じてくれました。怯えて暗くてだけど背筋を伸ばして笑ったりする、いろんな感情が同時に存在するのが青春なのだなあと思い出しました。脚本・吉田玲子「のぼる先を一緒に見ると、そこには見えない何かが広がっている」上を目指し、のぼろうとする人がいる。その人をただ見つめるのか、応援するのか、自分とは関係ないと目をそらすのか、嘲笑するのか、揶揄するのか。どの選択をすることもできます。でも、その人がのぼる先を一緒に見ると、そこには見えない何かが広がっていることに気づくかもしれません。観てくださる方々が小寺さんに、自分に、「ガンバ!」と言えるような作品になっているといいな、と思っております。原作・珈琲「わかりやすく明るくはないけれど…」出来上がりが楽しみです。わかりやすく明るくはないけれど、学生時代の傷が思い出されて少し癒えるような、そんな映画だったらいいなと思います。『のぼる小寺さん』は2020年6月、新宿バルト9ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2019年11月06日皆さんは絵本をどうやって選んでいますか? 子どもが気に入ったから、自分が好きだから、話題になっているから… などいろんな選び方がありますよね。今回ご紹介する絵本作家・荒井良二さんの絵本は、型にはまらない独創的な絵が印象的です。絵本を選ぶとき、強いメッセージ性のある作品を選ぶ人も少なくありませんが、荒井さんの絵本にはそうした「答え」が存在しないように思えます。でも不思議と元気をもらえる、いつまでも忘れられない…。そんな「荒井良二」絵本の魅力をたっぷりご紹介していきましょう!■あさになったので まどをあけますよ作・絵:荒井 良二/出版社:偕成社 「あさになったので まどをあけますよ」 始まる、いつもと同じような朝。窓をあけて、1日の始まり感じる子どもたち。この絵本は2011年の東日本大震災で被災された方々とワークショップに取り組み、東北地方沿岸部の町をたずね歩いた荒井さんがそのときの思いを込め、描きあげたものだそう。「日常」は当たり前に過ぎていくものだけれど、それを繰り返していくことこそが幸せなのだと気付かせてくれます。本を読んだママからは「前向きな気持ちになる」という感想がたくさん寄せられていました。■空の絵本作:長田 弘/絵:荒井 良二/出版社:講談社 「空の絵本」 青い空と白い雲。表紙一面に広がる空の絵が印象的な絵本。そのリズムが耳に心地よく残る、詩人・長田弘さんの美しい文章と、奥へ奥へと引き込まれる荒井さんの絵が見事にマッチ! 刻一刻と変化する自然の美しさが独特の世界観で描かれています。野山に降る雨が強くなり、青や緑が灰色に。空が明るくなると世界はくっきりと輝きだす…。この絵本を読むと、空を改めて観察したくなる、という人も多いのではないでしょうか。読み終わったあとに「どのページがステキだった?」とお子さんと一緒に話してみるのも良いですね。■きょうというひ作・絵:荒井 良二/出版社:BL出版 「きょうというひ」 雪の降る静かな日に少女がひとり、大きなろうそくに火を灯します。「きえないように きえないように」と祈りを込める少女に、さまざまな思いをはせることができる一冊です。シンプルで美しい詩のような言葉と幻想的な世界観に「ささいなことで悩んでいるときに読むと、なぜか安らぐ」「頭のなかのごちゃごちゃしたものがスッときえる」と感想を寄せるママも少なくありません。どちらかというと大人向けという人もいますが、ろうそくがたくさん灯っているシーンがお気に入りというお子さんもいるよう。「タイトルに惹かれた」という意見もありました。■いつか、ずっと昔作:江國 香織/絵:荒井 良二/出版社:アートン 「いつか、ずっと昔」 結婚を間近にひかえた女性に、かつて愛したものたちとの時間がよみがえり、その記憶は前世、そのまた前世にまでさかのぼって…。命の生まれ変わりという壮大で神秘的な世界が広がるなかに、恋することの華やかさや切なさ感じさせる一冊。今回荒井さんがタッグを組んだのは、人気作家の江國香織さん。「いっしょに本を作るのはとても楽しい。同時に恐い!」と言いながらも「江國さんの文章はどんな絵でも壊れない強さがある。だからぼくはぼくらしく振る舞えば良い」と話すように、ページをめくるたびにピースがはまっていくような心地よさを感じます。「溺れるように読んだ」という感想も寄せられていました。■森の絵本作:長田 弘/絵:荒井 良二/出版社:講談社 「森の絵本」 その声は「森へ ゆこう」と言いました。いちばん大事なものがそこにあると。ページをめくると目に飛び込んでくる美しい景色には思い切り息を吸い込みたくなる、すがすがしさがあります。自分にとって大切なものとは何だろう。読み手の心に語りかけてくるような内容は一見「子どもには難しい?」と判断しがちですが「何度も読んでとせがまれる」「静かに聞いている」と、絵本の世界を楽しんでいるお子さんも少なくありません。「10年後、20年後に読んだとき、どんなことを感じるか。長く手元に置いておきたい」「どこがどう良かったか、あえて何も聞かずに読んだあとの余韻を楽しみたい」といった意見も寄せられていました。いかがでしたか? 黄、緑、赤、黒…。独特のタッチで自由奔放に描かれた作品たちは、並べてみるとまるでアート作品のよう。画集のような美しさと、唯一無二のオリジナリティをあわせもつ絵本たちにぜひふれてみてはいかがでしょうか。
2018年03月06日東京都・小平市の武蔵野美術大学 美術館・図書館は、紫綬褒章受章の銅版画家、池田良二の航跡を辿る展覧会「池田良二 ー 静慮と精神の息吹」を開催する。会期は11月24日~12月19日(日曜休館、ただし12月13日は特別開館)。開館時間は10:00~18:00(土曜・特別開館日は17:00閉館)。入場無料。同展は、現代版画の地平を開いてきた、池田氏最初期の版画作品から現在に至るまで、新作を含めて約60点の銅版作品を中心に紹介するもの。池田氏は、1947年北海道根室に生まれ、1967年武蔵野美術大学に入学し山口長男や野見山暁治のもとで絵画を学んだ後、1975年独学で銅版画制作を開始。時を置かずして国内外のコンクールに出品する中で頭角を現すようになったという。その後、81年文化庁派遣芸術家在外研修員としてイギリスを中心に留学、94年以降アルバータ大学客員教授として度々カナダでの長期滞在など、海外における作品制作は銅版表現を深化させるだけでなく、新たな作品へと展開する転換点となる。池田氏の フォトエッチングを中心に複数の銅版技法によって作り出されるモノトーンの静謐で緊張感ある銅版表現は、海外で評価され、ソウル国際版画ビエンナーレ大賞(1990年)を受賞。国内でも、タカシマヤ美術賞(2003年)山口源大賞(2005年)などを受賞し、2009年には紫綬褒章を受章した。同展では、池田良二作品を4つの時代、「開帆」、「還元と構築」、「遷移と展開」、「拡張と連接」に分けて、その変遷を通覧する。また、書籍・ポスターの原画など銅版画作品の展開事例や、製作アトリエ・版画制作道具の紹介も行われ、陶器や木工芸、茶道関連へと展開する多才な一面にも触れられるということだ。また、関連イベントとして、講演会「銅版画家、池田良二について(仮)」が開催される。池田作品の論評を重ねてきた美術評論家の本江邦夫氏と池田良二氏によるもので、作品における銅版表現の魅力とその背後にある問題、さらに人物像などから池田作品の世界が読み解かれる。開催日時は11月30日17:00~18:30(予定)。そのほか、作品に内在する考え方や影響関係などが池田氏本人によって語られる、ギャラリートーク「池田良二の銅版画の航跡」(仮)が開催される。開催日時は12月12日15:00~16:00。いずれも入場無料、予約不要。
2015年09月19日