産業技術総合研究所は3月16日、脳遺伝子研究グループの落石知世主任研究員らが北海道大学などと共同し、アルツハイマー病の原因因子の一つであるアミロイドβたんぱく質の動態を、生きた神経細胞内や生体内で可視化する技術を開発したことを明らかにした。培養細胞や生きた個体を用いたアルツハイマー病治療薬の候補物質のスクリーニングへの応用や、アルツハイマー病の発症メカニズム解明への貢献が期待できるという。アルツハイマー病は記憶障害や判断能力の低下、見当識障害等を特徴とし、認知症の半数以上を占める。だが、詳細な発症メカニズムが解明されておらず、有効な治療法や特効薬も開発されていない。アミロイドβたんぱく質の特徴として、集まって大きな凝集体を形成しやすい。アミロイドβたんぱく質と蛍光たんぱく質の「GFP」(緑色蛍光たんぱく質: 生きた細胞や個体内のタンパク質の局在などを観察する際によく用いられるたんぱく質)を融合させたたんぱく質・アミロイドβ-GFPは、アミロイドβたんぱく質が重合することでGFPの蛍光が阻害されると推測されてきた。そのため、これまでアミロイドβたんぱく質の局在や動態の可視化が困難とされてきた。研究チームは今回、アミロイドβたんぱく質とGFPをつなぐアミノ酸配列(リンカー)として、14個のアミノ酸を用いてアミロイドβ分子の重合体が形成されても蛍光を観察できる「アミロイドβ-GFP融合たんぱく質」(アミロイドβ-GFP)を開発。このアミロイドβ-GFPを核磁気共鳴装置や電子顕微鏡、免疫組織化学法、蛍光相関分光法で解析したところ、GFPを融合させたことでアミロイドβの重合が一定以上進まず、生体内でも生体外でも2量体から4量体を中心としたオリゴマー(単量体が少数個結合<重合>した物)の状態で存在することがわかったという。これらの特徴を活用し、生きた細胞内でアミロイドβの動きや、初代培養神経細胞内での蓄積状態などの解析が可能となるとのこと。また、アミロイドβとGFPをつなぐリンカーが短いと、重合の影響を受けてGFPの蛍光は観察されなくなる。そこで研究チームは、今回発見した現象を利用して重合の状態が検出できるシステムを考案し、GFPの蛍光強度を利用した治療薬候補物質のスクリーニングが可能か否かを実証した。その結果、GFP単独を特定の神経細胞に発現させたトランスジェニック線虫では神経細胞内で明瞭な蛍光が観察できたが、2個のアミノ酸からなる短いリンカーを持つアミロイドβ-GFPを発現させた線虫では、アミロイドβの重合の影響を受けてGFPの蛍光は観察されなかった。さらにこの線虫を、アミロイドβの重合を抑制するクルクミンを加えた培地で飼育した結果、GFPの蛍光が観察できた。これらの結果から、アミロイドβ-GFPは蛍光強度の変化を測定することで、アミロイドβの重合を抑える創薬候補物質のスクリーニングに利用できることが期待できるという。同研究所は今後の展開について、「培養神経細胞を用いて、アミロイドβ-GFPの蛍光強度を利用したアルツハイマー病の治療薬や予防薬の候補となる物質をより簡便にスクリーニングできる方法の開発に着手する」としている。
2016年03月18日富士急山梨バスは12月23日~12月25日の期間、山梨県・山中湖で運行する水陸両用バス「YAMANAKAKO NO KABA」でクリスマスにちなんだイベントを開催する。「YAMANAKAKO NO KABA」は、3日間連続でそれぞれ異なるイベントを実施。23日は、クリスマスをひとりぼっちで過ごす人のみが乗車できる「クリぼっち号」、24日は恋人が2人きりで貸し切りで利用できる「カップル号」、25日はサンタクロースの仮装をした家族たち限定の「ファミリー号」を運行する。「クリぼっち号」は、12月23日の14:30~16:00に運行。車内では、クイズやビンゴゲームなどの催しが行われる。料金は男性2,200円・女性無料で、参加資格はクリスマスを1人で過ごす予定の"クリぼっち"であること。「カップル号」は、12月24日の15:30~16:00に運行する。「内緒でサプライズをしたい」などのリクエストにもできる限り応じるとのこと。参加は、恋人同士の2人1組限定となる。なお、「カップル号」の応募は既に締め切っている。「ファミリー号」は、12月25日の15:15~16:00に運行。家族全員でサンタクロースの帽子を着用すれば参加でき、料金も無料となる。車内ではファミリー対抗のクリスマスクイズ大会を行い、優勝したファミリーにはプレゼントを用意しているとのこと。なお、「クリぼっち号」と「ファミリー号」の応募は12月22日19:00まで、電話かメールで先着順に受け付けている。詳細は公式サイトにて。※価格は全て税込
2015年12月21日岡山大学は10月19日、B型肝炎ウイルス(HBV)の感染を認識する新たな宿主因子cGASを同定したと発表した。同成果は岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(医)腫瘍ウイルス学分野の團迫浩方 助教、加藤宣之 教授らの研究グループによるもので、10月16日付けで欧州の生化学関連の総合誌「FEBS Journal」に掲載された。同研究グループはHBVゲノムである二本鎖DNAを「非自己」として認識する宿主因子cGASを新たに同定。解析を進めた結果、HBV感染を認識したcGASが、自然免疫応答の1つであるSTINGシグナル伝達系を発動させ、最終的に細胞内で新たに作られるHBV感染粒子の形成を阻害するという新たな分子機構が明らかになった。今回の研究成果について同研究グループは、「B型慢性肝炎患者の肝臓内におけるcGASの発現量によりHBV量が調節されている可能性があることが分かりました。cGASの発現を人為的に高めることができれば、体内の自然免疫応答が高まりHBV量を大幅に減少させることができると期待されます。」とコメントしている。
2015年10月19日京都大学は5月8日、食事性肥満の鍵となる分泌性因子を同定したと発表した。同成果は伊藤信行 薬学研究科教授(現名誉教授)、木村郁夫 同研究科客員准教授(現東京農工大学テニュアトラック准教授)、太田紘也 同研究科特定研究員(現神戸薬科大学研究員)らの研究グループと、中尾一和 医学研究科メディカルイノベーションセンター特任教授、伏木亨 農学研究科教授、小西守周 神戸薬科大学教授らの共同研究によるもので、英科学誌「Scientific Reports」電子版に掲載された。分泌性因子は細胞間や組織間の情報伝達に重要な物質で、生物の恒常性維持に不可欠とされる。白色脂肪組織由来の分泌性因子レプチンは肥満の発症に関わることが知られるなど、肥満の発症に関わる分泌性因子は、抗肥満薬開発の標的として注目されている。今回の研究では、新たに発見した分泌性因子の1つであるneudesinに着目し、その役割を調べるためにneudesin遺伝子を欠損させたマウス(ノックアウトマウス)を作成し、解析を行った。その結果、ノックアウトマウスは高脂肪食を与えても極めて太りにくく、肥満に伴って発生するインスリンが効きにくくなる状態や脂肪肝の発症にも耐性を示した。これは、交換神経が活性化したことで、エネルギーを貯める白色脂肪組織で脂肪分解が亢進し、エネルギーを消費する褐色脂肪組織でも熱産生や脂肪酸酸化が高まり、エネルギー消費が向上したためだとわかった。研究グループは「今回の成果を通じて、同因子を抗肥満薬創出の標的として利用する上での基盤となる知見が得られることが期待される」とした。
2015年05月11日鳥取大学は2月4日、がん抑制遺伝子を制御する因子としてマイクロRNA-19b(miR-19b)の同定に成功したと発表した。同成果は同大学大学院医学系研究科遺伝子機能工学部門の久郷裕之 教授の研究グループによるもので、2月3日の英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。遺伝子の集合体である染色体の末端には、染色体を保護するテロメアという部分がある。テロメアは分裂のたびに短くなり、やがて細胞は死滅する。一方、多くのがん細胞では、テロメレースという酵素が活性化されテロメアの短縮が防ぐ形質を持つことが、増殖し続ける原因となっている。久郷教授らはこれまでの研究で、この形質を抑制する遺伝子「PITX1」を発見していたが、そのはたらきについては詳しくわかっていなかった。今回の研究では、PITX1の発現を調節している分子としてmiR-19bがはたらいていることを発見。細胞内でmiR-19bを過剰に発現させると、PITX1のタンパクレベルの低下によるテロメレースの活性化と細胞の増殖能が高まることが確認された。また、miR-19bがPITX1の特定塩基配列を直接標的とし、発現を抑制していることもわかった。さらに、悪性黒色腫では、miR-19bの発現亢進とPITX1の発現低下が見られ、悪性黒色細胞腫株におけるmir-19bの発現消失解析では、PITX1の発現が上昇したのに伴い、テロメレース活性および細胞増殖能の低下が認められた。同研究グループは、マイクロRNAががん抑制遺伝子を調節してテロメレース活性を制御する分子経路が明らかとなったことで、がんを治すための創薬や早期診断薬の開発につながるとしている。さらに、テロメレース制御ネットワーク機構の理解から、幹細胞の維持機構、細胞の老化および不死化、複雑ながん発生の秘密を解き明かす鍵となることが期待される。
2015年02月04日慶應義塾大学は11月12日、肥大型心筋症患者からiPS細胞を作製し、病気を悪化させる因子の同定に成功したと発表した。同成果は同大学医学部の湯浅慎介 専任講師、福田恵一 教授、田中敦史氏(大学院医学研究科博士課程)らによるもので、11月11日付け(現地時間の)の米科学誌「Journal of American Heart Association」オンライン版に掲載された。肥大型心筋症は筋原線維(筋肉細胞内を走っている多数の微小線維)を構成する遺伝子の変異によって起こる遺伝性の疾患で、突然死や心不全の原因となる。効果的な治療法がなく、国の難病に指定されている。同研究グループは今回、肥大型心筋症のiPS細胞から心筋細胞を作製し、この病気の患者由来の心筋細胞に、筋原線維の配列の乱れが存在することを見出した。さらに病気を悪化させる因子を探索した結果、「エンドセリン-1」というホルモンが筋原線維の配列の乱れを大きく増加させることを発見した。そこで、エンドセリン受容体拮抗薬を投与したところ、心筋細胞の筋原線維の配列の乱れが改善し、さらに収縮の乱れが改善することが確認された。これより、肥大型心筋症患者においては、生まれつき心筋細胞筋原線維の配列の乱れが僅かに存在しており、「エンドセリン-1」の影響により増悪していくことが想定された。エンドセリン受容体拮抗薬はすでに肺動脈性肺高血圧症という疾患の治療に用いられている薬剤で、人体への投与の安全性が確認されている。今後、実際にこの薬剤が肥大型心筋症の治療薬になるか検討する必要があるものの、有効な特異的治療方法となることが期待される。
2014年11月12日京都大学iPS細胞研究所(CiRA)は、iPS細胞の初期化の過程として、ヒトの体細胞は、中胚葉や内胚葉の細胞のもととなる「原条」と呼ばれる構造の細胞に似た状態を経て初期化されることを明らかにしたと発表した。成果は、CiRAの高橋和利講師、同・山中伸弥教授、スタンフォード大学の田邊剛士研究員(元CiRA)らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、日本時間4月24日付けで英オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載された。ほ乳類の発生過程で現れる溝の様な構造。マウスの場合、発生開始から6~7日目に見られ、この部分で細胞の形態が変化し、中胚葉や内胚葉の細胞のもとになる。山中因子ともいわれる、初期化因子因子「OSKM」こと「OCT3/4」、「SOX2」、「KLF4」、「c-MYC」を含む転写因子を発現させると、分化した体細胞が多能性を獲得するが、その効率は決して高くない。この効率の悪さの要因として、OSKMの添加に加えて、「初期化の障壁を取り除く」あるいは「未だに知られていない2次的なイベントが必要である」と考えられてきた。それらを明らかにすることで初期化効率の改善が期待されるわけだが、集団の中で大部分を占める初期化されそこなった細胞が各種解析結果において大きなノイズとなり、初期化の分子機構を研究する上で障壁となっていた。そのため、iPS細胞へと初期化される過程にある細胞の中で起きているイベントを捕まえることはとても難しいのが現状だったのである。昨年、高橋講師らは細胞表面の抗原(タンパク質)である「TRA-1-60」を指標に初期化途中の細胞を集めるという手法を開発。ヒトの細胞の内、OSKM誘導によって生じたTRA-1-60陽性細胞がiPS細胞へと初期化される途中段階の細胞であることを示すことに成功した。また、TRA-1-60陽性細胞の動態解析から、初期化の開始段階ではなく、その後の成熟過程がボトルネックとなって初期化の効率を決めていることも明らかにしている。しかし、実は初期化途中の細胞の特徴についてはまだほとんどわかっていないという。そこで今回の研究では、真正なiPS細胞の候補である途中段階の細胞としてTRA-1-60陽性細胞を集め、遺伝子発現についての解析を実施したのである。「ヒト線維芽細胞(HDF)」にOSKMを作用させてからさまざまな日数において、iPS細胞へと初期化される途中の段階であるTRA-1-60陽性の細胞(d3~d49)が回収され、それらの遺伝子発現が調べられた。比較として、もとのHDF細胞に加え、初期化が終わったiPS細胞(iPSC)やES細胞(ESC)、さらにiPS/ES細胞から少し分化させた細胞の「内胚葉(EN)」、「中胚葉(ME)」、「神経外胚葉(NE)」、「原条様中内胚葉(PSMN)」についての解析が行われた。すると、初期化途中の段階の細胞、特に20~49日目の細胞はPSMNにとても似ていることが明らかになった。また、初期化の途中にあるTRA-1-60陽性細胞ではPSMNに特徴的なマーカー遺伝子の「BRACHYURY(T)」、「MIXL1」、「CER1」、「LHX1」、「EOMES」などが一過的に活性化していることが確認されたとする。一方でほかの系統の細胞に特徴的なマーカー遺伝子は一時的に活性化することはなかったという。これらの結果から、TRA-1-60陽性細胞が初期化の後半でPSMNと似た遺伝子発現をしていることがわかったというわけだ(画像)。以上の結果から、iPS細胞へと初期化される際には、原条の様な状態を経ていると考えられるという。逆に原条の状態を誘導すると、初期化の効率が高くなることが予想されるとする。そこで原条に関連する転写因子をいくつかOSKMと同時に誘導したところ、FOXH1を利用した場合にできるiPS細胞のコロニー数が飛躍的に増加することが確認された。また、FOXH1の機能を「RNA干渉法」により抑制すると、iPS細胞のコロニー数も対応して減少。これらの結果からFOXH1が初期化を促進することがわかったのである。今回の成果により、TRA-1-60を目印として初期化の途中にある細胞を捕まえる戦略により、初期化途中の細胞がPSMNと似た状態を経ることが明らかにされた。このPSMNに似た状態が次第に変化して、iPS細胞へとさらに初期化されるというわけだ。初期化過程の研究を進めることで、iPS細胞のより強固な樹立を可能にすることができると考えられるとしている。
2014年04月25日京都大学、科学技術振興機構(JST)の2者は2月14日、生体内で細胞を不十分な状態で初期化を行うと、エピゲノムの状態が変化し、がんの形成を促すことを見出したと共同で発表した。成果は、京大 iPS細胞研究所(CiRA)所属兼岐阜大学大学院・大学院生の大西紘太郎氏、CiRA/同・大学 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)の蝉克憲 研究員、CiRA/iCeMS/JSTさきがけの山田泰広教授らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、米国時間2月13日付けで米科学誌「Cell」に掲載された。iPS細胞は分化した体細胞に、「山中因子」といわれる4種類の遺伝子(Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc)を作用させることで作製することができる。しかし、体細胞を初期化するためには、さまざまな反応が細胞内で協調して働くことはわかっているものの、いまだにその詳細なメカニズムについてはわかっていない。細胞を初期化する途中には、iPS細胞ではないコロニーがよく現れることが知られているし、一部の細胞は正しい初期化からそれ、不十分な初期化が起きているという報告もある。しかし、このような初期化に失敗した細胞について、これまで研究がなされていなかった。うまく初期化できなかった細胞ができてくる過程には、がんが形成される過程と似た部分がある。初期化の際には、分化した体細胞は無限増殖・自己複製能を獲得し、遺伝子の働き方がダイナミックに変化するが、このイベントはがんができる過程でも重要なイベントだ。このような類似性から、初期化プロセスとがん形成が共通したメカニズムで進められている可能性が考えられるという。そこで研究チームは今回、不十分な初期化を起こすことで、がんの形成が起きないかどうかを調べるため、生体内で初期化が起きるマウスのシステム作りを行った。研究チームは「Doxycycline(Dox)」を作用させると、4種類の山中因子が働く仕掛けを持ったマウスを遺伝子改変によって作製。Doxとは抗生物質の1種で、遺伝子工学では同物質に反応して遺伝子のオン・オフを制御する仕組みがよく用いられている。今回は、Doxが体内に取り込まれると、山中因子が働くことに加えて、蛍光物質が作られるようにもなっている。そのため、Doxを作用させると細胞は赤く光り、初期化因子が働いてiPS細胞が誘導されるというわけだ。このマウスに28日間Doxを与えたところ、各種臓器において体細胞がiPS細胞へと初期化され、さらにiPS細胞から3胚葉に分化した奇形腫が形成されていることが確認されたという。一方で、7日間Doxを与え、さらにDoxを抜いて7日後に観察したところ、腎臓を初め各種臓器で腫瘍の形成が見られたが、こちらは奇形腫とは異なる、腫瘍を形成していたのである(画像1・2)。今回の方法で作り出された腫瘍細胞が調べられた結果、小児腎臓がんである「腎芽腫」とよく似た性質を示していたという。これは、今回作り出したマウスが、腎芽腫のモデル系として有効なツールであることを示している。また、「エピゲノム」の状態(DNAのメチル化度合い)も調べられ、その結果、元の腎臓の状態を保持しつつも、部分的に多能性幹細胞(iPS/ES細胞)と似たパターンになっていることが明らかとなった(画像3・4)。一般的にがんの形成は遺伝子の変異が蓄積することで生じると知られている。今回作り出した腎臓の腫瘍の細胞は腎芽腫にとてもよく似た性質を示していたが、遺伝子の変異は見つからなかったという。この細胞からiPS細胞を作り、腫瘍由来の細胞を含む「キメラマウス」が作られたが、そのマウスの体内では腫瘍由来の細胞も正常の腎臓を形成していることが確認された。これは、今回の腫瘍の形成には遺伝子の変異が決定的な要因ではなかったことを示しているとする(画像5・6)。今回の成果により、マウスの体内で初期化を起こす仕組みを作り、不完全な初期化が腎芽腫と似た腫瘍の形成が引き起こされることが示された形だ。これまで、がんの形成には遺伝子変異の蓄積が重要であるといわれてきたが、今回の結果から、ある種の腫瘍は遺伝子の変異ではなく、エピゲノムの状態の変化によってもがんが形成されることが示されたのである。つまり、エピゲノムの状態を変化させることができれば、がん細胞の性質を変化させ、将来的にはがんの新しい治療法につながる可能性があるという。また今回の研究では、ゲノムの変異を起こさずにエピゲノムの状態を制御する手法としてiPS細胞の技術が利用された。このようにiPS細胞技術を利用することで、疾患研究に新しい観点をもたらすことが期待できるとしている(画像4)。
2014年02月14日クオリーメンと南東北病院グループは12月10日、「『次世代再生医療』南東北病院グループによる臨床研究開始」という会見を開催し、細胞を使わない、再生因子による「次世代再生医療」を開発したこと、ならびに肝硬変・糖尿病の患者を対象に、臨床試験を2014年春より開始することを発表した。会見には、クオリーメンの山下靖弘代表取締役社長、南東北病院グループの渡邊一夫理事長、同グループに所属する東京クリニックの照沼裕副医院長が登壇し、各々が説明を行った。幹細胞などから分化させた細胞を、体内に直接移植する「幹細胞による再生医療」は、損傷を受けた生体機能を再生させる新たな治療方法として注目されている。この再生医療で中心的な役割を担う幹細胞として最も注目されているのがiPS細胞だ。そして、ES細胞や、歯随や骨髄、脂肪、臍帯血などに由来する「体性間葉系幹細胞」なども含め、多分化・増殖能を持つ細胞の利用が広<研究されており、これまで治療ができなかった病気の新たな治療法として期待されているのである(画像4)。しかし一方でそれぞれ課題が存在しているのも事実だ。例えばiPS細胞は、いまもって狙った細胞に分化させるための技術が、一部の細胞を除いてまだまだ確立されていない。そして、がん化の可能性があるという大きな問題が存在する。ES細胞も、本来ならそのまま成長させれば生命となる胚を壊す形で採取を行う。非常に倫理的に大きな問題があるのである。そのほか、「骨髄の採取・脂肪吸引・歯髄採取などの処置を、それぞれの患者に対して行わなければならない」、「採取した細胞を培養・輸送する際の管理体制」、「培養細胞の品質確保」、「投与した細胞の生着率」、「細胞の採取・培養には時間が必要なため、脳梗塞や脊椎損傷をはじめとする病気の急性期に治療を行いたい場合にベストなタイミングを逃してしまう可能性がある」といった問題が存在しているのだ。こうした課題を解決するための方法として、考案されたのが、幹細胞そのものを投与するのではなく、幹細胞の「培養上清」に分布される「再生因子」を投与するという新たな治療法の「次世代再生医療」である。培養上清とは、細胞を培養する際の上澄み液のことだ。また再生因子とは、体性間葉系幹細胞から培養上清に分泌された、100種類以上のさまざまな種類の「サイトカイン」が混合した液性因子である(画像5・6)。さらにサイトカインとは、細胞間でやり取りされる多様な生理活性を持つタンパク質の1種のことだ。細胞自体を体内に移植する再生医療においては、移植した細胞自体の効果のほかに、移植した細胞から分泌されるサイトカインが、組織の再生に重要な役割を果たしていることが明らかになってきている。そしてこのサイトカインが、もともと体内に存在している幹細胞や修復に関わるべき細胞に働きかけ、より自然に近い形で組織を再生していくことが期待できることが明らかになってきたというわけだ。上清作りにどの体性幹細胞が適しているかということでは、歯随由来幹細胞が優れた増殖能を持つこと、歯随由来幹細胞の再生因子だけが有効であることから、歯随由来幹細胞が選ばれている。同細胞のサイトカイン遺伝子の発現、同細胞とヒト体細胞での炎症性および抗炎症性サイトカインの遺伝子発現などのデータは画像7~9の通りだ。この再生因子による再生医療の最大のメリットは、細胞そのものを投与しないため、iPS細胞が現在のところ抱えている最大の問題である「細胞のがん化」の危険性を回避できる。また、患者自身から細胞を採集・培養する必要がないこと、品質のよい「再生因子」をあらかじめ作成しておき、必要に応じて容易に輸送することも可能といった点も大きなメリットだ。このように、再生因子を使った次世代再生医療では、現在の再生医療の課題を解消することが可能になるのである。なお、歯随由来幹細胞の再生因子を動物モデルに用いて、有効性が学会で報告された疾患は以下の通りだ(画像10)。再生因子による再生医療の実用化に向けてまず必要となることは、ヒト由来の幹細胞の安定的な調達だ。しかし、それには幹細胞の寿命がネックとなっていた。再生因子を作るにはヒト由来の幹細胞の培養が必要なわけだが、幹細胞は寿命が短いために培養過程で健康な細胞は激減し、1カ月ほどで使えなくなってしまうのだ。この問題が大きな障害となっていた。そこで今回は、国内のとあるバイオ企業(社名はその企業の他社との契約事情により、諸般の事情により明かせないとのこと)への委託が行われ、初代培養歯随由来幹細胞に「不死化」という技術が施された。そして約1年をかけて、増殖が速く、サイトカインの生産量も多い「不死化幹細胞」の作成に成功したのである。不死化細胞を樹立する際の流れは画像11の通りだ。不死化遺伝子の導入には、レンチウイルスをベクターとして使っているそうだが、もちろんその部分は企業秘密のため、詳細は明かせないという。また、不死化歯随由来幹細胞の遺伝子発現を初代細胞と比較したのが画像12だ。なお、幹細胞の不死化が可能なら、ヒトの体に応用すれば、少なくとも長寿化は可能なのではないかと思う方も多いことだろう。だが残念なことに、今回の方法は生体に使うことは不可能だそうである。ヒトの生体内の細胞を不死化するのは、まだしばらく先の話のようだ。とはいっても、培養細胞では可能になったという点は衝撃を覚えずにはいられない。もちろん、不死化幹細胞を医療技術に応用した例は世界で初めてだ。ちなみに、ヒトの体に応用ができないのなら、そんな幹細胞が産生するサイトカインを再生因子として使用して大丈夫なのか不安になるかも知れない。その点も現時点では動物実験で問題がなく、小型のマウスから現在は中型のビークル犬に変更して実験を進めているという。ともかく、今回の研究により、ヒト由来の幹細胞の長期にわたる安定調達が可能となった形だ。歯随を繰り返し確保することも不要となり、品質の安定した培養上清の量産化・コスト削減に加え、ヒト病原性ウイルス否定試験、最近混入否定試験、サイトカイン量の測定などによる安全性・品質の確保がなされている。このように次世代再生医療の実用化が大きく前進する形となった。クオリーメンは、この不死化幹細胞を使用した再生医療に関する特許を取得しているという。量産体制については、さらに自動培養装置の開発を試みているとした。前述したように不死化幹細胞には再生因子を安定して生産する能力があることから、さらに再生因子を大量に生産するための自動培養装置の開発が検討されている。この技術により、現在よりさらに量産体制が可能になることで、将来的にはより低コストでの再生因子の生産が期待されるという。そして今後の展望としては、肝硬変と糖尿病で臨床開始することも発表された。再生因子を用いた再生医療の対象疾患は、これまで動物モデルで有効性が発表されている「脳梗塞」「脊髄損傷」「肝疾患」「糖尿病」「肺疾患」など、今後いろいろな展開が考えられるとするが(画像13)、今回は、これらの疾患の内、臨床効果や副作用の出現が投与の前後で確認しやすい病気として「肝硬変」と「糖尿病」を対象とする臨床研究について、院内の倫理委員会の承認を受けたとする。具体的な臨床研究を実施する病院などについては、肝硬変は神奈川県川崎市の新百合ヶ丘総合病院で、糖尿病は福島県郡山市の総合南東北病院で、それぞれ対象患者を6名ずつ選び、インフォームドコンセントを得た上で、2014年の春(3~4月ごろ)に再生因子の投与を開始する予定とした。投与の方法としては、肝硬変は静脈内投与を、糖尿病は静脈内投与か鼻腔内投与を選択する形だ。今回の臨床試験では、まず安全性の確認を第一の確認項目とし、その後は有効性の検討を行い、さらに先進医療の認定を目指すとしている。今回の臨床試験により糖尿病での安全性が確認されれば、糖尿病の合併症(腎機能障害、末梢神経障害、壊疽など)に対しても治療効果を検討するとしている。また、肝硬変での安全性が確認されたのちには、慢性肝炎や急性 肝炎についても臨床範囲を拡げることを検討するとした。なお、歯随由来幹細胞は神経幹細胞としての性格もあり、ニューロンや「オリゴデンドロサイト」、「アストロサイト」などの神経系にも分化することも確認済みだという(画像14)。それにより、「脳梗塞」や「脊髄損傷」を初め、「アルツハイマー型痴呆症」、「パーキンソン病」、「多発性硬化症」、「筋萎縮性側索硬化症」など、さまざまな神経系の病気にも「再生因子」が有効であることが期待されるという。実際に「脳梗塞」や「脊髄損傷」の神経疾患モデル動物で、再生因子が有効であることがすでに発表されており、これらの疾患への応用も検討する予定とした。そのほか、再生因子の抗炎症作用の応用としては、「間質性肺炎」、「アトピー性皮膚炎」、「関節炎」なども挙げられていた。また再生因子の産業化については、再生因子の長期保存を可能としたことから、「アンチエイジング」、「毛髪再生剤」、「創傷治癒製品」、「食品」の4項目について挙げる(画像15)。このほかにも多数の計画があるということだが、今回はこの4項目が紹介された。各項目の中には、まずアンチエイジングは、シミやシワ対策など。毛髪再生材は育毛と発毛。創傷治癒製品はクリーム、包帯、ガーゼなど。そして食品はサプリメントを挙げている。具体的な効能として紹介されたのが、アンチエイジングと毛髪再生。画像16の上が皮膚再生経過観察で、使用前と1年後。肌の艶がまるで違うのがわかる。そして下は毛髪再生経過観察だが、使用前→2週間後→1カ月後とあるが、目に見えて変化しているのがわかる。仕組みとしては、再生因子による皮膚や血管の細胞再生機能をアンチエイジング・毛髪再生に応用した形だ。美容プロフェッショナル商品として、再生因子をイオン導入という美容法で、皮膚や頭皮に浸透させる美容液を開発して販売をすでにスタートさせているとした。なお、今回の臨床試験は無償で行われる。興味のある方は、総合南東北病院トップページ右下の「お問い合わせはこちらまで」の「よろず相談」を選択し、メールにて連絡する形だ。6名ずつと決して多くはないが、対象である方で興味のある方は、ぜひ問い合わせてみてはいかがだろうか。
2013年12月12日京都大学は10月18日、体細胞からiPS細胞へと初期化する過程で、RNAを切り貼りする「スプライシングパターン」も初期化されることを明らかにしたと発表した。 成果は、京大 iPS細胞研究所(CiRA)/生命科学研究科大学院生の太田翔氏、同・生命科学研究科の西田栄介教授(科学技術振興機構 CREST)、同・CiRA所長の山中伸弥教授(物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)、グラッドストーン研究所)、同・CiRA/iCeMSの山本拓也助教、らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、米国東部時間10月17日付けで米科学誌「Cell Reports」のオンライン版に掲載された。 一般的な真核生物のDNAから転写されたメッセンジャーRNA(mRNA)前駆体には、「イントロン」と呼ばれる直接タンパク質のアミノ酸配列に関わらない領域がある。このイントロンを除き、残った「エクソン」と呼ばれる領域からなるmRNAが作られる過程はスプライシングと呼ばれる。 そして、1つの遺伝子から複数のタンパク質を作る仕組みの1つが「選択的スプライシング」だ。同じDNAを参照していても、必要とするエクソンと必要としないイントロンの領域が異なることで設計図として変化し、複数種類のタンパク質を作れるのである。この仕組みによりタンパク質の種類は豊富になり、より複雑で柔軟性のある仕組みを作ることができるというわけだ。 また、多能性と無限増殖性を持った細胞であるES細胞では、同細胞に特徴的なスプライシングが行われていることが報告されている。分化した細胞にはそれぞれ特徴的なスプライシングのパターンがあり、各細胞に固有の機能や特性を生み出しており、細胞を特徴付ける大きな要因であるのだ。 しかしその一方で、スプライシングの仕組みには、パターンを間違える可能性という危険性があるのはいうまでもない。スプライシングパターンを誤ると、当然のことながら間違えたタンパク質ができてしまったり、そもそもタンパク質そのものができなかったりすることもある。よって、スプライシングパターンが変わってしまうことで生じる疾患も多数報告されているというわけだ。 分化した細胞に、俗に「山中因子」と呼ばれる4つの初期化因子(「Oct3/4」、「Sox2」、「Klf4」、「c-Myc」)を導入するとiPS細胞への初期化が行われるが、その過程でスプライシングパターンも変化しているのかどうかは明らかにはされていなかった。もし、スプライシングパターンが変化しなければ、同じiPS細胞であっても由来細胞によって大きく性質の異なるiPS細胞になる可能性が考えられるというわけだ。そこで研究チームは、大規模遺伝子解析の技術を用いて体細胞とiPS/ES細胞のスプライシングパターンを解析することにしたのである。 初期化前後でのスプライシングの違いについて調べるために、線維芽細胞、ES細胞、線維芽細胞から樹立したiPS細胞それぞれのmRNA配列の解析が実施された。すると、線維芽細胞のスプライシングパターンがiPS/ES細胞に特徴的なスプライシングパターンへと変わったことがわかった(画像1)。選択的スプライシングにはさまざまなタイプがあるが、ここでは「スキップド・エクソン」(A-B-CとA-Cという2つの選択、エクソンBを飛ばすかどうか)についての解析が行われた。画像1のスプライシングパターンの解析結果では、線維芽細胞(MEF)から作製したiPS細胞は、MEFとは大きく異なり、ES細胞と似たスプライシングパターンを示したのである。 特徴的なスプライシングパターンを決めているメカニズムは、RNAに結合するタンパク質が制御していると考えられるという。そこでRNA結合タンパク質の中から、特にiPS/ES細胞で特異的に働いているタンパク質を作る遺伝子92種が選ばれ、それらの遺伝子がRNA干渉法により1つ1つ働かないようにされた結果、9種類のRNA結合タンパク質がスプライシングパターンに影響を与えることが判明したのである。 これらのタンパク質が働かないようにした結果、2種類のタンパク質「U2af1」と「Srsf3」がそれぞれ働かない場合に、iPS細胞ができる効率は低下することが確認された(画像2)。画像2はU2af1およびSrsf3を働かなくした細胞での初期化がわかるiPS細胞のコロニー(左)とシャーレ上のを占める面積を表したバーグラフ。 画像2中のAPは、アルカリフォスファターゼ(iPS細胞へと初期化されたことを確認する指標)。U2af1およびSrsf3の働きを阻害した場合には、iPS細胞のコロニー(紫色の点)の数が減少し(左)、シャーレ上を占める面積も減った(右)。shNCは、コントロール(遺伝子の働きに影響を与えないRNA)、shU2af1はU2af1を作れないようにするRNA、shSrsf3はSrsf3を作れないようにするRNA。#1、#2、#3はそれぞれ同じ内容で実験が行われた。 以上のことから、体細胞が初期化される際にU2af1とSrsf3がRNAスプライシングに影響を与えることによって、重要な役割を果たしていることが明らかとなったのである。 今回の研究では、選択的スプライシングについてゲノム全体で解析を行い、細胞が初期化される過程でスプライシングパターンやスプライシングを制御するメカニズムが変化していることが解明された。また、選択的なスプライシングの制御が細胞を初期化するメカニズムの一翼を担っており、多能性に重要な働きをしていることを示唆しているという。この成果から、iPS細胞はES細胞などと同様に多能性を持つスプライシングパターンへと体細胞のパターンから変化していることが明らかになった形だ。今回の成果を応用することで、iPS細胞の品質評価やiPS細胞作製時の効率や時間の改善などにも利用できる可能性が考えられるとしている。
2013年10月21日the pillowsの山中さわおが、ソロとしては初のバンドスタイルで全国ツアーを行う事が決定した。ツアータイトルは「Buzzy Roars Tour」。山中はカミナリグモやLOVE LOVE LOVEといった若手バンドとの対バンツアーを行ったり、今年の7月にはCHEMICAL BUMP SHOW!!の一環としてお笑い芸人タイムマシーン3号と一緒に、お笑いと音楽を融合したツアーを開催しているが、ソロとしてバンドスタイルで回る全国ツアーは今回が初となる。来年の1月16日(水)にはソロとして初のシングル『Answer』をリリースする山中。これまではソロ作品では英語詞にこだわっていたが、今作では初めて日本語詞に挑戦し新たな一面を見せているとの事。こちらもツアーと合わせて、気になる方はご確認を。■山中さわお Buzzy Roars Tour3月30日(土)高円寺HIGH(東京都)4月7日(日)渋谷CLUB QUATTRO(東京都)4月10日(水)京都MUSE(京都府)4月12日(金)広島CLUB QUATTRO(広島県)4月14日(日)博多DRUM Be-1(福岡県)4月16日(火)松山サロンキティ(愛媛県)4月18日(木)松江AZTiC canova(島根県)4月20日(土)岡山IMAGE(岡山県)4月22日(月)浜松窓枠(静岡県)5月3日(金・祝)高崎club FLEEZ(群馬県)5月8日(水)郡山CLUB#9(福島県)5月10日(金)青森Quarter(青森県)5月12日(日)札幌PENNYLANE 24(北海道)5月14日(火)仙台CLUB JUNK BOX(宮城県)5月18日(土)新潟CLUB RIVERST(新潟県)5月20日(月)長野LIVE HOUSE J(長野県)5月22日(水)金沢vanvan V4(石川県)5月24日(金)大阪BIG CAT(大阪府)5月26日(日)名古屋CLUB QUATTRO(愛知県)5月28日(火)水戸ライトハウス(茨城県)6月2日(日)Shibuya O-EAST(東京都)
2012年12月12日島根県の安来市商工会では、島根の戦国武将「山中鹿介(やまなかしかのすけ)」にあやかった「祈月札」を発売している。これから何かに挑戦する人が、逆境に負けない勇気を授かるためのお札だ。「祈月札(きづきふだ)」は三日月に見立てた木札(縦4.5センチ、横3センチ)と、願い事を書く用紙「願い文」がセットになっている。販売価格は300円。JR安来駅の「安来市観光交流プラザ観光案内所」および、「三日月公園」内の「ふれあい館」、「広瀬絣センター」で発売中。祈月札の願掛け方法は以下の通り。・月山富田城跡の鹿介像の前で、三日月型の木札を手に挟み、三笠山に向かって受験や商売繁盛、恋愛運などを祈る ・願い文に思いを記し、千畳平の「尼子神社」の願い箱に収める ・三日月型の「木札」は肌身離さずに身に付け、祈りが通じたら尼子神社に返納する 山中鹿介は自らが仕える主君、尼子氏が毛利氏の攻撃によって衰退するなか、三日月に向かい、「願わくは、我に七難八苦を与えたまえ」と祈り、尼子再興を固く決心したと言われている。そして度重なる戦を乗り越え、幾たびか再興に成功した。詳細は安来市商工会ホームページで確認を。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月06日島根県の東端に位置する、どじょうすくいとヤスキハガネの町、安来市。現在この安来市で宝探しイベント「山中鹿介の埋蔵金を探せ!」を開催中だ。期間は12月31日(月)まで。時は戦国時代、毛利家との攻防の中でひときわ偉才を放った武将がいた。山中鹿介幸盛だ。三笠山の上に光る三日月に向かい「願わくば我に七難八苦を与え給え」と祈り続けた。この鹿介の勇姿とともに地元に残るのが、鹿介の埋蔵金伝説。かつて山陰・山陽11カ国を治めた尼子氏の巨大な軍用金を城下のどこかに埋めたとされる。そんな伝説のある尼子の里、安来市広瀬町を歩き回りながら、謎を解き、キーワードを探すのが「山中鹿介の埋蔵金を探せ!」だ。回答を応募すると、正解者に抽選で特産品が贈られる。参加方法は簡単だ。まず「山中鹿介の埋蔵金を探せ!」パンフレットを安来のどじょう報からダウンロード。パンフレットの物語を読んで、物語に登場する古文書に関係のある場所をめざして、「まちあるき」へ。それぞれの場所でキーとなる数字を探し出し、文字盤にあてはめ、見つけ出した文字を応募用紙に空欄に書き込んで文章を完成させればOK。参加費は無料。この街歩きを手助けしてくれるのが「尼子の里まちあるきMAP」で、市内の主要観光施設で手に入れることができるほか、同サイトからもダウンロードできる。探し出した回答を応募用紙に記入の上、広瀬絣センター、安来商工会(平日のみ)、観光交流プラザ(JR安来駅隣)に設置してある応募箱に投函。応募者全員に「山中鹿介シール」がプレゼント(ただし、なくなり次第終了)されるほか、正解者の中から抽選で20名に山中鹿介Tシャツや城下町広瀬の特産品がプレゼントされる。なお、応募締め切りは来年1月15日(火)まで。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月04日富士汽船株式会社は、3月24日(土)より富士五湖の一つの山中湖で、遊覧船「白鳥の湖」の運航を開始する。遊覧船「白鳥の湖」は、「日本一の富士の麓 山中湖に 日本一美しい白鳥を浮かばせよう」をコンセプトに、子どもからお年寄りまで老若男女を問わず楽しめるよう従来の「プリンセス・オデット号」をリニューアルしたもの。なお、デザインは、昨年デビューした水陸両用バス「山中湖のカバ」を手掛けたデザイナー水戸岡鋭治氏によるものだ。船内は、木目を生かした生地仕上げのナラ材を使用し、やわらかな曲線を基調とした温かみのあるデザインが施されている。また、景色を楽しむための双眼鏡や船長気分を味わえるハンドル付の子供展望席など、山中湖を楽しむためのアイデアをふんだんに盛り込まれている。美しい山中湖と雄大な富士山の絶景を愛でながら、湖上クルージングのひとときをゆっくりと楽しんでみてはいかがだろうか。【白鳥の湖 運行概要】運行期間:平成24年3月24日(土)~運行回数:9~12回 ※季節によって変更あり乗車時間:一周 約35分乗船定員:180名発着場所:旭日丘桟橋、山中桟橋定休日:なし料金:大人900円、小人450円お問い合わせ:富士汽船株式会社 0555-62-0130(受付時間7:30~18:30)
2012年03月15日