岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「配信リリース」です。この間、ネットサーフィンをしておりまして、気になるアーティストを発見しました。イギリス・ロンドンを拠点に活動しているソウル・シンガーで、サム・ヘンショウという方。24歳くらいで若いんですが声がめちゃくちゃかっこいい。これはCDが欲しいと思って探してみたら、フィジカルリリースはレコードのみ。音源は配信でしかリリースしていなかったんです。僕は、以前にこのコラムでデジタルでばかり音楽を買わないで、CDをもっとみんなに買ってほしいと言いましたが、最近はこういうケースも増えてきましたよね。グラミー賞を受賞しているアーティストや日本の人気ミュージシャンでも配信限定で楽曲をリリースすることがあるし、かくいう僕もテレビアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』の新オープニングテーマ「キミの冒険」をTVのオンエアと同時に配信のみでリリースしました。配信でしか手に入らない音楽って確実に増えつつあります。作り手側の話をすると、配信のみでのリリースってすごくハードルが低いんですよね。現物としてモノを準備しないといけないCDと比べると、手間もコストもかからないから、リリースしたいときにすぐにリリースできる。CDだとプレスして、梱包して、配送してと、タイムラグがどんどんできてしまう。そのスピード感の差が、アーティストが配信に切り替えている理由のひとつだと思います。リスナーとしても好きなアーティストの最新の楽曲をどこででも手に入れられるのですから、音楽の聴き方が配信やサブスクが主流になっていくのは当然かなと思ってしまいます。この間も、ぼくのりりっくのぼうよみ君と対談をする機会があって「CDは買いますか?」と聞いたら「ほとんど買わないです」と言っていました。10代や20代前半くらいになると、日常的にCDを買うという意識を持っていない方がほとんどなのかなと思います。CDプレーヤーやドライブをもう持っていないという人も多いんじゃないかな。確かに家で自分が一番気に入っている椅子に座ったままで、PCやスマホで好きな最新の音楽を選べるというのは、なんと贅沢な時代かと思いますね。とはいえ、個人的には好きなアーティストの音源は盤で買ってほしい、という思いは変わらずに持ち続けています。CDは音がいいだけじゃなく、ジャケットやブックレットに作り手のこだわりが詰まっていますから。おかざき・たいいくJINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」開催中。’19年1/9にオリジナルサードアルバム『SAITAMA』発売。’19年6/9、さいたまスーパーアリーナ単独公演も決定。※『anan』2018年12月19日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年12月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「全国ツアー」です。ミュージシャンは自分の音楽をみなさんに届けるために、全国各地を巡りライブをする“ツアー”をします。すごい方だと1年かけて47都道府県を全部まわるという人とかもいらっしゃる。それは本当にすごいことやなと思います。尊敬しかありません。そういう僕も今、絶賛ツアー中です。初の全国ホールワンマンツアーです。ただし僕の場合、埼玉・北海道・京都・愛知・福岡・大阪・東京の全国7か所での開催です。ちょっと偏っていますか?偏って見えますか?でも、僕にとってみたらもうこれがギリギリ限界の仕様になっております。なんでかと言いますと、「岡崎体育なめてんな」とか「甘えるな」とか言われてしまいそうですが、僕はライブが終わったら1回、家に帰ってきちんと眠りたいんです…。ホテルに何連泊もするとか、1か月ずっと各地をまわって家に帰らないでいるとか、僕にはできないんです。とにかくホテルだと眠れない。休めない。僕は寝るときにはS字型の抱き枕を使っているんですけど、まずそれがないと落ち着かない。じゃあ、それ持っていけば?と言われるかもしれませんが、僕はステージで使う機材もキャリーに乗せて自分で運んでいるので、さすがにそれに加えて枕も運ぶことは難しい…。今度、マネージャーにお願いして、枕をホテルに直送してもらおうかなとかも考えていますが、まだ実現には至っておりません。とにかく、ちゃんと家で寝ないと僕はパフォーマンスが確実に落ちてしまうんです。そんな落ちた状態でライブをするのはどうしてもイヤなんです。それをするくらいならわざわざであっても一度、宇治の自宅に戻り、慣れた布団できちんと眠って、肉体的にも精神的にもチャージをしてから次のライブに挑みたい。そういう考えのもとで全国7か所に限ってやらせていただいています。ある意味、僕は誰よりも健全な志向を持ったミュージシャンなんだと思います。たとえば、富山県にお住まいの方に僕のライブを観てもらいたい。もちろんそう思います。思ってます。でも、僕のライブを観たいんやったら富山から出てきてほしい。僕が富山に行くより、キミが京都の会場に足を運んでくれないか。そして、ちょっと京都観光して帰ったらええやんかと思うのですが、富山のみなさま、全国のみなさま、いかがでしょうか。おかざき・たいいくJINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」開催中。‘19年1/9にオリジナルサードアルバム『SAITAMA』発売。‘19年6/9、さいたまスーパーアリーナ単独公演も決定。※『anan』2018年12月12日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年12月09日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ミュージシャンが言われてうれしい言葉」です。僕がよく言われる褒め言葉は「面白いですね」。もちろん、それはそれでうれしいですが、“面白み”を評価されることが多い分、逆に音のことを褒めていただけると、すごくうれしくなります。「あのトラック作り込んでますね」とか「ここの音作りがすごい」などと言われると、めっちゃちゃんと聴いてくれてるやん!と、テンションがあがります。だからミュージシャンに何か言葉をかけるとしたら「ファンです」とか「好きです」だけでなく「この曲のここの音がすごいと思っていて」など具体的に言ってあげると、とても好印象になると思います。ミュージシャンって結局、楽器オタクや機材オタクなんですよ。メジャーのフィールドまで来ているということは、当たり前ですけど、時間をかけて考えて、こだわりぬいて真摯に音楽を作っている。だからこそ、音のことを率直に褒められるとめちゃくちゃうれしい。だから僕も、ライブの後などに共演者の方と話すときは、音作りの話を振ることが多いです。「ライブでめちゃくちゃ低音出ていましたけどPAにどういう指示されているんですか?」とか「あのギターの音はどんなエフェクトかけているんですか?」とか…そういう話をしています。そうすると話も弾みます。逆によく言われるなかで、がっかりする言葉もあります。それは「このエピソード、曲にしてくださいよ」っていうやつ。僕はこれ、めっちゃしょっちゅう言われます。僕がネタ曲を多く作っているせいもあると思いますし、面白いネタを常に探していると思われているのかもしれないですが、そんな大したことのないレベルのそこそこの面白エピソードなど、曲にできるかい!といつも思います。なので、この記事を読んだ方は二度と言わないでほしいです。ヤバTのメンバーもよくこの言葉を投げかけられるようで、わざと僕に「岡崎さん、この会話、曲にしてくださいよ~」とちょけてきますが、そのノリももう飽きました。ここ1年で褒められて最もうれしかったのは、Mステに出たときにタモリさんに「よくできた曲だね」と言われたことです。タモさんって曲終わりでコメントすることがほとんどないので、それなのにわざわざそうおっしゃっていただけたのには興奮しましたね。やっぱり率直に曲のこと褒めるのがミュージシャンへの最大の賛辞なんだと思います。おかざき・たいいくJINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」開催中。’19年1/9にオリジナルサードアルバム『SAITAMA』発売。’19年6/9、さいたまスーパーアリーナ単独公演も決定。※『anan』2018年12月5日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年12月01日Sexy Zoneの松島聡(21)が11月28日、一時活動休止すると発表。原因はパニック障害だという。松島は書面で「実は1年前くらいから体調を崩し始め1ヶ月前より不調が酷くなった為受診いたしました」と報告。さらに「病名もですが、自分のこの状況に正直大変戸惑いショックを受けております」と明かし、「治療と静養が必要だということなので、一旦活動休止をお知らせする事をお許し下さい」と語っている。Twitterでは悲しみの声が上がるものの、それでもファンは団結しているようだ。《聡ちゃんの笑顔が見れるまでどれだけだって待ちます》《私たちができるのは、松島聡がSexy Zoneに戻ってくることを信じることだけ》《聡ちゃんがいない間もメンバーとLOVERS団結してSexyZoneをもっとおっきくて優しくて楽しい場所にしておくからね!》また10月、King&Princeの岩橋玄樹(21)も同じくパニック障害での休養を発表していた。そのため、2人に気遣う声が上がっている。《キンプリもセクゾも好きだからかなりショックだけど、本人達の方がずっと辛いはずよな。今は珍しい事じゃ無いからゆっくりしなー 2人ともよく頑張ってたんだね》《キンプリは6人でキンプリ セクゾは5人でセクゾ》《4人のSexy Zoneも 5人のキンプリも違和感しかないけど 来年は全員揃って紅白出れるの楽しみにしてます 聡くんも岩橋もゆっくり休んでね》
2018年11月29日アイドルグループ・Sexy Zoneの松島聡が28日、一定期間の病気療養に入ることを公式サイトで発表した。公式サイトでは、所属するジャニーズ事務所が「松島は急な体調不良のため、大変恐縮ながら慎重を期して一定期間療養させていただくことをご報告申し上げます。体調不良を引き起こしました原因は、パニック障害による突発的な発作によるものと診断されております」とコメント。2018年はグループとして『24時間テレビ』のパーソナリティを務め、バラエティ番組でも活躍していた松島について、「何事にも一生懸命取り組むが故に、その反響一つ一つを過敏に捉えてしまうことから、心身ともに緊張した状態が続いていたことも体調に異変が起きた原因ではないかと考えられております」と見解を明かす。ジャニーズ事務所は改めて「今は何よりも仕事を離れて療養し、体調の回復に努めることが最も大切であるとの医師の診断を受けておりますので、皆様にはご迷惑とご心配をおかけすることになり大変恐縮ではございますが、本人とも確認の上で、治療に専念させていただきたく存じます」と報告した。また10月下旬には、同事務所に所属するKing & Princeの岩橋玄樹がパニック障害治療のため病気休養に入ることが報告されている。○松島聡 コメント全文この度は皆様には突然の発表となってしまい誠に申し訳ございません。実は1年前くらいから体調を崩し始め1カ月前より不調が酷くなった為受診いたしました。診断結果は突発性パニック障害です。病名もですが、自分のこの状況に正直大変戸惑いショックを受けております。そして今は治療と静養が必要だということなので、一旦活動休止をお知らせする事をお許しください。温かいご支援を受けている中で、苦渋の選択とはなりますが、今はこの病気を克服することが一番と決断致しました。愛するファンの皆様、各関係者の皆様、そして家族のようなメンバー。本当に本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。皆様の応援に心から感謝申し上げると共に、これからのSexy Zoneの応援を引き続き宜しくお願い致します。
2018年11月28日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「タイアップ曲と自分の曲」です。ニュースなどでご存じの方も多いでしょうが、そろそろ私、岡崎体育が現在放送中のNHK連続テレビ小説『まんぷく』に出演します。「どうも、朝ドラ俳優の岡崎体育です」って、いやマジでこれはすごいことで、非常に貴重な体験をさせていただきました。僕が演じたのは進駐軍の男です。長谷川博己さん演じる萬平さんが進駐軍に逮捕されるんですが、そのときの看守役。カリフォルニア生まれで片言の関西弁を話す日系二世です。そもそもこのキャスティングは、NHKさんの勘違いからはじまります。僕の楽曲には「Natural Lips」という英語風の曲があったりするので、普段から僕は英語のええ発音を心がけています。それがなにをどう間違って伝わったのか、岡崎体育は英語できるやつ、いわゆる“英ぺキャラ”として選ばれてしまったんです。打ち合わせの際、「僕は英語がしゃべれません」とはっきり申し上げたら「えっ、ご、ご堪能じゃない!?」と、とてもびっくりされました。結局、英語指導の方に発音の音源をいただいて、必死に練習することに…。思い込みって怖いですね。現場には出演者としてMONKEY MAJIKのお二人もいたので、指導の先生と一緒に英語の指導鞭撻をきっちりいただいて、NGもださずに撮影は無事、終了しました。それにしてもプロの役者さんは本当にすごいです!僕は俳優業は初心者なので“本読み”とか言われても、ライブのリハくらいのイメージで、流れを確認する感じ?とゆるく思っていたんですが…。みなさん一言一句、魂を込めてセリフをおっしゃる。橋爪功さんとかマジすごかったな…。これ、そのまま本番やんと思ってしまいました。いつもと違うクリエイティブの現場を体験できたことは、めちゃくちゃラッキーですし、いい刺激をいただいたなと思っています。それと同時に、本業をしっかりやらないと、と気持ちも引き締まりました。お芝居でも高く評価されているミュージシャンの方々ってたくさんいますけど、でもそれってやっぱりミュージシャンとしての足場をしっかり持っているからこそ、ファンの方々が俳優としても応援してくれると思うんですよね。音楽という基礎があるから役者としてもより魅力的にみえる。僕も他に類をみない、この憎めない系ぽっちゃり三枚目キャラを最大限に活かして、ハリウッドデビューできるまでがんばりたいと思います。おかざき・たいいくJINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」開催中。12/1(土)札幌市民ホールほか、全国7か所にて。来年の6/9(日)さいたまスーパーアリーナ単独公演も決定!※『anan』2018年11月28日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年11月25日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「タイアップ曲と自分の曲」です。タイアップ曲は、CMのためにこういう曲が必要とか、ドラマやアニメ、映画に合わせたイメージソングが欲しいと依頼されて作ります。僕は、タイアップの場合は商品だったり、作品だったりにめちゃくちゃ寄せて寄せて考えるタイプです。だから、作ったものにクライアント側からNGを出されることは、比較的少ないかもしれません。そして、もし修正を依頼されても素直に言われたことを聞いて直すタイプです。最初に、アカデミックな曲でと言われ制作したら、「いや、もっと岡崎さんの『MUSIC VIDEO』みたいにハジけたやつ!」と言われ、それ、どっちやねんと思ったことはありますが、それも結局オーダーに沿った楽曲に作り直しました。どちらかというと僕は、自分の中でのダメ出しが多いです。レコード会社に通達するまでもないボツが山ほどあります。そもそも、僕はタイアップで作った曲とアルバムに収録する自分の曲は別のものだと考えています。タイアップ曲は、クライアントに満足していただくことが最優先。自分のアルバム曲は自分のこだわりを追求します。曲が生まれるスタート地点からして違うというのが、僕の中でのタイアップ曲と自分の曲との違いですかね。ミュージシャンの中には、自分が作りたいように作った曲がCMのイメージソングになり得るという素晴らしい才能を持つ方もたくさんいらっしゃいますし、それはそれでお互いにとって幸せなことだと思いますが、僕はちょっと向いてないようです。だから、アルバムも『OT WORKS』というタイアップ曲だけを集めたものを作るなど区別するようにしています。アルバムにタイアップがついた曲がずらっと並んでいると購買意欲が上がるし、初めてのお客さんも「あ、あのCMの曲か」と手に取りやすくなるというのも理解しているのですが、僕はそれをしていません。コアなファンの方に「新しいアルバム、既存曲ばっかりやん」と思われてしまうことが怖いし、僕の場合ネタバレ感があるだろうから、それじゃ面白くないだろうなと感じてしまうんです。せっかく自分の名前のついたアルバムを出すなら真っさらな10曲でお届けしたい。アルバム曲は僕だけのものです。だから、あとからタイアップで使いたいと言われても、それはお断りしますね。うん…。断りますよ。…多分ね。あの、でもそこは使用料次第でポリシー変わるかもしれません。おかざき・たいいくNHK連続テレビ小説『まんぷく』に出演決定。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」、11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。※『anan』2018年11月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年11月01日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「いま求められる男性ソロアーティスト」です。数いるメジャーアーティストの中で、まだ音楽家になりたての僕について最初に言及し、褒めてくださったのは星野源さんです。まだ「MUSIC VIDEO」も話題になっていないころで、確か「鴨川等間隔」という僕の曲についてラジオで語ってくださって。「曲を作る姿勢がまっすぐだ」と話してくれた。僕はそれを聴いて「…そうか、俺ってまっすぐだったのか!」と自己肯定感がめちゃくちゃあがりました。ありがとうございます!それから半年後くらいにメジャーデビューして、偶然、ニッポン放送で星野さんとすれ違う機会があったんです。褒めていただいたお礼もできていなかったので、できたてのデビューアルバムのサンプル盤を持ってご挨拶に伺ったら、なんと星野さんが「あ、もうアルバム買いました」と言ってくれた。でも「せっかくなのでもらいたいです」と持ってきたサンプル盤ももらってくれて、ああ、めちゃくちゃ優しいなと思いました。それから、しばらくしてドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』が始まって、星野さんの「恋」という楽曲はみなさんもご存じのように大ブームとなるわけです。ここで僕が何を学んだかというと、それは“男性ソロで成功している人は基本的にめっちゃいい人だ!”、ということです。僕の「エクレア」という曲の歌詞に、「いい曲はいい人とともに」というところがあります。男性のソロアーティストって、いままさにそういう背景がすごく重要なんじゃないか?というのが僕の見解です。バンドのボーカルとかはバンドそれぞれの個性やカラーもあるから一概には言えないし、女性ソロの場合は小悪魔的なヤンチャな感じがあったとしても、それはそれで魅力になったりもする。でも、男性ソロにはいまは、オラオラしたタイプの強めキャラってまったく求められていないんじゃないかなと思うんです。裏表があるとか人柄ってすぐ透けて見えますからね。そういうところ、お客さんは全部わかっていると思います。だからこそ、実際に優しくて温かな人柄の方たちがそのままウケている。僕のことをご自身のフェスに誘ってくれた高橋優さんにしろ、以前コラボさせてもらった秦基博さんにしろ、みなさん優しいですもの。心拍数もとってもゆっくりしていそうです。…そして、僕も優しさ100パーセントでできている男性ソロアーティストのひとりです。おかざき・たいいく今月から始まった、NHK連続テレビ小説『まんぷく』出演決定。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。※『anan』2018年10月31日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年10月28日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「泣ける曲の作り方」です。泣ける曲というのは、たいていコードとテンポで決まると思います。リズミカルでアップテンポなのに泣ける曲ってみなさん思いつきますか?あまりないですよね。だから泣ける曲を作るときの定石は、まずミドルテンポ以下の落ち着いたリズムであるということだと思います。そして、コードについてですが、これはコードの中に「セブンスコード」という特別なコードがあります。通常コードは3和音でできていますが、そこにもう1音プラスし、4和音にしたのがセブンスコードです。例えば「ド・ミ・ソ」の3音で作るCコードというのがあります。これに、ソの上のシの音を重ねるとCM7(Cメジャーセブンス)という響きになる。「ド・ミ・ソ」だけだと、なんかめっちゃポップなのが、そこに「シ」の1音が足されるだけで明るさの中にわびさびのようなものが生まれ、ぐっと切なさを醸し出してくれるんです。このセブンスコードを楽曲のコード進行の中にすっと入れ込むと曲に抑揚が生まれ感動的になる。つまり、泣ける曲に仕上がるというわけです。とか偉そうに話していますが…。僕は音楽理論になーんにも精通していないので、自身の作曲の際にはまず3和音でトラックを作り、あとからDTM( PCを使った音楽編集)で「ここ泣かせたい!」ってポイントを決めたら、鉛筆ツールを使い1和音ずつ、この音を足すでいいかな?違うかな?と、チマチマと再編集を繰り返し、4番目の音の魔法が生まれる場所を探します。僕の楽曲でいうと「チューリップ」や「スペツナズ」「式」などでセブンスコードを使っていますね。人生をテーマにした曲、繊細な印象にしたいときなどに活きてくるものですが、あまり使いすぎても安売りになってしまいそうなので、ひとつのアルバムに1~2曲くらいの必殺技とすることを心がけています。でも、泣ける曲の定義というのは難しいものだなとも思います。最初にコードとテンポで決まるといいながらも、例えばアメリカのカリスマ的ラッパーであるケンドリック・ラマーのようにコード進行も何もないビートとベースラインだけで、その魂の叫びやステージングが多くの若者を泣かせることもある。歌っている人の背景や人柄、発する言葉によってどんな激しい曲でも心に響いて涙することもある。本当の泣ける曲はテクニックだけじゃないんだと思います。おかざき・たいいく今月から始まった、NHK連続テレビ小説『まんぷく』出演決定。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。※『anan』2018年10月24日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年10月22日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「作詞」です。僕はかつて音楽をやっていく中で、作詞が最もどうでもいいものだと思っていました。デビュー前からデビュー後しばらくの間もそんな感じで。メッセージ性とかってなんなん?と、ネタに走ったり、意味のない言葉の羅列で歌ったりとかして、ちょけてたんですね。でも、それは変なプライドだったんだなと今は思います。心を入れ替えられたのは、私立恵比寿中学に楽曲提供した「サドンデス」や、ポケモンのエンディングテーマを手がけるようになってからですね。歌ってくれる人や聴いてくれる人のことをじっくり考えるようになったとき、言葉が持つ強さを軽んじてはいけないってあらためて思ったんです。岡崎体育は、つい物事を斜めに見がちですが、それを「アンタ、いつまでもかっこつけてんじゃないわよ!」と心の中のおねえに叱咤激励され、今では言葉選びの大切さを実感しています。ストレートな言葉を照れずに使えるようになってきたと思っています。実際に、現在のミュージシャンにとってどんな歌詞をつけるかってめちゃくちゃ大切やと思います。作曲って、もはや天井なんですよね。新しいリフとか新しいメロディを思いついたと自分では思っていても、それはすでに、たとえばコスタリカのバンドが使っているものかもしれない。いいリフもメロディも初出であることって難しいんです。世界中で出尽くされていて。でも、日本語はまだまだオリジナルになれる可能性がある。他のミュージシャンと差別化をはかれて、個性を出せるチャンスがまだまだあるのが、作詞なんだと僕は思っています。僕は叙情的な歌詞が好きです。フジファブリックの志村正彦さんだとか、くるりの岸田繁さんの歌詞にぐっときます。音楽を聴きながら街を歩いていて歌詞と目の前の景色がきれいに重なる瞬間がある。生活感とノスタルジーが混ざったこの感覚に痺れます。そういう影響をめっちゃ受けて書いたのが「鴨川等間隔」で、これも僕の中にある日常の景色を言葉にしたいと書いた曲。こういう曲の歌詞は、たいてい具合悪いときに書きますね。調子ええときには、叙情って醸し出せなくないですか?風邪ひいて体調悪いといろんなことが憂鬱じゃないですか。ここぞとばかりにその感性を利用しています。あと、作詞を誰かに頼むとしたら最初のオーダーはまず、おかんにしよかなと思ってます。おかざき・たいいく『テンゴちゃん』(NHK総合 毎月1回土曜深夜)がレギュラー番組に。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。※『anan』2018年10月10日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年10月06日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ミュージシャンとバラエティ番組」です。お笑い芸人さんやYouTuberが音楽活動されることがよくあります。ダウンタウンさんが坂本龍一さんプロデュースで楽曲を出されたこともあったし、宮迫博之さんと山口智充さんが「くず」として作詞作曲も手がけてヒットしたこともありました。今では、YouTuberが自身の楽曲を配信して、それが話題になり「Mステ」に呼ばれるなんてことも。そういうことがあるとミュージシャンとは一体何なのか?と、つい思ってしまいます。芸人さんが音楽番組に歌手として出演することはあっても、その逆はなかなかできないですから。ミュージシャンがバラエティ番組に出演して、芸人さんと渡り合うのはなかなか難しいですよね。僕もたまにバラエティ番組に呼んでいただくことがあります。そうすると芸人さんたちはとても温かいなと思います。ダウンタウンのお二人とか、めっちゃ優しかったですね。それはきっと僕がミュージシャンだからそう感じるんだろうなと思います。話を振られたときに受け答えをして、ツッコんでもらって笑いが起きて、最終的には芸人さんがいい感じのオチをつけてくれる。これが、ミュージシャンでなく同じ芸人だったら、もっと前に出て笑いをとれよとか、難しいタイミングでも笑いをとらないといけないとか、任されることが大きくなる。僕にはそこまでのことはできないと思うので、ミュージシャンという枠はありがたいものです。そうではあるけれど、僕がやっている音楽はユーモアが多め。お客さんの好リアクションを求めてついつい「笑い」を入れてしまいます。その系統ゆえ、やはりテレビ番組のコメントでも面白い発言を求められてしまいます。そろそろ、みなさん気づいていいころだと思うんですけど、実際の僕はすごくシャイですごく真面目なんです。「俺、面白いで!」とぐいぐい前に出るタイプでは決してないですし、大勢の前で自ら率先しておしゃべりするのも苦手です。そのことを理解して起用してもらいたいものです。高校時代、授業中に大声で先生にツッコミいれてクラス中の笑いをさらっていた藤本くんや中山くんより、休み時間に一人ぼそっと妙なことつぶやいていた倉田くんの笑いが好きなタイプだったし。僕の“笑い”の原点のひとつは彼だと思います。倉田くん、めっちゃいい視点もってたもんな。今、なにやってんねやろ…?おかざき・たいいく『テンゴちゃん』(NHK総合 毎月1回土曜深夜)がレギュラー番組に。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。※『anan』2018年10月3日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年09月30日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ミュージカル」です。僕のミュージカル体験で思い出せることは、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のアトラクションでドラキュラやフランケンシュタインが歌って踊る「ユニバーサル・モンスター・ライブ・ロックンロール・ショー」を観たことくらいですかね。あとは、ディズニー映画の『ライオン・キング』や『リトル・マーメイド』などを思い出すくらいで、ぶっちゃけ、まったく詳しくはないんですけどミュージカルへの興味はめちゃくちゃあります。それに僕のライブはとてもミュージカルと親和性があるような気がします。だって、ひとりで歌もダンスも寸劇もこなしていますから。これはもう、ひとりミュージカルです。それをもうちょっと突き詰めてみたいですね。あと、ミュージカルだと舞台美術があるじゃないですか。それに憧れます。僕はいつもパソコン1台だけで、何もないところでライブを披露する省エネ派ミュージシャン。階段があったり、大道具を使った仕掛けがあるような舞台も作ってみたい。段差がひとつあるだけで、表現の幅はぐっと広がる。それを体感してみたいです。前にもお話ししましたが、その場にあるものや感情を歌詞にして即興で歌うことも得意なので、これもミュージカル向きやなと思います。先日も、僕がシーズン・レギュラーを務めていたNHK Eテレの『天才てれびくんYOU』のロケ中にキッズたちが、今言いたいことを歌にして語り合うという洒落た遊びをしていたので交ぜてもらったんですが、僕はどのてれび戦士たちよりこの遊びがうまかったですね。もう圧勝でした。「お茶をとってほしい、でも誰も全然とってくれない」という悲しみを歌にしたんですが、キッズたちは僕の歌に夢中で大爆笑。これは俺の勝ちやなと思いました。僕はミュージシャンで相手は子どもですけど、勝ちは勝ちです。ミュージカルの世界では、今2.5次元が大ブームじゃないですか。『テニスの王子様』にはじまり『弱虫ペダル』とか『刀剣乱舞』とか。ひとつのジャンルとして確立されています。これは僕、出たいというより、もはや作ってみたいですね。大勢の人と僕が一緒に歌って踊るのは無理だけど、演出するのは面白いかもしれない。というのはアイドルの楽曲を作ったときに思ったんですよね。岡崎体育歌劇団はぜひやってみたいことのひとつです。なにか面白いものができそうです。おかざき・たいいく『テンゴちゃん』(NHK総合 毎月1回土曜深夜)がレギュラー番組に。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。※『anan』2018年9月26日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年09月23日9月18日、シンガーソングライター・岡崎体育(29)が10月よりスタートする朝の連続ドラマ『まんぷく』(NHK総合)に出演すると発表された。今作で連続ドラマ初出演となった岡崎は、『まんぷく』の公式サイトで《『存在するだけで鼻につく』という天性の才能を活かして、生意気なキャラクターを演じられるよう尽力しますので、温かい目と冷ややかな目の両方で見守っていただけると幸いです》とユーモアあふれるコメントを出している。進駐軍に逮捕された長谷川博己(41)演じる立花萬平たちが収監された雑居房で、その動向や発言を監視するMP(軍警察)を演じるという岡崎。カリフォルニア生まれだが、大阪生まれの日本語を話す役どころだ。報道を受け、ネット上ではドラマ内で岡崎の代表曲とのシンクロが期待されているという。というのも岡崎は以前、自身のツイッターで“冷蔵庫に貼ってあるなんの変哲もない日本語のメモ書きを英語風に読む”という動画を投稿。そのユニークな内容に、22万件近く拡散されるなど瞬く間に大きなバズを生んでいた。さらにその後、動画の拡張版ともいえる全編英語風に聞こえる日本語詞の曲『Natural Lips』まで制作。『MUSIC STATION』(テレビ朝日系)でも披露するなど、大きな盛り上がりを見せていた。そのためネット上では《岡崎体育が日本語に聞こえる英語や英語に見える日本を話すところまで見えた》《岡崎さんの役柄ってあの動画からの採用なのかな》などの声が。“持ち曲と朝ドラとの夢のコラボレーション”を望む声が溢れているのだ。発表後にツイッターで《朝ドラで役者をやらせてもらいます。来シーズンはヒロインも狙っています》と綴った岡崎。個性派俳優として活躍する未来も近いかも!?
2018年09月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「僕の仕事環境」です。もう何度かお話ししていますが、僕はいまだに京都府宇治の実家暮らしです。楽曲を作る仕事場は実家の自室ということになります。小学校時代から愛用している勉強机が僕のスタジオです。そんなわけで、メジャーミュージシャンいち劣悪な環境で制作をしている自負がありますね。全然、自慢げに話すことではないですけど…。機材や音楽を作るソフトはインディーズ時代からまったく同じです。普通、メジャーになったらちょっとええハード買ったり、高くて手が出なかった楽器買うとかしがちじゃないですか。僕、それ全然興味ないんです。先週お話ししたw-inds.の橘慶太さん。彼はめちゃくちゃDTM(Desktop Music)に精通されていて、同じ会話レベルを僕に求めてくるんですけど無理なんです。「最近出たあのソフトすごくいいよね」とか言われるんですけど、ひとっ言も意味がわからないです。仕方なく聞き流してます…。もう少し詳しく説明すると、僕はCubaseというDAW(Digital Audio Workstation)を使っています。これは、ヒャダインさんとか中田ヤスタカさんも使われている日本では主流の音楽制作ソフトです。ただプロともなるとみなさんさらにエフェクトや音色を追加したり、カスタマイズして独自の音楽環境を構築していくわけですが、僕が買ったのは「これだけあれば大丈夫!」的な、初心者が買いがちなコンプリートセット1つだけ。あと、作曲に欠かせないMIDIキーボードも僕が使っているのは鍵盤の数が30くらいしかない。普通は49とか61、88あるんですけどね。弾いていて「上の音、ここまであれよ!」というとき、多々あります。それでも僕がこの仕事場を変えないのは、この環境こそが“岡崎節”を生み出しているんじゃないかなと思うからです。制限があるからこそ、他のアーティストと違うメロディやアレンジが生まれるのではないかと。うれしいことに世間でも僕の作った楽曲は“ハイクオリティ”なんて称されることがある。こんな劣悪な環境でも評価をいただけると、それならこのままでええか、と思っちゃうんですよね。あと、はっきり言って僕の機材は中高生のおこづかいで買えるレベル。僕を見て、若い子たちが「これなら自分でもできるかも」とか「なんなら岡崎体育超えてやるわ」とやる気になってもらえたら、正直うれしいです。おかざき・たいいく『テンゴちゃん』(NHK総合 毎月1回土曜深夜)がレギュラー番組に。JINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から全国7か所にて。※『anan』2018年9月12日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年09月09日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「彼氏にしたいミュージシャン」です。これね、めっちゃ考えたんですけど、僕のミュージシャン交友録の中では今のところ1人しか思いつきません。基本的にミュージシャンという職業は、お付き合いをするのに向いていないと思っていただいたほうがよいです。女にだらしないとか、金にだらしないとか、もう単純に全部だらしないとか、そういうタイプがどうしても多い気がします。これはすでに答えの出てしまっていることですね。みなさん、あきらめてください。唯一この人は!と思いついたのがw-inds.の橘慶太さんです。6月にw-inds.と岡崎体育で対バンをさせていただきました。そのご縁で仲良くさせていただいています。よく一緒にオンラインのゲームをしていて、いろいろおしゃべりします。もう合計で100時間以上しゃべっていると思うんですけど、慶太さんってまったく人としての“粗”がないんです。完璧なんです。僕はこういう性格なので、ついつい人の粗探しセンサーが働いて「あ、今のひと言、性格悪いとこ出たな」とか「今の発言まったく心こもってないやん」と感じとってしまうんですが、慶太さんとトークしていてそういうことを思うことがただの一度もない。奥様と12年にわたる交際の末にご結婚されているというのも誠実な感じがして素敵ですし、実際にお話ししていても子煩悩なんやなと思う瞬間もたくさんあります。音楽的な才能も素晴らしいですし、すごく努力もされている。一緒にサッカーゲームをしていて「慶太さんのキャラ、めっちゃ足速いですね」って話をしたら、「俺、実際も足速いよ」と返ってきて、「お!?これ、自慢きたか!?」といよいよ粗が出るかと良からぬ期待をしたら「肉体改造して6年かけて100mのタイムを10秒5まで縮めた」とか、それ本気ですごいやつやん!めっちゃ努力してはるやん!と……。しかも、性格もとても穏やかで優しいんです。だからもはや彼氏にしたいというより人間としてこの人、最高傑作ちゃうか……と思います。僕が言いたいのは、こんなできた人は滅多におらんから、ミュージシャンとは付き合わないほうがええってことです。でも、楽器持つと魔法にかかっちゃうんですよね。パートとして女子に人気あるのは意外とボーカルやギターよりベース。ベースの男はモテますし、女たらし率もなぜか高い。かくいう僕もバンド時代はベースでした。……またベースしよかな。おかざき・たいいくJINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」が開催決定!11月17日(土)埼玉・三郷市文化会館から、’19年1月25日(金)東京・NHKホールまで、全国7か所にて。※『anan』2018年9月5日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年09月04日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ラジオ」です。先週ちらっとお話ししましたが、僕は地元の「α-STATION」(エフエム京都)でレギュラー番組『Okazaki Radio Channel』を持っています。もう2年以上かな。おかげさまで大変好評で当初は30分番組だったのに、1年くらいで1時間に拡大させてもらってやっています。僕が出ているメディアの中でもっとも素の僕がわかるのが、このラジオなんじゃないかなと思います。ラジオってすごく古くからあるメディアですし、「Video Killed the Radio Star(ラジオ・スターの悲劇)」じゃないですけど、今やテレビですらYouTubeに殺されかけている時代。ラジオの存在意義とは?と思っていたんですが、番組を持ってその認識は変わりました。まず第一に、ファンの方とのコミュニケーションがめちゃくちゃとれる。僕の番組にもさまざまな疑問・質問が届きますが、それに何分もかけてきちんと答えられるし、リスナーと対等に会話できます。また、ファンの方が自分の声をアーティストに届けられるという意味でも、応援しているアーティストのラジオ番組はとても大事な場所なんだと思いました。いまどき、SNSの生配信もあるしそこでも十分ダイレクトに会話できると思っていましたが、ネットってやっぱり消費されるスピードも早いんですよね。一つ一つのコメントもサーッと流れていってしまう。ラジオはなんかそこの質量が違う感じ。会話の深さまで追求できる感じがします。もう一ついいところは、好きな曲を流せるということ。僕の番組ではもちろん僕が何を流すかを決めています。自分の曲や友達のバンドの曲、海外のアーティストでいま気に入っている曲なんかをかけています。そうすると、意外な曲にいい反応があったりする。知らなかったけど気になってCD買いましたとか言ってもらえると、とてもうれしいです。やっぱりラジオって、そのアーティストだとか音楽ジャンルが好きな同士が集まるから楽しいっていうのもあると思いました。なんか、遊び場とか秘密基地のような雰囲気。部屋でひとりで聴いてるだけかもしれないけど、でも特別なたまり場に繋がっているような感じ。そこで新しい曲や知らなかったバンドを教えてもらって、みんなで共有して意見交換して。…でも、僕が流した友達のバンドの曲をすごく気に入ったからといって、僕から別のバンドに乗り換えられてしまうのはちょっと切ないです。おかざき・たいいくJINRO presents 岡崎体育ホールワンマンツアー「エキスパート」開催決定!11/17(土)埼玉・三郷市文化会館から、’19年1月25日(金)東京・NHKホールまで、全国7か所にて。※『anan』2018年8月15・22日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年08月20日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「マネージャー」です。インディーズ時代に僕のことを見出してくれたのは今のマネージャーの松下です。最初はなかなか心を開けずに、届いたメールも2週間近く無視していたんですが、彼女の熱意に押されに押され続けて、ソニーミュージックとメジャー契約を結ぶことになりました。彼女いわく「体育さんと話をしていて目があうようになるまで1年、心を開いてくれたと実感するまで3年かかった」ということですが、僕は他人を信用するのにまあそれくらいは時間がかかるので、逆にそれができあがってしまえば揺るがないので、今はすごくいい関係で仕事ができていると思います。基本的にマネージャーはアーティストのスケジュール管理や身の回りの世話をしてくれます。その仕事内容は、担当するミュージシャンや人となりによってだいぶ違うと思います。とくに僕はひとりなので、例えばラジオのDJ助手とか普通のマネージャーならやらんでもいいようなことまで彼女にお願いをしています。バンドのメンバーでもいればメンバー同士でおしゃべりしていればいいことですが、僕にはその相手がいないし、僕がよく知らん人としゃべれるタイプではないので、ラジオでは彼女に話し相手になってもらえて助かってます。同じようなことでいうと、ライブの打ち上げに参加してもらうこともあります。これもバンドメンバーが数人いれば、誰か1人でも2人でも参加しとけばカタチになる。でも、僕はひとりきり。僕が参加しなきゃ不参加です。そこで、松下の登場です。疲れ切って早々に帰ってしまう僕の代わりに、彼女が持ち前の社交性で打ち上げの場で楽しくおしゃべりして、岡崎体育の印象をあげてくれる。これは、何にも代え難い、アーティスト・岡崎体育への貢献です。痩せろとか、お菓子食べすぎとか、朝ごはん食べてきなさいとか、髪型キショイとか、まあいろいろ言われますがそれもありがたいと思っています。僕の持論ですが、男性アーティストには女性スタッフが、女性アーティストには男性スタッフがつくべきだと思います。やっぱり、ファンの方の視点、異性からの見え方って大事なんですよね。ファンの方に近い感覚って同性からの見え方だけだとどうしてもズレが生じてしまう。だから、女性視点の意見、マネージャーの松下が生理的にキモくないかどうかを岡崎体育のディレクションの最重要項目にしています。おかざき・たいいく8/5、NHK‐FM『今日は一日“岡崎体育と合唱”三昧~Nコン85回記念だよ~』(12:15~18:00)に司会で出演。11/17より全国7か所にて、初の全国ホールワンマンツアーが開催決定!※『anan』2018年8月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年08月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ライブのMC」です。ライブではほとんどのアーティストがMCをします。そもそもなんでMCって言うんですかね?司会の意味のマスター・オブ・セレモニー?それともマイク・コメントの略?僕はバンドにおけるMCって「待ち(休憩)」と「チューニング」の時間だと思います。…あまりうまいこと言えませんでした、はい。僕のライブでは1曲ごとにMCが入ります。岡崎体育としてソロでステージに立つようになってからはずっとこのスタイルです。その前やってたバンドはMC一切ナシの、楽曲で伝えたいことは伝える系の尖った感じでやっていたんですが、1人ともなるとそうもいきません。僕は、音源をパソコンのDTMソフトからそのまま流すスタイルをとっています。そうすると、ここは低音を下げて出したいとか、台詞部分の音量は上げたいとか、そういう音の調節も全部、自分でできてしまうんです。今でこそ、僕のツアーに制作チームのPA(音響)部隊が帯同してくれていますが、インディーズのころなんて、基本PAはライブハウス任せです。PAとは、音楽が客席で聴きやすいようにバランスをとったり、音量を変えたりという操作をしてくれるスタッフのことですが、これが、知らんライブハウスとかだと信頼できる方ばかりじゃない。PAさんにもそれぞれのクセとか好みがあるので。でも、僕は僕がやりたいようにやりたいので、スタッフには「全部、音の出方を平坦にしといてください」とお願いして、こちらでデータを調整して音を出してるんです。ただそのために、一曲一曲、データを読み込む時間がかかってしまうんですね。だいたい30秒くらい。それでMCを1曲ごとに挟むようになったんです。客席とベラベラおしゃべりして迎合しているようで実は、かなりトゲトゲと尖った僕のこだわりのためにこのスタイルになっているんです。でもそのおかげでMCの腕はかなり鍛えられたと思います。飽きさせない工夫もしてますよ。苦手なのは地方行ってその土地の名物食べたよー、観光地行ったよー系のMC。そういうのって誰でも同じだし飽きますよね?だから僕は、お客さんに問いかけます。地元の人が行く美味しい店教えてとか。どこ行くとおもろい?とか。なのでみなさん、僕のライブ来るときはおすすめのスポット考えてから来てくださいね。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。7月24日(火)、「夜の本気ダンス O‐BAN‐DOSS×LIVE TIPS presented by WOWOW」(会場:キネマ倶楽部)に出演。※『anan』2018年7月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年07月14日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「東京」です。みなさん、東京は好きですか?なぜかミュージシャンはよく「東京」をテーマに曲を書きます。しかもええ曲が多い。それはなぜかを今回は考えたいと思います。東京は日本の中心で、すべての最先端。なんでも揃っている。でも、それが「東京」を歌いたくなる理由だと僕は思いません。結局、東京は地方出身者の集合体なんです。「東京」を歌うのは、東京の人じゃない。地方から上京する。そこで、これまで暮らしていた場所との違いに戸惑い、馴染めない不甲斐なさやこれまで感じてこなかった故郷への想いが募る。その切ない感傷が東京ソングスのソースとなっていく。だから、基本バラードですよね。めっちゃBPM(Beats Per Minute=演奏のテンポ)が速い「東京」ってないんちゃうかな…。「東京」を歌えるのは、実は東京の外側の人たちだけ。地方からの客観視ができているからこそ、感情がのりやすいし、共感を集めることもできる。吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」なんて、東京への究極の客観視から生まれた歌だと僕は思います。じゃ、地方在住の僕はどうかというと、僕は「東京」という曲は書けません。なぜなら東京に対して何の思い入れもないからです。僕ははっきり言うと東京が嫌いです。人多いし、ごちゃごちゃしているし、できればずっと宇治にいときたい。もし、僕が今「東京」を書いたとしても悪口をひたすら語る曲になりそうです。それはさすがに角が立つでしょ…。あと、やはり東京に住んでないと「東京」を歌ってはいけない気もします。僕は、地方在住アーティストの一角を担っていると自負していますし、盆地テクノ背負っていますし、そうそう宇治を離れられない。少なくとも目標だと公言している、さいたまスーパーアリーナでの単独公演を達成するまでは今のままやと思います。そう考えるとあと2年は上京しない計算になる…。でも、あと2年も実家暮らしというのもクソやばいな…。東京に出たら、良くも悪くも変わってしまいそう。そういう怖さもあります。でも、夢はあります。東京に住むなら代官山。それでゴールデン・レトリバーを2匹飼いたい。それが、僕が憧れる成功者の姿です。そのころ、僕は何をしているんでしょう。敏腕音楽プロデューサーなのか、駆け出し文化人になっているのか、今はまだわかりませんね。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年7月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年07月03日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「母の影響」です。僕が音楽を聴くようになったきっかけはおかんです。母はクイーンのファンで彼らのレコードが家に何枚もありました。それを僕も聴きはじめたのが音楽に傾倒したきっかけ。母もそうですけど、その従兄弟たちが音楽好きでした。兄弟でアマチュアですけどバンドをやってたんです。クイーンを聴いていたのも、彼らの影響ちゃうかな?と思います。そのおじさんたちの家には防音のスタジオもあったんですよ。盆暮れには、そこの家に遊びに行って、ドラム叩かせてもらったり、アンプ内蔵のミニギターを買ってもらってディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のギターリフの弾き方を教えてもらったりしていましたね。そんな音楽好きの親族なので今、僕がこうしてプロのミュージシャンになっているのをとても喜んでくれているみたいです。うちは母子家庭ということもあり、すごく過保護で過干渉。しつけも教育もとても厳しかったです。だけど、母子ともに音楽が好きということもあり、音楽に関するおねだりに対しては寛容だった記憶があります。CDもたくさん買ってもらった。でも、プロの音楽家になるっていうのは、想定外だったんじゃないでしょうか。ひとりっ子だし、いい大学出て堅い仕事についてほしかったんだと思います。だからプロになりたいと言ったときも当然、反対されました。それで、4年間の期間限定で音楽活動をさせてもらい、その期間内にデビューできなかったら諦めるという約束を交わしたんです。インディーズ時代は、自分の力でやりなさいという感じで突き放されてましたね。で、いざ、デビューしたら手のひらを返したようにめちゃくちゃ応援してくれています。いや、応援というかもはやディレクター気取りです。僕は実家で音楽制作をしています。家は木造です。音は母の部屋まできっちり届く。そうすると、めちゃくちゃチャチャ入れてきます。いきなり部屋に入ってきて「今のハモりどうなん?」とか言ってきます。「そこ、下ハモちゃう?」と。「あんたがいいならいいけど、あたしは下ハモやと思うけど?」と言い残し、去っていきます。僕は年中反抗期なんで、スタイルとして「もう、ええから」と返しつつ、その助言を試して「ほんまにええな…」と唸ったりしています。母は、今も僕の最大のインフルエンサーです。過去も今も、レール敷かれっぱなしです。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月27日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年06月21日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、モデルの岡崎紗絵さんです。女優としても、モデルとしても。もの作りの現場にいることが幸せ。雑誌『Ray』の専属モデルとして活躍しながら、女優としても邁進中。現在はドラマ『ブラックペアン』に出演している。「初の医療ドラマということで緊張していましたが、楽しい現場です。研修医役同士仲がいいですし、ベテランの先輩方の演技を間近で見るのは勉強になります。今後出てみたいのは、時代物。所作を学びたくて、茶道を習う予定なんです」。将来の夢は、家庭を持つこと。「なんて言いながら、現段階では想像すらできません。今は仕事に打ち込みたい。いつかきっと…ですね(笑)」実家で飼っている愛犬のレオくん♪家族とアルバムアプリで画像を共有していて、しょっちゅう眺めています。お菓子代わりにドライフルーツを。小腹がすいた時用にいつも携帯。イチジクは美容にいいし、味も好き。カラーサングラスにハマっています!最近よくかけるのがピンク。肌なじみがよく、さらりとかけられますよ。おかざき・さえ1995年生まれ。2012年にミスセブンティーングランプリ獲得。現在はRay専属モデルを務める。ドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)など出演作多数。※『anan』2018年6月20日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年06月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「楽譜」です。僕は楽譜一切、読めません。小学校1年生のときにピアノを習ったことがあったんですけど、教えてくれていたのはおかんの知り合いの近所の女子大生で、3か月くらいたったころに就職活動をするから音楽教室やめますってやめられてしまった。楽譜読むとか読まないとかにたどり着く以前のレベルで終わってしまったんです。そこから別の教室に行くなどすればよかったのかもしれないんですけど、そういう機会もとくになく…。ただ、家にはアップライトピアノがあって音楽はずっと好きだったので、指1本で気に入ったメロディを弾いたりとかそういうことはしていました。で、中学生のときにニンテンドーDSの『大合奏!バンドブラザーズ』という作曲ができるゲームソフトと出合います。これで、譜面というのをまったく使わずに作曲ができるようになりました。それ以降もDTM(Desk Top Musicの略)でパソコンの作曲ソフトを駆使するようになり今に至るので、本当に譜面に触れることはないです。今、そういうミュージシャンの人も実は多いんじゃないでしょうか?とはいえ、楽譜を読めることに憧れはあります。音楽家ヒエラルキーでいったら読めるクラスタと読めないクラスタでは、絶対、読めないクラスタが低層に位置すると思うので。よくTV番組でミュージシャン同士がセッションとかしてるじゃないですか。そういうとき譜面台置いてますけど、そういうチャンス、僕まったくないですからね。コード譜ですらCとかDとか簡単なヤツはさすがにわかりますけど、「セブンス」とか「ディミニッシュ」とか言われるとまったくついていけません。以前、ラジオ番組でヒャダインさんと即興ソング対決したとき、ヒャダインさんが即興ながら複雑なコードを使って演奏してくれた一方で、僕、使えるコード4つだけでしたから。「逆にそれだけで勝負してんのすごいな」とヒャダインさんにも言われました。そんな僕でもスコアブックが売られているから驚きです。先日、広島に行ったとき、偶然楽器屋さんでみつけて。「感情のピクセル」のスコアだったんですけど、誰が起こしてくれたんでしょうか?ありがたいです。せっかくだから僕も弾けるようになりたいと、スコアブック買わせていただきました。この広い世界で自分の楽譜買うアーティストって、きっと僕くらいやと思います。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月20日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年06月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「サッカーと音楽」です。サッカーと音楽にはとても密接な関係があると思います。僕は、基本的にサッカーは観る専門。プレーはしないんですけど、欧州リーグをテレビ観戦したり、コナミの「ウイイレ」(※コナミのサッカーゲームシリーズ「ウイニングイレブン」の略称)で遊んだりと親しんでおります。この「ウイイレ」ひとつとっても音楽が重要な役割を果たしていると実感できます。なぜってこのゲームのBGM選曲がすっごくイケてるんです!ブルーノ・マーズやリンキン・パーク、ジョン・レジェンドなど実際のアーティストやバンドの楽曲をごそっと使っている。ロックやパンク、EDMなどアップビートな楽曲群がゲームの興奮をより高めてくれる。このゲームのサントラが人気だというのも納得の秀逸なセレクトです。これを聴くだけでも、サッカーファンは音楽に意識が高く、こだわりを持っている人が多いということがよくわかります。おしゃれです。あと、サッカーと音楽の関係を語る上で欠かせないのは「チャント」の存在ですよね。「チャント」っていうのは、それぞれのチームが持つ応援歌のことです。サポーターたちが「チャント」を歌うことで、選手たちを鼓舞したり、観客が一丸となったり、音楽の力でひとつになるわけです。有名なところだと、イングランドのプレミアリーグに所属するチーム、リバプールFCのサポーターたちによる「You’ll never walk alone」でしょうか。サポーターたちがアカペラで大合唱する声がスタジアム全体を包む映像を見たことがあって、鳥肌立つほどかっこよかったです。ちなみに僕が好きなチームは、同じくプレミアリーグに所属するチェルシー。ディディエ・ドログバという選手が好きでした(※2015年にチェルシーを退団。今シーズンはアメリカのフェニックス・ライジングFCに所属)。母国のコートジボワールでは大統領より力を持つ男と言われているすごいヤツです。ワールドカップももうすぐ開幕ですね。今回は、どんなドラマが生まれるのでしょうか。そして、そのとき一体、どんな音楽が流れているのでしょうね。僕、偶然にも名前が“体育”なんですよ。みなさん、知ってます?テレビ局各局のワールドカップテーマ曲とか、それ以外でもスポーツ関連の音楽とか、けっこういけると思うんですけど、業界関係者のみなさま、引き続きオファーお待ちしております。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年06月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「K-POP」です。これまで、その時どきで流行していた少女時代とかKARAの楽曲なんかは耳にしていましたが、きちんとK-POPを聴くことはありませんでした。ところが、去年のMステスーパーライブでBTS(防弾少年団)さんとご一緒してそのパフォーマンスに圧倒されたんです。それ以来、気になっていたところで見たのがNHKの『SONGS』での彼らの特集。なかでも「MIC Drop」にガツンと打ちのめされました。だって、なにあの曲!?ヤバすぎません!?なにがヤバいって、その歌詞(日本語訳)です。「俺らのコンサート空席皆無」とか「トロフィーでカバンパンパン」とか「もう光る光る俺の成功」とか、これ、王者にしか歌えないかなり強めのリリックです。アジアのトップに立つ彼らだからこそ歌える一曲。それが、かっこよすぎてえぐいくらいです…。この歌詞をメンバーたち自身で手がけているっていうのにも驚きました。『SONGS』で披露されたのは、番組だけのオリジナル・バージョンだったそうです。日本語バージョンもあるのに、あえて彼らの母国語である韓国語で歌いたいとこだわりや意義を持って歌っているというのもすごくいいですよね。そして、圧巻のパフォーマンス!ダンスも表情も、ひとつひとつが魅力的で、彼らのここまでに至る努力や強い信念、ストイックさを感じます。最後に、マイクを落とす演出もめっちゃ決まってた~。ひゃ~かっこいい~。今年の上半期でもっとも胸に刺さる一曲になりました。そもそも、韓国は自国だけだとどうしてもマーケットが小さい。だから、音楽や芸能活動をする上で常に日本をはじめとするアジア諸国や世界進出を意識して戦略を立てることになる。それで、日本でもK-POP人気は衰えずにずっと続いているんだと思います。でも、それはアーティストたちの努力や向上心があってこそ実現するもの。僕は、売れたものこそが正義だと思うので、国や国籍だけで良し悪しを判断するようなことはしたくないですね。日本語のネタ曲だけで日本のみでしかできない活動をしている、真逆のタイプのミュージシャンである僕でもそう思います。あ、でも、前述のMステでのライブを観た韓国の方々に僕のパフォーマンスが意外と好評だったらしいという噂を聞きました。BTSさん、僕と対バンやってくれへんかな?おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月30日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「カラオケ」です。カラオケ、好きです。最近は先輩ミュージシャンの方々と行く機会も増えました。以前、このコラムでも書きましたが関ジャニ∞の丸山さんや、あとは先日、SEKAI NO OWARIのFukaseさんともご一緒しました。Fukaseさんが「RAIN」を歌ってくれて。これ、ファン垂涎ものですよね。カラオケBOXの個室でですよ。すごい距離感です。「うわ、チケット代にしたらいくらなんやろ…」と少しゲスいことを考えてしまいました。僕も一応、自分の持ち曲を歌わせてもらったりもしますが、たいてい1番のみですね。1番歌ったら、演奏停止しちゃいます。もう、それが限界です。基本的に恥ずかしがり屋なので、人目を気にしてしまいます。何千人も前にしてライブやってんのに何言っとんねんと言われそうですが、やっぱりそこは別なんです。カラオケのときは、もう、あきらかにオフです。オフモードになっています。素の自分が出てしまいます。なので、人を楽しませようとか、場を盛り上げようという気にはまったくならないんです。でも、あえて場を盛り下げることや失礼なことはしたくないんで。それで、1番だけ歌います。そのあとはずっと手拍子してます。だから、もしカラオケに女の子たちと一緒に行くとしても、僕と同じタイプの子に共感してしまいますね。自ら1曲目入れる!とか、みんながよう知らんのにガンガン好きな曲ばかり入れるような子は、「あかん、この子とは性が合わない、生活は共にできない」と思ってしまいそうです。僕は、周囲から勧められても歌わないタイプの子が好きですね。恥ずかしそうにしている子がいいです。あとは、なんやろな、昔好きだったアニメの曲とか歌う子がいいです。しかも男の子向けのアニメの曲とか。そういうの歌われると、同じもの見ていたんやと親近感が湧きます。逆に、僕は女の子の前では洋楽の曲は歌わないようにしています。男友達とカラオケ行くとガンガン歌うんですけど…。なんか雑誌でそういうのを読んだんです。英語の歌を歌うと「そんな歌知らないし、何言ってるかわかんないし」って女の子がなるって。どうなんでしょう?僕の中では「20代女子のこんな男子はダメ!ランキング」の第2位くらいに入っている印象なんですけど、実際どうなんでしょうか。anan読者のみなさんに正直な意見を聞いてみたいところです。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん ~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年5月30日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月27日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ボーカリストの資質」です。僕は人前で歌うことが苦手です。ステージでお客さんを煽ったり、早口ラップしたりするのは好きなんですけど。歌を歌うということに関しては、そんなに正面切って向き合ったことはないですね。もともと、作曲家志望ですから、本音を言えば、もし誰かが歌ってくれるというなら歌ってほしいです。でも、インディーズの時代なんて頼める人がいませんでしたし、お金も払えません。仕方なく自分で歌い続けて今に至ります。ボーカリストとしての自分を客観的に判断すると0点だと思います。まだ音源はいいんです。ピッチだとか音程も修正できるし。しかし、ライブとなるとそうもいきません。ライブで歌うのが本当に苦手です。ずっと半音下がったままだとか、全然声が出てないままライブを終えることも多々あります。まあ、そんなこともあって口パクを始めたというのもあります。ここで、ちゃんとボイストレーニングしよ!とか、ちゃんと喉のケアしよ!とかならんところに、かなり逃げの姿勢を感じますね。それはさておき、口パクは便利です。僕は、ライブごとにネタ曲の歌詞やアレンジを変えています。それを思いつくのはたいてい、ライブの前日とか前々日くらいなんですね。そうすると、当日までに歌詞を覚えるのがだいぶムズい。それなら、歌詞見ながら録音しておいて、それをステージで口パクあてぶりすればええやんとなります。…はい、これボーカリストの発想じゃないですね。そもそも、ライブではなぜマイクを必ず持たないといけないのかとさえ思います。もうみんなマイク持たなかったらええのに…。必要ない人は必要ないでいいんじゃないでしょうか。みなさんそれぞれのパフォーマンスがちゃんと成立していればそれでいいのではないですか?違います?その一方で、シンガーへの憧れもこっそり持っています。歌がうまいというのは才能であり、個性です。自分が思った音程をすっと出せる能力は、“足が速い”とかと同じだと思います。足が速い人は、基本、頭を使って理屈で考えて走ってないでしょう?もっとフィジカルなもの。歌も同じだと思います。知識や練習である程度はうまくなれるけど、それだけじゃ本物の歌手にはなれない。なので、下手は下手なりにいろいろテクニックを使ってがんばっているんです。いつか、一人でさいたまスーパーアリーナを埋めるボーカリストになるためにがんばります!おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。タイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』の新ED曲、「ジャリボーイ・ジャリガール」も配信中。※『anan』2018年5月23日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「シングルリリース」です。すべてのミュージシャンがそのときイチ押しの楽曲をシングルCDでリリースしていると、みなさん思っていませんか?実は、そんなことないんです。僕はシングルは出しません。アニメの主題歌などを手がけて、そのアニメの視聴者に向けて出させてもらうとかそういう特別な状況でない限り、シングルはやらないですね。自主的に出そうとは思いません。だって、売れませんから。そもそも、シングルって1000円くらいするじゃないですか。2曲くらいしか入ってなくて。でも、アルバムは10曲前後入っていて2000~3000円で買えます。絶対そっちのほうが得じゃないですか!あと大抵、シングルの曲ってバージョン違いとか、新アレンジとかしてアルバムに入れるじゃないですか。だったらアルバムだけでいいじゃないですか!自分がそう思ってしまうので、僕は僕が必要としないシングルを作ろうとは思わないんです。では、もしシングル曲になりそうな引きの強いええ楽曲ができたときはどうするのか。そのとき、僕は「これをシングルカットしてリリースしよう!」と思う代わりに、「この曲でMV(ミュージック・ビデオ)を制作してYouTubeにアップしてみんなに観てもらおう!」と思います。もともと、僕はネタ重視のインパクトに賭けた楽曲を手がけるタイプのミュージシャンです。だから、みなさんに1~2回観てもらって、聴いてもらって、笑ってもらえたらそれで満足なんです。そこからさらに岡崎体育のこと掘り下げたいと思った人がアルバムを手に取ってくれる。そこには、何度も繰り返して聴きたくなるような味わい深いスルメ曲を数曲用意しています。僕の入り口となる面白い瞬発力のある曲を思いついたら、それでMVを作る、さらにその曲を軸にしたアルバムを制作する。これが、僕の音楽活動の基本です。でも、まあこれはすべてのミュージシャンに“こうせえ!”と言えることではまったくないです。シングルをバンバン出して売れていれば、それならそれでええし。どのやり方が正しいというものではないと思います。こんな感じですから、たまに「MUSIC VIDEO」でデビューした岡崎体育さんとかメディアに書かれますけど、それ違いますから。『BASIN TECHNO』という8曲入りアルバムでデビューしております。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。タイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』の新ED曲、「ジャリボーイ・ジャリガール」も配信中。※『anan』2018年5月16日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「シティ・ポップ」です。…はあ、なかなかしんどいお題がやってきました。ぶっちゃけ僕は確実に今のシティ・ポップ界隈から嫌われていますからね…。だって、やってること真逆でしょう?僕が大事にしているのはキッズたちですからね。僕の音楽、キッズたちに届けと思っていますから…。シティ・ポップは、やはり洗練された大人のための音楽ですよね。音楽性もファッションやスタイルもどれも研ぎ澄まされていて水準がむっちゃ高い。僕がどうこう言うと、ネットがまた炎上してしまいそうです…。さらに言うとくと、母親がシティ・ポップ系のメロウな音楽がめちゃくちゃ好きなんです。いつも隣の部屋から、NulbarichやD.A.N.が流れてきます。時には僕の部屋にやってきて「この音楽いけてるからYouTubeで検索してみ?」とかめちゃくちゃ言ってきます。「もう、俺、知ってるから!」と言っても聞いてくれません。お母さん、もともと渋谷系とか好きで聴いていた感じなので。シュッとした音楽が好きなんですよね。息子は全然、シュッとしてないんですけど。きっと、息子にもシュッとしたやつ、やってほしかったんやろな。ファッションの流行と同じで音楽にも流行があって、それが繰り返されています。シティ・ポップという言葉自体は’70年代に生まれた、はっぴいえんどや大瀧詠一さんに代表されるポップ・ミュージックのこと。それに連綿と続く、新しいミュージシャンたちによるシティ・ポップが今、注目されているものです。ルーツに’70年代のシティ・ポップやブラックミュージック、そしてクラブカルチャーがあって、都会的な匂いと聴き心地いいサウンドが、ライトなリスナーからディープな音楽通までを魅了しているんやと思います。少し前までは、どこもかしこも四つ打ちのダンスロックばかりで、そのちょっと前はゴリゴリのバンドサウンド全開の青春パンクが全盛。そのカウンターとして登場したのがシティ・ポップなんやと思います。音楽の流行は、常に移り変わっているんです。次は何がくるんでしょうね?そろそろ、また新しい時代に突入しそうな予感です。とはいえ、今のミュージシャンたちはヒップホップもロックもソウルもなんでも取り込んでる総ミクスチャー時代です。そろそろジャンルで語るのはナンセンスになるのかも。そもそも僕自身、カテゴリー謎ですしね。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』が発売されたばかり。TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』の新ED曲、「ジャリボーイ・ジャリガール」配信中。※『anan』2018年5月2・9日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月29日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「いい曲の見つけ方」です。新しい曲を探したいとき、みなさんはどうしてますか?僕はやっぱりサブスク系のストリーミングサービスを聴いたり、YouTubeの急上昇音楽ランキングをつい見たりしてしまいますね。そういう感じで、今の時代は家にいながらお金もほとんど使わずに全世界の音楽に触れられる。すごく音楽をディグ(探)しやすい環境になってる。でも、だからこそ逆に音楽というものの貴重さや価値が薄まっているんじゃないかなとも思います。今のティーンの子らはCD一枚も持ってないとか普通にあるそうです。僕らは、きっと、ラックにずらっとCDアルバムが並んでいるのがかっこいいって感じる最後の世代なんじゃないかと思います。昔はレコ屋行って、こんなんあるんやってジャケだけ見て判断して買うなんてことも当たり前でしたから。全部が全部、試聴機に入っていてお試し聴きできるわけじゃなかった。だから、少ないおこづかいで思い切って自分のセンス信じて買ったのに、ジャケットかっこいいけど内容クソださくて落ち込むなんてことよくあったんです。でも、それってすごくいい音楽体験だと思うんです。いい曲に出合いたいと思っている今の子たちにこそ、そういうことしてみてほしいです。情報の詰まったスマホの電源を今すぐ切って、4万円下ろしてみる。そんで、最寄りのレコ屋に駆け込んで、その手にある4万円で好きなCDをその場の勢いで選んで買ってみてほしい。そうすると、多分6000円分くらいは成功する。1割5分は、なんか気になる音楽に当たる。衝撃的なものに出合えるはずなんです。そうやって得た音楽体験って、価値のあるものだと思いませんか?さっき僕、急上昇音楽ランキングとか見ていると言いましたけど、そういうのも正直あかんと思うんです。人が作ったランキングとかまとめとかで自分が聴く音楽を決めてはいけない。やっぱり自分の耳で聴いて、これで自分が聴く音楽を決めてはいけない。やっぱり自分の耳で聴いて、これ好きだなとか、これは好きじゃないとか体感して見つけるべきなんです。人やネットのオススメばかりを情報源にしていると、本当に自分に合っている音楽っていうのがわからないままなんです。わけわからん知らんジャンルのものも試しに聴いてみる。そうやって、自分の体質はどんな音楽なら合うのかを知っていく。実体験で作り上げることが、本当に自分にとっていい曲に出合ういちばんの近道だと、僕は思います。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』を発売。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「即興ソング」です。即興ソングとは、その場の発想で作る曲のこと。僕はライブでよくやっています。お客さんからランダムに好きな単語を3つもらって、それを組み合わせて1曲の中に入れて歌う。デビュー前からやっていて、こんなんできるの俺くらいやでと思っていたら、aikoさんやラッパーのR‐指定くんはお題7つもらってやっているとか最近、聞いて。俺あかんやんけ、半分以下やんけとショックを受けました。…でも、僕が重きを置いているのはお題の数じゃないんです!僕が大事にしているのは、3つ目のワードでちゃんとオチをつけること。このクオリティに関しては、各方面から高い評価を頂いております。即興ソングを上手に作れるようになるコツは、なんでしょうね。日頃から上辺だけで話す練習をするといいかもしれません。僕は、学生時代から興味ない相手だとか苦手な人と話すときはこの手法を採用していました。口では「え?そんなんして大丈夫やったんですか?」とか絶妙なあいづち返しているんですけど、頭の半分では「それ、俺に話すほどのことでもないやんけ」とか、ツッコミを入れているんです。ツッコミ入れるほどでもないレベルの会話のときには、まったく別のことを考えていることもあります。「今夜、何食べようかな」とか「明日のライブのネタどうしよ」とか。だから、ライブのMCしているときもお客さんと話しながら、頭の上半分ではまったく別のこと考えています。一度、お題で「剣道」と「抗生物質」って言葉がでたことがあったんです。そのときも口では「抗生物質って何?菌殺すやつ?」とかお客さんとおしゃべりをしているんですけど、頭の中では、「物質」って「部室」って言い換えられるな、そうすると「剣道」とリンクできるな…とか同時進行で考えているんです。即興ソングは僕にとってボケ防止。お客さんにお題を頂いて、脳トレさせてもらっているようなものです。うまくオチがハマらなくて失敗することもたまにあります。このあいだのツアーでも、実は5本中2本も外してた。難しいのは固有名詞ですね。この前も「細川たかし」さんって出てきて、これはムズかった。メロディに関しては何も考えてないです。それこそ前奏弾いて、その場で降りてくるもの。ミュージシャンってそういうものでしょ…って、最後のこのコメント、かっこよくない?おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』を発売。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月11日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月07日