ペディキュアをしていなければ、自分の足の爪をじっくり見る機会はあまりないかもしれません。しかし、爪に黒い縦筋が入っていたら、メラノーマの可能性を疑う必要があります。メラノーマは皮膚がんの一種で、人体のあらゆる場所にあらわれます。発症してからの進行が早く、転移しやすい病気です。爪にできるメラノーマと、間違えやすいそのほかの症状との見分け方を紹介します。爪メラノーマができる場所と見分け方爪にできるタイプのメラノーマの多くは、足の親指にあらわれます。ほかの指の爪や、手の爪にもできるケースがあります。間違えやすい爪の内出血(爪下出血)と比較してみましょう。●爪下出血・なにかに手や足をぶつけた、登山などつま先に負担がかかる運動をした・色は黒、黒に近い焦げ茶・シミか点、筋のような形・爪が伸びると上に移動して消えていく●爪メラノーマ・突然あらわれる・色は黒。爪のまわりの皮膚が黒ずんでいることもある・はじめは細い直線の筋。幅が広がったり、伸びたりする。最後は爪全体が黒くなる・黒い筋は移動しない・爪の形が変形する・全身に倦怠感や食欲不振、微熱、体重減少などが生じる 見分けるための一番のポイントとは黒い筋が移動するかどうか。これが見分けるための一番のポイントです。日本国内でメラノーマを発症する人は、年間で1,500~2,000人といわれています。患者数は多くはありません。ほとんどの爪の異常は、爪下出血やホルモンバランスの異常、便秘でもおこります。自分でメラノーマか判断するのは難しいかもしれないので、皮膚科で診察を受けると安心です。転移しやすい! 死亡率が高いメラノーマ爪にできた筋がメラノーマだった場合、病院では悪性か調べるために患部の皮膚組織の生研をおこないます。悪性と判断されると、CT検査やMRI撮影、レントゲン検査をして転移しているか調べます。メラノーマの進行度は、症状が軽い(早期)順から0期~IV期のステージに分かれています。転移がみられるIV期患者の5年生存率は10%と非常に低いことから、転移しやすいメラノーマはがんの中でも危険な病気といえるでしょう。I期でメラノーマが見つかったとしても、進行を防ぐために患部がある指を切断する可能性がありますが、5年生存率はほぼ100%に。メラノーマはいかに早く治療を開始するかが重要なのです。爪メラノーマは、早く治療すれば生存率が格段にあがります。「この黒い筋はメラノーマでは?」と思ったら、悩む前にすぐ皮膚科へ行きましょう。
2016年05月09日米Appleは10月15日(現地時間)、「ResearchKit」を用いたプログラムを通じて、自閉症、てんかん、メラノーマの研究が始まったことを発表した。ResearchKitは、医学・医療研究用のiPhoneアプリを開発するためのオープンソース・ソフトウエアフレームワークである。医学・医療研究の進歩は研究データの量が多いほど加速する。Appleは人々が身近なiPhoneを使って、プライバシーを保護しながら安全にデータを提供できる環境を整えることで、より多くの人たちから頻繁に健康状態や症状、活動状況などのデータを収集できるようにした。すでにパーキンソン病、ぜんそく、乳がん、心臓血管疾患、糖尿病などの研究にResearchKitが活用されており、Appleによると100,000人以上がプログラムに参加してデータを提供している。自閉症研究は、デューク大学のDuke Medicineが「Autism & Beyond」というアプリを開発した。子供たちにiPhoneでビデオを見せて、その反応を前面カメラで記録し、独自のアルゴリズムで発達障害の可能性を検出する。てんかんには、ジョンズホプキンス大学が「EpiWatch」という医療アプリを開発した。これはApple Watchアプリを用いる。発作の兆候を感じた時に、コンプリケーションからワンタッチでEpiWatchを起動し、加速度センサーと心拍センサーでデータを記録、近親者にアラートを送信する。発作が治まるまでアプリはデータの記録を続ける。アプリはまた、薬の使用のトラッキングや副作用のスクリーニングといった管理もサポートする。メラノーマについては、オレゴン健康科学大学がiPhoneで撮影したデジタルイメージから痣の大きさの変化とメラノーマのリスクの関係を調査し、早期の対処に役立てる。 研究参加者は痣の変化のデータを自身の医師とも直接共有して、治療に役立てることが可能。
2015年10月16日東京大学(東大)は5月28日、悪性度の極めて高い小細胞肺がんを移植したマウスに、がん細胞にのみ結合する抗体「90Y標識抗ROBO1抗体」を投与したところ、腫瘤が著明に縮小することを確認したと発表した。同成果は、東大医学部附属病院 放射線科/東大大学院 医学系研究科核医学分野 准教授の百瀬敏光氏、東大医学部附属病院 放射線科 特任助教/東大大学院 医学系研究科核医学分野 博士課程学生(当時)の藤原健太郎氏、東大先端科学技術研究センター 計量生物医学 教授の 浜窪隆雄氏、東大先端科学技術研究センター システム生物医学 特任教授の児玉龍彦氏らによるもの。詳細は「PLOS ONE」に掲載された。肺がんは、がんの中で最も罹患率・死亡率が高く、その内、成長が早く、転移しやすい小細胞肺がんが約15%を占めているが、身体の他の部位までがんが広がってしまっている段階の進展型小細胞肺がんは、悪性度が高く、有効や治療法が確立されていない。今回、研究グループは、放射性同位元素で標識した「がん細胞にのみ結合する抗体(90Y標識抗ROBO1抗体)」を開発し、実際に、小細胞肺がんを移植したマウスに投与したところ、がん細胞を殺傷し、腫瘤を縮小させる効果があることを確認したという。また、こうした抗体を投与して、がんに集積させることで、小細胞肺がんを移植したマウスの体内から放射線治療をする「放射免疫療法」が、進展型小細胞肺がんの根治や余命の改善に向けた治療法の確立につながることが期待できるとしており、今後は、同薬剤の治療効果と副作用に関する詳細な評価に加え、治療効果や副作用のさらなる改善を目指して、化学治療との併用治療や、別の治療用放射性同位元素の導入、抗体の小分子化などを検討していくとするほか、抗体の体内動態を可視化することで、SPECT/PETイメージング用診断薬の開発にもつなげたいとしている。
2015年06月01日カシオ計算機は5月28日、皮膚の癌(悪性黒色腫・基底細胞癌・有棘細胞癌など)と、癌以外を区別するための知見などを効率的に学べる医師向けのクラウドサービス「CMDS(CASIO Medical Data Support)」を発表した。日本の皮膚科医・形成外科医などを対象とした無料トライアルサービスを6月1日から開始する。皮膚の腫瘍やホクロなど色素病変部をダーモスコープと呼ばれる拡大鏡で観察し、皮膚の癌を判定する検査を「ダーモスコピー検査」と呼ぶ。この検査は2006年以降急速に普及したが、撮影画像をもとにした診断技術の習得には長期間の経験が必要とされている。CMDSでは、カシオ計算機の画像処理技術と、田中勝教授(東京女子医科大学 東医療センター)、佐藤俊次院長(さとう皮膚科)両氏の知見に基づいた構造明瞭変換技術・血管強調変換技術によって、ダーモスコピー検査で撮影した画像を、病変の各種構造や血管の分布状況を顕在化させた画像に変換できる。6月1日から提供される無料トライアルサービスでは、おもに4つの機能を使用できる。1つめは「構造明瞭化画像の生成」だ。検査で撮影した画像に最適化されたHDR(ハイダイナミックレンジ)変換技術を用いて、悪性黒色腫などのメラノサイト病変であれば「かたち」を表す5つの構造(色素ネットワーク、色素小点・色素小球、色素線条、均一色素沈着、平行パターン)を明瞭化する。2つめは「血管強調画像・血管蛍光色画像の生成」で、血管を強調した画像と、血管を蛍光色で示した画像を生成する。3つめはダーモスコピー検査を効率的に学べる「診断トレーニングフォーム」、最後は代表的な病変を約300症例収録した「症例データベース」。今後は、皮膚科医や形成外科医、皮膚病変を診断する小児科医、内科医などを対象とした有料サービスの展開を目指しているという。
2015年05月29日国立がん研究センターは1月20日、肺がんの悪性化に関る新たな分子メカニズムを解明したと発表した。同成果は、同センター難治進行がん研究分野の江成政人 ユニット長らの研究グループによるもので、米国科学アカデミー紀要に掲載された。同研究では新たに、肺がん細胞から分泌される因子によってがん周辺間質の主要な細胞である線維芽細胞のがん抑制因子p53の発現が抑制されることを発見。p53の発現が低下した線維芽細胞では、TSPAN12というタンパク質が増加し、線維芽細胞とがん細胞との細胞間接触依存的に肺がん細胞の浸潤能および増殖能を促進していることが判明した。さらに、TSPAN12は分泌性因子であるCXCL6の発現を誘導し、これら線維芽細胞由来の分泌性因子も肺がん進展に協調的に働くことも明らかとなった。今後、TSPAN12およびCXCL6はがん周辺の間質の有用な治療標的となり得ると考えられ、これらのタンパク質に対する抗体、ペプチド、低分子化合物などが、既存の抗がん剤との併用で治療効果をもたらすことが期待される。
2015年01月20日(画像はイメージです)子供時代に水疱を伴う日焼けがメラノーマのリスクを80%上昇多くの女性は、シミの予防や美白のため日焼けをしないように心がけていると思います。また、日焼けは美容だけでなく健康にも影響を及ぼします。かねてより皮膚癌のリスクもあるといわれており、アメリカの研究によると子供時代の日焼けがリスクであるとの報告がありました。研究内容研究では108,916人の看護師を登録し、20年間の観察を行いました。家族で皮膚癌を発症しているかどうか、子供の頃の日焼け度、日光量、日焼けサロンの利用、喫煙、飲酒、BMIを因子として、皮膚癌の発症率を検討。約100人に一人の割合で皮膚癌が発生しましたが、家族歴以外の個人に関する因子を検討したところ、日光量と子供の頃の日焼け度だけがリスクを有意に増やしていることが分かりました。研究からの提言具体的には日光量の多い地域と少ない地域を分けて検討していますが、日光量は大人になっても日焼け止めや日光を避けることにより予防できます。子供の頃の日焼けは今更どうにもなりませんが、自分の子供たちには水疱ができるほどの日焼けは予防すること。日光量が不足するとビタミン合成力が落ちるので、日光量を不足にも気をつける必要があります。あくまでも、水疱ができるほどの日焼けに気をつけることが大切です。【参考】アメリカ癌学会ニュースリリース・
2014年06月05日