原発事故後、各地で自ら放射能汚染の実態を測定しようというグループが立ち上がった。自分たちの身を守るための記録が今や貴重なものに。現在の数値からも、汚染の意外な姿が見えてきた――。「福島第一原発事故のあと、国が詳細な土壌汚染調査をするだろうと思っていたんですが……。国がやらないなら、自分たちで測るしかない。そう思って土壌の測定を始めたんです。その結果を一冊にまとめたのが、この本です」そう話すのは、「みんなのデータサイト」(以下、データサイト)事務局長の小山貴弓さん(54)。クラウドファンディングで集めた約600万円を元手に、’18年11月に『図説17都県放射能測定マップ+読み解き集』(みんなのデータサイト出版刊・以下、『放射能測定マップ』)を出版。わずか2カ月で、1万1,000部を発行して話題になっている。データサイトは、福島第一原発事故後に各地にできた市民放射能測定所がつながった市民グループ。’19年1月末時点で31の測定所が参加している。震災後、被ばくのリスクを減らそうと、各地域で測定した食品や環境中の放射性物質のデータを精査し、共有。’13年9月、ネット上に「みんなのデータサイト」をオープンし、情報を公開してきた。「食品に関していうと、最初、葉物野菜などに付いていた放射性物質は、時間がたつと雨に流され土に落ちてきます。今度は土から作物が吸収することになるので、土を測らないと結局は食品汚染の実態もわからない。だから、土も測っておくことが重要だという意識が芽生えていったんです」そうして’14年10月「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」が始まった。原発事故後、国が放射能の測定対象地域として指定した東日本の17都県(青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、山梨県、長野県、新潟県、千葉県、東京都、神奈川県、静岡県)で、3,400カ所の土壌を採取・測定し、マップ化。のべ4,000人の市民が、土壌採取に協力している。「放射性物質が集まるホットスポットは避け、かつ除染されていない土を採る必要があるので、適切な場所を探すのが大変でした」採取した土は、測定のあと、採った場所に返すのが原則。「手間がかかっている分、3,400カ所一つひとつに、採取した人の思いがこもっています」測定精度を保つ努力も重ねた。「どの測定所でも正確な数値を出すために、共通の検体を用意して、各測定所で同じ測定結果が出るか確認しながら進めました」本にまとめようという話が持ち上がったのは、各地の測定データがたまってきた’17年ごろ。「それまでデータサイトでは、数値の意味は語らず、見た人たちに判断を委ねてきました。汚染があるとわかっても避難できない人が多いので、私たちはひとつの解釈を示すことで、そういう方たちを、苦しい立場に追い込むのではないかと、心配したからです」そこで、今回の本にも「危ない」とか「大丈夫」とかいう主観的な言葉は使わずに、数値が語る事実を、客観的にまとめることに努めた。「とくに“汚染”という言葉を使うかどうかで議論になりました。メンバーから、『住んでいる場所が汚染されている』と言うと傷つく人もいるんじゃないかという意見が出たんです。それに、メンバーの中には、東北で農業をしながら測定をしている人も何人かいて。土壌汚染を言うと、農産物が売れなくなる、と……」一方で、農家にはきちんと測って、汚染されていないものを消費者に提供したいという強い思いもあった。「農家さんは板挟みですよね。汚染という言葉を使わないと、的確に伝えられない。だから、農家さんの苦悩も、きちんと本の中で伝えようということになりました」地点の採取データを地図に落とし込んでいくと、驚くべき事実も見えてきた。「原発事故前から原子炉等規制法によって、100ベクレル/kgを超える放射性物質は、ドラム缶に封入して厳重に管理されていました。でも、測定の結果、北関東や東京、千葉などの土壌でも100ベクレル/kgを超える値があちこちで見つかったんです」原発事故から8年目の「17都県最新放射能測定マップ」は次のとおり(各地点で測定した土壌のセシウム134+セシウム137の数値を、減衰補正により2019年1月に換算して表した)。■青森県の土壌汚染:最高値14.9Bq/kg、中央値3.59Bq/kg■岩手県の土壌汚染:最高値3,030Bq/kg、中央値103Bq/kg■秋田県の土壌汚染:最高値180Bq/kg、中央値8.49Bq/kg■宮城県の土壌汚染:最高値20,493Bq/kg、中央値249Bq/kg■山形県の土壌汚染:最高値787Bq/kg、中央値44.2Bq/kg■福島県の土壌汚染:最高値112,759Bq/kg、中央値1,291Bq/kg■茨城県の土壌汚染:最高値4,219Bq/kg、中央値257Bq/kg■栃木県の土壌汚染:最高値20,440Bq/kg、中央値335Bq/kg■群馬県の土壌汚染:最高値2,490Bq/kg、中央値315Bq/kg■埼玉県の土壌汚染:最高値1,153Bq/kg、中央値82.7Bq/kg■山梨県の土壌汚染:最高値398Bq/kg、中央値16.2Bq/kg■長野県の土壌汚染:最高値1,038Bq/kg、中央値3.92Bq/kg■新潟県の土壌汚染:最高値397Bq/kg、中央値8.48Bq/kg■千葉県の土壌汚染:最高値4,437Bq/kg、中央値339Bq/kg■東京都の土壌汚染:最高値1,663Bq/kg、中央値65.3Bq/kg■神奈川県の土壌汚染:最高値433Bq/kg、中央値46.5Bq/kg■静岡県の土壌汚染:最高値515Bq/kg、中央値12.6Bq/kg各県ごとの汚染の最高値と中央値で、17都県中、最高値で千葉県が4位で東京都は8位。2020年には東京五輪が開かれる。千葉もいくつか競技会場になっているが、この汚染状況で大丈夫なのか……。原発事故後、放射性物質汚染対処特別措置法により、事故で汚染された汚染土に関しては、8,000ベクレル/kg以下は一般の廃棄物と同様に処分してよいことに。また、コンクリートやアスファルトなどに混ぜて、再処理する計画も進んでおり、小山さんは危惧している。土壌採取を進めている間は、「風評被害を助長する」と、Twitterなどで批判されることもあったという小山さん。しかし、本が出版されたとたん、1日で250冊以上の注文が入った日もある。「内心気にしておられる方が多いのでしょう。本当のことを知るのは怖いかもしれない。でも、知らないことはもっと怖い。汚染を知れば身を守ることもできますから。同じ過ちを繰り返さないためにも、事実を後世に残すことが私たちの務めだと思っています」
2019年02月08日「原発が爆発して、普通に呼吸していいのか地元の野菜や魚を口にしていいのか、わからない状況なのに、誰も放射能の話をしたがらない。福島に来て、放射能を測ってくれる専門家もいない。もう、自分たちで測らないと、殺されると思いました。子どもを守るためには、それしかないと」 7年前の東日本大震災当時の思いについて、そう語るのは、認定NPO法人「いわき放射能市民測定室たらちね」(以下、たらちね)と「たらちねクリニック」を立ち上げた鈴木薫さん(52)。 たらちねは、福島第一原発から約50キロの福島県いわき市小名浜にある。スタッフは、クリニックの院長をのぞいて、すべて女性。多くが母親で、鈴木さん自身も2児の母だ。3.11後、各地に市民放射能測定室が立ち上がった。たらちねは、その中でも放射線の専門家や医師たちから一目置かれる存在だ。 というのも、最先端の放射能測定器を、日本で初めて導入。大学などの研究機関でも測定が難しいベータ線を発する放射性ストロンチウムやトリチウムという放射能を、母親たちでも簡単に測定できるようにしたからだ。ストロンチウムは、体内に入ると骨に取り込まれてがんの原因に。トリチウムは、低濃度でも、染色体異常を引き起こす一因になる危険性が指摘されている。 原発事故が起きた’11年の10月。鈴木さんは地域の母親らと共に、たらちねをオープンした。冒頭のように危機を訴える鈴木さんの姿を見て、食品の放射能測定器を寄付した人がいたのがきっかけだった。 「その測定器は比較的、測定が簡単なガンマ線を発する放射性セシウムを測る器機でした。事故当初、国の放射性セシウムの規制値は、食品1kgあたり500ベクレル(※)。それ以下の値なら、流通していました。でも、ここに測定に来る、子や孫がいる人たちは『5ベクレルでも、食べさせない』と言います。だから、たらちねでは限りなく低い値まで測定する努力をしてきました」(鈴木さん) 食べ物以外にも、掃除機のゴミや靴底の汚れといった日常生活で汚染が考えられるものや、いわき市内の小中学校の校庭の土も測定し続けている。お母さんスタッフたちは、「子どもの未来のため」と思い、妥協を許さない。測定室を開設して2年ほどたった’13年、専門機関でも測定が難しいベータ線測定をすべく準備を始めたのだ。鈴木さんは、講演会や、インターネットの動画などで、測定の必要性を広く訴えた。 「ベータ線を発するストロンチウムやトリチウムの測定には手間もお金もかかるので、国でも、決まったものしか測定していません。検査機関にベータ線の測定をお願いすると、かぼちゃ1個を測るのも20万円かかる。だからこそ、自分たちで、簡単に、安価に測れる体制をつくる必要があったのです。すべては子どもの未来を守るため、の一心です」(鈴木さん) その純粋な思いは、多くの人の心をつかみ全国から寄付が集まった。数千万円を超える国内外からの寄付で、たらちねは、最先端のベータ線測定器を、日本で初めて導入した。’14年12月、「ベータ線ラボ」を開設。だが、問題はここからだった。サポーターで元・日本原子力研究所の天野光・工学博士はこう語る。 「ベータ線の測定は、標準的な方法で行うと、皮膚に付着したら骨まで浸透するほど危険な試薬を使わなくてはならないこともあります。しかも、時間がかかる。お母さんスタッフが測るなら、もっと安全で簡単な方法にする必要がありました」(天野氏) 鈴木さんたちは、天野氏らの助言を得ながら試行錯誤を重ねた。そしてついに、国が定める方法より安全で、測定に要する日数も、3週間から1週間へと短縮化することに成功。公的機関に依頼すれば1検体20万円かかる測定費も、たらちねでは、個人の依頼なら1,000~3,000円に抑えた。市民からは、続々と野菜や魚、水や土などの検体が送られてきた。 「ここまで先進的な測定ができるようになったのは、お母さんスタッフたちが、子どもを守りたい一心で努力を重ねたからです」(天野氏) ※政府は原発事故後、野菜や肉、穀物などの放射能規制値を、食品1kgあたり500ベクレルと設定。1年後の’12年4月から、食品1kgあたり100ベクレルに引き下げた(水や牛乳などは別途設定)。
2018年03月09日有機食材宅配で知られる大地を守る会では、放射能問題の専門家を招いて、消費者のための放射能連続講座を開催中。次回の講座は7月21日に開かれる。この講座は、昨年3月12日に発生した東京電力福島第一原発の事故以降、いまだに続く放射能問題に対する消費者の不安を、少しでも解消するために企画されたもの。これまで合計231名(第1回122名、第2回109名)が参加するなど、高い関心を集めている。消費者の関心の高い6つのテーマを設定し、汚染の実態と今後の予測、海の汚染状況、低線量内部被ばくの問題など、それぞれの専門家が講演を行う。7月21の第3回は「測定を市民のために~陰膳法から学ぶ~」がテーマ。各地の自治体で取り組みの始まっている「給食まるごとセシウム検査」など、放射能測定機器を私たちの生活にどう生かすべきかを学ぶ。参加希望の人は「大地を守る会公式ホームページ」より申し込みを。【第3回イベント概要】 ■タイトル:「測定を市民のために~陰膳法から学ぶ~」 ■講師:早野龍五氏(東京大学大学院理学系研究科教授) ■コーディネーター:津田大介氏(ジャーナリスト/メディア・アクティビスト) ■日時:7月21日13:30~16:00 ■場所:千代田区立日比谷図書文化館 ■参加費:大地を守る会の宅配会員・ウェブストアユーザーは無料。非会員は500円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月13日6月29日、福島県農林水産部主催の「第2回今の福島を見に行くモニターツアー」が開催された。これは、現在も原発事故の影響が長引く中、福島の「今」や放射能への取り組みを伝えるとともに、参加者の率直な意見を聞くことで今後の県農林水産業、観光の再生に向けた参考にしたいというもの。参加費用は無料。当日はネットやチラシを見て応募した24名が参加し、さくらんぼの観光農園や福島市内にある放射能のモニタリングなどを巡った。忘れもしない、2011年3月11日の未曾有の大地震、そして福島第一原子力発電所の事故。これに大打撃を被った福島の農産業と観光はいまだ、実害と風評被害の双方にさいなまれている。放射線量が基準値以下の地域さえも訪問を敬遠され、安全が確かめられたはずの農作物さえ売り上げが激減。その状況はいまも続いているという。一方で「心配する他県の人の気持ちもわかる。無理をして来てほしい、食べてほしいとは私たちには言えない」という地元の人も多いようだ。そこで同県では、県産農産物や関連した観光に関する情報を発信する「ふくしま新発売。」プロジェクトを立ち上げた。農林水産物モニタリング検査結果などの情報を逐一公開し、理解を求めるなどの活動を行なっている。今回のモニターツアーは、そのPRの一環として行われた。観光スポットを楽しみながら巡る中で、行政の取り組みと、各施設それぞれの民間の取り組みを知ってもらうのが狙いだ。東京駅前を出発したバスは途中、那須、安達太良山など、北関東から福島へかけての美しい眺めを堪能しながら東北道を一路、福島市へ。最初に訪れたのは観光農園の「みちのく観光果樹園」。フルーツ王国福島では、6月はさくらんぼの最盛期ということで、さくらんぼ狩りを楽しむことからツアーはスタートした。出迎えてくれたのは、福島市観光農園協会会長でもある同園の片平新一氏。まずは福島市の農家による、震災後の取り組みについての説明が行われた。「皆さんも福島の農産物に不安を持っていらっしゃると思いますし、私たちも厳しい状況が続く中、楽観視はしておりません。当果樹園では、樹木はすべて高圧洗浄で除染をしました。もちろん、放射能のチェックは欠かせません。時間はかかりますが元の福島に戻したい」と片平さん。観光客が減り、デパートなどへの出荷もままならない状況が続いているが、それでも丹念に育てられた果実は変わらずに、美しくたわわに実った。今年は”成り”は少ないが、大粒で糖度の高いさくらんぼが育ったとのこと。食べてみると、プチっとした歯ごたえの後、甘みを含んだ水分が口いっぱいに広がり、参加者も笑顔に。おみやげとして、さくらんぼ1パックが振る舞われた。さくらんぼのシーズンが終わると、今度は桃が甘い香りを漂わす。次に一行は昼食をとるために、福島市の南西部に位置する約8ヘクタールの農村公園「四季の里」の中にある「憩いの館いなか亭」へ。食材の多くを地元産にこだわった人気の食事所だ。厳密にチェックされた安全性がたしかなものだけを仕入れなくてはいけないため、欲しい食材が入手困難な場合もあるという。しかし同店では、最大限の努力により、風味のよい手打ちそばなどを提供している。この日は、手打ちそば、天ぷら、ナスの素揚げ小鉢、漬物、豆腐と大葉の小鉢、炊き込みご飯、果物がセットになった「いなか亭もりそばセット」が提供された。そばはツルッとのどごしがよく、豆腐はしょうゆをかけずともいただけるほどに味わい深い。ナスの素揚げにかかったゆずみそがさらに食欲を誘った。食後はしばし、緑の芝生広がる園内でゆったり。施設内にある放射線のモニタリングポストも見ることができた。そしてバスは「吾妻の駅ここら」にあるJAの放射能検査施設「庭塚モニタリングセンター」に移動。ここでは県の放射能への取り組みや、ホームページで随時行われている情報公開について、きめ細やかな説明を受けた。今年の4月1日からは食品に関する放射性物質の新たな基準値が施工され、一般食品は1kgあたり100Bqという、より厳格な数値になったという。説明を受けた後は検査室を訪れ、実際にモニタリングの機械を見学。この機械は粉砕した野菜を入れて検査するというもので、福島市内には150~160台があり、農家より持ち込まれた野菜をチェックしているという。参加者からは「検査の様子を実際に見ることで、いかに丁寧にチェックしているかわかって安心した」という声が多く挙がっていた。旅の最後は日ごろの疲れを癒やすべく、吾妻山に抱かれた東北を代表する名湯、高湯温泉の共同浴場「あったか湯」の露天風呂へ。ここも災害時にはわきだす湯に砂がまじるなどの直接的な被害にあうとともに、避難する人の立ち寄り所としても活用されたという。その後、観光客が激減するなどの風評被害にもあったが、常にホームページで放射線量を伝え、理解を求めるなどの努力を続けている。源泉かけ流しの白濁の湯は、汗が次々と噴き出すほどに身体をたっぷりと温め、肌にしっとりとなじむ。「身体の芯からデトックスされそうでしょ」と、湯船で出会った地元のご婦人。おかげで帰りのバスではほとんどの参加者が、心地よくぐっすりと熟睡することとなった。「最初はサクランボ狩りにひかれて参加しましたが、福島の方たちが他県の人たちの気持ちを考えながら放射能のことに心を砕き、行動してらっしゃることを知りました。震災から時間がたつと痛みについて忘れてしまいがちですが、これからも福島を応援したいと思いました」と、東京から参加した女性グループ。別の東京から参加した女性は、「ニュースで聞くたびに、福島はどうなってしまうんだろうと心配していました。でも実際に検査場のパソコンのモニターを見たり、地元の方の福島を復興したいという情熱に触れたら、安心もしたし、未来に希望が持てると感じました。この感じは訪れないとわからないかも」と感想を語ってくれた。また「福島は行政、民間ともにさまざまな放射能に関するデータの公開を行っていることを知ってよかったです。放射能のことをわからないまま怖がるよりも、自分で客観的なデータを確かめて判断するのが一番いいかな」という声も。訪れてみてこそわかった、福島による食の安全への取り組み。今後もこのツアーのような、同県のPR活動が期待される。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月04日サードウェーブ安全環境事業部は9日、放射線計測・放射能検査専門の研修施設「安全環境事業部福島トレーニングセンター」を福島県福島市入江町にオープンする。料金は、放射能測定器の購入者を対象にした研修は有料(測定器料金に研修費が含まれる)となるが、基本的に無料。同社は、2011年10月に東京・秋葉原に最初のトレーニングセンターを開設し、これまで放射線測定に関するセミナーや放射能に関する情報発信を実施してきた。今回開設するトレーニングセンターでは、福島県を中心とした住民に「放射能の知識・情報のプラットフォームの場」を提供すると同時に、放射線防護知識の普及、および放射線関連情報の集約・発信を行っていく。施設内には、放射能測定器や放射能検査器を常設展示する。また、同社の放射能測定器を導入した顧客を対象にした研修や、放射能測定器の導入を検討している一般、ならびに法人顧客を対象にした放射能測定体験コース「無料体験セミナー」を実施するなど、日常における放射線防護の知識から専門的な知識まで提供するという。放射能測定体験コース「無料体験セミナー」では、放射能関連の業務経験がない初心者を対象に、放射能の基本から計測の演習までを講義する。計測体験では、同社の「NaIシンチレーション検出器」を使用し、実際にサンプル素材の計測を行う。事前予約制で、時間は2時間。このほか、講演会や利用者の要望に応じた形のセミナーを随時実施する予定のほか、各種相談にも対応するという。同社は、同センターの開設にあたり、「少しでも生活者の皆様が安心・安全を感じることができるよう、事業活動を継続展開していく」とコメント。今後は、同センターを拠点に、放射線量計測に関するコンサルティングや、除染作業に必要な計測ノウハウの伝播、人材育成の支援といった活動を展開していく計画とのこと。所在地:福島県福島市入江町14-8開設時間:10:00~17:00(事前予約制)定休日:土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月06日株式会社システムトークスは、がれきや地表などの放射能汚染測定に適した高性能測定器、「GC-T1」を発売する。同製品は独自の幅40cmのセンサーで広範囲に亘るがれきや地表、農地、作物などの放射能汚染を、迅速かつ漏れなく測定できる。同社従来比20倍の高感度センサーにより、極めて高精度な測定も可能。さらに、検査対象に合わせて3種類の測定単位、「µSv/h(毎時シーベルト)」、「Bq/cm2(ベクレル/平方センチメートル)」、「Bq/kg(ベクレル/キログラム)」を切り替えて表示することができるため、難解な数値換算が不要で、一般の人でもさまざまな基準に適合した検査ができる。高性能な測定器でありながらも、がれき処理や帰村の促進と安全確保への貢献として、当面は放射線対策貢献価格98,000円で販売する。発売は7月上旬を予定。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月14日震災後、揺らぎつつある“食”に対する思い。福島はじめ、東北地方の生産者を応援したい気持ちはあるけれど、放射能汚染を見逃す訳にはいかず、複雑な気持ちでいる方も多いのでは? これまでの食料自給率低下や遺伝子組み換え作物の問題に加え、今、新たな局面を迎えた日本の食。「改めて私たち自身でちゃんと考えてみよう」そんな思いから始まったのが、『ちゃんと、たべもの、プロジェクト(略称:TTP)』だ。このプロジェクトを主催するのは、有機食材宅配のパイオニア的存在の「大地を守る会」。大地を守る会では、震災後、契約農家の放射能検査を自主的に行い、その結果を公表すると共に、ウェブストアで『福島と北関東の農家がんばろうセット』や『子どもたちへの安心野菜セット』を販売するなど、消費者と生産農家のための様々な施策を行ってきた。『ちゃんと、たべもの、プロジェクト』では、それらの経験も踏まえながら、ホームページを中心に「ちゃんと、たべもの」をテーマにした情報発信を行うと共に、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを活用して、消費者と相互コミュニケーションを図っていくという。ホームページでは、「Imagine(イメージする)」「Think(みんなで考える)」「Know(知る)」「Share(つぶやく)」の4つのステップでコンテンツを提供。台所や畑など食を生み出す現場からの生中継や、「たべものとエネルギー」をテーマにした対談のUstream中継、フードジャーナリストによるコラムなどにより、様々な視点から身近な食を見つめ直すことができる他、生産者の方々の声を共有したり、自分の考えを書き込んだりする発信のためのツールも用意されている。デザインもとてもかわいらしく、あたたかい雰囲気のサイトなので、難しいことは考えず、まずは一度覗いて見ることをオススメしたい。9月12日(月)には、第一回目のUstream対談として、大地を守る会代表の藤田和芳氏と、震災以前からエネルギーシフトを提案し続けてきた活動家・田中優氏の対談が予定されている。この機会に、別々に考えがちな“食”と“エネルギー”について、その深い関係性を知り、自分自身で考えてみよう。そして、思ったこと、気付いたことはTwitterやFacebookで多くの人と共有することにもチャレンジしてはいかが?食べることは生きること。飛び交う情報に右往左往してしまうのは止めて、自分自身で“ちゃんと”考えたいですよね。まずはこのサイトでイメージしてみることから、始めてみませんか?取材/池田美砂子
2011年09月12日日本の伝統的な食生活が放射能の害を防ぐという『放射能の毒出し!「玄米・味噌・海藻」レシピ』が2011年8月4日(木)に主婦の友社より発売。 いまから66年前、原爆投下直後の長崎では、玄米のご飯やワカメの味噌汁という日本の伝統食を意識的にとることで、原爆の後遺症をまぬがれた人々がいたという。また最近の研究でも日本人になじみの深い多くの食品に放射能の害を防いだり、放射性物質を体外に排出する働きのあることがわかってきている。本書は、長崎での原爆の放射線障害をはね返したといわれている「玄米と海藻のみそ汁」の食事に着目し、「玄米」「みそ」「海藻」に「緑茶」を加えた4品の効果や作用について専門家による説明と、それらの食品を効果的に日常生活に取り入れる方法や、代表的メニューの調理方法を収録している。『放射能の毒出し!「玄米・味噌・海藻」レシピ』/主婦の友社編定価:690円(税込)プレスリリース提供元: PR TIMES
2011年08月04日