ファッションブランド、キャンディストリッパー(Candy Stripper)とコラボレーションした、女優・二階堂ふみさん。今回、キャンディストリッパーのデザイナー・板橋よしえさんと共にインタビューに応じてくれた。二階堂さんは、今回の洋服の作り手になるという経験から「高いものには、その理由があり、本質的なもの見る目が大切だ」ということを、強く感じたという。映画の世界で俳優として活躍する二階堂さんが感じた、映画とファッションに通ずるものとは。前編(1/2)に続き、コラボブランド「FUMI NIKAIDO “Roots” Candy Stripper」のファーストコレクションと、今の日本のファッションに対する考えを語った。■ファッションのチカラ、ファッションのときめき。--二階堂さんにとって、今回、ファッションブランドとの初めてのコラボレーションになります。ファッションの作り手になってみていかがでしたか。二階堂ふみさん(以下、二階堂):洋服を作ったのが初めてというだけで、普段映画屋として作品を作っているのと近い感覚はありました。もちろん洋服は作るという表現だけではなく、売らなくてはいけない商品になるという点で、映画と違う部分もあります。映画だと、どれだけクオリティが高いものを作れるのかを目指しているけど、洋服だとそれだけではないですよね。例えば、価格のことを気にしなくてもよいのなら、いくらでもいいものを作ることが出来ますが、商品として買ってもらうためには、どこかで差し引きをして価格を決めなくてはいけないということを、今回学びました。高いお金を払えば、もちろんいい洋服は手に入るけど、今回は頑張れば手の届く価格にしたかったんです。もちろん5万円って割といいお値段なのだけど、スカジャンなんて贅沢に刺繍が入っていたり、ディティールにも手がかかっていたり、本当は10万円以上するくらいなんです。■ 若者がファストファッションを支持する時代に思うこと二階堂:よしえさんとも話していて感じたのは、ジェネレーションの違いです。50年代のオールディーズの時代や、ヴィンテージと呼ばれる服が生まれた時代って、一着一着が丁寧に作られていたと思います。それに、私の母の時代やよしえさんの時代には、食事を我慢してでも、本当にかっこいいと思って惚れ込んだファッションを手にして着るという体験があったと思うんです。でも、私の世代の人たちって、高い洋服を買わないし、ブランドを知らないし、なんでブランドのお洋服が高いのかを分かっていない人が結構いるなって思っています。私自身は、ファストファッションだったりにときめかないで育ってきたし、本質的であったり、本物であったり、いいものを手にするには、それなりの対価が必要だと思う。その本質的ないいものを初めて手にした時に、自分の中から何かが生まれてくるという経験をしてみることが大事だと私は思うんです。板橋よしえさん(以下、板橋):このふみさんの感覚が同世代や、もっと若い世代にも伝わったら、ファッションがもっと面白くなるだろうなって思っています。ふみさんの、この感性や感覚がとても好きです。■ファッションと映画の共通項--普段は映画の世界で活躍されている二階堂さんですが、ファッションと映画に何か通じるところは感じられましたか。二階堂:自分も映画の作り手のつもりなのですけど、俳優部には映画の作り手であると同時に、自分が衣装を着たりとか、小道具を使ったりとか、そのセットや背景に入るという、出る側だけの役割があります。衣装を着ることや、小道具を持ったり使ったりすることで、意味が生まれるように表現するのが俳優部の仕事。だから、洋服に関しても着心地だったりとか、見え方だったりとか、俳優として感じるものがあります。自分が映画の現場で持っている感覚と、よしえさんたちが洋服を通じて作ってきた東京の流行、原宿ファッションが融合したのが今回のコラボレーション。映画でも、ファッションでも、いいものを作りたいという一心で、それぞれの作り手が、それぞれの立場から本質的で、リアルで、いいものを作った時、きっと誰が観てもいい作品が生まれるんだと思います。だから、作り手として感じているものは、映画もファッションも同じだなと感じましたし、今回のように硬派な形でコラボレーション出来たことが嬉しいです。■ 過去から学ぶこと。そして、未来に向けて思うこと--ファッションでも、過去のトレンドが時を経てリバイバルすることがあります。また、歴史からインスピレーションを受けることは、ファッションに留まらず様々な分野においてもいえることです。二階堂さんが過去から学び、これからも大切にしていきたいことを、ぜひ教えてください。二階堂:お着物が好きでよく着るのですが、着物を自分で着られない日本女性がたくさんいのはちょっと残念だなと思ってしまいますね。日本を知らなすぎる日本人が多いから、一つの文化を守っていくには弱くなってしまうんじゃないかなと思います。海外からの文化を見たり、取り入れたりする日本の良さもあるんだけど、もともと日本にある文化や刺繍の技術だったり、日本の色について知るという道を通らずに、海外のものを受け入れようとしちゃうから、日本文化の盛り上がりが弱いのかなと感じますね。海外から学ぶことも大切だけど、まず日本にどんなものがあるのかを知ることが大事。映画でもドラマでもファッションでも、日本のもの、Made in Japanがあるってことを知らない子が多い。だから、着物って日本の服なのに“特別なこと”になっているのがちょっと違うのかな…って。--板橋さんは20周年の節目を迎え、自分の好きなものを振り返る機会があったとお話されていましたが、逆に10年先や20年先を思い描くことはあるのでしょうか。板橋:いつも5年先、10年先を、あえて描かないようにしています。常に自分の気持ちや感覚を大事に、感じたものを表現することを大切にしています。音楽が好きでライブをよく観に行くのですが、音楽と触れている時に、パッとイメージが浮かんだりもしますね。普遍的に好きなものと、その時その時に感じた感覚とをミックスさせていつの時代もドキドキやワクワクが感じられるようなコレクションを作り続けたいと思っています。--最後に、二階堂さんにとってのファッションの魅力とはなんでしょうか。二階堂:ファッションには、着た時に自分がグッとなれるような魅力がある。それに辿っていくと、ファッションにも歴史的な要素があって、そこはかとない魅力がある。いい服は、シンプルに着ても決まるから、純粋にかっこいいし、好きですね。私がファッションにときめいたように、今回よしえさんたちと作ったファッションが、また誰かのルーツになったら嬉しいです。
2015年09月07日今年20周年を迎えたファッションブランド、キャンディストリッパー(Candy Stripper)と二階堂ふみさんがコラボレーションしたブランド「FUMI NIKAIDO “Roots” Candy Stripper」が発表され、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区でポップアップショップを展開(9月8日まで)。二階堂さんが「これが私のルーツ。これが私のときめき」と語るスペシャルコラボレーションについて、キャンディストリッパーのデザイナー・板橋よしえさんとダブルトーク。--今回はブランド名に「ルーツ」という言葉が入っていますね。二階堂さんが今回のコラボレーションにあたって「ルーツ」という言葉を選んだのはなぜでしょうか。二階堂ふみさん(以下、二階堂):今回のコラボレーションでは、自分が本当に好きなもの、そして欲しいと思うものを作りました。インスピレーションは、私が育った沖縄で、中学生の時に初めて訪れた時のことが深く記憶に残っているライブハウス「ゴールドディスク(旧:ケントス沖縄)」で受けた感覚です。スカジャンとデニムのつなぎはメンズアイテムとして、オールドアメリカンなワンピース、バックプリントTシャツ、デニムのサーキュラースカートはレディスアイテムとして作っています。私の母が青春時代を過ごした70年代の沖縄には、アメリカの文化と沖縄に元々ある文化、それに日本の文化がミックスされた時代だったと思います。だから、日本のトラディショナルなものと、アメリカのオールディーズがミックスされたアイテムになっています。スカジャンの刺繍柄や、ワンピースの襟元にデザインした金魚など、細やかな部分でもそのミックスした感じを表現しています。--板橋さんは、今年はブランドデビューから20周年を迎えられた節目の年ですね。ブランドを始められた時のこと、ご自身のルーツについて考える機会などがあったのではないでしょうか。板橋よしえさん(以下、板橋):そうですね。今年はブランドのデビューから20年の節目なので、改めて“キャンディストリッパー”について考える機会になりました。20年目のコレクション「CANDY CANDY CANDY」は、好きなものがたくさん詰まったコレクションにしたいと考え制作しました。改めて自分のルーツについて考えた時に、子供の頃から好きなものが全く変わっていないと思いました。ウサギやテディベア、フリルやハートモチーフなどのガーリィな世界観。また、それと相反するようなエッジのあるスタイルも好きです。この相反する感覚は「キャンディストリッパー」というブランド名にも込められています。"キャンディ"の包み紙を服に例え、脱ぐことを"ストリッパー"とかけているのですが、口に含んだキャンディがいろんな味に変化するという意味の"キャンディ"、芯の強い女性をイメージした"ストリッパー"。その2つの要素が含まれたものがキャンディストリッパーの女性像のイメージです。コンセプトである“NO RULE,NO GENRE,NO AGE”同様、エイジレスに、自由に自分の好きなスタイルを楽しんで欲しいです。二階堂:そして、今回のコラボレーションは沖縄のカルチャーと、よしえさんたちが原宿で作ってきたファッションカルチャーとのコラボレーションでもあるなと感じています。--今日は、デニムのボンテージジャンプスーツの裾をロールアップしてクリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)のポインテッドハイヒールをスタイリングされていますね。今回は「ユニセックス」というのもテーマの一つと伺っているのですが、スタイリングのポイントを教えてください。二階堂:メンズライクな洋服を着る時でも、必ずどこかに女性らしいものも取り入れたいと思っています。例えば、インナーにキャミソールを合わせるとか。メンズのシンプルな洋服にはスタイリング次第で表情が変わる可能性があるなと。女性のために作られた服は、女性がきれいに見えるようにと考えられて作られているから、誰がみても女性らしくなる。でも、作業着というか、働く男のための服であるスカジャンやデニムのつなぎを、どうやったら女性らしく着られるかというところに惹かれます。凄く挑戦的ですが、女性だからこそ出来るメンズの洋服の着こなし方があると思います。板橋:そういった感覚が、キャンディストリッパーのブランドコンセプトと共通する部分があると思います。ふみさんのこのコラボレーションへの熱意に、私もスタッフも皆心動かされて、士気が高まると同時に、ふみさんが本当に満足がいくものを、という気持ちで、ひとつひとつディテールやシルエットにもこだわって制作しました。後半は、ファッションと映画の共通項、そして未来に向けて思うことを伺いました。2/2に続く。
2015年09月07日室生犀星の晩年の小説を、二階堂ふみ&大杉蓮主演で映画化する『蜜のあわれ』。このほど、本作に女優の真木よう子が出演していることが明らかとなった。自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛嬌のある顔が愛くるしい赤子(二階堂ふみ)は、共に暮らす老作家(大杉漣)を「おじさま」と呼んで、とめどないおしゃべりをして毎日を過ごしている。ふたりはかなりきわどいエロチックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっ付けて一緒に寝たりもする。しかしなにやら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが違う。普通の人間には彼女の正体がわからず、野良猫には正体がバレてしまう。そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾鰭をひらひらさせる真っ赤な金魚…。赤子と老作家が仲睦まじく暮らしていたところに、老作家の過去の女(真木よう子)が現れて…。徳田秋聲、泉鏡花と並び、金沢三文豪の一人である室生犀星の小説「蜜のあはれ」を、『生きてるものはいないのか』『ソレダケ/that’s it』の石井岳龍が監督を務め実写映画化する本作。すでに発表済みのキャストとして、妖艶な美しさを兼ねそろえた魅惑的な少女・赤子に二階堂さん、赤子と共に暮らす老作家に大杉さんが配役され、その独特の世界観の映像化が期待されている。このほど真木さんの配役が決定したのは、大杉さん演じる老作家の過去の女である怪しげな幽霊・田村ゆり子役。二階堂さんと大杉さんがそれぞれ演じる“金魚”と老作家、そして真木さん演じる“幽霊”との三角関係が展開されるようだ。今回の出演に際して真木さんは、「今回演じたのは幽霊役なんですが、監督からは『感情がないわけではないんだけれども、どこか生と死の狭間を演じてほしい』と言われて。そんなこと言われてもできないですよね(笑)。だからこそ役者としてはやりがいがあって、今まで演じたことのない役どころなので面白いなと思い演じました」と、幽霊役を演じるやりがいについて語っている。さらに石井監督は、「この役はとても難しかったと思います。幽霊だけど普通に見えるし、でもやっぱり幽霊だし、ギャグなのかシリアスなのかよくわからないオフビートな会話もたくさんあるし。私的も、どう演出したらベストなのか迷った時もありましたが、ご本人はさすがに演技勘が鋭く、天然でお茶目な面もあり、最終的に繋がってみると、ぴったり彼女ならではのキャラにハマって見え、さすがでしたね」と、真木さんの演技に賛辞を送っている。映像化が困難ともいわれた室生犀星の超現実主義的小説を実写化する本作は、室生氏の地元である石川県金沢市・加賀市を中心に富山県でもロケを敢行。二階堂さんの“金魚”と真木さんの“幽霊”がどんな世界観を作り出しているのか、大いに期待がかかる。『蜜のあわれ』は2016年公開。(text:cinemacafe.net)
2015年08月27日女優の二階堂ふみが8月6日(木)、都内で行われた主演作『この国の空』公開記念トークイベントに出席。戦時下を生きる19歳の主人公を演じ、「再び戦争を起こさないために、映画を通して、平和な日本と向き合い、考えてもらえれば」と思いを語った。芥川賞作家・高井有一による「谷崎潤一郎賞」受賞の同名小説を脚本家の荒井晴彦が映画化。二階堂さん演じる主人公・里子が「私は愛も知らずに、空襲で死ぬのでしょうか…」と空襲におびえながら、それでも懸命に生き抜き、ある男性との出会いを機に、少女から女へと開花する姿を描いた。イベントには里子の母親を演じる女優の工藤夕貴、そして70年前、原爆が広島に投下された8月6日に東京大空襲でご家族6名を亡くし、孤児となった戦争体験者の海老名香葉子さんが出席した。工藤さんは、いまの二階堂さんと同じ歳のとき、東京大空襲を描いた『戦争と青春』(今井正監督)に出演しており、「時がめぐって、20歳くらいの子どもを抱える母親を演じるのは感慨深い」としみじみ。「戦争経験はないが、撮影当時に今井先生から教わったことが、今回の土台になった」と語った。一方、海老名さんは「戦争映画ではあるが、文芸作品のような印象を持った。戦時下の人の情や気持ち、生き方を描いている」と本作を評し、二階堂さんの“東京弁”を「きれいな言葉づかいで良かったですよ」と絶賛。「私が味わった悲しみや苦しみを、いまを生きる人々に経験させたくない。二度と戦争を起こさないように」と戦争体験を語り継ぐ強い思いを示していた。『この国の空』は8月8日(土)よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:この国の空 2015年8月8日よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開(C) 2015「この国の空」製作委員会
2015年08月06日終戦70年を迎えるこの夏、「あの戦争」を見つめ直す大小さまざまな日本映画が公開されている。女優・二階堂ふみが主演する『この国の空』(荒井晴彦監督)もそのひとつ。沖縄生まれの二階堂さんが「こういう作品に出演したかった」と語る本作にこめた思いとは?二階堂さんが演じるのは、空襲におびえながら「結婚もできないまま、死んでいくのだろうか」という不安を抱える19歳のヒロイン・里子。妻子を疎開させた隣家の銀行支店長・市毛(長谷川博己)との心揺れる関係性を通して、はかなげな少女の憂いと葛藤、青春を奪われた悲壮感、そして「それでも生き抜いてやる」という力強さを演じきった。役作りを支えたのは、「すべての答えがそこにあった」という荒井監督によるシナリオだった。「美しい言葉がたくさんあったので、それを映像の中で生かしたいなと思って。成瀬(巳喜男)監督、小津(安二郎)監督の作品を参考に、日本語が美しく聞き取れるセリフまわしを意識しました。具体的には鼻濁音を入れたり、声質を変えたり…。現代的なしゃべり方ではセリフひとつも印象が変わってしまうので、そのあたりは徹底して役作りしましたね。当時の女性が歯を食いしばって生きている、重みや説得力を表現したかったですし」戦争に翻ろうされた男女が織りなすラブストーリー。『この国の空』を端的に説明すれば、こんなフレーズになるだろう。しかし、二階堂さんは「これは恋ではない」と断言する。「相手には妻子がいるし、頭ではダメだと理解しても、心と体の歯止めが利かない。ただ、市毛という男性に惹かれたというよりは、戦争の恐怖に押しつぶされそうな里子のなかで、本能的なものが動き出して…。実はふたりは全然違った方向を向いている男女なんです」。10代前半でも20代後半でもなく、19歳の少女がひとりの女へと開花する瞬間をとらえた本作。二階堂さん自身も本作の撮影中に、20歳の誕生日を迎えており、戦時下を生きるヒロインでありながら「役作りはしつつも、最後は等身大であることが一番大事だと思った」とふり返る。「里子と同じで、現場ではひとりで戦わないといけないという孤独感がありましたし、ひとりで戦った結果がスクリーンに焼き付いた。戦って良かった。そう思います」沖縄出身の二階堂さんは、「以前から戦争を題材にした映画に出演したかった」といい、「歴史をふり返ったとき、なぜあの時代に日本が戦争に向かってしまったのか。そして人々が何を感じ、考えていたのかを広い視野で考える必要があるなと思っていたので。祖父母が戦争を経験したという事実も、私にとっては大きなこと。受け継がなければいけない言葉や物語があり、それを見た人に実感してほしい」と凛としたまなざしで語った。ここ数年、年3作品のペースで出演作が公開される「映画に愛された女優」二階堂さん。同時に熱心な映画ファンとしても知られている。「映画の魅力は、いろんな形の感動があることですね。涙の感動、笑う感動、『なんだこれは』という感動…。私自身、それを求めて映画館に足を運んでいます。いい映画の条件ですか?私にとっては子どものような純粋な気持ちになれる作品、かな。すごい映画の作り手は、まるで魔法使いに思えますね」いつ見ても感動するという『アダムズ・ファミリー』。戦争映画では『戦場のピアニスト』をお気に入りに挙げて「敵同士であっても、やはり同じ人間なんだと思わせるラストシーンが忘れられない」。ちなみに昨年のベストワンは『グランド・ブダペスト・ホテル』なのだとか。「女優になったことで、映画のいろいろな見方ができるようになりました。要はいかに心が動いたか。たとえ荒削りであっても、力強さがあれば、映画として魅力的ですよね」(photo / text:Ryo Uchida)■関連作品:この国の空 2015年8月8日よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開(C) 2015「この国の空」製作委員会
2015年08月05日女優の二階堂ふみが16日、都内で行われた映画『この国の空』の完成披露試写会の舞台挨拶に、共演者の長谷川博己、工藤夕貴、富田靖子、メガホンを取った荒井晴彦監督とともに登壇した。映画『この国の空』は、芥川賞作家の高井有一氏による同名小説を、脚本家の荒井氏が18年ぶりに監督に挑んだ一作で、戦時下の激しい空襲と飢餓が迫る恐怖のなかで懸命に生きる人々を丹念に描いた人間ドラマ。主演の里子を演じた二階堂は「戦後70年という節目でこの映画を作ることができて、皆さんにお披露目できるということで、今とても胸にくるものがあります。この映画を見て色々なことを感じていただければうれしいです」とあいさつした。さらに、脚本を読んだ感想を聞かれると「中学生のときに『わたしが一番きれいだったとき』という茨木のり子先生の詩を国語の教科書で読んで、ものすごく肌で実感した作品だったので、自分が戦争を題材に扱った映画に出る際は、こういう肌で感じるものをやりたいなと思っていました」と胸の内を語り、「今回の本を読ませていただいたときに、茨木先生の詩がすぐに頭に浮かんで、ぜひやりたいと思って、監督に初めてお会いしたときに、監督も茨木先生の詩のことをおっしゃっていて、そこでつながった気がしました」と運命を感じたことを明かした。また、今回の役を演じて、一番心に残った点について二階堂は「(戦争について)改めて考えたり感じたりすることが多かったんですけど、やはり忘れないということであったり、作り続けることであったり、私は戦争を知らない世代ですけど、体験をした方から話を聞いて感じて、伝えていくということをやっていかなければなと、すごく感じました」としみじみ語った。そんな二階堂と3年ぶりに共演した長谷川は、「初めて共演したときもすごい女優だなと思って、自分が10代のときってこんなことできなかったと落ち込んだんですけど、すっかり大人っぽくなって、その成長の過程が見られて、何か不思議な感じです(笑)」と照れ笑いを浮かべ、工藤は「ふみちゃんはすごく前向きな女優さんで、今どきに珍しくいい意味でガツガツしている女優さんなので、初日から英語で話すことになって、もんぺ姿で英語でしゃべっていました。でもそこですごく親しくなれたので、やりやすくて楽しい現場になりました」と印象を語った。映画「この国の空」は8月8日(土)よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほかで全国公開。
2015年07月17日演技派女優・二階堂ふみと長谷川博己を主演に迎え、芥川賞作家・高井有一の同名小説を基に映画化した『この国の空』。いままで戦地に赴く男たちを描いた作品が数多く公開されてきたが、本作では戦時中の日常を生き抜く女たちが登場する。愛を知らない少女、娘を見守る母、家族を亡くした叔母…シネマカフェではそれぞれの生き様に注目した。昭和20年、終戦間近の東京。19歳の里子は母親と杉並区の住宅地に暮らしている。度重なる空襲に怯え、雨が降ると雨水が流れ込んでくる防空壕、日に日に物価は高くなり、まともな食べ物も口には出来ないが、健気に生活している。日に日に戦況が悪化していくなか、里子は男性と結ばれることなく、戦争で死んでいくのだろうか。その不安を抱えながら、市毛の身の回りの世話をすることがだんだん喜びとなり、そしていつしか里子の中の「女」が目覚めていくのだが――。本作は市川由衣&池松壮亮主演の『海を感じる時』で脚本を手掛けた荒井晴彦が18年ぶりに監督を務める渾身作。主演の二階堂さんが演じるのは、19歳の少女・里子。戦況が悪化する中、愛も男も知らぬまま、時代に飲まれてしまうのではないかと不安な日々を過ごしていくが、隣家に住む妻子持ちの市毛(長谷川博己)に心を傾けてゆく。「私は愛も知らずに、空襲で死ぬのでしょうか…」この不安も市毛といる時間は忘れることができるのだ。そんな里子を見守る母親・蔦枝(工藤夕貴)は、結核で主人を亡くし、娘とふたり身を寄せ合って暮らしている。愛も知らずに死んでいくよりは、それがたとえ許されぬ恋だと分かっていても目をつぶるしかないと、“女”の顔をみせていく娘を見守る。娘への複雑な感情を吐露するシーンでは、「市毛さんに気を許しては駄目よ。普段のときだったら、許しはしない。でもいまはこんな時代で、あなたの近くには、市毛さんしかいないんですものね…」と感情で動く里子を想ったセリフも。そして横浜で空襲に遭い、命からがら杉並に逃げて来る叔母・瑞枝(富田靖子)。家族を戦争で亡くした彼女は、母娘のもとに身を寄せる。戦争へ恐れを抱き、絶望しても、生きて行こうとする生命力が強く感じられる女性だ。それぞれ3人の女性について荒井監督は「もちろん満足のいく形ではないけれど、戦争中だって衣食住があり、そして、男女がいればセックスだってしたんです。いままでの戦争映画では、そういう人間の姿が描かれてこなかった。男は死ななくてよかったと歓び、妻子が帰ってくる、と唇を噛むこの映画の主人公・里子のうれしくない戦後に重ねて、私たちの戦後が問えるのではと思った」とコメントを寄せている。また、本作のエンドロールで流れるのは、二階堂さんが朗読する茨木のり子の詩「わたしが一番きれいだったとき」。二階堂さん自身、本作の脚本を初めて読んだときに、この詩が思い浮かんだとのこと。あの時代を生きた少女たちが何を考えていたのか。二階堂さんの声からあふれる想いを劇場で感じてみて。『この国の空』は8月8日(土)よりテアトル新宿、丸の内TOEI、シネ・リーブル池袋ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月14日女優の二階堂ふみが、文豪・室生犀星の最晩年の小説を原作にした映画『蜜のあわれ』(2016年公開)で主演を務めることが8日、明らかになった。本作の原作は、室生が1959年に発表した同名小説。物語は、室生の理想の女性の結晶とも言われ、実は正体が金魚であるという少女・赤子と老作家との会話で構成されている。劇中では、妖艶な美しさを兼ねそろえた魅惑的な少女・赤子を二階堂が熱演。赤子と共に暮らす老作家を大杉漣が怪しげに演じる。原作を高校時代に読んだという二階堂は、「映画化するなら絶対に自分がこの赤子という役をやりたいなと思ってました」と念願がかなった模様。さらに、「私はあの頃の時代の小説のフェチズムがすごく強調されているところがとても好きなんです。ロリータコンプレックス的な要素や女性に対しての憧れであったりとか、色んなものが入り交じっていて」と、自身の文学観を披露する。金魚が正体である少女を演じることについては、「金魚ってこういう動きするかな…と手探りでやる作業がとても楽しかったです」と振り返りつつ、「人間以外の役をやるのは猫、狸に続いて、実は3回目なんですが、意外と人間以外もいけるな、と思いました」と手応えをつかんだようだ。メガホンをとった石井岳龍監督は、「今回は以前からお仕事をしたかったけどかなわなかった初めての方々とたくさんご一緒でき、緊張もしましたが同時に大きな喜びでもありました」と撮影の充実ぶりを語るとともに、「本格文芸ドラマにファンタジー、エロス、ミュージカル要素なども盛り込まれ、それが目を見張る映像と美術世界の中に描かれます。見どころ満載の、おかしくて切なくていとしい至福の作品になると思います」と自信をのぞかせた。撮影は、石井監督と数々の作品を共にし、近年では『悪人』(2010年)、『大鹿村騒動記』(2011年)、『許されざる者』(2013年)など話題作を手がけたカメラマン・笠松則通氏が担当。ロケは室生の地元である富山県・金沢市を中心に行われた。
2015年07月08日KADOKAWA メディアファクトリーは3月27日、『愛の哲学』(柴門ふみ 著/税別1,400円)を発売した。著者は、漫画家・エッセイストの柴門ふみさん。柴門さんは、若者たちの恋愛をテーマにして『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』『同窓生―人は、三度、恋をする―』など多くの作品を発表している。それらの作品作りを支えていたのは、柴門さんがお茶の水女子大学の哲学科で学んだ哲学の知識なんだとか。「理性では解決できない人を動かす圧倒的な力、それは愛という不可思議な感情。そしてそれを解き明かすのは『愛の哲学』だった。複雑に絡まりあう人間関係のトラブルは愛の哲学で解決できる」(同書紹介文より)。内容は、「なぜ今、哲学なのか」「年齢別 出会う言葉」「私が出会った哲学の言葉」「特別対談 羽入佐和子×柴門ふみ『なぜ哲学を学ぼうと思ったのですか?』」。愛の正体を読み解くことで、「なぜ、大好きな人に大好きな気持ちが伝わらないのか」「なぜ、あの人といると不愉快な気持ちになるのか」など、気になる人の気持ちが見えてくるという。
2015年04月02日二階堂ふみ、野村周平、成海璃子、渡辺大知(黒猫チェルシー)、片平里菜がサントリーチューハイ「ほろよい」の新CMに出演することが発表され、3月16日(月)に行われた会見に出席した。昨年、二十歳の誕生日を迎えて大人の仲間入りをした二階堂さんだが、お酒のCM出演はこれが初めて。しかも二階堂さんの故郷である沖縄で撮影が行なわれた。二階堂さんは「大人の仲間入りをしてすぐに素敵なCMに出ることができて嬉しい」と笑顔を見せる。沖縄と言えば、泡盛などのアルコールの強いお酒も有名だが、二階堂さんは「お酒初心者です(笑)」とのことで、飲み過ぎたりしたことはないようだが「最近、母が東京に遊びに来て、改めてウチで一緒に飲んで、母との距離が縮まった気がします。高校の友達と飲んだりすると、いままでと違う距離感になれて良かったりする」とお酒がコミュニケーションの良い材料になっているよう。お酒を飲むと「自分ではよく分からないけど、楽しくなってニコニコしているみたいです(笑)」と明かした。キリリとした表情が印象的な成海さんも、お酒を飲むと「楽しくなって顔がゆるんでると思う(笑)」と意外な一面を明かす。元々、お酒を飲むのは「すごく好き!」とのことでお酒のCM出演に笑顔を見せた。野村さんは一昨年に二十歳を迎えたが「お酒のCMに出るのはひとつの目標だった」と明かす。酔うとわりとすぐに寝てしまうようで「家で『ほろよい』を2本飲んだら寝ちゃいますね(笑)」とも。CMの撮影では沖縄でみんなで結構飲んだのでは?という問いに一同「ほろよいです(笑)!」と語っていた。CM中には歌を歌う姿も見られるが、歌を本業とする渡辺さんと片平さんから見て、俳優陣3人の歌の腕前は?という問いに二階堂さん、野村さん、成海さんは戦々恐々…。渡辺さんは「みんな素晴らしくて僕の方がタジタジでしたが、面白かったのは野村くん。歌うと手が指揮者のように動き、表現者という感じがした」と語る。片平さんは一番手で歌ったそうだが「私が手こずって、みんなの方がスイスイと進んですごいなと思いました!」と称賛を口にした。新CMは3月17日(火)より放送開始。なお、夏の新CMに出演する“6人目”のメンバーをセルフィー(自撮り写真)による公募で募集するキャンペーンが行われることも発表された。(text:cinemacafe.net)
2015年03月16日●デビュー当時から変わらない職業観同世代の女優の中でも、ひときわ異彩を放っているのが今年成人を迎えたばかりの二階堂ふみ。2009年に『ガマの油』でスクリーンデビューを飾って以降、毎年数本の映画に出演しているが、特に昨年は『ほとりの朔子』『私の男』『渇き。』『日々ロック』とそれまででは最多となる4作に出演するなど、周囲からの期待と注目は年々高まっている。そんな彼女にとって今年初めて公開される出演作が、大阪・味園を舞台に描かれる『味園ユニバース』(2月14日公開)。二階堂演じるバンドマネージャー・カスミは、記憶を失った男(関ジャニ∞・渋谷すばる)との出会いを通じて、ある変化を感じはじめる。果たして、二階堂自身にとっての「変化」とは? 本人取材でその一面を垣間見ることができた。その証言者の一人となるのが、同作でメガホンを取った山下敦弘監督。同作の舞台あいさつで「沖縄からわざわざ会いに来てくれて」と今から6年前の出会いをうれしそうに振り返っていた山下監督。昨年、共通の知人の結婚式で2人は再会を果たした。その二次会で、二階堂は「ずっと山下さんの隣で営業していました(笑)」と猛烈アプローチ。同作の出演が決まったのは、そんなきっかけだった。このことについて、二階堂は「一緒にやりたい方は全力で行きます。園(子温)さんがおっしゃっていたんですけど、当たり前のことだと。『その人の現場に行きたい』という監督に対してのアプローチは、誰かを通してやるんじゃなくて、自分でやるのが当たり前のことだと思います」と話す。「私にとっては普通でした」とデビュー当時から変わらないことだそうだが、山下監督の目にも6年前の二階堂は「すごく一生懸命」と映っていた。女優としての変化は予想を上回り、「すごい女優。いろんな引き出しを持っている」「がんばっている姿に感動した」と心技両面の成長を肌で感じたという山下監督。二階堂演じるカスミは、大阪生まれの関西弁であることから、山下監督は「すごく苦労したと思う」と想像していたが、本人にとっては演じること自体が「全部、難しい」と受け止めている。そして、「もちろん、関西弁は難しかったですし、でもそれは標準語が簡単とかそういうことではありません。キャラクターへのアプローチの1つのもの」と冷静に捉える一方、「大阪の人が聞いた時に違和感があったら説得力に欠けてしまうので、そうならないように取り組まなければいけないなとは思いました」という覚悟も。全編大阪ロケで、関西弁が飛び交う現場の雰囲気も”役の説得力”の手助けとなったという。●人生で最も大切なものは?今回の取材は、完成披露舞台あいさつ後に行われた。その日の二階堂は昼のイベントに出席し、夕方からの舞台あいさつ前後には同作の取材。現在放送中のドラマ『問題のあるレストラン』(フジテレビ系)も撮影中のため、相当多忙な日々を送っていると思われるが、「そこは大丈夫です」と語る。「忙しいことはいいことだと思いますし。特別自分が忙しいとは…」と本人にとっては大きな問題ではないようで、「作品に入ってバタバタしたりすることはありますけど、終わったらゆっくりする時間もあります」とリラックスした表情を見せる。映画やドラマの撮影に追われていたことから現役での受験は断念。一浪してまで大学にこだわる芸能人は珍しいが、「入ってみないと分からない場所だったので、それで挑戦してみようかと」という思いによる決断だった。大学に進学してよかったことを聞いたところ、「今はまだ在学中なので、それを客観的に考えられるようになるのは、卒業してからだと思います。しばらく時が過ぎ去ってから」。「その時、その時で全力で取り組まないといけないことばかりなので、そういうふうに見つめ直す時間もあまりありません。それはどの作品に入る時にも言えることなんですが、目の前にあることをただ自分の出せる限りの力で取り組むしかないと思っています」と力強い言葉を残した。2011年の第68回ヴェネツィア国際映画祭で、新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞を染谷将太と共に受賞(『ヒミズ』)した二階堂。その後も、数々の映画賞でその名が上がり、昨年の功績が認められて第39回エランドール賞新人賞、そして、第38回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞(『私の男』)するなど、今では映画界に欠かせない存在となっている。このことについて「うれしいことなのでそれはありがたくいただいて、そういう時はこれからも頑張っていこうという気持ちになります」と素直に喜びながら、「でもそこを意識して作品を取り組んでいるということはありません」と付け加える。「年々、楽しいことが増えていっています。2014年も楽しかったですけど、今年ももっと楽しい良い年にしたいなと思っています。去年は目の前にあることをひたすらやっていました。今年もそういう年になるんじゃないかなと思います」と仕事の向き合い方に変化はないようだが、その言葉からは充実ぶりがにじみ出ている。『味園ユニバース』には、カスミが大切なものを指の本数で表すシーンがある。今の二階堂は、果たして何本の指を立てるのか。「私はカスミとは違って、数え切れないくらいいっぱいあるなと思います(笑)」と数を明かすことはなかったが、その中での一番大切なものを聞いたところ、真っ先にこう答えた。「今も、これまでも、そしてこれからもずっと。一番大切なのは支えてくれている人たちです」。(C)2015「味園ユニバース」製作委員会■プロフィール二階堂ふみ1994年9月21日生まれ。沖縄県出身。12歳の時「沖縄美少女図鑑」に掲載された写真がきっかけとなりスカウトされる。役所広司の初監督作品『ガマの油』(09)でスクリーンデビュー。2011年『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』で映画初主演。そのほかの出演作に『ヒミズ』(11)、『指輪をはめたい』(11)、『悪の教典』(12)、『脳男』(13)、『地獄でなぜ悪い』(13)、『四十九日のレシピ』(13)、『ほとりの朔子』(13)、『私の男』(14)、『渇き。』(14)、『日々ロック』(14)など。今年は『味園ユニバース』のほか、『ジヌよさらば~かむろば村へ~』(4月4日)、『この国の空』(夏)の公開を控えている。
2015年02月13日2015年4月10日(金)より東京・世田谷パブリックシアターで上演される舞台『つながる音楽劇「麦ふみクーツェ~everything is symphony!!~」』の制作発表が11月20日、都内で行なわれ、キャストの渡部豪太、皆本麻帆、脚本・演出のウォーリー木下、音楽監督を務めるミュージシャンのトクマルシューゴが出席した。【チケット情報はこちら】小説家、いしいしんじの作品を舞台化した同作。とある港町を舞台に、先天的な心臓病を抱えている少年「ねこ」の成長と、吹奏楽団を軸に巻き起こる事件を描いている。同公演のチラシには「観客はそれぞれ、一人が一個ずつ、何か音の発するものを持参すること」と書かれており、観客が舞台上の楽団と一体になり、芝居に参加できるというのも見所のひとつだ。主役の「ねこ」を務める渡部は「脚本を読んだときにおもちゃ箱をひっくり返したようなお話だと思いました。また、演出の説明を聞いたときも、同じようなドキドキを感じました。きっとお客様も同じような感覚になってくれるんじゃないでしょうか」と同作の印象を語った。「ねこ」が恋する女の子「みどり色」を演じる皆本は「いしいさんの作品は本当に好きで、この話をいただいた時から毎日いしいさんの作品を枕元に置いて寝ていました。劇中ではピアノを演奏するところがあるのですが、私はまだちょっとしかピアノが弾けないので、これから本番までにしっかり鍛えたいと思います」と決意を述べた。音楽監督を務めるトクマルは「この作品はたくさんの小さなエピソードが段々と繋がっていって、最後に大きな結晶となるのが美しいのですが、それは、それぞれ小さな楽器だけど、それを鳴らすとどんどん繋がって、大きな合奏となる音楽というものと繋がっていると思っています。なので、それを体現できるような音楽を作れればいいなと。また、過酷なんですが、音楽は全編生演奏でやろうと考えてます。舞台の空気が作用して、鳥肌が立つような演奏をお聞かせできるような気がしています」と自信をのぞかせた。ウォーリー木下は「お客様には、ただお芝居を観にいくという感覚ではなく、何を持っていって音を鳴らすか考える、そういう所から楽しんでほしい」とコメント。 また、この日の会見では、クーツェ役に世界的タップダンサーの熊谷和徳が、プロジェクションマッピングを駆使した映像で出演することも発表された。『つながる音楽劇「麦ふみクーツェ~everything is symphony!!~」』は2015年4月10日(金)から19日(日)まで、東京・世田谷パブリックシアター、4月23日(木)から4月26日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。なお、チケットぴあでは一般発売に先がけて最速抽選いち早プレリザーブを実施。受付は11月22日(土)午前11時から28日(金)午前11時まで。
2014年11月21日女優・二階堂ふみが映画『日々ロック』(11月22日公開)で演じたアイドル・宇田川咲のライブ映像が、このほど公開された。原作は、漫画家・榎屋克優が2010年から『週刊ヤングジャンプ』(集英社)で連載している同名コミック。いじめられっ子の日々沼拓郎(野村周平)がバンドを組み、ロックスターを夢見て活動していく姿が描かれている。二階堂が演じるトップアイドルの宇田川咲は、アイドルでありながら実は相当な酒好きという個性的なキャラクター。2人の出会いが、それぞれの運命を変えていく。今回公開された約4分の映像は、それまで素顔の咲しか知らなかった拓郎が、トップアイドルとして活躍する咲の姿を目の当たりにし、初めて胸を打たれるシーン。大観衆と飛び交うレーザー光線の中でキレのいい動きをする二階堂の姿は、本物のアイドルを彷彿とさせる。DECO*27提供の「ラブリーサマータイム」に合わせて、観客もケミカルライトを片手に熱狂している。撮影場所は、千葉・浦安の舞浜アンフィシアター。6台のカメラを使い、臨場感を損なわないためにカット割りなしの長回し撮影を実施した。本作でメガホンを取った入江悠監督は、観客のエキストラに向けて「宇田川咲の歌と踊りだけではなく、それを見つめるみなさんの表情と動きで表現したいんです。今日、どのようにチケットを買ったのか、宇田川咲に会いに来るまでのストーリーを考えてみてください」と呼びかけて、場内の熱気を演出した。(C)2014「日々ロック」製作委員会
2014年11月12日女優の二階堂ふみと俳優の長谷川博己が、吉本興業グループの新会社KATSU-doによって映画化が決定した『この国の空』で共演することが8日、明らかになった。同映画は、芥川賞作家・高井有一による同名小説を原作とした終戦70周年記念作品。戦争という時代を戦場ではなく庶民の暮らしを繊細でリアル、大胆に描いた物語となっている。『ヴァイブレータ』(2003年)、『共喰い』(2013年)、『海を感じる時』(2014年)を手がけた脚本家・荒井晴彦が脚本・監督を務める。出演者は二階堂ふみ、長谷川博己、工藤夕貴ほか。終戦間近の東京で母親(工藤夕貴)と叔母と暮らす里子(二階堂ふみ)は、度重なる空襲におびえ、まともな食べ物も口にはできないが、けなげに暮らしている。一方、隣に住む市毛(長谷川博己)は妻子を疎開させての一人暮らし。19歳で既に婚期を迎えた里子は、自分は男性と結ばれることなく、戦争で死んでいくのだろうかという不安を抱えながらも、市毛の身の回りの世話をすることが楽しみになり、次第に自分の中の「女」に目覚めていく。荒井監督は、「三十年前、『この国の空』を読んで、映画にしたいと思った。高井有一さんにお会いして、映画にできる当てはありませんが、原作を頂けませんかとお願いした」とした上で、「戦争が終ってバンザイじゃない娘を描くことで、この国の戦後を問えるのではないかと思った」とコメント。二階堂は「京都太秦撮影所での撮影は初めての経験なのですが、本気度の高いスタッフの方々とご一緒することができて嬉しいです」とメッセージを寄せた。公開は、2015年の予定。
2014年10月08日ドラマ「若者たち2014」に出演する野村周平と、『私の男』を始め、話題作の出演が続く二階堂ふみら若手俳優陣が集結する映画『日々ロック』。この度、劇中でキュートな“アイドル”姿を披露する二階堂さんの歌って踊る映像がメイキングと共に公開された。勉強もスポーツもダメ、彼女もいないサエない高校生・日々沼拓郎(野村周平)。だが、大好きなロックを演奏しているときだけは、本当の自分を解放できる。極限まで解放しすぎて思わず“全裸”になってしまう…それが彼の“日々ロック”だった。ある日、友人の誘いでバンド「ザ・ロックンロール・ブラザーズ」を結成することになり、拓郎はギター&ボーカルを担当することに。やがて高校を卒業後、夢をあきらめきれない3人は伝説のライヴハウス・モンスターGOGOで活動を始める。ある日、「ザ・ロックンロール・ブラザーズ」のライヴ中に、ひとりの酔った女・宇田川咲(二階堂ふみ)が客席から乱入!拓郎のマイクを奪い、「RCサクセション」の「雨あがりの夜空に」を熱唱し始めたが、彼女は斬新なスタイルで世界的な評価を得ているトップアイドルだった――。今回公開された映像では、落ち込んでいた主人公・日々沼拓郎(野村周平)が街中で二階堂さん演じる超絶キュートなトップアイドル・宇田川咲の新曲を聴き、やる気を漲らせる場面。そして、併せてPVのダンスシーンを撮影するメイキングが収められている。映像と共に流れる楽曲は、若年層から圧倒的な支持を集めるアーティスト・DECO*27提供の「SUNRISE」。「私を救ってくれた音楽みたいに誰かにこの新曲が届くことを祈っています。どんなに落ち込んでも新しい朝はくる」という咲のメッセージが込められている。そんな彼女の歌声を受け取り、背中を押されて一気に曲を書き上げる拓郎。どうやら可愛さだけではなく、彼のような人々に歌を通して勇気を与えているのが、絶大な人気を誇る理由のようだ。「Pafume」や「きゃりーぱみゅぱみゅ」を思わせるキラキラの衣装に身を包み、ダンスシーンを撮影する二階堂さんの姿は必見!まずはこちらの映像から新境地に挑み続ける二階堂さんの超絶キュートなアイドル姿をご覧あれ。映画『日々ロック』は11月22日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:日々ロック 2014年11月22日より全国にて公開(C) 2014「日々ロック」製作委員会 (C)榎屋克優/集英社
2014年09月29日浅野忠信と二階堂ふみが挑んだ衝撃作『私の男』のモスクワ国際映画祭受賞記念舞台あいさつが15日、東京・新宿ピカデリーで行われ、浅野と二階堂のほか、熊切和嘉監督が登壇した。本作は、第138回直木賞を受賞した桜庭一樹の同名小説の映画化作品。天災で両親を失い、10歳で孤児となった少女(二階堂ふみ)と、彼女を育てていく遠縁の男(浅野忠信)の強い絆と禁断の愛を紡いだ人間ドラマとなっている。メガホンを取ったのは、『夏の終り』(2013年)の熊切和嘉監督で、先日行われた第36回モスクワ国際映画祭のコンペティション部門で最優秀作品賞と最優秀男優賞を獲得したほか、ニューヨーク・アジア映画祭で二階堂ふみがライジング・スター賞を受賞した。主演の浅野は「モスクワから帰って数日経っていますが、未だにお祝いのコメントをメールでいただいたりします。自分の中でも興奮が冷めませんね。これをきっかけにTwitterなどで『見たい』という人が増えてくれることがすごくうれしいです」と笑顔。ベネツィア国際映画祭に出品された園子温監督作『ヒミズ』で新人賞にあたるマルチェロ・マストロヤンニ賞に続き、未来の登竜門的なアワードとなるニューヨーク・アジア映画祭のライジング・スター賞を受賞した二階堂は「評価をいただけたのは本当にうれしいですし、今は映画に深く関われていることに幸せを感じています。幸せを感じることだけでなく、それ以上のものをこれからもどんどん作っていきたい気持ちもあります」と更なる活躍に意欲を見せていた。イベント中には観客の質問に3人が回答するコーナーも実施。「二階堂との激しい濡れ場で興奮したか?」という質問に浅野は「友達にもしょちゅう聞かれるんですが、意外と仕事の時は男モードが抑えられるんです。興奮はしたと思いますが、余計な興奮をしないで仕事に集中して向き合うことができました」と告白。さらに近親相姦の被害者という50代女性から「美化されることに危険を感じるが?」と投げかけられた熊切監督は「そこに愛があったこともあり得ると思って描きたかった。美化して描いたつもりはなく、そこにある厳しさを描いたつもりです」と回答。そこで気を利かせたMCが、熊切監督だけのコメントで終わらせようとしたが、浅野が自らすすんで「これまで過激な映画をやってきましたが、見る方によって思い出させたりすることがあるならば、申し訳ないと思っています。僕らも一生懸命やってきましたが、これから考えていきたいと思います」と神妙に答えていた。
2014年07月16日浅野忠信と二階堂ふみが共演したセンセーショナルな衝撃作『私の男』のプレミア試写会が、6月2日に新宿ピカデリーで開催。浅野忠信、二階堂ふみ、高良健吾、藤竜也、熊切和嘉監督、舞台となった紋別のゆるキャラで観光大使の紋太くんが、舞台あいさつに登壇した。『私の男』は、第138回直木賞を受賞した桜庭一樹の同名小説を映画化した禁断の愛の物語。大震災の津波で両親を失い、10歳で孤児となった少女(二階堂ふみ)と、彼女を引き取り、育てていく遠縁の男(浅野忠信)。孤独だった2人が、時を重ねていくうちに、強い愛と絆で結ばれていく。メガホンを取ったのは、『夏の終り』(2013年)の熊切和嘉監督。浅野は、「40歳になり、今の自分にしか演じられない役をいただきました。感謝しています」と、充実感あふれる表情で語ると、二階堂も「私にとって運命的な作品になりました」と力強くアピール。浅野は30代について「役者として、どうやって苦手なものを克服するか、得意なものをどう伸ばすかが大変でした」と振り返った後、今回の役柄について「40代でやりたいとイメージしていたような役。どうやってかみ砕いて、自分のものにしていくかを考えるのが楽しかったです」と笑顔を見せた。極寒の流氷に入るシーンがあった二階堂は「撮影は全編通して寒かったです。でも、本物だからこそ出せる臨場感や空気感があったので、良いシーンに仕上がったと思います」と手応えを口にした。流氷のシーンを二階堂と演じた藤は「危険でした。じじいがじじいを演じると、ぎくしゃくしちゃう。二階堂さんがすごく心配してくれました」と苦笑い。さらに「新しい才能の現場であると、うれしい。勉強ばかりしてた。僕、まだ伸びますから」とおちゃめに語り、会場を和ませた。熊切監督は、俳優陣について「すごく波動の来る方とやれました。撮っていて、ワクワクしました」と満足気にコメント。最後に、紋別のゆるキャラで観光大使の紋太くんが、本物の流氷を持って駆けつけ、笑顔で写真撮影を行った。『私の男』は6月14日(土)より全国公開。
2014年06月04日意志の強さを感じる大きな瞳に黒髪、すっと通った鼻筋。沖縄出身で現在18歳の二階堂ふみさんは、現在放送中のドラマ「Woman」をはじめ、「悪の教典」「脳男」など多くの作品に出演し、いま注目を浴びている若手女優の一人です。そして、サブカル男子への取材で「気になる女優」として一番多く名前が挙がったのも実は彼女。今回は、サブカル男子への取材をもとに二階堂ふみさんの魅力を分析。その中で見えてきた、サブカル男子にモテる方法をご紹介します。■1.影がある「可愛らしいルックスでキャピキャピしてない感じがいい。あの暗さっていうか、ちょっと狂気っぽいところに、演技だって分かっててもゾクゾクする」(21歳/大学生)宮崎あおい似の黒髪で可愛らしいルックスですが、映画やドラマでは、少し病んだ印象の演技を披露している彼女。あの影のある感じがやみつきになるようです。ただ、素人がやりすぎるとメンヘラ認定されて友達すら失い兼ねませんので、影の演出はほどほどに。■2.大人びたエロス「名前ぐらいしか知らなかったけど、結構年の離れた人と熱愛報道とかがあって、ミステリアスっていうか、なんかエロイ。自分の知らないところで、本当は大人になってる、みたいな。それから結構好きになった」(19歳/フリーター)二階堂ふみさんは1994年生まれの18歳。ですが、今までに熱愛報道があったお相手は、共演した俳優で年の差なんと16歳です。確かに、すごく年上の人と付き合ってる人って、何となく「大人の世界もわかってる」という雰囲気や、大人びたミステリアスな魅力面を感じさせますよね。■3.自分の世界がある「中2っぽいことにかわりはないんだけど、そのキャラを貫いてる感じがかっこいい。何言うか予想できなくて、逆に興味が湧きます。でもその中に真面目でしっかりした感じも見えるから、不思議な子だけど、ちゃんとしてるんだなって好印象」(24歳/アパレル)”大人になってしたいことは?”と聞かれて『朝帰り』と堂々と答えたり、”自分の好きなところは?”に対し『眼球がキレイ』と答えるなど、予想外のコメントや爆弾発言なども多い二階堂ふみさん。自分の世界を持っていて、まっすぐ正直な姿には、女性でも潔さや憧れを感じますよね。■4.好きなものが多い「もともと自分が好きなバンドについてTwitterで話してたんで、そこから見るようになったんですけど、他にもいろんな音楽の話をしてて。見ていて刺激的だし、なんか仲間意識が芽生えるっていうか。(笑)彼女の話を参考に、僕も新しく開拓していったりしてます」(20歳/専門学生)二階堂ふみさんは、Twtterで自分の好きなものについてのコメントも多くしています。ジャンルは、音楽・絵・ファッション・人など、新旧問わず様々です。その趣味の広さが、サブカル男子を惹きつける要因の一つにもなっているのです。自分の好きなものが明確、かつそれに対して貪欲ということも、サブカル男子の特徴の一つ。そんな彼らを落としたいなら『彼の好きなものを調べて共通点をつくる』というのもいいですが、同ジャンルの中から新たに自分が好きなものを発掘して、彼に紹介するのもいいかもしれません。■おわりにいかがでしたか?演技力だけでなく、そのエッジの効いた性格も彼女の魅力となって、サブカル男子にじわじわ人気が広がっているようですね。ただし!エッジの効いたものは好きですが、二番煎じとわかるとそっぽを向くのもサブカル男子の特徴。あくまでこれは参考に、オリジナルの深みのある女性になってください。(Sakura/ハウコレ)<おすすめ記事>・あきらめるのは早い!男がタイプでない女性に魅かれる瞬間・5つ・壇蜜に学ぶ「お色気テクニック」6選・官能小説家直伝!彼を虜にしちゃうエッチな囁き・5選
2013年09月02日