新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛生活が長引いたことで、腸の不調を訴える人が増えているという。便秘外来がある松生クリニック(東京都立川市)の松生恒夫院長は次のように話す。「在宅時間が長くなったことによって、腸に負担をかけている原因のひとつは運動不足です。不要不急の外出を控えることで活動量が低下すると、同時に腸の動きも鈍くなります。すると、体の外に排出すべき便が腸内にたまり、便秘になります。これは、いわば“巣ごもり便秘”の状態です。この状態が続くと、便をエサにする悪玉菌が腸内で増えてしまいます。悪玉菌が血液の流れに乗って全身に行き渡ると、便秘のほか、冷え性や肥満、肌荒れ、体臭などのトラブルが体に出てきます。自粛が緩和された後でも、これから梅雨の季節にかけては便秘を招く条件が重なるので、腸のトラブルは早い段階でスッキリさせましょう」“巣ごもり便秘”を招く原因はほかにもまだある。自粛によるストレスの蓄積や感情の高まりから、自律神経のバランスが乱れ、正常な腸のぜん動運動が起こらず、腸内環境が悪化する。これも便秘を招くことにつながってしまう。「食生活にも問題があります。巣ごもり生活では、どうしても市販の弁当や手のかからないメニューが増えてしまいがち。それにより食物繊維が不足している人が多いようです。一日中家にいるので、つい夜更かしをするなど不規則な生活も腸のダメージになります。さらに、いまの時季は暑い日と肌寒い日の寒暖差が激しく、10度以上の気温差が生じることも。すると、腹部膨満感などの腸のトラブルが出やすくなります。気温とともに体の表面温度が下がると、交感神経が緊張して腸の動きが低下してしまうためです。また、血行が悪くなることで、腸の血液が滞り、ぜん動運動が抑制されてしまいます」(松生院長・以下同)特に、ホルモンバランスが乱れがちになる更年期以降の女性は、加齢に伴う筋力の衰えから、基礎代謝量が落ちてくる。すると、冷え性などの影響から便秘にもなりやすいというので気をつけたい。脳に次ぐ多くの神経細胞を持つことから、腸は“第二の脳”ともいわれる。そんな大切な器官の健康を取り戻すには、バランスのとれた食事、規則正しい生活を送ることが基本。腸を活性化させる食物繊維が豊富なキウイや発酵食品の納豆、飲み物はココアを積極的に取ることがおすすめだ。例年とは違う生活サイクルが続くことで、気づかぬうちに腸内環境を悪化させている人が多いという。蓄積したダメージをケアするために、早めに対処しておこう。「女性自身」2020年6月16日号 掲載
2020年06月11日直木賞作家・井上荒野氏の同名小説を映画化した恋愛群像劇『つやのよる 愛に関わった、女たちの物語』の完成披露試写会が8日、都内で行われ、主演を務める阿部寛をはじめ、共演する小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、忽那汐里、大竹しのぶ、メガホンを執る行定勲監督が舞台あいさつに立った。その他の写真恋愛に対して奔放な妻“艶(つや)”に翻弄されながら、愛を貫く主人公・松生春二(阿部)をはじめ、かつて夫や恋人が艶と関係をもった女性たちがそれぞれの“愛”を追い求める大人のラブストーリー。豪華キャスト陣が初めて顔を揃えたこの日、阿部は「皆さんが惜しげもなく、台本をしのぐ芝居をされている。そこまで見せていいのか…という驚きと爽快さを感じるほど」と女優たちの熱演に圧倒されていた。一方、女優陣も作品への思い入れは格別で「大人の恋愛アンサンブルで、日本にはあまりない作品」(小泉)、「男女のかわいさとおかしさが詰まったすてきな作品」(野波)、「普段とは違った役者さんの顔が見られるのは映画ならでは。特に阿部さんとママチャリに乗れたのがいい思い出」(風吹)、「(年齢的に)男女の愛については、計り知れない部分も多いが、大先輩が集う作品に携われるのはうれしいこと」(忽那)と熱のこもったアピール。また、主人公の前妻を演じる大竹は「離婚した夫を思い続けるという、自分とはかけ離れている」と自身の役柄を語り、笑いを誘っていた。そんな豪華キャストを前に、行定監督は「愛という形にできない曖昧なものを描く上で、ここにいるキャストの方々は絶対必要だった」と明言。女優陣への演出については「登場人物の心理や精神状態、表情はすべてお任せした」といい、「女性がもつ怖さと美しさを目の当たりにし、自分がいかに女性のことをわかっていないか、改めて勉強になった」と振り返っていた。『つやのよる 愛に関わった、女たちの物語』1月26日(土)全国ロードショー
2013年01月09日独特の視点から男女、親子、友達、はたまた無関係な人々まで様々な人間模様を巧みに描き出す群像劇のマエストロ・行定勲監督の最新作『つやのよる』。先日、主演の阿部寛を始め、行定作品史上最も豪華かつ最大規模となる22人の主要キャスト陣が名を連ねている本作の撮影現場に潜入!女の業がぶつかり合う壮絶バトルに遭遇した。数々の男たちと不貞を重ねる一人の女性・艶と、その夫・松生春二を始め、彼女を巡る周りの人々の愛憎、親子の絆、欺瞞、純愛とそれぞれのドラマが展開していく群像劇。艶の夫・春二を演じる阿部さんに加え、このほどこの奔放な艶という一人の女性に困惑させられる6人の女性を演じる豪華女優陣の名が発表に!小泉今日子を始め野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶと、大物女優から人気若手女優までバラエティに富んだキャスティングが目を引く。今回潜入したのは、女のプライドが火花を散らす世にも恐ろしき修羅場のシーン。艶の従兄で彼女にとって最初の男である小説家・石田行彦の妻・環希を演じる小泉今日子と、行彦の愛人・伝馬愛子を演じる荻野目慶子が真っ向から対決するというシーンである。行定監督も「理想通りの豪華なキャスティングとなって最高です」と頬を緩ませながら、この2人については「映画の歴史を考えても面白かった!」とその配役にニヤリと含みのある笑みを浮かべる。納得がいくまでテイクを重ねる“こだわりの人”として知られる行定監督だが、そのうわさに嘘偽りがないことが確認できた。小泉さんと荻野目さんが現場に入るまでに、幾度にもわたりテスト撮影が行われ、150人ものエキストラたちへの演技指導、カメラワークの確認と本番を前に疲弊してしまうのでは…と思うほどの綿密さ。1時間半ものテスト撮影を経てようやく登場した小泉さんと荻野目さんは2人共に穏やかな表情を浮かべていたが、これから修羅場を繰り広げるとあって、その臨戦態勢のオーラに現場の空気は一瞬にしてピンっと張り詰めたものに変わった。2人が鉢合わせするのは、行彦が執筆した「つややかな獣」の授賞式パーティの場。着物姿で一見慎ましやかに見える環希と、本作の原作者・井上荒野自ら「異様な衣裳」という全身純白の愛子が対決を迎える。2人は互いに面識はないものの、その存在は知っており、互いに快く思っていないという泥沼の関係が空気からひしひしと伝わってくる。そして監督からの「スタート!」の合図。会場で挨拶を交わしながらもその裏側に毒を潜ませ言い争いを始める2人は、次第にヒートアップしていくのだが、愛子の口から明かされるのは、行彦が真に愛するのはどちらでもなく“艶”であること。「行彦に犯されてるのよ!しょっちゅう犯されてるのよ!艶の代わりに」と豹変する愛子をよそに、「少々、狂ってらっしゃる」としたり顔の環希。ついに限界を迎えた2人は、手に持った赤ワインを服に、顔に掛け合うまでに…。その赤ワインが血のようにも見えるおぞましいほどの女の業のぶつかり合いが交わされた。そこへ監督の「カット!」の声がかかり一瞬の静寂の後、拍手が沸き起こり、会場は糸が切れたように和やかな雰囲気に。行定監督もニヤリと満足気な表情を浮かべていた。その後、このシーンを監督は「『イケーッ!』と思いながら見てました(笑)」と楽しげに明かしてくれた。また、当の小泉さんも「不倫相手との対決シーンは楽しかった」といい、作品について「まさに大人のアンサンブル!こういう作品って日本にはあまりないような気がします。そして力強いキャスティング。これが面白くないわけありません!」と強くアピールした。はてさて、この修羅場の行く末は?まだ明かされていない豪華キャストの面々に期待しつつ、新たな続報を待ちたい。『つやのよる』は2013年新春、全国にて公開。■関連作品:つやのよる 2013年新春、全国にて公開
2012年07月13日