初詣などで神社に行くと、おみくじをつい引いてしまいます。そして、結果に一喜一憂してしまうはず。けれど、おみくじって昔からあるものなの?今回は、おみくじの歴史や、神社とお寺で違いがあるか等、おみくじにまつわる疑問に迫ります。教えてくれたのは、仏教を学び、神社を研究している関義之さん。関さんは、14年ほど前から、年間100以上もの神社仏閣を訪問しています。■現在のおみくじができたのは江戸時代から――おみくじはいつからあるのですか?「日本にある現在のおみくじは、中国からわたってきて、天台宗のお寺で発展した『観音みくじ』と呼ばれるものが起源だと言われています。今のように、一般の人がおみくじに親しむようになったのは、江戸時代からでしょうか」――江戸時代の前には、おみくじはなかったのですか?「今のおみくじとは少し違いますが、紙や木に書かれた何かを判断基準にして占うという考え方は、もっと昔からあったと言われています。例えば、平安時代の和歌で占う『歌占(うたうら)』もそうでしょう。また、それこそ、邪馬台国の卑弥呼のような巫女がやっていた、何かに託して占うというのもおみくじと言えば、おみくじかもしれません」――神社とお寺、どちらでおみくじを引くのがオススメですか?「好きなほうで良いと思いますよ。ちなみに、歴史的背景をお話しますと、昔は、お寺と神社は一緒でした。お寺のおみくじには漢詩が、神社のおみくじには和歌が書かれるようになったのは、お寺と神社が別になった明治時代以降なのです」――おみくじは誰が作っているのですか?「お寺の『観音みくじ』系に関しては、当時から伝わっている内容が多いと思います。神社のおみくじは、明治時代以降に、日本でオリジナルに作られたのではないでしょうか。また、近年は、よりわかりやすい表現になったものや、ゲーム会社が作ったもの等も出てきているようです」■末吉と小吉なら、小吉のほうがラッキー――末吉と小吉、どっちがいいのですか?「末吉と小吉であれば、小吉の方が上です。『末っ子』という表現があるように、末は一番下なのです。逆に、吉と小吉のどちらが上かについては定説がありません。おみくじの種類によっては、半吉があったりします。『大吉・吉・凶・大凶』など、おみくじの表現には、明確な決まりがないようなのです」――では、どうやって、運を判断したらいいのですか?「おみくじに書かれている歌がポイントです。観音系のおみくじでは漢詩を、神社のおみくじでは和歌を、それぞれ解釈します。昔は、すべての人が文字を読めたわけではないので、そういう方でもわかるように、『吉・凶』という明記ができたのかな、と思います」■どうせ引くなら、信じてみては?――ところで、おみくじって当たるんですか?「わかりません。わからないけれど、おみくじが今よりも大きな意味を持っていた時代があったのは確かだと思います。そして、どうせおみくじを引くなら、当たると思って引くほうが楽しいのではないでしょうか?願い事を具体的に頭で念じることもポイントかなと思います」――今後のおみくじはどうなっていくのでしょうか?「可能性としては、今の人でもわかりやすい表現のおみくじが増えてくるかもしれませんね。例えば、恋愛成就で有名な京都の地主(じしゅ)神社では、おみくじの文章の中に、片仮名が登場するなど、若い人でもわかりやすくなっています。けれども、伝統的なものの良さもあるので、今のままの部分も多いのではないでしょうか」なるほど。おみくじは歌がポイントだったのですね。もうちょっと、古文や漢文をまじめに勉強しておけばよかったと思いました(苦笑)。(OFFICE-SANGA 臼村さおり)
2012年12月30日富士急行は11月9日、同社が運営する神奈川県相模原市のアミューズメント施設「さがみ湖リゾートプレジャーフォレスト」で、イルミネーションイベント「さがみ湖イルミリオン」を開催した。入場料は大人500円、小人300円。点灯式では、ステージ上の子どもたちや、会場に集まったファミリー、カップルなど約250人によってキャンドルリレーが行われた。それぞれが手に持ったキャンドルを吹き消すのと同時に、400万球のイルミネーションが一斉に点灯されたという。また、イベント初日とあって、21時30分の営業終了まで途切れることなくイルミネーションを見る列が続いたとのこと。今年で4回目を迎える同イルミネーションは、新たに登場した「銀河の海」、「流星群の大地」など、自然の地形を生かしたさまざまな種類のイルミネーションを、全てLEDで展開しているのが特徴。さらに期間中は、観覧車やペアリフトなどにもイルミネーションが施され、「ナイトアトラクション」として楽しむことができる。なお、営業期間は来年の4月14日まで。来年1月6日までは毎日営業で、以降、土・日・祝日と特定日(バレンタインデー・ホワイトデー・春休み期間3月20日から4月14日)のみ営業する。開催時間は17時から21時30分(最終入場は21時00分)とのこと。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月14日北原白秋の生誕地としても有名な柳川は、日本最大の干潟・有明海の近くにある。この海には、ムツゴロウやワラスボ、クツゾコ、イソギンチャクなど不思議な生き物がすむが、柳川にはそれらを使った郷土料理が多数存在する。一体どんな料理でどんな味がするのか調査してみた。訪ねたのは、有明海の新鮮な魚介類を食べさせてくれる「夜明茶屋」。同店はもともと、柳川で古くから続く網元で、明治23年(1890)に海産物商として創業した。店名は夜明けと同時に出漁する漁師に酒を振る舞っていたことに由来する。これは、漁の安全と大漁を願っての行いで、酒でありながら「お茶」と称して振る舞っていたという。4代目のご主人である金子英典さんに話を聞いたところ、ムツゴロウやワラスボなどの料理を出し始めたのは約15年前。金子さんから先代に、この地方に伝わる「故郷の味」を店で提供したらどうかと提案したのがきっかけという。というのも、金子さんによると、その昔“宝の海”とも呼ばれた有明海だが、近年は漁獲量が減っているのだとか。漁獲量が減ると、当然それに反比例して魚介の値は上がる。そのことによって、かつては頻繁に食卓に登場していた料理が消えていったのだ。「いつも食べていた料理が食卓から消えてしまうのって寂しいですよね」。その思いが金子さんを突き動かし、網元としてスタートした「夜明茶屋」が食事処を併設するに至ったのだ。こうして一風変わった素材が食べられると話題になり、地元の人から観光客まで多くの人で賑(にぎ)わう夜明茶屋。金子さんは、ムツゴロウやワラスボ、ワケノシンノス(=有明海沿岸で食用とされるイシワケイソギンチャクの地方名)の料理を見た時のお客さんの反応が面白いという。みんなそろって「オーッ」という声を上げるらしいのだ。「地元の人は、オー、懐かしいのオーッ!!観光客は、こりゃスゴイのオーッ!!ですね」と金子さん。なるほど、なるほど。では、こちらも「オーッ!!」というかどうか分からないけれど、試食させていただくことにした。まず運ばれてきたのは、ムツゴロウとワラスボの刺し身。ここでレポーターはやはり、オーッ!!といってしまった。だって、どちらもその姿が強烈なのだ。それにしても、ムツゴロウが刺し身で食べられるとは意外だった。愛嬌(あいきょう)のある姿をしているけれど、いただいてみると白身魚のような絶妙な味。エイリアンのような顔付きをしたワラスボも、独特の歯ごたえがあってうまい。お次はシャコの仲間「マジャク」の唐揚げにトライ。殻のパリパリッとした食感と甲殻類独特の濃厚な味が楽しめ、何度でも食べたくなる一品だった。そして、今回の主目的である珍味中の珍味、イソギンチャクの登場だ!ちなみにこの地方ではイソギンチャクは、若者の尻の穴を意味する「ワケノシンノス」という名で呼ばれている。そのみそ煮をいよいよいただくことに。ひと口、口に含む。ん、あ、これはナマコのよう。コリコリッとした食感だ。そして、ふた口、み口。うむ、イソギンチャクはどうやら食感を楽しむもののようだ。金子さんに聞くと、身にはほとんど味がないので、みそと砂糖で甘辛くしたり、みそ汁に入れたりして食べるのが一般的だそうだ。こうして初・イソギンチャク体験というか、初・有明海珍味体験は終了。いただく前はオーッ!!だったけれど、見かけの奇妙さとは裏腹に、どれも大変美味だった。これらの珍味は夜明茶屋のウェブサイトから購入もできるが、刺し身はお店でしか食べられない。やはり、その土地のものはその土地で味わいたいもの。柳川へ旅する際、こちらのお店に立ち寄ってはいかがだろう。新鮮な食体験ができるはずだ。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月25日