虫歯がなく歯科医院にほとんどかかったことがない夫。日ごろから丁寧に歯磨きをしていて、歯に関しては自信があったようです。それが、ある日突然感じた歯痛をきっかけに、あれよあれよという間に40代半ばにして5本もの歯を失うことに! 駆け込んだ歯科医院で告げられたのは……。虫歯がないことが自慢の夫私自身、定期的に歯のメンテナンスに通っていた両親の影響もあり、若いころから3カ月に1度のペースで歯科医院に通っていました。歯科医院では、歯磨きで取り除けなかった歯垢(しこう)や歯石のクリーニング、歯茎の状態や虫歯のチェックをしてもらっています。虫歯があっても初期段階だったため、その場で治療が済んだこともありました。虫歯は放っておくとどんどん進行するので、早期発見はとても大切です。歯科医院でのメンテナンスにメリットを感じていた私は、夫にも勧めてみることに。しかし、普段から丁寧に歯磨きをしていて虫歯がなく、自分の口内環境に自信があった夫は、私が何度勧めてもメンテナンスに行きませんでした。私にしてみれば、たった3カ月に1度のことなので「行けばいいのに」と思いますが、困っていない夫は「歯が痛い訳でもないし、困っていないから」と行く気はなさそう。たしかに見た目はとてもきれいで、虫歯で歯が痛むといったこともなさそうです。その日を迎えるまでは、日常生活に支障はなかったのですが……。「歯が痛い!」ある日突然襲われた痛みある日突然、歯に強い痛みを感じた夫。仕事帰りに慌てて歯科医院を受診しました。鎮痛剤で痛みを抑えながら歯科医院に移動し、診察を受けるころには歯がグラグラしていたそうです。歯科医師から告げられた病名は歯周病。歯茎の状態はとても悪く、痛みを感じていた歯は抜歯することになりました。歯周病は、歯周病菌が原因で起こる歯茎の感染症。歯周病菌は、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間にたまった歯垢に潜んでいて、炎症が奥まで進むと歯を支えている骨を溶かしてしまう怖い病気だそうです。歯周病は、歯茎にのみ炎症が起きている歯周病の前段階である「歯肉炎」から、「軽度歯周炎」「中度歯周炎」「重度歯周炎」と4段階で進行するとのこと。歯肉炎の段階であれば、適切な歯磨きや歯科医院でのメンテナンスで健康な歯茎に戻るそうです。しかし、軽度歯周炎の段階では出血などの自覚症状が見られるものの、深刻に考えず放置しているうちに進行してしまうことも多いようです。中度・重度の歯周炎になると歯茎が痩せて歯が長く見えるといった、見た目の変化もありますが、毎日見ている自分の歯茎の変化には気付きにくいもの。夫は出血などの症状を軽く見て放置し、歯茎の異変にも気付かなかったため、骨が溶けて歯が抜け落ちてしまうという事態を引き起こしたのです。歯のメンテナンスに通う習慣があれば、軽度の段階で発見できる歯周病。また、虫歯治療の際にも歯茎の状態をチェックできるそうですが、夫の場合は虫歯がなく歯科医院に行く機会がないことが裏目に出ました。その後、歯科医院でクリーニングを受けましたが、ほかの歯も抜け始め、結局40代半ばで5本の歯を失って部分入れ歯を作ることに。その後も歯科医院で治療を続け、歯の痛みは治まったようです。部分入れ歯を作ってからは、入れ歯洗浄剤で定期的に洗浄をしたり、金具を調整してもらったりと、メンテナンスが面倒だと夫は言っていました。また、食べ物が挟まって痛みが生じるなど、やはり自分の歯とまったく同じという訳にはいかないようです。改めて実感!予防の重要性歯の表面はとても丁寧に磨けていると歯科医院で褒められた夫ですが、歯周ポケットには歯垢や歯石が付着していたそうです。歯を失うというショッキングな事態になり、改めて予防の重要性を実感した夫。また、歯磨きで取り切れなかった汚れが歯周病の原因だと知って、プロの手に任せることも大切だと気付いたとか。「これ以上歯を失いたくない!」と、あれほど私が勧めても行かなかったメンテナンスに通うことを決意したようです。今では3カ月に1度歯科医院に通い、クリーニングや歯茎のチェックをしてもらっています。以前は面倒に感じていた歯科医院でのメンテナンスも、その場で次回の予約を取って帰るので負担なく通えているようです。まとめ歯をどんどん失っているときの夫は本当につらそうでしたが、現在は歯茎の状態も改善して現状を維持できているようです。しかし、失った歯は元どおりになることはありませんし、部分入れ歯になって不自由を感じることもあるとか。私は若いころから歯のメンテナンスに通う習慣がありましたが、夫を見て予防の重要性を再確認しました。夫の様子を見ていた高校生の息子も歯周病の恐ろしさを感じたようで、以前は面倒くさいと言っていた歯のメンテナンスにきちんと通っています。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。監修/川田悟司先生(川田歯科医院院長)川田歯科医院院長。咬み合わせ認定医。長年に渡り、咬合診査・診断をおこなう。マンガ/☆まかりな☆著者/樫原有香(50歳)高校生の息子を持つアラフィフ。現在は整理収納アドバイザーの資格を生かして、オンラインを中心にした仕事をしている。たまの息抜きは、友人を招いて自宅で開催するホームパーティー。
2023年10月08日