故・井上ひさしの遺志を継ぎ、山田監督が脚本を執筆、二宮和也と吉永小百合が親子役で初共演を果たす山田洋次監督最新作『母と暮せば』。このほど、本作の追加キャストに、加藤健一、浅野忠信が決定した。1948年8月9日。長崎で助産婦をして暮らす伸子の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二がひょっこり現れる。「母さんは諦めが悪いからなかなか出てこられなかったんだよ」。その日から、浩二は時々伸子の前に現れるようになる。二人はたくさんの話をするが、一番の関心は浩二の恋人・町子のことだった。「いつかあの子の幸せも考えなきゃね」。そんなふたりの時間は、奇妙だったけれど、楽しかった。その幸せは永遠に続くようにみえた―。山田監督83作品目にして初のやさしく泣けるファンタジー映画である『母と暮らせば』。作家・井上ひさしが、広島を舞台に描いた『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台につくりたいと願っていたことを知った山田監督が、終戦70年となる今年、その井上さんの想いに捧げ映画化に臨む。既に発表されているキャストには、母・伸子役に吉永小百合、息子の浩二役に二宮和也、浩二の恋人・町子役に黒木華といった豪華なラインナップ。そして今回解禁となった追加キャスト発表では、一人で暮らす伸子(吉永)を心配し何かと世話を焼く“上海のおじさん”役に、舞台を中心に活躍し日本演劇界を代表する俳優である加藤健一、そして、黒木華演じる町子に心惹かれていく青年・黒田役に、現在公開中『寄生獣完結編』にも出演の浅野忠信が務めることがわかった。浅野忠信は、山田組には吉永小百合主演の『母べえ』以来の8年ぶりの出演となる。二宮和也との共演は初となり、二人がスクリーンでどんな掛け合いをしてくれるのかに期待がかかる。『母と暮せば』は2015年12月12日より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年04月29日4月を迎え、入社式に始業式にとイベント満載の春。社会人や学生は忙しい日々を送っているが、シニア層にとってはのんびり旅行シーズンでもある。このほど、大和ネクスト銀行がシニア層1,000人に「映画のロケ地巡り旅に行くなら誰が主役のロケ地に行きたいか?」という意識調査を実施。吉永小百合や高倉健らおなじみの大御所の名前が並ぶ一方で、意外な結果も?シニア(60~79歳)の“旅行に対する意識や実態”を探るため、1年に1回以上旅行に行く全国のシニア男女を対象に実施された今回の調査。男女別で見てみると、女性俳優では「吉永小百合」、男性俳優では「高倉健」と、不動の人気を誇る2人がそれぞれ第1位に輝いた。ロケ地という観点から見てみると、吉永さんは昨年、初のプロデューサーを務めた主演作『ふしぎな岬の物語』で、千葉県鋸南町・明鐘岬などでの美しいロケーションが話題となり、高倉さんはやはり北海道がロケ地となった代表作『幸福の黄色いハンカチ』がファンの心をくすぐったのではないだろうか。堂々の第1位の2人には納得の方も多かろう、しかし第2位からはベテラン・若手がそれぞれ入り混じる結果に!女性俳優の第2位は「綾瀬はるか」、第3位「宮沢りえ」、第4位「杏」&「八千草薫」。男性俳優の第2位は「渡辺謙」、第3位「岡田准一」、第4位「西田敏行」、第5位「向井理」らがランクイン。今回は“映画”をテーマとした調査だが、女性俳優・第2位の綾瀬さんは、大河ドラマ「八重の桜」で主演を務め、また男性俳優・第3位の「岡田准一」は昨年の大河ドラマ「軍師官兵衛」で主演を務め、第5位の「向井理」も朝ドラ「ゲゲゲの女房」で好演と、NHK大河&朝ドラ出演俳優はやはりシニア層の認知も高いよう。春の陽気に、絶景のロケ地を巡る――想像するだけで心踊る旅になりそうだ。(text:cinemacafe.net)
2015年04月03日名匠・山田洋次監督が12月17日に都内で会見を行い、最新作『母と暮せば』の製作を発表した。公開は2015年12月12月(土)。故井上ひさしさんが長崎を舞台に「最後に書きたい」と強く願っていた“遺志”を山田監督が引き継ぐ形で、脚本を執筆し、吉永小百合と二宮和也が親子役で初共演を果たす。その他の写真先日、約20年ぶりとなる本格喜劇『家族はつらいよ』(2016年公開)がクランクアップしたばかりの山田監督が、さらなる新作に着手する。1948年8月9日、長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永)の前に、3年前に原爆で亡くしたはずの息子・浩二(二宮)がひょっこり現れるという山田監督にとって、初のファンタジー作品だ。山田監督は「この歳になって、こういう作品にめぐり合えるのは幸運であり、運命さえ感じている」といい、「生涯で一番大切な作品をつくろうという思い。戦後70年という節目に、いまのうちに語り継がなければいけない当時の様子をきちんと知ってもらわなければ、井上さん、そして長崎の皆さんに申し訳ない」と来年の春に控えるクランクインに、静かな闘志を燃やした。会見には山田監督、吉永と二宮、そして浩二の恋人・町子を演じる黒木華が出席。山田作品は『おとうと』(2010年)以来となる吉永は、「また“山田学校”に帰ってこられて、とてもとてもうれしい。全国の二宮さんファンににらまれないよう、すてきな親子になれれば。心踊っています」と抱負を語った。一方、山田組に初めて参加する二宮は「すごく緊張しています」とあいさつし、「今までの映画とは、一味違う。監督に呼ばれた意味を、自分なりに問い詰めながら、いろんなものを吸収したい」。吉永の発言を受けて「僕も吉永さんファンににらまれないようにしないと」と笑いを誘った。また、山田監督の『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞を手にした黒木は、「素晴らしい経験をさせていただき、またこうして呼んでいただき、光栄。本当に幸せ者です」と感無量の面持ちだった。『母と暮せば』2015年12月12日(土)から全国公開取材・文・写真:内田 涼
2014年12月17日日本を代表する名匠・山田洋次監督が12月17日(水)、都内で会見を行い、最新作『母と暮せば』の製作を発表した。故・井上ひさしの遺志を継ぎ、山田監督が脚本を執筆。公開は2015年12月12日で、吉永小百合と二宮和也が親子役で初共演を果たす。山田監督といえば、先日、約20年ぶりとなる本格喜劇『家族はつらいよ』(公開:2016年)がクランクアップしたばかり。早くも新たな作品に挑む『母と暮せば』は、1948年8月9日、長崎で助産婦として暮らす伸子(吉永さん)の目の前に、3年前に原爆で亡くなった息子の浩二(二宮さん)が“ひょっこり”姿を現すという、山田監督が初めて手がける心温まるファンタジーだ。「この歳になって、こういう作品にめぐり合えるのは幸運。運命さえ感じる。生涯で一番大切な作品を作ろうという気持ち」と来年春のクランクインを前に、意欲を燃やす山田監督。来年は終戦70周年の節目であり、「これも不思議なめぐり合わせ。いまのうちに語り継がないといけないテーマだし、その分きちんと当時を知ってもらわなければ、井上さん、そして長崎の人々に申し訳ない」と神妙な面持ちだった。会見には山田監督に加えて、吉永さんと二宮さん、そして浩二の恋人・町子を演じる黒木華が出席した。「また“山田学校”に帰ってこられて、とてもとても嬉しい。全国の二宮さんファンににらまれないよう、素敵な親子を演じられれば。いまから心が踊っております」と吉永さん。本作は119本目の映画出演となる。一方、山田組に初参加し、吉永さんと初共演する二宮さんは「とても緊張しています…とても緊張しています」と文字通り、緊張の挨拶!「監督に呼んでいただいた意味を、自分なりに問い詰めながら、いろんなものを吸収できれば。いままでの映画出演とは一味違う。それに吉永さんファンににらまれないようにしないと」と背筋を伸ばした。黒木さんは、山田監督の『小さいおうち』で第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞し、「素晴らしい体験をさせていただいた」。念願の再タッグに「私にとって、山田監督はお父さんのような存在。本当に幸せだなと思う」としみじみ語っていた。<山田洋次監督からのメッセージ>井上ひさしさんの名曲戯曲『父と暮せば』はすでに黒木和雄監督によって映画化されていて日本人にはよく知られています。井上さんはヒロシマをテーマにしたこの作品の外に、ナガサキと沖縄をテーマにした「戦後命の三部作」とも云うべき三作品を作り上げることを晩年の課題とされていました。その遺志を引き継いで、沖縄について彼が残した構想と資料を基にして蓬菜竜太さんが劇化し、『木の下の軍隊』というタイトルですでにこまつ座によって上演されました。残るナガサキについては『母と暮せば』というタイトルだけは決まっていました。そして井上さんの果たせなかった遺志を継いでこのタイトルでナガサキをテーマにした映画を製作したいという思いを(三女の)井上麻矢さんがかねがね持っておられたのを知り、ぼくは進んでその仕事をお受けすることにしたのです。原爆で死んだ愛する肉親が亡霊になってこの世に現れるというシチュエイションを含め、『父と暮せば』という素晴らしいモデルをお手本にして泉下の井上さんと語り合うような思いで脚本を書き上げました。井上作品独特のユーモアと暖かい涙を引き継いだ作品を、敗戦70周年となる2015年に公開することを意義深く感じています。山田洋次『母と暮せば』は2015年12月12日より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月17日『仁義なき戦い』シリーズ、『トラック野郎』シリーズ、『まむしの兄弟』シリーズなどを代表作に持つ菅原文太が、11月28日(金)午前3時に、転移性肝がんによる肝不全のため亡くなっていたことが発表された。先日、名優・高倉健がこの世を去り悲しみに暮れるなか続く訃報。菅原さんは、劇団四季に1期生として入団し、その後モデルをしながら俳優を目指すことを決意。数々の任侠映画に出演するほか、『千と千尋の神隠し』で釜爺の声優を務めたりと老若男女に慕われる存在となったが、2012年に俳優界から引退を発表。それ以降も菅原さんは、声優、ラジオパーソナリティを務めたり、妻・菅原文子さんの勧めから農業を始めるなど様々な分野で精力的に活躍してきた。すでに11月30日(日)、福岡にて家族葬が執り行われたという。喪主を務めた妻の文子さんは、下記のようにコメントを寄せている。「7年前に膀胱がんを発症して以来、以前の人生とは違う学びの時間を持ち『朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり』の心境で日々を過ごしてきたと察しております。『落花は枝に還らず』と申しますが、小さな種を蒔いて去りました。一つは、先進諸国に比べて格段に生産量の少ない無農薬有機農業を広めること。もう一粒の種は、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、共に声を上げることでした。すでに祖霊の一人となった今も、生者とともにあって、これらを願い続けているだろうと思います。恩義ある方々に、何の別れも告げずに旅立ちましたことを、ここにお詫び申し上げます」。また、女優・吉永小百合は「本格的な共演は『映画女優』だけでしたが、密度の濃い日々でした。市川崑監督のもと、溝口監督と田中絹代さんに扮しての芝居でしたが、緊張感の中で胸が躍りました。近年の社会的な御発言も、私の心に強く響いております。御冥福をお祈り申し上げます」とコメント寄せた。さらに俳優陣からもSNSにて追悼するコメントを残している。<俳優・浅野忠信>撮影で一緒に過ごした時間がとても楽しかったですありがとうございました。心からご冥福をお祈りします。<俳優・池松壮介>ありがとうございました。<俳優・八嶋智人>菅原文太さんまで…。合掌。ご冥福をお祈りいたします――。(text:cinemacafe.net)
2014年12月01日2014年11月10日(月)に悪性リンパ腫のため、83歳でこの世を去った日本演劇界の至宝・高倉健。すでに吉永小百合を始め、浅野忠信や広末涼子など共演した経験を持つ俳優陣たちから、突然の死を悼む多くの声が届いているが、このほど11月19日(水)放送の「徹子の部屋」にて、通常の内容を変更し「追悼・高倉 健(たかくら けん)さん」と題した追悼番組が放送されることが明らかとなった。昭和40年代に任侠映画で人気を集め、『幸福の黄色いハンカチ』『鉄道員』、そして遺作となった『あなたへ』まで多くの映画作品に出演し、多くの人の心をその名演技で魅了してきた高倉さん。主にスクリーンで活躍していた高倉さんはトーク番組への出演は珍しかったが、「徹子の部屋」には1980年と1988年の過去2回出演。朴訥な人柄と、誠実に自身を語る温かな人間味が感じられる珠玉の映像とともに、高倉さんを偲ぶ内容となっているよう。また、本来放送予定であった「嵐」の相葉雅紀がゲストの回に関しては、振り返り放送日などはまだ未発表となっている。高倉さんの飾らない素顔を偲ぶ「徹子の部屋」は11月19日(水)12時~放送予定。(text:cinemacafe.net)
2014年11月18日『幸福の黄色いハンカチ』『鉄道員(ぽっぽや)』など日本が誇る名優・高倉健(享年83)が11月10日(月)、亡くなっていたことが明らかになり、吉永小百合、大竹しのぶ、広末涼子らこれまで共演した女優たちから追悼コメントが発表された。1956年に銀幕デビューを果たし、『網走番外地』『日本侠客伝』を始め邦画史上に残るヒット作に出演してきた高倉さん。CMで話題となった「自分、不器用ですから」という台詞で寡黙なイメージがあるが、多くの俳優陣から「健さん」という愛称で親しまれていた。遺作となったのは、高倉さんにとって6年ぶりの主演映画『あなたへ』だった。1980年に『動乱』で共演した吉永さんは、「お知らせに信じられない思いでおります。1986年に中国への旅を御一緒して以来、一度もお目に掛かっていませんでした。映画の世界に生きることの素晴らしさを教えていただいた方です。本当にありがとうございました。感謝の思いでいっぱいです」。また、『鉄道員』で共演した大竹さんは「『鉄道員』での、たった一度だけの共演でしたが、十本も二十本も映画を撮ったような、豊かで素晴らしいことを沢山教えて頂きました。映画人「高倉健」の魅力は、そのまま、人間『高倉健さん』の魅力です。美しく、気高く、そして何よりも優しい健さんを一生忘れません。神様みたいな人が、本当の神様になってしまったようです。淋しいです」。同作で共演した広末さんは「今もまだ信じられません。ただただ、悲しくて、淋しいです。健さんに撮影現場で聞かせてもらった音楽、入れてもらった珈琲、かけていただい優しい言葉たち、背筋の伸びた大きな体で、力強く抱きしめてもらった思い出…全て全部、忘れません」。さらにSNSでも各著名人がコメントを残している。<俳優・浅野忠信>高倉健さんのご冥福をお祈りします本当に悲しいですありがとうございました。<俳優・糸井重里>「気仙沼ニッティング」の、第一号のセーターを予約してくれて買ってくださったのが高倉健さんでした。あの時、ほんとうに勇気になりました。合掌。<俳優・八嶋智人>京都の東映太秦撮影所に初めて行った時、高倉健という楽屋を見付け、十数分その前で立ち尽くしていた。いらっしゃらないのに。高倉健という字面にはそういう力があります。これからそんな人は現れるんだろうか。大きな喪失感。凄いなぁ。合掌。すでに葬儀は、親族のみの密葬で行われているとのこと。ご冥福をお祈りいたします――。(text:cinemacafe.net)
2014年11月18日女優の吉永小百合が18日、俳優・高倉健さんの訃報を受け、東映を通じて追悼のコメントを発表した。1980年公開の映画『動乱』で共演した吉永は、「お知らせに信じられない思いでおります」と心境を伝え、「1986年に中国への旅を御一緒して以来、一度もお目に掛かっていませんでした」と、直接会ったのは約28年前であることを明かした。そして、「映画の世界に生きることの素晴らしさを教えていただいた方です」と高倉さんへの思いをつづり、「本当にありがとうございました。感謝の思いでいっぱいです」と感謝の気持ちを表した。
2014年11月18日女優の宮沢りえが、主演映画『紙の月』(11月15日公開)で、第28回山路ふみ子女優賞を受賞したことが15日、明らかになった。同映画は、『八日目の蝉』(2011年公開)などで知られる直木賞作家・角田光代の同名ベストセラー小説を原作に、『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督がメガホンを取った作品。東京国際映画祭のコンペティション部門の日本代表にも選ばれている。バブル崩壊直後の1994年を舞台に、巨額横領事件を巻き起こす主婦・梅澤梨花を宮沢が演じた。山路ふみ子賞とは、映画人の育成、功績を称える目的で毎年開催している賞。宮沢が同賞を受賞したのは、『父と暮らせば』(2004年)以来2度目となる。女優賞を2度受賞するのは、吉永小百合に続く史上2人目の快挙。「平凡な主婦が無自覚の内に変貌していく姿を、美しくも重厚に描き、圧倒的な演技を披露したこと」が評価された。(C)2014「紙の月」製作委員会
2014年10月16日吉永小百合が主演を務めた映画『ふしぎな岬の物語』の舞台あいさつが15日、千葉・USシネマ木更津で開催され、女優人生で初めて映画の企画を手がけた吉永小百合と成島出監督、スペシャルゲストとして実在の喫茶店「音楽と珈琲の店 岬」の店主・玉木節子さんが登壇した。同映画は、作家・森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』が原作。モチーフとなった喫茶店「音楽と珈琲の店 岬」が実在する千葉県明鐘岬を中心に、館山ファミリーパークや和田浦漁港、大多喜町・大多喜駅、上総中野駅、勝浦漁港、千葉市ブルーフィールドなどでロケーションを敢行。舞台あいさつが行われたUSシネマ木更津は、「音楽と珈琲の店 岬」から最も近い映画館となる。舞台あいさつでは撮影時のエピソードや交流の様子はもちろん、同作品を生み出した「音楽と珈琲の店 岬」の魅力についてもトークが繰り広げられた。玉木さんが同店で提供しているコーヒーを吉永と成島監督にプレゼントする場面もあり、優しさとコーヒーの香りに包まれたイベントとなった。吉永は「色々な意味で千葉との繋がりができて嬉しいです」と話し、「コーヒーの淹れ方をマスターして毎日淹れていて、今朝も淹れてきましたが、淹れる時に、心の底から『おいしくなあれ』と願うとおいしくなるものですね。節子さんとは、お会いした時からずーっと友達だったという感じがしました」と続けた。成島監督は千葉県の茂原に15年以上住んでいることから、外房で映画が撮れた喜びを表した。「撮影中は、吉永さんの淹れるコーヒーを飲み、撮影終わりは節子さんの淹れたコーヒーを夕日を見ながら飲むという幸せな生活をしていました。吉永さんがこの映画に入る前に『旅人の心のオアシスになればいいね』とおっしゃっていたんですが、まさに岬の喫茶店は今そういう風になっていて嬉しいですね」とコメント。玉木さんは「今も岬に来る方は『小百合さんはどこに座られたの?』とあらゆるところに座られるの。岬は小百合さんの匂いでいっぱいです」と反響エピソードを明かし、「今もお客さまと話すとき、海を見ている時、コーヒーを淹れている時、常に小百合さんが寄り添っているような気持ちを感じて生きています。小百合さんが中に入っちゃったような! 双子の気持ちがよくわかりましたね」と語った。(C)2014「ふしぎな岬の物語」製作委員会
2014年10月16日女優の宮沢りえが7年ぶりの主演映画『紙の月』で、第28回山路ふみ子女優賞を受賞した。平凡な主婦から横領犯へと転落するヒロイン役で新境地を開拓。宮沢が同賞を受賞するのは『父と暮せば』(2004年)以来2度目で、2度の女優賞は吉永小百合に続き、史上2人目の快挙となる。その他の写真吉報が届いた15日、メガホンを執った吉田大八監督がアップルストア銀座で行われたトークショーに出席。日本映画として唯一、第27回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されており、同映画祭のコンペ部門プログラミングディレクターを務める矢田部吉彦氏を聞き手に、「僕が求めるもの、映画が必要とすることのために、100パーセントの仕事をしてくれた」と本作で宮沢が見せた“女優魂”を振り返った。映画はベストセラー作家・角田光代の同名小説を原作に、夫と暮らす銀行の契約社員・梅澤梨花(宮沢)が、年下の恋人のため顧客の金を横領し、その犯行をエスカレートさせる姿を描いた。吉田監督は「だんだんプロセスが大胆になるなかで、彼女が見せる表情の変遷が、作品の大きなよりどころになった。現場では常にプロフェッショナル。監督としての僕を信頼してくれた」と宮沢への感謝を表した。吉田監督はCM業界で20年のキャリアを積んだ後、『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(2007年)で長編監督デビュー。『クヒオ大佐』(2009年)『パーマネント野ばら』(2010年)を発表し、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)では第36回日本アカデミー賞で最優秀監督賞を受賞した。「毎回違ったことをしようと心がけるが、いい意味で『監督らしいですね』と言われることも。長年CMをやってきたからか、なるべく自分を消して、誰が撮ったかわからないと思ってもらえるのが理想」と話していた。山路ふみ子賞は映画人の育成、功績を称える目的で毎年開催している。『紙の月』11月15日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2014年10月16日「ぴあ」調査による2014年10月10日、11日のぴあ映画初日満足度ランキングは、吉永小百合が初めて企画も手がけた主演作『ふしぎな岬の物語』がトップに輝いた。2位に劇場版“プリキュア”シリーズ最新作『映画ハピネスチャージプリキュア! 人形の国のバレリーナ』が、3位に実話を映画化した感動ドラマ『ザ・テノール 真実の物語』が入った。その他の画像1位の『ふしぎな岬の物語』は、実在する喫茶店をモチーフにした森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』を映画化した作品。岬に立つ小さなカフェを舞台に、そこに集う人々の温かくも切ない人間模様が描かれる。出口調査では「人と人との交流を描いた作品で心がほっこりした」「吉永小百合さんの演技がすごくよかった。特にみんなを励ます場面は胸にジーンと響いた」「忘れかけている日本人の心を思い出させてくれる良い映画だった」「ほのぼのとした作品で、心が洗われるよう。現代人はギシギシしているので、この映画のように平和になってほしいと思った」などのコメントが寄せられ、10代から80代までの観客から支持を集めた。2位の『映画ハピネスチャージプリキュア!…』は、2月からテレビ朝日系列で放映されている『ハピネスチャージプリキュア!』の劇場版。観客からは「キュアフォーチュンがかわいくって楽しかった!」(4歳)、「キュアラブリーがかわいかった!」(4歳)、「最後は泣いちゃったけれど、ミラクルライトで応援するのが楽しかった。ふなっしーが出てくるのもおもしろかった」(6歳)など、子どもたちから大人気。一方、大人からは「友だちを大切にするなど、道徳心を伝えているところがいい」「今まで出てくることのなかった男の子のキャラクターや、ふなっしーなど外部からのキャラの登場があって、チャレンジ精神あふれる作品になっていた」などの声が寄せられた。(本ランキングは、10月10日(金)、11日(土)に公開された新作映画11本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2014年10月14日吉永小百合が初めて企画も手がけた主演作『ふしぎな岬の物語』の公開を記念して、キャストと監督による初日舞台あいさつが10月11日(土)に丸の内TOEIで開催される。その他の写真本作は、千葉県に実在する喫茶店をモチーフにした森沢明夫の小説『虹の岬の喫茶店』を映画化するもの。岬に立つ小さなカフェを舞台に、そこに集う人々の温かくも切ない人間模様が描かれる。吉永小百合がカフェ店主に扮し、阿部寛、竹内結子、笑福亭鶴瓶ら実力派俳優が脇を固める。メガホンを執るのは『八日目の蝉』の成島出監督。初日舞台あいさつは、丸の内TOEIで2回行われ、吉永、竹内、笑福亭鶴瓶、春風亭昇太、成島監督が登壇する。チケットは、10月4日(土)午前10時より一般発売が開始される。『ふしぎな岬の物語』10月11日(土)会場:丸の内TOEI9:20の回上映後/13:00の回上映前登壇者(予定):吉永小百合/竹内結子/笑福亭鶴瓶/春風亭昇太(9:20の回のみ登壇)/成島出監督料金:大人2000円、大学・高校生1700円、3才~中学生1200円、シニア1300円、障がい者手帳お持ちの方(付き添い1名様まで同額)1200円チケット発売:10月4日(土)10:00AMより
2014年10月02日今年、自らプロデュースした映画『ふしぎな岬の物語』が第38回モントリオール世界映画祭「審査員特別賞グランプリ」と「エキュメニカル審査員賞」のW受賞という快挙を果たした、女優・吉永小百合がお台場フジテレビに初来訪、「SMAP×SMAP」に初出演することとが明らかとなった。バラエテー番組に出演するのは、『ふしぎな岬の物語』の撮影中のためフジテレビのスタジオに来られず、中継で出演した「笑っていいとも! グランドフィナーレ 感謝の超特大号」以来となる。お台場フジテレビに足を踏み入れること自体、今回が初。さらに、「SMAP」の5人と共に共演するのも今回が初となる。今回、吉永さんが出演したのは「ビストロSMAP」などの既存のコーナーではなく、吉永をさんをお迎えするために用意されたスペシャル企画。「SMAP」のメンバー各自が用意したプレゼントを中心に展開するトークコーナーとなる。吉永さんがお台場フジテレビのスタジオセットに姿を現すと、待ち構えていたメンバーの表情に緊張の色が浮かぶも、吉永さんも「5人みなさんとお会いするのは初めてで緊張しています!」と嫋やかに語る。そして話は、初プロデュースした『ふしぎな岬の物語』に。今までは演じるところまでが仕事だったが、「(収録が)終わってから、そこからが仕事。スタッフのみなさんは本当に大変なんだと初めて分かりました」とふり返る。「(映画には)みんな一人ではないんだ、大丈夫、手を繋いで行こう、というようなメッセージが込められています。あ! そういう歌ありましたね、『SMAP』のみなさん」と場を和ませた。一方で、大先輩の吉永さんにメンバーからの質問も。118作品もの映画に出演している大女優とあって、「あらためて女優人生をふり返ってみていかがですか?」(中居正広)、「撮影中、演技に集中するためにはどうしていますか?」(草なぎ剛)と、リアルな質問をぶつけていた。その逆に、「(山田洋次監督作品)『武士の一分』に出演した時はいかがでしたか?」と木村拓哉に質問する一幕も。一瞬、木村さんも驚きながら、「いつか同じ画角の中で目を合わせることがあるだろうか、と思っていた吉永小百合さんに目線を合されて個人的にすごくエキサイトしています!」と胸の内を明かしていた。また、稲垣吾郎にも「アイドルでいらっしゃるのに悪役が本当にすばらしいですね」と吉永さんは声をかける。大いに照れながら稲垣さんも「親と一緒に見てきましたが、60年代と全く変わらないですね!」と驚きの感想を真正面からぶつけていた。さらに、香取慎吾には「CMでご一緒しましたね」と、声をかけていた。そして、吉永さんにいよいよプレゼントを贈る時が。緊張もピークを迎え、みな硬い表情のままのメンバー。「これしか思い浮かばなかった!吉永さんにはエネルギッシュでパワフルでいてほしいと思って」(中居さん)、「週に2、3回は泳がれていると伺って用意しました!」(木村さん)、「目の奥の光、輝きが60年代から全く変わらない。それは健康に気をつけていらっしゃるからですよね」(稲垣さん)、「人生で最初の作詞作曲です!」(草なぎさん)、「プロデューサーのお仕事をするために」(香取さん)と、まさに五者五様それぞれのカラーが色濃く出たその中身とは…?収録を終えて、大先輩にして大女優・吉永小百合を迎えしたことについて、草なぎさんは「吉永小百合さんは雲の上にいらっしゃるような方。芸能界で今、僕たちがこうしてお仕事ができるのも吉永さんが道を作ってくださったからこそ。大先輩と共演ができて本当に光栄でした。吉永さんは周りにいる人たちを包みこむようなオーラの持ち主で、想像以上に素敵な方でした」とまだ夢見心地だった。このスペシャルでは吉永さんとのトークコーナーのほか、ライヴのゲストには「宝塚歌劇団 花組」のスター5人が登場。「ビストロSMAP」では、小栗旬を始め向井理、柴咲コウ、山田孝之ら月9ドラマ「信長協奏曲」の出演者が勢揃いする1本目と、ドラマ「ファーストクラス」第2弾放送を目前に控え、沢尻エリカを迎える2本目の豪華2本立てとなる。「SMAP×SMAP スペシャル」(仮)は10月16日(月)21時~フジテレビにて放送。(text:cinemacafe.net)
2014年09月29日舌腫瘍を患い、昨年7月より休養していたギタリストの村治佳織が、9月16日(火)に開催された、自身がメインテーマを演奏している映画『ふしぎな岬の物語』のプレミア試写会に出席。久々の公の場で元気な姿を見せ、演奏も披露した。吉永小百合が主演とプロデューサーを兼任し、第38回モントリオール世界映画祭で「審査員特別賞グランプリ」を含む2冠を獲得した本作。村治さんは吉永さんのオファーを受け、メインテーマであり、映画の最後に流れる「望郷~ふしぎな岬の物語~」をクラシックギターで演奏している。舞台挨拶に登壇した吉永さんは、以前から親交の深い村治さんを「私にとっては妹分のような存在」と紹介。村治さんは「ステキなメロディに出合うことができました」と喜びを口にする。舌腫瘍で昨年7月から長期休養に入っていたが、吉永さんの「久しぶりに舞台に立ってくれました。ご病気を克服されて、引き受けてくださり嬉しいです」という言葉に「吉永さんやみなさんにパワーをいただいて、こうして戻ってくることが出来ました。私にとって、この映画は“希望の光”でした」と強い思いを口にする。吉永さんは映画とギターの良好な関係は「『禁じられた遊び』(’52/※ギタリストのナルシソ・イエペスが主題歌「愛のロマンス」を演奏)以来のものです」と語り、「佳織さんのギターで映画が終わるというのが夢だったんです!」とプロデューサー冥利に尽きるといった表情でコラボレーション実現の喜びを語った。村治さんは映画の上映前にクラシックギターで「望郷~ふしぎな岬の物語~」を奏で、その美しい音色に観客は酔いしれた。『ふしぎな岬の物語』は10月11日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ふしぎな岬の物語 2014年10月11日より全国にて公開(C) 2014「ふしぎな岬の物語」製作委員会
2014年09月17日ドコモの人気キャラクター「ドコモダケ」と日本伝統工芸の「熊野筆」がコラボレーションした、かわいらしい化粧筆が登場。カラフルな色合いで日本の伝統工芸がキュートに変身している。上から見ると…カラフルに染め上げられた「ドコモダケ×熊野筆」ジージドコモダケ、バーバドコモダケ、チチドコモダケの3キャラクターをイメージした化粧筆は、肌触りがよくコシのある粉含みのよい山羊毛(粗光峰)を使用。日本を代表する化粧筆の産地・広島県熊野町の日本伝統工芸「熊野筆」だけに、職人が一本一本手作りで作っている。チークブラシのほかにもハイライト用などにも使用できる。同商品は、オリコンストアで先行予約を受付中。6月いっぱいの受付を予定しているが、予約が定数に達し次第終了となる。【商品詳細】『ドコモダケ×熊野筆』(ジージドコモダケ、バーバドコモダケ、チチドコモダケ)サイズ:全長約55mm、毛丈約30mm素材:穂首/天然山羊毛100%、軸/木(桜)※染色については身体に影響のない「ECO染料」を使用価格:各¥3996(税込)
2014年06月02日メディケア生命保険は、小学3年生以下の子供を持つ男女(調査対象者:20歳~59歳)を対象に、「子供の絵本と教育に関する調査」をモバイルリサーチで実施した。調査は6月8日~12日にかけて行われ、1,000名の有効サンプルを得た。最初に、自身が子供の頃に「父親」や「母親」からどれくらいの頻度で絵本の読み聞かせをしてもらったかを聞いたところ、どちらか一方から「読み聞かせをしてもらった」は52.9%。20代では62.5%、30代では54.9%、40代では48.6%だった。続いて現在、どのくらいの頻度で子供に絵本の読み聞かせをしているか尋ねたところ、「週に1日以上」は47.7%だった。子供の頃に絵本の読み聞かせをしてもらった層は56.8%、読み聞かせをしてもらっていない層は37.3%で、自身が子供の頃に絵本の読み聞かせをしてもらった親ほど、子供に絵本を読み聞かせてあげている実態が明らかになった。次に、子供への絵本の読み聞かせにどのようなことを期待しているかを聞いたところ、1位は「子供が本に慣れ親しむ習慣がつく」(58.0%)だった。2位は「子供が言葉を覚える」(55.4%)、3位は「子供とのスキンシップがとれる」(53.6%)。今後、読み聞かせしたい本について聞くと、最も多かったのは「日本のおはなし・物語絵本」(52.6%)だった。以下、「しつけ絵本」(39.2%)、「海外のおはなし・物語絵本」(37.5%)となっている。子供の年齢層別でみると、7歳~9歳(小学1~3年生)の子供の親は、他の年齢層より、「防災絵本」、「交通安全絵本」と答えた割合が高かった。次に、子供に実際にあれば読んでほしいと思う、今活躍している人物を題材にした「絵本の偉人伝」について聞いた。1位は「宮崎駿さん(映画監督)」(41.8%)、2位は「イチローさん(プロ野球選手)」(41.3%)、3位「山中伸弥さん(iPS細胞研究者)」(32.8%)という結果に。以下、映画監督でタレントの北野武さんや実業家の孫正義さんが続いた。子供に絵本を読み聞かせして欲しい映画俳優を聞いたところ、男性俳優の1位は、「福山雅治さん」で、2位は「森本レオさん」、3位は「渡辺謙さん」だった。女性俳優の1位は女優の「吉永小百合さん」、2位は「松嶋菜々子さん」、3位は「綾瀬はるかさん」「市原悦子さん」となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年07月16日女優の吉永小百合が12月18日(火)、都内のホテルで開かれた「第37回報知映画賞」の表彰式に出席。『北のカナリアたち』での熱演が評価された吉永さんは、28年ぶりに同主演女優賞を獲得したが「みなさんから良い作品だという声をたくさんいただき、手応えもあった。もしかしたら、作品賞かなと期待していたので、私ひとりでいいのか…という思いがあります」と恐縮した様子。それでも『北のカナリアたち』、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』の2作品で助演男優賞を受賞した森山未來、お祝いに駆けつけた共演者の満島ひかり、撮影を手がけた木村大作氏とステージに居並び、『北のカナリアたち』がこの日の“主役”となった。「今年は決選投票で、僅差だったと伺っています」(吉永さん)という通り、大接戦となった作品賞を制したのは、内田けんじ監督の『鍵泥棒のメソッド』。内田監督の受賞を祝おうと、堺雅人、広末涼子、香川照之という豪華キャスト陣が駆けつけ表彰式を彩った。「終始ワハハと笑いながら、楽しく平和に撮影した。だから、逆にインタビューで答えることがなくて、インタビュアーさんを困らせちゃったほど」(堺さん)、「素っ裸のまま、銭湯ですっ転ぶ(笑)。そんなたった1秒のシーンを、丸一日かけて撮影したのが昨日のよう」(香川さん)。ちなみに、広末さんは体調不良で声が出ず、挨拶こそなかったが、その分男優2人が丁々発止のやりとりで盛り上げ役を買って出るなどチームワークは相変わらず。内田監督も「この映画は、とにかくキャストが良かった」と喜びの笑顔を見せていた。また、高倉健が約6年ぶりの出演作『あなたへ』で、第2回(1977年)以来の主演男優賞を受賞した。スケジュールの都合で表彰式は欠席となったが、「今回の受賞を励みに、これからも精進していきたい」とメッセージを寄せ、さらなる飛躍を誓うと、会場からは大きな拍手が沸き起こった。高倉さんの代理として、同作がなんと20本目のタッグとなる盟友・降旗康男監督が登壇し、「健さんを鉄に例えるのも何ですが(笑)、『鉄は熱いうちに打て』という言葉もあるように、とにかく早く次の作品を撮りたい」と次なる21本目に期待感。「ぜひ面白い企画で、健さんを誘い出してくれれば、友人として嬉しい」と映画関係者が集う会場でアピールしていた。<「第37回報知映画賞」受賞結果一覧>作品賞・邦画部門:『鍵泥棒のメソッド』(内田けんじ監督)作品賞・海外部門:『アルゴ』(ベン・アフレック監督)主演男優賞:高倉健(「『あなたへ』)主演女優賞:吉永小百合(『北のカナリアたち』)助演男優賞:森山未來(『ALWAYS 三丁目の夕日’64』『北のカナリアたち』)助演女優賞:安藤サクラ(『愛と誠』『その夜の侍』)監督賞:吉田大八監督(『桐島、部活やめるってよ』)新人賞:満島真之介(『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』)新人賞:能年玲奈(『カラスの親指』)■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会 北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち 2012年6月2日より全国にて公開カラスの親指 2012年11月23日より全国にて公開© 道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズアルゴ 2012年10月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
2012年12月18日「ぴあ」調査による11月1日、2日、3日公開の映画・満足度ランキングは、吉永小百合主演映画『北のカナリアたち』がトップに輝いた。2位に料理家・辰巳芳子が食を通して“人の命の尊厳”を唱える映像記録『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”』が、3位に和田竜のベストセラー小説を野村萬斎主演で映画化した『のぼうの城』が入った。上位作品の画像1位の『北のカナリアたち』は、湊かなえの短編小説を原案に、阪本順治監督が映画化した東映創立60周年記念作品。20年前に起こった“ある事件”に翻弄される女性の姿が描かれる。劇場には幅広い世代の観客が足を運び「気がついたら自然と涙が出ていた」「吉永小百合はとてもキレイで魅力的だった」「若い俳優たちの演技が凄い。特に森山未來は適役」「自分の子ども時代や、その頃の純粋な気持ちを思い出した」「ストーリーがいいだけでなく、情感や雰囲気のある作品。人との繋がりというテーマを感じた」などのコメントが寄せられた。2位の『天のしずく…』は、料理家の辰巳を通じて、私たちの食や、現代の食糧事情、そして日本のゆくえについて考えるドキュメンタリー。出口調査では「辰巳先生の姿勢に大変共感した」「映像がとても美しい。食料自給率など日本食について考えさせられた」「身体を作っているのは食だと改めて実感。自分の食生活を見直し、子どもにも継承していきたいと思った」「農作物が命に繋がるというメッセージがきちんと伝わってくる作品。若い人に観てほしい」など、女性を中心に支持を集めた。(本ランキングは、2012年11月1日(木)、2日(金)、3日(土)に公開された新作映画14本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年11月05日女優の吉永小百合が3日、都内で行われた主演最新作『北のカナリアたち』の初日舞台あいさつに共演する柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、阪本順治監督とともに登壇した。東映創立60周年を記念した大作として、舞台となる北海道・礼文島と利尻島で過酷なロケを敢行した本作。それだけに出演者は、本作の“巣立ち”に感無量の面持ちだった。その他の写真特に主演を務める吉永は「皆さん主役級の方々が揃ったが、最初はうまくアンサンブルが生まれるか心配だったんです。私もこういうケースは初めてだったので…。でも現場では、そんな心配は全然なかった」と思いも格別の様子で、時折瞳をうるませる瞬間も。撮影後も自身が北は北海道から、南は沖縄まで全国キャンペーンをこなしたおかげで、映画は興収20億円突破が確実となる好スタートを切った。さらに吉永は本作公開後も、名古屋、大阪、長岡、新潟、弘前などでPR行脚を行い、ついに羽ばたいた本作の勢いに弾みをつける予定だ。原案は『告白』の湊かなえ氏が昨年発表した『往復書簡』(幻冬舎刊)に収められた「二十年後の宿題」。一人の女性教師・はる(吉永)と生徒6人の間に起こった転落事故を軸に、双方の思いが複雑に絡み合いながら、20年後に衝撃的な真実が明かされるというヒューマン・サスペンス。吉永の夫を演じた柴田が「みんな、吉永さんに褒められたかったんです」と主演女優に最敬礼すると、吉永は「いやあ、そんな…」と頬を緩めた。生徒たちの20年後を演じる宮崎、満島、松田らは大先輩との共演に、今も神妙な表情で「歌を通してひとつになれた現場。合唱するシーンは今も自然と涙が出る」(宮崎)、「まるで職人のような、本気で映画を作っている大人たちに囲まれた現場でした」(満島)。松田は「これほど雪が似合う方はいない」と吉永を褒めたたえていた。『北のカナリアたち』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年11月05日東映創立60周年記念大作として、北海道での過酷なロケが行われたヒューマンサスペンス『北のカナリアたち』が11月3日(土・祝)、全国で封切られた。同日、主演を務める吉永小百合を始め、柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮?あおい、小池栄子、松田龍平、阪本順治監督が東京・有楽町の丸の内TOEIで初日舞台挨拶に立ち、本作の“羽ばたき”にそれぞれの喜びを噛みしめていた。湊かなえ氏の「往復書簡」(幻冬舎刊)に収められた「二十年後の宿題」を原案に、北海道の離島で起こった転落事故によって、運命が狂わされた女性教師・はる(吉永さん)と生徒6人の20年ぶりの再会がもたらす真実、そして衝撃的な結末が描かれる。舞台挨拶では、物語の原点となった分校の教室を再現。登壇者が黒板に書いた本作への思いが紹介された。吉永さんが黒板に書いたのは“輪になって”という言葉。「それぞれ主役級のみなさんが揃ったが、最初はうまくアンサンブルが作れるのか心配だったんです。私もこういうケースは初めてだったので…。でもそんな心配は全然当たらなかった」と現場で育まれたキャスト同士の絆に思いを馳せる。すると柴田さんは「みんな、吉永さんに褒められたかったはず」とふり返り、一同も納得の表情。吉永さんは「いや、そんな…」と頬を赤らめた。宮崎さん、松田さんら20年後の子どもたちを演じる若手実力派キャストも、身が引き締まる思い。「歌を通して一つになれた」(宮崎さん)、「吉永さんはとても雪が似合う方」(松田さん)、「まるで職人のような、本気で映画を作っている大人たちの現場」(満島さん)と口々に本作で味わった経験を語っていた。約1年前にクランクインし、冬は雪嵐吹き荒むマイナス30度の極寒の地で、夏は美しい花々が咲く雄大な自然の中で撮影。サスペンスでありながら、人間の愛と信頼を問いかける『北のカナリアたち』はこの日、大きく羽を広げ、東映によれば興収20億円突破が確実となる好スタートを切った。『北のカナリアたち』は全国にて公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年11月04日東映創立60周年記念作品として製作された『北のカナリアたち』の公開を記念し、Apple Store, Ginzaにて阪本順治監督を招いてのトークイベントが行われた。その他の写真今回の企画は海外のApple Storeで開催されている「Meet the Filmmaker」の日本版。本国アメリカではこれまでにメリル・ストリープ、トム・ハンクス、ジェームズ・キャメロン監督ら著名な映画人が登場し、その模様がPodcastで配信されるなど大きな反響を呼んでいる。登場した阪本監督は、映画監督になるきっかけとなった事柄からトークをスタート。「実家の真向かいが東映の映画館だったんですよ。当時はまさか自分が60周年を託されるとは思っていなかったですね(笑)」と、東映との運命ともいえる出会いについて振り返った。また、「初めてフィルムで映したのは、近所の施設に慰問に来られた今生天皇と皇后様でした」と、意外な映画の原体験を語った。その後、話題は最新作の『北のカナリアたち』へ。大女優・吉永小百合を迎えて映画を撮ることが決まったときには、「後ろからひざカックンされた気持ち。いつもJRの看板にはごあいさつさせていただいてました(笑)」と、冗談を交えて語りながらも、「一般の方が思っている通り清楚で可憐。それに加えて思ったのは勇ましい方だなということでした」とその印象についてコメント。「映画は僕の中でエンドマークをつけても本当の完成ではなくて、大勢の人が見てその反応も含めて出来上がるもの。僕らのさまざまな思いがみなさんに伝わればいいなと思う」と作品への想いを語り、イベントを締めくくった。本作は『告白』の湊かなえ氏による短編作品の実写化。離島の分校で教師をしていた女性が、20年前に起こった事件の真相を知るべくかつての教え子たちを尋ねる旅が描かれる。『北のカナリアたち』11月3日(土・祝)より全国ロードショー取材・文・写真:渡部あきこ
2012年10月17日映画『北のカナリアたち』の阪本順治監督が10月16日(火)、東京・銀座のApple Store銀座店で行われたトークイベントに出席。自らの映画づくりのルーツから本作の撮影についてまでたっぷりと語った。子供時代を過ごした生家の真向かいが、本作の配給会社でもある東映の映画館だったという阪本監督。「近所のよしみでいつもタダで入れてもらったし、映写室を覗いたりしてた。任侠映画の看板が変わるのをいつも見てました。これがが松竹の映画館だったら、僕は『どついたるねん』(’89)でデビューせず、アットホームな映画を作ってたかも。今回、東映の60周年映画を託されることになるとは…縁を感じるし意表を突かれました」とふり返る。小学4年生で8ミリ映画を撮影し、中学で映研、高校では文化祭で自主映画を制作。大学に進んだのち、石井聰互(現・岳龍)監督のプロダクションで美術スタッフなどを経験し、映画監督としてデビューを果たした。「30歳で監督になると決めてて、周りに『(助監督を)辞めます』と言ってたんです。わずかにためた貯金でボクシングという題材を選んで、赤井(英和/主演)くんを口説きました」と懐かしそうに語る。この作品が高い評価を浴び、一躍注目を浴びることになったが「天狗になってました」と述懐。「東京で僕が顔を振ると鼻の先が大阪でぶつかるって言われました(笑)。一緒に付いてきたスタッフに叱られ、殴られたこともありました」と意外な一面を明かした。デビュー作品、それに続く作品で原田芳雄、麿赤兒、若山富三郎など邦画界の重鎮たちと仕事を共にしたが「怖いもの知らずだったし、撮影所への憧れもあって、自分の演出が通じるかというスリルを感じる大御所の方にどんどん声を掛けてました。いま思うと若気の至りです」と少し照れに語る。本作は湊かなえの小説を原案に、ひとりの女教師と彼女の6人の生徒らの間に起きたある事件の真実が20年もの時を経て明らかになっていく。21作品目の監督作で、吉永小百合を主演に迎えることになったが「僕は(邦画の)黄金期のスターの方々への純粋な憧れを持ってる。ましてや吉永さんですからね。自分にやれるものではないと思ってました。何で僕の名前が(監督として)挙がったのか?いまだに怖くて聞けないんですよ」と畏敬の念を込めて吉永さんへの特別な思いを語る。撮影現場での吉永さんについては「みなさんが思っているように清楚で可憐なイメージは一緒に仕事をさせていただいても変わらないんですが、それに加えて勇ましい方だなと思いました。決断するときや吹雪の中でスタンバイしているときの虚無僧のように耐える姿もそう。あの勇ましい感じは、少しずつ培われてきたものではなく、『キューポラのある町』(’62)の頃から持ってる根っこの変わらない部分なのかなと思います」と印象を明かした。吉永さん以外にも撮影監督の木村大作や生徒役の松田龍平、森山未來、満島ひかり、小池栄子らとは初めて仕事を共にしたが、「今回に限らず、自分にやれるのか?という恐れがあった方が面白い。恐れがあるからこそ強く出ていける」と常に新たな挑戦を続ける自らのスタイルを説明。「キャスティングに関しても、台本のイメージは大事だけど、ピッタリなのは嫌なんです。適材適所を目指し過ぎるとつまらなくなる。吉永さんはこれまでずっと主演をやられてきて、どんな俳優が目の前に現れても芝居を返してきた。そんな吉永さんに対し、彼ら(※生徒役のキャスト)は、自分らしさを出してやってくれたし、吉永さんと一緒にいる中で自分でも見えなかった部分が出てきたんだと思います」と満足そうに頷いた。『北のカナリアたち』は11月3日(祝)より公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年10月16日女優の吉永小百合が3日、都内で開催された主演最新作『北のカナリアたち』(阪本順治監督)の完成披露会見に、共演する柴田恭兵、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平とともに出席した。舞台となる北海道・礼文島と利尻島での過酷なロケを無事に終え、「あまりの厳しさに乗り越えられないのでは…と不安になったことも。今は完成してホッとしております」と安どの表情を見せた。その他の写真原案は『告白』の湊かなえ氏が昨年発表した『往復書簡』(幻冬舎刊)に収められた「二十年後の宿題」。20年前に一人の女性教師・はる(吉永)と生徒6人の間に起こった転落事故を軸に、双方の思いが複雑に絡み合いながら、当時明かされることのなかった謎と真実が、一つの衝撃的な結末を導き出すというヒューマン・サスペンスで、東映創立60周年記念作品として全国公開される。吉永は「サスペンスなんですけど、最後には登場人物全員の思いやりや優しさ、温かさがジンワリと伝わる作品になった。辛いことが多い時代ですが(観客の)皆さんの心に、温かい思いが灯ってくだされば」と格段の思いでアピール。劇中で仲村トオルとのキスシーンも披露しており、「二人の心の通い合いをどう表現するか阪本監督と相談し、監督が『じゃあ、キスシーンにしましょう』と(笑)。台本にもキスシーンはあったが、アップで撮ることになったので、監督の度胸に驚かされました」と告白。「撮り終えた後は余韻というか、不思議な気持ちになった」と少し照れくさそうに振り返った。はるの夫を演じた柴田は「まるで吉永さんの手の上でコロコロ転がされた感覚で、心地よかった。今後、何度も何度も共演させていただきたい。ぜひお願いします」と再共演を懇願し、吉永も「次はアクションですか?」とすっかりその気。一方、はるの父親を演じた里見は「吉永さんの親父役と聞いて、ちょっとがっかりしたんですよ(笑)。ぜひ次回は恋人役で」とこちらも吉永との再共演に意欲を見せた。宮崎ら“20年後の子どもたち”を演じた若手俳優陣も、吉永との共演、そして厳しい自然と向き合うロケを通して、感慨を噛みしめていた様子。会見にはキャストに加えて、阪本監督をはじめ、木村大作氏(撮影)、湊かなえ氏(原案)、那須真知子氏(脚本)、川井郁子氏(音楽)、黒澤満氏(企画)らスタッフ陣も顔を揃えた。『北のカナリアたち』11月3日から全国でロードショー取材・文・写真:内田 涼
2012年10月03日東映創立60周年記念作品となる映画『北のカナリアたち』の完成報告会見が10月3日(水)に行われ、主演の吉永小百合を始め柴田恭兵、里見浩太朗、森山未來、満島ひかり、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、阪本順治監督らが出席した。「告白」などで知られる湊かなえの連作集「往復書簡」(幻冬舎刊)に収録された「二十年後の宿題」を原案に映画化した本作。北海道の離島にひとりの女教師が赴任し、彼女の下で6人の生徒たちがのびのびと育っていくが、ある日痛ましい事故が…。その傷を抱えたまま巣立っていった教え子たちと教師の運命が20年の時を経て絡み合っていく。北海道の礼文島、利尻島で冬と夏の2回にわたりロケが行われたが、特に冬は極寒の中での過酷な撮影が続いた。吉永さんは「あまりの厳しさに『乗り切れないのでは?』と思ったこともあった」と述懐。「それでもスタッフやここにいる出演者のみなさんが頑張ってくださっているのだから、『私ももっとしっかりしなくちゃ』と思い、夏に向けて体力作りもしました」と明かす。吉永さん演じるはる先生の教え子の20年後を演じた森山さんら若手キャスト陣は、吉永さんとの共演、吉永さんの指揮で合唱をするシーンで強く感じるものがあったよう。森山さんは「僕らが歌うシーンは20年前の子供たちと違って綺麗な声で歌うというよりも、20年の時を経てどんな経験をしてまたあの分校に戻ってきたのか?というところ。それぞれが様々な方向に歩き、“ずれ”を感じながらも6人が歌うんですがすごく気持ちよかったです。(映画を観て)自分が出ているのに『いいな』と思えました」と語る。満島さんは「何度もテストをやって気持ちが高揚しすぎるところもあったんですが、吉永さんが本当はこっちを向くはずなにずっとふり向かないことがあったんです。それが高揚感も緊張感もあるけど、空気が澄んだ静かなものになった瞬間に吉永さんがふり向いてシーンが始まったんですが、そのときの表情は、後からみんなで『凄まじかったね』と話をしました。神々しくて、静かだけど美しくて…葛藤も抱えたフッとした表情でした」と尊敬を込めて語った。宮崎さんは吉永さんと目を合わせない芝居が多かったそうで「ストレスがありましたが、指揮をしている吉永さんの顔をしっかりと見られて幸せでした」と告白。小池さんも「歌いながら鳥肌が立つような体験でした」と語る。20年後の6人がこの歌のシーンで初めて揃って再会することになるが、松田さんは「それまでは(6人の関係性や過去が)想像でしかなかったので、それを繋げるものは歌しかなかった。練習でも吉永さんが指揮をしてくださったんですが、想像が形になっていくようで余計な芝居が要らず、本当に久々の再会という感じがして不思議でした」と感嘆を込めて述懐した。吉永さんは“教え子”たちの言葉に目を細めつつ「6人が真っ直ぐに私を見てくれて、それだけで何とも言えぬ感動があり、この場に居合わせてよかったと思いました」としみじみ。「何冥利に尽きると言ったらいいのか…私は先生になりたいと思ったこともあったので、先生冥利に尽きるというか」と現場で感じた幸福を明かした。また吉永さんは劇中、仲村トオルとのキスシーンも披露。吉永さんの映画でのキスシーンは『北の零年』(’05)での渡辺謙とのシーン以来となるが「(はる先生と)仲村トオルさんとの心の通い合いはどういうもの何だろう?と監督とよく話し合いました。トオルさんは撮り終えてその日、東京に帰られたんですが、気恥ずかしくてトオルさんのところに行けず、余韻があり不思議な思いに駆られました」と静かな笑みを浮かべて語った。撮影開始前の制作発表会見で「これまでにない吉永さんを撮りたい」と語っていた阪本監督は、「見たこともない吉永さんの表情というのは、僕が演出で作るのではなく物語がそれを求める瞬間があるんです。不思議な雰囲気を醸し出したショットを感じていただければ」と手応えを口にした。『北のカナリアたち』は11月3日(祝・土)より公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年10月03日「告白」などで知られるベストセラー作家・湊かなえの小説を原作に、吉永小百合を主演に迎えて贈る東映創立60周年記念作品『北のカナリアたち』。北の大地での過酷な撮影の最中に、シネマコンプレックス「MOVIX」のためだけに収録された貴重な特別映像がシネマカフェに一足早く到着!湊かなえの短編集「往復書簡」(幻冬舎文庫)に収録の一遍「二十年後の宿題」を原案に、ひとりの女性教師と6人の教え子たちの運命の再会、20年前に起きたある事件の真相を描き出す。主演の吉永さんを始め、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮﨑あおい、小池栄子、松田龍平など豪華なキャスト陣の共演でも話題の本作。吉永さんのコメント、さらに20年前の生徒役の子供たち6人が歌う「MOVIX」のテーマソングをバックに、本作の劇中映像と未公開メイキングシーンで構成されたこの映像。子供たちによる牧歌的なメロディの美しいコーラスと、そこに映し出される劇中のサスペンスフルな映像のコラボレーションは何とも形容しがたい緊張感がある。映像冒頭のほのぼのとした雰囲気に油断していると、森山さんや満島さんらが演じる20年後の子供たちのこれまで抱えてきた葛藤や不安が次々に映し出され、観るものを釘付けにする。しかし、何よりも驚かされるのが映像の冒頭から流れるこの子供たちの“天使の歌声”。本作でも重要な役割を果たすこの歌声は、3,100人の中から選ばれた子供たちによるものなんだとか。“日本最後の秘境”と言われる利尻・礼文島で、天使たちの歌声はどのように響き渡るのか?まずは、こちらの映像から注目の特別映像をチェック!『北のカナリアたち』は11月3日(土)より全国にて公開。※こちらの特別コラボ映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会
2012年09月14日強い母ちゃんに美しい母、たくましい“肝っ玉母さん”、優しいママ、厳しいお母さんなどなど母親も千差万別。もちろん映画の中で描かれる母親像もいろいろ。映画を観ながら本筋とは関係ないところで「うちの母親と同じこと言ってる!」とか「こんな母親の下で育ったらどうなってたかな?」なんて考えに浸る人もいるはず。シネマカフェのランキング企画「シネマカフェゴコロ ランキング5」ではこの1か月、「あなたが思う“理想の母親”女優」をテーマにアンケートを実施。国内外を問わず多くの作品を引き合いに、様々な女優にたくさんの票が投じられたが1位に輝いた理想の母は?結果を大発表!男女を問わず多くの支持を集めて“ベスト・マザー”の座を獲得したのは、還暦を過ぎて尚、その美しさに全くかげりを見せない吉永小百合。2008年に公開され、愛情深い一家の母を演じた映画その名も『母べえ』を始め、これまでに数々の作品で魅力的な母親を演じてきた。60代以上のサユリストからは「理想の“母親”だなんてけしからん!理想の“女性”だ!」との声が挙がるかもしれないが、吉永さんよりもひと回りからふた回り下の50代、40代の男性からの票が多数集まった。一方で興味深いのは比較的若い30代の女性からの支持が高い点。「素晴らしい人だと思うから」(30代・女性)という声に代表されるように、同じ女性として「こうありたい」と思う憧れの女性と言えそう。今秋公開の主演作『北のカナリアたち』ではまさに母のような愛情で教え子たちを包み込む教師を演じており、完成が待たれる。続いて第2位には八千草薫がランクイン。近年では母親役だけでなく愛情豊かな祖母役を演じることも多いが、80歳を過ぎて尚、多くの演出家や監督からのオファーが途切れることがないのは八千草さんにしか出せない優しさ、気品があるからこそ!「おしとやかさの中に強さがある」(50代・男性)、「良妻賢母そのもの」(30代・女性)と多くの票を集めた。3位に入ったのは数多くのドラマで明るく子供たちを励ます母親を演じてきた黒木瞳。“かわいいお母さん”の代名詞とも言える存在で、こんな母親がいたら反抗期なんてなかったのに、なんて感じる人も多いのでは?「肩肘張らずに、自然体で生きている感じがステキです」(40代・男性)、「いつも笑顔を絶やさないから」(30代・女性)といった声が多く寄せられた。そして、公開中の『わが母の記』で認知症を抱えつつも息子との絆を繋ぎ直そうとする愛情あふれる母を演じ、絶賛を浴びている樹木希林が第4位に。何と言っても樹木さんの魅力はその器の大きさ。映画撮影中のエピソードにとどまらず、プライベートでのさまざまな出来事に対する姿勢などを含め、ドンと構えて動じないその姿に“強く、包容力のある母親像”を見る人が多数!「酸いも甘いも経験してそう」(20代・男性)、「物事の捉え方、対応の仕方が素晴らしい」(30代・女性)という声が多かったが、20代、30代の若い層を中心に支持を集めたというのも興味深いところ。樹木さんという“母”を持つ内田也哉子&もっくん(本木雅弘)夫妻がうらやましい!ここまで日本人の女優が並んだが、唯一、海外の女優でベスト5に入ったのはアンジェリーナ・ジョリー。ブラッド・ピットとの間に生まれた子供たちや養子の母として世界中を駆け回る姿に「カッコイイ母親」(30代・男性)、「究極の美しい母」(20代・女性)などといった称賛と羨望の声が寄せられた。プライベートでの母親っぷりに注目が集まりがちだがオスカー主演女優賞にノミネートされた『チェンジリング』を始め、これからまさに母親になろうとする妊娠中の女性を演じた『マイティ・ハート/愛と絆』など、女優としても“母”の顔をしっかりと見せてくれているのでこちらも要チェック。ランク外にはやはりCMの力のすさまじさというべきか、ソフトバンクのCMに“母”&“祖母”役で揃って出演している樋口可南子と若尾文子、今年のアカデミー賞で2度目の主演女優賞に輝いたメリル・ストリープ、意外なところでは「情熱的でものごとをはっきりというところがいい!」といった意見を集めた歌手の和田アキ子など多彩な顔ぶれが並んだ。いろいろな母親像が挙げられたが、全体的に子供を温かく見守ってくれる包容力のある母親像を理想とする向きが多い結果に。さてあなたは誰を理想として子育てに奮闘する?「“理想の母親”女優」ベスト51位:吉永小百合2位:八千草薫3位:黒木瞳4位:樹木希林5位:アンジェリーナ・ジョリー次回の「シネマカフェゴコロランキング5」のテーマは「“ダメ男”が似合う俳優は?」。こちらもぜひ、ご応募ください。「シネマカフェゴコロランキング5」『母べえ』通常版発売・販売元:松竹株式会社 映像商品部価格:3,990円(税込)発売中© 「母べえ」製作委員会■関連作品:北のカナリアたち 2012年秋、全国にて公開ツナグ 2012年10月6日より全国東宝系にて公開わが母の記 2012年4月28日より全国にて公開© 2012「わが母の記」製作委員会■関連記事:“母の日”サプライズで義理の息子・本木雅弘登場に樹木希林、感激!宮崎あおい、原田作品は「大変だと聞いていた」タレ込みの犯人は堺雅人?桐谷美玲、綾野剛と遠距離カップル役で『新しい靴を買わなくちゃ』パリ撮影に挑戦!紫綬褒章受章の役所広司を宮崎あおい、樹木希林ら女優陣が花束で祝福『わが母の記』宮﨑あおい「家のいろいろな所から声が聞こえる感じがいい」
2012年05月28日吉永小百合が厳しい寒さの北海道で映画撮影1月13日、女優の吉永小百合が東映創立60周年記念映画「北のカナリアたち」の撮影のため寒さ厳しい北海道、礼文島で2日間の撮影をした。氷点下11度という厳しい寒さの中、撮影したのは、吉永演じる先生が、20年前に天使の歌声を持っていた教え子6人と時を経て思い出の島の学校で再会するというシーンだ。成長した教え子たちを抱きしめたい大人になったかつての教え子たち6人は、それぞれ見事に空白の20年の歳月を演じ、映画.コムによると吉永は「みんなかわいくて、役ではなく私、個人としてもハグしたくなります。俳優をやっていなかったらこんな素敵な教え子たちに出会えなかった。お芝居もみんな20年の歳月をきちっと作って、それを埋めて表現するのを目の当たりして、逆に学ぶことも多かったです」と、感慨深げに話したという。そして6人との合唱の練習のシーンでは、皆が可愛くて仕事ではなく、個人として抱きしめたくなったという。新しいジャンルの映画になるのでは?吉永は、「北のカナリアたち」は現在と過去が交互に出てくるシナリオになっている。明日への新しい第一歩を踏み出していく(再生に向かう)ような新しいジャンルの映画になるのではと本作への深い思い語った。20年後の生徒たちを演じる役者たち吉永が絶賛した生徒役の6人は、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平が演じている。ストーリーは利尻、礼文島を主要舞台としたサスペンス映画20年前に起きた事故がきっかけで、島を出た小学校教師の(吉永)が、教え子の一人が事件を起こしたことを知り、かつての教え子たちに会う旅に出る……。(映画.コムより)元の記事を読む
2012年01月18日阪本順治監督、吉永小百合主演で贈る壮大な運命の物語『北のカナリアたち』。マイナス11度で強風が吹き荒れる真冬の寒さの中、1月12日(木)と13日(金)、日本最北の島・礼文島で本作の撮影が行われ、吉永さんを始め、森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平ら豪華キャストが集合し、クライマックスとなる再会のシーンの撮影を敢行した。湊かなえの「往復書簡」(幻冬舎刊)に収録されている「二十年後の宿題」を原案に、一人の女性教師と6人の教え子たちの運命の再会、20年前に起きたある事件の真相を描く本作。名カメラマン・木村大作の撮影のもと、体感温度がマイナス30度にもなる厳しい真冬と、初夏の二期にわたりロケーションが敢行されている。地元の人たちがここ数年で一番寒いと口を揃えて言うこの日、礼文島に撮影のため建てられた岬小学校分校の教室内で撮影は行われた。ある事件でバラバラになった女性教師(吉永さん)と6人の教え子たちが20年の時を経て、思い出の学校で再会するというクライマックスシーンが撮影された。「『よーい、スタート』で仲のいい雰囲気を作るのではなくて、それ以前の台本に書かれていない20年間を含めて、彼らは一堂に会してお互い喜びあってほしかった」と言う阪本監督の指揮のもと、何度も入念なリハーサルを経て撮影が行われた。吉永さんは撮影をふり返り「昨晩、合唱の練習があって指揮をする私を6人がまっすぐ見てくれた、もうそれだけで胸がいっぱいになって泣きそうになりました。みんな可愛くて、役ではなく私個人としてもハグしたくなります。俳優をやっていなかったらこんな素敵な教え子たちに出会えなかった。お芝居もみんな20年の歳月をきちっと作って、それを埋めて表現するのを目の当たりして、逆に学ぶことも多かったです」と6人との共演の喜びを口にした。極寒の中での演技は負担も多いことが予想されるが、森山さんは「家でダラダラしていたら、この自然に負けてしまうような気がしたので、少し早めにこちらに入って島を北から南まで歩き回りました。信人という役は、辛い過去があるけどたくましい人物。島を歩いたおかげで、その役作りに役立ちました」と万全の体制で臨んだ様子。満島さんは「島に入った日に、子役の6人に会いましたが、ここにいるみんなを見ると、あの子たちの20年後を見ているようで不思議です。でも、吉永さんはずっと、はる先生にしか見えない。黒板の前に立っている姿もお似合いです」と一同の再会を喜んだ。昨年行われた製作発表では、大先輩である吉永さんとの共演に対して緊張も見せていた“教え子”たちだったが、勝地さんは「札幌での共演シーンでは突然の大雪で、メガネも曇るし、吉永さんが見えないくらいでした。すごく緊張していたのですが、話しかけたときの表情がすごく温かくて、自然と話せました」。宮崎さんも「吉永さんとのシーンは、監督から『目を見ないでお芝居してほしい』と言われていて、本当は目を見て気持ちを共有したいんだけど、それができない。その葛藤がありましたが、昨日、歌の練習で先生の目を見れて、涙が出るくらい幸せでした。また、共演シーンでカットがかかった後に、吉永さんがハグしてくれて。寒い現場ですが、暖かい現場です」と吉永さんとの撮影エピソードを笑顔で明かした。造船所で働く七重役の小池さんは溶接のシーンにも挑んだが、「趣味『溶接』って書きたいぐらい楽しい練習でした(笑)。寒い冬景色の中、巨大な船でバチバチと火花が散るところは迫力あるシーンになっていると思います」とのこと。吉永さんとの共演については「先生を目の前にすると甘えられて、自然と演技ができました」と言う。松田さんは「今回、20年後の役ということで、その時間をどう生きてきたか台本を読んで想像して来たんですが、実際にこちらに来てみると、想像していたものと全然、違っていた。役作りをする条件が揃っている贅沢な現場です」と充実した表情を見せた。そして最後に、吉永さんは「空白の20年間を6人の方々が見事に表現して下さっている。監督や多くのスタッフとは初めてですが、心が通い合っている良い現場です。これをずっと続けていきたいですが、ここにいる6人は冬ロケだけなので、それがちょっと残念ですね。ただ、夏はちびっ子たちが来ます。20年前の子供たちのところは第1幕、現在の若者6人のところが第2幕、映画を観終わったら第3幕が始まるような感じで、明日に向かって新しい第一歩を踏み出していくような新しいジャンルの映画になると思います」と本作への手応えを語った。写真からも暖かい現場の様子が伝わってくるが、果たしてどのようなクライマックスシーンに仕上がっているのか?『北のカナリアたち』は今秋以降、全国にて公開。■関連作品:北のカナリアたち 2012年秋、全国にて公開■関連記事:東映60周年、吉永小百合主演作に“黄門さま”、『あぶ刑事』コンビ、宮崎あおいら出演吉永小百合、主演最新作が決定!原案は「告白」の湊かなえ
2012年01月17日東映創立60周年記念プロジェクト『北のカナリアたち』の製作発表会見が29日に都内で行なわれ、主演の吉永小百合、柴田恭兵、仲村トオル、里見浩太朗ら出演者と、阪本順治監督、撮影監督の木村大作、原案者の湊かなえらスタッフ、そしてオーデションで合格した5名の子役が登壇した。会見の模様映画『北のカナリアたち』は、湊の著書『往復書簡』に収録されている『二十年後の宿題』を原案に、20年前の小学校で合唱を教える先生と生徒たちに起こった悲劇の事故から、時を経て描かれる先生と教え子たちとの絆を描くサスペンス巨編。吉永は「『動乱』、『海峡』、『北の零年』と、北海道の雪中で撮影してまいりましたが、今回は一番大変になるのでは。初心に帰ったような思いでワクワクドキドキします」とあいさつし、阪本監督は本作を「痛ましい出来事と、天使の歌声という組み合わせは違和感あるように思われるかもしれないが、相乗効果で一級のエンターテインメントに作り上げたい」と説明。木村撮影監督は「美しさは、厳しさの中にしかない。今回は格好のロケーション」と意気込みを語った。また、柴田は「役者になったらいつの日か…と思っていた夢が叶いました。私が吉永さんの夫役ということで、ご不満の方も多いと思いますが、サスペンスなので勘弁してください」と恐縮し、島に赴任してくる警官役を演じる仲村は「“あぶ刑事”で大変お世話になった恭兵さんに恩を仇で返すような役ですが、僕を育ててくれた大先輩方に“まな板の上の全裸の鯉”のような気分でなされるがままに料理していただきます」とコメント。宮崎あおいは仕事のため会見を欠席したが、ビデオメッセージで「台本を開いて、吉永小百合さんを始めとする素晴らしいキャストの中に自分もいることがうれしくて幸せです」とコメントを寄せると、吉永は「先日『ツレがうつになりまして。』を拝見しました。実力があってとてもキュートな宮崎さんと2日からいきなり共演するのでとても楽しみです」と期待を寄せた。本作は、北海道北部にある離島・礼文島と利尻島で今冬から撮影を開始し、来年初夏クランクアップ、来秋以降に公開される予定。『北のカナリアたち』2012年秋以降全国ロードショー
2011年11月30日