【ママからのご相談】幼稚園年長の男の子を持つママです。春から小学校へ入学なのですが、今まで送迎は私が付き合っていたため、一人で登下校するのは初めてです。本当に一人でできるのか、違う道に行ってしまわないか……、心配でたまりません。 みなさんはどうでしたか?●A. 春休みに、親子で通学路チェックと、いざというときの約束事を決めましょう。こんにちは、ママライターの広瀬まおです。もうすぐ4月。新1年生は初めてママから離れて学校へ行きますね。幼稚園までは保護者同伴が基本でしたが、小学生になれば自分一人で学校へ行くもの。「ええ!?本当にできるの!?」と思うのもごもっとも。私は小学校2年生の娘がいますが、学校から距離があるためとても不安でした。初めての一人での登下校のために、必要なことをお教えします。●通学時間帯に危険ポイントを親子でチェック!春休みのあいだに、親子で通学路を確認しましょう。最初は集団登校の地域も多いでしょうが、できれば春休み中、毎日通学時間帯に通ること をお勧めします。時間帯によって変わる交通量を知ることができますし、親子で「ここは危ないね」「こっちの道は楽しそうだけど、おうちと違う方向に行ってしまうよ」など、危険ポイントをチェックできます。時間を計るのも忘れずに。親子で行くと親のペースになりがちですが、できるだけお子さんのペースにあわせて進むことで、「この子が通学にかかる時間は○分 」とめどを付けることができます。朝の登校で遅刻しないために、「最悪この時間までに出なくては」という目安にもなります。●いざ登校……子どもが帰ってこない!?さて、4月になり登校初日。学校からのプリントで、終了時間はわかります。初めての小学校はどうだったろうか、一人での登下校はどうだったろうか……とドキドキしながら子どもの帰宅を待ちます。「ただいまー!」の声は今か今かと待つと……。帰ってきません!子どもが小学校に在籍している保護者10名にアンケートをとったところ、「練習通りの時間で帰ってきた」という回答は5割。残り半分は、「練習した以上に時間をかけて帰ってきた」と答えています。わが家の場合は、練習では20分だったところを、50分かけて帰ってきました。お花を摘んでいたそうです。回答いただいた中で最大限に時間がかかったのは、学校から120mのお宅で2時間 。本人はまっすぐ帰っていたつもりのようですが、痺れを切らし覗き見ていた母親によると、虫と戯れながらゆっくりゆっくり進んでいたそうです。また、通学路以外の道を歩いていたケース も見受けられました。●行き違いを防ぐために、ルールを設けようこんなふうに、待てど暮らせど帰ってこないと不安になりますよね。そして怖いのが、“迎えに行った人と子どもがすれ違うこと ”です。これは初めての登下校に限ったことではありません。たとえば急な雨が降ってきたとき、傘を持って行こうとしたら下校中の子どもと行き違ってしまった、という事例もあります。そういうときのために、“約束”を決めておきましょう。・通学路をきちんと守ること・家に帰って鍵がかかっているときにはどうするか特に後者は子どもがパニックに陥りがちです。その場で待つのか、お隣さんや近所の親戚宅に行くのかなど、事前に決めておきましょう。楽しい新生活も、まずは安全の確保から。そのための準備を、春休みから始めましょう。●ライター/広瀬まお(コピーライター)
2016年03月27日ほっこりした笑いがちりばめられた作風で知られる西加奈子さんと、プロのお笑い芸人である又吉直樹さん。お互いに“笑いのツボが似ている”というおふたりにとっての笑いとは?笑うこと、笑われることへの優しさがあふれる対談が実現!***西:又吉さんとは、最初はイベントでお会いして。私が『炎上する君』という短編集を出した時に帯コメントをお願いしたんですよね。又吉:それがきっかけでお会いするようになって、最初はすごく質問されたんです。興味を持って聞いてくださっているのかなと思ったけれど、だんだん、研究されてんのかなと思えてきまして…。西:つい聞いてまうねん(笑)。「今なんでそれ言ったん?」「今、最後に言ったやつは、最初から頭の中にあったん?」とか。又吉:「最初から頭にあって、はやく言いたいと思いながら喋ってました」と言ったら「ほう…」って。西:だって又吉さんは、どうしたら思いつくんだろうってことを言うから。又吉さんの笑いには2種類あると思うねん。ひとつは、例えば小学校の授業中に校庭に犬が入ってきて興奮する、という思い出みたいな笑い。それって、うちの世代にとっては「あるある」やん?でも、そんなこと人に言われるまで思い出さないでしょう?又吉さんは「ああ、そういうことあった!」って思い出させて、私の中の体温をあげてくれるの。もうひとつは、私の体の中にはまったくなかった熱が、隕石が落ちたようにバーン!と入ってくるような笑い。又吉さんが、どちらの笑いも持っていることにおののいてしまう。又吉:自分ではあまり分からないですね。「こうなったらこうなる」とは考えずに、「こんなんあったら面白いな」とは思うんですけど。西:又吉さんは自分はどっちもできまっせ、みたいに気取ってないでしょう。超フラット。帯コメントをお願いしたのは、そんな人が、もしも自分の本を「面白い」と言ってくれたら、すごく自信になるなって思ったから。又吉さん、昔、「優しい人は必ず面白いです」って言ってましたよね。又吉:言ったかもしれません。西:その時は、すぐには分からなかった。「面白い人は優しい」なら分かる。誰かを楽しませようって気持ちは美しいし、誰かに笑われてもいいっていうのは、心が大きいことだし。その逆が分からなかったけれど、今は分かる。又吉さんは絶対にスカさないし、どんな無茶なことや寒いことを言われても「そうですね」と受け入れてますよね。又吉:ああ、それだけは決めているかもしれないです。自分たちがMCをする番組に後輩が来ると、めっちゃ緊張して訳の分かんないこと言い出す奴がいっぱいおるんです。その時に「何言うてんねん」とは言わず、一回そいつの言葉を信じて、質問していくんです。それでおもろなる時があります。西:おもろなくなる時もあるでしょう?又吉:そん時は、みんなでおもろない方向に突っ走っている1~2分がおもろなっているというか。それが芸人としていいのかは分からないですけれど。「芸人やったら笑われんと笑かせ」とは、先輩たちが言うてきた言葉ですけれど、僕はあまり気にしいひんというか。西:『火花』にもそういう話がありましたよね。又吉:そう、自分の小説に書いた時、先輩から批判されるかなと思ってたんです。でも、木村祐一さんがいろんな芸人さんたちにインタビューした映画が京都国際映画祭で上映されたんですが、そのタイトルが『ワレワレハワラワレタイ』なんです。むっちゃいいタイトルだと思って。木村さんに話したら、「俺も先輩に怒られるかと思ったけれど、でもみんなの話を聞いていて、そう思ってん」って。嬉しかったですね。西:人から笑われたいって、めっちゃ懐深いことだと思う。又吉:自分が笑っていたいんです。人が笑っているのを見るのは嬉しいですし。◇にし・かなこ 1977年、テヘラン生まれ、大阪府育ち。’04年に『あおい』でデビュー。『通天閣』で織田作之助賞、『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、『サラバ!』で直木賞受賞。◇またよし・なおき 1980年、大阪府生まれ。芥川賞作品「火花」の、俳優・堤真一による朗読CDが発売中。2016年春にはNETFLIXでのドラマ『火花』が配信スタート予定。※『anan』2015年11月18日号より。写真・森滝 進(まきうらオフィス)取材、文・瀧井朝世
2015年11月12日デビュー作「火花」で芥川賞を受賞したお笑い芸人「ピース」の又吉直樹が、人気作家で大先輩となる湊かなえ、西加奈子らと共に本日放送の「SMAP×SMAP」のビストロSMAPにゲスト出演することが明らかとなった。松たか子主演で映画化された「告白」などベストセラー多数の湊さん、2014年下半期・直木賞受賞作家の西さんと肩を並べて登場した又吉さんに、迎えた中居正広も「なんとお呼びしたらよいのでしょう」と困惑を隠せない様子。現在の又吉さんの心境を聞く中で、西さんとは、又吉さんが「ピース」としてブレイクする前から長い付き合いがあったことが明らかとなった。「お話しする一言一言がすばらしかった!」と、又吉さんの一言一句に溢れる才能に西さんは感動を覚えたそう。そこで西さんはまだほぼ無名の又吉さんに自ら自身の作品の帯を依頼したという逸話も登場!スタジオでは当時の帯の文言が発表されるようなので是非注目をしたい。一方、湊さんとは初対面という又吉さんは「作品から受ける印象とは違うとても優しい方」と感激。読書家だという中居も、湊さんや西さんのデビュー逸話などを始め、人となりに興味津々。「たとえば『告白』はどれくらいで書き上げたのですか」「どういう時に作品を書くのですか」と湊さんや西さんを質問責めにしていく。湊さんは「作家になってからの約8年間は記憶があまりない。炊飯器から携帯電話が出てきたことも」といったすさまじい作家の現実を告白!そんな話に又吉さんはこれから自身も歩んでいくことになる作家としての道のりに覚悟を決めたようだ。そして誰もが気になるのは、又吉さん自身はこれから“小説家”と呼ばれたいのか、“芸人”と呼ばれたいのか?というところ。相方であるピースの綾部祐二との“ビミョー”な関係など又吉さんの本音が次々と飛び出す内容となるという。さらに、又吉さん、湊さん、西さんに“SMAPで小説を書くなら”というお題のもと、一人一人を20文字の文章で表現してもらうという企画も!誰についての文章であるかは伏せられており、SMAP自身が誰を指しているか回答していく。果たして又吉さんはどんな言葉でSMAPを表現するのか?そして「小説家の好きなカレー」というオーダーにSMAPの面々はどう応えるのか?又吉さん、湊さん、西さん各作家の個性とSMAPの個性とがスパークするひとときに注目が集まる。「SMAP×SMAP」は7月20日(月・祝)22時15分より放送。(text:cinemacafe.net)
2015年07月20日ついに本日(6月27日)公開を迎えた、『告白』で注目を集めた中島哲也監督・最新作『渇き。』。本作は、学業優秀・容姿端麗・性格も良しのカリスマ女子高生・藤島加奈子を追う、役所広司演じる父・藤島の愛と狂気の捜査劇を描いているのだが、6月26日(木)、渋谷界隈にて、学校から帰宅途中の女子高生30人により、映画さながらの加奈子の捜索が行われた!制服に身を包んだ女子高生たちは、「藤島加奈子を探しています」というタスキをかけ、大きく顔写真が載ったタブロイド紙を片手に練り歩いた。本作は、第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した深町秋生の大ベストセラー「果てしなき渇き」を映画化。ある日、元刑事のロクデナシ親父・藤島(役所広司)に、離婚した元妻から連絡が入る。成績優秀で容姿端麗な女子高生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したというのだ。自分のせいで全てを失った男は、再び“家族”を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うことに。だが、娘の交友関係をたどる先々で語られるのは、父親である藤島も知らない“加奈子”の裏の顔。想像を超えて肥大し、踏み込むほどに見失う娘の正体。やがて藤島の激情は、果てしない暴走を始め…。この日、捜索を行った女子高生たちがもつタブロイド紙によると、「加奈子さんは、3週間前に失踪し、手がかりはなし。予備校夏季講習から帰宅する途中に、ひとりで下校する姿を複数人の友人に目撃されたのを最後に行方が分からなくなっている。母親から捜索願が提出され、事件、事故の両面で捜索を続けているが、有力な手がかりは得られていないという。加奈子さんは、成績優秀で、容姿端麗、学園のカリスマであった。なお別居中の父親は元刑事。傷害事件を起こし警察を退職、その後警備会社に再就職している。「深夜コンビニ3名惨殺事件」の第一発見者でもあり、本失踪との関連性は不明。父親も血眼になって捜索中である」とのこと。30人の女子高生たちは「藤島加奈子を探しています!」と声を張り上げ、渋谷界隈を練り歩き、街いく人は足を止め、心配そうに見つめていた。もちろんこれは、映画『渇き。』のプロモーションの一環。あたかも女子高生が失踪したように見せかけたため、外国人も興味深々で女子高生たちにしゃべりかけ、本当に失踪したと勘違いしてしまう人が続出!Twitterでも「渋谷でJK沢山に藤島加奈子さん探してますの新聞渡されて心配してたら映画の宣伝だった(笑)」「藤島加奈子探してますとか言われて、新聞渡されて見たら、その藤島加奈子さんに関する新聞で、最近の女子高生すごいなぁ、見つかるといいなぁ思ったら映画の広告なのね…クオリティすごい」という声が挙がっていた。何ともお騒がせなこのプロモーションだが、やはり渋谷駅界隈では加奈子は見つけられなかった様子。もはや加奈子の行方を知るには、劇場に向かうしかなさそうだ。『渇き。』はTOHOシネマズ、六本木ヒルズほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会
2014年06月27日広末涼子と稲垣吾郎が娘を失う哀しみに打ちひしがれながらも、時間をかけて再生への一歩を踏み出す夫婦を演じた映画『桜、ふたたびの加奈子』。小説から映画へと“生まれかわった”本作を感動を持って見届けたという原作者の新津きよみ氏にDVD&ブルーレイ発売に際し、改めて話を聞いた。その他の写真2000年に原作小説が刊行され、時を置かずに当時、アメリカ在住だった栗村実監督から新津氏の元に映画化を熱望する熱烈なオファーが届いたという。「原作は“生まれ変わり”をテーマにして描いたものでしたが、栗村さんは『いのちの循環という、深淵かつ普遍的なテーマに惚れ込んだ』と。その言葉に私も惚れました」。惚れたからには「こちらからの注文は全くなし。子を亡くすという喪失をどう乗り越えるか? その先に希望を持てる物語をという核(コア)の部分で監督とは一致していたので、心配していなかった」と全てを栗村監督に委ねたという。交通事故で死んだ娘が生まれ変わることを強く信じる母親の物語であるが、小説と映画では、設定や結末といった細部ではなく、物語の骨組みそのものが変わっている。小説は娘のひき逃げ事件にまつわる部分がミステリー仕立てに描かれるが、栗村監督はこの一見“おいしい”ストーリー部分を惜しみなく捨てた。「その点における監督の凄さは、映画を観て強く感じました。ここまで物語を削ぎ落としシンプルにした上で、映画を観終わった後と小説を読んだ後の感動の質が同じなんです。私は2004年くらいに監督が書き上げてきた脚本を拝見してるんです。それなのに映画を観て『まさかこんな風に!』って驚愕して大泣きしてしまいましたから(笑)」。広末と稲垣が体現した夫婦の姿にも感動を覚えたという。「観終えたらこのふたりしか考えられないくらいぴったり。広末さんは容子が憑依されたような演技で、アップになると怖いくらいでした。子を亡くした母親が取り乱す中でも、父親にはでんと構えた部分があってほしいんですが、稲垣さんはまさにそういう夫で見事だと思いました」。近年、公開される映画のほとんどが小説や漫画を原作に持つが、原作に忠実であるがゆえでなく、原作を思う存分に改編した上でしっかりと核を残し、原作者に称賛をおくられる作品も珍しい。監督への、そして自ら紡いだ物語への絶対的な信頼がなしえた実写化の傑作を堪能してほしい。『桜、ふたたびの加奈子』DVD&ブルーレイ発売中取材・文・写真:黒豆直樹
2013年11月20日