誕生月だけで性格や運勢がわかる占い、多いですよね。Twitterでもよく話題になっています。ところが、誕生月からわかるのは、精神的なものだけではないのです!なんと、このたび健康上のリスクがわかってしまうことが判明。しかも、ちゃんとした研究で明らかになりました。自分がかかりやすい病気は気になりますが、ちょっと信憑性が気になりますよね。さっそく、研究内容を見ていきましょう。■170万人の病気データ分析で関連性発見この研究は、コロンビア大学メディカル・センターで准教授を務めるニコラス・タトネッティ博士が中心となって行われ、医学専門誌『ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション』に発表されました。研究チームは、ニューヨークの大学付属病院で1985~2013年の28年間に治療を受けた170万人分のデータを調査。そこから出てきた1,688種類の病気を、コンピューターのアルゴリズムを使って分析しました。途中で、1,600種類以上の病気は誕生月とは関係がないと判断され、除外。しかし、9種類の心臓病を含む55種類の病気に関しては、偶然では片付けられない確率で、誕生月と関連性があることがわかりました。調査結果によると、病気のリスクがもっとも低いのは5月生まれの人。一方、もっとも高いのは10月生まれの人となりました。■デンマークでも似たような研究結果が病気と誕生月の関連性に気付いたのは、タトネッティ博士がこれ以前に行っていた、ADHD(注意欠陥・多動性障害)や喘息のリスクと生まれた季節との関連性の研究がきっかけ。ただ、今回の研究でも、ADHDや喘息と生まれた月には高い関連性が見られました。データによると、喘息にかかるリスクが一番高いのは、7~10月生まれ。また、ニューヨークで11月に生まれた人は、ADHDに対してもっとも高いリスクを示しました。興味深いことに、デンマークの同様の研究でも同じような結果が出ています。デンマークで肺の病気にかかるリスクがもっとも高いのは、5~8月生まれ。この季節は、ニューヨークの7~10月の日照量と似ている時期に当たるそうです。ADHDの場合、11月生まれの人がもっとも関連性が高く、ニューヨークと同様の結果になりました。さらに、誕生月と9種類の心臓病との関係も調べたところ、3月生まれは心房細動(不整脈)、うっ血性心不全、僧帽弁逆流症に対するリスクが一番高いことがわかりました。■どの月生まれでも余計な心配は無用!でも、3月生まれや10月生まれだからといって、心配する必要はないようです。これらは、あくまで傾向。研究チームによると、誕生月による病気のリスクは、食べ物やエクササイズなどの生活習慣と比べると全体としてそれほど大きくはない、ということです。研究チームは今後、こうしたデータ分析をアメリカ国内外の他の都市に拡大して行い、季節の移り変わりや環境によって結果がどう変わるかを比較したいとしています。誕生月によってかかる病気がなぜ違うかを突き止めることにより、誕生月によるリスクのギャップを埋めることを目指しているのです。同じ誕生月でも、生活習慣は一人一人違います。データが全ての人にあてはまるわけではありません。どの月生まれでも、健康的な生活習慣を心がけましょう。(文/松丸さとみ)【参考】※Data Scientists Find Connections Between Birth Month and Health-Columbia University Medical Center
2015年06月15日