今年結成31年目を迎え、これまでも小説作品の舞台化を数多く手がけているキャラメルボックスが、初の伊坂幸太郎作品に挑むこととなった。『ゴールデンスランバー』は2010年には映画化もされた人気作。脚本・演出を手がける成井豊は「初めて読んだときから舞台化したいと思っていた」という。キャラメルボックス『ゴールデンスランバー』チケット情報「小説を読んで『面白い!』と思うと、『舞台でやりたい!』と反射的に思ってしまうんですけど、この小説もそう。魅力はやはりストーリーの面白さですよね。伊坂さんの作品はそれまでもずっと読んでいましたが、それを上回る強烈なストーリーだった」(成井)首相暗殺の濡れ衣を着せられた男の逃亡劇を描いたこの作品。主演・青柳役を演じるのは劇団員・畑中智行だ。「もともと伊坂作品のファンだったし『自分の劇団で舞台化できる』ということが単純にすごく嬉しいです」(畑中)原作はかなりのボリュームがある長編小説だが、実は描かれているのは約2日間の物語。成井がこの物語の「スピード感」を大切にするために今回考えているのは、あえての“原点回帰”だという。「ストーリー上、場面転換が非常に多くなってしまうんですよ。これは全部セット転換で見せると非常にわずらわしい。なので今回は“役者の身ひとつ”で場面転換を見せるような部分を多くします」(成井)つまり、舞台化するにあたり選んだのは“演劇ならではの手法”ということ。「昨日本読みを初めてやってみたら、どっと疲れました(笑)。でも、やりがいを感じるんですよ。もともと舞台役者ってどこか『ごっこ遊び』の延長感がある気がして、楽しみながら作れるんじゃないかと。劇団の若手にもいい刺激になるんじゃないかな」(畑中)また、オーディションで募集されたキルオ役には前回公演『嵐になるまで待って』にも出演した一色洋平が選ばれる、という番狂わせ?も。「キャスト聞いてアゴはずれそうになりました(笑)」(畑中)「書類が来た段階で『なんで応募するの!?』と(笑)。一応オーディションだけ出てもらって落とそうと思ってたんですけど、一番彼が合っていたんですよ。仕方ない」(成井)成井曰く「出演者17人の、2時間における総消費カロリー数は劇団史上最大」という今作。「この作品が描きたいのは、最終的には人とひとの結びつきの大切さ。ラストシーンまで見ていただければ、これをクリスマスにやる意義はわかっていただけるかと」(成井)「役者の肉体表現で想像力をフル回転させ、お客様と一緒に空間を作る。それができる作品になると思います」(畑中)物語の面白さだけでなく、“演劇の底力”も堪能できる作品になる予感。キャラメルボックスからのひと足早いクリスマスプレゼントとなりそうだ。11月30日(水)から12月4日(日)まで兵庫・新神戸オリエンタル劇場、12月10日(土)から25日(日)まで東京・サンシャイン劇場にて上演。取材・文:川口有紀
2016年11月08日芝浦工業大学(芝工大)は3月31日、特定の銅錯体にレーザーを当てるだけで銅配線が形成できる技術を開発したと発表した。同成果は、同大学工学部応用化学科の大石知司教授らの研究グループによるもので、3月22日~23日に開催された「表面技術協会第133回講演大会」および3月24日~27日に開催された「日本化学会第96春季年会」にて発表された。従来、電子デバイスの配線材料には、高価な金や銀が用いられてきたが、近年は安価な銅の活用が進んでいる。しかし銅は容易に酸化するため、真大がかりな真空設備や複雑な作製プロセスが必要となるなど、結果的にコストや時間がかかってしまうことが課題となっていた。今回、同研究グループは、熱分解性をもつ銅錯体溶液をガラス基板上に塗布し、レーザー照射することで銅錯体に化学反応を促し、連続的に照射することで銅を定着させることに成功した。これにより、銅微細配線を高速で形成することが可能となる。同技術では、環境に依存することなく通常の大気中でも銅配線が形成できるうえ、銅以外はCO2などの気体として空気中に放出されるため、複雑な後処置も必要ないという。同研究グループは現在、数10~200μm幅での配線形成が可能であることを確認している。同研究グループは同技術について、特別な環境下や機器を用いることなく銅配線形成を可能にするもので、ディスプレイやスマートフォンなどを容易かつ低コストに生産する技術として期待されると説明している。
2016年04月01日芝浦工業大学(芝工大)は2月19日、同大学土木工学科の伊代田岳史 准教授と西武建設が共同で、ドローンを用いて人手の届かないコンクリート構造物に水や補修剤を散布できる仕組みを構築したと発表した。伊代田准教授は、コンクリート材料や構造物の維持管理方法などについて研究を行っており、補修材料や補修方法およびドローン運用方法に関するアイディアを提供し、同社と共同で実験を進めてきた。今回製作された試作機は、既存の機体を改造したもので、2Lのタンクに水や補修材料を蓄え、4本のノズルを使って散布するというもの。ノズルは散布角度のほか、先端を回すことで水流や水圧を調整でき、実験では1m2平均18.3秒で吹付ができることが確認されている。農薬散布ドローンに見られるような下方向・広範囲ではなく、上下左右方向に狭い範囲でピンポイントに散布ができるのが特徴だ。同ドローンを導入することで、遠隔操作によって補修作業を行うことが可能となり、高所作業車や足場の設置が困難な海上、高い場所にある橋梁といった、人が容易に近づけない場所などの補修が可能となる。一方、今回作った試作機での作業実験では、人力と比較してムラが生じやすいため、補修材を無駄に消費してしまう課題が見つかっており、今後は補修材を高い精度で散布する技術や、自身が自律して補修作業を行う技術の開発を進め、将来的には、自律化や、建物や橋梁のひび割れなどを検知する「点検ドローン」との相互活用・連携も検討していくという。
2016年02月19日「ぴあ」調査による2015年11月6日、7日のぴあ映画初日満足度ランキングは、伊坂幸太郎の同名小説を生田斗真主演で映画化したサスペンス『グラスホッパー』がトップに輝いた。2位に韓国で起こった実在の事件を基に労働者の過酷な状況を描いた人間ドラマ『明日へ』、3位に難病の筋委縮側索硬化症(ALS)を発症した女性と、介護人となった女子大学生の友情を描いた感動ドラマ『サヨナラの代わりに』が入った。その他の写真1位の『グラスホッパー』は、『ゴールデンスランバー』や『重力ピエロ』など映像化作品が相次ぐ伊坂幸太郎の大ヒット小説を、『脳男』の瀧本智行が映画化したエンタテインメント作品。すでに多くのファンを獲得している作品だが、出口調査では「原作に忠実で期待を裏切らない作品」「伊坂作品ならではの伏線の描き方が上手く映像化されていた」「人間模様もきちんと描かれていた」「交差点のシーンは映像化されてさらに印象に残った」「映画ならではの世界観も広がっていた」など、高い満足度を集めたようだ。本作では、渋谷のスクランブル交差点で殺された恋人の復讐のため、裏組織に潜入した生田演じる鈴木と、別の目的でその事件に関わる2人の殺し屋“鯨”と“蝉”が織り成す壮絶な人間模様が描かれる。人の心を狂わせる眼力を持つ自殺専門の殺し屋“鯨”を浅野忠信、人を殺すことで生を感じる孤独な殺し屋“蝉”を山田涼介が演じているが、「殺し屋ふたりのキャラが違っていて掛け合いも楽しめた」「鯨が渋くてかっこよかった」「浅野忠信が殺し屋になりきっていて怖かった」「明るい役が多い山田涼介の殺し屋役は新境地で、怖いと思うほど素晴らしかった」など、ふたりの殺し屋に注目した観客が多く見られた。またアクションも見ごたえがあったようで、「最初のアクションシーンから引き込まれた」「目が離せない」「迫力があって鬼気迫る感じ」「鯨と蝉のアクションシーンが見どころ」などの感想も寄せられた。(本ランキングは、11/6(金)、7(土)に公開された新作映画10本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)『グラスホッパー』公開中
2015年11月09日東海汽船は10月26日、創作レストラン「鼈甲鮨 BEKKOUZUSHI」を竹芝客船ターミナル内(東京都・竹芝)にオープンした。同店で提供するのは、伊豆大島の郷土料理として知られる「べっこう寿司」。このほど行われた試食会で、その伝統の味を体験してきた。○伊豆大島で受け継がれる味を東京でべっこう寿司は、伊豆諸島近海で水揚げされる新鮮な白身魚を「唐辛子醤油」に漬け込んだピリ辛のすし。唐辛子醤油とは、醤油に青唐辛子を漬け込んだもので、伊豆大島の各家庭にある定番の調味料だという。漬け込んだ白身魚が"べっこう色"に輝くので、この名前が付けられた。同店で提供するのは、べっこう寿司7貫と5種類の惣菜が一緒になった「べっこう寿司+創作やさい惣菜5種」(税込1,000円)と「蒸しいなり寿司(ぴり辛)」(税込180円)の2種類。エキストラ・バージン・オリーブオイルでコーティングされたべっこう寿司は、きれいなつやがでていた。側面には、伊豆大島でとれたアシタバの青葉が巻かれている。口に含むと、唐辛子醤油の風味がふわりと広がった。ほのかに青唐辛子の香りがするが、決して辛くない。また、白身魚の淡泊さと醤油が合わさったうまみがあった。今回食べた白身魚はマダイで、日によってキンメダイやメダイが使われるという。ご飯には「梅ゴマ酢飯」を採用しており、華やかですっきりとした香りが後に残っていた。5種類の惣菜は、同店のメニューを監修している家庭料理研究家の沙希穂波さんが考案した、「かぼちゃサラダ」「和風ラタトゥーユ」「ひよこ豆のフムス」「トマトの天ぷら」「にんじんとオレンジのラパ」の5種類。季節ごとにテーマが決められており、今回は「夏の終わり」をイメージしたという。○いか釣り漁船をイメージした店内入店してすぐに、足元から天井まで、空間を区切るように張られている白いロープが目に入る。たゆまないようにしっかりと張られたロープは、空間を広く見せるためだという。天井からは電球が均一に垂らされており、店内をいか釣り漁船に見立てたとのこと。同社旅客部広報宣伝グループの柳場厚グループ長は、「この店は、伊豆大島の魅力を発信する基地です。全国の方に来店していただき、この竹芝フェリーターミナルから、伊豆大島行きの船が出ていることをお知らせできればと思っています。ここが伊豆諸島の玄関口だと発信して、多くの方に伊豆大島に訪れるきっかけを与えられたらいいですね」と話した。さらに同店では11月1日より、べっこう寿司と「レモン生姜(ガリ)」、大島の自然塩としそで煮た「塩こんにゃく」、大島のお菓子を詰めた「島島弁当」(税込700円)を持ち帰り専用で販売開始する。※情報は2015年10月取材時のもの
2015年10月28日伊坂幸太郎の“最強傑作”と評される小説を、満を持して映画化した『グラスホッパー』。先日、生田斗真、浅野忠信、山田涼介に続き、麻生久美子、波瑠、菜々緒、吉岡秀隆ら豪華共演者が発表された本作の主題歌を、歌手・YUKIが手掛けたことが明らかになった。殺された恋人の復讐のため、裏組織に潜入した元教師・鈴木(生田斗真)。人を絶望させる力を持ち、自らも精神を病む自殺専門の憂える殺し屋・鯨(浅野忠信)。驚異的な身体能力を持つ、孤独な若き殺し屋・蝉(山田涼介)。ハロウィンの夜、渋谷スクランブル交差点で起きた事件をきっかけに、心に闇を抱えた3人の男の運命が交錯する…。生田さんを筆頭に、若手注目株からベテラン俳優まで多彩な顔ぶれが勢ぞろいする本作をより盛り上げるのが、アーティストとして息の長い活躍を見せながらも、常にフレッシュな魅力を放つYUKIさんが書き下ろした楽曲「tonight」だ。闇のような世界の中で亡き婚約者の復讐だけを願う、生田さん演じる“鈴木”の再生への一歩に光を当てるドラマティックな楽曲となっている。今回の主題歌決定に当たっては、「どこか孤独な世界観を持つこの映画の最後に、孤独と乾きの先にある“何か”を皆さんに感じてもらえる様な楽曲を」という水上プロデューサーを始めとする製作側の強い願いがあり、原作者である伊坂さんにもアイディアを求めたうえで、YUKIさんへのオファーを出したそう。YUKIさんは、楽曲依頼を受けた当時の心境を「原作を読んで、男たちのハードボイルド物語と理解していましたので、本当に私でいいのかと思いましたが、そこを変化球で来たのには何か理由がありそうだぞ!面白そうだぞ!と思い、喜んでお引き受けいたしました」とふり返るとともに、「生きていてもいなくても、哀しくて辛そうな人たちばかりがスクリーンにいたので、もう辛い時は過ぎたよ、終わったんだよ、雨はもう上がったんだよ、と肩を抱いてあげるような気持ちを込めて作りました」と、楽曲・歌詞に込めた想いを語っている。主題歌が入った本作を改めて観賞した伊坂さんは、「YUKI さんの音楽を聴いていると、優しい気持ちに包まれて、むしろ僕はそれに怖さすら感じてしまうのですが、この映画は物騒で怖いことばかりが起きるので、最後にこの歌が流れることで、本当に救われた気持ちになりました」と絶賛。「最後のYUKI さんの曲まで含めて、この映画という作品なんだと感じましたのでそこまで聴いてもらえれば」と、映画の魅力を十二分に後押しする名曲に満足している様子が伺えるコメントを寄せた。YUKIさんの伸びやかな歌声が響く「tonight」が収録された新予告映像&新ビジュアルも、公式サイトにてお目見えとなった本作。見るものすべてを映像の中へ引きずり込むという、“巻き込まれ型”の一大エンタテインメントの公開が待ち遠しいばかりだ。『グラスホッパー』は11月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年09月02日俳優の生田斗真が主演を務める映画『グラスホッパー』(11月7日公開)の追加キャストが8日、発表された。本作は、作家・伊坂幸太郎氏が手がけ、発行部数120万部を突破したベストセラー小説が原作。殺された婚約者への復讐のため、裏社会に身を置く元中学教師・鈴木を生田が演じ、対象者を自ら死に追い込む"自殺屋"鯨役に俳優の浅野忠信、孤独な若き殺し屋・蝉を山田涼介が演じることがすでに発表されている。映画では、裏の世界でもがく彼らの姿が描かれる。今回発表された配役では、鈴木を追う裏社会のヤンキーセレブ・比与子役に、女優としての活躍も目覚ましいモデルの菜々緒。そして、謎の主婦・すみれ役を麻生久美子、鈴木の婚約者・百合子役を女優の波瑠が務めることが明らかに。さらに、鯨、蝉に続くもう一人の殺し屋"押し屋"槿(アサガオ)役を吉岡秀隆、ニヒルな裏社会の交渉人・岩西役に村上淳、鯨の父役に宇崎竜童、裏社会のドン・寺原会長役に石橋蓮司、寺原会長の息子で"イカれた二代目"寺原Jr.を金児憲史が演じる。メガホンをとるのは、『脳男』(2013年)に続き生田とタッグを組む瀧本智行監督。脚本を『あなたへ』(2012年)で知られる青島武氏が務める。(C)2015「グラスホッパー」製作委員会
2015年07月08日生田斗真が『脳男』の瀧本智行監督と再びタッグを組み、伊坂幸太郎の“最強小説”とされるベストセラーの映画化に挑む『グラスホッパー』。浅野忠信、山田涼介(Hey! Say! JUMP)といった豪華キャストが出演することでも注目を集める本作の公開日が、11月7日(水)に決定。併せて“超ティザー版”ビジュアルが解禁された。渋谷スクランブル交差点――。ハロウィンの夜、仮装した若者たちや通行人をも巻き込んだ凄惨な事故が発生する。教師の鈴木(生田斗真)は、この事故で愛する恋人・百合子を失った。その事故が意図的に仕組まれたものだと知った鈴木は、彼女の復讐のため裏社会の組織に潜入。だが、自らも闇の組織に命を狙われることに…。原作は、120万部を超えるベストセラーとなった伊坂幸太郎の同名小説。生田さん演じる主人公・鈴木に相対するキャラクターとして、人の意識を暗黒に導く力を宿す「自殺専門」の殺し屋・鯨(浅野忠信)や、鯨を追う驚異的な身体能力を持った殺し屋・蝉(山田涼介)が明らかにされており、抜群の演技力を誇る俳優同士のかつてないコラボレーションが実現する。また、監督を務めるのは、生田さんと『脳男』に続くタッグとなり、骨太な演出に定評のある瀧本智行。脚本は『あなたへ』で日本アカデミー賞「優秀脚本賞」を受賞した青島武と、スタッフも盤石の体制となっている。今回解禁となったビジュアルは、物語の発端となる事件が起きた渋谷スクランブル交差点をバックにしたもの。だが、交差点を真上から捉えたふだん見慣れないアングルは、まるで全く知らない場所であるかのようにも見える。「この街は、人を凶暴にする」という意味深なコピーも気になるところだ。ある事件をきっかけに、心に闇を抱えた3人の男が交錯する様を描く、極上のサスペンスストーリー。数々の小説が映像化された伊坂作品の中でも、最高傑作となりそうな予感の本作に、これからも注目していて。『グラスホッパー』は11月7日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年03月06日東京都・竹芝のGallery 916では、アムステルダムとニューヨークを拠点に活動しているオランダ人写真家 シャルロット・デュマの個展「ANIMA」を開催している。開催期間は12月28日まで(祝日を除く月火は休廊)、開場時間は11:00~20:00(土日祝は18:30まで)、入場料は一般800円、学生500円。同展は、現代社会における人間と動物の関係性をテーマに扱い、これまでに警察馬や救助犬、動物園で飼育されている動物など、さまざまなシチュエーションの動物を被写体としたポートレイト作品を発表してきたシャルロット・デュマの日本では初となる個展。米国兵士たちを埋葬するアーリントン国立墓地で、馬車馬として戦闘に駆り出されることもなくなり、兵士たちを永眠の場所へ運ぶという栄誉ある務めを粛々と行っている馬たちを捉えたシリーズ「ANIMA」より、大判プリント17点と映像作品1点を紹介している。また、個展に際してシャルロットは「人々の暮らしにおいて彼らが取り持っていた役割やその姿は、時代の移り変わりのなかで、徐々に消えてゆく運命にある。実用性の面でも、彼らは必要不可欠な存在ではなくなってしまった。しかし動物たちの存在は、その役割だけで語ることはできない。(中略) 私は、生存し繁栄するために寄り添う人間と動物、その間に存在する共存関係に魅かれる」と語っている。さらに、「アーリントンの馬たちを、彼らの仕事が終わったあとに一頭ずつ撮影した。私とカメラの前で眠りについてゆく彼らの無防備さと、彼らが意識を失い眠りに落ちてゆく様子を写し取った。馬たちと時間を共にしながら、私は彼らの最も親密でプライベートな瞬間に立ち会っているのだと感じた。覚醒とまどろみの隙間、夢と幻想のただよう空間のなかで」と、撮影当時の様子について振り返る。なお、「Gallery 916」は2012年に竹芝の鈴江倉庫にオープンした写真ギャラリー。写真家の上田義彦がキュレーターとなり、600平米もの広大なスペースを活用した新しい写真体験の場を創出している。
2014年12月22日東急不動産と鹿島建設は10月29日、東京都港区海岸1丁目(竹芝地区)の複数の都有地を約70年間の定期借地により有効活用する「都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)」の概要を発表した。両社は2013年5月に同計画の事業者として選定され、同年9月に東京都と基本協定を締結し、その後、事業計画の検討を進めていた。同計画は、竹芝地区の中心に位置し、東京都立産業貿易センターの建て替えを民間施設との合築により行うことで官民連携の新たな産業振興とにぎわい創出を図る。また、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)と国内外トップ大学の連携による共同研究機関を設立し、日本のコンテンツ産業の国際競争力強化、産業育成や海外進出などに貢献するそのほか、浜松町駅方面と、海岸通りや首都高速道路で分断されている竹芝地区を歩行者デッキの整備により結ぶことで、エリア全体を回遊する歩行者ネットワークを強化する。
2014年10月30日関東・関西で居酒屋・カラオケ・インターネットカフェを展開するアクロスリングは、東京・港区(芝大門ABC館1Fから3F)に、「癒やしと健康」をテーマにしたカフェバー「Favorite Time Coffee(フェイバリットタイムコーヒー)芝大門スタンド」を10月18日、新規オープンする。同店では、全商品R(レギュラー)、L(ラージ)共に均一価格になっており、カフェ営業時間中のドリンクは390円と450円のみで構成されている。また、薬草茶の製造、販売などを行っている黒姫和漢薬研究所の「漢方バリスタ」が推奨する、健康茶リーフバーシステム「Cafe de 漢方」を提供。コーヒーなどの飲み物を注文すると、無料で健康茶を楽しむことができる。なお、パソコンや携帯の充電などが自由に使え、Wi-Fiも完備しているとのこと。17:30からはブリティッシュパブに業態がかわり、プレミアム商品も含め500円均一で販売。ピザやペンネ・スモークターキーレッグなどの食事や、竹鶴21年ハイボール、入手困難な芋焼酎「村尾」なども用意している。営業時間は、月曜日から金曜日が6:30から23:00(ラストオーダー22:00)、土曜日、日曜日、祝日が7:00から22:00(ラストオーダー21:00)。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月17日ベストセラー作家・伊坂幸太郎のデビュー作を舞台化した『オーデュボンの祈り』が、9月30日(金)に東京・世田谷パブリックシアターにて幕を開ける。キャストとして名を連ねるのは、主人公の伊藤を演じる吉沢悠など個性派12人。初日前日の29日(木)には公開舞台稽古が行われ、演出のラサール石井と全キャストが囲み取材に応じた。『オーデュボンの祈り』チケット情報コンビニ強盗を起こした伊藤は、いつの間にか見知らぬ島に連れられて来ていた。その“荻島”は仙台沖に浮かぶ離島で、150年という長きに渡り、外界との交流を絶ってきたらしい。それだけに島で暮らすのは不可思議な人々ばかり。しかも外界にはない、独自のルールが存在している。そんな中、島の住人・日比野(河原雅彦)の案内で、かかしの優午(筒井道隆)のもとへとやって来た伊藤。人間の言葉を話し、未来が予知できるという優午であったが、その後、何者かによって殺されてしまう。ファンタジー的な世界観の中に、ミステリー要素を取り入れた本作。現実と非現実をさまよっているかのような“荻島”は、もともと、活字だからこそ表現できた場所に違いない。だがシンプルでありながら想像力をかき立てる舞台装置。キーワードの鳥を効果的に表現した背景幕の映像。ブレヒト幕(=左右に動く幕)を使った素早い舞台転換。それら演劇ならではの手法が化学反応を起こし、荻島という魅惑の地を、見事舞台上に現出させている。それはもちろん、演劇を知り尽くした演出家だからこその成せる業。一番の見どころとしてラサールは、「この難物な伊坂ワールドを、どれだけ僕たちが演劇化しているか」と語っていることからも、その力の入れようをうかがうことができる。そして荻島をより魅力的に彩っているのが、キャストたち。その役柄同様、まったくと言っていいほど個性の異なる面々だが、それらが組み合わさったときに奏でられるメロディの心地よさに、正直驚かされた。またそれぞれが、個々としての存在感も十分に発揮。自らの存在意義と真っすぐに向き合った伊藤役の吉沢。かかしに優しさと哀しさの感情を吹き込んだ筒井。ひょうひょうとした中に悲哀をにじませた日比野役の河原。ほかにも石井正則、小林隆、陰山泰など、実力派たちがしっかりと脇を固めている。やがて、荻島に足りなかったピースがはまり、“大切なもの”が島を満たしていく。だが物語はそれで終わりではない。ラサールはこう語る。「伊坂さんの作品には、どこか読者に対して放りっ放しのようなところがある。だからそこはお客さま自身にお考えいただきたいですね」と。観客それぞれに芽生えた感情のピースをもって、真のラストを迎える『オーデュボンの祈り』。その画はさまざまなれど、爽やかな風が吹いていることは間違いないだろう。石井光三オフィスプロデュース『オーデュボンの祈り』は、9月30日(金) から10月12日(水)まで東京・世田谷パブリックシアターで上演。その後、札幌、大阪、仙台の各都市をまわる。チケット発売中。取材・文:野上瑠美子
2011年09月30日伊坂幸太郎のデビュー作を舞台化した「オーデュボンの祈り」の公開稽古が9月29日(木)、東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで行われ、主演の吉沢悠を始め、筒井道隆、河原雅彦、石井正則、小林隆、武藤晃子、小泉深雪、寺地美穂、町田マリー、春海四方、玉木玲央、陰山泰のキャスト総勢12名と演出を務めるラサール石井が出席した。コンビニ強盗を起こした男性、反対のことしか喋らない元画家、殺人を許された男、地面の音を聞く男、人語を話し未来を語る案山子らの物語が少しずつ交錯。150年前より外界との交流を絶ち、鎖国状態にある島でそれぞれの運命が動き出す。明日からいよいよ東京公演の開幕となるが、「だいぶバタバタしています」とラサールさんは苦笑い。「ついこないだまで感触は豆腐を握っているようだったんですが、いまはこねたソバ、明日には野球の軟球くらいになっていると思います」と手応えを明かす。吉沢さんは「ラサールさんのビジョンがあり、みなさんの意見も取り入れつつ作り上げていってます」と現場の様子を明かした。ほぼ出ずっぱりで、セリフの量も膨大ということだが「原作を読んだ方も『どうやって舞台に?』と期待されていると思いますが、演劇的な表現を楽しんでほしい」と自信をのぞかせた。キャストの意見を取り入れつつということで、現場での変更もかなり多いようで筒井さんは「楽しんでやってます。結構、変更が多いのでそれに対応しきれず…(苦笑)。何とかご要望にそえられるようにしたいです」と意気込みを語った。東京、北海道、大阪に続き、伊坂さんの故郷であり、物語の舞台からもほど近い仙台での公演も行われる。キャストなどの概要が決定した後に、現地の受け入れの意向も確認した上で「『行きたいね』、『行こう』ということになった」(ラサールさん)という。改めてラサールさんは「ことさらに(震災を)意識する必要はないですが、とはいえ、観る側もやる側も意識せずにはいられないと思います」と語り、作品で掲げられる“future(未来)”という言葉に触れ「未来に向かって祈る、希望を持つということを伝えられたら」と思いを明かした。「オーデュボンの祈り」東京公演は9月30日(金)から10月12日(水)まで世田谷パブリックシアターにて。北海道公演は札幌市教育文化会館にて10月19日(水)、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて10月22日(土)、23日(日)、宮城公演は10月25日(火)、電力ホールにて開催。
2011年09月29日仙台在住の人気作家・伊坂幸太郎の短編小説「ポテチ」が、これまで伊坂作品の実写化を数多く手掛けてきた中村義洋監督の手で、濱田岳主演でオール仙台ロケにより映画化されることが決定!同じく、過去の伊坂作品の音楽を担当してきたミュージシャンの斉藤和義が音楽を担当することも明らかになった。現在も仙台在住であり、その作品の多くが仙台を舞台に展開する伊坂作品。これまでも『アヒルと鴨のコインロッカー』、『ゴールデンスランバー』などが映画化されてきた。中村監督は先述の2作に『フィッシュストーリー』を手がけてきたが今回、“伊坂×中村”組とも言えるおなじみのメンバーが集結!『アヒルと鴨…』をはじめ、中村作品の象徴とも言える濱田岳が主演を務め、『フィッシュストーリー』、『ゴールデンスランバー』に続き、斉藤和義が優しいメロディで物語に彩りを加える。原作は短編集「フィッシュストーリー」(新潮社刊)所収の一篇で、全く同じ日に同じ病院で生まれながらもスターのプロ野球選手と凡人という全く違う人生を送ることになった2人の男を中心に、目に見えない絆に結ばれた人々が、運命に翻弄されつつも生きていく姿を描く。3月11日の東日本大震災を受けて伊坂さんと中村監督は「いままでの恩返しとして、現在の仙台の姿を通してみなに勇気を与えて、復興の後押しをしたい」との思いから本作をオール仙台ロケで映画化することを決意。60分の中編映画として来年の春に公開される。「『ゴールデンスランバー』で映画化はやりきったという思いがあった」という中村監督だが、震災後の5月に伊坂さんから映画化の相談を受け「3.11以降、何度か救援物資の運搬などで東北に足を運ぶなかで、映画監督として元気を与える作品を送りたい、という気持ちが強くなっていたこと、そして過去の作品でお世話になった仙台という街にまだ御礼ができていなのでは、という想いもあり、『ポテチ』の映画化に取り掛かることに迷いはありませんでした」と経緯を説明。「気負うことなく、街で暮らす普通の人たちの生活、息遣いを作品の中で表現したいと思いますが、『撮影に来てくれるだけで嬉しい』と言っていただいている仙台のみなさんの気持ちに応えるためにも、いま現在の仙台の街並を映していきながら、仙台に限らず、映画を観た人すべてに、少しでも勇気を与えられるような作品にしたいと思います」と意気込みを語る。伊坂さんは「最近は、自分の小説が映画化されることに抵抗があったのですが、ただ、3月の大きな地震のあと、そういったこだわりが些末なことに感じられた瞬間がありました。不安な日々を過ごしている中、『中村さんが映画化した『ポテチ』を観たかったな』と思ったりもしました。数か月前、僕のほうから映画化のことを相談した際、中村さんからは『いいですね。やりましょう』とすぐに返事があったものの、まさかこんなに早く撮影に入るとは想像もしておらず、驚いています。きっと、多くの人たちが損得を抜きにして行動してくれた結果ではないかな、と想像します。曲を斉藤和義さんが作ってくれると分かったときには、本当に嬉しかったですし、キャストを少し聞いただけでも、胸が躍りました。完成が楽しみです」と期待を寄せる。仙台を「僕にとっては思い出深い場所」と語る濱田さんは、「またいつかみなさんが映画を観られる状況になったら、一分でも、一秒でも、あの日のことから離れて、心の底から楽しんでもらえる作品にしたいです」とクランクインに向けて思いを明かしてくれた。斉藤さんは震災後、いち早くチャリティーライブを実施し、秋には被災地でのツアーも控えるなど、被災地のために積極的に活動してきた。「このチームとの仕事は毎回『仕事』を忘れて修学旅行に行くような雰囲気なので、今回もとても楽しみにしています。仙台の“今”を監督がきっと素敵な画に撮ってくれると思います。それに負けないよう頑張ります」と気合十分。8月下旬にクランクインし、9月中旬のクランクアップを予定しており、それぞれの思いが作品としてどのような結晶になるのか。原作ファンならずとも楽しみなところだ。『ポテチ』は2012年春、全国にて公開予定。■関連作品:ポテチ 2012年春、全国にて公開
2011年08月17日