深作欣二監督・菅原文太主演の名作『仁義なき戦い』のデジタルリマスター版が、5月13日から24日(現地時間)まで開催される第68回カンヌ国際映画祭にて上映されることが決定した。戦後間もない広島・呉。友人の喧嘩相手を射殺した復員兵・広能昌三(菅原文太)は刑務所に服役、そこで出会った土居組若頭・若杉(梅宮辰夫)と義兄弟の契りを結ぶ。出所後広能は山守組の盃を受け組の下で活躍するが、組の勢力が増すにつれて敵対組織との抗争、また組内部にも抗争が勃発。仁義なき戦いの火蓋が切られた――。2014年11月に81歳で逝去した名優・菅原文太を筆頭に、梅宮辰夫、松方弘樹ら昭和を代表する俳優が集結した本作は、クエンティン・タランティーノ監督など多くの監督、役者に影響を与えた作品としても知られている。同作が上映されるのはカンヌ国際映画祭の「カンヌクラシック部門」。過去の名作映画の再発見や、修復された偉大な作品の紹介などを目的として2004年に設立された正式部門のひとつであり、同部門に東映作品が選出されたのは今回が初めてとなる。(text:cinemacafe.net)
2015年04月30日金製品の販売や貴金属の買取り業務を行うSGCは6日、歌舞伎のデザインをモチーフにした「歌舞伎小判」を発売した。本商品は歌舞伎三大名作のひとつ「菅原伝授手習鑑」(すがわらでんじゅてならいかがみ)の「車引」(くるまびき)と呼ばれる一幕に登場する三兄弟のひとり、「梅王丸」(うめおうまる)の隈取と衣裳・小道具をモチーフとした2枚組の小判。銀座三越ゴールドショップで発売しており、その他の兄弟「松王丸」(まつおうまる)「桜丸」(さくらまる)のデザインについても順次発売していく予定だという。菅原伝授手習鑑に登場する梅王丸は腕っ節が強く血気盛んな正義漢。片方の小判ではその激しい気性を荒々しい筋隈(すじぐま)で表現。もう片方には、梅王丸の衣装の格子柄と襦袢の梅、梅王丸が刀を三本さして登場することにちなんだ三本の太刀、また物語中の重要な道具として登場する牛車の車輪があしらわれている。「K24 歌舞伎小判 車引 梅王丸(2枚セット)」は重量約24g(1枚約12g)、高さ約6.3cm、幅約3.5cmで240,000円(税別)。
2015年03月13日最新作『バケモノの子』の製作を発表した細田守監督が12月11日(木)、会見の席で先月28日、肝不全のため亡くなった菅原文太さん(享年81)への思いを語った。菅原さんは細田監督の前作『おおかみこどもの雨と雪』に声優として出演した。突然の訃報に触れ「びっくりしました」と細田監督。「思い出すのはアフレコ現場で、『今、映画なんて作って意味ないんじゃないか』とおっしゃったこと。ちょうど震災の後で、文太さんも引退宣言していた時期だったが、僕は『いや、意味はあると思います』という思いをお伝えし、そのまま2~3時間、お話をさせていただいた」のだとか。当時をふり返り、「いかに映画に対し、真摯に考えているかを目の当たりにした。なぜ、映画を作るのは?今考えると、僕らに託された永遠の課題だと思う」と背筋を伸ばす。完成が待たれる『バケモノの子』には、「なぜ、映画を作るのか?」という課題へのひとつの答えが隠されているかもしれない。映画は渋谷に生きるひとりぼっちの少年が、バケモノの世界<渋天街(じゅうてんがい)>に迷い込み、熊徹(くまてつ)と呼ばれるバケモノに弟子入り。九太(きゅうた)という名前を授けられ、想像を超えた修行と冒険に挑む“新冒険活劇”だ。「僕らが子どもの頃は、こういう“修行モノ”はたくさんあった。今の子どもたちが、何を見て育つんだろうと考えたとき、修行と冒険の物語というのは王道であり、新鮮なんじゃないかと思った。あえてテーマをひと言で表せば、“父と子”でしょうか」(細田監督)。前作に続き“ケモノ”がモチーフになった理由を「うちにも2歳の子どもがいて、絵本を読んであげるが、子どもの絵本には人間以上に動物が登場するから」と説明していた。本作で初の単独脚本にも挑み、「今までは優秀な脚本家さん(奥寺佐渡子)におんぶに抱っこだったので(笑)。僕にとっても修行のつもりだった」。脚本づくりで一番大変だったのは「渋谷を舞台にしたこと」だと言い、「今回は物語としても、渋谷区を一歩も出ません!そのこだわりで、いろいろ難しいことも出てきて(笑)。前作、前々作は田舎が舞台だったし、意外と渋谷を舞台にしたアニメ作品ってないんですよ」と話していた。細田守監督の最新作『バケモノの子』は2015年7月11日から全国で公開される。(text:cinemacafe.net)
2014年12月11日先ごろこの世を去った菅原文太の主演作がニコニコ生放送で12月6日(土)と7日(日)に一挙放映されることが決定した。主演作『仁義なき戦い』『新仁義なき戦い』『トラック野郎 御意見無用』が無料で観賞できる。今回の特集は2日に渡って行われ、6日(土)の22時から『新仁義なき戦い』と『仁義なき戦い』を、7日(日)の22時から『トラック野郎 御意見無用』『仁義なき戦い』を放映。主演作を2日に渡って放映することで、この世を去った菅原文太を追悼する。菅原文太追悼 主演映画 無料一挙上映12月6日(土)22:00『新仁義なき戦い』『仁義なき戦い』12月7日(土)22:00『トラック野郎 御意見無用』『仁義なき戦い』ニコニコ生放送で一挙放映
2014年12月04日『仁義なき戦い』シリーズ、『トラック野郎』シリーズ、『まむしの兄弟』シリーズなどを代表作に持つ菅原文太が、11月28日(金)午前3時に、転移性肝がんによる肝不全のため亡くなっていたことが発表された。先日、名優・高倉健がこの世を去り悲しみに暮れるなか続く訃報。菅原さんは、劇団四季に1期生として入団し、その後モデルをしながら俳優を目指すことを決意。数々の任侠映画に出演するほか、『千と千尋の神隠し』で釜爺の声優を務めたりと老若男女に慕われる存在となったが、2012年に俳優界から引退を発表。それ以降も菅原さんは、声優、ラジオパーソナリティを務めたり、妻・菅原文子さんの勧めから農業を始めるなど様々な分野で精力的に活躍してきた。すでに11月30日(日)、福岡にて家族葬が執り行われたという。喪主を務めた妻の文子さんは、下記のようにコメントを寄せている。「7年前に膀胱がんを発症して以来、以前の人生とは違う学びの時間を持ち『朝に道を聞かば、夕に死すとも可なり』の心境で日々を過ごしてきたと察しております。『落花は枝に還らず』と申しますが、小さな種を蒔いて去りました。一つは、先進諸国に比べて格段に生産量の少ない無農薬有機農業を広めること。もう一粒の種は、日本が再び戦争をしないという願いが立ち枯れ、荒野に戻ってしまわないよう、共に声を上げることでした。すでに祖霊の一人となった今も、生者とともにあって、これらを願い続けているだろうと思います。恩義ある方々に、何の別れも告げずに旅立ちましたことを、ここにお詫び申し上げます」。また、女優・吉永小百合は「本格的な共演は『映画女優』だけでしたが、密度の濃い日々でした。市川崑監督のもと、溝口監督と田中絹代さんに扮しての芝居でしたが、緊張感の中で胸が躍りました。近年の社会的な御発言も、私の心に強く響いております。御冥福をお祈り申し上げます」とコメント寄せた。さらに俳優陣からもSNSにて追悼するコメントを残している。<俳優・浅野忠信>撮影で一緒に過ごした時間がとても楽しかったですありがとうございました。心からご冥福をお祈りします。<俳優・池松壮介>ありがとうございました。<俳優・八嶋智人>菅原文太さんまで…。合掌。ご冥福をお祈りいたします――。(text:cinemacafe.net)
2014年12月01日藤山直美と高畑淳子が初共演を果たす舞台『ええから加減』の製作発表が、6月4日に都内で行われた。『ええから加減』公演情報原作は第84回オール讀物新人賞を受賞した永田俊也の短編小説で、上方女漫才コンビの濱子(藤山)と宇多恵(高畑)を中心に物語は展開する。25年のキャリアがありながら、コンビの人気はそこそこといったところ。しかし、ボケ役の宇多恵が突然「上方演芸大賞を目指そう」と言い出したことから、状況は変わり始める。漫才は劇中で実際に披露される予定で、藤山は「イメージするコンビは、海原お浜・小浜師匠や、島田洋之介・今喜多代さん、内海桂子・好江師匠のように、どの年代でも楽しめる王道で古風なタイプ。一生懸命ふたりで練習して、役者による漫才にしてはようがんばったな、と思っていただきたい」と謙虚な姿勢をみせる。一方の高畑は、藤山との初共演が何よりうれしいようで、「短パン、スッピンでマーケットを走り回っているような私が、藤山さんとお芝居できるなんて。軽い“追っかけ”だったので、胸がいっぱいです。漫才のシーンは、読み合わせの段階からすごく面白くて、このまま出しても金になるぞ、と思ったほど。藤山さんは絶対かなわない人ですし、ただへばりついていくつもりです」とユーモラスに心境を語った。記者会見には原作者の永田、脚本・演出の田村孝裕、濱子の夫役を演じる赤井英和、漫才コンビの所属事務所の専務に扮する田山涼成も出席した。永田は「脚本を読んだらものすごくすばらしい内容だった。今から成功を確信しています」と期待を寄せ、田村は「“笑うとはどういうことか”が今回のテーマのひとつ。ぜひ笑っていただけるような舞台を作りたい」と意気込みを語った。公演は、東京・シアタークリエにて7月1日(日)から29日(日)まで。チケット発売中。
2012年06月04日高い演技力もさることながら、TVではバイタリティーあふれる発言で人気の女優、藤山直美と高畑淳子。このふたりが漫才コンビを演じる舞台『ええから加減』が7月に東京・シアタークリエで上演される。『ええから加減』チケット情報本作は、2004年のオール読物新人賞を受賞した永田俊也の同名小説をもとに、丁寧な人間描写に定評のある俊英・田村孝裕(劇団ONEOR8)が脚本と演出を手がけて舞台化するもの。大阪のお笑い芸人コンビ「海野濱子・宇多恵」の奮闘を、原作の味わいそのままに涙と笑いで描く。4月某日に行われたポスター撮影では、サザエさんのような髪型を提案するなど、並々ならぬ意気込みを見せる高畑に話を訊いた。劇中ではボケ役の宇多恵を演じる高畑。「台本を読んだら、最初と最後に漫才のシーンがあるんですよ!舞台に立って、お客様に“大したことないな”と思われることほど恥ずかしいものはない。だから稽古場ではたくさん恥をかいて、少しでも“おもろいやないか”と楽しんでいただけるようにお稽古したいですね」と話す。漫才の稽古も「先日あるパーティーでますだおかだの増田さんにお会いして、お友だちになってもらいました(笑)。早速“役者さんと芸人は立ち位置から違いますよ”なんて貴重なアドバイスをもらってます」と準備万端の様子。物語は中堅でそこそこ人気もある漫才コンビの濱・宇多を軸に展開する。若手芸人の人気に押されるようになったふたりが、一念発起して上方演芸大賞を目指すまでが描かれる。新ネタの打ち合わせやネタの練り直し、営業活動や審査員への根回しなど、お笑い界の裏側を綴るエピソードも見どころだ。「台本には濱子と宇多恵の女性の友情なんて、一切書かれてないんです。そこにあるのは、女の大事な時期をひとつの芸事だけにひたすら打ち込んできたふたりの関係。漫才が終わったらパッと帰る……みたいな仲なのに、芸のためには互いのことを思いやる、そこがなんとも魅力的だなって。私自身、芝居に身を削っているという気持ちもあるので、芸事に携わるものとして感じる部分がありました」。これと思ったら突き進む宇多恵と似た部分は、自身にも大いにあるとか。「女優をするって決めた時も、母が“この子は頑固だから”って諦めたくらい(笑)。いつも困難な道のほうを選んでしまうんですけどね」と笑う。ドラマにバラエティーにと忙しい今も、青年座に所属し、外部公演も含めてさまざまな舞台に立ち続ける高畑。「帝国劇場の楽屋口にある提灯に、歴代の名優の名前が書いてあるのを憧れの気持ちで見上げています。私ももっと頑張らないと!って」。そう語る高畑が全力で打ち込む舞台に期待したい。舞台『ええから加減』は7月1日(日)から29日(日)までシアタークリエにて上演。チケットは発売中。取材・文:佐藤さくら
2012年05月10日