第144回芥川賞を受賞した西村賢太氏の同名小説を、『天然コケッコー』『マイ・バック・ページ』などを手掛けた山下敦弘監督が映画化した『苦役列車』が 7月14日、全国で封切られ、西村氏と山下監督をはじめ、主演の森山未來、共演する高良健吾、前田敦子(AKB48)、マキタスポーツが東京・丸の内 TOEIで初日舞台あいさつに立った。その他の写真三畳一間に住み、日雇い労働にすがる19歳の青年役に森山を迎え、実力派俳優の高良と、映画オリジナルのヒロインを演じるAKB48の前田が脇を固める本作。原作は壮絶な自身の過去をベースに書き綴った“私小説”だが、西村氏は完成した映画をさまざまなメディアで公に酷評し、大きな話題と熱い議論を巻き起こしていた。舞台あいさつでもその言動に注目が集まったが、この日は「ご覧いただき、ありがとうございます。小説家として終わりかけたときに執筆した思い入れのある作品。妙に図々しさとしぶとさがある小説なので、その部分に皆さんが共鳴してもらえたら、こんなにうれしいことはない」と観客への感謝に終始した。それでも山下監督と言葉を交わすことはなく、いまだ埋められない“距離感”が見て取れたのも事実。今後、両者の確執がどのようにクリアされるか、さらに注目を集めそうだ。山下監督は「毎日、日替わりで面白い人がやってくる、まるでイベントのような現場だった」と多彩なキャストが集結した現場を振り返っていた。主演の森山は「昨日、急に十二指腸あたりが痛くなって、まさかの『体調不良で舞台あいさつ欠席』になるところだった」と同日、公開初日を迎えたライバル作『ヘルタースケルター』に主演する沢尻エリカを連想させる第一声で客席の笑いを誘い、高良は「憧れの山下組で、素敵な経験ができた」と感激しきりの様子だった。また、先日21歳になったばかりの前田は「ぜひ、同世代の人たちに見てほしい」とアピールしていた。『苦役列車』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年07月17日東北が生んだ国民的作家・宮沢賢治の代表作を80年の時を経て、アニメーション映画として蘇らせた『グスコーブドリの伝記』。6月12日(火)に世界最速となるジャパン・プレミアが行われ、ボイスキャストを務めた小栗旬を始め、忽那汐里、草刈民代、そして杉井ギサブロー監督と音楽担当の小松亮太が宮沢さんゆかりの地、岩手県花巻市で舞台挨拶を行った。美しきイーハトーヴの森を舞台に、厳しい自然と向き合う主人公・ブドリが家族と故郷を守るために奮闘する姿を描く本作。原作は三陸沖地震や大規模な冷害に何度も見舞われるという厳しい環境の中でも故郷を愛した宮沢さんの思いが込められた傑作である。まず現地に到着した一行を出迎えたのは、花巻市の幼稚園児たち。サプライズとばかりに本作の主題歌である「生まれ来る子供たちのために」(小田和正)を園児たちが大合唱するという歓迎を受けた。さらに今春、花巻市では「(宮沢)賢治まちづくり課」という新しい課が設立されたが、小栗さんはこのセレモニーに駆けつけた花巻市・大石市長から「ぜひ『賢治課』課長を務めていただきたい!」と告げられ、宮沢さんが愛用していた帽子のレプリカが贈呈された。これに小栗さんは大感激の面持ちで「とても光栄です!“小栗賢治”として、賢治が愛した岩手の土地を1日ですが、映画と共にPRしたいです!」と語った。次に向かったのは、ジャパン・プレミアの会場となった宮沢さんの母校・花巻農業高校。本作を鑑賞した生徒たちからの割れんばかりの歓声の中、舞台挨拶に登壇した小栗さんは「まんず、花巻さ来るごとできだじゃ(ようやく、花巻に来ることができたな~)。みなさん、映画は楽しんでいただけましたか?熱気ムンムンの体育館ですね(笑)」と岩手訛りを交えて挨拶。さらに、「教科書にも“花巻農業高校”と出てきて、テストのために暗記しました。その学校に来ることになるなんて、思ってもいませんでした」(忽那さん)、「27年前の『銀河鉄道の夜』の映画化から、久しぶりに花巻に来ました。ただ、この学校は初めてです。こういう自然の中で、賢治が作品を作っていたと思うと感慨深いですね」(杉井監督)とそれぞれに思いを口にした。劇中では愛する家族を守ろうとするブドリの奮闘を通して、家族の絆の大切さが描かれているが、役を通じての感想を聞かれ、先日結婚したばかりの小栗さんは「うちは仲の良い家族なので、自分と全く違うブドリのようになったらどうなるんだろうと思ったり…未来に生まれ来る子供たちのことを考えたりしました」。草刈さんは「子供たちへの愛情から来る重みのある一言一言を、セリフとして伝えることがいままでにない経験でした」と改めてふり返った。そして、最後に小栗さんは「花巻からこの映画をスタートできたことがとても嬉しいです。ここから全国に届けていきたいと思います」と挨拶し、宮沢賢治ゆかりの地でのPRを締めくくった。『グスコーブドリの伝記』は7月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし
2012年06月13日宮沢賢治『銀河鉄道の夜』『風の又三郎」』を原作とした映画、『グスコーブドリの伝記』が7月7日より全国公開される。『あらしのよるに』の杉井ギサブローが監督、声の出演は小栗旬、忽那汐里、佐々木蔵之助など実力派が勢ぞろい。その『グスコーブドリの伝記』とコラボして絵本を制作したのが清川あさみ。「Zipper」「CUTiE」などで人気雑誌のモデルを務めながら、女優たちに刺繍をほどこし動物に変身させる「清川あさみの美女採集」など、アーティストとして人気を博している彼女。その華麗で繊細な世界観が、若い女性を中心に大きな支持を集めている。今回、映画を清川あさみ流に絵本にした「宮沢賢治作『グスコーブドリの伝記』」は、彼女の第五作目にあたり、6月27日(予定)に発売される。これを記念して、絵本の原画を展示した“清川あさみ展Another World~宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」~”が同時開催されるので注目したい。“清川あさみ展Another World~宮沢賢治「グスコーブドリの伝記」~”では、清川の絵本の原画だけでなく、映画の原画も公開される。また、清川は映画をイメージした限定コラボビジュアル『budori』も制作。美しい繊細な刺繍が、映画の世界をより魅力的に引き出してくれる。映画『グスコーブドリの伝記』を観て、清川は次のコメントを寄せた。「この物語はひとりの小さな勇気あるブドリという男の子が立派に成長していくお話。自然というものは最も美しく、最も厳しいという事をこの物語に教えられました。このようなタイミングで日本の美学を表現出来た事を嬉しく思います。イーハトーブの森と幻想的な美しい日本の風景を愛に溢れるブドリと一緒に体感して下さい」【ストーリー】イーハトーヴ森の木樵りの息子として両親と妹と穏やかに暮らしていたブドリは、森を襲った冷害のため家族を失くし、一人ぼっちに。それでもブドリは、生きるために一生懸命働き、やがて成長し火山局に勤めるようになる。そこに再び襲ってきた大きな冷害。あの悲劇を繰り返さないため、ブドリは決心する。みんなのために、自分ができることを行いに―。作品情報声の出演:小栗 旬、忽那汐里、柄本 明ほか原作:宮沢賢治監督・脚本:杉井ギサブロー主題歌:小田和正「生まれ来る子供たちのために」公開:7月7日(土)、丸の内ピカデリーほか全国ロードショー 映画公式サイト
2012年05月25日『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』など、数々の名作を送りだした宮澤賢治原作の映画『グスコーブドリの伝記』の主役ブドリ役を俳優の小栗旬が務め、妹のネリ役を女優の忽那汐里が演じることが発表された。その他の写真本作は、美しいイーハトーヴの森で両親や妹と穏やかに暮らしていた主人公のブドリが、突然森を襲った冷害で家族を失うが、それでも希望を失わずに精一杯生きていく姿を描いた感動の物語。『銀河鉄道の夜』のアニメ化を手がけた杉井ギサブローが監督を務めている。原作者の宮澤は東北岩手出身者であり、その生涯で数々の災害に見舞われた。それでも故郷を愛し続けた彼は、作中で東北の森を題材に自身が経験してきた自然の脅威や被害を描いている。今回主役を演じる小栗は、宮澤作品ならではの日本語の豊かさ溢れる原作のファンだそうで、映画の仕上がりにも惚れ込んでいるとのこと。希望を失わず立ち向かっていく主人公の役柄について、「想いがすごく強いキャラクターなので、台本をもらった時に彼のまっすぐさ、ひたむきさが声のトーンに出ればと思った」と意気込みを語っている。また、昨年放映されたドラマ『家政婦のミタ』で注目を浴びた忽那が演じるのは、寂しくても兄に愚痴をこぼさない健気な妹役。今回が声優初挑戦で、「本当に声だけで演技するのが初めてなのでとても緊張しましたが、楽しく演じさせていただきました」とコメントしている。本作は、7月7日(土)より全国で公開する。『グスコーブドリの伝記』7月7日(土)全国公開
2012年03月09日岩手県が生んだ文豪・宮澤賢治原作のアニメーション作品『グスコーブドリの伝記』で、主人公・ブドリの声を小栗旬、ブドリの妹・ネリを声優初挑戦となる忽那汐里が務めることがこのほど明らかになった。イートハーヴの森の木こりの父親と母親、そして妹と穏やかに暮らすブドリ。しかし、突然の天災で家族を失くした彼は一人ぼっちになってしまう。それでも希望を失わず、妹・ネリを探し続けるブドリの長い長い旅が描かれる。主人公・ブドリ役に抜擢された小栗さんは、「想いがすごく強いキャラクターなので、台本をもらったときに彼のまっすぐさ、ひたむきさが声のトーンに出ればいいなと思いました。(原作は)宮澤賢治の日本語の豊かさがあふれていて大好き」と、作品の出来に惚れ込んでいる様子。また、寂しくてもお兄ちゃんのブドリに愚痴をこぼさない健気な妹・ネリを演じた忽那さんは、「本当に声だけで演技をするのが初めてなので、とても緊張しましたが、楽しく演じさせていただきました」と、初挑戦ながらもアニメーションに命を吹き込む“声優”という仕事を満喫したようだ。名作『銀河鉄道の夜』のスタッフによって描かれる本作。原作ファンにとどまらず、映画ファン、アニメファン注目の作品となりそうだ。『グスコーブドリの伝記』は7月7日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:グスコーブドリの伝記 2012年7月7日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012「グスコーブドリ製作委員会/ますむらひろし
2012年03月09日