みなさん、心の病気は自分には関係ないと思っていませんか?でも厚生労働省が発表した、2015年度の労災状況まとめによれば、長時間労働やパワハラが原因でうつ病などの精神疾患を発症した労働災害の請求数が、過去最多となっています。メンタルに問題を抱える人は増加しており、このような問題は、決して他人事ではないのです。しかし、メンタルヘルスに関して間違った認識を持つ人は少なくありません。そこで今回は、イギリスの情報サイト『NetDoctor』が発表した、メンタルヘルスについて広く信じられている8種の通説をご紹介します。いざ自分がかかったときに悪化させないよう、今のうちにメンタルヘルスに対する誤解を解いておきましょう。■間違った通説1:悲しみはうつ病と同じようなもの誰でも気分の浮き沈みがあります。ちょっと落ち込むこともありますし、失恋したときには悲しみがあふれるものです。ただし、気分が落ち込んだときにうつ状態だという人がいますが、実際にうつ病になっているわけではありません。うつ病とは、落ち込んだ気持ちが回復せずに長く続くこと。そして日常の物事をするための能力や、喜びを感じることなどに影響を与えるのです。■間違った通説2:強迫性障害は潔癖に絞られる強迫性障害とは、自分の意思に反して不快な考えやイメージが頭から離れない、自分では抑えきれない精神疾患の一種です。強迫性障害には異なるタイプがあり、そのひとつのタイプでは、潔癖症であらゆるものが汚れていると考えます。しかし、この症状は一例であり、他にもさまざまな症状があります。■間違った通説3:メンタルヘルスの問題は大人だけが抱える10人に1人の子どもや若者が、勉強のプレッシャーやいじめ、家族や友だちとの死別などによりメンタルヘルスに問題を抱えるそうです。このときには適切な支援や治療を利用することが非常に重要です。精神疾患を早く治療できれば、問題が増えたり、のちの人生で再発したりすることを防げるでしょう。■間違った通説4:統合失調症の人たちは暴力的で攻撃的統合失調症の診断がある人は、他人よりも自分自身に対して危険になる傾向があります。残念ながら、この病気を持つ人の一部は、妄想的になったり、ドラッグやアルコールを使用したりすることで暴力的になります。とはいえ、ごく少数の人たちしか、暴力的にならないのです。事実、殺人や凶暴な犯罪事件のほとんどは、精神的障害を抱えていない人々によって引き起こされます。■間違った通説5:意志が弱い人だけがメンタルヘルスに問題を抱える私たちの4分の1が、人生のどこかの時点でメンタルヘルスに問題を抱えるそうです。精神障害は差別的なものではなく、誰にでも起こりうるのです。それは弱さの表れではありません。■間違った通説6:精神疾患は怠惰と悪い行いの言い訳にすぎない精神的障害は医学的に認識されています。これらの症状は好んで持つのでもなく、また説明のしようもないのです。誰かがうつ病を経験するときには、たとえばベッドから出られないと感じる、日常活動をすることができないと感じるのです。そのため、うつ病の人が、怠惰というわけではありません、うつ症を患う人で、その症状を改善させて人生を取り戻したいと強く願っても、それができないのは、症状が非常に重いからです。■間違った通説7:うつ状態になるのには理由があるうつ病はときどき、トラウマ的な経験や死別などの出来事によって引き起こされます。しかし、常にそうだというわけではなく、原因はさまざま。家系、しつけ、ストレスのたまる出来事、ライフスタイルなど、すべてが影響するのです。症状を引き起こすと特定できる原因が分からない場合もあり、対処することや回復することが難しくなります。また世界中では、3.5億人がうつ症状を患っていると推定されています。うつ病はなにもせず抜け出せるものではありません。セラピーや投薬といった治療介入によって治療されるのです。■間違った通説8:不安障害があるとどんなストレスにも耐えられない誰でも不安や心配、恐怖をたまに感じるものです。これは特定の状況において、正常な反応です。たとえば仕事の面接の前には、不安な気持ちになるでしょう。難しい状況や危険な状況にいるときには、これらの感情がリスクを認識し、自分がなにをする必要があるかを伝えるのです。しかしながら、不安障害がある場合には、これらの感情はより頻繁になり、深刻で、耐えることが困難になります。そして実際よりも、まるで事態がはるかに悪いかのように感じるのです。これは日常生活に影響を与える原因にもなります。*メンタルヘルスの問題は、誰にでも起こる可能性があるからこそ、正しい知識を持ちたいもの。また自分自身だけでなく、パートナーや家族が問題を抱えたときのためにも、理解を深めていくいいと思います。(文/椎名恵麻) 【参考】※8 common myths about mental health-NetDoctor※うつ病などの精神疾患で申請1515人 過去最多-毎日新聞
2016年07月05日女優の知英が7月2日(土)、都内で行われた出演作『全員、片想い』の初日舞台挨拶に出席。性同一性障害の留学生を演じ、役作りの難しさを明かし、共演した男性シンガーから「僕よりも男前」と絶賛された。“片想い”をテーマに小説投稿サイト「E★エブリスタ」の投稿イベントで選ばれた電子小説を原案にした4作品、映画オリジナルストーリーの4作品で構成された合計8つの短編作品を集めた恋愛オムニバス。幼なじみ同士、キャリアウーマンと年下新入社員、女子高生と美容師、いとこ同士など思わず胸がキュンとする切ないエピソードが目白押しになっている。役柄に合わせて、メンズの浴衣で凛々しく登壇し“イケメン”ぶりを発揮した知英さん。劇中では好きになった女性のルームメイトのために、心とは裏腹に男友達との仲を取り持とうとする難役に挑み、「座り方や声、握手の手の出し方などどうすれば男性ぽく見えるか努力した」と役作りを話していた。舞台挨拶には知英さんをはじめ、伊藤沙莉、中川大志、森絵梨佳、桜田通、広瀬アリス、斎藤工、知英さんと共演した「CROSS GENE」のTAKUYA、新川優愛、志尊淳、千葉雄大、橋本マナミ、横浜流星、加藤雅也、主題歌を担当する黒木渚、永田琴監督、原桂之介監督、藤井道人監督、山岸聖太監督、伊藤秀裕監督が登壇した。総勢20名の“センター”に立った斎藤さんは「今日の問題は、立ち位置ですよね」と思わず苦笑い。「これは政治的な問題じゃなくて、本当にたまたまなんです…」と恐縮しきりだった。『全員、片想い』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年07月02日2016年4月1日から、障害者差別解消法という法律が施行されたことをご存知でしょうか?この法律では、行政や事業者へ障害者に対して不当な差別を禁止し、社会のなかのバリアを取り除くべく「合理的配慮」に努めるよう定めています。障害者が必要としている「合理的配慮」とは、いったいなんなのでしょうか?また、この法律ができたことで、障害者の人たちは暮らしやすくなるのでしょうか?そんな問いに答えてくださったのは、「きこえないママ×まちプロジェクト」代表で、自身も聴覚障害があるまつもとまつりさん。耳のきこえないママたちと、地域の人たちをつなぐ活動をしていらっしゃいます。以前、お子さんが夜中に熱性けいれんを起こしたときに自力で救急車を呼べず、近所の人に助けてもらったため、日ごろから地域の人たちとつながっている必要性を感じたのだとか。今回はまつもとさんに、「聴覚障害者」の視点に立ったお話をお伺いしました。■聴覚障害者は想像以上に不便に感じているまつもとさんは以前クレジットカードを落としてしまったとき、母親にカード会社に電話をかけてもらったことがあったのだそうです。ところがカード会社の人に、「本人でないとダメ」といわれてしまったというのです。「だから、わざわざ会社を休んでカード会社に行って手続きをしなければならなかったんですよ。普通の人だったら休憩時間にちょっと電話すれば済むことなのに」(まつもとさん)また、銀行のATMに不具合があっても備えつけの電話が使えないため、窓口に行って事情を話してもう一度列に並びなおさなければならなかったこともあるといいます。それだけならまだしも、障害者割引のある駐車場に入っても出るときにモニターに障害者手帳をかざさないといけないことがわからず、結局は正規料金を払わざるを得なかった……などと不便に感じていることは多々あるそうです。健常者にとっては当たり前にできることだからこそ、聴覚障害者が不便に感じていてもなかなか気づきにくいものなのかもしれません。■行政にはその人に合った配慮をしてほしい「きこえる」人たちは、「耳がきこえない」といわれると、「じゃあ手話で通訳できる人がいればいいのね」と思いがちではないでしょうか。「でも、聴覚障害者のなかには手話を知らない人もいるんです。だから『耳がきこえない=手話通訳の用意』と考えるのではなく、筆談で対応する、ゆっくり話す、流れの決まっている手続きであればフローチャートを用意して指差ししながら説明するなど、その人に合った配慮をしてほしいと思います」(まつもとさん)まず、「聴覚障害者はみんな手話を知っている」という思い込みをなくすことが必要なのですね。■私たちにもできるちょっとした配慮とは?聴覚障害のある人だって、スキルアップのための学びの場や職場の会議、町内会の話し合いに参加する機会を望んでいるもの。しかし、話の流れがわからない、資料を読んでいると知らないうちに話が進んでいる……など、ハードルが高くてなかなか参加しづらいのだとか。そんなとき、「きこえる」人たちが「きこえない」人たちのためにできることはなんでしょうか?たとえば講座に参加するときであれば、前もって資料をもらう、隣に座った人にはいま話しているところを指差ししてもらう、資料を読むのに夢中になっているとき、講師が話しはじめたら肩を叩いて教えてもらう。そういう、ちょっとした「配慮」をしてもらえたらだいぶ助かるとまつもとさんはいいます。「手話通訳になにからなにまで依頼することはできません。でも、『ちょっと配慮がほしい』という場面は日常的にたくさんあります。ちょっとしたことでも協力してもらえたら、とてもありがたいです」(まつもとさん)■障害者差別解消法だけで社会は変わるのか最後に、障害者差別解消法ができたことで障害者が生活しやすくなっていくかどうかについて意見をきいてみたところ、「5分5分」という答えが返ってきました。法律ができたことで、いままで「予算がない」という理由でやらなかったことに対して「やらなきゃいけない」という意識が芽生えることはあるかもしれない。しかし、だからといって具体的になにをすればよいか行政や事業者の人たちにはわからないだろうから、聴覚障害者自身がもっと「こうしてほしい」と声をあげなければいけないといいます。「行政などに直接声を伝えるのはなかなか難しい。だから、まずまわりの人たちに『こういう不便がある』ということを伝えたいと考えています。その話を聞いた人からアイデアを出てくるなど、なにかいい方向につながっていくと思うから」(まつもとさん)現在、聴覚障害で障害者手帳が交付されている人は全国で45万人。でも、手帳交付に至らない軽度の方も含めると、聴覚障害者は1,000万人以上いるといわれています。障害の程度に関係なく、不便に感じる人たちへの配慮が自然にできる社会になれば、障害者もそうでない人もお互いにもっと気持ちよく暮らせるのではないでしょうか。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※まつもとまつり・・・「きこえないママ×まちプロジェクト」代表。3人の男児の母。横浜市戸塚区にある親子カフェ「こまちカフェ」を拠点に、「きこえないママ」と地域の人たちとの交流会を月1回(第2火曜日10:00~12:00)おこなっている。コミュニティFMラジオ「エフエム戸塚」の番組にゲスト出演経験もあり。 【参考】※ココロもカラダもぽっかぽか※こまちカフェ※障害を理由とする差別の解消の推進-内閣府※厚生統計要覧(平成27年度)-厚生労働省※難聴者の数は、どれくらい?という事で調べてみた-L.S.B.information
2016年06月25日起きたときに身に覚えのない傷が体にできていたという経験のある人はいませんか? それはもしかしたら睡眠障害かもしれません。睡眠障害は不眠だけでなく、さまざまな症状、タイプがあることで知られています。今回は海外で大きな話題を呼んだニュースから、どのような睡眠障害があるのかを探っていきたいと思います!睡眠障害の4つのタイプ睡眠障害にはいろいろな症状があります。大別すると、以下4つのタイプがあると言われています。不眠寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めてしまう、予定時刻よりも早く目が覚める、浅い眠りが続くなど。過眠夜にしっかり睡眠時間をとっているのに日中に眠くなる。抗えないほどの強烈な睡魔に襲われることも。リズム異常寝る時間と起きる時間が毎日バラバラになる。寝ようと思った時間に眠れず、起きようと思った時間に起きられない。違和感寝ようとしてベッドに入ると足がむず痒くなる、睡眠中に呼吸が苦しくて目が覚めることがある。一言で「睡眠障害」といっても、このようにタイプがあるということを覚えておいてくださいね。気になる症状がある場合は、早めに医師に相談するようにしましょう。変わった症状もある上記に挙げたものは睡眠障害の一般的な症状ですが、なかには変わった症状が出る人もいるようです。今回はいくつかピックアップして、紹介します。自分の手を齧った!?中国で話題を呼んだのは、「睡眠中に自分の手を齧ってケガを負い、病院に担ぎ込まれた人がいる」というもの。ケガをするほど齧るとは相当の力だったんでしょうね……。このような症状の場合、考えられる睡眠障害は、睡眠中に歩きまわったりする夢遊病や異常行動をとるレム睡眠行動障害などですが、実際のところ、これだけではどの睡眠障害かは確定できないようです。きっと、この人も目が覚めたらシーツが血だらけになっていて、さぞビックリしたことでしょうね……。夢遊病とは上記症状の原因の可能性がある「夢遊病」と「レム睡眠行動障害」について詳しく説明しましょう。まずは、夢遊病から。正式名称は「睡眠時遊行症」で、本人には自覚がない状態で睡眠中に歩き出す症状がみられます。起きたときも、本人には歩きまわっていたという記憶はないそうです。この睡眠障害の怖いところは無意識で歩きまわるので、ケガをする可能性があるところです。家の中ならまだしも、着替えて外に出ていってしまうこともあるというので家族の人は心配ですよね。周囲にこの症状がみられる人がいたら、早めに病院でみてもらうようにしましょう。レム睡眠行動障害とは続いて「レム睡眠行動障害」です。この睡眠障害は浅い眠りであるレム睡眠中に、大声で話をはじめる、手足をバタバタさせる、歩きまわるなどの異常行動をとるものです。物を投げてしまうこともあるので、室内の家具が壊れてしまう場合もあると言われています。このレム睡眠行動障害も、夢遊病と同様に本人に自覚症状はありません。そのため、治療には家族の理解と協力が不可欠です。睡眠中の異常行動がみられた場合は、「いつか収まる」と安易に考えず、ケガをしたり、事故に巻き込まれたりする前に医師に相談しましょう。睡眠障害の検査は?睡眠障害の疑いで病院へ行った場合、症状のタイプによってさまざまな検査が行われます。代表的なものを紹介します。睡眠ポリグラフ検査病院に1泊して、体にセンサーをつけた状態で睡眠をとる。呼吸数や心拍数、夜間の睡眠状態を確認することで、原因を診断するために行うもの。CPAP圧設定検査睡眠中に何度か呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断された場合に行う検査。病院に1泊して、マスクを装着して眠ることで呼吸の状態を調べる。脳波検査頭に電極をつけて、脳波を検査する。これによって、てんかんなどの疾患があるかどうかを検査する。検査は他にもたくさんあります。どれも実施する前には医師からきちんと説明があるものなので、睡眠で悩みを抱えている方は一度病院へ行ってみましょう。photo by acworks
2016年06月24日●体型に縛られて生きるのはもったいない摂食障害に苦しむ人やその家族をサポートすることなどを目的とした「日本摂食障害協会」の設立発表会がこのほど、東京都内で開催された。同会では有識者による講演のほか、摂食障害の体験者によるスピーチや、パネルディスカッションなどが行われた。当日の様子をレポートする。○摂食障害の現状一般にはあまり知られていないかもしれないが、摂食障害は下記のように分類できる。■拒食症……食事を拒み続けて体重が異常に減る■過食症……満腹感が得られずに暴飲暴食をしては、嘔吐(おうと)や下剤の乱用などを繰り返す■過食性障害……いわゆる「むちゃ食い」をするが、自己誘発性の嘔吐(おうと)をしたり下剤を服用したりすることはない摂食障害は極度の栄養失調が原因で「患者の7~10%が死に至る」とも言われており、潜在患者を含めると国内には20万人を超える患者がいるとみられている。だが、治療できる医療機関が少なく診察可能な患者も限定されるため、保育園の待機児童問題と同じく、一刻も早い「待機患者ゼロ」の実現が求められている。このような現状がある中で、摂食障害患者が自身の不安や葛藤を、なかなか周囲に打ち明けられないことも早期介入を難しくさせている。実際に摂食障害に悩む女性たちを代表し、モデル・Naoさんが自身の経験談を語ってくれた。○20kgの減量後に30kgの増量を経験Naoさんは、今でこそ2013年に創刊したぽっちゃり系女子向けファッション誌「la farfa」で明るい笑顔を見せているが、17歳の頃に摂食障害を患い、独りで悩み、もがいていた過去を持つ。断食ダイエットをした結果、食事がほとんど摂(と)れなくなり、体重が半年で20kgも減ったが、無気力になり日常生活にも支障をきたすようになった。仕事に行けなくなったり、友達との約束を守れなくなったりし、精神的に不安定な状態が続く中、今度は猛烈な食欲に襲われた。体重は30kg増え、その後は拒食と過食を繰り返した。正常な食生活に戻れなくなり、治療してくれる病院や相談先もわからず、ずっと独り。摂食障害は10年間続き、その間もNaoさんの心は閉ざされたままだった。ところが、アルバイト先の出版社で、膨大な量の芸能人たちの写真を見たことが、Naoさんの考えにある"変化"をもたらした。「すごくやせてる人もいれば、ぽっちゃりな人もいて。私はずっと体型を気にしてきたけど、ずっとそれに縛られてこれからも生きていくのはもったいないんじゃないかと。それより、自分のぽっちゃり体型を受け入れて生きていくほうがいいかなと思えたんです」。自分らしく生きる道を選び、体型を生かして、ぽっちゃり系ファッション誌のモデルの仕事も始めた。オシャレを楽しむ気持ちを大切にし、自分を肯定することで、気持ちが前向きになり、拒食や過食を繰り返すこともなくなっていったという。「私は相談先もわからず、治療を受けていなかったので、完治するまで10年という長く孤独な日々を過ごしました。今、苦しんでいる人は、できるだけ早く治療を受けてほしい。私は自らの体験を語ることで、人に安心感を与えたい。『自分を責めなくていいんだよ。どんな体型でも、誰もあなたのこと嫌いにならないよ』って、そう伝えたいですね」。●ダイエットで幸せになれるかもしれないという幻想ダイエット志向が特に若い日本人女性に浸透している一方で、「その考えが果たして本当に自身の幸せに結びつくのか」と疑問を呈したのは、女性向けのトピックを数多く執筆しているライター・三浦天紗子さんだ。「先日、おもしろい調査結果を目にしました。若い女性は『今は着られないけど、やせたら着る服』の平均保有数が5.4着だそうです。それだけ、多くの女性が常日頃、慢性的に『やせなくちゃ』という意識を抱えているんですね」。現代は「やせたい」と思ったときに、運動ではなく「食」でダイエットをしようと思う女性が圧倒的に多い。しかも、日本人はメディアが発信する情報を素直に受け取る傾向が強い。「バナナダイエット」や「糖質オフ」「炭水化物抜き」などの偏ったダイエット情報に感化された結果、「●●をいっぱい食べればやせられる」、あるいは「●●を食べなければやせられる」といった極端な発想にたどり着いてしまうと指摘する。○自分にとっての幸せとは何かではなぜ、日本人女性はそれほどまでしてダイエットをしようとするのか。三浦さんは、華やかな世界で活躍するやせた女性たちの姿が、多くの一般女性に「やせてきれいになれば、自分にもいいことが起こるかもしれない」「もっと愛されて、ちやほやされて注目されて、幸せになれるかもしれない」といった期待を抱かせ、あおってしまっているのではないかとみる。「女性は単に『やせてきれいになりたい』のではなく、つまるところ、それによって『幸せになりたい』わけです。でも現実には、やせたからといって必ず幸せになれるわけではなく、『やせていても幸せじゃない』『やせても幸せになれない』女性は大勢います。けれど現実に今、生きづらさを感じて苦しんでいる人は、『やせることにすがるしかない』状況に陥ってしまうんですね」。現代は「何かを成し遂げなければ」といった意識を持つ若者が多いという。そのため、資格取得に励んだり、趣味に熱中したりするが、そういった「打ち込むもの」がない女性ほど、ダイエットにのめりこむ傾向があるとされている。体重や体脂肪率、スリーサイズなどの数値が"成果"として明確に出るため、達成感を得やすいからである。そして、メディアも「やせ志向」をあおっている部分があるのではないかと三浦さんは話す。「女性誌において見た目中心の価値観を否定することは難しく、『見た目よりも中身』などと書いたところで、『きれいごと言わないでよ』と一蹴されてしまうため、その勇気をメディア側が持てないのが現状です。結果、非常にやせているモデルや女優の画像ばかり発信され、読者を洗脳状態に追いこんでいます」。与えられ続ける膨大な「やせ=幸せ」という概念に屈服されることなく、いかにして「自身の幸せ」を見いだせるか。いつの時代もダイエットは女性にとって「永遠のテーマ」と言えるだけに、一人ひとりがしっかりと考えておきたい問題だろう。●医療、美容、メディアの立場から見る摂食障害後半のパネルディスカッションでは、女性パネリストが「医師」「脱毛サロンスタッフ」「女性誌ライター」というそれぞれの職業の視点から摂食障害について意見を述べあった。美容脱毛専用サロン・ミュゼプラチナムの鎌田真理子営業部長は、サロンの利用者の中に摂食障害とおぼしき女性がいて、スタッフが不安を抱くケースがあると話す。「ただ、非常にデリケートな問題ですので、お客さまにストレートに伺い、即介入することは難しいですし、触れてほしくない方もいらっしゃいます。でも、私どもはお客さまの裸に近い状態を拝見し、しかも『毛』というホルモンの影響が強く、摂食障害の症状が出る部分のケアに携わっているので、早期発見・早期介入の手助けになりうる立場だと思っています」。今後はスタッフがもっと摂食障害に関する知識を身につけ、正しいアドバイスの方法なども学び、脱毛(美容)面だけでなく、利用者の健康面もサポートしていきたいとした。○雑誌と実物の「1割強の差」が物語るやせ志向ライター・三浦さんは、ファッション業界について言及。米国を本拠地とする世界的ファッション誌「Vogue」が2012年、ファッション業界の「やせ=美しい」という偏った美意識が摂食障害に陥るモデルの増加などにつながっているとの考えから、「やせすぎのモデルは使わない」方針を発表したことは国内でも大々的に報道された。その一方で、日本のファッション業界はまだまだ「やせ志向」が根強く、掲載されている女性芸能人の写真のほとんどは、デジタル加工によってより細く修正されている現状を三浦さんは危惧している。「女性誌の編集部は、タレントさんの所属事務所に掲載予定写真をチェックしてもらうのですが、ほとんどの場合、事務所側から『もっとウエストラインを細くしてほしい』とか『おなかを平らにしてほしい』とかあれこれ注文が入ります。編集部もノーとは言えない立場なので、よほど極端な修正でない限り、指示通り修正せざるをえないのが現状です」。雑誌やポスターなどでみかけるタレントの写真と実際の体型は「1割強」ほどの違いがあるという。また、特に女性誌やファッション関係者の間では、あいさつ代わりに「やせたね~」といった体型に関する話題を口にする傾向もあるため、そういった風潮も改めないといけないと語った。○学校教育の一環として摂食障害を学ぶイギリス精神科医の西園マーハ文医師は、摂食障害先進国・イギリスの取り組みを紹介。イギリスでは、英国摂食障害協会「Beat」が10代の若者向けに製作した摂食障害についてのDVDを小中学校が授業中に上映。学校教育の中で、啓発や予防活動が普及している。「育ちざかりの少女たちがファッション誌のモデルと自分自身の見た目を比較して、自己肯定感や自己評価を得られず悲しんだり、無理なダイエットを実践したりするのを防ぐために、女性誌の写真は大勢のプロによる最新技術が結集してつくられた非現実であること、現実のモデルの容姿は写真とはまったく異なることを、撮影現場の写真などを掲載した教材を使って説明するなど、メディアリテラシーが学校教育のなかで実践されています。こうした取り組みが今後、日本の学校教育においても実践されるようになってほしいですね」。同協会は会の最後に、当事者と治療者をはじめ、摂食障害に関わるあらゆる人々や組織がつながり、それぞれの力を結集させてこの障害に立ち向かってゆくため、今後も全力を尽くしていくことを宣言した。
2016年06月15日『アナと雪の女王』のアナ役でおなじみの女優のクリステン・ベルは、うつ病により自身のことを「価値がない存在」だと思っていたことがあったそうだ。2人の子供の母親でもあるクリステンは、自身の体験についてモット誌に寄稿しており、「うつ病は私に完全な孤独感をもたらしました。全てを消耗させ、私の精神回路をストップさせました。自分のことを、何も与えることのできない、失敗した人というような、価値のないものに感じました」と当時の心境を告白。「助けを求めた後は、そういう考えがもちろん完全な間違いだったということがわかります」と続けた。そして、このことを公にすることによって、同じような状況の人たちの助けになればと願っているという。「このことを包み隠さず言うことは私にとって大切なことです。こうすることで、同じような状況にいる人たちが価値がないものではなく、何かを与えられる存在なんだと気づくことができるからです。みんなそんな存在なんです」と語った。さらに、「全てを隠そうとすると、正直に対応しようとしたときよりも、もっと苦しみ、結局かなり破壊的なかたちで自分たちをあらわにすることになります。最初の15年のキャリアの中で精神的な問題を公にしませんでした。ですが、今はもうタブーにしてしまうことがあるなんて信じないというところにいます。私はここで、私が体験したことについて話しています」とつづっている。クリステンはまた、うつ病と向き合うために母親の言葉が助けになったと説明。「18歳の時、母が私のところに来て、『黒い雲が追ってきているような気分になることがあったら、助けを受けることができるわ。私、セラピスト、医者に話すことができる。そういう選択があるってことを知ってほしいの』と伝えてくれました」「母に本当に感謝してます。大学のときにそのときがきたのですから。ネガティブな状態や永久的に影にいるような感覚におかされていました。いつもは、元気がよくて、ポジティブな私ですが、急に自分が自分でないようにかんじたのです」と明かした。(C)BANG Media International
2016年06月06日【ママからのご相談】息子が中学生のころからうつ病なのですが、来年大学を卒業するにあたり、まだ内定がおりていないようです。このままではパートかアルバイトになりそうですが、うつ病でも障害年金がもらえると聞きました。中学生からのうつ病でももらえるものなのでしょうか?●A. 症状がひどければもらうことができます。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。ご子息様がうつ病とのこと、ご心情を察すると大変心配です。さてご相談の件ですが、結論から申し上げますと、重度のうつ病であればもらうことが可能 です。ただ、相談者様のご子息様は中学生からうつ病を患っているとのことなので、障害年金がもらえる期間は、20歳の誕生日前日以降 からとなりますので、気を付けてください。●申請はどのようにすればいいの?まずは、今現在通っている病院の主治医に、障害年金の診断書を書いてもらってください。その後、相談者様のご子息様はまだ働いてらっしゃらないので、国民年金 になります。国民年金の場合、手続きはお住まいの市区町村の役場になりますので、医師から診断書を書いてもらったら、役場で手続きをしてください。相談者様の場合、ご子息様の年齢は恐らく22歳以上だと思われますので、障害認定日からの申請になると思われます。この場合、20歳の誕生日前日分からの年金をもらうことができます。ただ気を付けておきたいのは、受給資格があるかないかです。●障害年金の受給資格について受給資格は以下の条件を満たしておく必要があります。・初診日の前日に、初診日の属する月の前々月までに被保険者期間が2/3以上 あること・初診日の属する月の前々月からさかのぼって1年間全く滞納がない こと(平成28年4月1日までの特例措置)障害年金の受給資格は、相談者様のご子息様は上記を見る限り満たしていると思われますので、恐らく大丈夫だと考えられます。ただ、実際にもらえるかは市区町村の委員会での審査次第なので、病院の主治医に障害年金が通るほどの症状なのか、確認しておくことをおすすめします。障害年金をもらいながらでも、回復に向けて治療していけば、道は開けてくるものです。相談者様のご子息様が一日も早く寛解することを祈っています。【参考リンク】・障害年金 | 日本年金機構()●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年03月06日【女性からのご相談】私は高校生です。最近母がうつ病になってしまい心配なのですが、うつ病が遺伝するのか心配です。私も母みたいにうつ病になってしまうのでしょうか?●A. うつ病が遺伝することはありませんので安心してください。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。お母様がうつ病とのこと、さぞかし心配ですね。ご相談のうつ病が遺伝しないか心配とのことですが、うつ病は遺伝することはありませんので、まずはご安心ください。これは多くの精神科医が認める事実です。●うつ病が遺伝することはないが、うつ病になりやすい家庭環境に要注意うつ病が遺伝しないことを案内しましたが、むしろ、うつ病になる原因は、本人の気質と家庭、仕事環境などのミスマッチ にあることが多いと言われています。相談者様のお母様がうつ病とのことですが、高齢になってからのうつ病は珍しくありません。逆に子育てが一段落したお母様だからこそ、今までのストレスの反動でうつ病になった可能性があります。まずは主治医の指示に従って、お母様を相談者様が支えてあげることが大事と言えます。相談者様は恐らく健康であると思われますので、うつ病に関する正しい知識をお母様の主治医から聞いて、その通りにお母様に接すればよいでしょう。うつ病は遺伝しませんが、うつ病のお母様との接し方を間違えると、それがストレスになり、家族もうつ病になってしまう 可能性もありますので、主治医の指示に十分に従うことが重要と言えます。例えば、フィンランドでは家族や友達同士の会話によるコミュニケーションを重視したうつ病の治療法を実践しているそうです。うつ病になってしまったお母様のためにも、家族で正しいうつ病の知識を身に付け、今まで頑張ってきたお母様を家族の会話で支えてあげることが肝要と言えるかもしれません。----------うつ病は悪化することもありますが、寛解することも多い病気です。お父様と一緒に家族でお母様を支えて、暖かい家庭でうつ病を克服してもらいましょう。【参考リンク】・諸外国の精神保健医療福祉の動向 | 厚生労働省(PDF)()●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年03月05日【女性からのご相談】実は、主人がうつ病になってしまいました。「優しい主人がうつ病になるなんて……」と驚いています。そこで相談なのですが、夫とどのように接すればいいのかわかりません。教えてください。●A. うつ病だということを意識せず、うつ病前と同じように接してください。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。ご主人様がうつ病とのこと、相当心配されていることと思います。以下では、うつ病のご主人様にどのように接すればいいのか、詳しく解説していきますね。●うつ病の夫と接するコツ3つ(1)うつ病で悩んでいるご主人様に、何気ない世間話をしてあげる(2)食事と休息はいつも以上に気を付けてあげてください(3)「頑張って」「調子はどう?」といった言葉は避けてあげてください大体この3点に注意すれば大丈夫です。これは多くの精神科医も同じ認識のようです。とにかく、今まで以上に優しく、焦らずに接してあげることが大事です。うつ病になる方全般に言えることなのですが、うつ病の人は基本真面目な人が多いです 。「頑張って」「調子はどう?」という言葉は本人の真面目な性格を過度に刺激し、「早くうつ病を治さないと」と心を焦らせてしまい、逆に症状が悪化することがほとんどです。●「そのままのあなたでいいのよ」といったニュアンスで接することがうつ病克服への道とにかく、うつ病になるとやる気がなくなったり、普段できていたことができなくなってしまいます。早く治したいのは本人が一番わかっていますので、ご主人様を支える奥様としては、ご主人様のその気持ちを尊重しつつ、焦らせないように接するようにしましょう。うつ病の人は一にも二にも、休養が大切です 。ご主人様が何も余計なことを考えず、ゆっくり休養できる環境を作るよう、食事や会話で支えてあげることがポイントです。うつ病は一生治らない人もいれば、早い段階で寛解する人もいます。ご主人様がどちらになるかはそれを支える家族次第ですので、長い目でご主人様に接してあげてくださいね。●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年03月01日【ママからご相談】主人が小学校の先生をやっているのですが、同僚が「最近うつ病で休職される方が増えている」と言っていました。うちの主人は大丈夫なのか心配です。どうして小学校の先生はうつ病になる人が多いのでしょうか?●A. 児童と学校、親との板挟みでストレスがたまる人が多いからと思われます。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。相談者様のご主人が小学校の先生とのこと、一家の大黒柱がうつ病で倒れたら心配ですよね。そこでまずは、なぜ小学校の先生にうつ病が多いのか、教員免許を持っている方にたずねてみました。●教員免許を持っている方が語る、小学校の現場の真相『私が一番小学校の先生でストレスに感じたのは、同僚の先生と親との関係性ですね』『特に先輩の先生からのパワハラがひどく、うつ病になり、教師の道を諦めてしまいました 』『私の短い体験で語ることは少ないのですが、とにかく学校という社会はムラ社会の縦社会で、順応できない人はストレスがたまると思います』なるほど、学校の内部自体がまだパワハラにあふれているんですね。そのような環境で児童や親に気を遣っていれば、ストレスがたまるのもうなずけます。●ではどうすればいいのか?小学校の先生の場合、ストレスがたまりやすい傾向にあるので、本音で話し合える友人や家族を大切にする と、うつ病を予防できると思われます。親しい間柄同士のコミュニケーションは、どの精神科医もうつ病を予防する第一歩という認識だそうです。幸い、相談者様のご主人様は、家族とコミュニケーションを取られているようなので、これからもコミュニケーションを続けていくと恐らく大丈夫だと思われます。とにかく、小学校の先生はストレスがたまりやすいので、ご主人様に趣味がある場合、その趣味を尊重してあげることが大事です。飲みに行ったり、遊びに行ったりできる友人がご主人様にいる場合は、適度に息抜きをさせてあげる のもよいでしょう。小学校の先生は昔と違い、教育の自由度も制限され、パワハラやモンスターペアレントなどで苦しんでいる方も多いと聞いています。ただ、小学校の先生は大切な仕事なので、相談者様もぜひご主人様を今まで通り支えてあげてくださいね。【参考リンク】・うつ病 | 厚生労働省()●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年02月29日【女性からのご相談】実は私は中学生からうつ病を患い、結婚後に障害年金の申請もしたのですが、最近拒食症に悩んでいます。何を食べてもすぐ吐いてしまい、体重も30kg以下になってしまいました。主人にも迷惑をかけているのでなんとかしたいのですが、どうすればよいでしょうか?●A. 主治医の診断に従ってください。こんにちは。メンタルフリーライターの木田あゆみです。拒食症、つらいですよね。私の友人も拒食症で悩んでおります。そのときの体験談と医師の話を紹介しますので、ご参考になさってください。●重度の拒食症は入院治療がベスト拒食症は、精神疾病の中でも重度なものになります。カウンセリングや投薬治療で治らない場合、ほとんどの医師が入院治療 を勧めています。ただ、入院にあたり、いくつか日常生活の制限があります。1.携帯電話の利用禁止2.個室テレビの視聴禁止3.お見舞いは身内だけ許可4.短くても半年から1年以上の入院加療が必要と、このようになっています。入院加療になると、恐らくご主人様とご両親以外の身内、あとは入院している方以外とのコミュニケーションはできなくなってしまいます。●入院せずに拒食症を治すには?前述の通り、拒食症は重度になると入院しかないのです。もし、軽めの拒食症であれば、水だけでも飲むようにする、ゼリー状の食品・おかゆなどを食べるようにするなどで改善される可能性があります。ですから、まずはこのような流動食から試してみるのがよいでしょう。また、拒食症で医師に相談する場合も、拒食症に詳しい医師とそうではない医師がいますので、今の主治医に拒食症に詳しい医師を紹介してもらうのも一つの方法です。拒食症になると、生理も止まり、子どもも作れなくなり、家事もできなくなるなど、身体面、精神面の影響がかなり大きいです。ただ、拒食症の原因はほとんどが精神面なので、カウンセリングを受けることで治ることも多いです。とにかく、拒食症は早めの診察、カウンセリングが重要 です。時間はかかるかもしれませんが、治らない病気ではないので、早めに専門医の受診を!●ライター/木田あゆみ(メンタルフリーライター)
2016年02月25日睡眠障害にはさまざまなものがあり、症状や治療法も複雑なので、素人が自己判断でどうにかできるものではありません。今回紹介するレム睡眠行動障害もそのひとつ。本文のような症状が現れたら、早めに病院へ行きましょう。レム睡眠行動障害ってどんな睡眠障害?睡眠障害のひとつに「レム睡眠行動障害」というものがあります。私たちは夜間、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を交互に繰り返していますが、この睡眠障害ではレム睡眠時に無意識のうちに体が動いたり、声をあげてしまうといった症状が現れます。通常、レム睡眠の最中は筋肉が緩んでいる状態なので、体を動かせないものと考えられていますが、レム睡眠行動障害の患者は悪夢などが原因で、大声で叫ぶ、手足をバタつかせてしまうなどの行動をとってしまいます。一般的に、高齢の男性に多くみられる睡眠障害で、薬物治療によって改善されることがほとんどだと言われています。周囲はどう対処すべきかレム睡眠行動障害の場合、当人は自分が睡眠中に声をあげたり、暴れているという自覚がないと言われています。そうなると、重要な役割を担うのは当人の周囲にいる人間です。もしも、あなたの家族や同居している人が寝ている最中に突然暴れはじめたら、どうしますか?推奨されている方法は、自然に目覚めるように誘導することだそう。たとえば、部屋の電気をつける、アラームを鳴らす、テレビをつけるなどで、朝目覚めるときと同じような環境をつくるとよいのだとか。強引にゆすって起こしたりすると、現実と夢の区別がつかず、より暴れてしまうことがあるそうなので、注意しましょう。早めに病院へ!レム睡眠行動障害は、加齢による脳内伝達物質の減少と不安定な心理状態が組み合わさったときに起こりやすいと言われています。高齢の方で強いストレスを感じていたり、トラウマを抱えていたり、生活習慣が乱れているときには注意が必要かもしれませんね。もしも、ご自身または周囲の方に上記のような症状が現れたら、早急に専門の病院を受診しましょう。先述した通り、レム睡眠行動障害の治療は薬物治療によるもので、今のところ生活習慣を見直すなどの行動療法では治らないと言われています。ただ、専門医の指導を受ければ、深刻になる病気ではないのだとか。気になる方は早めに病院へ行ってみましょう。photo by Didgeman
2015年12月13日毎年、花粉症に悩まされているみなさんに驚きの新事実です。最近の研究で、花粉症患者が極度のうつ病になる割合が、ふつうの人の4倍、自殺率は30%も高いということがわかったのです。辛くて嫌な花粉症が、うつ病や自殺のリスクにまで関係しているとは驚きです。「たかが花粉症……」と侮らずに、きちんと治療をしたほうがいいかもしれませんよ。■くしゃみも長期に渡れば精神病に発展する可能性が花粉に対するアレルギー反応は、体じゅうの血管や組織に炎症反応を引き起こします。これが長い期間続くと、脳にまで悪影響を及ぼすと考えられています。たとえば、よくある「炎症」のひとつである「くしゃみ」は。花粉のようなアレルギーの原因を、体が追い出そうとして起こるものです。たかがくしゃみ、と思われるかもしれませんが、このような低レベルの炎症でも、花粉症のように数ヶ月単位の長期間続く場合は、中年以降に深刻な精神病になる可能性が高まるというデータがあるのです。■花粉症患者はふつうの人の4倍も躁鬱病になりやすい台湾の国立陽明大学の科学者たちは、花粉症を患う約1万人のティーンエイジャーと、花粉症を発症していない約3万人のティーンエイジャーを比較しました。2つのグループを10年近く観察し、躁病期(興奮しすぎて集中力を欠き、不眠に陥っているような時期)を特徴とする躁鬱病と診断された人が何人いるかを記録したのです。「心身症研究誌」に掲載された結果によると、花粉症を患っている青年期の人々は、そうでない人の4倍も躁鬱病と診断されることが多いことがわかったのです。花粉の時期に気分が落ち込むのは、気のせいではなかったのかもしれません。■自殺のリスクもうつ病じゃない人より30%高くなるまた、2010年のデンマークの研究によると、花粉症患者は自殺率も高くなるのだとか。オーフス大学の研究者たちが、自殺した人たちの中で、アレルギー患者とアレルギーの無い人の割合を比べたところ、花粉症のようなアレルギーを持った人は、アレルギーの無い人より、30パーセントも自殺のリスクがあることがわかりました。花粉症の影響、侮れませんね。■長期の炎症による幸せホルモンの低下がうつ病に関連くしゃみや鼻水のような「炎症」が、なぜ精神病と結びつくのでしょうか。明確な答えはまだ出ていませんが、アレルギー反応が出ている間につくられる「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質が関係していると考えられています。サイトカインは、花粉のような外部からの侵入者を追い出す役割をしていますが、脳の中にある幸せホルモン、セロトニンのレベルを下げる可能性もあるというのです。花粉症のように炎症が長期にわたると、どんどんサイトカインが分泌され、セロトニンは減り続けてしまいます。このことが、アレルギーによってうつ状態が引き起こされる原因なのではないか、というのが、いまのところもっとも有力な説だといわれています。現在、研究者たちはイブプロフェンのような炎症を抑える薬が、うつ病の治療に役立つ可能性について調査中。抗うつ薬が効かなかったうつ病の患者たちに、抗炎症薬を投与することでセロトニンのレベルを上げ、病状を改善できるのではないかと考えているのです。つまり、アレルギー症状を抑えたら、うつ病が改善するかもしれないということ。イブプロフェン配合の薬は薬局でも購入できるので、花粉症で気が滅入ってしまう人は試してみてもよいかもしれません。*花粉症や慢性鼻炎で精神病になるなんて、これまでまったく考えられてこなかったことですね。たとえ精神病に結びつかなかったとしても、花粉症や鼻炎で幸せホルモンが減ってしまうことは大問題。「この時期だけだから……」と我慢せずにきちんと花粉症治療をして、快適に過ごせるようにしたいですね。(文/スケルトンワークス)【参考】※Could a runny nose make you depressed? Hay fever sufferers may be four times more likely to develop the mental illness-Daily Mail Online
2015年11月30日過去12か月でうつ病を経験した人の割合は1~8%、これまでにうつ病を経験した人の割合は3~16%といわれています。日本は意外にも、欧米にくらべてうつ病が少ない国。しかし近年は、患者数が増加傾向にあります。一方、正しくない情報もたくさんあふれています。ここでは「うつにまつわる12の嘘」を『EmpowHER』より紹介します。誤った情報に惑わされずに、正しい知識を身につけましょう。■1:うつ病は正確には病気じゃないうつ病は、脳の働きになんらかの問題が生じている状態です。脳内の神経伝達物質が減って引き起こされるといわれています。さまざまな原因によって、脳が正常な働きをしていない状態なわけです。■2:症状は精神的なものだけではないうつ病の症状は、気分の落ち込みなどの精神的なものだけではありません。不眠、疲労感、筋肉痛、関節痛、胸の痛みなど、肉体にも症状があらわれます。■3:うつ病は心が弱い人がなるうつ病は脳の働きに問題が生じることによって引き起こされます。生活環境やストレスなど、あらゆる要因によって発症します。心の弱さからうつ病になるのではありません。■4:うつ病は一度なったら治らないアメリカ精神保健研究所では、うつ病になった人のうち70%は治療を通して症状がまったくなくなったと発表しています。うつ病は治らない病気ではないのです。■5:一度うつ病と診断されたらそれは一生続く軽度から中度のうつ病と診断された人の多くは薬を飲むのをやめても、気分の落ち込みを感じることはなかったそうです。また、再発もしない人が多いということです。必ずしも一生つきあわなければいけない病気ではありません。■6:ちょっと落ち込んだ気持ち=うつ病単に気持ちが落ち込んでいる、悲しい気持ちになっている状態とうつ病は、まったく違うものです。うつ病の場合、気分の落ち込みが数週間から数年間ずっと続きます。気分転換すれば治る、というものではありません。■7:いちばんの治療法は抗うつ剤を使うことうつ病の治療としてまずイメージするのは抗うつ剤の投与。しかし、治療は薬だけによって行われるのではありません。もっとも効果的な治療法は、薬の投与とカウンセリング両方を行うことだという説もあります。■8:一生薬を飲み続けなければならない必ずしも一生薬を飲み続けなければいけないわけではありません。薬は必要なくなる人もたくさんいます。また、薬による治療よりも、カウンセリングなどの治療のほうが効果的だと感じる人も多いようです。■9:うつ病は危険ではない「うつ病は死ぬような病気ではない」という認識は誤りです。アメリカの自殺者の3分の2はうつ病が直接の原因だと考えられています。「死にたい」という気持ちになる、これもうつ病の症状のひとつです。■10:うつ病は遺伝する遺伝はまったく関係ないわけではありませんが、「これがあるとうつ病になる」という特定の遺伝子は発見されていません。うつ病の人のうち、家族にもうつ病の人がいる割合は10~15%ほどと言われています。■11:うつ病になるのは女性だけたしかに女性のほうが男性よりもうつ病と診断されている人の数は多いです。しかし、実際にうつ病の男性はもっと多いと考えられています。女性よりも男性のほうが自分の弱みを見せたがらないため、診断を受けにくいことが原因だと言われています。■12:若者はうつ病にならないむしろ若年者に多い病気です。現代では若者の11人に1人はうつ病の症状があると言われています。ひとくちに「うつ病」と言っても、実際には様々なタイプがあります。一概にこうといえることは少ない病気なので、誤った情報に踊らされないように気をつけましょう。(文/スケルトンワークス)【参考】※12 Common Myths Surrounding Depression-EmpowHER※みんなのメンタルヘルス-厚生労働省
2015年11月15日京都大学(京大)は11月10日、重度の先天的障害のある野生チンパンジーを観察し、母親が過去の子育てとは異なる方法で障害児のケアを行っていた点、他個体が障害児に対して恐れや攻撃といった特異な反応を示さなかった点などを明らかにしたと発表した。同成果は、同大学理学研究科博士後期課程 日本学術振興会特別研究員の松本卓也氏、野生動物研究センター 中村美知夫 准教授、伊藤詞子 研究員、鎌倉女子大学学術研究所 井上紗奈 研究員らの研究グループによるもので、近日中に国際学術誌「Primates」にてオンライン公開される予定。今回の研究では、タンザニアのマハレ山塊国立公園に生息するチンパンジー集団において、2011年に重度の障害のある赤ん坊が生まれたことを発見し、その後赤ん坊が消失するまでの約2年間の行動を記録した。この結果、今回観察された障害児の特徴が、過去に報告されたダウン症様の個体の症例に酷似していることがわかった。野生下でダウン症様の赤ん坊が発見され、2年近く生き残った事例が報告されるのは今回が初めてだという。また、他個体からのケアとして、他個体がその赤ん坊に対して恐れや攻撃といった特異な反応を示さなかったこと、母親が腹に掴まった赤ん坊に片手を添えつつ移動するなど、過去の子育てとは異なる方法で障害児を育てていたこと、障害児の姉が母親の代わりによく世話をしており、その姉が自身の子を出産した約1カ月後に障害児が消失したことがわかった。重度の障害のある赤ん坊が野生下で2年近く生き残ることができた要因として、母親による柔軟な子育てや姉の世話といった他個体からのケアが影響を与えていた可能性がある。中村准教授は同成果について「マハレでのチンパンジー研究は今年で50年になりますが、障害のある赤ん坊が観察されたのは今回が初めてです。障害者などの弱者をケアできる人類社会の進化基盤を考察する上でも重要な観察事例だと考えています」とコメントしている。
2015年11月11日睡眠時無呼吸症候群を調べる方法に「睡眠ポリグラフ検査」というものがあります。日本睡眠学会は睡眠ポリグラフ検査を行うことの重要性を説く声明を発表しました。なぜ、そのような声明を発表する必要があったのでしょうか? その真相に迫ります。睡眠障害の評価方法日本睡眠学会は今年5月に「睡眠ポリグラフ検査の重要性について」という声明を発表しました。睡眠ポリグラフ検査とは、脳波や心電図、呼吸運動などを夜間の睡眠中に計測して、睡眠を評価するというもの。睡眠ポリグラフ検査を行うことで、睡眠時無呼吸症候群や睡眠行動障害、周期性四肢運動障害などの睡眠障害、睡眠中の不整脈などを調べることができると言われています。そして、もう少し簡単に睡眠を評価する方法としてOCST(out-of-center sleep testing)というものがあります。ですが、日本睡学会はOCSTでは睡眠の評価が十分にできないと述べています。それはなぜなのでしょうか?OCSTとは?日本睡眠学会によると、OCSTは脳波計測の機能がないため、睡眠を評価する装置ではなく、呼吸に伴ういくつかの指標を記録する「携帯型呼吸モニター」に過ぎないそうです。ところが、アメリカ睡眠医学会は睡眠障害国際分類(International Classification of Sleep Disorders 3rd version:IICSD-3)のなかで「睡眠時無呼吸症候群の診断にOCSTの使用を認める」と公表したと言われています。日本睡眠学会は、このIICSD-3の内容を受けて、日本の医療界が睡眠ポリグラフ検査よりも簡単に行えるOCSTを頻繁に取り入れる可能性が高まることに対して警鐘を鳴らしているというわけです。社会の安全を守ることに繋がるOCSTでは、呼吸の指標を中心に検査するため、睡眠時無呼吸症候群の病態の半分程度しか評価できないと日本睡眠学会は考えています。しかし、睡眠時無呼吸症候群を正しく評価するためには、呼吸だけでなく、脳波を計測し、覚醒反応や睡眠の質と量を調べることが欠かせないのだそう。発表された声明によると、睡眠時無呼吸症候群を正しく評価することは「社会の安全を守ること」にもつながるとされています。というのは、睡眠時無呼吸症候群の患者は深い睡眠を得られないため、日中に眠気を覚えることが多く、交通事故などを起こす確率が増えると言われているからです。検査方法は医療界だけのことではなく、私たちに深く関係した社会問題として捉えるべきかもしれませんね。photo by pixabay
2015年09月21日朝は気持ちよくスッキリと目覚めたいものですが、悪夢を見てうなされてしまい、嫌な気持ちで朝を迎える日もありますよね。そんな日がたまにあるだけならよいのですが、頻繁に起こる場合は病気の可能性もあるそうです。不眠が悪夢の原因?悪夢にうなされた経験は誰でも一度はあるのではないでしょうか。なかには、頻繁に悪夢を見て悩んでいるという方もいるかもしれません。フィンランドの研究者が今年4月に発表した研究結果によると、不眠や極度の疲労、うつなどが悪夢の要因になる可能性があるのだそうです。約1万4000人を対象にした調査では重度のうつ病患者の約28%、慢性的な不眠に悩んでいる人の約17%の人が、「頻繁に悪夢を見る」と回答しているそうで、研究者は、「悪夢はうつ病の早期発見に繋がる指標となる可能性がある」と述べています。夢のほとんどは悪夢!?日本人のある医師は「夢というのは悪夢が基本。それは寝ている間に危険を察知したり、身を守るためのリハーサルを行っているようなものだから。悪夢を見ても気にする必要はない」と述べています。ただ、上記の研究結果と同様に、それが頻繁に続くことで日常生活に支障をきたすようであれば、病気の可能性を疑う必要があるそうです。悪夢を頻繁に見て、日中は憂鬱な状態が続くようであれば、精神科や心療内科を受診したほうがよいと言われています。さらに、食欲不振や自殺を考えるような場合は、うつ病の可能性が高いとされています。もしかしたら睡眠障害かも!悪夢を見ているときに、暴れまわったり、叫んだりといった行動が頻繁に現れる場合は「レム睡眠行動障害」の可能性も考えられるそうです。これは60歳以上の男性に多く見られ、500人に1人ぐらいの割合で発症すると言われる睡眠障害です。暴れまわる本人は、悪夢のなかの行動と全く同じ行動を寝ながらとっているそうです。そして、寝言にも注意が必要で、ただ単語を発するようなものなら問題はないようですが、ストーリー性のある寝言を話すような場合もレム睡眠行動障害の可能性があると言われています。睡眠中に手足を動かすことで、まわりのものを倒してしまったり、起き上がって転倒するなどの事故の危険性もあるため、症状が見られた場合は早めにお医者さんに相談したほうよいそうです。photo by greg westfall
2015年06月26日子どもは悩みごともストレスもなく、スヤスヤ眠るもの……というのは大人の思い込みかもしれません。なぜなら子どもだって睡眠障害になる可能性があるからです。さらに、幼児期の睡眠状態がその後の行動にも影響を及ぼすことが研究で明らかになりました。1歳半のときの睡眠状態ノルウェーの研究者の報告によると、1歳半のときの睡眠時間と夜間覚醒のトラブルが、5歳になったときの行動に影響するということが明らかになったそうです。これまでも成長期の子どもの睡眠障害は、健康に害をもたらすものと考えられていましたが、実際にどのような関係があるのかを調べた研究はほとんどありませんでした。今回研究では、3万人以上の子どもと妊婦を対象に、睡眠時間と夜間覚醒の有無、さらにチェックリストを使って問題行動がないのかを調べ、調査が行われました。睡眠不足の子どもたち調査の結果、1歳半の時点で1.7%の500人強の子どもが1日の睡眠時間は10時間以内という睡眠不足状態であり、1,000人強が一晩で3回以上の覚醒がある(夜間覚醒)ということがわかりました。また、1歳半の時点で睡眠不足の状態で、夜間覚醒が頻繁な子どもは、5歳になったときに情動面や行動面での問題を抱えていることが多いということも判明しました。この調査を行った研究者は、幼児の頃から睡眠障害を治療し、早期発見・早期改善をすることが重要だと言い、これからもっと研究を進めていく必要があると話しているそうです。子どもも睡眠障害になるの!?日本でも子どもの生活が大人と同じように夜型化して、子どもたちが睡眠不足の状態に陥いりがちだと言われています。子どもが睡眠不足になると、成長が遅れる可能性があるだけでなく、イライラしたり、多動になったりする可能性があると考えられています。また、肥満になる可能性も増えるそうです。子どもは、自分の睡眠時間が正しいのかどうかを判断する基準を持ち合わせていません。そのため、学校や社会が教育・啓発活動を行う必要があると厚生労働省は説いています。子どもは睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害になることもあるので、まわりが協力して、子どもの成長を見守ってあげたいところです。photo by pixabay
2015年06月13日大阪市立大学の研究グループが、睡眠障害と糖尿病の関係性に関する新たな事実を発表しました。それによると、不眠の治療が心筋梗塞や脳梗塞の予防につながるかもしれません。この研究は、米オンライン科学誌プロスワンに発表されたもの。その研究内容についてご紹介します。睡眠障害と糖尿病今年4月に大阪市立大学医学研究科のグループは、「糖尿病によって血糖値をコントロールできなくなると、睡眠障害が起こることを脳波計による実験で立証した」と発表しました。以前から、睡眠障害を患っている人は糖尿病を抱えていたり、将来的に高確率で糖尿病を発症するということはわかっていたそうです。糖尿病患者には、健常者に比べて約2倍の不眠が見られると言われています。これは肥満による睡眠時無呼吸症候群を除いた数字で、これまでいろいろな原因が指摘されてきました。過去の研究では、睡眠障害と糖尿病の関連が示唆されていたものの、糖尿病による血糖コントロールと睡眠障害の直接の関与は明らかにされていませんでした。血糖コントロールとは?大阪市立大学の研究グループが、糖尿病の血糖コントロール指標のHbA1cが睡眠第1相の時間、および深睡眠である徐波睡眠の時間と関連があるかどうかを調べたそうです。この研究は、63人の糖尿病患者に脳波計をつけて、睡眠の質を測定し、血糖コントロール指標との関連を調べるというもの。その結果、血糖コントロール増悪により深睡眠の徐波睡眠相が減少すること、および深睡眠指標であるレム睡眠潜時の短縮をもたらすことが明らかになりました。この研究によって、深睡眠の障害(時間短縮)は動脈硬化の進展につながる可能性がある、ということが示唆されました。糖尿病の重要な治療方法になる可能性がある!睡眠障害の治療によって交感神経系疾患の改善がもたらされることや、それに伴い、血糖の改善が期待できるという結果も得られたそうです。ただ、今回の研究では、血糖コントロールについてのみの少数の症例による結果しか得られていないそうなので、現在は血圧や血管障害指標の改善の有無についても検討しているそうです。今後、研究が進展していき、睡眠障害の治療によって血糖コントロールの改善、高血圧の改善、血管障害の緩和を期待できる結果が得られた場合、睡眠障害治療が糖尿病の重要な治療方法になる可能性があると言われています。この研究が睡眠障害の治療目的を新たに位置づけるうえで、重要な研究になるかもしれないそうですよ。photo by Nuclear Refulatory Comm
2015年06月12日恋人や配偶者など大切な人が、もしかしたらうつ病かもしれない――。そう感じたときはどうすればいいのだろうか。「ゆうメンタルクリニック」総院長で、精神科医・心理研究家のゆうきゆうさんに聞いた。* * * * *もしも「あなたのパートナーがうつ病かもしれない」と感じたら、まずはよく相手の話を聞いてあげてください。相手の状態を知る意味でも、相手の受け口になるという意味でも、「聞く」ということはとても大切です。○焦って何とかしようとすることが彼の負担にも自分にとて大切な存在が「うつかもしれない」と感じた時、多くの人は動揺します。そして、なんとか解決しようと評判のいい病院を勧めたり、民間療法などでも良いと言われることを実践したりしようとします。それらは決して悪いことではないのですが、残念なことにうつになった本人の状態や気持ちを置き去りにしてしまっていることが多いようです。どうしてそういったことが起きるのでしょう? それは「相手の状態を異常だ」と感じ、そのことに不安や恐怖を感じ、動揺して「なんとか元に戻そう」としてしまうからです。解決策を探そうとすることはとてもいいことですし、心の動揺も人として自然なことです。しかし自分に余裕がないため、相手の状態をよく見ずに動揺した自分の気持ちだけで行動してしまいがちです。そんな風に周囲が焦って何とかしようとするほど、「うつになった自分が悪い」「申し訳ない」と負担をかけてしまうことがとても多いものです。また、うつの方がふさぎ込んでしまう原因のひとつに、「理解してもらえない」「受け入れてもらえない」と感じてしまうことがあります。自分自身でもうつの状態を受け入れられないのですが、周囲からも受け入れてもらえないと感じることで身の置き場が無くなってしまい、さらに心理的な負担が増してしまうことが多くあります。○まずは彼の話をよく聞いてだから、まずは相手の話を聞いてください。相手が話し始めるまで待って、相手が本当に話し終わるまで、ただ聞いてあげてください。自分の状態の受け入れ先があるだけで、人はずいぶんホッとするものなんですよ。だからまずは、「ただ、聞く」ということを実践してみてほしいのです。否定せず、さえぎらず、途中で切り上げたりもしません。そこで原因を探そうとするのではなく、相手の言葉や表情・そこから読み取れる感情を受け止めてあげてください。パートナーであるあなたもショックかもしれませんが、相手だって自分の状態に戸惑っているはずですし、つらい気持ちを感じているはずです。そこになるべく同化せず、相手に関心を持って気持ちを受け止める練習をしていってみてください。また、治療は長期化することがありますから、支える側の焦りは禁物です。「励ましてはいけない」というのはよく知られるようになりましたが、これは相手に焦りを感じさせたり、「もっと頑張らなければ」と思わせてしまったりするためです。しばらくは見守るつもりで「少しずつよくなってるよ」「人間は気分にムラがあって当たり前なんだから、そんなに重く受け止めないようにしよう」など、前向きな言葉をかけていけるといいですね。もし支えている自分も「危ないな」と感じたら、迷わず受診しましょう。共倒れにならないよう自分自身をこれまで以上にいたわることも、とても大切なことですよ。<著者プロフィール<ゆうきゆう精神科医・心理研究家。東京大学医学部卒業。『相手の心を絶対に離さない心理術』など心理学に関する著書は50冊にのぼる。総計300万部の人気漫画シリーズ『マンガで分かる心療内科』の最新刊13巻も発売中。ゆうメンタルクリニック総院長。ゆうメンタルクリニックは、心安らげるクリニックとして評判が高い。 上野院(上野駅0分) 池袋東口院(池袋駅東口1分) 池袋西口院(池袋駅西口0分) 新宿院(新宿駅0分) 渋谷院(渋谷駅0分) 秋葉原院(秋葉原駅0分)※写真と本文は関係ありません
2015年06月05日ルンドベック・ジャパンはこのほど、「職場でのうつ病の影響調査」の結果を発表した。同調査は2014年2月、ルンドベック社が世界16カ国(日本・英国・オーストラリア・南アフリカ・トルコ・米国・スペイン・カナダ・フランス・デンマーク・ドイツ・ブラジル・メキシコ・イタリア・韓国・中国)にて、オンラインパネルを使用して実施したもの。各国、過去12カ月において従業員もしくは管理職であった16~64歳の成人・約1万6,000人(16カ国合計)を対象としている。まず「うつ病の影響」について調査を実施。日本を含む16カ国において「うつ病と診断されたことがある人の割合」を調査したところ、「英国」が27%で最多となった。2位以下には「オーストラリア」「南アフリカ」(同率26%)、「トルコ」「米国」(同率23%)があがっている。日本は14位と他国に比べて低いものの、10人に1人がうつ病経験者ということが判明。16カ国中14カ国は10%を超えており、うつ病は国際的な問題であることがうかがえる。アジアでは、韓国が15位で7%、中国は16位で6%となっている。次に、日本のうつ病経験者に対して「うつ病が原因で仕事を休んだことがあるか」を聞くと、73%が「仕事を休んだことがある」と回答。また、休職した場合の平均休職期間は79日という結果となった。続いて、日本のうつ病経験者を対象に「うつ病に関する認識」について調査を行った。まず「うつ病になっていた時、仕事中に通常よりも頻繁に起こした行動」を尋ねると、「単純な仕事を完了するのにいつもより時間がかかる」(43%)、「いつもよりミスが多くなる」(37%)が上位にあがった。このことから、自分のパフォーマンスが低下していることを実感している人が多いことがわかる。「一般的にうつ病に関すると考えられる特徴や症状」については、「気分の落ち込み、悲しい気持ち(もの悲しさ)」と回答した人が73%で最多。次いで「睡眠障害、不眠症」(55%)、「日々の活動に対する関心の喪失」(53%)、「集中力の低下」(38%)、「理由もなく泣きだす」(37%)があがった。一方で「物事を決められない」(17%)、「忘れっぽい」(8%)といった症状をあげた人は少ない傾向にある。そこで「実際にうつ病になった時、どのような経験をしたか」を聞いたところ、「気分の落ち込み、悲しい気持ち(もの悲しさ)」(88%)、「睡眠障害、不眠症」(75%)、「日々の活動に対する関心の喪失」(73%)が上位を占めた。以降、「集中力の低下」(52%)、「体重や食欲の変化」(46%)、「物事を決められない」(36%)と続き、気分や身体的症状などさまざまな症状を経験していることがわかる。最後に「うつ病への対応」について調査。16カ国において「同僚がうつ病だと知った時にした行動」を聞いたところ、「自分に何か役に立てることはないかと尋ねた」人は、日本では16%にとどまり、16カ国中最下位となった。逆に「何もしなかった」人の割合は日本が最多となり、40%にのぼっている。一方でメキシコでは、「何もしなかった」人はわずか4%なのに対し、「自分に何か役に立てることはないかと尋ねた」人は67%と積極的に対応していることがわかった。また、各国の管理職に 「うつ病の社員に対して会社が行っている(行った)サポートを、全体的にどのように評価しているか」を質問。その結果、日本では「非常に良い / かなり良い」と回答した管理職は21%にとどまり、16カ国の中で最も満足度が低い結果となった。
2015年03月09日ルンドベック・ジャパンは26日、「職場でのうつ病の影響調査」の結果を発表した。調査期間は2014年2月、対象は日本を含む世界16カ国、約1万6,000人。○「うつ病」による休職日数は79日1,000人に対し、「医師または医療従事者により、うつ病と診断されたことはあるか」と質問したところ、「ある」という回答が最も多かった国は「イギリス」(27%)、次いで「オーストラリア」「南アフリカ」「トルコ」となった。最も少ない国は「中国」(6%)、「日本」は10%であった。うつ病と診断された成人100人に対し、「うつ病で仕事を休んだことがあるか」と尋ねたところ、73%が「ある」と回答。「仕事を休んだ日数」の平均は79日であった。○うつ病になるとどのような行動が起きるかうつ病と診断され、仕事を継続した成人56人に対し、「前回うつ病になっていたとき、仕事中に通常よりも頻繁に起こした行動」を質問。「単純な仕事を完了するのにいつもより時間がかかる」(43%)、「いつもよりミスが多くなる」(37%)、「同僚を避ける」(36%)などが寄せられた。「前回うつ病になっていたときに経験した症状」では、「気分の落ち込み、悲しい気持ち(もの悲しさ)」(88%)、「睡眠障害、不眠症」(75%)、「日々の活動に対する関心の喪失」(73%)、「集中力低下」(52%)が上位になった。「従業員がうつ病になっていると知ったときの対応」について、「自分が何か役に立てることはないかと尋ねた」という回答が最も多かったのは「メキシコ」(67%)。次いで「オーストラリア」(57%)、「南アフリカ」(56%)となった。一方「日本」で同様の回答をした人は16%にとどまった。うつ病の同僚への対応について、「日本」では「何もしない」が40%と16カ国中最多。2位の「アメリカ」「カナダ」(共に20%)の2倍であった。
2015年03月01日年間約2.6万人の自殺者を出す国・日本。年々減少にあるとはいえ※、他国と比べても自殺の原因のひとつにうつ病が挙げられますが、メンタルや生命をも脅かすリスクは常に身近に潜んでいます。そうした医療の課題をテーマにあらゆる立場の人間が集まり、従来の医療の枠に捉われないサービスで解決策を創り出すイベント「ヘルスケアハッカソン」が2月7、8日の2日間にわたり、都内某所にて行われました。本イベントを主催する古川由己氏は医学部生。スタッフも医師や薬剤師、システムエンジニア等で構成されており、既存のハッカソンと比べ珍しい部類に入ります。参加者も経営者から高校1年生までと多岐にわたりました。○職場のストレスがうつになるまで—うつ発症予防の課題1日目は課題の共有とチーム作りのほか、産業医・精神科医の鈴木瞬氏が登壇。「これからの職域メンタルヘルス~ソーシャル・モデルの可能性~」と題し、「職場のストレスがうつになるまで—うつ発症予防の課題」と「回復から復職に向けて—リハビリテーションの課題」の大きく2点に分けて触れました。(独)労働政策研究・研修機構「職場におけるメンタルヘルス対策に関する調査(2011年)」によると、メンタルヘルス不調者が現れる原因(複数回答可)のベスト3は、1位:本人の性格の問題 67.7%、2位:職場の人間関係 58.4%、3位:仕事量・負荷の増加:38.2%と、不調をきたした個人の問題と捉えているケースが圧倒的に多いのが現状です。(調査対象:農・漁業を除く全国の従業員 10 人以上の民間事業所 14,000 ヶ所)企業は不調をきたした人の仕事量を減らすなどして様子を見たりしますが、それだけで必ずしもストレスが軽減されるわけではないといいます。例えば「うつ」になるにも、「職場」「職場以外」「個人のストレス対応能力や感受性などの個体要因」「周囲の関係性や仕事における達成感などの調和要因」「ストレス反応」と、要因はさまざま。その割合も人それぞれで、かけ算になるところもあれば、割り算になるところもあるそう。つまり、包括的に見ないと本当の要因は分からないことになりますが、職場が個人の深いところまで見るには限界があります。できることはないのでしょうか?上の図は鈴木氏の所属するグループが研究者・技術者・事務職別に筑波研究学園都市のストレスフルを調査したものです。仕事の難易度や仕事量は事務職より研究者の負担が多く、ストレス過多なイメージがありますが、一番体調を崩していたのは事務職という結果になりました。研究者はストレス過多である反面、裁量権や達成感も多いのも事実。一方、事務職は決められた業務内容が多く、裁量権は研究者に比べたら低いと言わざるを得ません。「自分で仕事をコントロールしているという想いが3倍健康に影響を与える」という相関関係も明らかになっており、単に仕事を減らしたり、休んだり睡眠を多めにとったりするよう促すだけでなく、マネジメントの面からのアプローチも大切だと説きました。○回復から復職に向けて—リハビリテーションの課題では、職場にうつでお休みをとっている人がいたとして、当事者と企業はどう対応したらいいのでしょうか。職場復帰をするには「コミュニケーション力」「身体機能」「ストレス対処力」「認知機能」の4つの要素を満たす必要があります。うつの患者が一様に発するのが「おっくう」。何をやっても楽しくないし、本を読んでいても頭に入らない。休んでから2~3ヶ月後に当事者と会うと元気そうに見えますが、この「おっくう」は半年から1年ほど続くため、リハビリテーションを行う必要があります。試合中に骨折したサッカー選手に例えるなら、この段階は骨が繋がった状態に過ぎません。ここからリハビリ・筋トレをし、練習やミニゲームを通じて実戦の感覚をつかみつつ、最終的にフル出場できるようになって初めて完全復帰といえます。職場も同様で、少し休んだだけで職場復帰してしまうと、会社が求める仕事量と職務遂行能力の隔たりを感じることになり、症状をさらに悪化させる危険を伴います。職場もそれを理解したうえで長い目でケアする必要があります。○取材してみてうつ病などの精神疾患は私たちとは縁遠いと考えがちな人もいるかもしれませんが、誰でも些細なことで発症しうる身近な病気です。しかし、うつ病について理解することで症状の軽減や予防にもつながると考えられます。自身の働き方や人間関係、ストレスとの付き合い方など深く考えさせられる内容でした。※出典:2015年内閣府自殺対策推進室「警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等」■ 記事提供:gooスマホ部3万件ものスマホやアプリ、タブレット等Q&Aをストック。あなたのお困りごとにスマホ部員が回答します!!
2015年02月20日更年期障害と聞いて、みなさんはどんなことを想像しますか?アラサーのみなさんにとっては、まだまだ遠い先のことと感じる人が多いでしょう。でも実は30代で更年期障害のような症状があらわれる、「若年性更年期障害」の人が増えていることをご存知でしょうか?すぐに疲れてしまう、イライラして寝つきが悪いなど、病気とは言えない体の不調を感じたことはありませんか?これらは更年期障害の症状のひとつ。アラサーのうちから気をつけたい、若年性更年期障害について紹介します。そもそも更年期障害って何?更年期障害とは、閉経をはさんだ前後10年の間に起こりやすい心身の不調のことです。女性が閉経する年齢は平均で50歳前後といわれているので、一般的には45~55歳くらいの期間を更年期と呼びます。この期間は閉経に向けて、女性の体が大きく変化する時期。卵巣機能が低下するために女性ホルモンの分泌が少なくなる一方で、脳からは女性ホルモンを出し続けるように指令が送られ、このアンバランスが様々な症状を引き起こすのだとか。代表的なのは次のような症状です。【体調面】・月経不順・頭痛やめまい・のぼせ・寝つきが悪くなる・動悸や息切れ・手足の冷えやむくみ・汗が急に出る・食欲不振・肌のくすみやシミ、たるみ・便秘【心理面】・イライラして怒りっぽくなる・不安感が強く、落ち込みやすい・物忘れがひどくなる病気のようにはっきりした症状はないものの、こうした症状が重なるために、ひどいときは生活や仕事に支障をきたすこともあります。では、なぜ30代で更年期症状があらわれてしまうのでしょうか?生活環境とストレスが、アラサーに更年期障害を引き起こす30代の女性に更年期のような症状が現れる原因として、生活環境やストレスなどが関係していると言われています。不規則な生活や過剰なストレスがかかると、自律神経の働きが狂ってホルモン分泌にも影響を及ぼすことがあります。これが更年期障害のような症状を引き起こす原因になります。実際には30代で閉経する人は、ほとんどいません。そのため、生活習慣を改善してホルモン分泌が正常に戻れば、症状は改善します。無理なダイエットを繰り返して、一時的に生理が止まってしまう人がいますが、これも若年性更年期障害の原因になります。美しくなるためのダイエットが、更年期障害を招いてしまっては意味がありませんよね。「心地よい睡眠」で、若年性更年期を撃退できる!まずは快眠をしっかり確保することが大切。睡眠不足は疲労やストレスを増幅させて、症状を悪化させてしまいます。できれば10時までにベッドに入りたいところですが、難しい人も多いと思うので、次の点を心がけてみてください。「就寝前に湯船につかる」湯船にゆっくり浸かって、心身ともにリラックスしましょう。また体温が下がるときにに眠気を感じやすくなることから、入浴時に体温を上げておくと入眠しやすくなります。「就寝の2時間前までにスマホやパソコンの使用をやめる」スマホやパソコン、タブレットなどのブルーライトは、刺激がとても強いため睡眠の妨げになります。また睡眠の1時間前には、部屋の照明を落として暗くすることで、眠りに入りやすくなります。「起床時間を固定する」就寝時間の固定が難しい場合も、起床時間だけは固定するように心がけましょう。朝起きる時間をそろえるだけでも、生活が規則正しく整いやすくなります。早起きして朝食を食べると、便秘解消効果も期待できるのでおすすめです。休日も同じ時間に起きることで、週明けも睡眠リズムが狂いにくくなります。心地よい睡眠を得るためのヒントは、ピーリング麻里子さんのこちらの記事にも詳しく書かれています。こちらも、ぜひ参考にしてみてください。やっぱり女はデリケート・・・女性でも、バリバリ仕事をしている姿はカッコいいですよね。でもどんなに仕事のポジションが上がっても、体まで変化するわけではありません。女性らしさを極端に主張する必要はありませんが、女性としての心と体を丁寧に扱うことは、やはり大切なこと。「女はデリケート」それは昔も今も変わりません。忙しさにかまけて、あなたは女であることを忘れていませんか?
2015年02月11日乳酸菌がストレス性の睡眠障害を改善する効果があるというレポートをご存知でしょうか? これはマウスを用いた研究で明らかになったことで、今後は人間への応用が期待されています。その興味深い内容を見ていきましょう。ストレスは睡眠障害の一因になる実際に、どのような実験が行われたかをご紹介します。まず乳酸菌をエサに混ぜて4週間与え続け、その後、睡眠障害を誘発するストレス負荷を2週間加えます。その状態で、マウスの活動量を測定する、というものでした。乳酸菌を与えずにストレス負荷だけを加えたマウスは寝つきが悪くなり、活動量も低下するのに対し、乳酸菌を与えたマウスは活動量があまり落ちなかったそうです。乳酸菌は「未完の大器」!?さらに遺伝子レベルでも睡眠障害を改善する効果が判明したと言われています。「睡眠障害マーカー遺伝子」と呼ばれる、睡眠障害によって発現が増大する遺伝子があるのですが、乳酸菌を与えたマウスでは、発現が抑えられたと報告されています。この実験で使われた乳酸菌は「SBL88乳酸菌」というものなので、全ての乳酸菌に同じ効果があるかどうかはわかりません。今後は、この乳酸菌を使って人間の睡眠障害改善の研究が行われていく予定だそうです。今後にますます期待!乳酸菌は他にも多くの可能性を秘めている菌のようで、睡眠障害の改善だけでなく、ストレス緩和や病気の予防などにも用いられる日がやってくるかもしれません。これまでは乳酸菌と言えば、「腸内環境を整える」ということに注目が集められていましたが、最近ではそれにとどまらず、生体機能を整える、リラックス効果などを謳った飲料なども出てきています。乳酸菌であれば、ヨーグルトなどで手軽に摂取することができるので、睡眠に悩みをもつ人にとってもこの実験がうまくいけば朗報ですよね。Photo by Jonathan Bliss
2015年02月11日東京大学は1月13日、マンガを使ったeラーニングによる認知行動療法によって働く人のうつ病を5分の1に減らすことに成功したと発表した。同成果は同大学大学院医学系研究科の川上憲人 教授と今村幸太郎 特任研究員らの研究グループによるもので、1月7日の英専門誌「Psychological Medicine」のオンライン版に掲載された。認知行動療法とは、人の認知に働きかけることで気分や症状を改善する心理療法で、1対1の対面や集団に対して実施することで、うつ病のリスクが30%程度減少することが報告されている。一方、コストの面で多数の従業員に広く提供することが困難となっている。同研究グループは今回、認知行動療法をより安価に多数の従業員に提供するために、インターネット認知行動療法(iCBT)eラーニングプログラムを独自に開発し、同プログラムのうつ病の予防効果を検証した。このiCBTプログラムは認知行動療法に基づくストレス対処の方法をマンガで提供するもの。全6回で、毎週1回の講義と宿題で構成され、学習の所要時間は宿題も含めて1回30分程度だという。研究では、IT系企業の従業員のうちランダムに選出した381人にこのプログラムを提供し、受講を促したところ、調査期間後に遅れて受講した同数の従業員に比べて、1年間のうつ病の発症率が5分の1に減少することを発見した。同研究グループによれば、これはeラーニングによる認知行動療法がうつ病を予防することを明らかにした世界初の成果とのこと。今後、うつ病予防のためのeラーニングが広く企業に導入されることで、働く人の健康が大きく向上することが期待される。
2015年01月14日テレビや雑誌などで「睡眠障害」という言葉を目にしたり、聞いたりしたことはないでしょうか?睡眠障害とは、その名称の通り、睡眠に関する何らかの障害のことで、日中に眠たくて仕方がなかったり(過眠症)、眠っているときに無意識に体が活動してしまったり(睡眠時随伴症)、呼吸が止まってしまう(睡眠時無呼吸症候群)などの総称として用いられます。なかでも、眠ることができなったり、睡眠の途中で目をさましてしまったりする「不眠症」は、日本国民の5人に1人がかかっているといわれており、よく知られています。国民病といわれている睡眠障害「不眠症」の4つのタイプ眠ろうと思ってもなかなか寝つくことができない「不眠症」には、大きく分けて「入眠障害」「熟眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」の4タイプに分類することができます。入眠障害不眠症の中で、もっとも多いといわれているのが「入眠障害」です。ベッドや布団などに入ったものの、なかなか寝つくことができない状態が続く症状のことをいい、個人差はありますが、睡眠にはいるまでに30分から1時間近くかかる人もいます。「日常的にストレスを抱えている」「直前までテレビやパソコンなどの光を見ていた」「体内時計が乱れている」などの原因があると考えられています。熟眠障害入眠障害とは対照的に、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、満足感を得ることができない症状を「熟眠障害」です。睡眠には、体が休眠していながら脳は活発に動いている「レム睡眠」、脳も体の機能も深く休眠している「ノンレム睡眠」の2つの種類があるといわれています。「熟眠障害」は、この「ノンレム睡眠」の量が少なくなってしまうことをいい、長期化すると、体調不良の原因になったり、自動車を運転している時に無意識に寝てしまったりといった、重大な事態に陥ってしまうことも考えられます。中途覚醒心理的理由、環境的理由などが原因で、睡眠の途中で目が覚めてしまう症状のこと。この状態が数日間続くと「一過性不眠」、1~3週間ほど持続すると「短期不眠」、1か月以上継続すると「長期不眠」といいます。とくに「長期不眠」の場合には、喘息、心不全、神経症などの重大な病気が背後に隠れている場合があるので、長期化している場合には、少しでも早く専門医師に相談することをオススメします。早朝覚醒会社や約束ごとで起床しようと目覚ましをセットしていても、いつもその時間よりも早く目覚めてしまう症状。日本人の8%は、この「早朝覚醒」を体験しているといわれています。とくに高齢者に多く見られる症状だと思われていますが、近年では、比較的若い世代においても目立ってきている症状です。日頃の生活で可能な対処法とは?日常生活でできる対処法としては、生活習慣を改めることです。夜更かしや寝坊、昼寝のしすぎを控えて「就寝や起床時間を一定にする」ように心がけたり、体内時計を調整するために「太陽光を積極的に浴びる」ようにつとめたりするだけでも効果的です。その他にもさまざまな日常生活の改善点があるので、簡単に紹介しておきましょう。・睡眠時間にこだわらない・自己流のストレス解消法をみつける・就寝前にはリラックスできる時間をつくる・寝酒を控える・眠りやすい環境づくりを心がける自分で「不眠症かな?」と実感できたら以上のことを実践してみるといいでしょう。ですが「不眠症」の裏には複数の原因が隠れている場合があるので、それぞれの原因に合わせた対処法が必要になってきます。他の睡眠障害でもある「睡眠時無呼吸症候群」「睡眠時随伴症」などが原因で、何らかの不眠症を併発している場合もあります。医師の診断や治療、専門施設での検査や診断が必要になってきます。自分ですべてを解決しようとは考えず、医師の判断を仰ぐようにしてください。参考:厚生労働省e-ヘルスネット
2015年01月08日うつ病患者の家族を対象としたうつ病対策アプリ「PINT(ピント)」を運営するLeaps Japan(リープス・ジャパン)はこのほど、同社メディア「pint story(ピント・ストーリー)」にうつ病に関する専門用語の解説コンテンツを公開した。東京都の調査(「こころの病気に関する世論調査/2013年東京都文化局広報広聴部調べ」)によると、「自分の身近な人がうつ病を含めたこころの病気にかかる可能性があると思っている」人は53.4%を占めるという。また、「日頃からこころの病気に関する情報を得ようとしている」人も53.3%という高い結果が出ている。同コンテンツでは、分かりにくい専門用語を一般の人にも理解してもらうため、医師監修のもと、うつ病経験者(元患者)が用語解説をする。第1回は、「うつ病の初期症状」をテーマに「症状について」「非定型うつ病について」「周囲の対応方法、接し方」をまとめて公開した。今後は毎月中旬に、新しい解説コンテンツを追加していく予定。
2014年12月16日大阪大学は11月20日、運動がうつ病予防・改善に役立つメカニズムを解明したと発表した。同成果は、同大学大学院医学系研究科解剖学講座(神経細胞生物学)の近藤誠 助教、同 島田昌一 教授らによるもので、11月18日(現地時間)付けの国際科学誌「Molecular Psychiatry」オンライン版に掲載された。うつ病にはセロトニンという神経伝達物質が関わっていると考えられている。セロトニンは運動によって脳で増加することが知られているが、脳内でどのように働いているかはわかっていなかった。今回の研究では、セロトニンの受容体に着目し、マウスを用いて運動が脳にもたらす変化の仕組みを調べた。セロトニン受容体を欠損したマウスを用いて、運動後に海馬の神経細胞とマウスの抑うつ行動を解析した結果、セロトニン3受容体が、運動のもたらす抗うつ効果や海馬の神経細胞の新生に重要な役割を果たしていることが判明した。同研究グループはこの結果について「うつ病などの精神疾患の予防やメンタルヘルスの維持・健康増進に貢献することが期待される」とコメントしている。
2014年11月20日元ディズニー・アイドルで歌手のデミ・ロヴァートは摂食障害や双極性障害、自傷癖といった様々な問題を抱えて2010年にリハビリ入りし、その明るく自信あふれるイメージとのギャップから世間を大いに驚かせた。休息期間を終えた後、彼女は以前よりさらに精力的に活動を行い、若者や同じ病気に苦しむ人々のための素晴らしいお手本であり続けている。そんなデミがTwitterにて摂食障害や精神障害についてのよくある誤解を語り、人々を啓蒙する力強いメッセージを発信した。彼女は以下のように語っている。「摂食障害であることが“強さ”を示すわけではないわ。強さとは、長いこと戦ってきた自分の中の怪物を乗り越えられるということよ」。「飢えることはダイエットではないし、吐くことは極端に痩せている人のみがすることではないわ。摂食障害は人を選ばないの。そのほかの精神病も同じ。それらは致死性の病気で、日常的に人の命を奪っている。だから、どうか摂食障害や精神病について語る時の言葉には慎重になって」。「拒食症や過食症は単なる選択の問題だと広く誤解されているわ。人々はよく“とにかく食べればいいじゃないか”“吐くのをやめればいいじゃないか”と言うけれど、その精神障害への無知・無学が精神のケアを後回しにさせている原因よ。この病気の流行はこの国を風靡し、毎日のように悲劇を生んでいるというのに」。壮絶な苦しみを乗り越え現在も病気と闘い続けているデミの言葉には大変な重みがある。実際に心の病気は目に見えない分、体の病気よりも軽視されることも多いだろう。ネガティブなイメージを恐れて公表しないという選択もあっただろうが、デミは自分の問題を共有しメッセージを発信し続けている。デミのように影響力あるセレブが問題に向き合い続けている事実は、世界中の同じ病気に苦しむ人々を勇気づけていることだろう。(text:cinemacafe.net)
2014年11月14日