ウエムロ ムネノリ(uemulo munenoli)が2017年春夏コレクションを2016年10月17日(月)に東京・表参道にて披露。今シーズンはブランド初のインスタレーションによる発表である。ワードローブの基となったのはアメリカの彫刻家、アレクサンダー・カルダーのモビール。紐につながれた物体達が見せる独特の色使い、時の流れを遅らせるようなゆったりとした動きが少しずつ落とし込まれている。モビールは、風に吹かれ1秒ごとに違うカタチになっていく。美術館をイメージしたという会場に、モデルたちが静かに足を踏み入れ、前、横、後ろと360度のシルエットを私達に堪能させる。モビールと同様時を経て変わる動きに、目を凝らしてその一瞬の時を待つ。透明感や流動感を出すために、スリットやレイヤードを多用している。前は長く後ろは短く。はたまた、片方だけ肩を落として、アシンメトリーな形状を作りだした。流れるような絡み織のシースルーは、レイヤードした色を透かしながら、空気を纏うひとつの作品を構築していく。ワードローブの中に紛れた細い紐は、布と布の狭間に存在して繋ぎ合わせる役割を果たしている。オーバーボリュームのブルゾンにギャザーを寄せたり、あるいはウエストまである長いベンツの切れ目を繋ぎ合わせたり。風に呼応する動きをより流動的にする下支えとなっている。カラーパレットは、活動的に見えるオレンジや赤、スッと心が落ち着くロイヤルブルー、そしてスタンダードなネイビー。寒色と暖色のコントラストは、様々なものを組み合わせてバランスをとるモビールの真骨頂を表しているようだ。
2016年10月20日アクオド バイ チャヌ(ACUOD by CHANU)の2017年春夏コレクションが、2016年10月17日(月)東京・渋谷ヒカリエで発表された。東京コレクションの開幕とともに、ブランドのランウェイデビューとなる今回、一体どんなワードローブが披露されるのか、期待が高まる。序盤、ランウェイに登場したのは、シーズンのアイテムを身に纏ったダンサー5人。ブランドらしいストリートの色を反映した力強いダンスで、観衆の心をつかむ。インスピレーションの源になったのは、“シャツ”。古くからその原型が完成し、長く愛されているそのフォルムをベースに、アウターやドレスなどのディテールを落とし込んだ。メインとして採用されているのは、ファスナーを使ったデザイン。肩口に取り付けられ、その開閉でボリューム感を操作できるアイテムや、襟のジッパーからアクセサリーが出てきているもの、レイヤードのような立体感を演出するものなど、幅広い場面でポイントを担っている。また、モデル全員が纏っている口のような形の大きなジッパーマスクも大きな意味が。ユニセックスで楽しめるアイテムであることを強調するために、性別を“隠す”という意味合いを込めて、顔の大部分を覆ったのだという。ラストを飾ったのは、全身がシャツの襟で覆われたドレス。今季を象徴するようなアイテムだ。デザイナーの李燦雨(チャヌ)にとって、幼い頃からの夢であった東京コレクションでのデビューと、自分の武器であるシャツでのデザイン。その熱意と技術が結集したファーストコレクションとなった。
2016年10月20日リトゥンアフターワーズ(writtenafterwards)の2017年春夏コレクションが発表された。今シーズンの製作にあたって、デザイナーの山縣は「どんな時代にも屈することなくまっすぐに生きる女性。特に、戦前~戦後の時代に生きる女性像を思い描きました。そして、どんなファッションも楽しむ女性というのも今シーズンのテーマです。」と語っている。それを表現するために用いたのは花。ひと目みただけでそうだと分かる洋服には、心躍るデザインが散りばめられている。オーガンザに色とりどりのブーケやリースを乗せて表現したのは、混沌とした時代を生き抜く女性たちの結婚式。トップスともワンピースとも言い難いほどまん丸な服には、色とりどりの刺繍で大胆に花を描いた。幾枚も重なったオーガンザは、肌に重なるほどその存在感を増し、おしゃれを楽しむ女性たちの高鳴る気持ちとともに膨らんでいく。細かいところに目を向ければ、ブラウスにはブランケットステッチで柔らかなアクセントが置かれていて、ほとんどのオーガンザを用いた洋服の裏側には“謎の袋”が備えつけられている。山縣曰く「その時代の女性たちが持っていた荷袋をイメージした」らしいが、一握りもないほどの小さな袋の中には、花が詰め込まれていて、幸せな気持ちが呼び起こされる。もうひとつ象徴的なアイテムを挙げるなら、和紙素材を用いたニット。赤い花をランダムかつ立体的に配したカーディガンとスカートは、山縣が日常でふと目にしたほんの数秒のシーンがインスピレーション源だという。ひとつひとつ表情の違う花たちに、ギュッと心を掴まれそうになる。女性に必要なのは、甘さや華やかさだけではない。コットンジャカードで表現した真っ黒と真っ白のルックは、明らかにオーガンザや和紙素材とは違う辛口なムードを放っている。肌と重ねれば、花が浮かび上がる独特のテキスタイルを用いて、ブラウスやワイドパンツ、そしてガウンなどを創り上げた。
2016年10月19日日本全国に展開するリゾート施設「星のや」が、インドネシアのバリ島ウブド地区に「星のやバリ」をオープンする。「星のや」6軒目にして海外初進出。2017年1月のオープンを控え、2016年10月20日より予約受付を開始する。 聖なる川に向かう運河の集落©星野リゾート 日本全国にリゾート施設を展開する星野リゾートは、軽井沢、京都、竹富島、富士、東京に続く星のや6軒目として、バリ島ウブド地区に「星のやバリ」を2017年1月20日(金)に開業することを発表した。「星のや」の海外進出は初となる。神が湧き出たと言い伝えられる泉からの聖水と、聖バトゥール山からの湧水が流れる、聖なる川「プクリサン川」のほとりに誕生する同リゾート。3ヘクタールという広大な敷地には、ヴィラタイプの全30室が佇む。9世紀から受け継がれ、2012年にバリ島で初めて世界遺産に登録された「スバックシステム(流水の分配)」の文化的景観を彷彿させるようなデザインは、「聖なる川に向かう運河の集落」がテーマ。パブリック施設として、ダイニングやカフェ、テラス、プール、スパを併設する。 ©星野リゾート 恵まれた大自然や治水文化に守られる棚田が美しいこの地区は、舞踊や石彫りなどに代表されるバリ芸術の中心として、また神秘的なバリ寺院が点在する神聖な文化地区として、世界中の観光客に人気のエリア。観光客用のショップやカフェが建ち並ぶ中心部から一歩路地に入ると、昔ながらの人々の暮らしを垣間見ることができるノスタルジックな一面も人々を魅了する所以。星のやバリへは、デンパサール空港より車で約70分。この地を見守る雄大な自然と文化に融和する、日本最高峰のおもてなしを体感したい。 星のやバリ
2016年10月19日東南アジア最大級のファッションの祭典「Jakarta Fashion Week 2017(ジャカルタ・ファッション・ウィーク2017)」が2016年10月22日から10月28日、ジャカルタのスナヤン・シティにて開催される。 東南アジア最大級のファッションイベント©Jakarta Fashion Week Documentation 東南アジアで最も影響力のあるファッションイベントの一つ「ジャカルタ・ファッション・ウィーク2017」が今年も開催される。会場は昨年に引き続きジャカルタ市内の高級モールSenayan City(スナヤン・シティ)。2008年に始まったこのイベントは、インドネシアを拠点として活動するデザイナー達が来年のトレンドを表現するという、東南アジアファッション界で最も刺激的な一週間。デザイナーにとっては世界で活躍するためのきっかけとなる登竜門的なイベントであり、バイヤーやスタイリストを始め、モデルやジャーナリスト、カメラマンなど世界中からの注目も集めている。 新鋭ブランドが一堂に集結©Jakarta Fashion Week Documentation 今回、「The Face of Jakarta Fashion Week(ファッショウィークの顔)」に選ばれたモデルのJuwita Rahmawatiさんは、身長177cm、1988年生まれの現在28歳。国内で開かれた数々の大会で精力的に活動し、ファンからはWitaの愛称で親しまれている。 ©Jakarta Fashion Week Documentation イベントには、インドネシアの伝統工芸品やアートから影響を受けた服をつくる新鋭デザイナーToton Januar氏(ブランド名TOTON the label)」や、「ヒジャブ」などのイスラムの伝統衣装と欧米的な洋服を融合させた全く新しいファッションを提唱するRestu Anggraini氏(ETU)など、既に海外からも注目を集め始めている60を超える実力派デザイナー達が集結。日本人デザイナーのスズキタカユキ氏(Takayuki Suzuki)も参加する。 ©Jakarta Fashion Week Documentation 一週間の期間中、参加ブランドは、イギリスや韓国、日本などのファッション業界と連携し、世界的なコラボレーションショーを開催。先述の新鋭ブランドTONTONは、韓国人デザイナーLie Sang Bong氏とともにステージを創り上げる。インドネシア若手実力派デザイナーI.K.Y.は韓国のファッションブランドTwee x Hwangsung Parkとのコラボレーションを予定。 ©Jakarta Fashion Week Documentation 年に2度世界のファッション都市で開かれるファッションウィークの中でも、最も影響力が大きいとされる5大ファッション都市の一つ、東京でのファッションウィーク(Amazon東京ファッション・ウィーク)とも連携をはかり、その活動の一部として、インドネシア人デザイナーBateeq氏と日本人デザイナーYutaka Suzuki氏との合作展示会も予定している。 その他、詳しいスケジュールはこちら> JAKARTA FASHION WEEK 2017公式:
2016年10月16日ティート トウキョウ(tiit tokyo)が2017年春夏コレクション発表に先駆け、女優・松井愛莉主演のショートムービーを公開。ティート トウキョウが大切にしてきたのは、映画のストーリーのような情感。それをデザインに落とし込み、どこか不思議な空気感と上品かつフェミニンな女性像を描きだしてきた。今シーズンのテーマである“leave”の女性像をイメージしたショートムービーは、コレクションで表現する女性像と、感情が変化することで生まれるシチュエーションを演出している。感情的で色っぽく、どこか危うさ漂うぎこちなさ。ブランドが大切にしてきたことを暗に秘めたものである。一方で、松井愛莉は素直で可愛らしく、いわゆる“良い子”という本コレクションとは真逆ともいえるキャラクターイメージをもつ。しかしこのムービーでは、彼女の中に眠る奥底の感情を掘り起こすかのように振り幅を強くつけることで、刹那的な美しさを表現。“leave”に準える女性像を見事に表している。なお、松井愛莉はランウェイでもその姿を見せてくれる予定だ。【ショー開催概要】ティート トウキョウ 2017年春夏コレクション開催日:2016年10月18日(火) 17:00~場所:淀橋教会(東京都新宿区百人町1-17-8)【ショートムービー詳細】出演:松井愛莉、Anna E、Ringaile監督・撮影:⾦⽥聡樹プロデューサー:中⼭稜⼠スタイリスト:町野泉美ヘアメイク:豊⽥健治(SHISEIDO)スチール:⼭⼝こすもPM:品⽥裕介映像プロダクション:CARPE
2016年10月16日2017年1月13日(金)から3月17日(金)までの64日間、東京ディズニーリゾートでは冬の季節ならではの様々なプログラムが開催されます。見逃さないように今からチェックしましょう!東京ディズニーランドで、アナとエルサの世界を一日中楽しもう東京ディズニーランドでは冬の恒例となったスペシャルイベント「アナとエルサのフローズンファンタジー」が開催されます。そして今年は新たに、特別なナイトエンターテイメント、期間限定のキャッスルプロジェクション「フローズン・フォーエバー」が実施されます。シンデレラ城が幻想的な雰囲気に包まれる、見逃せないエンターテイメントです。昨年に引き続き実施する、ディズニー映画『アナと雪の女王』をテーマにしたスペシャルパレード「フローズンファンタジーパレード」では、アナやエルサ、オラフたちがフロートに乗って登場します。このほか、子どもたちと一緒に歌やダンスで楽しむグリーティングショー「アナとエルサのウィンターグリーティング」もシンデレラ城前で開催されます。アナとエルサたちのファンタジックな世界で、夢のような1日を過ごしてみてはいかがでしょうか。東京ディズニーシーで、15周年のフィナーレをお祝いしよう東京ディズニーシーでは、2016年4月15日から“Wish”(願い)をテーマにスタートした「東京ディズニーシー15 周年“ザ・イヤー・オブ・ウィッシュ”」が、いよいよフィナーレを迎えます。3月17日までの期間は、新たな旅の出発をお祝いする「クリスタル・ウィッシュ・ジャーニー」の内容の一部が変更され、ディズニーの仲間たちは、それぞれのウィッシュ・クリスタルの色がいちだんと輝く新コスチュームで登場します。シャボン玉が舞い、グランドフィナーレのお祝い気分がさらに高まります。グランドフィナーレ期間限定で夜間の公演も実施され、夜ならではのクリスタルの輝きを楽しめます。また、ダッフィー、シェリーメイ、ジェラトーニと、かわいらしいスウィーツをモチーフにしたプログラム「スウィート・ダッフィー」が開催されます。あたたかな世界観を楽しめる、スペシャルなグッズやメニューのほか、ダッフィーたちがミッキーマウスとミニーマウスに想いを伝えるシーンが表現されたフォトロケーションなどが展開されます。そして、昨年に引き続き、期間限定のスペシャルバージョン「タワー・オブ・テラー: Level 13“シャドウ・オブ・シリキ”」も実施されます。オフィシャルホテルやリゾートラインも、スペシャル仕様にディズニーホテルでは、パークで開催されるスペシャルイベントと連動したデザインのルームキーなどや、それぞれの世界観をイメージしたスペシャルメニューが提供されます。ディズニーリゾートラインでは「アナとエルサのフローズンファンタジー」と連動したデザインのラッピング車両を運行し、リゾートゲートウェイ・ステーションでは、デコレーションが初登場します。この冬、魅力的なプログラムが盛りだくさんの東京ディズニーリゾートへ、お出かけしてみてはいかがでしょうか。スポット詳細名称:東京ディズニーランド・東京ディズニーシー住所:千葉県浦安市舞浜1-13URL:©Disey
2016年10月15日年齢を問わずおしゃれ女子から絶大な人気を集めるブランドTHEATRE PRODUCTS(シアタープロダクツ)が2017年春夏の最新LOOKをインスタレーション形式で公開。宝の山を意味するGOLDMINEがテーマとなったコレクションでは中東やアフリカを彷彿とさせるモチーフやアイテムが多く見られました。そこはまるで異国のマルシェのよう。例え使われなくなったものやガタクタでも、それがどこからやってきたのか何なのかわからない人にとっては、全く違う宝物に映るかもしれない。くるりと視点を変えて世界を見つめ直してみれば、そこには宝の山=GOLDMINEが現れる。想像力を働かせて、過去の価値を問うのではなく自分の目で新しい価値を見出そう、というメッセージが込められています。要らなくなった紙箱を解体したようなパーツ、猫ちゃんテレホンカードのピアス、ハンガーのサイズ表記に使われるパーツを模したブレスレットなど、THEATRE PRODUCTSらしいウィットに富んだアクセサリーたちも必見。ブランド初となるEC先行予約会今回ブランド初となる試みとして、2017年春夏コレクションが予約できるオンライン予約会がオフィシャルオンラインショップにて開催。10月17日(月)〜24日(月)の期間中に予約するとオンライン予約特典として「TP」ロゴ入りショッパー(紙袋)がプレゼントされます。予約はオフィシャルオンラインショップより→ PRODUCTS 2017SS "GOLDMINE"LOOK photo : THEATRE PRODUCTS official
2016年10月15日ファセッタズム(FACETASM)の2017年春夏ウィメンズコレクションが発表された。今シーズンは、ブランド名の由来であるフランス語でダイヤモンドなどの切り子面を意味する単語「facet」をもとに「様々な顔」「様々な見え方」という意味を込めている。カラーパレットで存在感を放つのは原色のグリーンやイエロー。それらの色は熱を持っているが、トップスに散りばめられたシースルーでクールダウン。また、鮮やかなブルーのドレスもバックコンシャスなデザインで涼しげに。保守的な印象を受けるはずのトレーナーやテーラードジャケット、ステンカラーコートの背中も大胆に空いており、見る角度を変えることによって洋服の違った見え方を表現する。太もも部分はタイトだが、ふくらはぎからフリルの丸みで大きく広がったボリュームのあるパンツや、足元が隠れるほどのフリルが重なるスカートなど、ボトムスは下に下がるほど重みのあるシルエットで登場する。セクシーとスクールテイスト、異なる要素を1つのスタイリングに詰め込むことで新しいシルエットを提案。ブラックのセットアップにはスカートに深いスリットが入り、足元にはラインハイソックスとローファーを合わせて。要素と要素を合わせることで洋服の異なる表情を作り出していた。初心に返り、ブランド名に忠実な洋服作りを続けたデザイナー・落合宏理の自己紹介のようなコレクションだった。
2016年10月13日アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)が2017年春夏コレクションをフランス・パリで発表した。スコットランド・シェトランド諸島の手つかずの野生と、海岸の風景が今シーズンのソース。息をのむほどの自然の美しさは、これまで幾度となく地元の職人達にインスピレーションを与えてきたという。それは、今シーズンの象徴でもあるシェットランドレースが物語っている。職人たちの精巧な技によるクモの糸のように細やかな模様は、肌に沿えばラグジュアリーに映る。そこに描かれたのは、自然で出会った生命の木、広大な海、そして咲き誇る花々。柔らかな白を基調とした古典的なドレスは、シュミーズのようなものもあればパネル張りの構築的なものもある。一方、真逆のカラーも登場している。官能的な黒だ。肌との重なりによって、レースの柄がより強く感じられ、さらにフリンジを加えることでその表現はまるで自然を生きる動物たちのように自由なものへ。レースの儚さをかき消すようなスタッズ装飾、力強いレザーは相反する強烈な印象を与える。一方で大胆なフリルやラッフル、そして咲き乱れる色とりどりの花々は壮大な大地の誇張表現として役割を担っているように思う。トラッドなフェアアイル柄のニットは、構築的に繋がれて今までとは異なる、ズレから生じる美しさをコレクションに注ぐ。前に述べたレースとは正反対のテクスチャーを織り交ぜて、新感覚のコラージュを生み出している。
2016年10月12日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで発表された。始まりは、円形のオーガンザを幾重にも重ねたドレスから。パーツ中央にはスパンコール、多方向に伸びた裏地のラインが透けている。パーツは花びらのように重なり合い、その集合体は万華鏡のような華やかさがあった。その後も、ライダースジャケットやトレンチコート、デニムアウターなどスタンダードなウェアを、ときに規則正しく、ときに不規則に小さなパーツを組み合わせて再構成していく。帯状のレザーを丸いパールビーズで結合させたボディ、テープ状の素材を格子状に貼り合わせたアーム、正方形のものをパネルのように並べたバッグスタイル。パーツを少しずつずらし地層のように合わせ、ボリュームを孕んだ部位もある。たくさんのピースが複雑にマッチされているが、その重量感を感じさせないほどどれも美しいラインを保てている。素材はシースルーやレース、メッシュ地など軽やかなものをメインに。装飾はパールや花模様、パンツのサイドにはプリーツをあしらって可憐に仕上げた。ブラックアンドホワイト、ベースはスタンダードウェアと制限のある中で、尽きない探求心が新感覚の美しさへと導いている。
2016年10月12日ジュンヤ ワタナベ・コム デ ギャルソン(JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年10月1日(土)に発表された。昨シーズン数学的なアプローチによって生まれた、多角的なウェア。これが、軽やかなシースルー素材となりバージョンアップされている。エプロンのように前だけのもの、クロスするように布地を重ねたもの、アシメトリースカート状のもの、ポンチョ型のもの。フォルムは様々だが、しかし今季これは主役ではないようだ。シーズンヒロインは、その内側に包み込まれた洋服たち。それらがいくつもの文化を持ち込み、対比し溶け合い、予想外のストーリを綴っている。編タイツにカラーTシャツ、シルバーパンツやロゴ入りパッチワークパンツ、スタッズ付きカーゴパンツ。パンク・ミリタリー・バイカー…と色々なテイストが交差する。そこに小花柄ワンピースに見られるフェミニニティ、テーラードジャケットを主役にしたフォーマルまでが投じられ、無秩序な世界が築き上げられている。全体的にまとまりのあるものではないが、‟透け透けトゲトゲ”の鎧を外せば、ストリートに馴染むのは事実。ショー半ばでアウターを脱ぎ捨てる演出が設けられていたが、事実浮かび上がったのは、スウェットトップスを腰回りをタイトにしたドレスや、ギャザーを寄せたTシャツなど、女性らしいアレンジが加えられたデイリーウェアであった。とにかく駆け抜けるような爽快感のあるランウェイショー。多文化が交わる様は街の縮図を見ているかのようで、いろんなバックボーンの人々に一気に出会ったような充実感で心が満ちた。
2016年10月12日コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィー5日目の2016年10月1日(土)に発表された。キーワードは「Invisible clothes」だという。ここ数シーズン、ファッションシーンではビックサイズが一つの鍵を担っている。大きすぎる肩、長すぎる袖。通常では考えられない位置に凹凸を持たせた、変形型ビッグフォルムを最新ルックとして打ち出すブランドもある。川久保玲が作る、ビッグフォルムはこれらとは大きくかけ離れている、巨大だ。身幅はモデルの3倍ほど(それ以上のものも)あるし、肩周りは羽のように左右に広がっているものもある。腰・肩といった曲線的な要素はほぼほぼ視野には入っておらず、あるときは直線的に、またあるときは頭上部分でカーブラインを描いていることも…。これらの言葉を並べるととても奇想天外、オブジェのように映るが、コレクションピースはクラシックとフェミニティを含んだ、やはり洋服である。ブラックのドレス風ルック。よく観察してみると、シャツの上にジャケット、さらにコートを羽織って…といった具合に、解体されたドレスが幾重にもレイヤードされている。間には白いフリルも挟んでいて可愛らしいし、裾はベルベット地に切替が施され洒落ている。また、船長のようなハットを被ったブラックルックは、ドレスを3段に重ねたような構造。腕は出せてはいないものの、パフスリーブ型の袖は存在しているし、こちらも同様にフリルでデコレーションだ。円形型のルックは、腕周りが大きなだけで身体を通す中央部分はウエストシェイプ。デフォルメされているもののラウンド型の襟もあしらわれ、少女性も香らせている。ビニールのようなシースルー素材のアタッチ、液状のペイントがされたコルセット風ディテール。透け感やランジェリーライクなど、細部にはシーズンの流れを汲んだ要素が溢れている。ナイキとのスニーカーでスポーツテイストを差すのは予想外だが、日常に寄り添ったテクニックでとても好印象だ。
2016年10月12日2017年1月1日(日)~1月5日(木)までの5日間、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーで、お正月限定のプログラムが開催されます。お正月仕様の華やかな東京ディズニーリゾートで、新年の到来をお祝いしてみてはいかがでしょうか。5日間だけ!お正月限定プログラム2017年1月1日(日)~1月5日(木)の5日間、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの両パークでは、お正月専用の特別なショーやパレード、和服姿のミッキーマウスたちが登場する「ニューイヤーズ・グリーティング」などが開催されます。1年の始まりを華やかにお祝いする楽しいイベントが目白押しです。また今回は、2017年の干支である“酉”にちなみ、ドナルドダックやデイジーダックが「ニューイヤーズ・グリーティング」に登場します。パークのエントランスに飾られる門松や、お正月限定グッズにもドナルドダックがデザインされます。●東京ディズニーランド●ニューイヤーズ・グリーティング華やかな和服姿のミッキーマウスやミニーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちが、お正月ならではの飾り付けが施された「リマウジン 2」などに乗って登場。ゲストと一緒に、賑やかに新年の始まりをお祝いします。また、2017年の“酉”にちなんだキャラクター・ドナルドダックやデイジーダックも、新たなコスチュームを身にまとって参加します。2017年1月1日(日)、記念すべき最初の「ニューイヤーズ・グリーティング」では、2017~2018年の東京ディズニーリゾート・アンバサダーが、ゲストに就任のご挨拶をします。イベント詳細名称:ニューイヤーズ・グリーティング実施場所:パレードルート実施回数:1日2回実施時間:約 35分※プログラムは天候等の状況により、内容が変更または中止になる場合があります。●東京ディズニーシー●ニューイヤーズ・グリーティング和服姿のミッキーマウスなど、ディズニーの仲間たちが、2017年の装飾が付いた船に乗って登場します。2017年1月1日(日)、1回目の「ニューイヤーズ・グリーティング」では、2017~2018年の東京ディズニーリゾート・アンバサダーが登場し、ゲストに就任のご挨拶をします。イベント詳細名称:ニューイヤーズ・グリーティング実施場所:メディテレーニアンハーバー実施回数:1日2回実施時間:約 15分※プログラムは天候等の状況により、内容が変更または中止になる場合があります。●東京ディズニーランド/東京ディズニーシー●ドナルドダックがデザインされた門松が登場!東京ディズニーランドのワールドバザールの入り口と、東京ディズニーシーのミラコスタ通りの入り口に、酉年にちなんだキャラクターのドナルドダックの飾り付けが施された門松が設置されます。なお、この門松は2017年1月7日(土)まで見ることができます。●お正月限定のスペシャルグッズが販売!2016年11月18日(金)から、お正月限定オリジナルグッズ、約60種類が販売されます。羽織袴を着たドナルドダックのぬいぐるみや、ドナルドダックをモチーフにした“だるま”がデザインされたアイテムが登場します。さらに、和服姿のミッキーマウスをはじめ、ディズニーの仲間たちがデザインされた年賀状やお年玉袋、ミッキシェイプのお重に入ったお菓子、新年の贈り物にぴったりな“のし”が付いたようなデザインの手ぬぐいやお菓子なども店頭に並びます。●スペシャルメニュー2016年 12月26日(月)より、正月スペシャルメニューが販売されます。和服姿のミッキーマウスやドナルドダック、デイジーダックがデザインされた湯呑みの形のスーベニアカップがついたスイーツ(750円)や、だるまに扮したドナルドダックがデザインされた“もなか”があしらわれたおしるこ(350円)なども登場します。●ディズニーホテル2016年12月26日(月)より、ディズニーアンバサダー®ホテルと東京ディズニーランド®ホテルでは、お正月スペシャルメニューが登場します。和服姿のドナルドダックやデイジーダックをイメージしたデザートや、新しい年の訪れをお祝いする華やかな御膳など、贅沢なラインナップです。なお、2017年1月1日(日)は、午前9時から通常営業が開始されます。年越し特別営業「ニューイヤーズ・イヴ」には、専用パスポートがないと入場できませんのでご注意ください。イベント詳細名称:東京ディズニーランド 東京ディズニーシーのお正月会場:東京ディズニーリゾート所在地:千葉県浦安市舞浜1-1開催期間:2017年1月1日(日)~1月5日(木)営業時間:1月1日(日)は、午前9時から通常営業公式サイト:©Disney
2016年10月11日バレンシアガ(BALENCIAGA)の2017年春夏ウィメンズコレクション。デムナ・ヴァザリアを迎えて2シーズン目となるランウェイショーをパリ・ファッション・ウィーク6日目の2016年10月2日(日)に行った。デムナのデビューは、多くの人々に衝撃とチャレンジスピリットを与えるものだった。原型から離れたフォルムの作り方、ストリートからモードへの転身。自身の長所を活かした、メゾンの内側からの改革は斬新な形の造形へと繋げた。2度目となる今季も、デムナのスピリットは変わっていない。「クチュールとフェティシズム」これがシーズンキーワードである。フェティシズム、これが何を指しているかは定かではないが、少なくとも‟スパンデックス”という素材に着目していることは確かである。伸縮性に富んだ素材の特性を生かして、シューズと一体になったパンツを提案している。また‟肩を抜く”オリジナルの着こなしを提案していた昨シーズン同様、今季もコーディネートにはこだわりがあるようだ。ランウェイでは一方向のアプローチしか見せていないが、実際ウェアは様々な着こなしを楽しめるようになっている。例えば、ストライプ柄のコートはそのまま纏えば綺麗なライン。ただ内側にもう一枚かませていて、スカートとセットになっている。そのため、ボタンを留めればコートに、ボタンを空ければアシンメトリーに、はたまたスカート部分もオープンにして着ることも可能だ。また、終盤にかけて差し込まれたダウン風ベスト。実はこれは空気で膨らむ構造で、空気量に応じて変形させることもできるギミックなウェアだ。また、買った人にしかわからない仕掛けが施されているのもポイント。真っ赤なフード付きトップスの袖元にあしらわれたURLにアクセスすると、メッセージが受信できる。これはコマーシャルピースにも応用され、それぞれに違うナンバーが配され、アクセスすると異なるメッセージが流れるという。昨シーズンは‟バザールバッグ”で話題をさらったメゾン。今季は街中で布団が売られているときに着想を得たのだろうが、毛布のような懐かしい刺繍が施された‟ブランケット バッグ”がデビュー。さらに、クッション着想の円形型‟クッション”もバッグラインに仲間入りしている。
2016年10月09日ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2016年10月3日(月)に発表された。サマーシーズンのステラ マッカートニーは、毎度リゾートへ行きたくなるような軽やかなものであるが、今季はよりハッピーなムード。愛の精神をキーワードに、鮮やかな色彩、キャッチなメッセージ、そして前日深夜に何度も練習したというモデルたちのダンシングパフォーマンスで、夏の到来を喜ぶパーティーガールを演出する。「NO LEATHER AND NO FUR」「ALL IS LOVE」日頃からステラがアナウンスしていた合言葉は、今季洋服へと落とし込まれた。サーフィン着想のスイムウェア、パラシュート素材のセットアップ、プリントTシャツに、プリントやフロッキー加工になって登場する。メッセージそのものはスラッシャーされたり、パッチワークされたりして、ダイレクトではなく抽象的なモチーフへとシフト。カジュアルウェアをベースとしているため、ダーツを程よく配して、女性らしさが浮き立つシルエットへと変形している。終盤とは異なり、リラクシングな序盤。カーキやベージュといったアースカラーを主役にコレクションを進めた。オーバーサイズのショルダー、生地は贅沢に使い身幅・腕周りが大きいものもある。ギャザーを寄せたり、たくし上げたり、折り畳めるように設計して、生地そのものの流動性を重んじた。ルーズなウェアに反して、腰回りはタイトに。新作ウエストボーチベルトでウエストマークすれば、今回のシーズンルックが完成する。日常に添うデニム素材には内側に異素材を貼り付けて、サルエルシルエットに。フォーマルな要素の強いストライプシャツは、カジュアルウェア同様に、ダースを差してドレス・プルオーバーへと変形させた。人気バッグ・ファラベラには、ボックス型の新作が仲間入り。大きめなボタンディテールを添えた新作も登場している。モデルの耳元、首元で輝くアクセサリーは大理石のような輝きで、どちらもプレキシガラスを使った美品だ。
2016年10月09日ポール & ジョー(PAUL & JOE)は、フランス・パリのセーヌ川沿いで2017年春夏ウィメンズコレクションを発表した。パリ・ファッション・ウィーク8日目の2016年10月4日(火)のことである。定刻は夕方6時半。まだ陽の落ちていないセーヌ川沿いには涼しい風が流れていた。寄り添うように並んだ家々、赤いルーフが目印のカフェ。川向こうにはパリ特有の町並みが広がっている。川沿いをランニングする人、橋の上から会場を覗く人々。そこにはフランスの生活感が溢れていて、まるで街全体でランウェイを行っているような特別な空間であった。しかし、ショーピースはフレンチシックとは異なるワーク・ストリートを題材にしている。ミリタリーシャツやカーゴパンツ、デニム、オールインワンといったものが主役で、それらの男性性を打ち消すように、デコラティブな装飾が施されている。ミリタリーシャツはポケット部分に立体的な花刺繍をデコレート。合わせたワイドパンツも、ロールアップした裾に同様の刺繍をあしらっている。デニムパンツには、宝石のようなドーム型ビジューを散りばめ、白Tシャツにはチュールを配した。一方、フェミニンウェアには刺激を投じる。フリルブラウスは胸下でカットオフし、ストライプのキャミソールブラウスには蛍光色を差した。花柄のワンピースにも、赤×白の縞模様パンツをマッチさせて躍動的に。可愛いものには相反するものをミックスさせてアレンジを繰り返している。足元はフラットサンダルまたはスニーカーが気分だ。シルバーのチェーンネックレスやバケットハットなど、ロックorストリートのぶつけ方も面白い。
2016年10月08日カラー(kolor)は、パリ・ファッション・ウィーク中にインスタレーション形式で2017年春夏ウィメンズコレクションを発表した。阿部潤一の優しい気持ちが投影されているシーズンである。リラックス&スポーティー、変わらぬDNAを保持しながらも、エスニックな要素、フェミニニティを象徴的に採り入れ、可愛らしく心に残るコレクションピースを完成させている。阿部が目指したのは、とてもシンプルだが平和主義に重きを置いたものだ。様々な世界情勢がある中、日本人デザイナーがフランス・パリでコレクションを展開し続ける義務。強い形ではないが、そんな彼のスピリットが豊かなクラフツマンシップで表現されている。これまでとのイメージチェンジを支えるのは、小花の模様。機械で施したとは思えないほどに繊細な花々が刺繍になってシースルー素材を彩っている。また、花びらを広げる瞬間は写実的に捉え、プリントとで繊細に表現。シースルー地のスカートやトップスに落とし込まれ、テキスタイルが重なり合うと3Dのような効果を発揮して、より活き活きと快活に花の生命を映し出している。民族的な要素は、大胆かつわかりやすい形で表現されている。ミリタリーシャツにドッキングしたチャイナボタン、花柄を襟元だけに差したフレンチシック、紙のように薄いメタリック素材に乗ったアジア風の模様。ぱっと見、どこかで出会ったことのあるトラディショナルな佇まいであるが、色使いやコンビネーションが新鮮さを与えている。カラーならではのバリエーション豊かなディテール・デザイン特性は今季も健在。特に今季はレイヤード風のアイテムを多く提案している。スカートとパンツのドッキング、スカートオンスカートの打ちだし方。どれも異なるアイテムが交際しているのだが着心地がよく、穏やかで特別感に満ちた仕上がりである。
2016年10月07日オランピア ル タン(Olympia Le-Tan)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク7日目の2016年10月3日(月)に発表された。テーマは「Turn on,turn in,drop out」。このワードでヒットするのは心理学者のティモシー・フランシス・リアリーの言葉である。この関連は定かではないが、彼が考える個人の自由や意識を重んじた姿勢は、今シーズンの自由主義のスピリットに通じるところがある。サイケデリックでどこか60’s、それでいてポップ。色使いや洋服のコンビネーションなどは、トウキョウ・カワイイにシンクロしている部分もあるように感じられた。パリ市内のクラブハウスで行われたショーには、とにかく柄が多数登場した。真っ赤なリップスティックを塗った口元、たばこのようなものが噴き出るレインボーの煙、それからマッシュルームのモチーフ、宇宙のような星と彗星が混じり合う空間。それらの妖しくってキュートなモチーフが隙間を埋め合うように服地を飾っている。コーディネートは、スーパーミニ丈パンツ・スイムウェアのような刺激的なウェアが現れたと思えば、ラップスカートやフレアドレスなどクラシックなものが共存している。アイキャッチで少しコミカルな色柄に囚われがちであるが、ロールアップデニム、スウェットパーカー、デニムシャツ、スタジャンなど、とても日常的なウェアが展開されている。タックインまたはウエストマークして、腰のラインを強調させるのが今季のムードであるが、そんな女性らしいアプローチに対して小物遊びは相変わらずユーモラス。アイコンのブック型クラッチには、洋服と同じサイケなデザインをあしらった。スウェットパーカーのフード部分だけをネックレスにしたり、袖部分だけをアームカバーにしたものもある。バッグの2個持ち、クロスボディも旬なようで、パステル&ラメ加工の「Olympia」ロゴが象徴的でとてもキュートだ。
2016年10月07日ヴェロニク ブランキーノ(Veronique Branquinho)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク7日目の2016年10月3日(月)に発表された。黒でまとめたゴシックな雰囲気からは解放され、春の訪れを告げるほど開放感に満ちたシーズンである。ランウェイにはフェミンな要素が溢れ、ロマンチックなムードに統一されている。温かな季節を迎え、蕾を開いた花々は様々な手法で表現されている。アンティーク調のプリント、鮮やかな糸で仕上げた立体的な刺繍、青々とした草木と共存したレース。それらは、フリル・レース・リボンと可愛らしいディテールを存分にのせたドレスの中で、生き生きと大きな花を咲かせている。シルエットはロング&フレア。ほとんどのドレスは前後でアシンメトリーに整えられていて、バッグスタイルでゆるやかな動線を描く。ノースリーブトップスに至っては、後ろ身頃に別布の一枚かませ、床をはうかのような余韻を残したバッグスタイルを完成させた。ランウェイには、ドレスに加えて、マニッシュ・カジュアルといったカテゴリーも登場。テーラードのロングジレは、サイドやポケットラインに刺繍を施して、スウェットパーカーは胸元・ショルダーラインにフリルをのせて、少女性溢れる世界に浸透する。足元はソックス&パンプスに見えるが、すべてトロンプ・ルイユのブーツ。ここにもカッティングやパンチングで、細やかな刺繍デザインが施されている。
2016年10月06日ハイダー アッカーマン(HAIDER ACKERMANN)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年10月1日(土)に発表された。サイレンス - 今季のハイダー アッカーマンは引き続き、闘志を持った強い女性を描いている。ただ、昨シーズンとは異なり静寂の中で戦う、より強いメンタリティを持った人物をミューズに据えた。ロングラインのコート、タイトフィットなパンツ、ウエストラインを強調するショートジャケット。ブランドらしいストロングな要素はもちろん散りばめられているが、イエローやピンク、オレンジといったアシッドカラーが柔らかく中和する。今季は、オリジナル素材の開発に力を入れた。ランウェイでたなびくドレスは、約14メートルもの生地にシワを加え、さらに2度に渡ってプリーツを施した力作だ。贅沢な生地使いが優しい動線を生み、あえて不均衡に配されたプリーツラインが親しみを感じさせる。イエロー&ブラック、レッド&ブラックなど、意表を突くカラーコンビネーションのウェアはすべて手染めで仕上げたもの。ドレスやジャケットの所々に、プリーツ&スモック技法という刺繍を施したモチーフをパッチワークして、フェミニニティを加えている。アイコンのレザーレギンスとのコンビネーションもよく、綺麗な縦長のシルエットを描いている。ジャケットやドレスに混じって、スウェットパーカーが登場しているのが面白い。「science soldier」、今季の精神をストレートに表現したロゴが中央で輝る。
2016年10月06日エンポリオ アルマーニ(EMPORIO ARMANI)が、本国イタリアを飛び越え、フランス・パリへやって来た。ブランド初となるランウェイショー、2017年春夏ウィメンズコレクションを2016年10月3日(月)に開催した。これまで社屋のシアターでコレクション発表を行ってきた、ブランド。今回は、パリの旗艦店とエンポリオ・アルマーニ カフェの改装に伴い、開催場所を見直したという。しかし、会場は完全にジョルジオ・アルマーニ仕様。鏡面張りのブラックランウェイ、一つひとつのシートについたナンバー、その節々にジョルジオのDNAが宿っている。新たな取り組みとして、アリーナ状の空間を駆使したビジュアル演出を実施。ランウェイを歩くモデルを全身・バストアップ・ディテールなど3方向から捉え、巨大スクリーンに映し出した。始りは、ブランドらしいクラシックなスタート。ジャケットオンパンツのスタイルが続いている。上半身はおへそが見えるくらいのショート丈、またボトムスもクロップド丈に整えて快活な印象だ。インナーにはボウタイブラウスやシースルートップスなど、フェミニンで軽さのあるものをマッチ。ブラトップやバブーシュ、ウエストバッグなどの差し込みもモダンで若々しい印象だ。シーズンアイコンは象。可愛らしくてポップ…とはちょっと異なるがエキゾチックな印象を持つもの。それらがドレスやハーフスリーブトップスの模様やストラップディテールとなり、はたまたバッグやシューズのデコレーションとなり、スター性と愛嬌をシーズンにもたらしている。アニマルアイコンの起用は、とても斬新で革新的ではあるが、コレクションを支えるのはやはりジョルジオのこだわりとクリエイティビティにある。歩みを進めるほどに豊なドレープを描くシースルー素材、観る角度によって表情を変えるサテン地。また、ほうせレッド・パープル・ブルー、そして深みのあるグリーンといった、官能的でソリッドなカラーリングも、気品を保つ要素である。定番のテーラードスーツでラストを飾ったのも、ブランドガンにとっては嬉しい仕掛けだった。
2016年10月06日サカイ(sacai)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2016年10月3日(月)に発表された。今シーズンの解体・再構築の対象は制服だ。会社員が着るスーツ、軍人が着るミリタリーウェア、こういったわかりやすいユニフォームをサカイ流にアレンジしている。テーラードジャケットは、本来ライナーである光沢ある素材を表に出し、袖をカットオフ。ジレ風に仕立てたら、ラペルの部分に厚みある別生地をパッチワークしてアクセントを添えた。パンツは膝上で断ち切りスカートに。レースを幾重にもあしらいフレアに仕立て、本来の姿がわからないほどにフェミニンに転身させる。スーツと名コンビであるストライプシャツは、ブルー&ホワイトのオフィス仕様のイメージを溶かし、レース刺繍やバックスタイルのカッティングなどでドレスへと昇華させる。ストライプの模様は太くはっきりと、インナーにはシースルー素材を忍ばせた。元々ワークウェアのアレンジが得意なブランドであるが、今季は迷彩柄が全面を覆う、より男性的なミリタリーを原点としている。肌が透けるシースルー素材をベースにして軽さを持たせ、肩章は残しながらも袖は斜めにして女性らしく。エレガントなスカーフとのコーディネートも新鮮だ。これらの新生ユニフォームに混じり合うのは、馴染みのあるトレンチコートやサイドライン入りのジャージトップス。どれもバックスタイルは膨らみを持たせてエッグ形に、さらにギャザーやビッグアーム(袖)などで、曲線を強調させている。ロゴTシャツはシフォンとミックスしてカジュアルさをぬぐい取り、千鳥格子と合わせてワンピースへと変化。デニムスカートは、ローエッジにも関わらずプリーツとドッキングさせて快活さを中和した。なお、ランウェイではサカイ初のバッグコレクションがデビュー。ショー当日の2016年10月3日(月)より、パリ・コレットにて先行限定発売され、日本では12月より順次展開予定だ。
2016年10月06日イザベル マラン(ISABEL MARANT)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク3日目の2016年9月29日(木)に発表された。今シーズンは、一皮めくれたような新境地またはストリートへの着想と表現するべきなのだろうか、ブランドのDNAは崩さない形で新しいイザベル マランのスタイルを見出しているような気がする。得意のフェミニニティは、少し抑えめな印象。フリルトップスやワンピース、キャミドレスなど女性らしいウェアは存在するが、ピンストライプ模様をあしらったり、ブラックで染め上げたりして強さをプラスしている。代わって、主役を担ったのはマスキュリンなウェアだ。デニム風のワイドパンツとノーカラージャケットのセットアップやジャンプスーツ、オーバーサイズのフード付きベストなどが登場する。また、時流に乗りスポーツ要素もミックス。思いっきりビーチシーンを想起させるワンピースタイプをはじめ、ほのかに香らせるビキニタイプなど、スイムウェア着想のアイテムが存在している。男性性と女性性が共存する中、ブランドらしい色気の打ち出し方はウエストラインの強調にある。トップスをタックインしたり、ベルトやコルセットディテールでアクセントを加えたり、上半身をおへそが見えるまでショート丈にしたりして、とにかくくびれの曲線を優雅に描いている。また、シックなカラーリングの小花模様が連続的に採り入れられているのもポイント。足元は、ビーチサンダルとも下駄とも分類しがたい、鼻緒のついたニューシューズを採り入れていて、ブーツタイプは近未来的で斬新に映る。
2016年10月06日ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(Givenchy by Riccardo Tisci)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク6日目の2016年10月2日(日)に発表された。今シーズンは、自然界のスピリットと女性との関係性に着目。パワーストーンからインスパイアされた鮮やかな色彩と、曲線美を映し出すタイトなルエットを基に、力強いジハンシィウーマンを創り上げている。赤やオレンジ、エネルギッシュなカラーがランウェイで舞っている。石をモチーフにしたデザイン、グラフィカルなボーダー。それらは、シースルー素材を用いた独特のコーディネートで融合される。透けたドレスの下から顔を出す様々な色柄。中盤からは、サイケデリックな色使いで描かれた曼荼羅も加わりよりパワフルに。上から重ねたブラトップは、どこか挑発的な印象だ。テーラードはタイトにアレンジを施した。一枚布をアタッチしてコート風に仕立てたもの、ジップ付きの大きなポケットが付属するものもある。ボトムスはフレアな裾にして、緩やかな動きを加えた。ドレスも同様にスリムなシルエットだが、解剖学から着想を得た幾何学的な生地の貼り合わせが、より細くそして曲線的にボディを象っている。今季よりバッグ&シューズデザイナーが変更となり、アクセサリーラインはバリエーション豊かになった。踵のないミュール風のシューズにはカラフルなソックスをマッチさせて、フェミニンな着こなしを披露。ボックス型バッグの多いメゾンに、ソフトレザーで仕上げた球体型のバッグが新たに仲間入りしている。
2016年10月06日アクネ ストゥディオズ(Acne Studios)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク5日目の2016年10月1日(土)に発表された。‟デジタル社会でどんな情報でも得られる環境なのに、なぜ国と国の境を閉ざすのだろう。もっと開放的に世界中を見て回ったらいいじゃない。”、クリエイティブ・ディレクターのジョニー・ヨハンソンが抱いた、とてもチャーミングで素朴な疑問から歩み出した今シーズン。ジョニーの優しさで包み込んだような穏やかさと温かみに満ちたコレクションである。ランウェイにはシースルー素材のドレス、カシミヤ仕立てのオーバーオールが並ぶ。どれも非常にオーバーサイズで、布団や毛布で覆うように身体を囲っている。肩の落ち感、たっぷりとした身幅は、緩くそれでいてルームウェアとは異なるフォーマルさを纏い、独自の世界観を構築している。スカーフやブランケットからの着想は、床をはうようなロングラインと余韻を残す贅沢な生地感へと繋げた。さらに各国から学んだ文化は様々な色柄で象徴的に描かれ、ペイズリー、チェック、インドの織物調のエキゾチック模様などが、時に拡大され時に縮小され、はたまた色を変えて、服地の上で手を繋ぐようにパッチワークされている。フットウェアには世界中のエッセンスがわかりやすく投影。東ローマ帝国で見られたスリッパ、ビジューで彩られたモロッカンシューズなどが登場している。ロングオンロング。とにかく長い丈と袖のものがコンビネーションされている。そこにプラスαとしてスーパーロングスカーフが盛り込まれ、ショー全体にリラックス感が広がっている。間に差し込まれたデニム地が意表を突くが、それらはストーンウォッシュを施した、クラフトを感じされるもので、ビックサイズのオーバーオールやシャツになって、アットホームな雰囲気をより高めている。
2016年10月06日マリメッコ(marimekko)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、フランス・パリで2016年10月2日(日)に発表された。フィンランドを代表するブランド・マリメッコは、自国が100周年を迎える2017年アニバーサリーイヤーに、伝統と革新を融合させた新たなコレクションを提案する。目を向けたのは、1960年~70年代のアーカイブテキスタイルだ。そこにボヘミアンスピリットを纏わせて、モダンなピースを完成させる。テキスタイルブランドらしい贅沢な生地使い。フレアスカートや一枚布のドレスは風を孕んで舞い動き、ブラウスにはたっぷりのギャザーを寄せた。ミドル丈のスカートには立体的なポケットをエプロンのようにあしらい、ワンピースにはポンチョのようにもう一枚布を重ねて袖の部分を加えている。テキスタイルはバリエーション豊かで、馬をモチーフにしたもの、鮮やかな草花を描いたもの、黒と白だけで陰影を表したものなどがロングラインの中で生きている。また、今季はキャンバス地やレザーとのコンビネーションも面白く、ミリタリーコートやレザーコートと合わせた着こなしが提案されている。アクセサリーラインも豊作だ。チャンキーヒールのパンプス、サイハイブーツ、楕円形のクロスボディバッグなどがラインナップしている。これらの革小物も、テキスタイル同様に鮮やかなカラーリングで表現され、春の訪れを感じさせた。
2016年10月05日アリス アンド オリビア(alice + olivia)の2017年春夏コレクションが発表された。今シーズンの舞台は、ロマンチックで神秘的な庭。18世紀のタロット・カード、そして太陽、月、地球といった情緒的モチーフによって、その世界を広げていく。モノトーンとカラフル。幻想的世界は、対照的なパレットの混合によって成り立っている。ブラックのミニドレスはラッフルが靡き、ランジェリーのようなセンシュアルさを、ホワイトのドレスは繊細なレースを味方にエレガントを紡ぐ。一方で、カラフルを具現化するものは、プリントだけでなく刺繍やビジュー、パッチワーク、レース使いなど多々挙げられる。立体的かつデコラティブな表現が加わることで、トレーンをひくようなナイトドレスも、モダンなデニムスタイルも、全てが甘美な演出となっている。その演出に拍車をかけたのは、“2つで1つ”を思わせるようなコーディネート提案。同デザインで長さが違うドレス、同素材のパンツスタイルとスカートスタイル、そして同アイテムの色違い……。ある一種のものを基準において並列させることで、幻想的世界はさらにファンタジックなものへ。小物ではタロットをそのまま落とし込んだバッグが印象的だが、なによりも今季のコーディネートに欠かせないのはアイウェアの存在だろう。特大サイズのキャットアイ、80年代のスタイルを踏襲する丸フレームなどが提案されている。ドレスルック、あるいはガウンやジャケットを取り入れたパンツルックにも馴染む多様なアイウェア。それらは、おそらく神秘的世界に現代女性を誘う一種の手段なのかもしれない。
2016年10月05日アー・ペー・セー(A.P.C.)は、2016年10月1日(土)フランス・パリにてプレゼンテーション形式で、2017年春夏コレクションを発表した。会場は、ムーラン・ルージュ近くのクラブハウスCARROUSEL DE PARIS。モデルたちはサウンドに合わせて、踊りながらステージに登場し、新作ピースを披露した。アー・ペー・セーは今季も変わらずシンプルだ。ミニ丈のワンピース、トレンチコート、ハーフ丈のジャケット。どれも日常に寄り添う着やすいものだ。無駄を削ぎ落としたクリーンな下地であるからこそ、胸元を飾るフリルやポケット、大きなボタンといったディテールが際立つ。ショーの後半では、デニムラインを多数紹介。後ろ前のように見えるポケット付きのスカート、ロールアップして登場したストレートパンツ、ブラックボタン付きのシャツなどをデニムオンデニムの形でコーディネートしている。合わせた、キャメルのベルトやフラットサンダルもカジュアルで心地よい。なお、このプレゼンテーションは「A.P.C. BAM BAM PARTY」と名付けられており、パリでの開催を皮切りに、今後様々な国を巡りパーティ形式で行われるそうだ。
2016年10月05日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)「デフィレ」2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク2日目の2016年9月28日(水)に発表された。今季ジョン・ガリアーノが綴るのは、3つのメッセージ。ナポレオンとその妻ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネが生き抜いた18世紀、銀行員などに見られる典型的なユニフォーム、そしてスポーツ。これら3つの要素の再解釈し、日常に溶け込むように仕上げる。この主張は、時に一つの洋服の中に詰め込まれ、時にコーディネート全体で表現されている。トレンチコートには、英国バブアージャケットに見られるチェック模様を裏地にあしらい、ユニフォームのエッセンスを注入。バッグスタイルにはカッティングを入れ、さらにストラップを取り付けて、ドレスとして着られるように設計した。ドレスとして纏うと、コートのラペル部分が美しい二等辺三角形のエンパイアラインを描き、18世紀のイメージへと繋げる。一方、アクセントはドローコードを選び、スポーツのエレメントを香らせている。また、銀行員のようなシャツにはポリティカルメッセージのようにロゴを散りばめ、制服と18世紀のスタイルを融合させた。そこに、クラシカルなレーススカートをマッチさせるのだが、下にPVCを仕込むことでアクティブな要素をプラスしている。ウィンドブレーカーをドレスに変形させたり、ハリのあるメッシュでヴィクトリアンブラウスを作ったり、バックパックのネット部分でワンピースを仕立てたり…。奇想天外な手法はどれもクチュールライン「アーティザナル」に通じている。バルーン(風船)の装飾も、高いウエストラインの構築もすべて、クチュールからレディトゥウェアへと綺麗に落とし込まれている。シューズラインには、アイコン‟足袋”にスニーカーブーツが誕生。柔らかに屈曲するラバーソールを採り入れ、アッパーは18世紀調のジャカードやベルクロテープをプラス。洋服のエッセンスがそのまま取り込まれている。
2016年10月05日