ニナ リッチ(NINA RICCI)の2020年春夏コレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。ルシェミー・ボッター&リジー・ヘレブラーの2ndシーズン前回の2019-20年秋冬コレクションでデビューを飾った、クリエイティブ・ディレクターのルシェミー・ボッターとリジー・ヘレブラーによるセカンドシーズン。デビューコレクションで一際目を惹いたのは、モデルたちの頭上に乗せられたカラフルなバケットハットだ。今季も、遊び心溢れる小物類を心待ちにしていたファンも多かったのではないか。“バケツ”型ハット&バッグが登場そんな期待に応えてくれるかのように、最新コレクションにも、“バケツ”をひっくり返したかのようなユニークなフォルムのハットが登場。その他にも、フラワーモチーフを繋ぎ合わせたヘッドアクセサリーや、“バケツ”を模ったかのようなハンドバッグ、アッパーをくり抜いたショートブーツ、RICCIのロゴモチーフをあしらったベルトなど、ポップなムードのアクセサリー類が目白押しだ。ロマンティックなレディトゥウェア主役のレディトゥウェアに視線を戻すと、ふんわりとしたAラインのベアトップドレスや、フリルをたっぷりと重ねたボリューミなミニドレスなど、ロマンティックなムードが主流。パフスリーブのブラウスは首元にギャザーを寄せて。ジャケットにもふんわりとしたペプラムをあしらって、とことんフェミニンに仕上げている。ビッグカラーのシャツ襟を大きくデフォルメしたビックカラーのシャツも、今季のアイコニックなアイテム。一枚でさらりと着こなしても存在感を示してくれるし、ジャケットにレイヤードすればケープのような雰囲気が楽しめるのも面白い。“チューイングガム”のようなピンクカラーパレットは、インビテーションにセットされていたチューイングガムの色を反映したかのようなピンクを筆頭に、イエロー、オレンジ、ブルー、グリーンと彩り豊か。そこにドット柄のシャツやフラワープリントのワンピース、パイソン柄のジャケットなどでアクセントを加えている。
2019年10月01日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto) 2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。始まりは漆黒のピースから今シーズンもスタートは、ヨウジヤマモトが生み出す黒“ノワール”の世界。編み込んだ細長い布をフリンジのように長く垂らしたジャケットや、腰回りと背中にグラフィカルなカッティングを施したロングドレスなどがランウェイを黒に染めていく。裾がうねるようなラインを描いたドレスは、重力に反した躍動感のあるシルエットを見せている。黒の世界に投じられた色彩漆黒の世界が途切れたのは、布を複雑にたぐり寄せたり、縫い付けたりしたホワイトドレスが現れてから。それに続くのは、色彩豊かな花のグラフィックをあしらったドレス。生地をたっぷりと使って無数のドレープを生み出したボリュームドレスに、力強いプリントがのることで、そのエネルギーを開花させている。ヒジャブのようなヘッドアクセサリーを纏ったブラックドレスには、パープルのフラワー刺繍でアクセントを加えて。至る所に切り込みが入っており、そこから剥がれ落ちたパーツからも、鮮やかな裏地が顔を出している。“マグネット”で遊び心を今シーズンのインビテーションには複数のマグネットが付属していたが、どうやらそれが指し示していたのはブラックのシャツドレスを筆頭としたルック。ショルダーから袖のように飛び出した四角い生地や、背中から前方へと手繰り寄せた布地を、磁石で止め合わせたかのようなディテールが見て取れる。流麗な模様を生む刺繍ショー終盤、『神田川』をアレンジしたサウンドが流れると、繊細な手仕事の光るピースが登場。無数のビーズで流麗な模様を描いたチュールスカートや羽織りが、フィナーレに向かって歩みを進めた。
2019年10月01日ノワール ケイ ニノミヤ(noir kei ninomiya)の2020年春夏コレクションが、2019年9月28日(土)、フランス・パリで発表された。立体パーツやフリルでボリュームをシーズンテーマは「ビギニング(Beginning)」。デザイナーの二宮啓がもう一度初心に帰って作り上げたクリエーションだという。いつにも増してボリューミーなドレスが存在感を放った今季。そのボリュームは、ふんわりとしたレースのフリルをいくつも重ね合わせたり、 立体的なモチーフを組み合わせたりすることによって生み出されて、ボディをすっぽりと覆ってしまう。ハーネスに球体状のフリルを無数にくくりつけたものや、クリア素材でできた棘のような突起物を並べたもの、雲のようにふわふわと浮遊するものなど構築的なピースがランウェイに姿を現わす。ピュアな純白のドレスカラーは、ホワイト、ブラック、そして植物を模したヘッドピースからも連想されるグリーンがメイン。ショー序盤は、純白のウエディングドレスのようなピースが続き、ピュアなムードで進行。繊細な刺繍を施したレーシーなベールもロマンティックな雰囲気を醸し出すのに一役買っている。骨のようなライダースドレス中盤は黒いレザーを起用したピースが目を引いた。人間の肋骨のようなフォルムを纏ったライダースジャケット風のドレスや、いくつものレザーベルトを巻きつけることで広がりを抑えたドレスなどが歩みを進めていく。植物を連想されるグリーンのドレスフィナーレに向かって続々と登場したグリーンのドレスには、イエローや水色も織り交ぜつつ、もこもこと起毛したファブリックを採用。フリンジをふんだんにあしらったものは、ホワイトやブラックとともに、美しいグラデーションを生み出している。植物から放たれる生命の煌めきラストを飾ったのは、結晶のようなクリアパーツを、パズルのピースのように組み合わせた透け感のあるドレス。それぞれのパーツはモデルの歩みとともに揺れ動き、頭上の植物の力強い生命力を称えるかのように、まばゆい煌めきを放っていた。なお植物を模した印象的なヘッドアクセサリーは、引き続きフラワーアーティストの東信が手掛けている。
2019年10月01日バルマン(BALMAIN)の2020年春夏コレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。グラフィカルな模様ショー序盤は丸、三角、四角といったグラフィックを駆使したモノトーンのルックが続く。様々なシェイプの図形を組み合わせることによって生まれたジオメトリックのセットアップや、透け感のあるテキスタイルに図形をのせることでグラフィックが肌の上に浮いているかのような錯覚を作り出したトップスなどがランウェイに顔を出す。存在感溢れる装飾続いて現れたのは存在感溢れる装飾を施したピースたち。ボディ全体にシークインを刺繍したアシンメトリーなワンショルダードレスや、球体状のクリアモチーフを並べたミニワンピ、サークル状のミラーを胸元にあしらったロングドレスなどが姿を現す。細長いクリアパーツを敷き詰めたワンピースも、歩くたびに“シャラシャラ”と音を鳴らして揺れ動き、コレクション全体にリズミカルなムードを生んでいた。エネルギッシュなカラーも初めこそモノトーンが中心だが、ショーが進むにつれてカラフルなピースが立て続けに登場。ホワイトのステッチを効かせたピンクのジャケットや、ブランドロゴを配したイエローのスウェットトップス、オレンジのセットアップなど、ビビッドな色彩を巧みに使い、エネルギッシュな世界観を作り上げた。布をたっぷり使ったプリーツ布をたっぷり使ったプリーツも、今シーズン目を惹いたディテールの1つ。細やかなプリーツを入れたドレスやワンピースは、モデルの身体の動きに合わせて美しく揺れ動き、エレガンスを主張する。上半身にもプリーツを入れたアイテムを取り入れており、メタルリングをあしらったオフショルダートップスなどがその象徴である。
2019年10月01日ロエベ(LOEWE)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。透け感のある軽やかな素材ファーストルックは、ロエベのクラフトマンシップを感じさせる繊細なレースのセットアップ。透け感のあるテキスタイルや軽やかなファブリックは、今シーズン多用されたものの1つだが、愛らしい小花柄を散りばめたドレスや、たっぷりと空気を含むシフォンワンピースなど、ピュアなムードを放っているのがロエベらしい。サイドにボリュームを持たせてドレスのシルエットはクリエイティブ・ディレクターのジョナサン・アンダーソンが就任以来貫いているゆったりとしたロングレングスがメインだが、サイドにボリュームを持たせたピースが目立った。たとえば、レモンイエローのレーシーなドレスにはクリノリン風のパーツを組み込むことで、斬新なフォルムを生み出している。アウターも同様に横に広がっていくシルエットが印象に残った。バックスタイルにタックを入れたAラインのコートや、腰周りにたっぷりとラッフルを入れ込んだジャケットなどが、ランウェイに顔を出す。純白のドレスは表情豊かに純白のドレスも今シーズンのシグネチャーと言えるだろう。Aラインのパフスリーブドレスは、胸元から裾に向かって緩やかに広がっていく、ふっくらとしたシルエットで。光沢感のあるテキスタイルにフラワーモチーフを散りばめたものはバックスタイルにリボンを結んだ。胸元に長いリボンをあしらったレースのドレスは、ウエストから切り替えて細やかなプリーツを入れている。フリンジ付きミニ「ゲート」バッグ人気のバッグには、長いフリンジを飾ったミニサイズの「ゲート」バッグや、ファーで縁取った半円型クラッチ、巾着風のバケツバッグといった新作が登場した。
2019年09月30日ナターシャ・ラムゼイ=レヴィ(Natacha Ramsay-Levi)によるクロエ(Chloé)の2020年春夏コレクション。
2019年09月30日アレッサンドロ・デラクア(Alessandro dell’Acqua)によるロシャス(ROCHAS)が、パリで2020年春夏コレクションを発表した。
2019年09月30日東京ディズニーリゾートは、お正月限定プログラムを2020年1月1日(水)から1月5日(日)まで開催する。東京ディズニーランドのお正月東京ディズニーランドの「ニューイヤーズ・グリーティング」では、お正月ならではの飾り付けが施された車や、華やかなフロートに乗った、和服姿のミッキーマウスやミニーマウスをはじめとするディズニーの仲間たちが登場。新年の始まりを賑やかにお祝いする。また、東京ディズニーランドのワールドバザールの入口には、ミッキーマウスとミニーマウスがデザインされた門松としめ飾りを設置し、お正月気分を盛り上げる。東京ディズニーシーのお正月東京ディズニーシーの「ニューイヤーズ・グリーティング」は、ディズニーのキャラクターが船に乗って登場。和服に身を包んだミッキーマウスやミニーマウスなどが、2020年の年明けを祝う装飾とともに、元気良く新年の挨拶をする。ミラコスタ通りの入口にはミッキーマウスとミニーマウスの門松を、通りの中には和服を着て書き初めの筆を持ったミッキーマウスとディズニーの仲間たちが描かれたバナーを装飾。お正月ならではの特別な雰囲気を演出する。お正月スペシャルグッズ東京ディズニーリゾートでは、お正月に向けたスペシャルグッズを販売。干支である“ね”の文字を書き初めしているミッキーマウスや、和服を着たディズニーキャラクターのお正月アイテムをはじめ、ミッキーマウス、ミニーマウスをモチーフにした“だるま”のコインケースやフィギュアなども登場する。お正月スペシャルメニュー華やかな着物を着たミッキーマウスやミニーマウスを描いた湯呑の形のスーベニアカップ付きスイーツ「白ごまムース&黒みつゼリー スーベニアカップ付き」を提供。また、きなこチュロスや、冷えたからだを温めるゆずとジンジャーのドリンクなども揃える。その他、ディズニーアンバサダーホテル、東京ディズニーランドホテル、東京ディズニーシー・ホテルミラコスタでも2019年12月26日(木)からスペシャルなコース料理やデザートなどが登場。また、ディズニーリゾートラインでは、お正月をイメージしたデザインのフリーきっぷが各駅の自動券売機で販売されるなど、東京ディズニーリゾート一帯で、お正月を盛り上げる。【詳細】東京ディズニーリゾートのお正月開催期間:2020年1月1日(水)~1月5日(日)住所:千葉県浦安市舞浜1-1■スペシャルグッズ販売期間:2019年12月2日(月)~2020年1月8日(水)グッズ例:・年賀状セット 630円・コインケースセット 2,000円■スペシャルメニュー販売期間:2019年12月26日(木)~2020年1月8日(水)※きなこチュロスのみ、2020年1月31日(金)まで販売。メニュー例:・白ごまムース&黒みつゼリー スーベニアカップ付き 800円・きなこチュロス 400円※スペシャルグッズ、スペシャルメニューの内容は、予告なく変更になる場合あり。また、品切れや販売終了となる場合あり。【問い合わせ先】東京ディズニーリゾート・インフォメーションセンターTEL:0570-00-8632(9:00~17:00)※一部のPHS、IP電話・国際電話からはTEL:045-330-5211
2019年09月30日グレン・マーティンス(Glenn Martens)によるワイプロジェクト(Y/PROJECT)が、パリで2020年春夏コレクションを発表した。
2019年09月30日CELINE(セリーヌ)が、パリで9月27日、2020年サマーコレクションを発表した。courtesy of CELINE
2019年09月30日リック・オウエンス(Rick Owens)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月26日(木)、フランス・パリで発表された。最新コレクションの発表の場となったのはパレ・ド・トーキョー。過去にもゲストに水しぶきを浴びせるなど、サプライジングな演出を行ってきたリック・オウエンス“お決まり”の場所だ。水で満たされた池のような空間をぐるりと囲むようにしてランウェイが設置されている。彫刻のようなパーツや兜のような冠広場の上に薄っすらとミストが広がると共にショーはスタート。モデルたちは中央の階段を降りて歩みを進みていく。ファーストルックは、ツイストを加えた彫刻のようなパーツをウエスト部分にあしらったもの。ふっくらとしたボリュームのあるアウターに、ピンクのインナー、深いスリットの入ったスカート、まるで兜のような存在感溢れる冠もスタイリングしている。無数のシャボン玉が浮遊するサプライズリックが生み出すピースに視線を奪われていると、どこからともなく現れた、黒い洋服を纏った人物たちが池の周りにスタンバイしている事に気付いた。彼らは定位置につくと、なんと長い棒のような道具を使って無数のシャボン玉を創り出したのだ!数え切れないほどのシャボン玉で満たされたランウェイでは、ゲストの驚きの表情を気にも止めずに、モデルたちが淡々と歩みを進めている。鎧のようなジャケット今シーズン、リック・オウエンスらしい構築的なフォルムとして特に印象に残ったのは、ショルダー部分のデザインだろう。トライアングル状のパーツを型にあしらったアウターや、空に向かって突き出したショルダーが印象的なドレスなどがランウェイに姿を現す。また、シャボン玉が浮遊する幻想的な空間からは想像もつかない、鎧のような力強さを持つジャケットやドレスも登場した。メンズと連動したカラーやディテールカラーリングやディテールは、母方のルーツである“メキシコ”をテーマにした2020年春夏メンズコレクションと連動した要素も多い。煌めくゴールドのシークインを散りばめたロングドレスや、オーロラのごとく輝くスカート、シューレースを幾重にも巻き付けたかのようなジャケットなどが展開された。
2019年09月30日アン ドゥムルメステール(ANN DEMEULEMEESTER)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月26日(木)、フランス・パリで発表された。鍵を握るのは「Jolene」今シーズン、インビテーションに記されていたのは「Jolene」の文字。1970年代に発表されたドリー・パートンのこの歌は、愛する人の心を他の女性に奪われてしまう悲しみや憎しみを歌った名曲だ。今季のクリエーションはこの楽曲をカバーをしたアメリカ人マルチインストゥルメンタリスト・アーティストLingua Ignotaに大きな影響を受けている。ショーミュージックにも彼女がアレンジした「Jolene」が起用され、ショーにはLingua Ignota本人も来場した。漆黒のピース今季のランウェイを染め上げたのはダークなブラック。ブランドが度々取り組んでいる真っ黒な世界が、ドレスやジャケット、ニットウェア、シューズなど、ありとあらゆるアイテムの上に広がっている。ショーの中盤、まさに紅一点投入されたレッドカラーのシースルードレスを除いては、モノトーンのパレットがメインだ。センシュアルなカッティングや素材漆黒のピースには、肌を露わにする大胆なカッティングを施し、センシュアルなムードを演出。ベアトップドレスは、左足の付け根まで見えてしまうほど、深いカットを入れている。また、セクシャルでエレガントなドレス群は、胸元でストラップやテキスタイルが絡み合うようにレイヤードされ、複雑な表情を見せている点も印象に残った。レーシーなキャミソールや、メッシュ素材のワンピース、シースルーのドレスといった透け感のあるアイテムも散見。艶やかなサテンのジャケットや、エナメルのスキニーパンツも、妖艶なムードを演出するのに一役買っている。崩れ落ちるようなスタイリング崩れ落ちるようなスタイリングも印象的。ロングアウターの袖には片腕だけを通して、ドレスのストラップは左肩だけをずり落とすようにして、アシンメトリーな着こなしを生み出している。95年に発表したシューズが復活足元を彩るシューズは、1995年にアン ドゥムルメステールのショーに登場したカーヴィーなヒールパンプスを復刻。25年の時を経て、鳥の爪のように力強い形状のシューズを、セバスチャン・ムーニエがインダストリアルなムードにモダナイズした。
2019年09月30日Y/プロジェクト(Y/PROJECT)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月26日(木)、フランス・パリで発表された。Y/プロジェクトを率いるグレン・マルタンは、アントワープ ロイヤルアカデミーを首席で卒業し、ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)などで経験を積んだ人物。創業者のヨハン・セルファティの後任として2013年にブランドを引き継ぎ、2017年度LVMH ヤング・デザイナー・プライズにもノミネートされた気鋭デザイナーだ。襟元のデザインにツイストを効かせて最新のウィメンズコレクションでは、洋服の印象を左右する襟元のデザインにひねりを効かせたアイテムがこれまでにも増して存在感を示した。テーラードジャケットのピークドラペルはビッグサイズにし、フロントにドレープが出るようにボタンの位置を設計している。オックスフォードシャツをベースにしたかのようなブルーのミニワンピースは、ボタンの位置をあえて掛け違えることで、予定調和的なデザインをアレンジ。襟のデザインが少し左にずれたようなユニークなフォルムを作り上げている。トレンチコートは通常と異なる位置にボタンを留めることで、本来裏地となるようなパーツを露わにした。エレガントなドレスも一捻りエレガントなアイテムには、遊び心溢れる要素を盛り込むことで一捻り。ブラックのベロアロングドレスには、幾重にもドレープを重ねたボリューミーな装飾をあしらって。ボディラインを強調したタイトフィットのキャミソールドレスにはグラフィカルなラインを這わせることで、センシュアルなムードをポップな印象へとシフトチェンジした。存在感溢れるバッグやシューズ存在感溢れる小物類にも注目。ボリューミーなロングブーツや、ハート型に渦を巻くイヤリング、アコーディオン風のショルダーバッグ、細長い台形型ハンドバッグなどがランウェイを彩った。
2019年09月30日オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月26日(木)、フランス・パリで発表された。テーマは“METEOR SHOWER”。“流星群”のようなグラフィックヴァージル・アブローが好んで起用するロゴモチーフやグラフィックは、今シーズンは控えめに感じられる。ショー序盤は、腰から裾に向かって斜めにフリルをあしらったドレスの胸元に小さな“クロスアロー”ロゴが、身体にぴったりとフィットするタンクトップの胸元に極小の“OFF”ロゴが登場したものの、無地の洋服が主流だ。そんな中、ショー中盤に顔を出したのが、シーズンテーマである“METEOR SHOWER”=流星群を感じさせるプリント。放射状に出現する一群の流星のように無数のホワイトラインを走らせたグラフィックが、アシンメトリーなロングシャツやセンタープレスパンツ、Tシャツなどの上にのり存在感を示す。丸い“穴あき”ウェアやバッグ穴の開いたディテールも、今季の特徴の1つ。ぴったりとフィットする半袖トップスの胸元や、タンクトップのウエスト部分もホール状にくり抜かれている。レディトゥウェアだけではなく、ボリューミーなブーツやロンググローブなどにも丸いカッティングが施されており、同様のカットワークを取り入れたハンドバッグはその穴に手を通すようにしてモデルが携えていた。ネット状のドレスやトップスネット状のファブリックが多用されていたのも印象的。ボディスーツの上に重ねた真っ赤なメッシュトップスや、ロングコートの下に差し込んだ網状のドレスなど、レイヤードを楽しむためのアイテムとして提案されている。スーパービッグサイズのネットバッグは、まるで洋服の一部であるかのような存在感を放っていた。なお、ヴァージル・アブローは体調不良のため、今シーズンのショーは参加を見合わせた。
2019年09月30日イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)の2020年春夏コレクションが、2019年9月27日(金)、フランス・パリで発表された。新デザイナー近藤悟史による1stシーズン最新コレクションは、宮前義之からバトンを引き継いだ、新デザイナー近藤悟史によるファーストシーズン。一枚の四角い布から生み出されるデザインにこだわる姿勢や、鮮やかなカラーリングなどに、創業者である三宅一生の面影も感じたゲストは多かったようだ。これに対し近藤は、ショー後のインタビューで「原点回帰というわけではないが、“ミヤケイズム”を僕なりに、現代的に解釈したもの」であると語っている。複数セクションからなるダンスショーファッションショーは、複数のパートで構成されたダンスショーを観ているかのように躍動感あふれるもの。コレクションピースを纏ったモデルたちは、時には優雅に舞い、時には軽やかに飛び跳ね、時にはスケートボードに乗りながら、会場の中を駆け巡るのだ。「洋服は人が袖を通して初めて活き活きとする。」そのことが存分に感じられる動きのある演出に、ゲストは1セクションが終わるごと大きな拍手や歓声を送った。“動く楽しさ”を教えてくれる服たとえば軽やかなテクニカル素材を使ったワンピースは、2枚の生地を合わせるようにして仕立てており、隙間から空気が入り込むことによってふっくらと膨れ上がる。モデルたちはあえてこの隙間を大きく開けて歩いてみたり、自らがくるくると回転することで空気を送り込んだりして、身体の動きによってワンピースのフォルムが変化することを教えてくれる。会場の天井に装飾されていたサークル状のモチーフが、ゆっくりとモデルの頭上に降りてくるという“早着替え”風の演出もあった。つい先ほどまで一枚の丸い布であったのに、頭上から降りてきたそれはモデルの肩から地面に向かってすとんと落ち、プリーツワンピースへと姿を変えたのだ。このプリーツドレスには伸縮した素材が使われている様子で、彼女たちが上下に飛び跳ねるのに合わせて、リズミカルに上下に揺れるのである。満面の笑みを浮かべながら思い思いにジャンプを繰り返す彼女たちもまた、“動く楽しさ”のある洋服の魅力を伝えてくれている。躍動感のあるグラフィックも鮮やかな色彩だけでなく、力強いグラフィックも目に留まった。ホワイトのキャンバスに空のようなブルーを走らせたプリントは、2人の人間が抱き合っている様子をイメージしたもので、近藤の“特にお気に入り”とのことだ。身体と洋服の関係を見つめ直してフィナーレはモデルたちが一堂に集結。全員が互いに手を繋ぎ、輪になってくるくると回ると、溢れるばかりの笑顔を浮かべて会場を後にした。地域も世代も体型も異なるあらゆる人にとって“喜びを感じられる”服、それは“動いて楽しい”服であるのかもしれない。身体と洋服の関係性を今一度見つめなおした近藤の服は、そんなことを教えてくれた気がする。
2019年09月30日ディオール(DIOR)の2020年春夏コレクションが、2019年9月24日(火)、フランス・パリにて発表された。カトリーヌ・ディオールにオマージュを捧げて今シーズン、 アーティスティック ディレクターのマリア・グラツィア・キウリがインスピレーション源にしたのは、ある写真。クリスチャン・ディオール最愛の妹カトリーヌ・ディオールが、庭の花に囲まれているアーカイブフォトから想像を膨らませた。花々を愛で、育てることに情熱を注いだ彼女は、メゾンを代表するフレグランス「ミス ディオール」のモチーフとなった人物としても知られている。ロンシャン競馬場に現れた庭園ロンシャン競馬場に設置された特設会場の中に一歩足を踏み入れると、そこに現れたのも、カトリーヌにオマージュを捧げているかのような美しい庭園。多種多様な木々が生い茂るこのガーデンは、都市で園地栽培に取り組むアーティスト集団、アトリエ コロコ(Coloco)とのコラボレーションによって実現したものだ。ショーの幕開けと共に、モデルたちがこの木々の合間をぬうようにして歩みを進めていく。ボタニカル刺繍やラフィア素材ランウェイに登場するのも、カトリーヌが愛してやまない花々や植物をモチーフにしたしたピース。マリア・グラツィア・キウリが好んで起用するシースルースカートやロングドレスにはボタニカル刺繍を施した。ナチュラルなラフィア素材を用いたミニドレスやジャケットも今シーズンのキーアイテムとして存在感を放っている。どこか儚げなカラーリング花がモチーフと聞いて鮮やかなカラーリングを連想したゲストも多かったであろうが、パレットには華美な色彩を多くは用いていない。植物のエンブロイダリーやプリントには、自然が本来持っているであろう色彩が起用されており、いつか命を終えることをわかっているかのような、どこか儚げで刹那的なムードさえ感じさせる。またそのナチュラルなカラーを引き立てるため、服地はホワイト、ベージュ、グレー、ブラックといったベーシックカラーで染め上げた。サドルバッグやブックトートの新作もレディトゥウェアからアクセサリー類へと視線を移すと、サドルバッグやブックトートなどのアイコンバッグにも、花々が咲き乱れている。軽やかなムードをもたらすラフィア素材のフラットサンダルやエスパドリーユ、ハットなどは、温かな季節の訪れを祝福しているかのようにも感じられる。人間と地球との考えを見つめ直すマリアグラツィアキウイがコレクションピースの上に花々を咲かせ、木々を植え付けたのは、単にその美しさを称賛するためだけではない。このコレクションは、自然を心から愛したカトリーヌに敬意を評しつつ、私たちにサスティナビリティを見つめ直すきっかけを与えるものでもある。ディオールを愛するファンたちも、レディトゥウェアに袖を通し、アクセサリーを携える度に、私たち人間と豊かな自然を擁する地球との共存に想いを巡らせるに違いない。
2019年09月29日クレージュ(courrèges)の2020年春夏コレクションが、2019年9月25日(水)、フランス・パリで発表された。リバーサイドにランウェイが登場ヨランダ・ツォーベルがアーティスティックディレクターに就任してから、“接近”型ランウェイや、プラネタリウム風の神秘的な空間でのショーなど、様々な演出で観るものを楽しませてくれるクレージュ。3シーズン目の今回、ゲストのシートが用意されたのは、セーヌ川とラ・ヴィレット貯水池を結ぶサン・マルタン運河のリバーサイドだ。パリ市民の憩いの場でもあるこの運河沿いに、今日だけはオレンジのネオンライトが光り輝いている。ショーミュージックが鳴り響くと共に現れたのは、運河をゆっくりと進んでいく一隻のクルーズ船。薄っすらとスモークが立ち込めるこの船の中を、よく目を凝らして見てみると、どうやらコレクションピースを纏ったモデルたちを運んでいる様子。船が岸に寄せられると川沿いに伸びたランウェイに彼らが上陸し、右岸からアーチ状の橋を渡り、左岸へとその歩みを進めていく。ネオンカラーを主役に今シーズンの鍵を握るのは、ネオンカラーのようだ。序盤に目を惹いたのはインビテーションとして届いたスカーフの色や、川沿いを照らすライトとも連動したオレンジ。ルーズに編み込んだニットウェアや、ブランドロゴを散りばめたチェック柄のセットアップなどが登場した。オレンジと同様に存在感を放っていたのがネオングリーン。ショート丈のジャケットやミニスカート、うねるようなサイドラインをあしらったロングパンツが現れる。アクセントとしてイエローのスパッツやブルーのインナーも加えられた。グラフィカルなカットワークグラフィカルなカッティングも今季の特徴の1つ。胸元をトライアングル上にくり抜いたミニドレスや、斜線上にカッティングを入れたショートトップス、左肩に雫型のカットワークを施したワンピースなどが終盤にかけて投入されていく。また、これらはレイヤードの楽しみを教えてくれるものでもあるのだ。“Paris”ロゴのニットウェアニットウェアは“Paris”のロゴをバックスタイルに配して味付け。フード付きのロングマントやロング丈のニットウェアは背中に、ロングパンツやタイトスカートはヒップに、遊び心溢れるグラフィックをあしらった。フィナーレに差し掛かると両岸から橋に向かってモデルたちが集合。全員がブリッジの上に整列すると会場から拍手がわき、ショーの幕が閉じた。
2019年09月29日ロシャス(ROCHAS)の2020年春夏コレクションが、2019年9月25日(水)、フランス・パリで発表された。カラフルな色彩を楽しむシーズン今季のロシャスは、鮮やかなカラーパレットを存分に取り入れたシーズン。ジューシーなオレンジのロングドレスや、新緑を思わせるグリーンのプリーツスカート、淡いピンクのシャツブラウス、ミントカラーのフレアスカートなど色とりどりのピースがランウェイを染め上げている。温かな季節に纏いたい心躍るピースが揃った。スタイリングにも色遊びが感じられ、フレッシュなイエローのシャツブラウスに鮮烈なレッドのパンツを合わせたり、ブルーのジャケットにグリーンのハーフパンツを組み合わせたりした。足元に一貫して投入したスリングバックシューズも、ロイヤルブルーやビビットピンクなど、ウェアに劣らぬ存在感を放っている。輝く装飾やメタリックなファブリック光り輝く装飾やメタリックカラーのファブリックが用いられているのも今季の特徴の1つ。フレアシルエットのドレスには、繊細な煌めきを放つビジューをふんだんに散りばめた。メタリックな輝きのコートには、服地に特別なシワ加工を施したり、細やかなプリーツを入れたりすることによって、その煌めきを増幅させる仕掛けを取り入れている。ロングリボンを軽やかになびかせてディテールで目を引くのは、あらゆるアイテムにあしらわれたロングリボン。クチュールメゾンとして誕生したロシャスの誇りを感じさせるボリューミーやAラインのドレスルックには首に巻きつけるようにして、ロングパンツにはベルトループに通すようにしてスタイリングされている。床につくほど長いリボンは、まるで春夏の爽やかな風を受けてなびいているかのように、モデルが歩くたびに美しく揺れ動いていた。
2019年09月29日ネヘラ(NEHERA)の2020年春夏コレクションが、2019年9月25日(水)、フランス・パリで発表された。シーズンテーマはFLOWING SUBSTANCE。テーラードをエフォートレスに着る今シーズン、ネヘラが取り組んだのは、エレガントなテーラードアイテムを、春夏にふさわしい軽やかさを持って仕立てること。アメリカのデザイナー、クレア・マッカーデルが女性にとって着心地の良い快適な洋服を追い求めた姿勢がインスピレーション源になっている。たとえばトレンチコートには襟下から裾まで深いバックスリットが入っており、本来ならばかっちりとした印象のアイテムをエフォートレスに着こなす仕掛けを施した。何通りもの着こなしを楽しめる服ネヘラが得意とするこのダイナミックで構築的なパターンは、洋服の何通りもの楽しみ方を教えてくれるものでもある。ノーカラージャケットには左右のショルダー部分から裾までバックスリットが入っているのだが、このスリットによって切り取られたパーツをフロントの襟部分にあるボタンに留めることで、斬新なフォルムで着こなすことが可能だ。また腕を袖では無くスリット部分に通し、ウエストを付属のベルトで結べば、前方から見るとオフショルダーのブラウス風に、後方から見るとノースリーブジャケット風に着こなすこともできる。気分やシーンに合わせて自由自在にフォルムを変えるこのジャケットは、仕立てこそ構築的であるものの、洋服を身に纏う女性に寄り添ったものであるのだ。スポーツウェアから着想したピース機能的なスポーツウェアに着想を得たピースも、今シーズンの特徴の一つ。テクニカルファブリックを用いたドレープコートや、モデルの脚にぴったりと沿ったハーフパンツなどもランウェイに顔を出す。ニュアンスのある鮮やかな色彩カラーパレットはホワイト、ベージュ、ブラックなどブランドのシグネチャーであるベーシックカラーだけでなく、鮮やかなレッドやイエロー、ジューシーなオレンジ、爽やかなペールブルー、セージなど極めて多彩。それらは絶妙に設計されたカラーリングで、煩雑な印象をもたらすことなく、エレガンスを保っている。前衛的なペイントをのせて唯一アクセントとして加えられたのが、ポストモダニズムの代表的なアーティストとして知られるLaco Terenによるアートワーク。ブランド誕生の地であるスロバキアの画家が描いた前衛的なペイントが、ホワイトのノースリーブドレスやシャツに躍動感をもたらす。
2019年09月29日サンローラン(Saint Laurent)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、2019年9月24日(火)に、フランス・パリにて発表された。空模様までも味方にサンローランがコレクション発表のために屋外ステージを用意した場所は、今季もエッフェル塔を望むトロカデロ庭園。パリの空はあいにくの雨模様にも関わらず、今シーズンも待っていましたとばかりに、パリ市民がショーを一目見ようと集まっている。ファッションショーを目前に雨風がより一層勢いを増していたが、開始のアナウンスが流れる頃には、サンローランが魔法をかけたかのように、雨がぴたりと止んでいた。直前までどしゃぶりだったことを教えてくれる水の溜まったランウェイや会場に立ち込める霧さえもが、ショー演出の一部であるかのようだ。ショーは、ステージ上に設置された無数の回転式のスポットライトが光の柱を生み出し、重低音が鳴り響くとともにスタート。モデルたちはこの光線が作り出した幻想的なアーチの下をくぐって、キャットウォークを闊歩していく。マニッシュなジャケット&パンツスタイルショー序盤は、ダブルブレストのノーカラージャケットにシャツやパンツを組み合わせたルックなどがメインで、ややマニッシュな印象。しかしながらスーパーショート丈のパンツや胸元を深く開けたシャツなどをスタイリングしているため、アンソニー・ヴァカレロが得意とするセンシュアルな女性らしさも感じさせる。輝きを纏ったエレガンス突然ロングボトムスのルックが現れると様子は一変。煌めく刺繍をあしらったシースルードレスや、細やかなプリーツを入れたゴールドカラーのスカートなどによって、ランウェイが輝きで満たされる。ランウェイを照らす力強いスポットライトにも引けを取らない、眩いばかりの煌めきだ。中盤特に存在感を放っていたシースルーのドレスやブラウスには、メゾンのコードであるブラックだけでなく、ネイビーやボルドー、ダークグリーンなど深みのある上品なパレットを採用。アイテム自体もひざ下丈のドレスやフレアシルエットのスカートなど優美なものに変わり、エレガントなフェミニティが加速していく。漆黒の世界に煌めきをもたらすフィナーレに近づくにつれランウェイを席巻したのは、真っ黒に染まったテーラードジャケットやうねるようなカッティングを施したリトルブラックドレスなど、漆黒のピース。ただしそれらはシークインやラメなどの装飾を施したテキスタイルで仕立てられており、ステージのバックにそびえ立つエッフェル塔と連動するように、きらきらと眩い輝きを放つのである。
2019年09月28日アンリアレイジ(ANREALAGE)の2020年春夏コレクションが、2019年9月24日(火)に、フランス・パリにて発表された。テーマは「アングル」デザイナー森永邦彦は、2019-20年秋冬コレクションから「服」そのものにフォーカスした新しい実験をスタートした。「ディテール」をテーマに服の細部をデフォルメした前シーズンに対して、今シーズンは「アングル(ANGLE)」をコンセプトに据えている。森永が注目したのは、画像化したデジタルな洋服のイメージが、カメラアングルによってその形を変容させる点。立体的な3Dの洋服を、平面的な2Dの画像イメージに変え、それをハイアングル、ローアングル、サイドアングルといった視点から見つめ直すことで、新しい洋服の構造を模索している。定番服を3つの視点から見つめ直すステージに登場するのは、オックスフォードシャツやカレッジTシャツなど誰もが目にしたことのあるベーシックウェア。ただし、様々なアングルで捉えたその洋服たちは、斬新なシルエットに再構築されている。エンブレム付きのブレザーを例にとると、ハイアングルから見たピースは、肩幅やアームホールをオーバーサイズに、ウエストや袖口をスリムに仕立てることで、逆三角形のフォルムへと導いている。サイドアングルから捉えたものは、右袖が前身頃に、左袖が後ろ身頃に移動したかのようなアシンメトリーなシルエットが印象的。ローアングルから再構築したピースは、首回りを極端に小さく設計し、裾に向けて緩やかに広がっていくAラインシルエットに仕上げた。襟やボタンといった細部にいたるディテールまでデフォルメされている。立体?平面?だまし絵のような服また、身に纏うと立体的な“洋服”であることに間違いはないのだが、平面的なイメージからパターンを起こしているため、折り畳むとフラットな“和服”のようになる点も面白い。トレンチコートのショルダー部分に注目すると、本来ならば肩に沿うようなパターンが用いられるはずが、森永が仕立てた服は平置きした時に真っ平らになる設計が施されている。バッグなどの小物においてもそれは顕著で、キャンバストートやキルトレザーのハンドバッグなど通常厚みのあるバッグが、薄いフラットなバッグに姿を変えて登場。遠近法を巧みに使った“だまし絵”のようなビジュアルとなっており、ウェアに負けないほどの存在感を放っていた。演出にもこだわりショーの演出にも、アンリアレイジらしい感性が光る。1つのベーシックウェアをベースとした3体のルックを同時にランウェイに登場させることで、それぞれの違いを浮き彫りにしたのだ。また前シーズンに引き続き、ショー前にインスタグラムでコレクションピースを公開するという斬新な手法を取った。通常“ネタバレ”となってしまうような行為だが、アンリアレイジにとっては、これもゲストを楽しませるための1つの仕掛け。インスタグラムで公開されたトロンプルイユのような画像を目にした人は、これは立体なのか、果たして平面なのか…疑問を拭えぬままショーに向かったはずだ。なおショーミュージックは、以前より森永と親交の深いサカナクションの山口一郎と、山口が代表を務めるNFの青山翔太郎が担当。世界最古の電子楽器テルミンなどを用いて今シーズンの世界観を表現した。
2019年09月28日メゾン マルジェラ(Maison Margiela)の2020年春夏「デフィレ」コレクションが、フランス・パリで発表された。メンズ・ウィメンズの新作を合同で披露。現代社会の“記憶”に注目今シーズン、クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノが注目したのは、情報が溢れるデジタル時代に生きる私たち中にある“記憶”。無数の情報が飛び交う現代社会において、記憶は歪められ、改ざんされ、そして次第に薄れていく。そんな状態に警鐘を鳴らし、歴史や、歴史が私たちに教えてくれる物事の“本質”に目を向けるべきだというメッセージが込められたのが、今季のコレクションだ。先に発表したオートクチュールにあたる「アーティザナル」コレクションのアイデアから生まれたものでもある。本質とは何かを問う服本質とは何かを問う必要性を教えてくれるのは、たとえばヘリンボーンのテーラードジャケットに隠されたある仕掛け。このジャケットには、プリント機がハッキングされてしまったかのような“ハック・プリント”という白いグラフィックが施されているのだが、ヘリンボーンとこのプリントを見比べると、実際にはヘリンボーンはトロンプルイユであり、コットンで仕立てられているという真実に気づかされる。無数の丸いハンドカッティングも、今シーズンを象徴するディテール。トラウザーを再解釈したドレスの上には、洋服を淡いベールで包み込むようなオーガンザがレイヤードされているが、そこには無数のホールが開いている。人は無意識に穴の中を覗こうとし、本質とは何かを意識するのだ。ユニフォームを進化させるベースとなっているのは、セーラーカラーの学生服や、メンズのテーラリングなどある種のユニフォームとされるもの。誰もが袖を通したことのある制服を再解釈することにより、人々の記憶や心地よさにつながる感覚を呼び起こす。また同時に、オーセンティックなウェアを再構築し、従来の洋服よりもより良いものを生み出していくという“アップサイクリング”の概念を体現したものでもある。
2019年09月28日プラダ(PRADA)の2020年春夏コレクションが、イタリア・ミラノで発表された。“服を着る”ことへの原点回帰、プラダの考える新しい女性らしさ2020年春夏シーズンのプラダは、人が服を着るという、本質への原点回帰を行った。ただ古いものをそのまま現代に蘇らせるわけではなく、モダンな解釈を加えて“今の女性像”にあった新しいものへと作り変えている。今を作る時代のハイブリッド服の起源を辿る上で、自然へと回帰するプリミティブな素材を主役に立てた。ワンピースやスカートのガーゼ素材、帽子やバッグに用いられたラフィアなどがそうだ。それとは対照的とも思えるヘリンボーン柄の肉厚なベルベットなども印象的で、プラダらしい時代のハイブリッドが垣間見える。かつてのシルエットを参考にしたジャケットスタイルは、ポケットのフラップをビッグサイズにして、配置は低めに設定。ステンカラージャケットとスカートのセットアップは、ツイードやレザーなどの素材で組み合わせて、レトロシックなムードに捻りを効かせた。ディテールでほんのり味付けしたルックは、今の新しいスタイルへと直結している。装飾が生む、現代的エレガンスもともと服は1枚の布が始まりだ。だからこそ、トップスはレザーをそのまま肩紐で吊るしたようなものだし、スカートはラップ式がほとんど。一見単純な服には、技巧的な刺繍を施すことで過去にはない気品を纏わせている。自然をデザインへと昇華する試みも多々あり、ボタニカルな柄は精緻な手刺繍で意気揚々とゴートレザーのスカートや、シルクドレスにあしらわれた。自然に由来するバッグやシューズ小物は、過去に由来する素材使いと、時を感じさせるデザインから完成している。今季のシューズは、レザーの編み込みがアッパーやサイドに施され、まるで履き古したようなヴィンテージタッチのカラーがのせられた。フラットサンダルのアッパーもレザーの編み込みで涼やかに演出し、カラーバリエーション豊富に提案している。プラダの真骨頂であるサフィアーノレザーのバッグにも、編み込みでひと工夫を加えた。さらにラフィア素材をはじめ、原始的なムードを漂わせるバケツ型バッグが豊富に揃っているのも特徴的。言わずもがなアイコニックなナイロンバッグは、半月型のハンドバッグとして登場している。
2019年09月27日プラン シー(Plan C)の2020年春夏コレクションが、イタリア・ミラノにてプレゼンテーション形式で発表された。デザイナーのカロリーナ・カスティリオーニ自身が考える“自分の着たい服”プラン シーの提案するワードローブは、デザイナーのカロリーナ・カスティリオーニが目指すのは、“自分が着たい服”。今季は、ワークウェア、スポーツウェア、アーバンウェア、イブニングウェアといったあらゆる境界線を取っ払って、新しいジャンルのアプローチを試みた。それらは“自分の着たい服”なのだから、どんなエッジィなハイブリッドであっても、快適さを保っている。楽しいテキスタイルとコンフォータブルな魅力キーテキスタイルとして登場するチェック柄は、様々な表現でスタイリングに取り込んだ。フォーマルなグレンチェックのスーツから、グリーンとブルーがクロスするグラフィカルなギンガムチェックまで、クラシックにもポップにも表情を変える。そして今季のキーカラーであるジェイドグリーンの爽やかな色彩は、ボックスシルエットのマニッシュなスーツやトレンチコート、あるいはフェミニンなプリーツスカートなどで楽しんでいる。フローラルプリントも、境界線のないプレイフルなコレクションに一役買っている。ライトなカラーリングで描く花柄はまるでフェミニンの象徴のよう。ハイパーロングのスカートにあわせたり、ドローコードでシルエットを遊べるスポーティなロングベストにあわせたりと、表情豊かに組み合わるスタイリングは日常感たっぷりでエフォートレスだ。“イイトコどり”なハイブリッド境界線のないハイブリッドな要素を言及するなら、ヴィンテージスポーツから着想を得た、ポロドレスやニットポロシャツなどカラーブロッキングのカーディガンを挙げたい。スポーティでありながら、エレガントなテクスチャーのスカートとのコンビネーションを楽しむのも今季らしい特徴だろう。また、ナイトシーンを想起させるドレスに、あえてポップなポルカドットを配しているのも面白い。アイコン的存在、カロリーナの娘が描く絵すっかりブランドを代表するモチーフとなったカロリーナの娘が描く、遊び心たっぷりの絵も、これらのウィットに富んだワードローブにあしらわれる。シャツやプルオーバーのほか、片手に持ったバッグにも登場させ、“自分の着たい服”の中でお気に入りのアイテムを増やしている。
2019年09月27日モリー ゴダード(MOLLY GODDARD)がロンドンで2020年春夏コレクションを発表した。
2019年09月27日クリストファー ケイン(CHRISTOPHER KANE)がロンドンで2020年春夏コレクションを発表した。
2019年09月27日シモーネ ロシャ(SIMONE ROCHA)がロンドンで2020年春夏コレクションを発表した。
2019年09月27日マメ(Mame Kurogouchi)の2020春夏コレクションが、パリ・ファッション・ウィーク初日の2019年9月23日(月)に発表された。トップバッターとして公式スケジュール初参戦マメがパリコレのトップバッターを飾った。東京都と繊維ファッション産学協議会によるファッション プライズ オブ トウキョウの支援を受け、2018-19年秋冬コレクションで初めてパリコレに参戦して以来4シーズン目を迎えるが、公式スケジュールでコレクションを披露するのは今回が初めてとなる。コンセプトは“包む”という概念今季、黒河内真衣子のインスピレーション源になったのは、自身を繭で覆った蚕虫が、世界を淡いフィルター越しに覗く様子。繭に“包まれた”蚕虫は、ディテールの消失した本質のみが映る世界を見ているのではないか...そんな想いを巡らせつつ、日本語で包容の意味を持つ「EMBRACE」をシーズンテーマに据えた。この“包む”というコンセプトを中心に据え、春の芽吹きや日常に溢れる命の気配に耳を傾けつつ、身体を守り“包む”役割を持つ洋服を作り込んでいる。また、アート・ディレクターの岡秀行が1972年に出版した『包』にもオマージュを捧げた。モチーフは日常的なオブジェクト“包む”という概念をコレクションピースに落とし込むにあたりモチーフとなったのは、和菓子を納める外箱やカラス除けのネットなど、誰もが日常的に目にしていながら見過ごしてしまうようなものたち。たとえば、草木を守るために広げられたネットや、無造作に放置された漁網が、ルーズに編み込んだノースリーブのメッシュトップスや、バックスタイルをリボンで結んだロングドレスへと姿を変えている。曇りガラス越しに見る夏の風景は、モデルが歩くたびに袖から流れ落ちるようにして揺れ動くフィルム素材のフリンジを施した、シアー素材のレイヤードドレスによって表現された。当たり前のように存在する身近なオブジェクトや旅先で見つけた日本の風景を再構築し、新たな命を吹き込むというクリエーションの姿勢は、これまでにも黒河内が大切にしてきたことだが、今季も健在のようだ。透け感のあるピースをレイヤードスタイリングで目を惹いたのも、メッシュトップスやシアーなワンピースといったベールで衣服を“包み込む”という手法。レーシーな羽織を軽やかなドレスに重ねたり、ネットトップスを光沢感を纏ったノーカラーコートの上に被せたりと、様々な素材で仕立てた洋服に透け感のあるピースをレイヤードすることで、力強くも柔らかなムードを演出している。マメを愛するファンの心を掴んで離さないPVCバッグも、モデルたちがあえてネットワンピースで覆うようにして携えている点も印象に残った。キーカラーはグリーン&ホワイトキーカラーは、春になると私たちを取り囲み、新しい季節の訪れを教えてくれる新緑のようなグリーン。そして、眩い日差しを彷彿とさせるホワイト。メインとなるカラーを潔く2色に絞っているが、刺繍、プリント、染め、織りなど幅広い表現が入り交じった服地は、リズミカルな表情を湛えている。トッズとのコラボパンプスが登場視線を足元まで落とすと、マメのアイコニックなドレスを思わせるエレガントなカッティングのパンプスが目に入るが、これはトッズ(TOD’S)とのコラボレーションによるもの。イタリアのクラフツマンシップとマメの感性が融合したスリングバックシューズが、コーディネートをより品格ある佇まいへと導いている。
2019年09月27日ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)の2020年春夏ウィメンズコレクションが、イタリア・ミラノで発表された。大地から空へ、羽ばたく妖精のように失恋の末、声のみを残して消え、木霊となってしまった森の妖精エコー。“女性らしさとは何か”を例えにしたこのギリシャ神話とともに、今季のジョルジオアルマーニは「フェミニティ」を様々な自然界の要素を用いて表現した。大地のカラーでマニッシュ×フェミニンな序盤ランウェイの序盤には大地の色をメインに、ブラウンやグレーなどアースカラーのルックが揃った。自然の動きにも着目しており、パンツには、ジッパーを走らせることで、波打つ水面のような予想できない動きをもたらしている。さらに、2019年5月に日本を訪れたアルマーニが、和の文化に魅せられたことから、ジャケットに着物の帯のようなデザインも見て取れる。深い青は、雄大な大地と海の世界を表現するために欠かせないカラー。洗練された印象とともに、より広い世界をみせてくれる。ベルベッドのジャケットやシルクのワイドパンツなど、上品な光沢をもつこれら表現はきっと、次に続く壮大なフェミニンな世界への序章だ。徐々に見えてくる壮大なフェミニンの世界次に続いた爽やかなアイスブルーは、シースルーのレイヤードと相まって単色でも立体的。ドレスルックもパンツルックも、透明感あるファブリックの重なりでフェアリーなムードを漂わせた。足元は、先ほどから登場していたイントレチャートのマニッシュなレースアップシューズから一転、PVCを織り交ぜたボタニカル柄のポインテッドトゥパンプスをあわせている。さらに天空には、ドラマティックな花の世界が広がっている。先ほどと同じくレイヤードのテクニックは変わらないが、ビジューや刺繍による煌めきが加わった。まるでオートクチュールのように精緻で立体的な刺繍は、花や葉、花の甘い香りに引き寄せられた蝶たちなどを表現し、エレガントなドレスに物語を描いている。手法は様々で、長いフリンジ状にビジューを胸元からストンと落としたオールインワン、ビジューをあえてオーガンザのベールで覆ったワイドパンツなど。最後に登場したドレスは、ピンクとブルーの淡いカラーのボタニカル柄に、小さなスワロフスキー・クリスタルを配したメッシュをレイヤードして、ゴージャスに、そして堂々と「フェミニティ」を表した。
2019年09月27日