米Appleによれば、同社が提供する家電制御システム「HomeKit」に対応した最初のスマートデバイスが来月6月にも市場に登場することになるという。同件はWall Street Journalなどが同社広報のコメントとして5月14日(米国時間)に報じているが、この直前にHomeKitのリリース時期が8~9月ごろにずれ込むというFortune報道もあり、Appleが改めて声明を出して対応したものと考えられる。Appleが公式声明を出す14日未明(米東海岸時間)、Fortuneは独占レポートとしてHomeKitの提供時期がずれ込む見込みを関係者の話として報じている。もともとAppleはHomeKitの正式なローンチ日を一般公開しておらず、関係パートナーに対して内々に通知している状態だとみられる。だがFortuneによれば、CES時点での関係者の話として「春ごろ」というコメントが出ており、後にパートナーの1社がRe/codeに語ったところによれば「母の日(5月上旬)か父の日(6月上旬)の時期」を見込んでいるなど、少しずつ時期がずれ込んでいる様子がうかがえる。Fortune報道も、こうした経緯の中でパートナーの準備が整い、一斉に製品投入が行われる時期をうかがってのものということが背景にあるのではないのだろうか。だが同件を受けた数時間後、WSJを含む報道各社が次々とApple広報Trudy Muller氏のコメントを引用して公開した記事によれば、「HomeKit (のハードウェア認証)が利用可能になってからわずか数ヶ月ながら、すでに何十ものパートナー各社がHomeKit対応アクセサリ市場投入へのコミットを行っており、最初の製品は6月にも登場することになる」という。Appleの開発者会議「WWDC 2015」が6月8日から開催されることもあり、おそらくはこの「最初の製品」が基調講演などで紹介されるのではないかとみられる。また製品登場は望めずとも、少なくともHomeKitに関して何らかの発表がこのタイミングで行われる可能性は高いのではないか。実際、すでに自社のプラットフォームがHomeKitの正式認証を受けたことを公表するベンダーも登場しており、対応製品登場は間近というのが確かだろう。「HomeKit」はiOS 8以降に登場した家電やアクセサリをiOSデバイスから制御するためのフレームワークであり、HomeKitに対応したスマートデバイスであればiPhoneやiPad上から一元管理し、その制御を簡単に行える。HomeKitならではの特徴としては2点あり、1つはSiriを使って音声制御が可能なこと、もう1つは部屋単位やデバイス種別(フロア内の照明など)単位でグルーピングを行って一斉制御が可能なことで(1つのデバイスが複数のグループに参加可能)、デバイス数が増えるごとに複雑になりがちな家電制御が容易になるよう工夫されている点が挙げられる。特にグルーピングしたデバイス群には名称を付与して、これをSiriから「"寝室"の電気をすべて落とせ」("寝室"がグループ名)のような形で指示可能だ。
2015年05月15日サンワサプライは5月13日、USB 3.0に対応したマルチカードリーダ「ADR-3ML35BK」を発売した。UHS-IIスピードクラスに対応する。価格はオープンで、店頭予想価格は5,940円前後だ。ADR-3ML35BKは、SDカードやコンパクトフラッシュなど計59種類のメディアを読み取れるマルチカードリーダ。SDメモリーカードの高速インタフェース規格「UHS-II」に対応している。通常のSDカード用スロットに加えて、UHS-IIに対応したSDHC / SDXCカード用スロットを持ち、2枚のSDカードを同時に認識できる。このほか、microSDカード用、コンパクトフラッシュ用、メモリースティック用の計5スロットを装備。全部で59種類のメディアに対応している。本体前面には電源供給状況とデータアクセスを示すLEDライトを配置。インタフェースはUSB 3.0。USBバスパワーで動作する。対応OSはWindows XP / 7 / Vista / 8 / 8.1、Mac OS X 10.4以上。PlayStation 3 / 4でも使用可能だ。本体サイズはW86×D53×H14.5cm(ケーブル除く)、重量は約54g。ケーブルの長さは30cmだ。
2015年05月14日サンワサプライは5月13日、USB 3.0に対応したカードリーダー「ADR-3ML35BK」を発売した。UHS-IIスピードクラスに対応しており、SDカードやコンパクトフラッシュなど計59種類のメディアを読み取れる。価格はオープンで、推定市場価格は5,940円(税込)。ADR-3ML35BKは、SDメモリーカードの高速インタフェース規格「UHS-II」に対応したカードリーダー。通常のSDカード用スロットだけでなく、UHS-IIに対応したSDHC / SDXCカード用スロットを装備し、2枚のSDカードを同時に認識できる。SDカードスロット×2基のほか、microSDカード用スロット、コンパクトフラッシュ、メモリースティックの計5スロットを装備。全部で59種類のメディアに対応している。電源はバスパワー。ケーブルの長さは30cmだ。本体前面には電源供給状況とデータアクセスを示すLEDライトを配置。インタフェースはUSB 3.0。対応OSはWindows XP / 7 / Vista / 8 / 8.1、Mac OS X 10.4以降。PlayStation 3 / 4でも使用可能だ。本体サイズはW86×D53×H14.5cm(ケーブル除く)、重量は約54g。
2015年05月13日Appleは、サードパーティによるApple Watchのバンド開発ガイドラインを公開し、磁気充電器を搭載したバンドは「Made for Apple Watch」として認可しないと明記した。同社が公開したWebページでは「Creating Bands for Apple Watch」というタイトルで、Apple Watchのバンドを開発するためのガイドラインである「Band Design Guidlines for Apple Watch」をPDF形式で公開している。「Band Design Guidlines for Apple Watch」には、アップルが定める認証プログラム「Made for Apple Watch」に関する記載がされている。磁気充電器を備えてはならない、快適なフィット感がなければならない、腐食や横方向への強度など一定の試験に合格しなければならない、といったことを認証を受けるための条件として明記している。そのほか、同ガイドラインでは、Apple Watchの詳細な設計図も公開されている。また、バンドと本体を固定するラグを開発者に向けて、近日中に提供開始するという。
2015年05月07日Apple Watchは、AppleがiPad以来5年ぶりに世に送り出した新しいカテゴリの製品です。iPhoneの親戚のようなものではありますが、違う部分もイロイロ。ここでは、Apple Watchの機能や使い方、便利なTipsなどを紹介していきます。今回はまず、Apple Watchを使うためのハードとソフトの準備についてです。○Apple WatchとiPhoneの関係Apple Watchは、時計であると同時にiPhoneと切り離しては使えない"iPhoneの周辺機器"です。もしあなたがiPhoneを持っていなければ、箱から取り出したApple Watchを目覚めさせることすらできません。目覚めさせた後はApple Watch単体でも使うことができますが、やはりiPhoneとの接続がなくては本来の機能を活かすことができません。iPhoneと接続されていれば、Apple WatchはiPhoneの小さな"出張所"として機能します。わざわざ市役所へ行かなくても、近くにある出張所で住民票を取れるのと同じように、iPhoneを取り出さずにApple Watchで電話ができる、といった感じです。しかし出張所ではできない手続きを行ったり、出張所そのものを管理するためには、本部機能としての市役所が必要です。同じように、Apple Watchだけではできないことや、Apple Watchの管理をするために本部機能としてのiPhoneが必要になる、というわけです。ただし、Apple Watchと接続できるのはiPhone 5/5c/5s/6/6 Plusの5モデルに限られます。iPodやiPadも対象外となっています。○Apple Watchの「設定」アプリはiPhoneにiPhoneを持っている方なら、ホーム画面にある「設定」アプリを使ったことがあるでしょう。各種通知やサウンド、iCloud、アプリの設定、またOSアップデートなど、iPhoneとアプリに関する様々なマネジメントを行うためにはこれが必要です。Apple Watchにも同じく各種設定を行うためのアプリがあります。それが、iOS 8.2でiPhoneのホーム画面に現れた「Apple Watch」アプリです。Apple Watchアプリでは、Apple Watchフェイス上のアイコン表示や通知、文字やサウンドの設定といった各種マネジメントを行うことができます。また、Apple Watchの活用法やTipsを紹介するコンテンツ、Apple Watchで使えるアプリを集めた「おすすめ」などもApple Watchアプリから利用できます。Apple Watchアプリの詳しい使い方は、次回ご紹介します。今回のまとめApple Watchを使うには、ハード的にはiPhone 5以降のiPhone、ソフト的にはiOS 8.2以降のApple Watchアプリが必要。
2015年05月06日本日24日はApple Watch発売日。新宿近辺で取材を行っていた筆者の目に飛び込んだのは「Apple 新製品 本日発売 今なら在庫あります」の文字。「Apple Watch」ではなく、「Apple 新製品」と書いてある理由は謎だが、早速売り場へ行ってみた。試着から、購入、開封、セットアップまでをレポートする。売り場へ行くと、すぐにApple Shopのお姉さんが接客してくれた。客も少なく、穴場かもしれない。当初は、購入予定は無かったが、お姉さんの「在庫があるモデルはすぐに持ち帰れますよ」の言葉に購入を決定。本当は、「38mmステンレススチールケースとミラネーゼループ」が欲しかったが、店頭在庫がなかったため、すぐに持ち帰れる「38mmステンレススチールケースとブラッククラシックバックル」モデルを購入。買うモデルを告げると、製品確認シートをもらいレジに案内された。○いよいよ開封の儀!外箱をあけると、今度は一回り小さい白いプラスチックの箱がお目見えした。内箱はプラスチック素材でしっかりしており、重量感と高級感がある。心なしか、Mac miniを彷彿させる。○ここから、セットアップここからはApple Watchのセットアップを行う。ますは、iPhoneとApple Watchをペアリングする。ペアリングの方法は、iPhoneのApple Watchアプリを起動し、カメラでApple Watchの画面を撮ることで行える。次は、Apple Watchのセットアップ作業へ。まずは、装着する腕を聞かれた。筆者は普段時計をする腕と同じく左手に設定。その後、利用契約に同意し、Apple IDのパスワードを入力した。「位置情報サービス」「Siri」「診断」を利用する有無を設定する。iPhoneと同じく、ロック解除用のパスコートを設定できる。最後にアプリのインストールを行う。「すべてをインストール」を選択した場合、iPhoneに入っているアプリの中でApple Watch用アプリがあるものがすべてインストールされるようだ。これで、Apple Watchのセットアップは終了だ。着けた感じだが、普段から腕時計を付けているため、まったく違和感はない。ただ、通知が来る度にブルっと震えるのがまだ慣れない。震えるたびにゾワゾワした気分になるが、そのうち慣れるだろう。
2015年04月24日Appleが、4月22日のEarth DayにあわせてWebサイトを更新した。「真のイノベーションには、あらゆることへの配慮が不可欠だと、私たちは信じています。」という文言で環境問題にコミットする姿勢を示している。また、一部のApple Store実店舗ではAppleロゴの葉の部分がグリーンに変更されている。同社Webサイトのトップページでは、「真のイノベーションには、あらゆることへの配慮が不可欠だと、私たちは信じています。」というメッセージが綴られ、環境活動に関したページも公開された。また、Apple Storeの表参道、銀座、心斎橋の3店舗ではこの日だけ、Appleロゴの葉の部分がグリーンに変更されている。さらに、iTunes Storeにも特設ページが開設されている。Appleは、The Conservation Fundと提携し、製品パッケージを作るために利用する森林の保護と造成に取り組んでいるという。また、オレゴン州プラインビルのデータセンターに電力を供給するための、再生可能なマイクロ水力発電プロジェクトもスタートさせた。さらに、自社オフィスや実店舗のApple Storeが利用する電力をまかなうために、中国にソーラーファームを建設している。この様子はムービーで観ることができる。このWebサイトではほかに、気候変動の問題、再生可能な資源、有害物質の排除、などのトピックが立ち、Appleの具体的な取り組みについて詳細が記されている。Appleでは自社製品のエネルギー消費を削減するために、コンセントからデバイスへの電力供給をより効率の良いものにする、より効率の良いハードウェアを作る、より賢い電力管理ソフトウェアを用意するという3つの方法に取り組んでいる。先頃発売となった新しいMacBookはその取り組みの成果といえる製品ではないだろうか。また、iPad、MacBook、MacBook Pro、MacBook Airといったユニボディ構造を持った製品群は、耐久性を高めると同時に本体を一段と薄くすることにも成功し、結果として資源を節約する具体案に結びついている。
2015年04月22日●iPhoneのカメラが大きく進化?米AppleがイスラエルのLinX Computational Imagingを買収したと米Wall Street Journalが4月14日(米国時間)に報じた。同紙が関係者の話として伝えるところによれば、買収金額は2,000万ドル程度が提案されていたようだ。現在LinXのWebサイトは半分壊れた状態で詳しい情報はほとんど残っていないが、WSJによれば、同社はスマートフォンやタブレット向けに複数の小型カメラセンサーを用いて3D映像の取得が可能な仕組みを開発しているという。これが具体的にどのような技術で、買収後のAppleからどのような製品が出てくる可能性があるのかを考えてみる。○LinXのカメラ技術でどういったことが可能になる?現在LinXのサイトそのものには記載されていないようだが、BusinessWireには同社が昨年2014年6月に配信したプレスリリースが残っており、これで製品や技術の概要を知ることができる。リリースにも記載されているが、昨今のスマートフォンやタブレット向けカメラはイメージセンサーの高解像度化や高級化路線が一段落し、新たな差別化ポイントを模索する段階に入りつつある。画質もさることながら、既存のイメージセンサーと有り余るプロセッサパワーを使って、いかに画像にさまざまな後処理を施すかという部分に力が注がれている。そこで登場したのがLinXの「アレイ(Array)カメラ」であり、1つではなく複数のイメージセンサーを組み合わせて一度に複数の画像情報を取得することで、従来のカメラにはないさまざまな仕掛けを可能にする。具体的には、複数のイメージセンサーを用いることにより撮影対象のかなり正確な"深度"情報の取得が可能になり、映像のピクセル間に存在する距離を認識して空間マッピングが可能になる。この情報を利用すれば、例えば撮影画像のオブジェクト間の距離やサイズが正確にわかるようになるほか、手前のオブジェクト(人物など)のみを抽出して別の背景と合成したり、あるいはフォーカスをかける対象を撮影後に変更したりと、従来のカメラ撮影では難しかった加工が容易になる。またイメージセンサーの数が増えることで、暗所撮影などで問題になるノイズ除去の精度が上がったり、スマートフォンに搭載される小型のカメラモジュールでデジタル一眼レフに近い画質の再現が可能であったりと、カメラそのものの性能が向上するというメリットがある。イメージセンサーから得られる情報が増えることで、おそらくは従来のHDRで不自然だった合成処理も、より自然なものに仕上がるという効果も期待できるだろう。●iPhoneに3Dカメラが搭載!?○搭載の進む3Dカメラ技術、以前に買収したPrimeSenseとの違い深度情報を得て空間把握が可能な「3Dカメラ」がコンシューマの世界に入ってきたのは比較的最近のことだ。最もメジャーなものは「3Dモーションセンサー」として人体の動きでゲーム機へのUI入力が可能な「Kinect for Xbox 360」で、Microsoftから2010年に発売された。Kinect for Xbox 360では現在Apple傘下にあるイスラエルのPrimeSenseが開発した技術が用いられている。現在のMicrosoft Kinectでは別の技術が用いられているが、PrimeSenseの技術では赤外線(InfraRed)照射装置とそれを受光する"深度センサー"、そして通常の周辺画像を取得するイメージセンサーとマイクを組み合わせることで、音声コマンドと人体モーションによるゲーム機の操作を可能としていた。3Dカメラの実現方式はさまざまなメーカーや研究所によって開発され数多存在するが、そのうちの多くはPrimeSenseが用いている「赤外線(IR)」+「深度センサー」の組み合わせというケースが多い。昨年末に対応製品(Dell Venue 8 7000 Series)が登場して話題になったIntelの「RealSense」もまた、このIR+深度センサーを用いた方式で、先ほど紹介したLinXが実現できる距離計測や後加工といった仕組みを実装している。Intelは2015 International CESにおいて、このRealSenseカメラを用いて3Dオブジェクトを"スキャン"し、3Dプリンタでこのスキャンしたオブジェクトを出力するデモを行っている。RealSense技術を採用したスマートフォンやタブレットを手に、3D印刷したいオブジェクトの周囲をまわることでその形状や表面の色(質感)データの取得が可能になるが、これは加速度センサーなどを組み合わせることで撮影画像をリアルタイムで合成し、ソフトウェアでモデリングデータを自動生成することで実現している。そしてIRを用いない方式の3Dカメラとしては、今回のLinXやPelican Imagingの技術が挙げられる。IR方式の3Dカメラにはいくつか弱点があり、まず屋外のような光の強い場所では測定誤差が大きいこと、そして赤外線照射距離の問題で数メートル~数十メートル程度の距離のオブジェクトの深度しか測れない。照射距離や時間を増やせば対応可能だが、モバイル端末ではバッテリ消費やモジュールサイズの問題もあり難しい。一方でLinXやPelicanが採用する方式は「複数の格子(Array)状のイメージセンサーを組み合わせて画像を同時撮影」する手法で3Dカメラの「深度情報取得」を実現しており、IRにまつわる問題を解決できるほか、屋内外のどちらでも比較的高品質な画像を取得可能になっている。●3DカメラはいつiPhoneに搭載されるかアレイカメラ方式の弱点としては、カメラモジュールのコストが高くなることが1点挙げられる。現在スマートフォンやタブレットに搭載されているイメージセンサーはハイエンドのものでも単価は10ドル未満であり、これとレンズやLEDフラッシュと組み合わせて搭載したとしても、製品全体のBOM (Bill Of Material)に占める割合はそれほど大きくない。現在タブレットへの採用が少しずつ進みつつあるRealSenseでも若干割高ではあるものの、それほどコストに大きなインパクトを与えるものではないと考えられる。ただし筆者が聞くところ、Pelicanのような専用カメラモジュールの場合はこれらに比べ2~3倍程度のコストを要するとのことで、これほどではないとしても、LinXの技術の採用はコスト上昇要因の1つとなるかもしれない。アレイカメラ方式のもう1つの問題として、処理加工のためにプロセッサパワーを非常に多く消費するという特徴が挙げられる。写真1枚撮影するだけで大量のデータが取得され、これを一度に処理しないといけないため、特にGPUに大きな負荷をかける。前出Pelicanのケースでは、デモ機に用いていたSnapdragon 805ではすでに重い状態で、商用化にはこれより1~2世代後のプロセッサが必要だと感じたレベルだった。おそらく現行で市場に存在するハイエンドのスマートフォンでも重い処理で、LinXにおいても同種の制限が存在するとすれば、実際にApple製品に搭載されるのは早くて2016年か2017年以降となると予想する。○AppleはLinXの技術をどのように製品に組み込むか現時点で買収済みのPrimeSenseの技術を採用した製品が市場投入されていない状態だが、Appleは近い将来にLinXの技術を採用した製品を市場投入してくることだろう。PrimeSenseはモバイル端末というよりもむしろ、デスクトップ環境やリビングルームでの「3Dモーションセンシング」に活用してくると考えられ、例えば今年後半にもAppleによる製品投入が噂されている「新型Apple TV」のUIに採用される可能性もゼロではない。前出のように、パフォーマンス的理由やBOMに与えるコストインパクトから、LinXの技術をiPhoneやiPadといったiOSデバイスに搭載してくるのは早くて来年2016年以降とみられる。AppleがLinXをiOSデバイスに採用する大きなメリットの1つが「カメラモジュールの薄型化」にある。LinXによれば、画質を上げるためにイメージセンサーのサイズを大きくするとレンズの厚みが増える問題が出てくる。ところが、同社の技術のように大型イメージセンサーを複数の小型のイメージセンサーの組み合わせで置き換えることで、このレンズ部分の薄型化が可能になり、カメラモジュール全体の薄型化を実現できるという。iPhone 6をよく利用するユーザーならご存じだと思うが、同製品は本体薄型化の弊害として「レンズ部分が飛び出ている」という、非常にデザインとしては"いただけない"ものになっている。英ロンドンでハイエンドスマートフォンの新製品「P8」を発表した中国のHuaweiは、「iPhone 6のようにレンズが飛び出していない」という点をセールスポイントに製品をアピールしていたりと、すでに多くがネタに使うようなデザイン上のウィークポイントだ。ゆえにLinXの採用はiPhoneのさらなる薄型化を実現する可能性も秘めており、さらに「カメラの新しい使い方の提案」も可能にするなど、大きな差別化ポイントとして機能するとみられる。いずれにせよ、非常に楽しみな動きだ。
2015年04月17日●WWDCはどんなイベントなのかAppleは2015年6月8日からの日程で、恒例となっている世界開発者会議(WWDC)をサンフランシスコで開催するとアナウンスした。今回は、このイベントで何に注目すべきかについて述べてみたい。○WWDCとは?WWDC15の参加費は1人1599ドル。もともと高額なチケットな上、昨今の円安もあって、日本円にして約20万円のチケットとなっているが、最新の情報を得ることができ、Appleの技術者のワークショップやハンズオンを受けられるため、アプリ開発者にとっては問題解決の近道であり、新たなアイディアをいち早く作り上げる場として重要視されている。WWDCは開発者向けのイベントだが、初日に行われる基調講演では最新のソフトウェアや技術的な解説に加えて、最新のハードウェアやサービスが披露される場としても活用される。そのため、開発者のみならず、一般のユーザーも、基調講演に注目している。2015年はソフトウェアとして、OS X Yosemite、iOS 8が、これらがデバイス間、あるいはクラウドを介して「連係」する機能、また新しいアプリ開発環境であるSwiftが披露された。WWDC15も、基本的には、OS Xの新バージョン、iOSの新バージョン、そしてSwiftのバージョンアップ、iCloudもしくはiTunesサービスの機能追加や刷新が軸になるとみている。WWDC15でも、将来リリースされるデバイスを見据えたOSの新機能の披露に期待することができるのではないだろうか。ただし、WWDCで披露されたソフトウェアをすぐに利用できるようになるわけではない。iOS 8は新型iPhoneがリリースされる9月中旬のタイミングからアップデート可能になった。またOS X Yosemiteの新しい写真管理アプリ「写真」(Photos)は、4月9日に公開されたOS X Yosemiteの最新バージョンとなる10.10.3でやっと利用できるようになっている。ちなみに、Mac向けのOSが「OS X」と名乗り始めてから、愛称には、ネコ科の動物に代わって、カリフォルニアの地名がつけられている。はじめはサーフィンの名所であるMavericks、現行のバージョンは美しく鋭い自然が豊かなYosemiteだ。いずれも写真がOS Xの標準の壁紙として利用されている。次の絵になる場所はどこになるだろうか。Appleは既に、いくつかの国立公園、名所の地名を登録している。Sonoma、Sequoia、Mojave、Venturaがそれに当たる。その他だとNapa、Alcatraz、Golden Gate、Hollywood、Cupertino、Tahoeといった地名も考えられる。SonomaやNapaが選ばれた場合、懐かしのWindowsの壁紙のような丘陵に広がる緑のワイン畑の風景が描かれることになるのだろうか。●「Kit」でiOSとその他デバイスをつなぐ開発環境が整う○「Kit」に注目前述の通り、WWDC15では、Mac向け、iPhone/iPad向けのOSと開発環境が軸となって、そのソフトウェア・プラットホーム的進化の方向性と具現化が見られるはずだ。そしてAppleのソフトウェア的進化の新たな側面として注目すべきは「Kit」類だ。Appleのソフトウェア開発環境には、多数の「Kit」と呼ばれるフレームワークが用意されている。iOSアプリ開発の中で利用するものも多数あるが、昨今は特定の目的のためのアプリ開発に活用したり、外部のデバイスとの連係を取るために用意されるものも増えてきた。例えばApple Watch向けには、WatchKitが用意されており、これを使ってiPhoneアプリにApple Watch向けのアプリやApple Watch向けの機能を内包することができる仕組みだ。その他にも、スマートホーム関連の連係を行うHomeKit、健康やエクササイズに関する情報を安全に蓄積するためのHealthKit、医療研究のためのアプリを開発することができるResearchKitなどによって、iPhoneやiPadと外部機器を連係させたり、Appleのデバイスをより高いセキュリティの情報を扱うために活用することが可能になる。WWDC15では、新しいKitが追加されるかもしれない。すでにAppleが取り組んでいる分野に対して開発者向けの環境を用意し、自律的に活用の幅を拡げていくことも考えられる。Appleは自動車の車載機でiPhoneを利用するためのCarPlayを有しているが、「CarKit」のようなものをより多くの開発者向けに用意し、ハンズフリーを前提としたインターフェイスに縛って、iPhoneアプリに車載機向けの機能を追加できるようにするかもしれない。同じように、Apple TV向けの開発環境「TVKit」のようなものが用意されれば、Apple TV向けのアプリも追加できるようになる。App Storeを新たに用意する必要はなく、Apple Watchのように、iPhoneやiPadのアプリにこれらのデバイス用の機能を含む、という方法を採れば良いのだ。●アプリによって変わる未来の生活○アプリによって生活が変わるアプリとこれらを開発するデベロッパーは、iPhoneやiPadの価値を高める大きな要素としてすでに評価されている。開発者たちにとって、iPhone・iPadの周辺にあるデバイスや環境でも自社のアプリが利用できるのは、ユーザー拡大とマネタイズの機会を拡げるメリットがある。Appleにとっては、身の回りのデバイスがiPhoneやiPadとの連携を強め、開発者の創造性が生かせる環境を作ることで、ユーザーのAppleデバイスへの依存性を高めることにつながり、Appleは「機種変更の際によりiPhoneを選んでもらいやすくなる」という効果がある。iPhoneで成功したモデルをより強固にし、新たな価値を作り出す、デバイス、OS、アプリとその開発者という三位一体のプラットホームへと、足場を固めることになるだろう。もう少しユーザーの目線で考えると、依存性を気にしなければ、身の回りのものに新たな機能が増えていく、そんな環境が広がっていくことになる。アプリによって生活が変わる、ということをより強く実感する未来が待っている。○個人的に期待すること最後に、個人的に、WWDC15で期待しているのは、iTunesの音楽アプリケーション、インターネットラジオサービスの刷新、Apple TVの進化だ。Appleは常々、音楽を大切にしていると表明しているが、ここ最近大きな動きは映像ストリーミングに移っている。音楽好きな筆者としては、新たな音楽との出会いを演出し、より生活の中で自然に楽しめる新しいアプリやサービスの登場に期待している。あるいは、iPhotoが「Photos」になったように、iTunesが「Music」や「DJ」に変わるような、大きな変化があっても面白い。そのときにどんな姿になっているのか、また別の機会に考えてみよう。松村太郎(まつむらたろう)1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura
2015年04月16日米Appleは4月13日(現地時間)、プロフェッショナル向けビデオ編集ソフトウエア「Final Cut Pro」「Motion」「Compressor」をアップデートした。「Final Cut Pro 10.2」では、ビデオエディタで簡単に3Dタイトルを作成・カスタマイズできる。テンプレートからドラッグ&ドロップするか、またはバックグラウンドやアニメーションも備えたシネマティックテンプレートを選び、テンプレートをベースに豊富な素材、ライティング、エッジを組み合わせてカスタマイズする。新しく3Dタイトルを作成するだけではなく、2Dタイトルから3Dタイトルを作ることも可能だ。ディスプレイを効率的に使えるプリセットレイアウトと共に、最大4つのビデオスコープを同時に表示可能。カラーボードが色補正エフェクトに統合され、より素早く操作できるようになった。パナソニックのAVC-UltraやソニーのXAVC-Sなど、対応するビデオ形式が拡大。GPUアクセラレーションを用いたRED RAW処理で、再生、レンダリング、トランスコーディングが高速になった。Mac App Storeでの価格は34,800円。「Motion 5.2」(モーション・グラフィックス、デジタル合成、タイトル)も、3Dタイトルを作成する豊富なオプションを備える。複数のライトとカメラ、マルチレイヤーシーンを用いて、複雑でリアリスティックな影と反射を加えたダイナミックなタイトルを作成できる。サードパーティパートナーが提供する豊富なテンプレートも揃っている。 12種類の新しいジェネレータを搭載。キーフレーミングと、矩形や円のマスクとシェイプの作成が改良された。価格は6,000円。「Compressor 4.2」(エンコーディング・ツール)では、ムービー、トレーラー、クローズドキャプション、字幕などを選択して追加するだけで、簡単にiTunes Storeに送信するためのiTunes Storeパッケージを作成できる。同パッケージはiTunes Storeで販売するための申請に用いられる。クローズドキャプションや字幕をビューアで直接プレビュー可能。ハードウェア・アクセラレーションを利用したマルチパスH.264エンコーディングをサポート、Compressorへの送信時にGPUレンダリングを用いるなど、エンコーディングタスクをより快適に実行できるようになった。価格は6,000円。
2015年04月14日アップルは4月10日、Apple Watchの予約販売を開始した。Apple Watchは、Appleがウェアラブルデバイス用に開発したOS「Watch OS」を搭載したスマートウオッチ。iOS 8.2以上を搭載したiPhone 5以降のiPhoneと連携する。カジュアルな「Apple Watch SPORT」、もっとも広い種類を揃える「Apple Watch」、18Kゴールドのケースを採用する「Apple Watch EDITION」の3種類を用意する。予約はWebサイト「Apple Online Store」、全国の「Apple Store」8店舗、伊勢丹新宿本店にオープンするApple Watch専門店「Apple Watch at Isetan Shinjuku」にて受け付ける。「Apple Online Store」では、18時時点で多くのモデルが6月の出荷となっている(18時現在、編集部調べ)。○「Apple Store, Omotesando」の様子東京・表参道にあるアップル直営店「Apple Store, Omotesando」では、10日午前9時にApple Watchの展示・試着を開始。開店前には約50人ほどのアップルファンが集まった。午前9時の開店後には、スタッフによる拍手とともに10名前後ずつに分けられ入店。店頭のスタッフが端末で予約を入れると、ユーザーにSMSで通知され。このSMSを試着スタッフに見せると、試着ブースに案内される。店内にはディスプレイ専用のスペース、試着スペースの2種類のテーブルが用意されるほか、表参道店の場合は、同時に15~20名くらいが体験できる試着スペースが、地下にも用意されていた。○ソフトバンク表参道店の様子同じく東京・表参道にあるソフトバンクの旗艦店、ソフトバンク表参道店でもApple Watchの展示が始まった。Apple Watch EDITIONの取り扱いがない以外は、基本的にApple Storeと同様の展示・試着が行える。逆に本日予約を入れても、実際に商品を受けとるには発売日以降に店頭に受け取りに来る必要があるという。受取日は入荷状況により変更される。○Apple Watch at Isetan Shinjukuの様子一方、東京・伊勢丹新宿店では、Apple Watchの予約開始に合わせ、店内1階・新宿通側入口付近にApple Watch専門店「Apple Watch at Isetan Shinjuku」がオープン。「Apple Store, Omotesando」と同じく、全20種類のApple Watchをフルラインナップで揃え、試着・予約がその場で行える。ディスプレイ専用のスペース、試着スペースの2つのテーブルを用意する展示方法も同じだ。10日の「Apple Watch at Isetan Shinjuku」では、朝9時から試着・予約希望者を抽選で選出。オープン前の8時50分の時点で目算で約50人ほどの列が並んでいた。新宿伊勢丹店では、少なくともApple Watchを発売する24日までは、基本的に抽選で試着の予約を行なう。当選券は1日あたり110枚で、11日以降は朝8時30分から配布。店内で試着予約をするのと合わせて、購入の予約も行える。製品が渡されるのは、発売日となる24日だが、入荷状況により変更される見込みだ。
2015年04月10日Apple Watchの販売がアナウンスされている伊勢丹新宿店に10日、「Apple Watch at Isetan Shinjuku」がオープンした。同日よりApple Watchの試着および予約が可能となっている。伊勢丹新宿店の開店にさきがけ内覧が実施され、多くの報道陣が集まった。昨年9月に行われたApple Watchの発表会から使用されているものと恐らく同じ陳列台に、Apple Watch全モデルが展示されており、それとは別に試着スペースに体験用の製品が設置されている。この体験用の製品は固定されており、脇にはデモ用の映像が流れるディスプレイが埋め込まれている。Apple Watch at Isetan Shinjukuでは、本日10日よりApple Watch全モデルの試着および予約が可能となっている。試着に際しては、午前9時より希望者向けに抽選が行われた。午前8時くらいから試着の希望者の列が出来始めたが、アイカード、MI CARD、三越 M CARD会員と、非所持者とにグループが分けられ、午前9時半には一旦、抽選券の配布が締め切られた。この抽選は23日まで実施され、以降は様子を見てから行われるようだ(明日11日も午前9時半に抽選券配布を締め切る)。また、アイカード、MI CARD、三越 M CARDの会員は本日よりWebサイトから試着の抽選に応募できるようになる。ショップ内には専門スタッフが常駐し、同時に6人までの試着に応対する。一人につき30分が目安で、一日最大110人までの試着が可能となる模様。なお、前述の抽選は一人につき、一応募となっており、例えばカップルで申し込んでも同時に試着はできない可能性がある。購入に際しては、基本的に試着後に予約という流れになっているが、24日以降は購入希望のタイプが在庫としてあれば、支払い後、すぐに持ち帰ることができる。予約者の商品の受け渡しと支払いも24日以降となっている。なお、アイカード、MI CARD、三越 M CARD会員の優待は適用外となっているが、年間の購入総額にはカウントされるとのことである。
2015年04月10日Appleは、公式WebサイトでApple Watchの使い方の動画集を公開した。現在公開されているのは、「メッセージ」「文字盤」「Digital Touch」の3つ。その他の動画は近日公開となっている。今後、「電話」「Siri」「マップ」「ミュージック」「アクティビティ」「ワークアウト」などの動画を公開していく予定。Apple Watchの予約開始日は4月10日。Webサイト「Apple Online Store」、全国の「Apple Store」8店舗と新宿伊勢丹にオープンするApple Watch専門店「Apple Watch at Isetan Shinjuku」で予約を受け付ける。同日の予約開始時間は、Webストア「Apple Online Store」は16時1分から、「Apple Store」の開店時間は通常より1時間早い午前9時から、新宿伊勢丹の「Apple Watch at Isetan Shinjuku」は伊勢丹開店時間の10時30分からとなっている。
2015年04月06日米Appleは、同社のデベロッパー向けWebページにて、Apple Watch向けアプリのApp Store登録の受付を開始したことをアナウンスした。開発者はXcode 6に含まれるiOS 8.2 SDKとWatchKitを利用することになっているが、同Webページでは、Apple Watch向けアプリを登録する際に必要なアイコンの解像度や、スクリーンショットの体裁、アプリ名やその説明文の内容など詳細が記されている。Apple Watch本体は4月24日より販売が開始されるが、それに先立って、日本では4月10日よりApple Store、Apple Online Storeおよび伊勢丹新宿店で予約が開始される。Apple Store実店舗と伊勢丹新宿店では10日より試着が可能となる模様だ。Apple Watch向けアプリは「Nike+ Running」や「Instagram」、「Twitter」などが提供されることが明らかになっている。また、iPhoneアプリについても「LINE」や「Evernote」、「Yahoo!乗換案内」などが、Apple Watchに対応した最新版の提供を開始している。
2015年04月01日Kingston Technologyは31日、UHS-IIに対応したメモリカードリーダ「HS4オールインワン・メディア・リーダー」を発表した。「HS4オールインワン・メディア・リーダー」は、SDカードではUHS-IおよびUHS-IIに、コンパクトフラッシュではType I、II(UDMA 0-7)などの最新規格に対応した、USB 3.0接続のカードリーダ。SDXCカードスロット、microSDXCカードスロット、メモリースティックスロット、コンパクトフラッシュスロットを備える。対応カード形式は、SDカードがSD / SDHC / SDXC(UHS I-II)、microSDカードがSD / SDHC / SDXC(UHS-I)、メモリースティックがMemory Stick PRO / Duo / PRO Duo / PRO-HG Duo。コンパクトフラッシュがType I / II(UDMA 0-7)。対応OSはWindows Vista / 7 / 8 / 8.1、OS X 10.7.x以降、Linux 2.6x以降、Chrome OS。本体サイズはW93.17×D52.68×H16mm。
2015年03月31日Kingston Technologyは3月31日、UHS-IIに対応したメモリカードリーダー「HS4オールインワン・メディア・リーダー」と、容量64GBのコンパクトフラッシュカード「CompactFlash Ultimate 600x」シリーズを発表した。○HS4オールインワン・メディア・リーダー「HS4オールインワン・メディア・リーダー」は、UHS-IIに対応するメモリーカードリーダー。USB 3.0での高速データ転送が可能だ。SDXCメモリーカードスロット、microSDXCメモリーカードスロット、メモリースティックスロット、コンパクトフラッシュスロットを備える。対応メディアは、UHS-II対応のSDXCメモリーカード、UHS-I対応のmicroSDXCメモリーカード、UDMA 7対応のコンパクトフラッシュカード(CF TYPE-I / TYPE-II)、メモリースティック / Pro / Duoなど。対応OSはWindows Vista(SP2) / 7(SP1) / 8 / 8.1、Mac OS X 10.7以降、Linux 2.6以降、Chrome OS。本体サイズはW93.17×D52.68×H16mm。○CompactFlash Ultimate 600x(64GB)リード最大90MB/s、ライト最大90MB/sの転送速度を実現するコンパクトフラッシュカード。「CompactFlash Ultimate 600x」シリーズの64GBモデルとして追加された。リカバリユーティリティに「MediaRECOVER」が付属。削除してしまったファイルや壊れてしまったファイルの復元をサポートする。本体サイズはW36.4×D42.8×H3.3mm。対応OSはWindows Vista(SP1、SP2) / 7(SP1) / 8 / 8.1、Mac OS X 10.6以降。
2015年03月31日TVアニメ『ソードアート・オンラインII』に登場するヒロイン・シノンが、アクアマリンにてフィギュア化され、2015年7月に発売されることが決定した。現在「GOOD SMILE ONLINESHOP」にて予約受注で、価格は13,000円(税別)。ファントム・バレット編のヒロイン・シノンは、GGOのプレイを通しトラウマと向き合う女子高生で、対物ライフル「ウルティマラティオ・へカートII」をメインに使うスナイパー。今回は1/7スケールでフィギュア化され、造形は重厚感のある造形で知られる戸田聡氏が担当している。実際のフィギュアでは、マフラーをたなびかせ、愛銃を手に戦場を征くシノンを服のしわにいたるまで細かく造形。「ウルティマラティオ・へカートII」と「グロック18C」の2丁の銃器はデジタル造形にて再現され、シノン本体に引けをとらないリアルな重厚感を演出している。氷の狙撃手の異名を持つシノンの決定版とも言えるフィギュアに仕上がっている。商品価格は13,000円(税別)で、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の予約締切は、2015年4月30日21:00。商品の発送は、2015年7月を予定している。(C)2014 川原 礫/KADOKAWAアスキー・メディアワークス刊/SAOII Project
2015年03月31日●Appleの日本での研究開発拠点日本では、東京・六本木ヒルズにオフィスを構えるApple。同社が横浜に、大規模な研究開発拠点を設立するというニュースが流れてきた。日本に研究開発拠点を構えるという話は、安倍晋三首相が2014年12月に行ったさいたま市内の街頭演説で初めて触れた。首相は「アベノミクスの成果」であるとして政治色を強くこの情報を出したが、その後の情報は明らかにされてこなかった。その後、Appleから3月25日に正式な発表が行われ、横浜市港北区に「テクニカル・デベロップメント・センター」の開設と、2016年度中に完成させることが明らかになった。○綱島のパナソニック跡地を取得Appleがテクニカル・デベロップメント・センターを開設する場所は、もともと、パナソニック綱島事業所があった場所だ。1960年に同社が進出し、携帯電話端末・基地局などの通信関連の工場として稼働し、その後、グループの事業所として存続してきたが、2011年に閉鎖されている。横浜市は、この跡地に「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン」と名付けての再開発を行う予定で、東横線「綱島駅」と、東横線が日吉駅で分かれて相鉄線に乗り入れる新設路線の「新綱島駅」が最寄りとなる。この再開発地区でAppleが利用するのは、総面積の約3分の1となる1万2500平方メートル。公開されているイメージ画像では、ガラス張りで波を打つ巨大な4階建ての建物が描かれている。敷地内に1200本以上の樹木を植え、エネルギー利用を40%抑えるグリーンさもアピールするとのことだ。ちなみに、安倍首相が発言した際には横浜市でも中心部により近い「みなとみらい地区」に進出するとの発言があったが、今回の進出先は異なる。当面、再開発地ができあがるまでは、みなとみらいで活動するとも伝わってきており、テクニカル・デベロップメント・センターができあがるまで、みなとみらいに仮のセンターを開設するのか、みなとみらいと綱島は別々に稼動を続けるのかは、まだよくわからない。●世界で研究開発拠点の設置の動き○日本の役割とは?Appleは現在、世界中に研究開発拠点を設置する活動を進めている。横浜以外にも、イスラエル、イギリス・ケンブリッジ、上海でも研究開発拠点の開設に触れている。その中でも、横浜は大規模なものになることが予測される。Appleのようなグローバル企業は、世界各国で売上をあげている。全体としては米国本社に計上されるが、国をまたいで資金をやりとりせず、その国の中で資金を活用することは税金対策にもなり、またオペレーションコストの削減にもつながる。例えば今回の研究開発拠点への活用も、その一例と言える。同時に、各国の優秀な技術者の現地活用もまた、新製品開発にとって有用になる。それでは、日本にはどんな期待が寄せられているのだろうか。イスラエル、イギリス、上海、横浜。これらの国や都市を見ると、それぞれの拠点に課せられた役割が何となく浮かび上がってくる。例えば、イスラエルはソフトウェアやアルゴリズムなど、イギリスはデザインや都市や社会科学、医学、上海は生産拠点とも近いことから、生産工学、といったところだろうか。こうした中で、日本の拠点の役割はどのように位置づけられているのだろうか。Appleのテクニカル・デベロップメント・センター設立にあたり、リクルートの転職情報「リクナビNEXT」には以下の職種が掲載された。IC 評価エンジニアMixed-Signal IC テストエンジニアIC検証エンジニアMixed-Signal IC プロダクトエンジニアアナログ IC デザイナーシニアCADエンジニア(フロントエンド)現在募集されているのはいずれも、ICチップにまつわるものだ。もちろん、Appleの拠点で扱われる技術開発の一部に過ぎず、またICのデザインはどちらかというと、「やりたいことを回路の設計に落とし込む」部分ともいえる。ちなみに、Mixed-Signal IC(混合IC)というのは、アナログ信号・デジタル信号の両方を扱うICチップのことだ。例えばアンテナやセンサーなどから電気的な入力をデータに変換したり、それを処理する役割を持たせることもできる。現在のスマートフォンやウェアラブルデバイスでは、端末自体がどんな入出力を持つかによって、「ハードウェアの進化」を左右する。その一方で、端末そのものを現在のサイズ、あるいはより薄いサイズに収める必要性もある。日本の産業や世界のAppleの拠点との関係、募集要項などを含めて推測すると、Appleの研究開発における横浜の拠点の役割は、5Gなどの次世代通信、4K、8Kを見据えた映像処理と伝送、カメラ・イメージセンサー技術、ディスプレイ技術、複合センサー技術、あたりになるのではないだろうか。また、日本の強みを考えると、メモリの集積技術、バッテリー、交通情報網整備や自動運転技術、金属や炭素繊維といった素材、これらの加工技術などにも期待することができる。●Apple製品に日本が関わる?○日本での研究開発日本では1999年からインターネット接続が可能な携帯電話が普及してきた。2000年代には、世界各国のモバイル技術に関わる企業が東京に研究開発拠点を置いてきた。iPhone登場時までは特異なほどにモバイルが進化し普及した国として位置づけられていたからだ。もちろん技術的な背景も大きい。良質な通信インフラやビジネスモデル、パソコンから利用するインターネットよりも急速な発展など、モバイルが伸びる土壌も整っていた。加えて、持つ人々が素早く生活に取り入れたことも、重要な要素だ。高速無線通信技術を搭載した端末を多くの人が持つことによって、どんな変化が起きるか。生活はどのように変わるか。ビジネスの変化については保守的な面もあり、あまり参考にならなかったかもしれないが、それ以外の分野の研究者たちは、目を輝かせて日本を観察していた。筆者もこうした研究に大学・大学院時代に関わることがあった。統計的に見たり、経年変化を見たりすることも重要だが、それ以上に面白かったのが、特異な現象を見つけて仮説を立て、より深く理解をするというものだった。例えば秒単位でケータイメールやワン切りを交わす高校生の日常や、おサイフケータイと財布の使い分け、ケータイカメラの研究など、次世代のサービスや未来、日本以外の国で起きうる事象を予測する上で、こうした研究は重視されていたのだ。AppleはiPodにしてもiPhoneにしても、日本からの学びを多く生かしているように感じている。10年後のApple製品の礎を、現在の日本の我々の生活から見つけることができるかもしれない。松村太郎(まつむらたろう)1980年生まれ・米国カリフォルニア州バークレー在住のジャーナリスト・著者。慶應義塾大学政策・メディア研究科修士課程修了。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。近著に「LinkedInスタートブック」(日経BP刊)、「スマートフォン新時代」(NTT出版刊)、「ソーシャルラーニング入門」(日経BP刊)など。ウェブサイトはこちら / Twitter @taromatsumura
2015年03月30日米Appleは、25日の横浜市長の発表を受けて、横浜市港北区にあるパナソニックの工場跡地にテクニカル・デベロップメント・センターを建設すると発表した。Appleは、昨年の12月に日本国内に研究開発拠点を設置することを発表したが、具体的な場所や開設時期は公表されていなかった。今年の3月中旬にリクルートの求人情報サイト「リクナビNEXT」で同研究開発拠点の人材募集が行われていることが分かり、「IC 評価エンジニア」「Mixed-Signal IC テストエンジニア」「IC検証エンジニア」「Mixed-Signal IC プロダクトエンジニア」「アナログ IC デザイナー」「シニアCADエンジニア(フロントエンド)」という6つの職種に申し込めるようになっていた。25日に記者会見を行った横浜市の林文子市長は、同市港北区のパナソニック工場跡地に、Appleがテクニカル・デベロップメント・センターを建設する計画を明らかにした。Appleは、約37,900平方メートルの跡地のうち、約12,500平方メートルを取得。施設の延べ床面積は約25,000平方メートルとなるとのことで、2016年度中の完成を見込みんでいる。本件に関し、Appleは以下のようにコメントしている。綱島(横浜市)に本格的なテクニカル・デベロップメント・センターの建設を始めることとなり、これにより日本におけるさらなる業務拡大ができますことを大変喜ばしく思います。このランドマークとなる建物は、従来に比べエネルギー使用量を40パーセント削減し、敷地内に1200本以上の樹木を新たに植えたり、屋上の緑化や水の再利用を行なうなど、環境に配慮した特長を備えています。こうした環境にやさしい施設にすることを、横浜市と共に進めてまいります。私たちは日本における弊社のこれまでの歴史を誇りに思いますと共に、30年以上支え続けてくださる多くのお客様に感謝申し上げます。あわせて、同施設の完成予想図も公表した。
2015年03月25日先日のApple TVの値下げとHBO Now発表に続き、Apple自身がTV放送のサブスクリプション配信サービスに参入するという話題が出ているが、同社はさらに踏み込み、いよいよ噂の「"真"のApple TV」リリースに向けた動きを見せつつある。従来のApple TVハードウェアそのものの機能を大幅強化し、単体でSiriによる音声制御やHomeKit連携による家電制御など、より"モダン"なハードウェアやOSの機能を踏襲していくようだ。同件はBuzzFeedでJohn Paczkowski氏が関係者の話として報じている。先日の発表会ではApple TVの価格の99ドルから69ドルへの値下げが発表され、より値頃感が高くなっている。だが実際にApple TVのハードウェアの中身を鑑みれば、若干の構成変更によるアップデートこそあったものの中身自体はここ3年間変化しておらず、さらに「内蔵ストレージの最小限化によるストリーミング動作専用」という現在のコンセプトにつながるモデルが発売されてから実に5年近くメジャーアップデートが行われていない。当初はTV接続可能なストレージ内蔵メディアプレイヤーの性格が強かったApple TVだが、現在では搭載プロセッサも最低限のネットワーク通信とメディアプレイバックが可能な廉価バージョンが採用され、とにかくコストを押さえ込む方向で提供が行われている。これを"よりモダンなOS"と"より強力なハードウェア"で模様替えし、いま再び「Appleが考えるリビングルーム向けのメディアボックス(STB)」として機能するよう改修が進んでいるというのが、前述Paczkowski氏の伝える関係者の話だ。同氏の記事でも伝えているように、現在Apple TVには今年後半にもスタートするといわれるTV配信サービスに加え、Apple TV向けのApp Storeとアプリ実行環境の提供に向けたさまざまな準備が進んでいるといわれる。前出のように、現状のApple TVにはこうしたリッチなアプリ実行環境を望むべくもないため、何らかの形でハードウェアの改修を行うことが必須となる。少なくとも最新のiPadクラスの性能が必要になるとみられるため、本体価格も従来の69~99ドルではなく、一気に400~500ドル前後の水準まで上がる可能性が高くなると考えられるが、こうした値上げ等を経てもなお購入に踏み切るだけの価値を見出せる工夫をAppleには期待したい。なお新ハードウェアの登場時期だが、可能性としてはTV配信サービスのスタートするといわれる今秋が最も高いと考えられる。いままでであれば「発表即発売」でも問題なかったが、今回はアプリ対応も含めサードパーティの協力が必須になるとみられ、実際の発売とサービス開始まで期間を置く可能性が高いと筆者は予想する。そのため、6月開催とみられるWWDCで製品と基本コンセプトを発表し、実際の提供は9~10月となることも考えられるだろう。いずれにせよ多数の関係者が存在することもあり、WWDC前後には何らかのリーク情報が出てくる可能性が高いと考える。
2015年03月24日日本IBMは23日、7種類の「IBM MobileFirst for iOS」アプリの日本語化を完了したと発表した。AppleとIBMのパートナーシップにより開発されたiOS向けアプリとなる。法人向けのサービスとなり、個人には提供されない。AppleとIBMは2014年7月に企業向けモバイル分野における業務提携を行ったと発表。この業務提携に基づき、昨年12月に銀行、小売、保険、金融、通信、運輸、政府機関などをターゲットにした10個のiOSアプリからなる「IBM MobileFirst for iOS」をリリースしていた。日本IBMではこうした流れを受けて、日本国内向けに法人を対象とした7つのアプリの提供を開始した。銀行・金融マーケット向け「Advise&Grow」アプリは、銀行員が店舗内で小規模事業者の顧客に対応する際に使用する。顧客情報や競合分析を安全に参照し、分析に基づて個々の顧客に合わせた提案や、安全な取引が行えるという。銀行・金融マーケット向け「Trusted Advice」は、金融アドバイザーが顧客のポートフォリオにアクセスし、管理できるアプリ。ポートフォリオモデリングツールにより、入念な分析にもとづいたアドバイスが顧客にできるという。保険業向けの「Retention」では、エージェントが顧客情報と履歴にアクセスできる。未払いの保険金、加入書の不足情報、保険金の請求など取引を円滑にする機能が盛り込まれている。行政向けの「Case Advice」は、ソーシャルワーカーが関連する履歴、評価データ、業界のガイドラインが確認できるアプリ。出先でも確認でき、これまでの紙の書類によるプロセスから開放されるという。小売業向けの「Sales Assist」は、店員が顧客の情報に接続し、購入履歴と現在の好みに基づいて商品を勧めたり、在庫管理、店内商品の確認と店外商品の出荷も行えたりするようになる。小売行向けの「Pick&Pack」は、距離に基づくテクノロジーとバックエンドの在庫システムを組み合わせ、注文商品の発送業務を円滑にすることができる。通信行向けの「Expert Tech」は、現場サービス技術者の業務効率向上を支援するアプリ。目的地に早くたどりつけるように。、地図と交通量データでサービス技術者をサポートしたり、FacetimeなどiOSのネイティブ機能を活用して、顧客満足度を向上させるという。
2015年03月23日米Appleは3月9日に開催したスペシャルイベントで、「Apple Watch」の詳細と発売日を発表したが、米国のミレニアルズ(18歳-34歳)はApple Watchよりも「Apple TV」の値下げと「HBO Now」に興味を持ったようだ。スペシャルイベントの前後の英語ツイートをFizziologyが分析した結果、18-34歳の話題の傾向はApple TV/HBO NowがApple Watchの2倍だった。35-49歳だと逆にApple Watchが2倍になる。この結果を「Apple Watchへの関心が薄い」と見るか、それとも「TV番組のネット配信に対するミレニアルズの関心が高い」と見るべきか。HBO Nowのインパクトを実感しにくい日本だと前者かもしれないが、後者と見るのが妥当だろう。HBO Nowは、米ケーブルTVチャンネルHBOが同社のコンテンツをApple TVで視聴(将来は他のストリーミング・デバイスにも拡大)できるようにするサブスクリプション型のストリーミングサービスだ。この発表の何がスゴいのかというと、ケーブルTV企業や衛星TV企業の切り札だったHBOをAppleが奪ったことだ。HBOとケーブルTV/衛星TVとの結びつきは強く、これまでDVD化される前のHBOのコンテンツはケーブルTVや衛星TVが独占していた。だから「Game of Thrones」などのHBOのコンテンツをいち早く見るには、ケーブルTVや衛星TVサービスのプレミアプランを契約しなければならなかった。そうなると、100チャンネルを超えるようなプランになり、見るとは限らないチャンネルだらけの高額な契約になってしまう。HBO Nowによって、ついにケーブルTVや衛星TVでHBOを契約することなく、HBOのみ契約できるようになる。これはHBOの脱ケーブルであり、ケーブルTVチャンネルのコンテンツをケーブルTVサービスが独占してきた時代の終わりを意味する。○ネットTVサービス競争でAppleにアドバンテージAppleがこの秋、サブスクリプション型のTV番組のネット配信サービスを提供するという噂が飛び交っている。Wall Street Journalの報道によると、Walt Disney、CBS、FOXなどと協議しており、25チャンネルぐらいのパッケージで月額30-40ドルになるという。報道にあるようなネットTVサービスは、今年に入ってすでに「Sling TV」(ケーブルTVチャンネルを中心に20チャンネル:月額20ドル)、ソニーのPlayStation Vue(50チャンネル+:月額50ドル)などが登場している。もし、秋にAppleが参入するなら後発になるが、同社はHBO Nowをしばらく独占できる契約をHBOと交わしている。消費者がTVのネット配信サービスを選ぶ際、HBO Nowを契約できるのがAppleのプラットフォームだけとなったらAppleの強力なアドバンテージになるだろう。○CNNやMTVのような専門局が生まれなかった日本日本でも日本民間放送連盟の井上弘会長が3月19日の定例会見で、テレビ番組をPC/スマートフォン/タブレット向けに広告付きで無料ネット配信する「広告付き無料配信トライアル」を、在京キー5局共同で10月から始めると発表した。何やら今年は、日米でネットTVサービスがテレビ視聴を変えそうな勢いである。ただ、同じ「ネットTVサービス」だからといって中身まで同じになるかというと、日本と米国ではテレビのビジネスモデルや視聴者のニーズが異なる。そこのところを意識しないと、テレビというメディアが変われるせっかくのチャンスを逃すことになる。米国で登場し始めているネットTVサービスは、これまでケーブルTVや衛星TVなど有料TVサービスを契約するしかなかった番組コンテンツを、ネットを通じても視聴できるようにするサービスである。米国では地上波放送を受信しにくい地域が広く、そのため1970年代後半からケーブルTVを契約する家庭が増加し始め、TVサービスを受信する方法の主流になった。広告以外にユーザーがケーブルTVに支払うサービス料金という収入源があるケーブルTVサービスにおいてケーブルTVチャンネルが成長し、ニュース専門チャンネルのCNN、音楽専門のMTV、スポーツのESPNなど、ユニークなケーブルTVチャンネルが生まれ、そして視聴者を獲得した。問題は多チャンネル化によって、視聴者のニーズにほとんど応えていないようなチャンネルも続々と生まれたことだ。それでも、ケーブルTV企業は「ケーブルTVチャンネルは幅広いニーズに応えられる」とひたすら多チャンネル化を進めた。1995年には月額40ドル程度だったケーブルTVの平均料金が今では月額約130ドルである。そんな不要なチャンネルの受信をケーブルTV企業に押しつけられてきたことに不満を抱き始めた人たちが、いわゆる"コードカッター (ケーブルサービスを解約)"になって、ネットのオンデマンドサービスやストリーミングサービスを支持し始めた。ミレニアルズ(18-34歳)がネットTVサービスを好むのは、彼らがYouTubeに親しんできた世代であるというのが理由の1つだが、もう1つ大きな理由がある。以前、リーマンズショック後の景気低迷と就職難を経験したミレニアルズが大手銀行に不信感を抱いているという調査結果を以前に紹介したことがあるが、大手銀行に劣らずミレニアルズに嫌われているのがケーブルTV企業なのだ。独占的に近い立場を利用して、魅力あるコンテンツを持ったチャンネルと人気のないチャンネルをパッケージ化して売りつける。サポートの対応も悪い。ユーザーの声に耳を傾けず、ユーザーがサービスをコントロールするのを認めない。そんな姿勢を嫌って、ネット配信に期待しているのだ。日本はTVの市場規模が大きいのに多チャンネル化に移らなかった珍しい市場である。衛星放送によってチャンネルは増えたが、米国に比べると少ない。ネットやSNSで話題になる番組も多くは地上波キー局で放送されていて、基本的に誰でも視聴できる。話題のHBOのドラマをリアルタイムで見るためにケーブルTVのプレミアサービスを契約しなければならないというような悩みとは、ほぼ無縁だ。在京キー5局の配信サービスは見逃した人や録り逃した人にコンテンツを提供する無料の広告付き配信であり、日本の視聴者が必要としている日本にフィットしたソリューションだと思う。だから、米国でサブスクリプション型のネットTVサービスが成長したら「日本でも……」という期待が高まるかと思うが、有料TVサービスのコンテンツが魅力に欠ける限り、有料TVサービスに対する日米の需要の違いが、そのままネットTVサービスに対する反応になって現れると思う。ただ、ネットTVサービスへのシフトを機に、日米の違いから学ぶことも多いと思う。多チャンネル化を経験しなかった日本では、CNNやMTVのような地上波キー局に匹敵するような影響力を持った小さな専門局が現れなかった。世界的にはケーブルTVチャンネルの専門局や、キー局では実現できないユニークなプログラムを提供する小さな放送局によって、テレビというメディアが再発明されている。日本でニュース専門チャンネルが人々の生活に根付いていないのは少々残念なことであり、ネット配信へのシフトを機にテレビという影響力を持ったスクリーンを利用する媒体の幅が広がってほしいとも思う。米国の「コードカッター」の意識は、固定電話を解約し、スマートフォンにコミュニケーションをまとめた人たちに近い。スマートフォンは電話だが、スマートフォンにおいて電話は機能の1つに収まり、メッセンジャーやSNSなどに個人のコミュニケーションの可能性が広がった。コードカッターのためのサービスと呼べる新しいサブスクリプション型のネットTVサービスが続々と登場し始め、同時にストリーミング・デバイスにアプリストアが拡大する動きも加速している。これらのタイミングがシンクロしているのは偶然ではないだろう。スマートフォンが単なる電話でないのと同じように、アプリストアを利用できるテレビは単なるテレビではない。新しいネットTVサービスは、そこに人々を導く入り口になる。
2015年03月23日グリーンハウスは16日、UHS-II対応のSDメモリーカードを読み込めるカードリーダ「GH-CRM2A」シリーズを発表した。ブラックとホワイトの2色を用意。3月下旬より発売する。価格はオープンで、同社の通販サイト「グリーンハウスストア」での価格は税込5,670円。UHS-II対応のSDカードを読み込めるカードリーダ。UHS-Iの約3倍(規格値)の速度での転送が可能となっており、画像容量が増えているデジタル一眼カメラなどのデータを転送するのに最適としている。搭載スロットは、SDメモリーカード / microSDメモリーカード / コンパクトフラッシュ / メモリースティックスロットの4種類。対応メディアはSD / SDHC / SDXCメモリーカード(最大512GBに対応)、microSD / SDHC / SDXCメモリーカード(最大128GBに対応)、メモリースティック / メモリースティック PRO / メモリースティック Duo(最大32GBに対応)、コンパクトフラッシュ(最大64GBに対応)など。コンパクトフラッシュはUDMA 7規格での転送をサポートする。インタフェースはUSB 3.0。ケーブルは直付けで長さは約49cm。電源はUSBバスパワー。本体サイズはW74.7×D54.5×H15.8mm、重量は約37.2g。対応OSはWindows Vista / 7 / 8 / 8.1、Mac OS X 10.4以降。
2015年03月16日米AppleがiOS 8.3のパブリックベータ版を「Apple Beta Software Program」の一部の登録者に対して配布したと、9to5macなど米メディアが現地12日に報じた。これまで同社ではOS Xのパブリックベータ版の提供を行ったことはあるものの、iOSでは初となる。「Apple Beta Software Program」は一部のユーザーに対して、プレリリース版のソフト、アプリ、サービスを試用してもらい、正式リリース版の品質向上を目指してフィードバックを収集する取り組みのこと。同プログラムへの参加者に配布されるのはプレリリース版となるため、不具合が発生する可能性がある。また、プレリリース版は機密情報に該当し、スクリーンショットの公開やプレリリース版の情報をSNS等での公開、同プログラム参加者以外にプレリリース版の画面を見せたり、内容を話したりすることは禁止される。禁止事項が多い一方で、同プログラムへの参加者は、先行して無料で新サービスに触れられるのがメリットだ。ただし、今回配布されたiOS 8.3では、新しい絵文字キーボードの追加、Siriの対応国の拡大、安定性やパフォーマンスの向上、バグフィックスとされ、新機能を目当てにするユーザーにとってはメリットは大きくはなさそうだ。なお、同プログラムに参加するには、「Apple Beta Software Program」でApple IDを登録する必要がある。
2015年03月13日●新MacBookはiPadキラー的な存在にAppleの「Spring Forward」イベントは、最初から最後まで面白かった。飽きることなく、あっという間の90分だった。まず、買えるものならすぐにでもポチりたいと思ったのが新しい「MacBook」。ユーザーを選ぶMacだが、筆者の使い方にフィットする。処理能力が必要な作業とメディア管理にはMac miniがあるため、すでに13インチMacBook AirをほとんどiPadと同じように使っている。常にバッテリー動作で、ケーブルを接続するのは充電の時だけ。データのやり取りは全てワイヤレス。だから、ポート類がヘッドフォンポートとUSB-C×1ポートだけでも全く問題ない。薄くて軽くて、打ちやすいキーボードが付いている理想的なモバイルノートだ。簡単に着脱できるという点では端子をポートに差し込む必要があるUSB-Cよりも、マグネットで引っつくMagSafe電源アダプタの方が扱いやすい。MagSafeでなくなったのは残念だが、「ケーブル1本」をユーザーに強いるのがポイントだから仕方ない。USB-CはUSB規格であり、将来対応する周辺機器が増えることを考えると「PCをUSBで充電できること」のメリットは大きいと思う。これまでAppleはMacのあるべき処理能力の基準を設けて、その範囲でMacBookシリーズをデザインしていた。新MacBookは、そうした基準を一旦ご破算にし、iPhoneやiPadがモバイルの主流になった時代のモバイルノートとして一からデザインし直している。新MacBookのプロセッサは従来のMacBookでは基準を満たしそうにないほど非力であり、代わりに電力効率が良く、ファンレスでポータビリティに優れている。MacBookと名付けられ、見た目もMacBookだが、従来のMacBookとは設計思想が異なるデバイスである。名称を「iMacBook」とかにしても良かったぐらいだ。従来のMacBookシリーズのユーザーから見ると、新MacBookはCPUパワーが犠牲になりすぎている。しかし、日々のコンピューティングをiPadやiPhoneでこなしている人たちにとっては十分なパフォーマンスであり、むしろ打ちやすいキーボード、操作しやすいトラックパッド、そして他のPCにはないポータビリティ(薄型軽量、ケーブル1本)が大きな魅力になるはずだ。その意味で新MacBookは最強の「iPad Air 2」キラーになる。筆者自身、新MacBookに魅了されているが、iPad Air 2を気に入って毎日使っているだけにちょっと複雑な気分でもある。でも、こういう競争はSurface Pro 3も含めて大歓迎だ。噂の12インチiPadへの期待も高まる。新MacBookはiPhoneやiPadのユーザーに馴染むこれからののPCであり、これで存在が危うくなるのはiPadではなく従来のモバイルPCだ。●Appleは操作性と質感だけは伝わったが……○Apple Watchはプライムタイムのデバイスか?Apple Watchについては、よく言えば「ポイントを上手く見せていた」、悪く言うと「見せたいことだけ見せていた」という印象だ。操作性と質感の良さは伝わってきたが、OSやUIの出来については実際に時間をかけて使ってみないと分からない。The VergeのNilay Patel氏は、Watchインターフェイスには学習が必要で「どこにいるのか分からなくなる、何が起こるか予想できないという感覚はApple製品らしくない」と書いている。ハードウエアについても準備が整っているのか不明な点が多い。もしかすると、滑らかな動作によって、バッテリー動作時間が犠牲になっているかもしれない。AppleがApple Watchで目指していることは伝わってくる。そこは評価したい。だが、Apple WatchほどリッチなUIのウエアラブルで、Appleが目指すユーザー体験を、今日の技術(プロセッサ、バッテリーなど)で実現できるのか、疑問符を付けざるを得ない。どこかにひずみが生じていても不思議ではない。ただし、まだ早すぎるデバイスだとしても、Apple Watchが失敗するとは限らない。iPhoneだって、2007年に登場した初代モデルは早すぎるデバイスだった。それでも多くの人を魅了し、第3世代の頃にはハードウエアとのバランスが取れるようになって、Appleのビジョンが形になり始めた。Apple Watchはまだ、プライムタイムのデバイスではないかもしれない。そうだとしても、その時が来たら開花する可能性を感じられるものなら、このタイミングで飛びつく開発者やユーザーは出てくるはずだ。●Apple Watchの価格の噂はジョークかと思っていた○100万円超のApple Watchは誰が買うのか?さて、数カ月前からApple Watchの上位モデルが100万円を超えるという噂が飛び交っていたが、ジョークだと思っていた。だって、Apple Watchは職人が組み立てた精巧な機械ではない。デジタル機器である。しかも、発展途上だ。高価な時計は数十年、数世代にわたって大事に使われ、財産と見なされるが、Apple Watchの商品寿命は数年程度だろう。時間と共にディスプレイは明るさを失い、バッテリーはへたってしまう。高価な時計のようにリセールバリューを長期にわたって維持できそうな"何か"が今のところない。そんなApple Watchに一体誰が100万円超も支払うだろう?そう思っていたのだが、噂は本当だった。Apple Watch Editionは128万円から、最も高価な組み合わせは218万円である。しかし、今回のキーノートでぼんやりとではあるが、Appleの狙いが見えてきた。キーノートで同社はApple Watchを高価な時計として展開するようにアピールしてはいなかった。スーパーモデルのクリスティー・ターリントン・バーンズが登場したが、マラソンレースを目指す1人の女性という感じだったし、終始Apple Watchが普通の人たちの生活をどのように変えるのかに焦点を当てていた。Apple Watchは、やっぱりデジタル機器なのだ。となると、Appleが高級ブランドの腕時計市場を本気で奪おうとしているとは考えにくい。財産やコレクションとして大事にしまっておくような高級腕時計ではなく、使ってなんぼのデジタル機器なのだ。同じウォッチでも土俵が違う。こうした点から推測すると、Apple Watch Editionのターゲットは絞られる。財産やコレクションではなく、普段使いのために高級ブランドの腕時計を身につけている人たち。キズがつくのもお構いなしでロレックスを巻いている人たちだ。つまりデジタル機器としてApple Watchに興味はあるけど、他人と同じものは身につけたくないという人たちを満足させるモデルである。1万ドルを超えるApple Watch EditionについてTim Cook氏は「ユニークで特別な存在」と述べていた。Apple Watch Editionは「限定数」になるという。その言葉通りだろう。本当に少ないのだと思う。この世に数十本しかないというぐらい少なくなければ、1万ドルを超える値札の価値はない。AppleがVertuのようなビジネスに乗り出すのは、それはそれでApple好きとしてはちょっと複雑な気持ちなのだが、それがApple Watch Editionなのではないかと思う。
2015年03月12日9日(現地時間)、米国・サンフランシスコのYerba Buena Center for the Artsで開催されたAppleのスペシャルイベントでは、Apple Watchの価格や発売日などが発表された。日本においても報道関係者向けのタッチ&トライイベントが開かれ、Apple Watchに触ることができた。筆者は昨年9月に開催されたAppleのスペシャルイベントで、既にApple Watchを試しているが、改めて、同製品の魅力に迫ってみたい。ラインナップされたのは、前回の発表イベント時と変わらず、スポーツラインの「Apple Watch SPORT」、スタンダードなラインとなる「Apple Watch」、リュクスなライン「Apple Watch EDITION」という3つのコレクション。それぞれ、38mmと42mmの2モデルでの展開となっている。ざっくりと、画面が小さいほうは女性向け、大きいほうは男性向けというイメージか。価格はApple Watch SPORTが42,800円から、Apple Watchが66,800円から、Apple Watch Editionが1,280,000円からとなっている(いずれも税抜き)。3コレクションとも機能面においては同等で、使用している素材で価格差をつけている。もっとも安価なApple Watch SPORTは、ケースに酸化皮膜処理アルミニウムを使用、バンドはフルオロエラストマーを採用。Apple Watchはステンレススチールケースに、スポーツタイプのフルオロエラストマーを採用したバンド、レザーを使用したバンド、本体同様、ステンレススチールを使ったバンドに分かれている。Apple Watch Editionは、ケースに18Kゴールドを使用し、バンドはスポーツタイプのフルオロエラストマーに18Kゴールドを組み合わせたもの、レザーに18Kゴールドを組み合わせたものが用意されている。Apple Watch Editionについては、レザーに18Kゴールドを組み合わせたモデルが4種用意されているが、バックル部分に使用されている18Kゴールドの使用量の違いで価格差をつけていると思われる。もっとも高価なモデルは2,180,000円だ。2種類が用意された2,180,000円のモデルは38mmのサイズのみで、これは女性用にデザインされたものであると考えられる。機能において柱となっているのは「タイムキーピング」「新しいつながり方」「健康とフィットネス」「内蔵/App Storeのアプリ」だ。「タイムキーピング」に関しては、GPS衛星と同じ精度で時を刻みという時計の基本的な性能はもちろん、多くの文字盤から用途、好みに合ったものを選んで使うことができる。「健康とフィットネス」では、加速度センサーや光学心拍計を利用して生体情報を記録する機能が目玉。「内蔵/App Storeのアプリ」においては、メール、メッセージ、マップにTwitterやInstagram、Evernoteなど、iPhone/iPadでお馴染みのものが用意されるようである。タッチ&トライイベントでは一通りの機能を試すことが出来たのだが、筆者が一番気になったのは「新しいつながり方」だ。指先でさっと絵を描いて相手に送信できる「スケッチ」、画面を押すことで手首で感じられる情報を相手に送信できる「タップ」、2本の指を画面に押し当てるとセンサーが心拍数を読み取り相手に送信できる「ハートビート」。しつこく「相手に送信できる」と繰り返したが、Apple Watchは他にも誰か、しかも近しい、親しい人が自分と同じようにApple Watchを所有していることを前提とした機能が多く盛り込まれているように思えたのだ。Digital Touch機能は、より親密なコミュニケーション形態を想像させる。イメージされるApple Watchのユーザーは、友人が多い、彼女・彼氏、あるいは伴侶がいるといった感じだろうか。パートナーがいないというユーザーでも、Apple Watchを使ってコミュニケートすることで、昵懇な関係を築いていけるのでは?、とも。発表会で紹介されたが、チェックできなかった機能も幾つかある。CEOのTim Cookがキーノートスピーチで「5歳の頃からこれがやりたかった」と言っていた通話機能は、どんな按配なのか未確認。Apple Watch本体に内蔵のマイクとスピーカーの位置はとても近く、フィードバックを起こすのではないかと心配になったので、これは是非試してみたかったのだが。また、最大で18時間持つとされているバッテリーも、ヘビーな使い方をした場合どうなのかも未チェック。防沫性能と耐水性能を備えているが防水性能はない、と言いつつ、IPX7等級という耐水性能も気になるところだ。機会があれば、このあたりに関しては実機を入手してテストしてみたいところだ。発売は4月24日で、予約は4月10日からとのことだが、とりあえず、新宿の伊勢丹か銀座のDover Street Marketを覗きに行こうと思う。写真提供:Mac Fan
2015年03月11日米Appleは3月9日(現地時間)、スマートウォッチ「Apple Watch」の発売日と価格を発表した。「Apple Watch Sport」「Apple Watch」「Apple Watch Edition」の3つのコレクションを縦38mmと42mmの2サイズで展開。発売は4月24日で、10日から予約受付を開始する。Apple Watchは、Appleがウェアラブルデバイス用に開発したOS「Watch OS」を搭載したスマートウォッチ。2014年9月の発表当初は、2015年初頭の発売とされていた。いずれのコレクションも、りゅうず部分「デジタルクラウン」を回転させることで画面のズーム、スクロールを行う。デジタルクラウンを押せばホームボタンに戻り、長押しすれば音声アシスト機能「Siri」にアクセスできる。「タッチ」と「プレス」の差を判別できる「Force Touch」機能を装備。着信やメッセージの受信などがあった場合には腕を軽く叩くようにしてユーザーに知らせる。返信や通話もApple Watchで行えるが、iPhoneに転送することも可能だ。指でApple Watchの画面上に絵を描いて送信する「スケッチ」機能など文字以外でコミュニケーションを取れる「Digital Touch」機能を搭載している。そのほか、ユーザーの活動量を「ムーブ」「エクササイズ」「スタンド」の3種類に分けて記録するフィットネス機能も持つ。標準アプリはメッセージ、電話、メール、カレンダー、アクティビティ、ワークアウト、マップ、Passbook、Siri、ミュージック、リモートカメラ、Remote、天気、株価、写真、アラーム、ストップウォッチ、タイマー、世界時計、設定。充電はApple Watch裏ブタにコネクタを接続して行う。最大18時間の連続使用が可能だ。対応端末はiOS 8.2以上を搭載したiPhone 5/5c/5s/6/6 Plus。○Apple Watch Sportシルバーもしくはスペースグレイの酸化皮膜処理された軽量アルミニウム製を採用したケースとなっており、Ion-Xガラスでディスプレイをカバーして保護する。バンドはフルオロエラストマー製のスポーツバンドで、ホワイト、ブルー、グリーン、ピンク、ブラックの5色を用意する。価格は42mmが48,800円(以下、すべて税別)、38mmが42,800円。○Apple Watch鏡面仕上げを施したステンレススチールケースとスペースブラックのステンレススチールケースを採用。バンドはフルオロエラストマー製のスポーツバンド(ブラック、ホワイト)、クラシックバックル(ブラックのみ)、ミラネーゼループ、レザーループ(ストーン、ライトブラウン、ブライトブルー)、モダンバックル(ソフトピンク、ブラウン、ミッドナイトブルー)、リンクブレスレットを用意する。価格はスポーツバンドが38mmで66,800円、42mmで71,800円。クラシックバックルとミラネーゼループが38mmで77,800円、42mmで83,800円。レザーループが42mmのみで83,800円。モダンバックルが38mmのみで89,800円。ステンレススチールケース リンクブレスレットが38mmで113,800円、42mmで119,800円。スペースブラックステンレススチールケース スペースブラックリンクブレスレットが38mmで126,800円、42mmで132,800円。○Apple Watch Editionケースは標準的な金の2倍の硬度になるよう開発した18Kを採用しており、18Kイエローゴールドと18Kローズゴールドの2種類がある。バンドはスポーツバンド(ブラック、ホワイト)、クラシックバックル(ブラック、ミッドナイトブルー)、モダンバックル(ローズグレイ、ブライトレッド)を用意する。価格はスポーツバンドが38mmで1,280,000円、42mmで1,480,000円。クラシックバックルが42mmのみで1,880,000円、モダンバックルが38mmのみで2,180,000円。
2015年03月10日米Appleは9日(現地時間)、サンフランシスコで行ったスペシャルイベントにてiOS 8.2を発表。同日、提供を開始した。このアップデートはApple Watchのサポートと、「ヘルスケア」アプリの機能改善、安定性の向上、バグの修正が含まれている。今回提供される「iOS 8.2」は、新たに提供される「Apple Watch」アプリで、iPhoneとのペアリングと同期、およびWApple Watchの設定のカスタマイズが行える。「アクティビティ」アプリでは、Apple Watchがペアリングされている場合、Apple Watchに保存されているフィットネスデータや成果を表示できる。これらの機能はiPhone 5以降に対応する。「ヘルスケア」アプリでは機能改善が図られ、距離、体温、身長、体重、および血糖値の単位を選択できる機能を追加したほか、サードパーティ製アプリで、ワークアウトセッションを追加して視覚化できる機能、歩数、距離、および上った階段の追跡をオフにできるプライバシー設定の機能が追加され、メディカルIDに写真を追加できないことがある問題などが解決されている。その他、「マップ」や「カレンダー」などで生じていた問題が修正され、全般的な安定性の向上も図られている。
2015年03月10日○KSLV-IからKSLV-IIへ2020年に韓国の月周回探査機と月探査ローヴァーを打ち上げることになっているのは「KSLV-II」というロケットだ。しかし、現在KSLV-IIはまだ開発中で、実機は存在していない。KSLV-IIは、韓国航空宇宙研究院(KARI)が2011年から開発を行っているロケットで、名前は「Korea Space Launch Vehicle」(韓国の宇宙ロケット)の頭文字からとられている。KSLV-IIは、2009年から2013年にかけて打ち上げた「KSLV-I」(愛称「羅老号」)の後継機にあたる。また羅老号は第1段にロシア製の機体やロケットエンジンを用いていたが、KSLV-IIはすべて韓国で開発、製造されるという。韓国のロケット開発への取り組みは、1989年10月にKARIが設立されたところから始まる。KARIではまず、KSR-Iと名付けられた固体燃料を用いた小型観測ロケットを開発し、1993年に2機が打ち上げられた。続いて、KSR-Iを2機上下につなげたようなKSR-IIが開発され、1997年と1998年に1機ずつが打ち上げられた。そして1997年、KARIはKSR-IIIの開発に着手した。KSR-IIIはそれまでのI、IIとは違い、液体燃料を使うロケットであった。推進剤に液体酸素とケロシンを使い、ガス押し方式のエンジンサイクルを採用、推力は13トンであった。KSR-IIIの開発は難航し、また性能も低いものであった。結局2002年に1機が打ち上げられたのみで引退している。当初韓国は、このKSR-IIIを発展させ、人工衛星を打ち上げられるようにした「KSLV-I」ロケットを開発するつもりだった。しかし海外から技術を導入するという形に大きく転換され、2004年にロシアのGKNPTsフルーニチェフ社との間で契約が交わされた。その結果KSLV-Iは、同社ロシアが開発、製造する第1段と、韓国が開発、製造する第2段とフェアリングを持つ形状へと変化した。ロシアから提供されることになった第1段機体は、ロシアの最新型ロケットである「アンガラー」の第1段をそのまま流用したものだった。ところが当時、アンガラーはまだ開発段階で、ロケットエンジンの燃焼試験が行われている程度であり、実機は影も形もなかった。実際にアンガラーが初打ち上げを迎えたのは2014年のことであった。当初、KSLV-Iの打ち上げ予定は2007年とされたが、アンガラーの開発が遅れたことで、当然ながらKSLV-Iの打ち上げも遅れることになった。KSLV-Iは羅老号と名付けられ、2009年8月25日に1号機が打ち上げられた。しかし衛星フェアリングの片方が分離できず打ち上げ失敗、2010年6月10日には2号機が打ち上げられたが、今度は第1段ロケットが爆発し、再び打ち上げは失敗した。この2号機の打ち上げ失敗の原因が韓国側とロシア側のどちらにあるかを巡り、両社は揉めることになる。なぜなら、当初の契約ではロシアからのケットの提供は2機まで、ただしロシア側の原因で打ち上げが失敗した場合にのみ、無償で3機目が提供されることになっていたためだ。爆発という突発的に起きる事象に対して、ロケットに搭載されていたセンサーやカメラから分かることは限られており、数少ない手がかりや憶測から、韓国とロシアの両者は責任のなすり付け合いを始めた。例えば韓国側は分離用に使われていたロシア製の爆発ボルトが原因ではないかとし、ロシア側はロケットが飛行経路を外れた際に自壊処理をさせるために搭載されている韓国製の指令破壊装置が原因ではないかと主張していた。2011年になり、ロシアは結局3機目の機体の提供に同意し、2013年1月30日に打ち上げられた。ロケットは順調に飛行し、搭載していた人工衛星STSAT-2Cを軌道に投入、打ち上げは成功した。ロシアから技術を導入することが決定された当時、韓国はKSLV-Iを発展させ、打ち上げ能力を強化したKSLV-IIやIIIを開発することを考えていたようだ。また韓国は、アンガラーの技術を手に入れることを目論んでいたともされる。しかしロシアは、単にロケットの完成品を売り込むことを考えており、組み立てや整備といった作業に韓国側が立ち会うことはできなかったとされる。ロシア側から技術が得られないことが明確になったため、2009年ごろにKSLV-IIを独自開発に切り替える決定が下されている。これが現在開発中のKSLV-IIである。○KSLV-IIKSLV-IIの全長は47.5mで、直径は第1段が3.3m、第2段が2.9m、第3段が2.6mと、徐々に細くなっている。打ち上げ能力は高度700kmの太陽同期軌道に1,500kgほど、また月への打ち上げ能力は550kgほどになるとされる。太陽同期軌道というのは地球の観測に適した軌道のひとつで、多くの地球観測衛星や偵察衛星がこの軌道に打ち上げられており、韓国の「アリラン3号」、「アリアン5号」などもこの軌道に乗っている。アリラン3号は日本のロケットで、アリアン5号もロシアのロケットで打ち上げられているが、両機と同じ1,500kg未満の衛星であれば、KSLV-IIが完成すれば、自力で打ち上げることがができるようになる。総開発費は1兆9,572億ウォンが予定されている。ロケットは3段式で、全段に液体燃料を用いる。第1段には75トン級のロケットエンジンを4基装備し、第2段には第1段と同じ75トン級エンジンを1基のみ装備、そして第3段には7トン級ロケットエンジンを装備する。75トン級エンジンは推進剤に液体酸素とケロシンを使用し、エンジンサイクルはガス発生器サイクルであるという。またノズルの壁面にケロシンを流して冷却し、さらにその後燃焼室に送り込んで燃焼にも使用する、再生冷却方式を採用しているとされる。なお、第2段に装着されるエンジンは、高真空環境に合わせて、ノズルの開口比が第1段用よりも大きくなっている。韓国は羅老号の開発時に、この75トン級と同じ推進剤、同じエンジンサイクルの30トン級エンジンの開発を行っていた。これはウクライナのユージュノエ社からの技術供与があったとされる。この30トン級エンジンは、将来的に羅老号の第2段に搭載し、打ち上げ能力を増したロケットを造ろうという計画があった。もし実現していれば、これがKSLV-IIと呼ばれるロケットになっていただろう。しかし計画は中止され、30トン級エンジンの開発も打ち切られ、この75トン級エンジンへ引き継がれることになった。75トン級エンジンは2009年ごろから開発が始まっており、2017年までの完成を目指すという。現在までに部品単位での試験や、燃焼器のみでの燃焼試験が実施されている。また2015年6月には新しいロケットエンジンを試験設備が完成することから、エンジン全体の燃焼試験も開始される見込みとされる。開発完了は2017年6月に予定されている。一方の第3段用7トン級ロケットエンジンは、推進剤に第1段、第2段と共通の液体酸素とケロシンを使用し、エンジンサイクルはガス押し式を採用している。すでに2014年3月に燃焼器のみでの燃焼試験を実施しており、今年6月にはエンジン全体の燃焼試験を実施するという。(次回は3月12日に掲載予定です)
2015年03月10日米Appleは現地9日に開催したイベントで、Apple TVの価格を99ドルから69ドルに引き下げると発表した。これに伴い、日本の直販サイトApple Storeでの価格も税別8,200円に改められた。従来は同9,800円だった。Apple TVはAppleが開発したセットトップボックス。映画やPod Castを視聴したり、iPhoneやMacの画面をAir Play機能を使ってApple TVに送信し、テレビ画面にそのまま表示したりすることができる。今回の発表では、米ケーブルテレビ局HBOと共同で、Apple TVおよびiOSデバイス向けにサブスクリプション制の映像ストリーミングサービス「HBO NOW」を米国向けユーザー向けに提供することも発表された。なお、今回の発表会でApple TVの最新モデルの登場が期待されたが、値下げ発表にとどまり、2012年3月に現行モデルが発表されて以来、3年間ハードウェアの更新が行われないこととなった。
2015年03月10日