暖かくなってきて、外へのお出かけの機会も増えてくる季節。今ではオンラインで簡単に商品注文ができる時代ですが、店舗での買い物はオンラインには代え難い楽しみのひとつ。スキンケア、ヘアケア、ボディケア製品を展開するイソップは、そんな楽しみを倍増してくれる実用的かつ美しい容器だけではない店舗ばかり。「新たな出店先を探す時に、私たちがいつも最初に考慮するのはそこにすでにあるものと連帯することです。その場所にある「布地」に私たち自身を編み込んでいき、調和を乱す存在にならずにプラスになるような何かを与え、一貫して地元に関連した素材をデザインに使用することが私たちの意図です」。そんな想いから、店舗のデザインがストアによって違う中からおすすめの5店舗と、今季の注目アイテムをご紹介。イソップ 渋谷店新しいものと古いものを共存させた空間2018年秋に旧店舗と同じ明治通りに移転オープンした渋谷店は、12平方メートルから69.6平方メートルと面積を拡大し、広々とした空間が落ち着くストアです。建築設計だけでなく、プロダクトデザイン、空間インスタレーションやムービー制作など幅広く活動をするトラフ建築設計事務所とのコラボレーションで誕生した新店舗は、渋谷という「古さと新しさが共存し、常に変化し続ける街」を表すようなデザイン。既存の構造やコンクリート素材を活かしながら、スチールと日本のクリ材を繊細な構造で組み込んでいます。スチール製のひさしが目を引くエントランスを入った店内はコンクリートの壁にクリ材が覆うように使用され、そのテーブルや棚などの骨組みにもスチールが組み込まれたモダンであたたかい空間です。隅にあるクリ材のベンチで、ホッと一息つきながら美しい陳列を眺めてみては? イソップ 中之島フェスティバルプラザ店大阪を代表する劇場のような重厚で豪奢なデザイン 大阪の堂島川の面するツインタワーのひとつにフェスティバルホールという文化施設があり、このホールは、まだ日本に大きなコンサートホールがない時代に国内外のアーティストたちを呼び、芸術や音楽の文化を育くんできました。「わたしたちはこのホール、そして芸術や音楽にあふれた街「中之島」へのオマージュとして、小さな美しい劇場のようなストアを作りたいと考えた」という想いから設計事務所 CASE-REALが手がけました。大阪の中之島近郊で採掘される少し青がかった竜山石(戦前の大阪に建てられた西洋風建築にも多く使われている)を使用した陳列棚に、ブルーの床、そして豪奢で優美なゴールドのシンク。「クラシック音楽のようにエレガントで優美な、時にアヴァンギャルドで彫刻的な」店舗は、古き良き中之島の歴史を伝えています。 イソップ 銀座店前店舗の靴屋への愛と敬意が溢れる 歴史と伝統ある銀座の街に構えるイソップの店舗は、高級で豪奢かと思いきや、あたたかさ溢れるレンガの作り。スキーマ建設計画の長坂常氏が手がけた店舗は、イソップになる以前の店舗であり昭和49年から続いた靴屋のMilano Shoesに敬意を払ったという。レンガが特徴だったMilano Shoesの既存のレンガのファサードを残しながら、内装のデザインもレンガ造りを継承した。中と外のギャップを埋めることで「通りから入りやすく、いつでもお客さまをお迎えする感じ」にしたという。銅製のシンクに、レンガとツガ材の什器、そして訪れたときに見ていただきたいのが、トイレ。靴置きに使用されたトレーをソープ置きに再利用している、前店舗への細やかな敬意が垣間見えます。 イソップ 東京店昭和とモダンが融合した空間 2016年に、東京を象徴する旗艦店として「東京店」と名付けられ中目黒に誕生した店舗は、SIMPLICITYの緒方慎一郎氏とのコラボレーション。中目黒の歴史に着想を得たのだそう。昭和初期に商工業都市として栄え、活気のある住宅街として変化してきた中目黒。目黒川沿いの住宅街に溶け込むように、邸宅のような雰囲気を醸し出すチーク材と紙布を用いた商品ディスプレイ用の棚や、昭和の台所を再現したというタイルと銅素材を組み合わせたシンク、そして1950年代のリビングにヒントを得た奥のテラスにはヴィンテージの家具や古本がずらりと並んでいます。日本で唯一イソップのフェイシャルトリートメントを受けることができ、ひとりひとりに合わせたトリートメントを堪能できます。 イソップ 京都店日本の美しき伝統を讃える 京都発の直営店として2013年にオープンした京都店。東京店と同じく、SIMPLICITYの緒方慎一郎氏が店舗ディレクションを手がけました。谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」や14世紀の俳優・劇作家の世阿弥元清、京都の町屋、日本語の縦書き配置など日本の歴史と伝統、文化に着想を得たデザインは、白黒の配色、ウィンドウから覗く古びた井戸、光と影のコントラストなどに落とし込まれています。黒いメッシュのベールで仕切られた店内は、イソップのプロダクトをベール越しに見えるように計算してあるのだとか。日本の伝統的な美学が詰め込まれた店舗です。 店舗で発見するのが楽しみなプロダクトイソップの様々なデザインの店舗で、自分好みのアイテムを見つけるのは宝探しのような楽しみがあります。店舗での楽しみは残しながら、今おすすめしたいアイテムを4つご紹介します。 優しく包み込むような感触のクレンジングミルクジェントル クレンジング ミルク 100 mL 3.4 fl oz ¥3,400 / 200 mL 6.8 fl oz ¥5,300(税別)今春発売したイソップ初となるミルクベースフェイシャルクレンザーは、肌に負担の少ない新しい感触のクレンジング。肌を優しく包むような肌触りは、ほとんどの肌タイプの方におすすめです。特に、敏感肌や乾燥肌の方には相性の良いクレンザーです。洗浄の過程でも肌に負担のないように、そしてサンダルウッドやラベンダーなどバランスの良い配合でうるおいを与えながら優しく肌汚れを落としてくれます。 Tゾーンのベタつきに。肌をすっきりと整えるケアトゥーマインズ フェイシャル トナー 100ml ¥3,600 / 200ml ¥6,000 (税別)肌の肌理をバランスよく爽やかに整えてくれるトナー。モイスチャーバランスが崩れたオイリーなTゾーンが特徴のコンビネーション肌を考えてイソップが作ったプロダクトのひとつです。ナイアシンアミドやウィッチヘーゼル、ローズマリー、ラベンダーといった肌を整える成分が配合され、老廃物などにも働きかけてくれます。Tゾーンのベタつきや乾燥が気になる方やさっぱりとしたつけ心地が好みの方におすすめです。 ビタミンを贅沢に配合した美容液フェイシャル エッセンス 60 60ml ¥11,000(税別)肌を整えうるおいの膜で乾燥から肌を守る美容液。低粘度の美容液は、植物由来の成分やビタミンが配合され、クリームなどが苦手な方にもうるおい補給を叶えつつ心地よいつけ心地を実現しました。うるおいを持続させるカラギーナン Na、肌を整えるナイアシンアミドに加え、サンダルウッドやローズの花弁、フランキンセンスから抽出されたオイルも配合され、艶やかでうるおいのある肌に。 集中トリートメントはこれで決まりフェイシャル ハイドレーティング マスク 59 ¥5,700(税別)乾燥、大気汚染、そしてこれからの季節に気になる多湿が気になる方におすすめしたい保湿トリートメント。肌を浄化しながら保湿バランスを整えるブルーカモミールやうるおいを保つビサボロールとジンジャーの根、ローズマリーの葉とラベンダーのエッセンシャルオイルなどが配合され、なめらかで健やかな肌へ導きます。週に1〜2回の使用がおすすめで、週の終わりに自分へのご褒美としていかがでしょう。 デザインを通して感じるイソップの世界観ひとつひとつ店舗が違うのは、そのひとつひとつの店舗がある地域が違うから。私たちの肌も同じく1人ひとり違います。イソップの研究を重ねたこだわりの成分を使用した商品を、1人ひとりのニーズに合わせてストアのコンサルタントがアドバイスしてくれます。自分にあったスキンケアと自分好みの店舗を見つけてみてはいかがでしょうか? Aēsopwww.aesop.comtext : 和田典子
2019年05月29日SIMPLICITY代表・緒方慎一郎とプラントアーティスト・川本諭による共著『拈華(ねんげ)』が刊行される。本書は2016年4月、緒方 慎一郎が亭主を務める八雲茶寮において開催した緒方 慎一郎と川本 諭による二人展の作品を「静と動」の視点で写真に収めたもの。「現代における日本の文化創造」をコンセプトに、様々なかたちで日本の表現を試みる緒方 慎一郎が、川本 諭とともに挑んだ生け花でもフラワーアレンジメントでもない現代の花の軌跡である。ねん - げ【拈華】「拈華微笑(ねんげみしょう)」の故事より引用。霊鷲山で説法をした釈迦が花を拈って大衆に示したところ、摩訶迦葉だけがその意を悟って微笑し、仏教の真理が無言のうちに伝授されたことをいう。以心伝心で法を体得する妙を示す。【書籍情報】『拈華 - nenge -』著者:緒方慎一郎/川本 諭写真:池田裕一/小松原英介アートディレクション:緒方慎一郎出版社:株式会社青幻舎208ページ/B5価格:4,000円発売:2017年10月初旬(全国書店にて)
2017年10月18日