フリーランスライター、編集者。旅好き編集ユニット「auk(オーク)」としても、雑誌の記事や本作りを行っている。著書に『ラトビア、リトアニア、エストニアに伝わる温かな手仕事:バルト三国の伝統的なハンドクラフトと街歩き案内』(誠文堂新光社)ほか。「greenpoint books & things」として、イベントなどで古書の販売も。一児の母。
そろそろうちのこにも料理を教えたい。でも何からどうやって教えたらよいのかわからない…そんなママのために、家でママが教えるためのコツを盛り込んだ親子レシピをご紹介。「小さな子どもでも1人で作れるレシピ」「親子で分担して作るレシピ」「ママが料理を教えるときに、子どもに伝えるべきこと」などをお伝えしていきます。
「やさしいママのひみつ」第2回目は、ライフオーガナイザーの 宇高有香 さん。5歳の女の子と、7歳の男の子、2人のママです。 宇高有香さん 娘さん:有咲(ありさ)ちゃん(5歳)、息子さん:通吾(とおご)くん(7歳) 2013年にライフオーガナイザー1級を取得し、その後はフリーランスで活動中。お家からパワーをもらえるような空間作りを目指す「ウチカラ」主宰。著書に 『子どもと暮らす ラクに片づく部屋づくり』 (辰巳出版)。ブログ 「丘の上の家」 も人気。 HP: 宇高さんが考える、いつも笑顔のママでいるための方法、愛を込めて選んだわが子のための厳選アイテムとは? <前編>では、宇高さんの 「やさしさのヒミツ」 に迫ります。 ■「片づけ」を通した、いい親子関係 すっきりと片づいたお部屋。まだ散らかし盛りの年頃のお子さんが、2人いるお宅にはとても思えないほど、宇高さんのご自宅は気持ちのよい空気が流れています。 「小さな頃からインテリアや建築に興味がありましたが、実は片づけが大の苦手でした。この家を建てる際、その苦手な片づけを克服しようとして、 ライフオーガナイザー によるコンサルティングを受けたことが、この仕事に就くきっかけになったんです」 個人宅の片づけのサポートや、片づけについての講座を開催するライフオーガナイザーとして、忙しく過ごす宇高さん。ライフオーガナイザーの考え方は、 「人の意見を尊重する」 というのが前提。 自分の性格や片づけのタイプを見直し、そこで生活する家族のことを考えた上で、どういう暮らしが自分たちらしいのか考えていくのだそう。その集大成とも言える宇高さんのご自宅には、選び抜かれたこだわりのアイテムがいっぱいです。 ■子どもも、自分のことは自分で 宇高さん宅の子ども部屋には、同じハンガーがきれいに並んだ、ハンガーラックがあります。左側には有咲(ありさ)ちゃんの服、右側には通吾(とおご)くんの服、とTシャツなどのトップスもすべてかかっています。 「洗濯をして乾いたら、ハンガーのままラックにかけるんです。このハンガーは、襟を大きく開かなくても干すことができて滑りがいいので、子どもも自分で取りやすいんです。すべての服が見えるので、子どもたちは自分で着たい服を選びます。私は服について何も言わないし、手伝わないですね」 見えていると存在を忘れることもなく、すべての服を稼働することができるといいます。通吾くんは7歳にして、Tシャツを色別に分け、毎日違うコーディネート楽しんでいるのだそう。 「すべての服が一目瞭然なので、『あの服どこ?』と聞かれなくなって、忙しい朝も、気持ちに余裕ができました。子ども部屋は2人でずっと使っていくので、基本的に“ものは少なく”を心がけていて、服はここにかかる分だけ。おばあちゃんが服を買ってくれるので、私はできるだけ買わないように。いただきものも捨てられなくなるので、もらった時点で厳選するようにしています」 そんな子どもたちのお気に入りの服を洗う洗剤には、特に洗浄力にこだわりたいと話す宇高さん。 「家族みんな同じ洗剤を使いますし、保育園に通う娘は特に、砂遊びをするので汚れものが多いんです。洗剤もこだわって使っているつもりでしたが、柔軟剤はパッケージの見た目で選んだりしていて、使い心地で、これというものには出合えていなかったのかもしれません。 今回ヤシノミ洗濯洗剤を使ってみて、安心な処方がされているのに、汚れ落ちも十分感じられるし、洗い上がりがさっぱりする感じがして、すごく気持ちがよかったです」 ■心の余裕を作るための収納 宇高さんの平日は、朝8時に子どもたちを見送り、夕方6時までは仕事。洗濯などの家事は、夜にまとめてしているそう。片づけと食事の準備は、子どもたちの仕事。「なんでも自分でできるように」が宇高さん流です。 「忙しいときに、いちいち呼ばれるとイライラしてしまいます。できるだけ子どもが自分でできるようにすると、私の心に余裕ができるんです。 私も笑顔でいたいから、 子どもが自分でできるような収納の仕組み を作って、自分も楽にしているんです。それに子どもができることが増えると、みんなが楽しく過ごせると思います」 家事を一人で抱え込まず、みんなで分担することで、心の余裕をつくることが、宇高さんが笑顔でいられる秘訣。 「仕事でも、依頼してくださる方の8割以上がワーキングマザー。忙しいから片づかなくて、イライラしてしまうという方が多いんです。収納の仕組みが整うと、気持ちが良いというのもありますが、時短にもなり、子どもが自分でできるようにもなる。 インテリア好きの方の多くがこだわりたいから、ママ目線で考えてしまって、 子どもの意見 をないがしろにしがち。すべてを尊重するのは難しいから、自分のなかで優先順位をつけるといいですね。 デザイン重視のときもあれば、使い勝手が重視のことも、子どもの意見が最優先のときもある。全部が大人、全部が子どもではなく、妥協点がわかった上で選ぶと、納得のいくものを選べて失敗もなくなりますよ」 <後編>では、宇高さんが、子どもたちと家族のために、ひとつひとつ納得して選んだ アイテム と、 収納ルール をさらにご紹介します。 取材/文:赤木真弓 撮影:タドコロミズホ [PR]サラヤ株式会社 【やさしいママのひみつ 一覧】
2016年09月27日今年(2016年)発売された、カラフルな色使い、かわいらしい動物の絵が印象的な絵本『あいであ』(アノニマ・スタジオ)。日本ではなかなか見られない新鮮な感性で描かれたこの絵本は、言葉が少ない分想像力をかきたてられ、0歳から年齢を問わず楽しめます。 著者の、こうのあおい(葵・フーバー・河野)さんは、1936年東京生まれ、スイス在住のグラフィックデザイナー・イラストレーター。そんな世界的に活躍している葵さんが来日されていると聞き、絵本についての話を中心に、たっぷり伺いました。 ■“こうのあおい”の絵本が生まれるまで 葵さんは、日本を代表するグラフィックデザイナー、河野鷹思氏の長女。東京芸術大学を卒業後にスウェーデン・ストックホルムでグラフィックアートを学び、イタリア・ミラノに拠点を移してからは、世界的なグラフィックデザイナーで、のちに夫となるマックス・フーバー氏のスタジオでイラストレーションを担当。 その後、スイスに移り住み、現在までテキスタイルや絵本、おもちゃなど、幅広くデザインや絵画を数多く手がけてきました。 「主人がイタリアのエッメ社という出版社から、イエラ・マリ(絵本『あかいふうせん』、『木のうた』など)さんの本のレイアウトを頼まれたのをきっかけに、編集者のロゼッリーニさんと知り合ったんです。 何かアイデアがあれば、と声をかけてもらっていたのだけど、実際に絵本を作ったのは、少し後のことでした。絵本は専門ではなくて、ブルーノ・ムナーリ(絵本『きりのなかのサーカス』など、イタリアを代表するアーティスト)さんと本を作るときに、いろいろ勉強しました」 そうして、1972年にイタリアで出版された絵本が『ふゆ』。フランスほか世界5ヶ国で翻訳されたものの、日本ではなかなか読まれる機会に恵まれませんでしたが、刊行から40年後の2012年に、待望の日本語版が出版されました。 『ふゆ』 (こうのあおい・著/アノニマ・スタジオ) 『ふゆ』は、ある冬の日、雨が雪になって、少しずつ降り積もり、やがて地面を覆います。雪の上に見つけた、いろいろな足跡をたどると…というお話。 グレーや白の、シックな色使いを基調とした、シンプルなイラストで、飾っておきたくなるようなデザイン。余白も多く、真っ白のページに文字だけ入ったページは、だんだん雪に見えてきます。 「これは、南スイスの小さな村に引っ越したとき、猫を3匹くらい飼っていたんですけど、見当たらないと思ったら、雪の上に足跡が点々とついていて。そこから、この話を思いつきました。 イエラ・マリさんの絵本も文字がないし、最初はテキストもなくしたいくらいだったけど、この場合はちょっとあったほうがいいなと思って。 最後のページの動物は、本当はもっとすごい色だったけど、“冬にアフリカの動物がいるわけがない”と、当時編集者から言われて、今の色に落ち着いたんです(笑)」 ■考えて、話し合うきっかけに 先頃発売となった『あいであ』は、平和に楽しく暮らしている動物たちの村に、突然事件が起こる、というお話。動物たちは話し合って、“あいであ”を出し合い…。この話の原案は40年前からあり、これまで日の目を見なかった1冊だったのだそう。 『あいであ』 (こうのあおい・著/アノニマ・スタジオ) 「原画を出版社に渡すとき、『もしかしたら、失くされてしまうかもしれない』と思って、昔はコピー機がないから、鉛筆で全部下書きを描いたんです。それがあったからできた本。 絵を描くのは遅くはないと思いますが、これは1ヶ月~2ヶ月くらいかかりました。細かい葉っぱを描くのに時間がかかりましたね」 「これは、スイスので、うちで飼っていた猫がいなくなり、村の猟が趣味の人に撃たれてしまったかもしれないと思ったことがきっかけでした。本を出して、そういうことを防止しないと、と思って考えたんです。 でも、今は地震や原発といった、それより怖いものがたくさんあるので、お話をちょっと変えて、編集の方とやりとりをしてストーリーを決めました。問題から逃げても解決はできないけど、話として終わりがないと具合が悪いので、最後に自然エネルギーを思わせるページを加えたんです」 必ずしもハッピーエンドだけがいいことではなく、「みんなにとっての大問題は、逃げても解決はない。でもみんなで、本気で考えることが大事」ということをテーマにしたかったと話します。そんな葵さんは、ご自身の絵本をどのように読んで欲しいと考えているのでしょうか? 「私は絵からアイデアを考えて、後から話をつけていますが、絵本に関してはテキストがないくらいが理想だと思っています。 絵本は絵の本だから、ビジュアルコミュニケーションというのかしら。絵をそのまま見て、感じて、自由に解釈すればいいんじゃないかなと思います」 ■生活と遊びで培われた色彩感覚 独特の色彩感覚はどこから生まれたのか、影響を受けたものなど、子どもの頃はどうだったのでしょうか? 「私が子どもの当時、絵本はほとんどありませんでしたが、1冊だけ、ミッキーマウスの本がありました。すごくきれいなグリーンだったのは覚えています。私は形よりも色のほうが記憶にあるんです。 子どもの頃は戦争もあったし疎開もして、とにかく物がないから、海で石を取ったり、着物の端切れをチクチク縫ったり貼ったりして。食堂ごっこをするのが楽しくて、葉っぱでホットケーキとか、色のついた紙を切って中に石を入れたり、キャラメルに見立てたり、そういう遊びをしていました。 物がなければないで、工夫して楽しめるものです」 「色感は持って生まれたもの。同じ環境でも色感って違うし、絶対真似はできない。体が要求する、体質的なものだと思います。 ただ、個人的に黒色は、そこに穴が空いたように見えるから、使うのは苦手ですね」 最後に、絵本を通して伝えたいことを伺いました。 「子どもというよりお母さんに伝えたいのですが、日本はいま、いい意味でも悪い意味でも、物が多い。情報も多いし、お母さんは選ぶのが大変じゃないかなと思うんです。それに、望みと関係なく情報が入ってきちゃうのは、子どもにとっても良くないと思います。 絵本も『わからせよう』と説明しすぎるのではなく、ある程度放っておくのも大事。そうしていると、子どもも自然と感じてくるし、案外面白い見方をするかも。絵も好きか嫌いでいいんです。頭から順番通りでなく、終わりから見てもいいと思いますよ」 (取材・構成:赤木真弓)
2016年07月31日スヌーピーやチャーリー・ブラウンなど、個性的なキャラクターでおなじみのアメリカの漫画『ピーナッツ』。アメリカ・カルフォルニア州にあるチャールズ M. シュルツ美術館の、世界初のオフィシャルサテライトとなる、待望の「スヌーピーミュージアム」が、この4月、東京・六本木に開館。子どもから大人まで人気の、スヌーピーミュージアムに早速訪れました。 ■半年ごとに変わる企画展、ゆったり楽しめる日時指定の予約制 この美術館は、2018年9月までの期間限定。本家の「シュルツ美術館」が所蔵する貴重なコレクションを、半年ごとに変わる企画展とともに見ることができます。 敷地に入るとすぐに出迎えてくれるのが、5体の「ウェルカムスヌーピー」。1950年から2000年にかけて、小さな子犬から2本足で歩く今の姿まで変わっていくスヌーピーの、代表的な姿をピックアップ。美術館に近づくにつれて、今のスヌーピーの姿になって行く様子が見られ、撮影スポットにもなっています。 敷地内には、チャーリー・ブラウンが凧揚げを失敗して、いつも凧を食べられてしまう「凧食いの木」もあるので、見逃さないようにして。 チケットはゆったりと楽しめるよう、日時指定の予約制に。前売り券の販売状況に余裕がある場合は当日並ぶことも可能ですが、平日でも夕方以降、落ち着いた時間に行くのがおすすめです。 ■スヌーピーに抱きつける? 親子で楽しめる展示 来館してまず注目したいのが入場時に必ずもらえる「メモリアルチケット」。シュルツ氏が50年間ほとんど休まずに描いた、17,000を超すコミックの中から、入場した日に発表されたコミックが印刷されています。栞としても使えるこのチケットは1日4種類。家族や友人同士で行けば、違うコミックを見比べることも可能。いつ行っても違うので、コレクター心をくすぐられます。 早速展示コーナーへ。入ってすぐの場所に展示されているのは、1951年から1975年に描かれた、4,452枚ものコミックを組み合わせた立体的な作品「3Dピーナッツ」。本家のシュルツ美術館には、タイルに焼き付けたコミックからなるアート作品があり、それに呼応しているのだそう。 2016年9月25日(日)までは企画展として、「愛しのピーナッツ。」展を開催中。シュルツ氏の夫人、ジーン・シュルツさんがセレクトしたピーナッツの原画60点が、夫人だからこそ知る制作秘話とともに公開されています。 特に1985年のバレンタインデーにシュルツ氏から贈られたという原画は、世界初公開。原画に色が付いているのは珍しく、ジーンさんの寝室に大切に飾られていたそう。夫婦の絆が伝わってきます。 また、谷川俊太郎さん、吉本ばななさん、シュルツ氏の次男のクレイグ・シュルツ氏ほか、日米の著名人12人がピーナッツ愛を映像や秘蔵アイテムを紹介する、特別展示も。 のぞき穴からのぞくとキャラクターが現れたり、スヌーピーに抱きつく感触を味わえたり、子どもも楽しめるしかけもたくさん。 そのほか、最近発見された未発表のスケッチや資料を展示する「知られざるシュルツ」コーナーや、貴重なヴィンテージグッズを紹介するコーナーもあり、見応えがあります。 ■ショップやカフェも忘れずチェック 展示を見た後のお楽しみは、ミュージアムショップ「BROWN’S STORE(ブラウンズストア)」でのお買い物。ぬいぐるみやステーショナリー、雑貨、クッキーまで、幅広いオリジナルグッズが500点以上。買いすぎてしまうこと必至です。 また、併設されたカフェ「Blanket」では、サンドイッチやパンケーキ、ミルクセーキなどを楽しめます。今回の企画展に合わせた、ピーナッツバターサンドにミニコーンドック、ポテトがセットになった「マイフェイバリット ピーナッツ」や、ミルクセーキ「マイ・スイート・バブー」もあり、スヌーピーの世界観を楽しめます。 館内の隅々まで、大人も子どももゆったり楽しめる美術館。ぜひお出かけしてみては? スヌーピーミュージアム 東京都港区六本木5-6-20 (東京メトロ六本木駅より徒歩7分、または麻布十番駅より徒歩10分) open. 10:00~20:00(入場は19:30まで) オープン記念展会期中(2016年9月25日まで)無休、以降未定。 ※展示内容および商品は、会期により異なります。 ※商品は売り切れの場合がございます。
2016年07月02日母として妻として、仕事では責任ある立場として。朝から晩までフル稼働なはずなのに、なぜか魅力的に映る女性がいます。そんな気になるあのヒトの 「きれいの裏舞台」 に迫ります。 第4回は、「ママのための自然療法スクール こどもとアロマ」を主宰する、 原亜紀子 さん。自然療法を使った、安心、安全なケアをレクチャーする原さんご自身は、どのようなケアを行っているのでしょう? 毎日の過ごし方や体調管理法、小さな子どもと一緒に使える、 スキンケアアイテムのつくり方 も教えていただきました。 原亜紀子さん 株式会社kiddy aroma代表。専業主婦だった30代後半からアロマセラピーの勉強をスタートし、その後、妊産婦専門の漢方アロマセラピーサロン・スクールに勤務。スクール講師と事務局を担当。退社後、2010年に千葉の自宅で 「ママのための自然療法スクール こどもとアロマ」 をスタートし、アロマセラピー・ハーブウォーター・クレイなどの自然療法を使った「アロマの薬箱講座」「皮膚を出口にしないためのスキンケア講座」など、ママのためのホームケアの講座を開催。 忙しいママが自分のペースで学べる「メールセミナー」は、日本全国のみならず海外からの受講者も多く、これまで2,000名が受講。ちいさな子どもを持つ「ママ目線」で伝える内容が、多くのママたちに支持されている。また、現在はママが自分サイズのビジネスをしていくための「ママ起業サポート」も行っている。 blog: Facebook: お子さん : 子ども一人、息子(15歳) 運動など : 週1回の体幹トレーニング、朝の散歩、すきま時間の筋トレ 食生活 : 水、食材、調味料は良質なものを選ぶ。できるだけ農薬や添加物など余計なものが入っていないものを使う。プロバイオティクスを毎日摂る。疲労時や風邪のとき、ビタミンCなど食事で補えない部分は、良質なサプリメントにも頼る お悩み : 肌のハリがなくなったこと、疲れがとれにくい お子さんは15歳になる男の子。受験が終わってひと段落し、この春から、日中は自分のために時間を使えるようになったといいます。「子どもは手をかけすぎてもいけない年頃ですが、ごはんを一緒に食べて、話す時間は大切にしたいと思っています」。 お仕事はご自宅でのパソコン作業がほとんどだという原さんの、平均的な1日のスケジュールはこちら。 ■原さんの一日(平日) 5:30 : 起床 / メールチェック 6:00 : お弁当作り 7:30 : 息子を送り出し、朝の散歩へ(寝不足の日はクレイバスやアロマバスで交感神経をオン) 8:30 : 仕事に集中(SNS更新、執筆、打ち合わせなど) / 洗濯・掃除 13:00 : 昼食 / 自分時間(寝不足のときには必ず少し寝ます) 15:00 : パソコン作業 / スカイプで打ち合わせなど 18:00 : 夕食準備 19:00 : 夕食 20:00 : パソコン作業 23:00 : お風呂(1日のカラダとココロの疲れがリセットできるようなバスアイテムを使用) 0:00 :読書・就寝 ケアタイムは主に夜。できる限り、次の日に疲れを残さないようにしているという原さん。忙しいときほど心がけていることが、たくさんあるのだそう。 「例えば掃除。散らかっていると動きが悪くなるので、大変になる前にこまめに片付けるのがモットー。また忙しいと外食が多くなりがちですが、続くと体調が悪くなってしまうので、焼くだけ蒸すだけで十分においしい、いい食材を選んだり、サプリも積極的に摂ります。 また、締め切り前などは寝不足になりますが、夜はきちんと寝て仕事は朝にするなど、体に無理をするとかえって効率が悪いので、いかに全体のパフォーマンスが上がるかを考えるようにしています」 スキンケアでいちばん大事にしていることは、「肌をいじりすぎないこと」。洗いすぎ、塗りすぎはお肌自身の持つ保湿力を低下させてしまうため、スキンケアアイテムはナチュラルな素材なものを使っているそう。 そこで、原さんが欠かせないと話す、子どもと一緒に安心して使えるもの3点をご紹介いただきました。 ▼手づくりのハーブウォーター 化粧水は、ハーブウォーターを使った手づくり。「ハーブウォーターは買うこともできますが、自分で蒸留してつくるとお料理感覚で楽しいし、コストがあまりかからず、たっぷりと使うことができます。季節のハーブやフルーツを使うので、香りもいいんです。 そのまま使っても化粧水になりますが、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を加えることで、リッチな保湿力のある化粧水に。口腔ケアや、赤ちゃんのお尻ふきなどにも使えて便利なので、ぜひハーブウォーターを使ってみてほしいです」 ▼アロマフランスクレイ 「クレイは数種類ありますが、フェイシャルには、ホワイトカオリンやグリーンモンモリオナイトがおすすめ。洗顔、フェイスパック、ヘアパックなどに使うことができます。 ヘアパックは、髪の毛をぬらし、ゆるめのペーストをつくって地肌にパック。カラーやパーマの前後に行うと、ダメージの修復を助けてくれます。 これからの季節は、日焼けあとのケアにも。グリーンイライトというクレイが向いていて、ゆるいペーストをつくって肌に塗ったり、ハーブウォーターに少量加えてクレイローションにして使います。ひりひり感や炎症や赤みがおさまるので、夏のケアにはクレイは欠かせません。ケガや疲れ、吹き出物にも効果があります」 ▼シーオーツープラスの炭酸化粧水 「炭酸美容家の高橋弘美さんのつくる、1gにつき1,000ppm以上の炭酸ガスが配合された炭酸化粧水。天然由来成分にこだわった、シンプルな処方なので安心。特に、期間限定のローズシリーズはすぐに売り切れてしまうので、見つけたら購入するようにしています。 エアコンによる冷えには、炭酸を入れた足湯やお風呂が、温度が高くなくても血行が促進されるのでおすすめ。そこに、天然の植物のアロマ(精油)を入れば、香りの信号が脳へ伝わり、リラックスの副交感神経優位な状態に傾けてくれ、体も心も緩んで、ゆっくり眠れます」 原さんに「化粧水」と「炭酸お風呂」の簡単レシピを教えていただきました! ■ハーブウォーターを使った化粧水レシピ ・ローズウォーター 45mL ・グリセリン 小さじ1 ・ヒアルロン酸パウダー 耳かき2 ・セラミド 耳かき5 これらを消毒した容器に入れてよく混ぜるだけ。冷蔵庫保存で3週間で使いきります。 ■炭酸お風呂のレシピ (1)180リットルの浴槽のお湯に対し、先に重層250gを入れてよくかき混ぜる。 (2)さらにクエン酸を210gをまんべんなく入れる。クエン酸を入れた後は炭酸が抜けてしまうので、混ぜないようにするのがポイントです。 ※材料は食用グレード以上のものを使用すること。 ▼もっと詳しく知りたい方は… 1年を通しての、アロマを使ったママのためのナチュラルホームケア講座「アロマの薬箱」が、8月下旬より募集開始予定! ・ママのための自然療法スクール こどもとアロマ ・シーオーツープラス ・日本アロマ蒸留協会
2016年07月01日日本から飛行機で3~4時間で到着。時差もほとんどないことから、子連れでも比較的ラクに行けるということで注目の台湾。料理家の内田真美さんはいち早くその魅力の虜(とりこ)になり、15年以上台湾に通い続けています。 そんな内田さんの最新刊『私的台湾食記帖』(アノニマ・スタジオ)では、食通の内田さんが厳選した、台北、台中のおいしい料理やデザートだけでなく、子連れでの旅行先としての台湾のおすすめスポットや、子どもと旅するコツもたくさん掲載されています。そこで内田さんに、台湾の魅力や子どもと一緒に楽しむ秘訣など、たっぷり伺いました。 ■治安もよく、子ども連れにも寛容な台湾の人々 7歳の娘さんを持つ、お母さんでもある内田さん。初めての外国旅行は台湾と決めていたそう。 「娘が初めて行ったのは2歳半のとき。移動はタクシーやMRT(地下鉄)を使いますが、『今日はこのエリア』と決めて歩くと、子どもも楽しいし、言葉や町並みで、ちゃんと外国だとわかるんですね。自然な形で外国の文化を感じ取れるのがいいなと思って。施設の中でアクティビティとなると、どこの国でも一緒になっちゃうから、子どもは少し広い公園などで現地の子に混じって遊んで、私たちも散歩をすると、ちょうどいい具合にお腹が空くんです(笑)」 「台湾の人はもともと優しいですが、子どもと一緒なら、さらに優しく微笑んでくれるんです。たとえ泣いたりふざけたりしても、“子どもはそういうもの”と、男性もニコニコしてくれます。小さい赤ちゃんを連れて遅い時間にお茶を飲んでいるのも普通なので、こちらも気兼ねなく歩き回れるし、場所やマナーに気をつければ治安もいいので、晩ごはんを食べたあとに女性と子どもだけでデザートの店まで繁華街を散歩するのも怖くない。 子ども連れだとまず外出というだけで荷物が多いし、気配りすることがいっぱい。外国なら治安や移動手段も気を遣わなくてはいけないけど、ほかの国に比べると比較的治安もいいので、緊張しなくていいと思います」 街中にある松山空港を使うと、台北の主要なホテルまでタクシーで15〜20分。着いてからすぐに荷物を置けて、帰りもギリギリまでホテルに荷物を預けられ、移動距離が短いから楽、という点でも、子連れでも無理なく行けるのだそう。 ■お米や麺類、小さな子どもが食べられるメニューも豊富 さらにお米や麺類など、子どもが食べられるものが多いのも嬉しいポイント。本には、内田さんならではのおすすめメニューの組み合わせが掲載されていて、そのまま注文したくなります。 「辛いものだけ気をつけてあげれば、塩分も糖分も低いから、子どもに食べさせやすいですね。果物も豊富で、豆や芋を使ったデザートも多く、外食がしやすいです。素食文化があるし、オーガニックスーパーも多いんです」 内田さんが子連れで台湾を旅する上で、気をつけていることは? 「台湾は漢字文化だから、必ずメモ帳とペンを持ち歩きます。事前に食べたいものや行きたい場所を調べて、メモして見せればわかってくれます。台湾の人は何を言いたいのか、すごく汲み取ってくれるんですよね。 それから、ホテル選びで大切にしているのは、日本語が通じるホテルの、できるだけ広い部屋に泊まることと海外保険に入ること。子どもといると予想のつかないことがあるので、それは安心代と思ってお金をかけたいです。 1日1万円の予算があれば十分に楽しめるので、使い切れる分だけお金を換金するのがポイント。できれば4泊以上で、余裕があるとゆっくり楽しめます」 「子どもがいると、事前にピックアップしていた観光ポイントでも、とりこぼして当たり前。思い通りにいかないのはわかっているから、ゆっくり動くのが前提です。大人だけで行くと欲望の渦に巻き込まれて、スタンプラリーのような感じになってしまうけど、子どもがいると子どもたちに都合を合わせるので、次にどこに行くか、ゆるくスケジュールを決められるのが気持ちいいんです。 台湾はすぐに行ける距離にあるし、のんびりしに行くところ。だから詰め込まないで、行けなかったらまた次の楽しみにすることですね」 ■台湾旅行におすすめの時期、おすすめのグルメは? そんな内田さんのおすすめは、女友達との旅行。 「食事のことを思うと、いろいろ注文したいから、大人数で行きたいですよね。全日程一緒にするのが難しい場合は、ホテルだけ同じにしておくんです。 大人4人と子ども1人だとタクシーにも乗りやすいので、おすすめ。友人同士だと協力して楽しく過ごそうとするし、子ども連れが何組か集まると、子ども同士で遊んでくれるというメリットもあります。なので、たとえば市場に行くときは、子どもたちを公園で見ている側と買い出しに行く側と分かれたり、子どもがいない友人がスパに行く間、子どもチームはお昼寝をしにホテルに帰ったり。 現地のカフェや商業施設ではWi-Fiも飛んでいて連絡も取り合えるので、フレキシブルに各自が楽しめます」 もっともおすすめの時期は、気候がよくて雨の少ない10月ごろだといいますが、夏休みに行く人にアドバイスは? 「夏は、果物と冷たいデザートのおいしさが詰まっています。でも尋常じゃない暑さと湿度なので、小さいお子さんがいる方は気をつけて。建物内は冷房が効いていて寒暖の差があるので、寒さ対策もしてくださいね。体が疲れやすくなるので、一度ホテルに戻ってシャワーを浴びてリセットしたり、プールで遊んだりするのもおすすめです」 ■情報収集は現地の人のブログやSNSで 普段から友人を案内することが多いという内田さん。情報は、最近は現地の人のブログやSNSから得ているのだそう。 「初めて行く人がいるときは、台湾を好きになってほしいし、外したくないから大定番の店を中心にまわります。だから今回の本は、初心者の方向けに大定番ばかりをご紹介しています。さらにお子さん連れでも安心して着席できて、食べられるものがあり、小綺麗なところ。また、きれいなトイレがあるというのもポイントです」 子連れママにこれ以上ないくらい、優しい目線で書かれた本書。これを片手に、子どもと一緒に台湾に行きたくなります。最後に、内田さんから日々子育てを頑張るお母さんたちへメッセージ。 「治安がよくて、子どもに優しくしてくれるから動きやすいです。ふだん子育てを頑張っていらっしゃると思いますが、台湾ではみんなが子連れを優しく受け入れてくれて、子どもと楽しく生きていることをすごく肯定されるので、満たされます。満たされると、家族にも子どもにも優しくできるんです。 私は台湾に助けてもらっていて、いつもパワーをチャージされるので、ぜひお母さんたちに台湾に子連れで行って、少しでも気を緩ませてもらえたらいいなと思います。デザートにお茶、おいしいものを食べてゆっくりして、スパやマッサージでリラックスする。お母さんたちにとってはご褒美みたいな時間になると思います」 今回取材に協力してくださった、内田真美さんの新刊 『 私的台湾食記帖 』(内田真美・著/アノニマ・スタジオ)
2016年07月01日ジメジメした、梅雨のシーズン到来! 雨の日は、出かけるのも億劫になってしまいますが、仕事に通園、通学の送り迎え、夕食のお買い物に、忙しいママはあちこち行ったり来たり。せめてカラフルでかわいいレイングッズを身に付けて、お出かけ気分を盛り上げませんか? 男の子も女の子どちらも使えて、さらにママもお揃いを楽しめる、レインコートやポンチョ、レインブーツ、傘を厳選してご紹介します。 ■カラフルでおしゃれなレインコート&ポンチョ 「ミナ ペルホネン」 の新作レインコートは、うさぎが群れをなして走り、格子模様のようになった「run run run」と、ちょうちょの刺繍がアクセントになったシンプルな「rainy garden」。 湿気を外側に逃しながら、外からの湿気を入れない透湿防水の機能素材を使っているので、快適な着心地。自転車に乗ったり、荷物が多くて傘がさせないときにも助かります。子ども用は、裾がふんわり広がったかわいらしいデザイン。爽やかな色合いで、軽やかな気分になれそうです。 ▼run run run/¥38,000 ▼rainy garden/¥34,000 ▼左:run run run/¥14,000、右:choucho/¥12,000 サイズ:90、110、130cm 独特の世界観で描かれた、色とりどりの傘や日傘で人気の高い 「Coci la ell(コシラエル)」 。今回は、雨の日が楽しくなるようなレインコートをご紹介。 薄手のポリエステル素材を使い、軽やかながらも梅雨時期から秋雨まで対応。大きなポケットや取り外し可能なつばつきフードなど、使い勝手のいいデザインです。 ▼OUI,NON/¥38,000 ▼PASSION/¥38,000 またキッズポンチョは、バッグやリュックを背負ったまま着られ、ワンサイズで1〜4歳まで長く使えるのも嬉しいポイント。同柄の収納袋もついているので、この季節、いつもバッグに入れておきたいですね。 ▼JULY/¥9,800 ■英国王室御用達、シックなレインブーツ イギリス王室御用達の、伝統的なラバーブーツでおなじみの 「ハンター」 は、はき心地の良さにも定評があります。昨年発売された、スリムな「オリジナル リファインド バッグ ストラップ ショート」は、足先の丸みが少なく、スッキリとしたデザイン。 ▼オリジナル リファインド バッグ ストラップ ショート カラー:ペールサンド、ネイビー /各¥21,000 オリジナルブーツよりも短く、裏面のストラップとバックルがクラシックな印象です。 キッズ用の「ファーストクラシック」は、大人用のレインブーツと同じ印象を残しつつ、はき口が広いので着脱がしやすいのが特徴。平らなソールと丸みを帯びた足先で歩きやすく、初めてのレインブーツとしてもぴったりです。 ▼ファーストクラシック/¥7,000 ■雨の日は、動物やオバケをお供に 傘を束ねるベルト部分を猫やモモンガなどの、動物のシッポに見立てた傘 「Tail」 。傘を広げると動物が乗っているように見え、歩くたびにシッポがゆらゆら揺れるのもユニークです。 そのアーティストコラボレーションの第一弾として、子どもから大人まで幅広く人気のある、イラストレーターの tupera tupera(ツペラツペラ) の傘が登場。大人用は澄まし顔の鳥が花を加えた「BIRD」、キッズ用は「OBAKE」。 生地には、メーカーに余っている残布を使用しているため、模様や色合いに限りがあるというのも選ぶ楽しみに。tupera tuperaの世界観が大好きな子どもたちも、雨の日が大好きになりそうです。 ▼大人用:BIRD/¥5,400、キッズ用:OBAKE/¥4,400 お問い合わせ/ ・ミナ ペルホネン tel. 03-5793-3700 ・Coci la elle tel. 03-6325-4667 ・Hunter ・ShippoSTORE tel. 03-6265-7353 ※価格はすべて税抜きです。
2016年06月06日子どもと一緒におでかけしたくなる、気持ちのいい季節になりました。赤ちゃんや子どものお肌は、とてもデリケート。紫外線が強くなるこの季節から使っておきたい、おでかけに便利なアイテムを3点、厳選してご紹介します。 おむつや食事、着替えにおもちゃ……子どもとのおでかけは、どうしても荷物が多くなってしまいます。さらにこれからの季節は、2、3時間ごとに塗り直さないといけないUVアイテムや虫よけも必須。自分用と子ども用、別々に持って歩くのは大変です。また、子どもが小さいうちは触れあう機会も多いので、デリケートな子どもの肌にはもちろん、ママが使うものも安心できるアイテムを使いたいですよね。 添加物は使用せず、できるかぎり天然の素材を使っていて、さらに使い心地や香りもよく、親子で一緒に使えるような効果があればなおうれしい! そんなUVアイテムと虫よけ、さらに日焼けや乾燥による肌荒れに使いたい、保湿クリームの3点を選びました。 ■無香料で低刺激、 洗浄料できれいに落とせる乳液タイプの日焼け止め UVライトベール(ママ&キッズ)90ml ¥2,400 みずみずしくて軽いつけ心地の、顔にも身体にも使える日焼け止め。のびがよく、よく動く子どもにもさっと塗ることができます。紫外線吸収材をカプセルに内包し、肌に直接触れない、低刺激処方で敏感肌でも使えます。さらっとしてベタつかないのに、スキンケア成分をたっぷり配合しているので、肌がしっとりします。クレンジング不要で、洗浄料だけですっきり落とせるのも安心。日々の紫外線ケアにぴったりなSPF23PA++で、おでかけ時にはもちろん、家で過ごす日にも親子で使いたい1本です。 ■さわやかな植物オイルの香りが長続き! 虫を寄せ付けず、UV対策もできる1本 MGサンプロテクト ベビー(メイド オブ オーガニクス)45g ¥2,300 100%天然・オーガニックのシトロネラ、ラベンダー、レモンマートルなど、虫の嫌いな精油をブレンドした、さわやかな香りのクリーム。虫除け効果が約80%と高いだけでなく、SPF30PA+++でUV効果も期待できます。ふんわりとしたテクスチャーで、やさしい使い心地。防腐剤を使わず、抗菌、抗炎症などの効能を持つアロエベラジュースをベースにしているので、肌も修復してくれる効果も。スプレータイプの虫除けは顔には使いにくいですが、クリームタイプなので顔まわりにも使えるのも嬉しいポイントです。 ■おでかけ後の荒れてしまった肌にも使える、 柑橘系の香りのしっとりクリーム カレンドラ ベビーフェイシャルクリーム(ヴェレダ) 50ml ¥2,400 昔から肌荒れ予防や敏感な肌のケアに使われてきたという、キク科の植物カレンドラを使用した保湿クリーム。のびがよく、角質層に素早く浸透して肌に保護膜を作ってくれるので、つけた後はしっとり。バイオダイナミック栽培された植物を使うなど、こだわりのある製法で、赤ちゃんにも安心して使えます。日焼けして荒れたり、乾燥しがちな子どもの頬だけでなく全身に、またママの化粧下地やハンドクリームとしてもおすすめ。柑橘系の甘い香りがほどよく、リラックスできます。 ※価格はすべて税抜
2016年04月04日季節の変わり目は、体調を崩してしまいがち。まだまだ寒い日が続くので、体の冷えを感じているという人も多いのでは? 花粉症などのアレルギーも、中医学的には 体の冷え からくるものだといいます。体を整えるために、基本となるのはやはり毎日の食事。改めて食生活を見直し、風邪や花粉症に負けない体作りをするための、参考になるような本3冊を選んでみました。 体を温め、免疫力をあげる食事 『生きるための料理』たなかれいこ(リトルモア) 自身で畑を耕し、食べ物教室を主宰する料理家・ たなかれいこ さんが、旬の食材を摂ることで体を温め、免疫力をつける生活を提案する本書。文字だけの潔い表紙に書かれているのは、そんなたなかさんが基本とする7か条。 お腹が空いたときに食べる、塩むすびや葛練りの話に始まり、れんこんやにんじん、大根など身近な食材を使ったシンプルなレシピのほか、簡単なだしのとり方やごはんの炊き方も掲載されています。素材も調味料もそれほど変わったものは使わず、ちょっとしたコツで体を温めてくれる料理になります。なにより美味しそうなので、すぐに作ってみたいと思うレシピばかり。食生活を見直すきっかけにもなり、キッチンに置いてときどき読み返したい一冊です。 配合調味料もレトルト食品も使わない、簡単ごはん 『基本調味料だけで作る 毎日の献立とおかず』すみや角田真秀(マイナビ出版) さまざまな調味料が巷に溢れるなか、「さしすせそ」の基本調味料だけで、もっとシンプルに料理をしようという、フードユニット 「すみや」 の 角田真秀 さんによるこの本。 酢味、味噌味、しょうゆ味、塩味とそれぞれの献立例と主菜、副菜のレシピ、鍋のもとやレトルト、すし酢など便利な調味料を使わずにおいしくできるひと皿、手作りの調味料やたれなど、豊富なレシピを掲載。おなじみのメニューがほとんどですが、レシピ通りに作ればきちんと美味しく、新たな発見があること間違いなし。 基本調味料を使いこなすと、調味料を使い切れないといった無駄がないだけでなく、アレンジも簡単になり、食べ疲れせず、健康管理もしやすいのだとか。献立の組み立て方の参考にもなり、普段のごはんづくりが少し楽になりそうです。 お酒とともに楽しむ、薬膳おつまみ 『ほろよい薬膳』鳥海明子(誠文堂新光社) 薬膳料理家の 鳥海明子 さんによる、 薬膳 の考えに基づいたおつまみレシピの本。薬膳とお酒、一見すると正反対に思えますが、お酒も適量であれば、心身をリラックスさせて体を温める効果があるそう。薬膳は生薬を使う難しい料理ではなく、季節の恵みを楽しむことが基本。それを組み合わせることで、より心と体の調子を整えられるのだとか。 本書では、春夏秋冬、梅雨と5つの季節、それぞれに起こりやすい症状を改善する、前菜、副菜、主菜、〆、すりながし(スープ)のレシピを掲載。鳥海さんが紹介する薬膳レシピは、「梅しそじゃこの納豆パスタ」や「アボカドの生ハム巻き」など、身近な食材を使い、手軽にできるのが魅力。二日酔い対策レシピやお燗のつけ方、ワインと料理の合わせ方などのコラムもあり、楽しく薬膳を取り入れられる一冊です。 ご紹介した3冊、それぞれアプローチは違いますが、 「素材の美味しさを活かして、きちんと料理することで、体調管理をする」 ことの大切さを教えてくれている気がします。美味しく食べて、健やかに過ごせるなら何より。これらの本を参考に、食材の選び方や調味料から見直してみては? ・ 生きるための料理 ・ 基本調味料だけで作る 毎日の献立とおかず ・ ほろよい薬膳
2016年03月08日そろそろ花粉症のシーズン。毎年悩まされているという人も多いでしょう。また、寒くなったり暖かくなったりしながら春に向かうこの時期は、気温差が激しく、体調を崩してしまいがち。 そんな今だからこそ始めたい、 体も心もリラックス できる アロマオイル の使い方を、アロマスタイリスト 「sous le nez(スールネ)」 の 田仲千春 さんに伺いました。 sous le nez(スールネ)田仲千春 プロフィール 写真や絵、言葉や音楽を香りで表現するアロマスタイリスト。また、生まれた瞬間の星空・ホロスコープを読み解き、香りを処方するホロスコープセラピスト。本能に直接アクセスできる嗅覚を用い、物事の奥底に潜むものを香りで表すことを試みる。 花粉症やアレルギー対策にも、アロマが活躍 写真や言葉、音楽などから香りを表現したり、生まれたときの 星の位置(ホロスコープ) に沿って 香り を作る、展示やワークショップを積極的に行い、アロマのさまざまな魅力を伝えている田仲さん。田仲さんがアロマの魅力に気づくきっかけとなったのは、 阪神大震災 の頃。 「震災と更年期が重なって、体調と心のバランスを崩した母が、ちょうど日本に入りはじめたアロマを始めたんです。それで、もともと喘息やアトピーがあった私にも『やってみたら?』と、 アロマテラピー のセットをくれたのがきっかけ。大人になっても、環境の変化や動物とのふれあいで出ていた呼吸の苦しさが、 精油 を吸い込むことで深い呼吸に変わり、体をサポートしてくれることを実感しました」 そのときに使った精油が、 呼吸器系 を楽にしてくれるという “ティートリー” 。ティッシュやハンカチに精油を落として匂うことで、体が楽になったのだそう。それ以来、初めて行く場所にはティートリーや、 リフレッシュ できる “ペパーミント” の精油を持っていくのだといいます。 「旅先やホテルは、自分の家とは違う香りがすることがあります。そんなときはチェックインしてすぐに、 ティッシュに精油を落として部屋に置いておく んです。出かけて戻ってきた頃には、空気がすっきりしているように感じられます。 ティートリーは冬場に持っておくのに、おすすめの精油のひとつ。 ハンドソープ に入れておくと香りがよくなるのはもちろん、抗感染作用、抗菌作用があるといわれ、 風邪予防 にも良いとされています。 呼吸器系 にアプローチしてくれるから、 花粉症対策 にもいいですね。また、 “ジュニパー” も デトックス 作用があり、詰まっているものを流してくれるのでおすすめです」 花粉症の目のかゆみには、アロマを使った「冷湿布」を 精油のおかげで花粉症が改善したという田仲さん。目のかゆみには、冷湿布がおすすめだとか。 「タオルを氷水で絞って、目の当たらないところに精油を落として乗せると、かゆみが少し緩和されます。ティートリーのほか、 “ユーカリ” や “ラベンダー” がおすすめですが、大切なのは自分が好きな香りであること。本能が 『好きだ』 と思う香りは、体が自然と受け入れてくれるようです」 足浴より手軽にできる、「手浴」のすすめ そんな田仲さんがすすめる、簡単にできるアロマを使った体調管理法が 「手浴」 。聞きなれない言葉ですが、読んで字のごとく、足ではなく手をお湯につけて温めること。 「手浴の場合、鼻との距離も近いので香りを感じやすく、 蒸気 を吸い込むことで鼻の粘膜が和らぎ、精油の成分を取り入れやくなります。そうすると脳の深部(嗅覚)に届き、神経やホルモンが調整されます。 あらゆる不調の始まりでもある“自律神経の失調”は、神経のアクセルとブレーキを切り替えられなくなっている状態。特に、アクセル・緊張が続くのは、自然の動物に例えると戦っているような状態なので、脳と筋肉と心臓を中心に血流が集まり、末端の血が少なくなります。だから 冷え性 になったり、腸や子宮に血が回らなくなって、 不調 が始まる。自分では気づかないかもしれないけれど、体は身を守ろうとしてずっと 緊張 していることがあります。その緊張を解くために、アロマテラピーはやさしくサポートしてくれるんです」 手浴の方法は簡単。足浴と同じようにタライ(もしくは大きめのボウル)にお湯をはり、 手首 までじっくり浸すだけ。旅先では、洗面台を使うのもおすすめだそう。 「手浴も難しい場合は、マグカップに親指を浸す 『親指浴』 もおすすめ。すぐ冷めるので差し湯を用意して。それも大変なら、蒸しタオルに手首まで入れて温めても。全体をつける方がより血行が促されるので、効果としては手浴の方がいいですね」 症状別の「手浴」と精油の組み合わせ また手浴によって血行が促されると、肩周りの緊張が解け、 肩のコリ もほぐれるのだそう。精油の成分を取り入れやすく、肩こりも改善してくれると、一石二鳥な効果が期待できる手浴。おすすめの精油の組み合わせも教えていただいたので、ぜひ試してみてください。 「アロマは日常に取り入れやすく、お茶を飲むのと同じ感覚でちょっと一息ついたり、気持ちを切り替えたりするのに使えます。自分が好きだと思う香りで、心地よい時間を過ごしてくださいね」 【手浴の方法】 1.約42度のお湯をタライに入れ、天然塩(大さじ1)に2種類の精油を各1滴ずつ混ぜ、お湯に溶かす。 2.差し湯を用意して、冷めてきたら差し湯をしながら、15分間ほど手首まで浸す。 ※精油使用の際には禁忌事項があります(特に妊婦の方)。必ず確認してからご使用ください。 ※柑橘系の精油は皮脂を分解するため、手浴で使う場合は天然塩ではなく、コーヒーフレッシュと精油を混ぜて、乳化させてからお湯に入れてください。 ※火傷にご注意ください。 症状別アロマの組み合わせ ▼花粉症 ティートリー:呼吸器系の不調にアプローチ。免疫力アップ。 ジュニパー:デトッスク作用。ネガティブな感情を手放す。 寝る前や朝出かける前など、時間を問わずおすすめ。鼻から額にかけてスッと呼吸が通るようになります。 ▼寒暖差アレルギー(自律神経のバランスを整える) クラリセージ:緊張から解きほぐし心を緩める。 ラベンダー:ストレスを洗い流し、心のバランスを整える。 就寝前におすすめ。自分にゆるしを与えるようなブレンドです。 ▼リラックス イランイラン:花の精油。蕾がひらくように、気持ちを解放する。 マージョラム:不安や緊張を和らげる。 就寝前や休みの日に。花の精油は心を開くといわれます。心を解放したい時におすすめです。 ▼保湿 ゼラニウム:皮脂のバランスを調整する。 サンダルウッド:肌を柔らかくする。 手浴の際、タライから頭にかけてタオルをかぶせ、顔に蒸気を当てると、微量ですが肌に成分が取り込まれ、しっとり柔らかくなります。(蒸気の吸い込みすぎにご注意ください) 【information】 sous le nez ワークショップ 「星と香りワークショップ:番外編」 星座別 花粉症対策 マスクミストクラフトレシピ 2015年3月21日(月・祝)に、ホロスコープから花粉症対策の精油を選び、オリジナルのマスクミスト作るワークショップを開催予定。詳細は、 まで。 ※イベントは終了しました 取材協力:/「sous le nez(スールネ)」
2016年02月24日暖冬とは言われていますが、寒くて家から出たくない日も多いこの季節。家のなかで 「編みもの」 なんて豊かな時間ですよね。 そんな暮らしに憧れてはいるけれど、「難しそう、何を作ればいいかわからない」という方におすすめの、編みものの入門書になるような3冊を選びました。 編みもの作家がニットの聖地で感じる、編むことと暮らし ▼「アラン、ロンドン、フェアアイル 編みもの修学旅行」 三國万里子(文化出版局) まず「編みものとは?」を感じることができる本。編みもの作家の三國万里子さんが、 ニットの聖地 を訪れて感じたこと、またそこからインスピレーション受けて編んだ、セーターやミトン、ティーコージーなどの作品と作り方がまとめられています。 三國さんのデザインは、洗練されていてかわいらしく、“いつか編めたら……”と思うものの初心者にはハードルが高め。でも、セーターの名前にもなっているスコットランドのシェットランド諸島、アイルランドのアラン諸島、イギリスのガーンジー島、ロンドン、とそれぞれの地における ニットの歴史 や 人々の暮らし は、読み物としてとても興味深く、「編みものっていいな」と思わせてくれます。 作り手で選ぶ、糸の楽しみ ▼「こんな糸で編んでみたい」 MOORIT(グラフィック社) 編みもの初心者にとって難しいことのひとつが、 糸選び 。手芸店には豊富な種類の糸があり、見ていて楽しいけれど、どれを選んでいいのかわからないという経験はありませんか? そんな方におすすめなのは、東京・丸の内にある上質な毛糸が揃う店 「MOORIT(ムーリット)」 によるこの本。ウールやリネン、アルパカ、カシミア……、世界各地の生産者の糸づくりやその思いと、それぞれの糸を使って編んだ作品、編み方が載っています。 発色が美しく、素材として素晴らしいだけでなく、環境に負荷をかけないことを心がけて作られている糸は、まさにタイトル通り、「こんな糸で編んでみたい」と思えるはず。また糸の太さについてや道具、英文パターンの見方など、編みものの基礎知識も収録。ありそうでなかった、糸を愛するお店ならではの一冊です。 初心者にも挑戦しやすい、バッグのレシピ本 ▼「手編みのちいさなバッグとポシェット」 eccomin(誠文堂新光社) 最後にご紹介するのは、編みもの初心者でも「これなら編めるかも!」と思わせてくれるこの本。オールカラーで、糸によって編み図が色分けされているので、見ているだけで頭が混乱しそうな編み図が、とてもわかりやすいのが嬉しいポイント。 また、棒針編みとかぎ針編みの編み方、そしてその基本である表目、裏目の組み合わせだけででき、比較的短い時間で編めて、実用的なバッグというのも初心者が挑戦するにはぴったりです。著者である 「eccomin(エッコミン)」 の 野口さん は、かわいらしい色使いが魅力のニット作家。編み地は単調でも、その色合わせだけで十分にかわいらしく、作りたくなるバッグやポーチ、ポシェットが満載です。 編んだ分だけ形になる編みものは 達成感 があり、編むことで リラックス できる効果もあるのだそう。まずは小さなものからチャレンジして完成できたら、その魅力にどっぷりはまるかもしれません。 参考書籍/ ・ 「アラン、ロンドン、フェアアイル 編みもの修学旅行」 三國万里子(文化出版局) ・ 「こんな糸で編んでみたい」 MOORIT(グラフィック社) ・ 「手編みのちいさなバッグとポシェット」 eccomin(誠文堂新光社)
2016年02月17日冬は日照時間が少なく、寒さが厳しい北欧。そんななか人々は、家の中をカラフルに装飾し、楽しく過ごす工夫をするようになり、デザインが発達したともいわれています。 そんな北欧、スウェーデンから届いた 『Fine Little Day ファイン・リトル・デイ 好きなものと楽しく暮らすアイデアとインテリア』 は、世界的に注目を集めるアーティスト、 エリーサベット・デュンケル さんが、インテリアや暮らしを紹介した話題のビジュアルブック。この本から、インテリアや家の中で楽しむヒントを学びたいと思います。 Elisabeth Dunker エリーサベット・デュンケル アーティスト、ビジュアルコミュニケーター。スウェーデン第2の都市、ヨーテボリにあるデザイン工芸大学(HKD)修了。 2007年にブログ「Fine Little Day」 を開設し、世界的に注目を浴びる。同ブログは「The Times」紙やマーサ・スチュアートによって、世界で最もインスピレーションを得られるブログのひとつに選ばれている。自身のプロダクトブランド「Fine Little Day」ほか、「House of Rym」「Urban Outfitters」「Ikea」といったブランドのデザインも手がける。 Instagram:@finelittleday、@elisabethdunker 著者のエリーサベットさんが注目されるきっかけとなったのは、2007年にスタートした、日々の暮らしや好きな物を綴ったブログ 「Fine Little Day」 。今ではブログと同名のプロダクトブランドのデザイナー、フォトグラファー、スタイリスト、ライターとして、幅広く活躍しています。 そんなエリーサベットさんのおしゃれな自宅や職場、森の小屋のほか、友人たちの手がけた作品やインテリアを紹介する本書。見ているだけでもうっとりしてしまう写真ばかりですが、真似ができそうなアイデアがたくさん詰まっています。 同じものを集めて、スタイリングする 集めているものがあっても、飾るのは難しく、しまいこんでいるという人も多いのではないでしょうか。エリーサベットさんは、集めている 同系色 の陶磁器やテキスタイル、毛糸の靴下、鍋つかみなどを、 「異常なほどに分類して、考えて、スタイリングする」 そう。 特に青い染付けの陶磁器のコレクションは、テイストはバラバラなのに、色で集めて並べるとこんなにも素敵なのか、とハッとさせられます。 壁紙を楽しむ 賃貸物件だと、なかなか家に手がかけられないという人におすすめなのが、壁紙。エリーサベットさんも「後悔した時のため、また後で張り替えられるように」と、壁紙は 糊付きで貼ってはがせるタイプ のものを使っているのだとか。 こちらはエリーサベットさんの、スモーランド地方にある森の小屋。花模様の壁紙は、前の住人から受け継いだものだそう。時間を経て、味わい深い色合いに。 壁一面だけでも、部屋の印象ががらりと変化する壁紙。こんな素敵な模様なら、すぐに試してみたくなりますね。 不器用でも手づくりにチャレンジ かぎ針も棒編みもできないというエリーサベットさんは、蚤の市やセカンドハンドショップでかぎ針編みの鍋つかみを買い集めて、 ガーランド や 掛け布団 にしています。 ドイリーを縫い合わせたカーテンや、シーツの上に布を縫い合わせた掛け布団など、手づくりに慣れていない人にも簡単にできる作り方を紹介してくれているのは嬉しいところ。 また、本棚にある本の 表紙に絵を描いてみる 、 木のスプーンに表情を描いてみる 、など大人も子どもも楽しめそうなユニークなアイデアも。 木の枝や葉を使ってつくる モビール や 押し花 など、北欧らしく自然を生かしたものづくりも提案してくれています。 このほかにも、キッチンやベッドルーム、アトリエなど、本ではたくさんの写真を紹介。その写真ひとつひとつから、インテリアの参考になるインスピレーションをきっともらえるはずです。
2016年02月02日映画やドラマ化された 『食堂かたつむり』 や 『つるかめ助産院』 などで知られる、小説家の 小川糸 さん。<前篇>では、シンプルな暮らしに目覚めたきっかけや、ものを手放すコツについて伺いました。今回は、もの、人との付き合い方や環境づくりについてです。 小川さんが考える、もの、人との付き合い方 小説の中でも 「食」 へのこだわりが垣間見られる小川さんが、食との「付き合い」で心がけていることは? 「 作り手 がちゃんと見えて、その人が真っ当な仕事をしていることが大事。例えば醤油を買うということは、その人の生活を支えることでもあるので、1対1の関係で付き合っていきたいと思うし、これと決めたものに関しては浮気をしないで、責任を持って付き合う。私が買っているところは一人で作っていたり、小規模のところが多く、続けていってほしいから、責任を持って買い続けることも大切かなと思います」 「食に関わらず、私は気に入ったものをずっと着たり、履いたり、食べたりする方が安心できて好きです。不注意で壊してしまった器も 金継ぎ で直して使っていますが、愛着が湧いて唯一無二のものになってくるんです。だから直して使えるような、いいものを使い続けたい。1年で手放すより、いいものを長く使ったほうが最終的に経済的だと思うし、使い続けると味が出て、それは時間が作ってくれたものだから貴重だと思います」 ものを減らした結果、身軽になっただけでなく、心にも ゆとり ができたのだそう。 40歳からは引き算 必要かどうかを吟味していく 「あまり抱え込みすぎると動けなくなってしまいますよね。物理的なものも、荷物も、目に見えない人間関係も。ひとつずつ必要なのかどうかを 吟味 して、これはなくても生きていけると思ったら手放していく。 人間関係も『狭く、深く』。ストレスを溜めるのは自分にとっても、相手にとってもよくないことだと思うので、見晴らしよく、無駄なことはしないでいいかなと思うようになりました」 「もっとものを減らして、最後はものも人も、 本当に大好きなものだけに囲まれて 人生を終わりたい(笑)。台所も、最後は鍋一個だけあるのが理想です。自分が人生を終えたときに、なるべく周りの人が迷惑をしないで済むように、いいものがあればまた次に使ってくれる人も見つかってゴミにならずに済むと思うので、そういうことはもう考える時期かなと思います。 40歳になるまでは足し算で、欲しいものを手に入れていたと思うんですけど、人生の折り返し地点を過ぎ、ここからは 引き算 でどんどん手放して、その分 余白 をいっぱい作りたいなって思うようになりましたね」 自分の “五感” を大切にする 強い意志を持って、規則正しい生活も心がけているという小川さん。なかなか同じようにするのは難しいかもしれませんが、最後に、もう少し シンプル に生活するためのアドバイスをいただきました。 「週末はインターネットを見ない、夜中は返事を出さない、など自分の中で決めては? 自分でルールを作っても、そんなに大きな迷惑はかからないと思うんですよね。もしかしたら、誰か少しは返事を待つかもしれないけど、体調を崩す方がもっと大きな迷惑をかけるし、起き上がれなくなってしまうことの方が損失です。だから、 メリハリ は大事だと思いますね。ものも情報も溢れているので、自分でガードしないと溺れてしまいます。 それから、自分が 「これが好き、嫌い」 という、すごく 野生的な感情を大事に すること。頭だけで考えると、どうしてもいろいろなことを考えてしまいますが、 五感 だけで判断してもいいくらい。心地いい、この肌触りが好き、これに包まれていると安心する、という感性を大事にしていくと、少し楽になると思います。 みんなそれぞれ感覚が違うので、人がいいと言っているからではなく、 自分が感じることを大事にする と、ちょっとシンプルになるのかなと思いますね」 ▼五作家・小川糸さんに聞く、シンプルな暮らしをするヒント <前編> 小川糸(おがわ・いと) プロフィール 2008年に発表した小説『食堂かたつむり』(ポプラ文庫)が映画化され、ベストセラーに。同書は、2011年イタリアのバンカレッラ賞、2013年フランスのウジェニー・ブラジエ小説賞をそれぞれ受賞。そのほかおもな著書に、『喋々喃々』『ファミリーツリー』『リボン』(以上、ポプラ文庫)、『にじいろガーデン』(集英社)、ドラマ化された『つるかめ助産院』(集英社文庫)などがあり、最新の長編小説では、『サーカスの夜に』(新潮社)がある。新刊は『これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヶ条』(講談社)。
2016年01月01日映画やドラマ化された 『食堂かたつむり』 や 『つるかめ助産院』 などで知られる、小説家の 小川糸 さん。 最新刊のエッセイ 『これだけで、幸せ』 (講談社)では、自身の驚くほどシンプルな暮らしと、それを実践するための29のルールを紹介し、そのライフスタイルも注目されています。そんな小川さんに、 ものを手放す コツや シンプルに暮らす ための方法について伺いました。 シンプルな暮らしに目覚めた、モンゴルとドイツへの旅 小川さんが現在のような暮らしを始めるようになったのは、6年ほど前に旅した モンゴル で、移動式の住居( ゲル )に滞在したことが大きかったのだといいます。 「同じ時代なのに、全然違う生き方をしている人たちがいることは、本当に衝撃的でした。夏になると必要な荷物だけ持って移動するので、モンゴルの人たちは ものを増やさないという意識 が高く、鍋ひとつでお湯を沸かして、炒め物や煮物、何でも作るんです。そのやり方がシンプルで賢くて、それで十分という気がすごくしたんですよね」 「自分がこれまで、いかに『お湯はやかんで沸かすもの、ごはんは炊飯器で炊くもの』という、決められた価値観に縛られていたかに気づきました。いつでも行きたいところに行けて、いろんなことができる、ものを持たない暮らしの方が本当は自由なんだって。気持ちの上では遊牧民のように、 ものを持たずに身軽に生きていく というのが、自分の中のテーマになりました。 もし災害にあったとき、生き残っていけるのはモンゴルの人たちの方だなと思うんです。何でも自分で直せたり、空模様で明日の天気がわかったり、ナビなしで地形を見て行きたい方向に行けたりと、 知恵 が豊富なんですよね。そういう 人間力 みたいなものを身につけたいと思いました」 勇気を出して減らす。いいものは、長く使う。 モンゴルの人たちは、“ものが持てないからではなく、自分の意思で持っていない”ことに気付かされ、ものを増やさないためには、自分で意識をしていかなくてはいけないと思ったのだそう。 「“いらないものはいらない”と 意識しないと増えてきてしまう んです。だから、断るのにはエネルギーはいりますが、自分が使わないと思ったらその時点で「結構です」とできるだけ言うように努力しています」 同じように小川さんが大きな影響を受けたのが、毎年夏に過ごすようになった ドイツ・ベルリン 。そこでは、 「いいものを長く使う」 ことを学んだのだとか。 「日本では、ものを安く買って壊れたら買い換える、といのうが主流。でもドイツでは最初にいいものを買って長く使い、壊れたら修理に出してまた使うというのが定着しています。いいものはそれなりにいいお値段がするので、買うときに考えるのですが、それもいいことだなと思います。自分のところに来たものに関しては、 責任を持って大事に使う のがいいと思います」 迷ったら保留箱へ。ものを手放すヒント そうしてものを厳選し、携帯電話すら持たなくなったという小川さん。ものを手放す秘訣は? 「使わないで持っていることが、そのものにとっても、それを作った人にとっても一番悲しいことだし、失礼な気がします。やっぱり 使われてこそ だと思うんですね。 私は相手が喜んでくれることが好き。だから値段などは考えないようにして、自分よりもっと上手く使ってくれる人がいるなら渡して、そのものがより気持ち良く使ってもらえたら幸せです。 もちろん、すごく気に入って手に入れたけど使っていないもの、手放すことはできないものも結構あります。そういうものは 保留 にしておいて、時間をかけて別の使い方を探していくのも楽しいんです」 「見立て」を待つ保留中の箱には、ここまで入れたらもう入れないというラインを決め、常にいっぱいにはせず、余白を設けるようにしているそう。そうして、小川さんが日々使う道具や生活用品は、 「一生付き合いたい」 ものばかりになりました。 「一生付き合いたい」ものだけで、暮らすヒント 「ものを選ぶときに、 ゴールを決める ことは必要だと思います。これでもういい、と思ったら、とことん繰り返し使うのが好き。たどり着いたものに関しては、あまり浮気はしないですね。引越をしたことも、いかに自分が無駄なものを溜め込んでいたかがわかる、いい機会でした」 「来客が多く、以前は同じティーセットを6客欲しいと考えていましたが、ベルリンのカフェに行くと、ティーセットだけでなく、椅子や家具も古くてバラバラ。でもお店の人のセンスでバランスが取れていて。6人のお客さまに同じもので出さなくてもいいんだなって。年に数回のためだけに、 スペース を取ることがすごく 無駄 だと気付くと、逆に同じもので揃えていることの方が変な感じがするようになりました」 収納スペースの半分は空けるようにして、たっぷり隙間を作るという小川さん。1年に1回は見直し、全然使っていないものは場所を取るだけ、と考えて手放すのだといいます。 「毎年夏は、ベルリンで普通の家を借りるのですが、すごく スッキリ しているんですね。もちろん住環境がいいというのもありますが、それにしても必要なものしか置いていなくて。自分の家も、 誰にでも貸せるような空間 にしたいなと思います。それには わかりやすく しておかなきゃいけないし、そうできたら理想ですね」 モンゴル と ドイツ で目覚めた小川糸さんのシンプルな暮らし。<後編>は、もの、人との付き合い方、五感が喜ぶ環境づくりについて伺います。 ▼五感を大切に、必要なものを選ぶ 作家・小川糸さんに聞く、シンプルな暮らしをするヒント<後編> 小川糸(おがわ・いと) プロフィール 2008年に発表した小説『食堂かたつむり』(ポプラ文庫)が映画化され、ベストセラーに。同書は、2011年イタリアのバンカレッラ賞、2013年フランスのウジェニー・ブラジエ小説賞をそれぞれ受賞。そのほかおもな著書に、『喋々喃々』『ファミリーツリー』『リボン』(以上、ポプラ文庫)、『にじいろガーデン』(集英社)、ドラマ化された『つるかめ助産院』(集英社文庫)などがあり、最新の長編小説では、『サーカスの夜に』(新潮社)がある。新刊は『これだけで、幸せ 小川糸の少なく暮らす29ヶ条』(講談社)。
2016年01月01日ヘアメイクアップアーティストの 草場妙子 さんに教わる、大人メイク術。前回の<ベースメイク編>に続いて、 時短メイク術 、 印象を変えるコツ 、 簡単パーティーメイク など、すぐに役立つメイクのコツを伺いました。 「引き算」が、大人の時短メイクの鍵! 「自分に似合うメイクを見つけたい。時間をかけずに、年齢に合ったメイクをしたい、もっと楽しみたい!」そう感じている方は多いでしょう。いつものメイクを変えて “大人のメイク” に仕上げるには、まず ポイントを決めること が大切だと、草場さんはいいます。 「例えば、『今日は黒い服だから、赤い口紅をポイントにしよう』と思ったら、アイメイクやチークは抑える。そしてそのポイントを引き立たせるために、ほかのメイクはちょっと 抑えめ にする。 口紅というポイントがあれば、マスカラ、アイライン、アイシャドウは塗らなくてもまつげをビューラーであげるだけで大丈夫。 『今日のポイントはこれ!』 と決めることが、 時短 にもつながります。 メイクは トータルバランス 。フルメイクをした後で調整するのは難しいので、鏡の前に立って、足りないなと思ったら足せばいい。このくらいかなというところで、 全身 が映る鏡でチェックして。最初に今日のファッションを決めると、ヘアメイクも決まりやすいと思います」 大人メイクの「色選び」のコツとは? また難しいのが色選び。さまざまな色を楽しんでいた若い頃に比べ、似合う色がわからないという人も多いのでは? 「チークは、大人女子がこれ見よがしに入れると、頑張っている感、浮いている感が出てきてしまいます。チークは顔色をよく見せる程度に なじませる 、というのが大人メイクの基本。 変な言い方ですが、色づきがあまり良くないチークを選ぶと失敗が少ないです。発色の良いものを選ぶと、ある程度ブラシで調整しても、最初につけた場所がどうしても濃くなって加減が難しいんです。ちょっとつきが悪いかなと思うくらい、 薄づき なものを選んでください」 「色を変えてみると、メイクが断然楽しくなります。真っ青なアイラインを引くのは少し勇気がいりますが、カーキなどなじみのいい色を選べば、自然だけど黒とは違う印象に。『あれ、ちょっと違うね』と誰かに感じてもらうのも楽しいですよ」 メイクをガラリと変えるなら、「眉」を変えて 草場さんが、メイクを本当に変えたい人に最もおすすめするのは、 眉毛 を変えること。 「眉毛を変えるって相当勇気がいることですが、例えば 色 を変える、眉毛を描くペンシルやパウダーの色を変える、 描き方 を変える。そうすると表情がものすごく変わります。『マニッシュに見せたいから、眉頭を狭めてみよう』、『今日は優しい印象に見せたいから、眉頭をあけてみよう』という風に。そこに行き着くと、メイクがもっと楽しくなりますよ。 私は眉カットをしていないのですが、眉毛を短くカットする人が多いですよね。数年前に薄い眉毛が流行った影響だと思いますが、よっぽど形が難しい人以外は、カットする必要はないと思います。ある程度の長さを生かして、毛流れは整えますが、 輪郭は整えすぎない ほうが今の トレンド ですね」 華やかな場に合わせる、おすすめメイク 場に合わせたメイクをするのも大人のたしなみ。これからの季節、機会の多くなるパーティや、結婚式などの少し 華やかな場 にぴったりの メイク とは? 「口紅を ブラウン系レッド や ブラウン系ベージュ などにすると、 上質 な感じになります。普段ラフに描いているなら、しっかりつけるとわかりやすく華やかになりますね。 人との距離が近いときは、アイシャドウを使って、目元に少しツヤがあるといいです。アイシャドウというと、ブルー系の古いイメージがありますが、 ベージュトーン の少し ツヤ感 のあるアイシャドウを使うと、特に室内の照明が当たったときにすごくきれいに見えます。また、目の下に ゴールド系のアイライン を入れると、目が少し潤んでキラキラと見えてきれいだと思います」 写真撮影があるときの、メイクテク 「もし大勢で写真を撮るなど、 遠く から見る場合は、口紅や目元の フレーム を強くすると、キリッとした印象になるので華やかに。 普段ペンシルのアイライナーを使っている人には少しテクニックが必要ですが、リキッドアイライナーに変えると少し艶やかで黒の色味が強いので、引きで見たときにキュッとしまって見えます。 そのとき、ファンデーションは ワントーン暗く するのが鉄則。そうすると写真を撮ったときに、 白浮き しないのでおすすめです」 メリハリをつけて、大人メイクを楽しもう 最後に草場さんから、大人メイクを楽しむためのメッセージをいただきました。 「毎日服は違うのにメイクがずっと一緒と思うと、やはり合わないときも出てきますよね。フルメイクではなくポイントを絞って、その絞ったポイントで 遊び心 を出すとことが、楽しみにも繋がると思います。 それには 思い切る ということが大事。思い切って、『今日はアイラインを引かない』と決めたり、眉の形、色を変えてみるのがマンネリを脱するコツです」 「今は 単色使い がトレンド。例えばアイシャドウは、化粧品売り場ではグラデーションを勧められますが、ベージュ系でもいいので、思い切って単色使いにすると結構しっくりくると思います。 最初はどうしてもドキドキして、これで大丈夫かなと不安になると思うのですが、楽しんで! そのうちに『もっと濃い口紅買ってみようかな』というように、だんだん楽しくなってくると思いますよ」 毎日が忙しくてもちょっとしたコツを知ることで、時間をかけずに素敵な大人メイクを楽しむことができます。みなさんもぜひ取り入れてみてくださいね。 ▼忙しくてもできる! ヘアメイク草場妙子さんに教わる「大人のための乾燥対策」 ▼自分に似合うメイクを見つけよう! 草場妙子さんに教わる「大人のメイク術」 (前編)
2015年12月18日毎日のメイク。一度「これが定番」と決めたらなかなか変えられない、変えるタイミングがわからないという人も多いでしょう。でも、「いつもの メイク がなんとなく似合わなくなってきた」と感じることはありませんか? 「自分に似合うメイクを見つけたい。時間をかけずに、年齢に合ったメイクをしたい、もっと楽しみたい!」そんな悩みに答えてくださったのが、 ヘアメイクアップアーティスト の 草場妙子 さん。大人メイクで気をつけるポイント、忙しいときにおすすめの時短メイク術など、たっぷり教えていただきました。 まずは <ベースメイク編> です。 乾燥を防いで “ツヤ肌” にするポイントは? 大人の女性が一番気をつけなければいけないのが乾燥。だからこそベースメイクにはこだわって、と草場さん。 「ファンデーションは、使い慣れたものを 通年 活用してしまいがちですが、気温や湿度など環境は変わっていくもの。同じものを使うと、どうしても 不快 な部分が出てきてしまいます。だから、冬は冬用のファンデーションを活用しましょう」 「以前は『リキッドファンデーションを使った後、パウダーをのせなくてはいけない』と言われていましたが、今は ツヤ肌 に仕上げたいときはリキッドファンデーションで仕上げていいんです。ただ、崩れが気になるところはスポンジでおさえるか、パウダーを少しのせて。 特に目元は、油分があるとアイラインやマスカラが下まぶたにつきやすくなるので、 細い ブラシで少しのせておさえましょう。パウダーは油分を奪ってしまうので、 部分使い にすると乾燥を防ぐことができます」 全体に塗らず、“部分使い” が鉄則 そんな草場さんは、普段ファンデーションは 全体に塗らず 、コンシーラーとともに 部分使い をしているのだそう。 「目の周りのくすみとクマが気になるので、そこだけファンデーションやコンシーラーを使っています。コンシーラーを使って隠そうとすると、メイクが 厚く なり、よりシワが目立ったり乾燥するので注意が必要です。 カバー力が高いということは、それだけ厚塗りに見えたり、時間が経ったときに崩れが気になるということ。本当はコンシーラーは、一番使いたくないものなんです。だから鏡をよく見て、どこにファンデーションやコンシーラーが必要なのか、きちんと 見極め 、 気になる部分 にだけ使いましょう」 目の際は “あける” 、コンシーラーは “ぼかす” ! 「塗り方にも注意が必要です。“くすみを隠したい”とまぶた全体に塗ってしまうと、目が小さく見えてしまいます。コンシーラーは明るく見せたり、きれいにカバーしてしまうので、逆に必要な影の部分まで消してしまう。だから “目の際の数ミリは絶対にあける” 、これが鉄則です。 また、きれいに隠しすぎると厚塗りが悪いところをどんどん目立たせてしまうので、 “コンシーラーは隠すのではなくぼかす” というのが大人のメイク。その上で、口紅にポイントを持っていったり、眉をキリッと描いて表情の強さを出して、 バランス をとったりすることで目立たせないようにして」 草場さんのインスタグラムには今回のような役立ちTIPSがちりばめられています。こちらもぜひチェックしてみてくださいね。 次回は、 <時短メイク術>や<大人メイクの色選び> をご紹介します。 ▼“引き算” が時短メイクの鍵! 草場妙子さんに教わる「大人のメイク術」 (後編) ▼忙しくてもできる! ヘアメイク草場妙子さんに教わる「大人のための乾燥対策」
2015年12月17日これからの季節、アラフォー世代の肌の悩みの原因となるのが 「乾燥」 。乾燥すると、肌荒れして化粧ノリが悪くなるほか、 小じわ や シミ ができやすくなるなど、肌のトラブルに繋がります。 とはいえ、「忙しくて時間がない、何から始めたらいいかわからない」という人に “これだけはやっておきたい” スキンケアのポイントとおすすめアイテムを、 ヘアメイクアップアーティスト の 草場妙子 さんに伺いました。 「奪いすぎない保湿」が鍵。ミルククレンジングがおすすめ 草場妙子さんは、雑誌や広告、CMなどで幅広く活躍するヘアメイクアップアーティスト。コスメ好きが高じて、インスタグラムではおすすめの美容アイテムを紹介し、普段のメイクに悩む大人の女性たちにも大変好評です。 「自分で買って試して、いいと確信したものだけをアップしています。もし迷っていることがあれば、こういうものがあるんだとか、ずばりそのものを買わなくても似ているものを試してみよう、と誰かのヒントになればいいなと思ってやっているんです」と草場さん。 そんな草場さんに伺った、大人の女性が気をつけるべきスキンケアのポイント。まず注意しなくてはいけないのが クレンジング だといいます。 「乾燥すると肌のバリア機能が低下し、外からの刺激を受けやすくなり、皮膚が硬くなるなどマイナス面ばかり。そんな乾燥で悩んでいる方の多くは、 きれいに洗いすぎている 印象があります。 以前は『とにかくきれいに汚れを落として、しっかり保湿しましょう』といわれていたので、その刷り込みがずっと残っていて、大人になってもきれいに洗いすぎてしまう。それが乾燥肌を引き起こし、より悪化させてしまうんです。 そこでおすすめなのは、一番肌にやさしく、しっとりとした使用感の ミルククレンジング 。汚れを落とすのに必要な、界面活性剤の配合量が比較的少ないんです」 「もちろん汚れ落ちがよくなくなりますが、その分必要な皮脂や油脂を奪いすぎません。極論を言えば、 汚れ が残ってもいいから 皮脂を取りすぎない ことが大切。潤いがほしい、しっとりとさせたいときは、“与える保湿” より “奪いすぎない保湿” というのが、私がスキンケアの要としていつも思っていること。だからミルククレンジング、その後の ダブル洗顔はしない ことをおすすめします」 ブースターや美容液として。オイル使いのコツ では、保湿はどのようにすればいいのでしょうか? 「一番大切なのは自分できちんと 知ること、わかること、感じること 。例えばいつものスキンケアで化粧水と乳液を使っていたら、いつもと同じもの、使い方で潤ったと思えればそれでいいんです。でも『なんか乾燥する、化粧ノリがよくない』と感じるのであれば、そこでやり方か、ものを変える。 もし、ものを変えないのであれば、いつもの化粧水を 重ねづけ したり、乳液を 多め に塗ってパックするなど、ちょっとした工夫で変わってくると思います。翌日、自分の肌の 状態 を見て、自分のベストを見つけましょう」 また、スキンケアをする タイミング もすごく重要です。特に入浴後は急激に 乾燥 します。だからお風呂から上がるときに、お子さんがいる方はちょっと待ってもらって、顔をタオルで拭いてオイルを手に取り、なじませてから、ゆっくりと子どものことをしてあげる。 オイルはとても優秀で、 ブースターの役割 をしてくれるんです。分かりやすく言うと、乾いた土壌にそのまま水を与えるのではなく、ある程度耕したところに水を与えると、しっかり保水できますよね。オイルをつけることによって、そのあとのスキンケアの成分を きちんと受け止められる肌 を作ってくれるんです。化粧水は蒸発して乾いてしまうのですが、オイルは残ってくれるので、渇きを感じないところもいいですね」 自分に合った「オイル」の選び方 オイルは、自分の好きな 香り を基準に選ぶことが重要。さらに鉱物油が主成分で肌に蓋をして保湿するタイプのオイル(ベビーオイルなど)ではなく、大人は肌に 浸透 させる 植物性 のオイルを選んで、と草場さん。 顔だけでなくボディにも、入浴後の体が濡れている状態でなじませると、タオルであまり拭く必要がない状態になり、ヌルヌル感も軽減されるそう。時間がなくてマッサージできないという人にも、簡単にできるセルフケアです。 「オイルをひとつ持っていると、美容液として化粧水の後にも使えて便利。また、いろいろなものに 混ぜられる という利点もあるので、例えばボディークリームに混ぜると保湿力が上がり、のばしやすくなるのでなじみやすいです。さらに 髪の毛 につけて髪の保湿も。私は肌につけてしみるものに出合ったことがないので、肌荒れしているときにまず使ってみては?」 ヘアにも「乾燥対策」を忘れずに 「髪の毛はダメージを受けるとなかなか戻らないので、本当に気にかけてあげて。まずシャンプーを変えると、髪のまとまりも変わります。最近はノンシリコンが流行っていますが、きしんでしまうものも多いですよね。そこでおすすめなのが、 『THREE』 のシャンプー。ノンシリコン処方ですが、シャンプーした後、トリートメントをした後のような感触があり、流した瞬間に、ほかのものとは全く違うと実感できます。髪の短い人は、トリートメントは必要ないくらいしっとりします」 髪を洗った後の保湿には、この2本がおすすめだそう。 「広がる髪をほどよく落ち着かせるには? と オイル にたどり着きました。つやが出て乾燥からも守ってくれる 『パーフェクトポーション』 は、ローズマリーやゼラニウムの、ハーブの香りがとても清々しくていい香り。地肌に塗って マッサージ できるオイルなので、安心して使えるところが気に入っています。 また、 『ジョンマスターオーガニック』 のヘアスプレーで、あらかじめ内側に水分を入れて、オイルでさらに保湿すると、一番乾燥しにくくなります。ただ、オイルはどうしても重さが出るので、ベタつきが気になる方にはおすすめしません。個人差があるので、自分にとって必要かどうか見極めてくださいね」 最後に、忙しい大人の女性たちへ、草場さんからスキンケアのアドバイス。 「疲れていて、もうケアができない…というときは、体が睡眠を欲しているので、それでいいと思います。ただ、『忙しいからできないのは仕方がない』と、それが日常となってしまうのはもったいない! 少しでもセルフケアができると 自信 にも繋がるし、メンタルが ポジティブ になると肌にもいいですよね。 メリハリ をつけて、できるときに楽しみながらやってみましょう」 ▼自分に似合うメイクを見つけよう! 草場妙子さんに教わる「大人のメイク術」 (前編) ▼“引き算” が時短メイクの鍵! 草場妙子さんに教わる「大人のメイク術」 (後編)
2015年12月02日味噌や納豆など伝統食品から酵素ドリンクまで、私たちの生活に欠かせない 発酵食品 。免疫力アップや腸内環境の改善だけでなく、肌荒れや疲労回復にも有効とされ、アラフォー世代は特に積極的に摂りたい食品のひとつです。 体調を崩しやすい季節の変わり目、発酵食で体を整えませんか? 参考になりそうな4冊の 発酵食の本 をセレクトしました。 『天然発酵の世界』サンダー・E・キャッツ(築地書館) まず、「発酵って何?」という疑問に答えてくれるのが本書。自称〈発酵フェチ〉というアメリカ人の著者が、発酵の歴史、科学に始まり、発酵の原理とレシピから社会学まで、ユーモアたっぷりに教えてくれます。 パンもアルコールも、ヨーグルト、チーズ、ビネガーも、普段口にするこれらの食品はすべて発酵食、と改めて気づかせてくれます。キムチやぬか漬け、味噌から世界各地の初めて知るようなものまで、野菜、豆、乳製品、穀物を使った発酵食を網羅したレシピは約100種類。読み物としてもとても面白く、簡単にできそうなものも多いので、実験気分で作ってみたくなります。 『麹・甘酒・酒粕の発酵ごはん』寺田優 寺田聡美(PHP研究所) 自然酒造りをする酒造元 「寺田本家」 の当主が、毎日食べている発酵ごはんのレシピを紹介。麹や酒造りの過程でできる酒粕は、食物繊維やビタミン、コレステロールを燃やす成分が豊富で栄養価も抜群。そんな麹、酒粕、砂糖の代わりにもなる甘酒を使ったレシピは、和食だけではなく、パスタやグラタン、カレーなどの洋食、ドリンク、お菓子までと豊富でとてもおいしそう。 もともとは夜遅くにコンビニ弁当で夕食を済ませるような食生活だった著者が、寺田本家の次女である奥様の影響で発酵食生活をはじめ、腸内細菌が活性化することで免疫力がつき、痩せて体調も良くなったという話にも説得力があります。体のベースを作ってくれる「発酵ごはん」をいますぐ始めたくなる本です。 『醤油麹ことはじめ』たまな食堂(大和書房) 玄米菜食と発酵食をテーマにした店 「たまな食堂」 がこだわる、米麹に醤油を加えて発酵させた「醤油麹」の魅力をあますことなく紹介した一冊。麹は甘み、酸味、塩味、苦味、うま味をバランス良く持つ醤油に、栄養価の高い生きた麹菌や酵素を加えてくれるもの。 醤油の代わりとして、そのままかけて使ったり、下味をつけたり、炊き込みごはんや煮物にも使える万能調味料に。合わせる調味料やオイル、食材によって、和風、洋風、中華風、韓国風にも簡単にアレンジができます。醤油麹の作り方、扱い方、保存の仕方からレシピまで、一度作れば簡単に、体にやさしいごはんができそうです。 『卵・牛乳・白砂糖を使わなくてもおいしい 酒粕おやつ』南智美(農文協) 最後はスイーツ。タイトル通り、卵も乳製品も白砂糖も使わないお菓子を、さらにおいしくするために 酒粕 を使ったレシピ集です。酒粕を使うことでうま味やコクがプラスされ、乳製品のような風味やクリーミーななめらかさが出るだけでなく、保存性も増すのだとか。 また、フルーティな香りはラム酒やエッセンスの代わりにもなり、重曹やベイキングパウダーを使わなくてもパンやピザが 膨らむ というメリットも。 混ぜるだけのディップから、ティラミス、パンケーキ、パンやピザ、ショートケーキ、スムージーまで幅広く、“酒粕=和”というイメージを覆すレシピが満載。満足感があるのに太りにくく、肌まできれいになる。そんな酒粕のお菓子なら、甘いもの好きな方も罪悪感なく食べられそうです。 発酵食のなかでも特に、料理の幅がグンと広がりそうな麹を使ったレシピブックを中心にご紹介しました。いつもの食事に、 うま味 と 栄養 をプラスし、さらにおいしく、さまざまなメニューが作れる発酵食。読めばきっと、発酵食を食生活に取り入れない理由はないと思うはずです。 参考書籍: ・『天然発酵の世界』 ・『麹・甘酒・酒粕の発酵ごはん』 ・『醤油麹ことはじめ』 ・『卵・牛乳・白砂糖を使わなくてもおいしい 酒粕おやつ』
2015年10月16日蒸し蒸しと暑いこの季節。ちょっとした旅気分で、各国料理を作ってみるのはいかがでしょう? 今回ピックアップしたのは アメリカ 。アメリカの料理と聞くと、「どっしり重たい肉料理や甘いデザート」というイメージがあるかもしれませんが、お国柄、さまざまな食文化が入り混じったメニューがあり、冷たいドリンクやアルコールにもよく合いそうです。 そのなかで今回は、ハワイとニューヨークで食べられる料理、そしてアメリカの食文化がわかるレシピブック3冊をご紹介します。 ハワイ好きなら作ってみたいメニュー満載 『ハワイのごはんとお菓子のレシピ』 ワタナベマキ、若山曜子(主婦と生活社) まずはハワイ。ロコモコやスパムむすび、パンケーキなど、日本人にも人気のメニューが多いハワイですが、本書によると「ポリネシアの人々が持ち込んだ素朴な 伝統料理 、アジアやヨーロッパの移民が持ち込んだ 世界各国の味 、そして アメリカ本土の食文化 が融合してできあがったのが ハワイ料理 なのだとか。そんなハワイのごはんを料理家の ワタナベマキ さん、お菓子を 若山曜子 さんが担当したレシピブックがこちら。 上記のレシピはもちろん、ポキ丼、ガーリックシュリンプ、モチコチキン、エッグベネディクトなどのごはんのほか、マラサダドーナツ、ハウピアクリームパイ(ハウピアはココナッツミルクをぷるぷるに固めたもの)などのスイーツ、ドリンクまで、ハワイで食べられるフードを網羅。ハワイへ思いを馳せながら、夏に食べたいメニューが満載です。 イメージががらりと変わる、おしゃれなニューヨーク料理 『ニューヨークレシピブック』 坂田阿希子、伊藤まさこ、仁平綾(誠文堂新光社) ハンバーガーやベーグル、ドーナツ……、忙しいニューヨーカーが片手で食べられそうなフードが思い浮かびますが、実際に訪れると実に 多国籍な料理 を楽しめるのがニューヨーク。この本は、ニューヨーク在住のライター・ 仁平綾 さんが厳選したおいしい店を著者の3人で食べ歩き、そこからインスピレーションを受けた料理を料理家の 坂田阿希子 さんが再現。そしてスタイリストの 伊藤まさこ さんがニューヨークで見つけた器でスタイリングした、おしゃれなレシピブックです。 上記のほか、グラノーラやホットドッグ、ステーキなど、ニューヨークでおなじみの料理ももちろん紹介されていますが、ユダヤ料理やカリビアン料理、きゅうりのソーダなど、あまり見慣れないメニューもあり、どんな味なのか作ってみたくなるはず。巻末には著者たちが実際に訪れた店のリストもあるので、今すぐニューヨークに行って食べ歩きしたくなりそうです。 パーティーにも役立つ、アメリカの前菜 『アメリカン・アペタイザー』 アンダーソン夏代(アノニマ・スタジオ) 最後はアメリカ・フロリダ州在住のアンダーソン夏代さんによる、アメリカの 食文化 がよくわかるこの本。タイトルの “アペタイザー” とは、「主菜の前につまむ前菜や食前酒」のこと。ディップやナッツ、サラダ、カリフォルニアロールなどのお寿司だけではなく、メインにもなりそうなバッファロー・ウイングやチキン・フィンガーズなどの肉料理やフライ、パーティードリンクまで、 お酒のお供にぴったりのメニュー が幅広く紹介されています。 ナッツやキャラメル・ポップコーン、オリーブなど、市販のものもあるけれど、簡単においしく、そしてお得にできるようなレシピがたくさん紹介されているのも嬉しい。アメリカのスーパーに並ぶ食材についてなど、コラムも面白く、特にポットラック(1品持ち寄りパーティー)の心得はおもてなしに悩む方の参考にもなるはず。2015年の グルマン世界料理本大賞で準グランプリ を受賞した一冊です。 お酒と共に食べたくなるようなメニューが豊富なアメリカの料理。食卓で楽しめば、旅気分がますます高まりそうです。 ・ 『ハワイのごはんとお菓子のレシピ』(主婦と生活社)ワタナベマキ、若山曜子 ・ 『ニューヨークレシピブック』(誠文堂新光社) 坂田阿希子、伊藤まさこ、仁平綾 ・ 『アメリカン・アペタイザー』(アノニマ・スタジオ)アンダーソン夏代
2015年08月03日今年5月、1976年に放送を開始してから10,000回を越えたことで話題になった、「徹子の部屋」でおなじみの 女優・黒柳徹子 さん。アラフォー世代にとっては、子どもの頃から毎日テレビで見るタレントのイメージが強いと思いますが、戦後最大のベストセラーとなった自伝 『窓ぎわのトットちゃん』 を始め、エッセイを多数出版されています。 そんな著書を通して、黒柳徹子さんの愛され続ける理由と、魅力的な女性になるヒントを学びたいと思います。 女性が一人で生きていくのは大変! 徹子さんの文章は一節が長く、句読点が多いのが特徴。あちこちに話が飛んで、まるで直接お話を聞いているよう。テレビで見るイメージそのまま、好奇心旺盛、ユーモア溢れる筆致で、どんどん読み進められます。 今年発売された最新刊、 『トットひとり』 でもそれは変わらず。懐かしい「ザ・ベストテン」の裏話や、親交の深かった森繁久彌さん、家族のように慕っていた渥美清さんと沢村貞子さん、向田邦子さんとのエピソード、子どもの頃の思い出、お見合いの話、トレードマークとなっている 玉ねぎヘアの秘密 などが綴られています。 その中でも触れられているのが、38歳のときに仕事を休業して 1年間ニューヨークに留学 したときの話。徹子さんは当時テレビ女優として、過労で体を壊すほど活躍していました。留学中も雑誌での連載は続けていたものの、一番売れているときに仕事を離れるのは不安もあったであろうし、次々と新しい才能が現れる業界で、大きな決断だったと思われます。 「朝はインスタントでないコーヒーをゆっくり飲んで、このままずっと、この仕事をやり続けていけるかどうかを考えたりもしたかった。(中略)芸能人でなく、普通に生きる人間としての、女としての、感情や感覚を忘れたらいけない、きちんと笑ったり、泣いたり、怒ったりしながら、 自分だけの人生を作っていかないといけない 、とつくづく思ったのだ」(『トットひとり』より引用) そうして1年間を過ごすことになったニューヨークで、演劇やダンス、歌の教室に通い、女優を続けられるかどうかという迷いが吹っ切れたという徹子さん。それまでは有名人として甘やかされていたといいますが、初めての一人暮らしを通して、 “女が生きていくのは、大変だ” ということもよく分かったのだそう。 自分は自分。個性を活かす。 もともと“自分の子供に絵本を上手に読んであげたい、絵本の読み方を教えてくれるだろう“と、テレビの世界に足を踏み入れた徹子さん。入った当初は、自由奔放で個性が強いあまり、役を降ろされたりいじめられたこともあったそうですが、持ち前の “鈍感力” で楽観的にとらえ、あまり気にはしなかったのだとか。 「仕事場には、自分よりできる人や、成績のいい人、きれいな人とか、いろんな人がいますけど、でもやっぱり、 人と自分を比べるのはムダね 。私は、そう思います。どんなに他人を羨んでも、自分は自分なんです。だったら、その 個性を活かしていくしかない 」(『徹子さんの美になる言葉』より引用) 徹子さんがよく著書で書かれているのが、通っていた小学校の校長先生に言われた「君は本当はいい子なんだよ」と、初めて合格したオーディションで脚本家から言われた「あなたの、そのままが、いいんです!」という、信頼する二人からの言葉。自ら “素直さが長所” と書いていますが、人を信頼し、言葉に素直に耳を傾けられる純粋な心を持っている気がします。 「私は、いくつになっても、自分よりもモノを知っている人に、何かを教えてもらいたいと思うのね。その人の教養や知性を吸収したい。 自分の知らないことを知りたい 。そういう欲が強いんです」 「いつまでも若々しく、きれいでいたければ、「何だろう?」「もっと知りたい!」っていう 好奇心を持って過ごすこと 。せっかく生まれてきたからには、 自分の魂が自由でいられる環境 に、常に自分を置くようにしないと、もったいないですよね」(どちらも『徹子さんの美になる言葉』より引用) テレビの黎明期から活躍する大御所でありながら、自分のことを“大したものだと思っていない。そうそう認められなくてもしょうがない”という、 謙虚 さも見習いたいところです。 好きなことだけをする。 「徹子の部屋」は放送開始から約40年経ち、「同一司会者によるトーク番組最多放送」の ギネス世界記録 に認定され、「世界・ふしぎ発見!」も1986年にスタートして以来毎回登場。それらテレビでの活躍のほか、年に一回のペースで舞台の公演を行い、1984年から ユニセフ親善大使 を務めたり、日本で初めてのろう者の劇団を支援する 社会福祉法人「トット基金」 を設立するなど、徹子さんはどの仕事も精力的に、長く続けています。 特にユニセフの活動はボランティアという気持ちからではなく、“どんな場面に遭遇しても、「イヤだなあ、つらいなあ」と思ったことはない”のだそう。長く続けられる理由は、 無理をしない こと。医者から死ぬまで病気をしないためには、 「好きなことだけをやって、生きていきなさい」 と言われて以来、進んでやりたいと思うことだけを選んできたからなのだとか。 「仕事をするうえで大切なことは、どんな仕事であれ、 「自分で選んだ」 と納得することね。そうしたら、何か嫌なことがあっても、「自分で選んだ道だから」と思って、人のせいにしないですむでしょう? あとは、仕事には早く慣れた方がいいけれど、世の中とか、世間一般の常識には、慣れない方がいいように、私は思います。「きっと世の中こんなもんだろう」と思い込まないことね。常に、 自分自身の視点 で、物事を見るようにした方がいいんじゃないかしら」(『徹子さんの美になる言葉』より引用) ご紹介できたエピソードはほんの一部。そのほかにも、毎日ヒンドゥースクワットを50回とウォーキングを続けて、元気で仕事を続けるための 体力作り をしていたり、仕事への姿勢も知れば知るほど頭が下がります。ご紹介した本の中には現在手に入りにくいものもありますが、繰り返し書かれているエピソードも多いので、まずは最新刊の『トットひとり』から手に取ってみては? 徹子さんのエッセイには、魅力的に生きるヒントが詰まっています。
2015年07月17日じめじめとした暑い日が続くこの時期は、どうしても食欲が落ちてしまいがち。そんなときにでも食べたくなるのがカレーです。カレーに使われる スパイス は、 身体を温めたり、老廃物を排出 してくれたりと、 女性の美と健康にも欠かせない もの。今回はそんなスパイスをたっぷり使った、おいしそうなレシピ満載のカレー本3冊を選びました。 豊富なカレーのバリエーションならこの本! ▼『カレーが食べたくなったら』 坂田阿希子(文化出版局) とてもおいしそうな表紙のカレーに惹かれる、 人気料理家・坂田阿希子 さんによるカレー本。インドカレー、タイ風カレー、欧風カレー、おうちカレーの4タイプを一冊で楽しめます。 インドカレーは素材から出る味とスパイスの香り、タイ風カレーはフレッシュで鮮烈な辛さと風味、欧風カレーはじっくり煮込んで出したうまみ、おうちカレーはどこか懐かしさを感じる味を楽しむ、など、 それぞれの特徴と作り方のポイント も載っていて、わかりやすいです。 付け合わせのサラダやサブジ(野菜のおかず)、カレーには欠かせないナンやラッシー、そしてカレードリアやカレーうどん、カレーコロッケ、カレーパンまで、とにかくバリエーション豊か! タイトル通り「カレーが食べたくなったら」、まず開きたいレシピブックです。 料理の幅が広がりそうな、スパイス入門書 ▼『SPICE CAFEのスパイス料理 日々のおかずと、とっておきのカレー』 伊藤一城(アノニマ・スタジオ) 東京・押上にある 「SPICE CAFE」 のオーナーシェフによる、2015年の 「グルマン世界料理本大賞」 でグランプリを受賞した、 本格的なスパイス料理の本 。毎年1ヶ月間、インドへ料理修行に出かけているという著者。この本では本場の味を日本人の口に合うようにアレンジした、おかず、カレー、ピクルス、スパイスご飯、ドリンク、デザートまで、幅広いスパイス料理を紹介しています。 まずは1種類のスパイスを使うおかず、それからスパイスの種類を増やしてカレー作りと、段階を踏んで作ってみるのも楽しそうです。 カレーはチキンカレー、チキンキーマ、サンバル(豆と野菜のカレー)など9タイプ。なかでも定番のチキンカレーは、見開きページで丁寧に解説されています。スパイスを使ったカレーは、短時間で調理して出来たてを食べるのが一番だそう。どのスパイスを使っているのかが一目瞭然なので、 スパイスの入門書 としてもおすすめです。 手間暇かけて、丁寧に作るカレー ▼『ホルトハウス房子の世界でいちばんおいしいカレー』 ホルトハウス房子(PHP研究所) 40年前に発売されベストセラーとなった、 『カレーの秘伝』 が待望の復刊。アメリカ人のご主人の仕事の都合で、アメリカ、ヨーロッパ、台湾、東南アジアを転々としたホルトハウスさん。世界各地で食べたカレーに西洋料理の知識を取り入れてできた、独自のカレー料理を紹介しています。 レシピは、丁寧に作ったスープストックを使う“リッチなカレー”、固形ルーを使わずに作れる“即席カレー”、家族のために作るカレー、ランチのためのカレー風味のメニュー、カレー風味のさわやかなおかずの5タイプ。 新装されて新たにカレーの写真が少し加わったものの、すべてのカレーに写真があるわけではないので、どんなカレーなのか想像を膨らませながら読み進めるのが楽しい一冊。ちょっぴり辛口な意見を交えながら書かれた、カレーにまつわるうんちくや家族との思い出話など、文章も面白く読み応えがあります。 毎日食べても飽きないカレー。この3冊を見れば、すぐにスパイスを揃えて作ってみたくなるはずです。
2015年07月15日梅雨、そして夏に向かっていくこの季節の強い日差し対策に、毎日のように使うのが傘。「どうせすぐになくしてしまうから……」と、洋服やアクセサリーにはこだわっても、傘はあえていいものを使わないという人も少なくないと思います。 でも アラフォー 世代の女性なら きちんとした傘 を持って、さらにおしゃれとしても楽しみたいもの。 そこで、シンプルなものから着こなしのポイントになる柄ものまで、幅広くオリジナルの傘作りをする 「Bon Bon Store(ボンボンストア)」 のデザイナー・ 井部祐子 さんに、 雨傘 と 日傘 の 選び方、楽しみ方 を教えていただきました。 まず、「日傘」と「雨傘」は使い分けるべし 15年前に独立し、傘を中心にバッグやアクセサリーなどをデザインする井部さん。「ボンボンストア」の傘は、木製のハンドルが特徴的です。 「理由もなく、とにかく傘が好き。デザインを始めた当初はエレガントなものや柄が長いものなどが主流で、自分の欲しい傘がなかったんです。そうして”いま、私が欲しいもの“をコンセプトに作り始めました。 ハンドルには、竹や葡萄、楓、栗、樫、椿などの木を使っています。何年も使っていると生地はダメージを受けて色褪せたりするのですが、ウッドハンドルは逆に ツヤ が増して輝いてくるので、そのバランスを楽しんでもらえたら」と井部さん。 木は 肌の色 にも近いので、全体の色バランスの調整役になるのだとか。生地を染色する際も、黒は墨黒にしたり、ネイビーやブラウンなどもあえてビンテージ風の仕上がりになるような染色にするなど、色にもこだわっているのだと言います。また、最近は「日傘」と「雨傘」をきちんと分けて使う方が多いそう。 「晴雨兼用は便利ですが、どうしても汚れやすくなります。日傘でも撥水加工はしているのですが、雨の日に使ったときは必ず 日陰干し して。きちんと手入れをしないと シワやカビ の原因にもなります。また折りたたみの傘は底の布が重なった部分がダメージを受けやすいので、袋に入れて持つようにしましょう」 大人女子の「日傘」の選び方・楽しみ方 「紫外線カットの日傘もありますが、地面からの反射もあるので100%カットとは言えないのが現実です。私は、日傘は暑さから守るもの、涼しさを 演出 するものと考えています。だから麻のネップ感、透け感のあるレース素材、楽しいプリントで テンション を上げられるようなものを選びたいですね。 ボンボンストアでは麻やレース素材は基本的に日傘なのですが、白や薄い色を選ぶと レフ板効果 が高く、顔色がきれいに見えます。柄ものでも白い部分が多いものなら、明るく見えるのでおすすめですよ」(井部さん) また雨傘が53cmであるのに対し、日傘は47cmと小ぶり。みんなが差す雨傘とは違い、日傘は気をつけて持たないと邪魔になるため、できれば雨傘と分けた方がいいそう。 「自然が多い場所で、黒い日傘を使うと目立ってしまいます。景観を大切に、自然になじむ色、 クリーン な印象の白、ベージュ系、グリーン系を使うのも大人の女性のたしなみですね」(井部さん) 大人女子の「雨傘」の選び方・楽しみ方 また、雨傘は、使用している生地によって違う雨音を楽しむのもひとつ。傘用に作られた高密な織りの生地は、雨音が軽やかで弾けるようないい音がするのだそう。雨音がいい音だと、雨の日のお出かけも楽しくなりそうですね。 プリント柄の傘がほしいという人には、着る服やバッグに使われている色と、どれか 1色同じ色 で選ぶと、柄ものと柄ものでも意外と合うのだそう。 「例えば南仏のソレイヤードをイメージした「Frog」という傘は5色入っているのですが、このうち1色でも入っている服ならそんなにおかしなことにはなりません。またソレイヤードはインドのブロックプリント技法からから発展したものなので、インドプリントの洋服とも相性がいいんですよ。気分を上げるためのプリントや色を選ぶのも楽しいですよね」と井部さん。 また、井部さんがおすすめする、傘の楽しみ方をもうひとつご紹介。お気に入りの ハンカチやスカーフ を持ち手に結ぶのがマイブームだそう。いつもとは少し違う傘の表情が楽しめるので、ぜひ試してみて。 お店で「傘を」選ぶときのコツ 最後に、傘の選び方について井部さんからアドバイスをいただきました。 「実際に広げて差して、鏡で見て合わせるのが基本です。たくさん差して、自分に合う色やテイストを探してみてください。1本目に選ぶ傘は、持っている洋服の中で一番多い色でベーシックなものをおすすめしています。持っていて落ち着く色のシンプルな傘を選び、その次に遊びの傘を。 もし長く使いたいなら、 最低5本くらい の傘をローテーションで使うと、軽く 10年 は使えると思います。もし迷ったら、好きな色やテキスタイルを選ぶのがポイント。似合うかどうかは別で、差しこなせるかどうかで選んでみて。そのときは失敗したと思っても、気になって買ったものはクローゼットで寝かせて、“いつかこの傘を差してこの洋服に合わせておでかけする”と、妄想するのも密かな楽しみになると思いますよ」 ファッションの一部として傘を選べば、雨や日差しも楽しみになるかも。ぜひお気に入りの1本を探してみてください。 【取材協力】 Bon Bon Store(ボンボンストア) 【展示情報】 6月のみたてもの「BonBonStoreの傘」 会期:2015年6月28日(日)まで 営業時間:11:00〜19:00 月曜休み 会場:shop MITATE 東京都港区西麻布3-16-28ル・ベイン1F 「Bonne journee!」 会期:2015年7月7日(火)〜7月13日(月) 営業時間:10:00〜20:00 無休 最終日18:00まで 会場:松屋銀座7F デザインギャラリー1953 お問い合わせ:03-3567-1211(大代表)
2015年06月24日見た目のバランス、冷めてもおいしい味付けなど、普通のごはんとは違った手間と知恵をぎゅっと詰めこむお弁当。最近では、ガラス瓶に野菜をきれいに詰めたおしゃれな“ジャーサラダ”や、おにぎりをにぎらずに巻いて作る“おにぎらず”など、非常に多様化しています。今回は、普段のお弁当づくりがちょっぴり変わりそうな、ひと味違う「お弁当本」3冊をご紹介します。 彩り鮮やか、たっぷり満足できるお弁当 ▼『チオベン 見たことのない味 チオベンのお弁当』 山本千織(マガジンハウス) 撮影現場やケータリングなどを中心に活動するお弁当屋さん 「chioben(チオベン)」 。彩り豊か、具だくさんで食べ応えのあるお弁当は、一度食べたら忘れられないと評判です。そんなチオベンの魅力がわかる本書では、12個のお弁当に入った72種類のおかずを紹介しています。 揚げ物のおかず3種と野菜のおかずが入った「あげあげあげ弁」、サンドイッチとおにぎりそれぞれ3種を詰めた「おにサンド」など、中身も名前もユニークです。チオベンの定番メニューである春巻とたこめしは、「料理教室」ページで詳しく紹介。特に、生ハムと洋梨とバジル、アボカドとれんこんとバジルなど意外な組み合わせ、二度巻きにするのが特徴の春巻は、想像以上に簡単でおいしいので、 おもてなしのメニュー としても重宝しそう。こんなおかずが6種類も詰まった贅沢なお弁当なら、ランチタイムが楽しみになりそう。 パリ発、おしゃれでヘルシーな”ベントー“レシピ ▼『NanashiのBENTO』 遠藤カホリ(アノニマ・スタジオ) パリでも人気のある 「ベントー」 の火付け役となった、著者・ 遠藤カホリ さんによるパリのレストラン 「Nanashi(ナナシ)」 初のレシピブック。 野菜をふんだんに使ったメニューで、日本でも人気のベーカリーカフェ 「ローズベーカリー」 のシェフを経た遠藤さんのお弁当は、ひとつの器に2〜4種類の雑穀や豆類のミックスした上に、魚もしくは肉、野菜をのせ、もう一方の器に季節の野菜を使ったサラダを3種類と、とてもヘルシー。 お店では日替わりで出されているお弁当の中から、季節ごとに肉、魚、野菜の計12種類のレシピを紹介しています。使われている食材は日本では手に入りにくいものも多いですが、代用できる食材がきちんと書かれているので安心。 豚の角煮やサバの唐揚げなども入れた、日本とフランスを融合したようなおしゃれな“ベントー”は、 食から美を考えるアラフォー女性にもおすすめ です。 お弁当について、さまざまな角度から見ることができる1冊 ▼『日々』 伊藤まさこ責任編集 「お弁当」特集 最後にご紹介するのは、レシピブックではなく、リトルプレスのお弁当特集号。人気スタイリストの 伊藤まさこ さんが責任編集をされています。 伊藤さんが娘さんのために作る愛情のこもったお弁当、「かえる食堂」と「ごはんやパロル」によるお弁当のおかずレシピのほか、陶芸家の 河井寛次郎 のために作られたお弁当箱、さまざまなジャンルで活躍される4人の方に聞いた、市販されているお気に入りのお弁当も紹介。 なかでも興味深いのは 「作家のお弁当」 。 向田邦子 や 武田百合子 など、昔の作家たちのエッセイに出てくるお弁当についての記述も紹介されています。”お弁当”についてさまざまな角度から考える、面白い1冊です。 時間をかけず、とにかく簡単でおいしいレシピもいいですが、たまにはお弁当について考えたり、手間暇かけて作ってみるのも楽しい、そう思わせてくれる3冊。忙しい朝、毎日こんなに手の込んだお弁当を作るのは難しいですが、ときどきじっくりお弁当作りに取り組んでみてはいかがでしょう。 ・ 『チオベン 見たことのない味 チオベンのお弁当』(マガジンハウス)山本千織 ・ 『NanashiのBENTO』(アノニマ・スタジオ)遠藤カホリ ・ 『日々』伊藤まさこ責任編集 「お弁当」特集
2015年06月10日春は何か新しいことを始めたくなる季節。自宅でちょっと空いた時間、気軽にできる手芸から始めてみるのはいかがでしょう? お母さんやおばあちゃんの趣味といったイメージのある手芸ですが、素材やモチーフ、デザインもおしゃれで新しいものがたくさん登場しています。豊富にある手芸本のなかから、おすすめの手芸本5冊をピックアップしました。 シンプルな技法でできる、大人かわいい幾何学模様の花 ▼『花と幾何学もようの刺繍』 高知子(文化出版局) 丸や三角、四角など、幾何学模様を組み合わせた架空の花。ありそうでなかったデザインが新鮮な刺繍本です。ぷっくりと盛り上がったようなステッチが特徴で、ほとんどがサテンステッチと玉止めというシンプルな技法のみを使用。初心者でも気軽に刺すことができそうです。カラフルだけどシックな色合い、ほどよくかわいらしい図案は、ハンカチに刺したりブローチにして、大人の女性が持つにもぴったり。標本のようなデザインで、見ているだけでも楽しくなる1冊です。 人気スタイリストによる、着回し抜群のアイテムたち ▼『スタイリスト佐藤かなの簡単に作れて、とことん使える日常着』 佐藤かな(文化出版局) 真似をしたくなる、シンプルなスタイリングで人気のスタイリスト・佐藤かなさん。手作りの服や小物にも定評があります。そんな佐藤さんによる、ファスナーやボタン付けもない、簡単でかわいいアイテムのソーイングブック(型紙付き)。 「シンプルなつくりだけれど見栄えがして、しかも着回しが効いてとても便利」と書いてあるように、作ればすぐに活躍してくれそうなワンピースやパンツ、スカート、キャミソール、ガウンの5種類をアレンジした、24アイテムが提案されています。アイテムを使った70通りの着回しコーディネートが紹介されているのも、嬉しいポイントです。 新素材「マテリアルコード」が着こなしのアクセントに ▼『カラフルな糸で編むバッグと小物』 (主婦と生活社) ポリエチレンの細い「マテリアルコード」、ポリエステルのテープ状「マテリアルテープ」という、新しい素材を使ったハウツー本。マテリアルコードはちょっと懐かしい色合いと素材感が特徴で、ハリがあるので編むだけで形になり、マテリアルテープはつやのあるカラフルな色合いで伸び縮みしにくく丈夫。しっかりしているので、普通の糸よりも編みやすそう。どこにも売っていないようなバッグやアクセサリー、小物は、着こなしのアクセントにもなります。 アラフォー女子には懐かしい『プラバン』で作るアクセサリー ▼『型紙をなぞって焼くだけでできるプラバンアクセサリー』 福家聡子(文化出版局) きっと子どもの頃に作ったという方も多い、アラフォー女性には懐かしいプラバン。比較的安い材料と身近な道具で作れるプラバンが、改めて注目されています。簡単ながらきれいに作るのは難しいプラバンですが、基本の作り方や色鉛筆などを使った色の塗り方、アクセサリーの金具のつけ方が、丁寧に写真付きで紹介されているので安心。型紙や柄パターンも付いています。動物やスイーツなど遊び心のあるモチーフでも、小さなアクセサリーなら取り入れられそうです。好評につき発売された、『マーカーと色鉛筆でつくる プラバンアクセサリー2』もおすすめ。 お気に入りはどこの国? 世界各地のパッチワーク・キルト ▼『世界のかわいいパッチワーク・キルト:世界各国の布つなぎと針仕事』 (誠文堂新光社) こちらもちょっと懐かしいパッチワーク。小さなはぎれをつなぎ合わせて作られるパッチワークは、世界中のいろいろな地域で生まれ、技法が伝わっていったのだとか。この本ではアメリカを始め、日本の刺し子、韓国のポシャギのほか、世界中のさまざまな部族のパッチワーク・キルトが紹介されています。 伝統的なパターンから自由に作られた現代のものまで幅広く、「これもパッチワーク・キルト?!」と新鮮に感じられるはず。基本的な技法と図案も載っているので、この本を参考にお気に入りの布でパッチワークやキルトを作ってみたくなります。 手芸は作る工程も楽しいですが、自分で作ったものを使えるとさらに嬉しいもの。今はさまざまな場所でワークショップも開催されているので、本を見て分からなければ参加して、一度体験してみるのもおすすめです。手を動かして好きなものを作ることは、いい気分転換にもなりそうです。 ・ 『花と幾何学もようの刺繍』(文化出版局) 高知子 ・ 『スタイリスト佐藤かなの簡単に作れて、とことん使える日常着』(文化出版局)佐藤かな ・ 『カラフルな糸で編むバッグと小物』(主婦と生活社) ・ 『型紙をなぞって焼くだけでできるプラバンアクセサリー』(文化出版局)福家聡子 ・ 『世界のかわいいパッチワーク・キルト:世界各国の布つなぎと針仕事』(誠文堂新光社)
2015年04月27日丸い目にばってんの鼻と口を持つ、かわいらしいうさぎの女の子 “ミッフィー” 。絵本 “うさこちゃん” シリーズを小さい頃に読んだという方も多いのではないでしょうか? ミッフィーは、オランダの絵本作家 ディック・ブルーナ さんが、1955年に海辺でふと描いたうさぎがきっかけとなり誕生。ミッフィーシリーズ最初の絵本が、『ちいさなうさこちゃん』として日本で翻訳されてから50年が経ちました。これまでに刊行されたブルーナさんの絵本は 120タイトル以上 (うちミッフィーは30タイトル以上)、 50カ国以上で翻訳 され、世界中で愛され続けています。 ミッフィーの絵本は、 赤、黄、青、緑、茶、グレーの6色に、輪郭線に使われる黒 という決まった色でデザインされているのが特徴。作者の名前にちなんで、「 ブルーナ・カラー 」と呼ばれています。シンプルな線と色使いにこだわるブルーナさんは、絵本作家になる前は父親の経営する出版社で、専属の グラフィックデザイナー として活躍。手がけたペーパーバックの装丁は2000冊以上、そのデザイン性の高さからコレクターがいるほど人気です。 ミッフィーが子どもだけでなく大人にも人気が高いのは、デザインとしても秀悦なところにあるのかもしれません。 この2015年は、ブルーナさんが描く ミッフィーが誕生して60年 という記念の年。ブルーナさんが暮らすオランダの街ユトレヒトにある美術館、セントラール・ミュージアムはミッフィーの誕生日を祝うデコレーションが施され、ブルーナさんのスタジオが移築され、一般公開されるなど、大きな展示を開催予定です。 日本でも2015年4月15日から「ミッフィー展」を開催。 世界初公開の “ファースト・ミッフィー” と呼ばれる『ちいさなうさこちゃん』(第1版)の絵本原画をはじめ、貴重な原画やスケッチが約300点並びます。そのほか、オランダと日本を舞台にした60周年記念イベント、「ミッフィー・アートパレード」の日本人クリエイターの作品15点も展示。アラフォー世代でもつい買いたくなる、展示会オリジナルグッズも400アイテム以上と盛りだくさんです。 ぜひこの記念すべき年に、改めてミッフィーの魅力に触れてみてはいかがでしょうか? 「誕生60周年記念 ミッフィー展」 会期:2015年4月15日(水)~5月10日(日) 会場:松屋銀座 8階 イベントスクエア 時間:10:00~20:00 ※最終日は17:00閉場・入場は閉場の30分前まで 入場料:一般1,000円、高大学生700円、中学生500円、小学生300円 Illustrations Dick Bruna © copyright Mercis bv,1953-2015 www.miffy.com
2015年04月14日台所に立つのも寒い季節。コトコト煮込んだり、干したり、漬けておくだけで美味しくなる保存食は、忙しいアラフォー世代にとってもうれしいメニュー。1年の始まりに、旬の食材を使った保存食作りをスタートしてみませんか? 最近は簡単にできる保存食のレシピブックも豊富。なかでもおすすめの5冊をご紹介します。 『私の保存食ノート いちごのシロップから梅干しまで』(文化出版局) 佐藤雅子 明治42年生まれの著者が、40年にわたって家族のために作り続けたレシピをまとめた、保存食本の先駆け的な存在。梅干しや奈良漬け、味噌などの定番から、コンデンスミルクを缶のまま煮て作るキャラメルクリームなど興味深いメニューも。 料理だけでなく、母や姑、子どもの頃や西ドイツを旅した思い出話なども書かれていて、読み物としても楽しめます。写真はモノクロで文字が多めなので、少し想像力を働かせながら作ってみるのも一興。発売されてから45年、今でも愛される1冊です。 『季節の仕事』(天然生活ブックス) 松田美智子 料理家・松田美智子さんが雑誌『天然生活』に2年に渡って連載されていた、季節の保存食レシピをまとめた1冊。約40の保存食と、それを使ったアレンジレシピが紹介されています。ひとつひとつの工程が丁寧に写真で紹介されているので、わかりやすいのが特徴。 ぬか漬けやらっきょうなどの基本的な保存食だけでなく、スモークや干し豚、酒かすといった他の本には載っていないようなレシピも魅力です。 『ビギナーでもできる保存食 オカズデザインのつくっておく、とっておく』(NHK出版) オカズデザイン “時間がおいしくしてくれるもの”をテーマに活動する「オカズデザイン」さんによる保存食本。“ビギナーでもできる”というだけに、とにかく簡単。「漬ける」、「干す」、「煮る/油煮にする」、「炒める/焼く/蒸す」の工程に分けて紹介されています。下準備を済ませて時間を置くだけ、それを使ったレシピも魅力的です。 レモンシロップや梅干しなどの定番メニューから、豚肉のリエット、豆のスープ煮など、洋風の保存食まで、今すぐ作りたくなるメニューが盛りだくさんです。 『毎日使いたい サルビア給食室の果実酒・果実酢・ジャム・シロップ』(家の光協会) ワタナベマキ ストックおかずを得意とするワタナベマキさんによる、野菜や果物を使った保存食に特化したレシピブック。いちごジャムや梅酒などの定番から、いちじく酢、干しいも、パイナップルチャツネなど、”使っていない果物はないのでは?”と思うほど、豊富なラインナップ。 それぞれ簡単なステップで材料ごとに紹介されているので、たくさんいただいたときやあまったとき、ちょっと作ってみようかな、と手軽に始めることができそう。ワタナベさんの保存食では、『冷凍保存ですぐできる 絶品おかず』(家の光協会)もおすすめです。 『WECK COOKING』(京阪神エルマガジン社) ドイツで長く愛されている保存瓶「WECK(ウェック)」を使ったレシピ集。作ってから「WECK」の瓶に詰めて保存するだけでなく、保存瓶ごと煮たり、オーブンに入れて作る瓶詰め料理も紹介。料理家・冷水希三子さんによるレシピは、定番のジャムやコンポートから、ふろふき大根などの和食、ケーキやプリンなどのデザートまでと幅広く、簡単で見た目もおしゃれ。「WECK(ウェック)」自体も集めたくなります。 こうして並べてみると、同じ保存食をテーマにした本でも作り方の違いはもちろん、レシピのラインナップもさまざま。冷蔵庫に作っておくと、そのまま食べたりアレンジしたり、さっと使えて便利な保存食。一度はじめると、時候に合わせた野菜や果物、料理により敏感に暮らすことができそうです。 ・ 『私の保存食ノート いちごのシロップから梅干しまで』(文化出版局) 佐藤雅子 ・ 『季節の仕事』(天然生活ブックス) 松田美智子 ・ 『ビギナーでもできる保存食 オカズデザインのつくっておく、とっておく』(NHK出版) オカズデザイン ・ 『毎日使いたい サルビア給食室の果実酒・果実酢・ジャム・シロップ』(家の光協会)ワタナベマキ ・ 『WECK COOKING』(京阪神エルマガジン社)
2015年01月30日