生まれつき両耳が聴こえないヒトです。2児の母です。 珈琲を飲みながらお絵描きをするのが好きです。 「背中をポンポン」というブログで、聴こえないヒトの日常などコミックエッセイを綴っております。
母が聴こえないということをわかってはいたけど、改めて確認をしてきた息子とその息子の気持ちを受けて感じた私のお話です。
娘は1歳の頃、音声言語よりもベビーサインの方が多く出ていました。そのときの周囲の反応と、それについて私が感じていたことを書いています。
耳が聴こえない作者が描く耳が聴こえない女の子「花」のセミフィクション漫画です。生まれつき耳が聴こえない花のためにドラマの文字起こしをしてくれた母。当時の思いを親になった花が振り返ります。
生まれつき両耳が聴こえない作者が経験したマスク生活の戸惑い。聴こえない世界から捉えられたマスク生活のコミュニケーションの苦労や気づきについて描いています。
■ 前回のあらすじ 聴覚に障害を持つ親の、聴こえる子どもを「コーダ」と呼ぶ。そう息子に伝えると…。 今までコーダについて話しても反応を示さなかった息子が、こんなに豊かな表情を見せてくれたことに心を激しく揺さぶられました。 「ママの耳が聴こえなくてがっかりだ」という言葉がきっかけで、こんなにいろんな話ができ、いろんな気持ちになれて、すごく楽しい時間でした。息子も同じ気持ちでいてくれたら嬉しいのですが…! どんな声でも言葉でもいいから、また届けて欲しい。共感することは難しいかもしれないけれど、息子の正直な気持ちをまた聞きたいなと思いました。 ここまでお読みいただきありがとうございます。
2022年01月10日■ 前回のあらすじ 自分の声が母親には本当に聴こえていないと知り、泣き出した息子。その気持ちに共感はできないけれど、お互い立ち入ることのできない領域があるから、無理に共感しなくてもいいと思えて…。 息子のように、聴こえない親をもつ聴こえる子どものことを「コーダ」と呼びます。 実は息子にコーダの話をしたのは3回目になるのですが、今回の息子の反応がいつもと違ったのです…! 次回に続く 「きこえないことについて聞かれた話」(全4話)は12時更新!
2022年01月09日■ 前回のあらすじ 母の耳が聴こえないとわかっているのに「俺の声、どんなだかわかる?」と何度も聞いてくる息子。「わからない」と答えると、ショックを受けてしまい…。 涙もろいはずの私ですが、息子が泣いていてももらい泣きもせず、どこか客観的に見ている自分がいました。 でも、このまんまでいいよね。共感したふりなんてしたくない。この私のまんまでいる。 私にとって子どもは、とても身近な存在ですが、お互いに立ち入ることのできない領域があるんだ。そして、そこは守られるべき場所なんだ。 ということを自覚しておくことが、大切であるような気がしました。 無理に共感せずに私の自然なスタイルで向き合おうと思いました。 次回に続く 「きこえないことについて聞かれた話」(全4話)は12時更新!
2022年01月08日こんにちは! ミカヅキユミです。 これは、息子から「ママには自分の声がどんなふうに聴こえているのか」を聞かれたときのお話です。 母が聴こえないことを身をもって感じる場面にたくさん遭遇しているはずなのに、それでも「もしかして…」と思うものなんだなぁと感じました。私にできるのは子どもの気持ちを受けとめることだけ…。 息子からこんなふうに具体的に聞いてきてくれたことが今までなかったので、素直にうれしかったです。 次回に続く 「きこえないことについて聞かれた話」(全4話)は12時更新!
2022年01月07日■ 前回のあらすじ 音声言語が遅れているとしても、今の娘なりの「ことば」を認めてあげたい…。1歳半検診でいろいろな気持ちを打ち明けながら、思わず涙が止まらなくなって…。 周囲からの言葉というものに時として不安を感じてしまいますよね。 お医者さんや保健師さんに相談したことは、自分では良かったと思っています。私を含め、素人判断はよくないなと思いますし「プロに相談しました」って言えば大抵納得してくれますしね。 加えて「もし娘が何か持ってるとしてもそれが娘なのだし、親としてできることをやっていく」…とどっしり構えていたい。 そんな流れを経て、娘も2歳を過ぎたころから音声言語を話すようになりました。それを受けての「よかったね」という言葉に対しては、複雑な感情を抱きましたが…。 「もともとおしゃべりだっだよ」と、堂々と返せる自分にホッとしたというか…、ただの自己満足かもしれませんが、この満足感をもつことで、自信をもって娘と向き合えるのではないかと、そんな気がしました。 今もう一度思い返してみてもあのかわいいサインは、やっぱり娘の「言葉」だったんだなと思っています。 ここまでお読みいただきありがとうございました!
2022年01月06日■ 前回のあらすじ 耳の聴こえない私に、ベビーサインでお話してくれる1歳の娘。でも友人の「ことばが遅いよね」の一言に、埋めることのできない「聴こえないヒト」と「聴こえるヒト」の感覚のズレを感じてしまい…。 息子と娘、同じように育ててきたつもりでも全然違うんだと思いました。 音声言語が大事だという周囲の考え方も理解できるのですが、このときはどうすればいいのかと気持ちがぐちゃぐちゃになって涙が溢れてしまいました。 次回に続く 「ベビーサインは立派な「ことば」」(全3話)は12時更新!
2022年01月05日こんにちは、ミカヅキユミです! 私は生まれつき耳が聴こえません。このお話は、娘が1歳半になったころの周囲の反応や、それについて感じたことを描いていきたいと思います。 娘は、私の「ねんね」の手話を見て真似をしたのかもしれませんが、手でお話してくれることがありました。娘のサインを見るたびに「おはなししてくれてる!」と嬉しかったのですが…。 友人の言葉に、どうしても埋めることのできない、「聴こえないヒト」と「聴こえるヒト」の感覚のズレを感じてしまいました。 そういうものなのかもしれないな…と諦めに近い感情でした。 (当時の私の素直な気持ちを描いているため、不快にさせてしまいましたら申し訳ありません…) 次回に続く 「ベビーサインは立派な「ことば」」(全3話)は12時更新!
2022年01月04日■前回のあらすじ 手書きでドラマの文字起こしをしてくれた母。「来週分も書こうか?」との提案に、花は「もういいかな」とあっさりとした態度で… ※『情報提供施設』とは、身体障害者福祉法に基づいて作られた施設のことをさします。 やがて字幕放送も普及して、耳が聴こえない人たちもTVやドラマを楽しめるようになりました。 そして時が流れ、自らも母親になった花。 何気ない場面で息子が発した言葉が、過去の記憶を呼び起こすことに… 息子の言葉によって気付かされた自分自身の本心。 心の中で思っていたことを素直に言えばよかったんだと…。 あの時「お母さんが心配」とひと言でも言えたなら、もしかしたら母の気持ちを聞けたのかもしれない。 そんな当時の思いを振り返りつつ、あらためて親子の向き合い方について大切なことに気付けた花なのでした。 「母、ドラマの文字起こしをする」はこれで完結です。 お読みいただきありがとうございました!
2021年01月18日■前回のあらすじ 当時字幕放送がなかった時代、クラスで話題の人気ドラマの内容がわからず、話についていけなかった花。そんな姿を見ていた花の母親は… ドラマのシーンに合わせて、一語一句丁寧に手書きで文字起こしをしてくれた母。 「来週分も書こうか?」と母は提案してくれるものの、当人の花は「もういいかな」となんともあっさりとした態度。 しかし、そんな花が抱えていた本心は… 何枚にも及ぶメモを見た途端に、母が一生懸命作業している姿が浮かんできた花。 きっと何時間もかけて文字起こしをしてくれたんだろうな…と。 もちろんうれしい気持ちはあるけれど、「迷惑をかけたくない」という思いがどこかまさっていた花なのでした。 次回に続く!
2021年01月17日この物語は、耳が聴こえない主人公「花」のセミフィクション漫画です。 当時字幕放送がなかった時代、クラスで話題の人気ドラマの内容がわからず、話についていけなかった花。 そんな姿を見ていた花の母親は… 母親は花のためにドラマの台詞を全て書き起こしてくれたのです。 驚きつつも、どこか戸惑いの表情を浮かべる花。その本心が徐々に紐解かれます。 次回に続く!
2021年01月16日■前回のあらすじ 先日息子の小学校に出かける機会がありました。そこでじーっと私を見つめてくる子どもが2人。話しかけてる?それとも見てるだけ? この話をマンガにするのが、とっても怖かったです。 理由はどうあれ一瞬でも無言だったとしても私は、マスクをずらしてしまったんです。ごめんなさい。 良くないことだったかも…と、今でも考えてしまいます。 それでも自分の顔を見せた理由はそのまんま、表情を見せたかったからです。 安心してほしかったからです。 彼らの反応を見て、私自身が安心したかったからです。 アキラくんに対しては「コミュニケーションがとれた!」という“手ごたえ”を感じました。 カエデちゃんに対しては反応が全く掴めず、「なんだか通じ合えなかったな、残念だなぁ」という風に感じました。 そして息子といるカエデちゃんを見かけ… まさにこの瞬間、です。 『カエデちゃんに伝わってたのかな? 伝わってなかったのかな?』というモヤモヤした気持ちがぱぁ~っと晴れたんです! 帰宅してから息子に聞いてみたらカエデちゃん、やっぱり「お母さん来てるよ」と教えてくれてたんだそうです。 アキラくんやカエデちゃんがとってくれた行動は何気ないことかもしれないけれど、私にしてみればマスクで口も表情も読み取れない中やっと取ったコンタクトが次のアクションにつながったことがとっても嬉しかったのです。 やっぱりコミュニケーションっていいよね! 今はまだ、気を付けながら過ごしていかなければなりませんが、少しでもお互いが気持ちよく通じ合うことができるようなにか方法はないかなと模索していきたいと思います。 「マスクを外したい」はこれで完結です。 お読みいただきありがとうございました!
2021年01月15日■前回のあらすじ 私、ミカヅキユミは耳が聴こえません。今回の感染症の影響で、マスク生活になったことで戸惑いを感じるようになったのです…。 先日息子の小学校に出かける機会がありました。 そこで遭遇したとあるエピソードです。 自分の親じゃなくても他の保護者に話しかける子って結構いるんですよね。 たぶんそのような場面だったと思うんですけどね、耳が聞こえる人同士は口を見なくても会話ができるんだなーって。 当たり前のことなんだけど、マスクで口が見えない状態にもかかわらず談笑している様子を目の当たりにして率直に羨ましいなと思いました。 しかし、私のとこにも来てくれたんですよ。ふたりも!(笑) こっちもマスクしてるし向こうもマスクしてるしで… 私の言ったこと、わかったかな? 伝わったかな?…というのがわからないんですよね。 でも、たぶんわからないのって私だけじゃなくて向こうも同じなんですよね 目を見ていて、何となくそう感じました。 でも名前を名乗ってくれたのはすごく嬉しかったなぁ〜! 次回に続く!
2021年01月14日突然ですが私、ミカヅキユミは耳が聴こえません。 コミュニケーションの方法は 1. 口話(口の形を読み取る) 2. 手話 3. 筆談 主に、この3つを使っています。 今回感染症拡大に伴いマスク生活になったことで、戸惑いを感じています。 そこでマスクにまつわるエピソードを挟みながら自分の気持ちを描いていきたいと思います。 自分の中ではこれまで『不便』に対する『免疫』は既についていたので今回の感染症拡大の影響を受けて、『相手の口や表情が見えなくて大変』という風にはあまり感じていません。私はね。 逆に、自分がマスクをすることがあんまりなかったのでそちらの方に、非常に戸惑いました。 そして、相手が聞こえる人でも口(表情)を見せたいって思うの、私だけかなぁー? 次回に続く!
2021年01月13日