編集者&ライター。主なテーマは「PTA」と「いろんな形の家族」。各種媒体に記事を執筆、講演も行う。シングル母。著書は 『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』『PTAがやっぱりコワイ人のための本』。「定形外かぞく(家族のダイバーシティ)」代表。
「PTAが苦手…」「PTAっておかしくない?」と不安を募らせるママたち必見! 「#PTAやめたの私だ」で話題となったPTAの自動強制加入問題やさまざまな取り組みについて、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『PTAがやっぱりコワい人のための本』の著者・大塚玲子さんがわかりやすく解説します。
さて、 連載3回目 までは主に、PTAの問題点についてお伝えしてきました。 でもじつは、PTA活動にもいいところはあるのです。「本当に?」と思われるかもしれませんが、そういうところもないと、さすがに70年は続いてこないでしょう。 それは何かと言うと、 保護者同士の横のつながりができる、近所に知り合いが増える というところ。それが一番ではないかと思います。筆者自身もPTAにかかわってきて、それはありがたかったと感じます。 ■いたらいたでありがたい、近所の知人や友だち ネット全盛期のいま、近所に友だちがいなくたって、SNSなどでいくらでも人と交流できますから、とくに近所づきあいの必要性を感じない人も多いかもしれません。 でも実際に近所に知り合いができてみると、意外とこれが悪くなかったりもします。買い物に出たとき、ちょっと顔を合わせて立ち話できるような知り合いがいることは、それ自体単純に 楽しい ことですし、また 安心感 につながるところもあります。 もちろん嫌なヤツだったら話は別ですけれど(それなら知り合わないほうがマシです…)、まれに気の合う友人が見つかる場合もあるので、あなどれません。 知り合いが増えると、自然と 情報 も入ってきやすくなります。近所の医者や塾の評判、進学先の情報、学校の様子、お友だちや先生のこと、などなど。とくに上のお子さんがいる親御さんの情報は、一人目育児中の親にとって、かなり有用なことがあります。 もちろん、こういったつながりは、PTAでなければ得られないものではありません。子どもの習い事やスポーツチーム等々、保護者がつながれる場はほかにもいろいろあります。でも PTAも現状、つながりを得られる場のひとつ であることは事実でしょう。 近所の知り合いというのは、いなければいないで別に困らないかもしれませんが、いたらいたでありがたい、というものではないかと思います。 ■PTA本来のメリットを見失わないために というわけで、PTAにもじつはいい面もあるのですが、なかなか注目されることがありません。なぜかといえば、これもやはり、強制的にやらせていることが多いから。 現状、子どもが学校に入れば保護者はPTAに自動加入することが大半で、「入るか、入らないか」という選択肢を与えられません。そのため 「PTAに入ったら、自分にとってどんないいことがあるか?」を考える機会がない のです。それでは当然、PTA活動のメリットに目が向きづらくなります。 またPTAでは、よくクラス役員や委員長決めの際、じゃんけんやクジ引き、欠席者への押し付けなどといった状況が起こるので、そのイヤな印象が強すぎて、せっかくのいい面がかすんでしまうところもあるでしょう。 だからもし、PTA活動のよさを他の人にも知ってもらいたいと思うのであれば、まずは 「無理にやらせない」ということが必須 だと思うのです。 あとは、 活動の目的をはっきりさせることも必要 でしょう。「その活動を、何のためにやるのか?」と考えること。「学校の手伝いをしたいのか?」「保護者の交流の場をつくりたいのか?」等々、目的をはっきりさせて活動していれば、少数でも参加したい人は自ずと出てくるはずです。 いまのPTAでは、しばしば「本来の目的」が忘れられています。そのために、「前年どおりにやること」や「ひとり残らず全員がかかわること」が優先されがちです。それでは、「やってみたいな」と思う人が出づらいのは当然のこと。 ■「みんな同じでなければいけない」という呪縛から逃れる それからもうひとつ、いろんな人が参加しやすいように活動全般を見直していくことも必須でしょう。 活動する時間や場所をフレキシブルに設定して、たくさんの人がかかわれる機会を用意しないと、参加したくてもできない人が出てきてしまいます。「平日の日中に学校に集まる」という一択しか用意せずに、「参加者が少ない」と嘆くことは不毛です。 保護者のなかには、いろんな状況の人がいます。そもそもお母さんだけでなくお父さんもいるわけですし(忘れられがちですが)、また子どもを見てもわかりませんが、ひとり親、祖父母や親戚、あるいは同性カップルで育児をしている家庭もありますし、施設で子どもを育てていることだってあります。 私たちはつい 「全員が同じようにPTAに参加・活動しなければいけない」と思い込みがち ですが、実際にはみんないろんな状況なのですから、そうはいかないのです。 その事実を認めていくことが必要でしょう。 そして、「PTAにかかわるか、かかわらないかは、それぞれの保護者が決めればよいことだ」という前提に立つことが、一番必要ではないかと思います。 これまで私たちが長年身につけてきた 「みんな同じでなければいけない」という呪縛 から、逃れていけるといいですよね。 ■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620) そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年05月26日連載 第1回目 、 第2回目 では、本来は任意加入であるはずのPTAが現状なぜ自動強制加入になってしまっているかということや、それによって起きているさまざまな問題点について、お話ししてきました。 第2回目 でも少しふれましたが、なぜいまPTAで自動強制加入が可能になっているのかというと、 学校の名簿が、保護者に無断でPTAでも使われているから です。そのようなやり方をしている場合、学校はすでに各自治体の個人情報保護条例に違反していますし、また改正個人情報保護法が施行される今月末(2017年5月30日)以降は、名簿を受け取るPTAの側も、法律上の義務違反を犯すことになってしまいます。 「違法なPTAなんて、いやだな…」と思う方が多いかと思いますが、でもこういった状況は、少しずつではありますが、変わりつつあります。 PTAがちゃんと入会届を配布して保護者の加入意思を確認し、また会員となる保護者の個人情報を自ら取得するケースが出てきているのです。 ■入会届け完備の“合法PTA”がじわじわ増殖中 筆者がこれまでに聞いている「PTAが入会届を配るようになった経緯」は、いろいろあるのですが、わりあいよく聞くのは、こんなパターンです。 ▼PTA合法化 パターン1 ・退会者、あるいは非加入者が現れたことを機に、入会届が整備される ・退会者・非加入者、あるいは会員から、入会届がないことや個人情報の取扱いに関する不備を指摘されて、入会届が整備される このパターン1はどちらも、実質的には、 校長先生の判断 であることが多い印象です。あとは、こんなパターンもあります。 ▼PTA合法化 パターン2 ・会員がPTA総会で入会届の整備を要望することによって、実現する ・PTA役員(会長や副会長等)の発案・主導で、入会届が整備される こちらは主に 保護者の判断 によって入会届の整備が進むパターンですが、前者(校長主導)のパターンと比較すると、どちらかというと少ない印象があります。というのは、役員がいくら入会届を整備しようとしても、もしも校長先生が反対すれば決して実現しない、というのが現実だからです。 なお、まれにではありますが、校長先生が整備を進めたいと思っても、 役員である保護者の反対によって入会届が実現しない というケースもあるようです。 ほかには、こんなケースもあります。 ▼PTA合法化 パターン3 ・P連(自治体ごとに作られる、PTAの連絡ネットワーク)や教育委員会の指導によって、入会届の整備が促される このパターンは状況によって、校長先生の判断だったり、保護者側の判断だったりするようです。 ■「非加入家庭の子どもはどう扱うの?」問題について さて、このように経緯はそれぞれながら、入会届を配るPTAが徐々に増えているわけですが、自動強制加入をやめようというときには必ず問題になる、あるポイントがあります。 それは、 「PTAに入らない」という家庭が出てきたときに、そのご家庭のお子さんに、全員に配るものをあげるかどうか、 という問題です。たとえばよく話題になるのは、卒業式で配られる祝い品(記念品、コサージュ=胸につける花飾り、等)についてです。 こういったものは本来、非加入家庭のお子さんにも、配られるべきものです。 PTAというのはそもそも 「その学校に通う子ども全員」のためのことをする団体 だからです。そうでなければ、学校施設を使用するという特権は受けられないでしょう。ところが、そのことがあまり理解されていないケースが見受けられます。 ■PTAは「会員限定サービス」をする団体ではない PTAはこれまで長いこと、全員加入を前提に運営してきてしまったため、 PTAを「会員家庭向けのサービスを行う団体」だと誤解している人 が少なくないのです。そのため、非加入家庭のお子さんに対して、会員家庭と同様の祝い品を渡そうとすると、「会費を払っていないおうちにあげるのは、ズルイ」などという声が、他の会員からあがる場合があるのです。 そこでやむなく、子どもたち全員に配るものについては、非加入家庭からも実費を徴収しているPTAが多いのですが、これも“本当に正しいやり方”とはいえないでしょう。 いま、大阪のある学校では、保護者会(PTA)をやめたご家庭のお子さんが卒業式のコサージュをもらえず、しかも保護者が実費負担を申し出たのに、その申し出も断られたことから、裁判が起きています。PTAはそもそも、子どもたちのために存在するはずなのに、逆にこんなことで子どもに辛い思いをさせてしまっているというのは、とても残念なことではないでしょうか。 いま一度確認したいのは、PTAというのはあくまで 学校に在籍する子どもたち全員のための活動をする団体 であり、かつ、 保護者は活動したい人が活動し、加入したい人が加入する団体 である、ということです。 これらのことを大前提に、これまでのPTAの運営方法や活動内容、組織のあり方全体を、見直していく必要があるのではないかな、と思います。 ■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620) そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年05月12日さて、 前回 は日本のPTAの成り立ちについてお話しました。戦後、日本でPTAをつくることになったとき、 「とりあえず自動強制加入」にしたのがずっと続いてしまった わけですが、ようやくその見直しが始まっている、というのが今の状況だと思います。 ではあらためて、自動強制加入だと何がまずいのでしょうか? 「これまでずっと、それでやってきたんだから、変えなくてもいいじゃないか」と思う方もいるでしょう。それを、なぜわざわざ変える必要があるのでしょうか。 現状の自動強制加入のやり方によって、具体的にどんな問題が起きているのか、それを今回はお伝えしたいと思います ■1.ずばり「楽しくない」 まずはこれです、自動強制加入では活動が「楽しくない」ということ。PTAが今これだけ嫌われてしまっているのも、加入方法が強制であることに根があります。 人はふつう何かするとき「これをやったら、どんないいことがあるかな?」と考えて、その行動をとるものですが、強制加入ではそういったメリットを考える余地がありません。 最初から「やりなさい」といわれてしまうので、なかなか楽しめない のです。 たとえば「学校に通う」とか「税金を払う」といったことなら、必要性もわかるし、法律で決まっているんだから、と思いますが、PTAは残念ながら必要性がはっきりしない仕事がよくありますし、「必ずやらなければいけない」という法的な根拠もありません。 それで強制されるのでは、「やりたくない」「つまらない」と感じる人が多いのは無理のないことでしょう。 ■2.「詐欺」に加担してしまう 端的な表現ですみませんが、実際のところ、現状のPTAのやり方は「詐欺」と言われれば否定できないところがあります。法的な根拠がないのに 本人の同意を得ずに会員にして、会費を徴収するというやり方 は、ふつうの団体ならありえません。 保護者は子どもが学校に入ると自動的に会員になるので、なかにはPTAが学校と別団体であること、PTAが任意加入であることを知らずに会費をおさめている人も少なからず存在します。そういう人から集めた会費を使って活動するのは、後ろめたいところがあります。 たとえば、多くのPTAは学校に備品等を寄付していますが、本来寄付というのは自由意志に基づくものです。 同意なく加入・徴収したお金で寄付を行うのは、ある意味、だましとったお金によるプレゼントのようなもの。 渡すほうも、受け取るほうも、胸を張ることができません(そのためPTAによる学校への寄付は、あまり表に出てきません)。 普段の活動でも同様です。たとえば筆者も、活動中にPTA予算で買ったおいしいお菓子をいただくことがありますが、うれしい反面「もしかすると、PTAが学校の一部だと思って無理して会費を払った人のお金を含んでいるかもしれない」と思うと、申し訳なく感じます。 ■3.事情のある人が嫌な思いをする 保護者のなかには、いろんな状況の人がいます。ひとり親、闘病中の人、介護中の人など、みんながみんなPTA活動をできる状況にはありません。でも自動強制加入だと、そういう人が「できない」というためには、個人的な事情を他人に伝えなければならなくなります。 「それは当たり前では?」と思う方もいるかもしれません。PTAといえば、4月の保護者会でお母さんたちが順番に「できない理由」を言うのが風物詩のようになっていますよね。でもそれも、一般の団体だったら起こり得ないことです。 スポーツクラブでもクリーニング屋さんでも、ふつうは申込みをした人が会員になりますから、会員にならない人がわざわざ「入らない理由」を告げる必要はありません。むしろ、告げたらヘンでしょう。 でもPTAは違います。自動強制加入で会員になってしまうから、 「できない理由」を、みんなに説明せざるを得なくなったりする のです。 なかにはもちろん、個人的な事情を他人に言いたくない人や、言えない人もいます。そういう人が仕事を押し付けられてしまい、行けなくて休むと陰口をたたかれる、なんていうことも起こり得ます。 ■学校から「児童名簿をもらうこと」の問題 ちなみに、そもそもなぜ申込みをしないのに自動的に会員になるのかというと、 学校の名簿が勝手にPTAに流用されているから です。このように、個人情報を本人の同意なく第三者に渡すことは、個人情報保護法例(法律や条例)で禁止されています。学校はそのルールを守っていないのです。 以上のような理由で、現状のPTAのやり方には問題があることについて、おわかりいただけたでしょうか。 なお、気をつけなければいけないのは、問題があるからといって、PTAを丸ごと否定する必要もないということです。PTA活動にはいい面もいろいろあり、楽しんで活動している人たちもじつはけっこういるのです。 必要なのは、やり方を適切に改めることでしょう。 まずは自動強制加入をやめて、 「加入意思を確認して、同意の上入会する」というふつうの形 にすれば、全部とは言いませんが、いまPTAが抱える多くの問題は解決、または改善していくはずです。 最近は徐々に、運営の仕方を正しく改めるPTAも増えつつあります。次回は、そういったPTAについてご紹介したいと思います。 ■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620) そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年04月28日このところ、新聞、雑誌、テレビ、ウェブ媒体と、いろんなメディアでPTAのことが取り上げられています。時代とともに社会が大きく変わるなか、昭和の頃とあまり変わらない、昔ながらのやり方を続けるPTAに対して、違和感を抱く人が少なくないようです。 とくに最近は「#PTAやめたの私だ」というハッシュタグが広がりを見せるなど、 「PTAに入らない=非加入」という選択 にも注目が集まっています。「保護者は全員必ず自動的に加入する」というのが、日本のPTAでこれまで長く続けられてきた慣習でしたが、本来PTAは、 任意で加入・活動する団体 です。そのことがだんだんと知られるようになり、「入らない」という行動をとる人も増えてきたのです。 そもそもPTAとはどんなもので、どういう経緯で、今のような形になったのか? 今回は、そういった背景について、お伝えしたいと思います。 ■「自動加入方式」が定着したのはなぜ? PTAの成り立ち さかのぼって、日本にPTAができたのは、 第二次世界大戦後間もなく のことです。もともとPTAは、アメリカの保護者(母親たち)が自発的につくった組織ですが、それを日本にもつくるように、GHQ(連合軍総司令部)が指示を出したのです。そこで文部省がハタ振りして、全国の学校につくらせたのが、日本のPTAの始まりです。 アメリカのPTAは「ボランティア」です。つまり「自主的に、やりたい人がやる活動」なのですが、日本では戦後PTAが始まった当時、「ボランティア」というような概念はありませんでした。ですからPTAをつくらせるにあたっては、「保護者は全員、会員です」という、強制的な入会にするしかなかったのでしょう。 この 自動加入方式が、なんと70年という年月を経た今なお続いてきてしまった わけですが、そればかりか、強制はエスカレートしてきたところがあります。加入の仕方だけでなく、普段の活動についても、「保護者(母親)は全員必ず、6年間に1度は役員をやってください」というふうになり、本来の「ボランティア」とは、すっかりかけ離れてしまったのです。 かくして 「PTA=強制」という面が強化 されていき、PTAを「やりたくないもの」「いやなもの」と感じる人が増えてしまった、というのが現状かと思います。 ■タブーだった「自動強制加入問題」が明るみに さて、そんなPTAがここに来てようやく、本当に「任意」のものであると知られるようになってきたのですが、それは、なぜなのでしょう? 原因は、いろいろあると思います。 9年前、作家の川端裕人さんが『PTA再活用論』を出版し、 任意加入周知の必要性 を広く知らせたこと。憲法学者の木村草太さんが、 今のPTAの強制加入について違法性を指摘 したこと。新聞やテレビなど、大手メディアでPTAの問題が報じられるようになったこと。 また最近は、熊本で起きた裁判も注目を集めました。ある保護者が、PTAが任意加入であることを知らずに会費を支払っていたため、会費の返還を求めて裁判を起こしたのです。この裁判は和解に終わりましたが、これによって、PTAが任意加入の団体であることは、より多くの人に認識されることとなりました。 SNSなど、ネットが普及したことの影響も大きいでしょう。 じつはPTAの強制性については、過去何度も問題になったことはあり、声をあげる人もそれなりにいたのですが、各PTAのなかで、特殊な例として処理されていました。それが、SNSなどの普及により、同じような考えの人同士がつながって、経験や情報を共有したり、声を上げたりできるようになったことから、 社会のなかで可視化されてきた 、という面があります。 ■少子化、共働き世帯の増加… PTA担い手減少の現実 さらに、母親たちの状況の変化もあります。こちらは、専業主婦のいる世帯と共働き世帯の割合の推移を示したグラフですが、いまはこのように、共働き世帯のほうがだいぶ多くなっています。 (注)1.「男性雇用者と無業の妻からなる世帯」とは、夫が非農林業雇用者で、妻が非就業者(非労働力人口及び完全失業者)の世帯。 2.「雇用者の共働き世帯」とは、夫婦ともに非農林業雇用者の世帯。 3.2011年は、東日本大震災の影響により、全国の調査結果が公表されていないため、掲載をしていない。 4.「労働力調査特別調査」と「労働力調査(詳細集計)」とでは、調査方法、調査月などが相違することから、時系列比較には注意を要する。 資料出所:1980~2001年は総務省「労働力調査特別調査」、2002年以降は総務省「労働力調査(詳細集計)(年平均)」を基に作成。 出典:厚生労働省 女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書 このグラフには含まれていませんが、ひとり親家庭も増えています。筆者もそのひとりですが、いまは母子家庭や父子家庭が増加しており、約7~8世帯に1つは、ひとり親世帯といわれています。 昔のように、子どものことやPTAに時間をかけられる、専業のお母さんは、だいぶ減ってきているのです。こういった時代・社会状況の変化を背景に、PTAは徐々に、時代に合わない部分が増えてきたのでしょう。 PTAや自治体(教育委員会・P連)によっては、こういった状況に対応すべく、PTAが任意加入であるということを前提に、 組織や規約を修正する動き も出始めています。 では、あらためて、自動強制加入のPTAでは、具体的に何が問題となるのでしょうか? 実際に、どのような問題が起きているのでしょう? 次回は、この点について、もう少し詳しく掘り下げて、お伝えしたいと思います。 ■大塚玲子さんの著書 『PTAがやっぱりコワい人のための本』 (太郎次郎社エディタス/¥1,620) そこにいるのはどんな人たち? 負担はいったいどの程度? PTAのネガとポジを徹底仕分け。読めば気持ちが軽くなる一冊!
2017年04月14日