急性心筋梗塞や脳卒中を引き起こす「血圧サージ」の恐怖
という機能があります。これが正常に働かなくなったときに、血圧の急上昇が起こるわけです。また、(1)血管がしなやかさを失う動脈硬化、(2)自律神経のバランスが崩れる、(3)ホルモンの働きが低下する、という3つの要素が重なったときに恒常性が失われるともいわれています」
高血圧は男性に多いと思われがちだが。
「それは誤った考えです。とりわけ50歳以上の女性は、もっと血圧に気を配ってほしい」
そう警鐘を鳴らすのは池ノ上産婦人科・院長の千代倉由子先生だ。
「女性は、体全体が女性ホルモンによってコントロールされているのですが、40代後半から50代にかけての閉経を迎える時期、すなわち更年期に女性ホルモンのエストロゲンが著しく低下します。血管の柔軟性を維持し、血管を保護していたエストロゲンが減少すれば、血管の動脈硬化が進みます。また自律神経のバランスが崩れたり、肥満化しやすい体になることがあるため、高血圧になりやすく、心臓血管系疾患のリスクも高まるのです」