「健康診断正常値」国と医師ずれ…学会と製薬会社の癒着指摘
米国の基準値は、なんと1,000未満は正常となっている。
「炭水化物を取りすぎ、運動不足でエネルギー消費量が少ないと、中性脂肪が増えて肥満につながります。ただし測ってみると、1日のうちでも、数値は大きく変化し、健康診断の数値はあまり当てになりません。国際的にも、中性脂肪の血中濃度は疾患との関係は少ないと結論づけられています。ただ1,000を超えると、急性膵炎のリスクになると考えられています」
■LDL-コレステロール(特定健診の基準値=120mg/dl未満/大櫛先生による55~59歳女性の基準値=80~192mg/dl)
値が高いと動脈硬化の原因とされるコレステロール値。とくに悪玉とされるLDL-コレステロール値を気にする人は多いが。
「まず悪玉という名前がうそ。LDLもHDLもそれぞれに役割があり、よい悪いという性質ではありません。
また数値が高いほど、脳卒中になりにくく、心筋梗塞の原因にもならないことがわかってきています。また女性はもともとコレステロール値が高いうえに、とくに高齢者はコレステロール値が高いほど元気で長生きという住民追跡調査の結果がでています」
それにしても、なぜこれほど国の基準値と、大櫛先生の基準値が異なるのか?
「現在の基準値の多くが製薬会社と医学学会の癒着で生まれているからです。