2019年5月17日 06:00
“脳外科医のゴッドマザー”が乗り越えた「男性優位社会」
それだけに立ちはだかる壁も多かった。
「患者さんから、『女性のお医者さんでは頼りない』と言われることもよくありました。医師になった当初から、女性の私にしかできないことはないか、ずっと考えてきましたね」(加藤先生・以下同)
その答えのひとつが、常に患者と寄り添うこと。いまも毎朝5時過ぎには起床。7時に病院に入り、入院患者とのラジオ体操を日課としている。
「会話をすることで、患者さんの症状や心配事がわかるのです。同時に、私自身の健康維持のためにも欠かせませんね」
加藤先生は’06年に藤田医科大学教授に就任。脳神経外科の女性教授は日本初の快挙だった。
「決して腐らない。たとえうまくいかなくても、あきらめない。がむしゃらに医学と向き合ってきた結果が、いまの自分だと思います」
バリバリの男社会で数々の困難を乗り越え、いまも極度のプレッシャーのかかる手術をこなす。そして患者さんとのコミュニケーションもおろそかにしない。
「医師をしていると、つらい場面に直面することは避けられません。それを乗り越えるべき試練だと思うようにしています。そこから患者さんや家族と本当の信頼関係が築けるのです」
「仏教カウンセラー養成講座」開催のお知らせ ~仏教とカウンセリングの融合で、悩める人に寄り添える人材を育成~