2020年2月5日 15:50
「膀胱炎」は冬にも患者が増加、抗生物質効かないタイプも
「膀胱炎は疲労や睡眠不足などにより免疫力が低下することでも発症リスクが高まります。また、膀胱炎を繰り返す中高年の女性は、温水洗浄便座のビデを多用している人も少なくありません。ビデを使って洗浄することで感染を防ぐ膣粘膜を傷つけたり、細菌が付着した洗浄ノズルから感染したりすると考えられます」
さらに気になるのは冒頭で触れた、治療が困難な膀胱炎の存在だ。
「これまでは、症状を引き起こす大腸菌を除菌できる抗生物質を飲むことで、ほとんどの膀胱炎が数日で治っていました。ところが最近、大腸菌のなかに、抗生物質の効かない大腸菌が増えているのです」(野宮先生)
薬物耐性に詳しい、国立国際医療研究センター病院・AMR臨床リファレンスセンター情報・教育支援室長の具芳明先生が語る。
「膀胱炎の治療で広く使われていたのはキノロン系とセフェム系という抗生物質で、これまで多くの膀胱炎を治してきました。ところが、これらの抗生物質が効かない薬剤耐性の大腸菌がある人が急増。もっとも使われているキノロン系でも、4割が効かなくなっているのです」
膀胱炎の“特効薬”だったキノロン系とセフェム系の抗生物質でも効かない膀胱炎が、わずか7年間で急増しているのだ。